JPH10272781A - 液体吐出装置および液体吐出装置用清掃機構 - Google Patents

液体吐出装置および液体吐出装置用清掃機構

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JPH10272781A
JPH10272781A JP11145897A JP11145897A JPH10272781A JP H10272781 A JPH10272781 A JP H10272781A JP 11145897 A JP11145897 A JP 11145897A JP 11145897 A JP11145897 A JP 11145897A JP H10272781 A JPH10272781 A JP H10272781A
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JP
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liquid
cleaning
head
wiper
elastic member
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JP11145897A
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English (en)
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Daisaku Ide
大策 井手
Tetsuhiro Nitta
哲弘 新田
Isao Ebisawa
功 海老沢
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体吐出ヘッドがフェイス面のワイピング機
構および該機構を備えた液体吐出装置を提供する。 【解決手段】 フェイス面に凹状の吐出口面を有するヘ
ッドに対し、中空柱状等のワイパブレード2aまたはこ
れに擦り手段を組み合わせた清掃手段でインク固着物、
インクとプリント性向上液との反応凝集物等を排除し、
吐出口の目詰まりを解消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録媒体上にイ
ンクまたはプリント性向上液等の液体を吐出して高品位
の画像を得ることができる液体吐出装置および液体吐出
装置用清掃機構に関する。
【0002】また、本発明は、紙や布、不織布、OHP
用紙等の被記録媒体を用いる機器すべてに適用でき、具
体的な適用機器は、プリンタ、複写機、ファクシミリな
ど事務機器や大量生産機器等を挙げることができる。
【0003】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録方法は、
低騒音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、
カラー化が容易等からインクや複写機等に利用されてい
る。
【0004】インクジェット記録方式には元来、次のよ
うな特有の問題がある。
【0005】この方式では、記録ヘッドからインク液滴
を吐出して紙,OHPフィルムなどの被記録媒体上に着
弾させて記録を行う。このため、吐出した主インク滴以
外に発生した微細なインク滴(ミスト)や被記録媒体へ
吐出したインク滴の跳ね返りなどによって記録ヘッドの
吐出口面にインクが付着することがある。この付着物が
吐出口の周りに多量に集まり、さらに紙粉等の異物が付
着すると、複数の吐出口の少なくとも一部が閉塞され
る。このような吐出口の閉塞により、インク吐出が阻害
されて予定外の方向へのインク吐出(ヨレ)、あるいは
インク液滴が吐出されない(不吐出)という事態が発生
する可能性が考えられる。
【0006】このため、インクジェット記録方式におい
ては、回復手段により上述の事態発生を未然に防止しよ
うとしている。
【0007】実開昭58−128034号は、例えば、
図24(a)および(b)に示すように、ゴムなどの弾
性部材で形成した一つのへら状ブレード208aの先端
部を吐出口面208bに当接させた状態で、矢印208
c方向にブレード208aを移動させることによって記
録ヘッドの吐出口面208b上に付着したインクミスト
や被記録媒体から跳ね返ったインク滴からなる付着物や
これに紙粉等がさらに付着した異物を掃拭(ワイピン
グ)する構成を開示する。
【0008】しかし、このようなインクジェットヘッド
では、紙擦れなどで吐出口面208bが直接傷つく可能
性もある。
【0009】そこで、インクジェットヘッドの吐出口面
208bを凹状面とし、それ以外のフェイス面部分と同
