JPH10273433A - 日焼け止め化粧料 - Google Patents

日焼け止め化粧料

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JPH10273433A
JPH10273433A JP9517597A JP9517597A JPH10273433A JP H10273433 A JPH10273433 A JP H10273433A JP 9517597 A JP9517597 A JP 9517597A JP 9517597 A JP9517597 A JP 9517597A JP H10273433 A JPH10273433 A JP H10273433A
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文孝 佐藤
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令二 宮原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 極性の高い紫外線吸収剤を安定に高配合で
き、皮膚を紫外線から防御し、紫外線による皮膚の炎症
の発生を抑え、使用感が優れた日焼け止め化粧料を提供
すること。 【構成】 下記(1)(2)及び(3)の成分をエステ
ル化して得られるエステル化合物と、紫外線吸収剤とを
含有することを特徴とする日焼け止め化粧料。 (1)多価アルコール (2)炭素数8から30の直鎖、分岐、不飽和またはヒ
ドロキシ脂肪酸 (3)炭素数12から30の直鎖または分岐二塩基酸

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は日焼け止め化粧料に
関する。さらに、詳しくは、特定のエステル化合物と紫
外線吸収剤とを配合することにより、皮膚を紫外線から
防御し、紫外線による皮膚の炎症の発生を抑え、さらに
使用感に優れた日焼け止め化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】肌を褐色や小麦色に日焼けさせることは
健康美の表現として、あるいはファッションとしての意
識がある若者層を中心に積極的に日焼けをしたいと考え
ている人が多く、彼らは強烈な太陽光線下に肌を晒して
いる。
【0003】一方、近年、紫外線から肌を保護する意識
が高まり、ひぶくれ、紅斑等の原因となる紫外線から肌
を守るために、化粧料中に紫外線吸収剤を配合して紫外
線を吸収させたり、紫外線散乱能のある粉末を配合した
日焼け止め化粧料が開発されている。
【0004】しかしながら、紫外線に過敏な人や長い間
太陽光線に肌を晒したことがない人はもちろんのこと、
健常人が真夏に強烈な太陽光線で適当な日焼けを楽しむ
には、日焼け止め化粧料中に紫外線吸収剤を多量に配合
する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、紫外線吸収
剤はその極性のために油分等に高配合することが困難と
なる問題点があった。
【0006】本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭
意研究を重ねた結果、紫外線吸収剤を配合する日焼け止
め化粧料に特定のエステル化合物を配合すると、極性の
高い紫外線吸収剤を安定に高配合することができ、皮膚
を紫外線から防御し、紫外線による皮膚の炎症の発生を
抑え、さらに使用感が優れた日焼け止め化粧料が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明は、極性の高い紫外線吸収剤を安定
に高配合でき、皮膚を紫外線から防御し、紫外線による
皮膚の炎症の発生を抑え、従来の日焼け止め化粧料に比
べて使用感が優れた新規な日焼け止め化粧料を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記(1)(2)及び(3)の成分をエステル化して得ら
れるエステル化合物と、紫外線吸収剤とを含有すること
を特徴とする日焼け止め化粧料を提供するものである。 (1)多価アルコール (2)炭素数8から30の直鎖、分岐、不飽和またはヒ
ドロキシ脂肪酸 (3)炭素数12から30の直鎖または分岐二塩基酸
【0009】また、本発明は、前記エステル化合物が、
グリセリンとベヘン酸及びエイコサン二酸をエステル化
して得られるエステル化合物であることを特徴とする前
記のの日焼け止め化粧料を提供するものである。
【0010】さらに、本発明は、前記日焼け止め化粧料
が油中水型乳化組成物であることを特徴とする請求項1
または2記載の日焼け止め化粧料。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0012】本発明に用いられるエステル化合物は、多
価アルコールと、炭素数8から30の直鎖、分岐、不飽
和またはヒドロキシ脂肪酸と、炭素数12から30の直
鎖または分岐二塩基酸とから得られるエステル化合物で
あり、これらの成分を任意の割合で仕込み、公知の方法
でエステル化することにより得られる。このエステル化
合物は極性の高い油をゲル化する機能があり、この機能
により極性の高い紫外線吸収剤を安定に配合することが
可能となる。
【0013】多価アルコ−ルとしては、例えば、グリセ
リン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリット、
グリセリン縮合物、ソルビット、トリメチロールエタン
等が挙げられる。
【0014】炭素数8から30の直鎖、分岐、不飽和ま
たはヒドロキシ脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、
イソステアリン酸、オレイン酸、2−エチルヘキサン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0015】炭素数12から30の直鎖または分岐二塩
