JP2010037230A - 油中水型乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 油相と水相とを含む油中水型乳化組成物において、有機変性粘土鉱物と、(a)炭素数8〜30の脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸、(b)炭素数12〜36の二塩基酸、および(c)グリセリンまたはグリセリン縮合物から得られるエステル化合物と、三次元架橋構造を有するシリコーン重合物と、シリコーン油と、を含有する。
【選択図】 なし
Description
そこで、本発明では、油中水型乳化組成物において、乳化安定性および離油安定性を改善すること、さらに、良好な使用感を得ることを目的とする。
油相と水相とを含む油中水型乳化組成物であって、前記油相に、
有機変性粘土鉱物と、
(a)炭素数8〜30の脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸、(b)炭素数12〜36の二塩基酸、および(c)グリセリンまたはグリセリン縮合物から得られるエステル化合物と、
三次元架橋構造を有するシリコーン重合物と、
シリコーン油と、
を含有する油中水型乳化組成物が提供される。
油中水型乳化組成物(以下、単に「組成物」と記す場合もある。)は、有機変性粘土鉱物と、(a)炭素数8〜30の脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸(直鎖または分岐、飽和または不飽和)、(b)炭素数12〜36の直鎖または分岐二塩基酸、および(c)グリセリンまたはグリセリン縮合物から得られるエステル化合物と、三次元架橋構造を有するシリコーン重合物と、シリコーン油と、を含有する。
この油中水型乳化組成物により本発明の効果が得られる理由については、推論ではあるが、油相が増粘されて油分の吐き出しが防止されるとともに、各配合成分の分散性が向上されることで、乳化安定性および離油安定性が向上し、また、シリコーン油を含みその作用が阻害されることもないため、伸び・広がりも良好でべたつき等の使用感も改善できると考えられる。
たとえば、ジステアルジモニウムヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウムベントナイト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト等が挙げられる。これらの1種または2種以上の組み合わせを適宜選択して用いることができる。
上記エステル化合物は、常法に従って、これらの成分を任意の割合で調整しエステル化することにより、成分(a)、(b)、(c)の含有量が異なる種々のエステル化合物の混合物として得ることができる。
上記成分(c)のグリセリンまたはグリセリン縮合物のうちグリセリン縮合物としては、重合度が2以上、好ましくは2〜10のポリグリセリンであり、たとえば、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリン等が挙げられ、グリセリンを含めてこれらを1種または2種以上の組み合わせとして用いることができる。
上記のように、本発明の組成物によれば、高濃度の紫外線吸収剤を配合しつつ使用感の良好な日焼け止め化粧料を提供することができる。
微粒子粉体の平均粒子径は2〜100nmであることが好ましく、紫外線遮断効果の観点から、平均粒子径が10〜60nmである場合がより好ましい。
微粒子粉体の形状は特に制限はなく、球状であっても板状であっても差し支えない。
微粒子粉体は、表面活性を低下させる、基剤への分散性を高める、化粧持ちを改善する等の目的により、表面処理を施したものを用いることが好ましい。
乳化剤としては、シリコーン系乳化剤を用いることが好ましい。このシリコーン系乳化剤としては、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されないが、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、長鎖アルキル含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン等が、優れた使用感及び保存安定性向上効果が得られるために好ましい。これらは、1種または2種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができる。
本発明の油中水型乳化組成物は、上記した各成分を用いて、常法に従って製造することができる。
表1に示す処方に従い、次のようにして、実施例および比較例の組成物を調製した。
(1)から(15)の油相成分を混合し、75℃に加熱し、ホモミキサーにより均一に分散した。一方、(16)〜(20)の水相成分を混合し、75℃に加熱して溶解後、油相成分に加え乳化を行った。乳化終了後、30℃まで冷却し、油中水型乳化化粧料(日焼け止め化粧料)を得た。
(1)シクロペンタシロキサン:信越化学工業社製「シリコンKF995」
(2)ジステアルジモニウムヘクトライト:エレメンティスジャパン社製「ベントン38VCG」
(3)ステアリン酸イヌリン:千葉製粉社製「レオパールISK2」
(4)パルミチン酸デキストリン:千葉製粉社製「レオパールKL」
(5)ベヘン酸/エイコサン二酸/グリセリル:日清オイリオ社製「ノムコートHK−G」
(6)ジメチコン:信越化学工業社製「シリコンKF96A−6CS」
(7)ネオペンタン酸イソステアリル:高級アルコール工業社製「・ネオライト180P」
(8)シリル化シリカ:日本アエロジル社製「アエロジルR972」
(9)ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー:信越化学工業社製「シリコンKSG−16」
(10)微粒子酸化チタン分散液:微粒子酸化チタン(平均粒径10〜50nm)40質量%、PEG10ジメチコン8.5質量%、シクロペンタシロキサン35質量%、ジフェニルシロキサンフェニルトリメチコン16.5質量%を、ビーズミルを用いて分散させた分散液。