一面で構成しない対策が採用される場合がある。
【0010】ところが、このような場合に、単一のへら
状ブレードでは、次のような問題点を生じていた。
【0011】(1)吐出口面とそれ以外の面との段差の
ためにブレードを吐出口面に当接させることができず、
汚れを除去できない。
【0012】(2)上記段差のため十分に安定した当接
圧が得られずワイピング時に汚れのすり抜けを起こして
しまう。
【0013】(3)へら状形状のブレードが無理に変形
して凹部に入り込むため、ブレードに当接圧の極端に変
化する部分が発生することによりワイピング時に汚れの
すり抜けを起こしてしまう。
【0014】そこで、このようなインクジェットヘッド
の吐出口面がそれ以外のフェイス面部分と同一面で構成
されない凹状面を採る場合の問題点の対策は、例えば実
開平3−262646号に開示されている。
【0015】図25(a)および(b)は上述の対策例
を示す図であって、図25(a)は記録ヘッドの吐出口
面および2種類のクリーニング部材を示す概略正面図で
あり、図25(b)は図25(a)を下方から視た概略
平面図である。
【0016】この対策例においては、クリーニング部材
209として、吐出口209eを含む吐出口面209d
をクリーニングするための第1クリーニング部材209
aと、吐出口面209d以外のインク付着部分209c
をクリーニングするための第2クリーニング部材209
bが備えられている。第1クリーニング部材209a
は、図25(a)に示すように凹状面の底面をなす吐出
口面209dに当接可能な高さを有すると共に、図25
(b)に示すように、列状に配された吐出口209eの
長さに相当する長さを有している。また、第1クリーニ
ング部材209aは単独で矢印209f方向への移動に
際し、吐出口209e全ての清掃が可能である。一方、
第2クリーニング部材209bは、図25(a)に示す
ように吐出口面209d以外の面209cに当接可能な
高さを有しているため、その面209cの清掃が可能で
ある。また、この例では、第2クリーニング部材209
bは、2つに分割されており、いずれも第1クリーニン
グ部材209aに対して矢印209f方向にオフセット
されると共に、吐出口209eからその列方向の外側に
配設されている。
【0017】従って、このような構成の対策例によれ
ば、2種類のクリーニング部材により、記録ヘッドの吐
出口とそれ以外の部分が同一面で構成されていなくて
も、完全なクリーニングが可能であると考えられる。
【0018】図26(a)および(b)は上述の対策例
とは別の対策例を示す図であって、図26(a)は記録
ヘッドの吐出口面および2種類のクリーニング部材を示
す概略正面図であり、図26(b)は図26(a)を下
方から視た概略平面図である。
【0019】図26(a)および(b)に示す第1クリ
ーニング部材210aは、先の対策例における第1クリ
ーニング部材209aとほぼ共通しているが、第2クリ
ーニング部材210bは先の対策例における第2クリー
ニング部材209bとは分割されていない点で異なる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図25
(a)および(b)や図26(a)および(b)に示す
ように、吐出口列に対して直交する方向(矢印209
f、210f)からのワイピングでは、インク吐出に悪
影響を及ぼす場合がある。
【0021】例えば、インクの他に、インク中の染料等
を瞬時に不溶化して凝集させるプリント性向上液を用い
て記録を行う場合や顔料インク等のような微小固体を分
散もしくは略溶解させたインクを用いる場合である。
【0022】図27は、インクの他に上述のプリント性
向上液を吐出するための吐出口を備えた記録ヘッドによ
るインク等の吐出状態を示す概略正面図である。図27
において、211aはプリント性向上液吐出ヘッドであ
り、211bはインクヘッド(記録ヘッド)であり、1
1cは被記録媒体である。プリント性向上液吐出ヘッド
211aはプリント性向上液吐出口列211dを有し、
インクヘッド211bはインク吐出口列211eを有し
ており、両ヘッドは矢印211iで示す走査方向に隣接
している。この場合、まず、プリント性向上液吐出ヘッ
ド211aから被記録媒体211c上の記録予定領域に
プリント性向上液の液滴211jを着弾させて着弾層2
11kを形成する。その直後に、プリント性向上液の着
弾層211k上にインク滴211lを着弾させて被記録
媒体211c上で瞬時に凝集させ凝集領域211mを形
成する。これにより、色間のブリードの防止や耐水など
画像品位向上を図ることが可能である。
【0023】しかし、このシステムにおいては、被記録
媒体211c上に先行して着弾したプリント性向上液の