基酸としては、ドデカン二酸、エイコサン二酸、1−,
10−デカメチレン二酸、1−,12−ドデカメチレン
二酸、1−,15−ペンタデカメチレン二酸、1−,2
8−オクタコサメチレン二酸、7−エチルオクタデカン
二酸等が挙げられる。
【0016】本発明においては、グリセリンとベヘン酸
及びエイコサン二酸をエステル化して得られるエステル
化合物のグリセリンベヘン酸エイコサンジカルボン酸
が、使用性及び経時安定性の点で特に好ましく使用され
る。グリセリンベヘン酸エイコサンジカルボン酸は、グ
リセリン、ベヘン酸、エイコサン二酸を任意の仕込み比
で混合してエステル化することにより、グリセリン単
位、ベヘン酸単位、エイコサン二酸単位の含有量が異な
る種々のエステル化合物の混合物の形で得られる。
【0017】本発明におけるエステル化合物の配合量は
日焼け止め化粧料全量中0.1〜20重量%、好ましく
は0.5〜5重量%である。配合量が0.1重量%未満
では、高温における安定性に問題があり、20重量%を
越えると硬く成り過ぎて使用しにくくなる。
【0018】本発明に用いる紫外線吸収剤は、従来、化
粧料に汎用されている任意の紫外線吸収剤でよく、例え
ば、以下の紫外線吸収剤を配合することが出来る。 (イ)安息香酸系紫外線吸収剤 パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABA
モノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPAB
Aエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステ
ル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N
−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチル
PABAアミルエステル、N,N−ジメチルPABAオ
クチルエステル (ロ)アントラニル酸系紫外線吸収剤 ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート (ハ)サリチル酸系紫外線吸収剤 アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメチ
ルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリ
シレート、ベンザルサリシレート、p−イソプロパノー
ルフェニルサリシレート (ニ)桂皮酸系紫外線吸収剤 オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシン
ナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメー
ト、エチル2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチ
ル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−
p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキ
シシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメー
ト、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチル
ヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシ
エチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−
p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−
フェニルシンナメート、2−エトキシエチル−α−シア
ノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−
エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート (ホ)ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ
ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホン酸塩、4−フェニルベゾフェノン、2−エ
チルヘキシン−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−
カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキ
シベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベ
ンゾフェノン (ヘ)シリコーン系桂皮酸誘導体紫外線吸収剤 下記「化1」で表される単位を少なくとも1個もつシロ
キサン類であって、前記シロキサン類中に存在しうる他
の単位が「化2」で表されるシリコーン系桂皮酸誘導体
【化1】
【化2】 (「化1」及び「化2」において、R1 は炭素数1〜4
のアルキル基又はフェニル基、R2 は少なくとも2個の
炭素原子を有する二価の炭価水素基、nは0〜3の整
数、aは2または3の整数、R3 は炭素数1〜4のアル
キル基またはフェニル基、mは0〜3の整数を表す。) (ト)その他の紫外線吸収剤 3−(4’メチルベンジリデン)−d,l−カンファ
ー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニ
ン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5
−メチルベンゾキサザール、2,2’−ヒドロキシ−5
−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイ
ルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイ
ルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリ
デン)−3−ペンタン−2−オン
【0019】本発明に用いられる紫外線吸収剤は、例え
ば、上記紫外線吸収剤の一種または二種以上が選択され
配合される。配合量は、特に限定されず、通常、日焼け
止め化粧料に対して0.05〜30重量%、好ましく
は、0.1〜20重量%であるが、本発明は、紫外線吸
収剤を10重量%以上高配合する場合に特に有用であ
る。
【0020】本発明の日焼け止め化粧料には上記した必
須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で通常化
粧品や医薬品等の外用剤に用いられる他の成分、例え
ば、油分、湿潤剤、酸化防止剤、界面活性剤、防腐剤、
保湿剤、アミノ酸、香料、水、アルコール、増粘剤、色
剤、粉末、薬剤等を必要に応じて適宜配合することがで
きる。
【0021】本発明の日焼け止め化粧料の剤形は任意で
あるが、必須成分のエステル化合物が極性の高い紫外線
吸収剤をゲル化することにより安定に配合することが可
能となる点及び使用性の点から、油中水型乳化組成物で
あることが好ましく、クリーム、乳液の形態の日焼け止
め化粧料が特に好ましい。
【0022】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。配合量は重量%である。
【0023】「実施例1〜6」「比較例1〜3」 「表2」に示す処方より、必須成分のエステル化合物及
び紫外線吸収剤を配合した実施例1〜6及びエステル化
合物だけを配合しない同様の処方の比較例1〜3のクリ
ームを以下の製法で調製し、下記に示す効果試験を行っ
た。試験結果は「表3」及び「表4」に記載した。
【0024】<製法>1)〜7)を混合し、加熱溶解し
て70℃に保ち油相部とする。別に、8)〜13)を加
熱溶解して水相部とする。この油相部に水相部を添加し
て乳化機により十分に乳化する。乳化後、かきませなが
ら冷却し、35℃以下になったら容器に流し込み放冷し
て固め、クリームを得た。
【0025】なお、実施例に用いたエステル化合物は、
グリセリン、ベヘン酸及びエイコサン二酸を、グリセリ
ン:ベヘン酸:エイコサン二酸=10:15:7の仕込
み比でエステル化して得られたグリセリンベヘン酸エイ
コサンジカルボン酸の混合物である。
【0026】効果試験の評価項目及び評価基準は以下の
通りである。 <安定性評価試験>各クリームを、−10℃、0℃、2
5℃、40℃の恒温槽に3か月間保存し、色調、臭い、
外観性状及び使用感の変化について下記の基準によって
評価した。 〔評価基準〕 ○:色調、臭い、外観性状及び使用感のいずれにも全く
変化がない。 ×:色調、臭い、外観性状及び使用感のいずれかに変化
が見られた。
【0027】<使用性の官能評価試験>パネラー10名
に各クリームを使用させ、しっとりさ、こく、なめらか
さ、べたつきについて、下記の基準により評価した。
【表1】 〔評価点〕 --------------------------------------------------------- 使用性 ある ややある ない --------------------------------------------------------- しっとりさ 2 1 0 こく 2 1 0 なめらかさ 2 1 0 べたつき 0 1 2 --------------------------------------------------------- 〔評価基準〕 ○:評価点平均1.5以上 △:評価点平均0.5以上1.5未満 ×:評価点平均0.5未満
【0028】<紫外線吸収効果>実施例の中で紫外線吸
収剤が安定に高配合されている実施例6と、安定性に問
題のなかった比較例1を用いて、海浜での実使用テスト
を行った。試験方法は、パネラ−10名の背中を半々に
分け、一方に実施例6のクリームを適量塗布し、もう片
方に比較例1のクリームを同量塗布した後、6時間屋外
で太陽に晒し、日焼けの程度を以下の基準に従って評価
した。 ○:ほとんど日焼け症状が認められなかった。 △:軽度の日焼け症状が認められた。 ×:強度の日焼け症状が認められた。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】「表3」及び「表4」より、本発明の日焼
け止め化粧料である実施例のクリームは、比較例のクリ
ームに比べ、安定性、使用性及び紫外線吸収効果の点
で、極めて優れていることが分かる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、極性の高い紫外線吸収
剤を安定に高配合でき、皮膚を紫外線から防御し、紫外
線による皮膚の炎症の発生を抑え、使用感が優れた日焼
け止め化粧料を提供出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)(2)及び(3)の成分をエス
    テル化して得られるエステル化合物と、紫外線吸収剤と
    を含有することを特徴とする日焼け止め化粧料。 (1)多価アルコール (2)炭素数8から30の直鎖、分岐、不飽和またはヒ
    ドロキシ脂肪酸 (3)炭素数12から30の直鎖または分岐二塩基酸
  2. 【請求項2】 前記エステル化合物が、グリセリンとベ
    ヘン酸及びエイコサン二酸をエステル化して得られるエ
    ステル化合物であることを特徴とする請求項1記載の日
    焼け止め化粧料。
  3. 【請求項3】 前記日焼け止め化粧料が油中水型乳化組
    成物であることを特徴とする請求項1または2記載の日
    焼け止め化粧料。
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