(11)p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル:BASF社製「UVINUL MC80」
(12)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:信越化学工業社製「シリコンKF6028」
(13)微粒子酸化亜鉛:テイカ社製「MZ−505S」(平均粒径20〜30nm)
(14)ポリメチルシルセスキオキサン:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製「TOSPEARL2000B*」
−20℃で凍結させたものを室温に戻すサイクルを10回行い、水相の吐き出しの有無を確認し評価した。Aは10回安定(水相の吐き出し無し)、Bは8回安定、Cは5回安定、Dは2回安定である。
−5℃/12時間、5℃/12時間を1サイクルとし、30サイクル安定で離油がないものをA、20サイクルで離油するものをB、10サイクルで離油するものをC、5サイクル以下で離油するものをDとして評価した。
専門評価パネル3名による合議制にて各項目を官能評価した。Aは非常に良好、Bは良好、Cは普通、Dは不良である。
これに対し、比較例の組成物は、乳化安定性および離油安定性が悪く、使用感も良好ではなかった。
表3に示す処方で、実施例および比較例の油中水型乳化化粧料(日焼け止め化粧料)を調製した。
(1)から(17)の油相成分を混合し、75℃に加熱し、ホモミキサーにより均一に分散した。一方、(18)〜(22)の水相成分を混合し、75℃に加熱して溶解後、油相成分に加え乳化を行った。乳化終了後、30℃まで冷却し、油中水型乳化化粧料(日焼け止め化粧料)を得た。
(6)ピバリン酸イソステアリル:高級アルコール工業社製「ネオライト180P」
(9)アクリル酸アルキル/ジメチコンコポリマー:信越化学工業社製「シリコンKP−545」(純度30%)
(11)p−メトキシ桂皮酸オクチル:BASF社製「UVINUL MC80」
(14)ポリアクリル酸アルキル:松本油脂社製「マイクロスフェアー M−306」
(15)メチルシロキサン網状重合体:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TOSPEARL 2000B」
(16)無水ケイ酸:三好化成社製「SA−SB−700(7%)」
(17)グリチルレチン酸ステアリル:丸善製薬社製「COグレチノール」
下記処方で、油中水型乳化化粧料(乳化ファンデーション)を製造した。
(1)シクロペンタシロキサン 20.85(質量%)
(2)有機変性ベントナイト(注1) 0.6
(3)グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物(注2) 0.6
(4)ジメチコン 2.0
(5)ネオペンタン酸イソステアリル 6.0
(6)シリル化シリカ 0.6
(7)架橋型メチルポリシロキサン(注3) 0.6
(8)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
(9)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2.0
(10)微粒子酸化チタン(平均粒径10〜50nm) 6.0
(11)酸化チタン 10.0
(12)ベンガラ 0.5
(13)黄酸化鉄 1.5
(14)黒酸化鉄 0.2
(15)タルク 5.0
(16)フェノキシエタノール 0.2
(17)1,3−ブチレングリコール 5.0
(18)濃グリセリン 2.0
(19)塩化ナトリウム 0.8
(20)精製水 100とする残部
注1:ベントン38VCG(エレメンティスジャパン社製)
注2:ノムコートHK−G(日清オイリオ社製)
注3:シリコンKSG−16(信越化学工業社製)
下記処方で、油中水型乳化化粧料(日焼け止め化粧料)を製造した。
(1)シクロペンタシロキサン 20.85(質量%)
(2)有機変性ベントナイト(注1) 1.0
(3)グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物(注2) 0.3
(4)ジメチコン 2.0
(5)ネオペンタン酸イソステアリル 6.0
(6)シリル化シリカ 0.6
(7)架橋型メチルポリシロキサン(注3) 0.6
(8)微粒子酸化チタン(平均粒径10〜50nm) 6.0
(9)メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
(10)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 2.0
(11)微粒子酸化亜鉛(平均粒径20〜30nm) 15.0
(12)ポリメチルシルセスキオキサン 2.0
(13)フェノキシエタノール 0.2
(14)1,3−ブチレングリコール 5.0
(15)濃グリセリン 2.0
(16)塩化ナトリウム 0.8
(17)精製水 100とする残部
注1〜注3は、上記実施例5と同じ。
Claims (3)
- 油相と水相とを含む油中水型乳化組成物であって、前記油相に、
有機変性粘土鉱物と、
(a)炭素数8〜30の脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸、(b)炭素数12〜36の二塩基酸、および(c)グリセリンまたはグリセリン縮合物から得られるエステル化合物と、
三次元架橋構造を有するシリコーン重合物と、
シリコーン油と、を含有する油中水型乳化組成物。 - 前記エステル化合物が、ベヘン酸と、エイコサン二酸と、グリセリンまたはグリセリン縮合物とをエステル化して得られるものである、請求項1に記載の油中水型乳化組成物。
- さらに、微粒子粉体および油溶性紫外線吸収剤からなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項1または2記載の油中水型乳化組成物。
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