層211k上にインクが着弾することにより両液の混合
ミスト2211nが同時に跳ね上がりインクヘッド21
1bの吐出口列211eの近傍に付着して凝集物211
hが形成される可能性がある。また、各ヘッドの吐出口
列には、それぞれ自己ミストによる付着物211fおよ
び211gが形成される可能性もある。
【0024】図28は、図27に示したヘッドを被記録
媒体側から視た図であって、インクとプリント性向上液
の両ミストがインクヘッドの吐出口列を含むフェイス面
上に凝集付着する領域を示す拡大平面図である。
【0025】図28に示すようにインクヘッドのフェイ
ス面には、インク吐出時のインク自身のミストが主に吐
出口列211eの近傍211gに付着する一方、プリン
ト性向上液とインクの混合ミスト211nが吐出口列2
11eから若干離れた周囲211hに凝集付着する。
【0026】ここで、先の図25や図26に示すような
吐出口列に対して直交する方向からのワイピングを行う
と、図28に示すような凝集領域211hの凝集物を吐
出口内に押し込むことになる。この場合、インク吐出に
際してヨレが発生したり不吐出となるなどの悪影響によ
り印字品位が低下する。また、ワイピング後のインクの
予備吐出でも吐出口内に押し込まれた凝集物は除去でき
ず印字品位が回復不能となることがわかった。
【0027】従って、このような場合には、吐出口列に
沿う方向にワイピングを行うことにより前記凝集物がワ
イパにより吐出口内に押し込まれないようにする必要が
ある。
【0028】特に、上記システムでは、吐出口面がそれ
以外のフェイス面部分と同一面で構成されないため、図
29(a)および(b)に示すように凹状面の底面をな
す吐出口面213cの吐出口列方向へのワイピングをへ
ら状ブレード213aで行うとすると、凹部内の面21
3cにブレード213aの先端部が完全に当接すること
が不可能となる。このため、吐出口列近傍の埃、ゴミや
紙粉、インク滴、インクの乾燥に伴い強固に被着した固
化物、特に被記録媒体上でインクを瞬時に凝集させるた
めのプリント性向上液とインクがフェイス面上で凝集付
着したものなどを除去できないといった問題点が発生す
る。なお、図29(a)はヘッドの凹状面の底面をなす
吐出口面を含む面をワイピングするへら状のブレードを
示す概略正面図であり、図29(b)はヘッドの凹状面
の底面をなす吐出口面のみをワイピングする小型のへら
状のブレードを示す概略正面図である。
【0029】さらにこの問題を解決するために、本発明
者らは実開昭61−5647号や、特開平4−3385
52号などですでに開示されているへら状ワイパと擦り
手段とで構成されたクリーナーを用いて前記インクヘッ
ドに対し凹状ノズル面の長手方向でのワイピングを行っ
たが、やはりへら状ワイパ部は凹部状ノズル面に当接で
きなかった。したがって、擦り手段のみによりクリーニ
ングを行ってみたが、使用初期ではよりクリーニング効
果が得られるものの、使用頻度が増してくると以下の問
題点が発生することがわかった。
【0030】(1)前記インクヘッドにおいては、次の
ような現象である。
【0031】前記擦り手段のみによるフェイス面の清掃
を繰り返していくと、前記擦り手段表面にインクとプリ
ント性向上液との反応による凝集物や増粘インクなどの
汚れが徐々に堆積していき、溜まりすぎたときに堆積し
た汚れがインクジェットヘッドに再転写してしまう。こ
の再転写した凝集物を含む汚れはノズルに押し込まれて
ヨレや不吐出などの印字不良を引き起こす。
【0032】(2)前記プリント性向上液吐出用ヘッド
においては、次のような現象である。
【0033】前記擦り手段のみによるフェイス面の清掃
を繰り返していくと、前記擦り手段にはプリント性向上
液のみでなく徐々にインクも付着していく。前記擦り手
段がインクによって非常に汚れてくると擦り手段の表面
はプリント性向上液とインクとの反応による凝集物で覆
われるようになる。この状態での擦り手段の汚れの除去
能力が弱まり、逆に前記擦り手段からフェイス面への汚
れの再転写が支配的となってくる。
【0034】このような再転写が繰り返されるとフェイ
ス面の撥水性が完全に失われてきて、吸引後にはフェイ
ス面にプリント性向上液が多量に付着するようになる。
最終的には、プリント性向上液の付着物がヨレや不吐出
などの印字不良を引き起こすようになる。
【0035】本発明の目的は、従来技術の欠点を改良
し、フェイス面の細長い凹部内に吐出口列を有するヘッ
ドにおいて、吐出口面に付着した埃、ゴミや紙粉、イン
ク滴、インクの乾燥に伴い強固に被着した固化物、特に
被記録媒体上でインクを瞬時に凝集させるためのプリン
ト性向上液とインクがフェイス面上で凝集付着したもの
などを、単純な構造で容易にインク吐出に影響なく除去
できるクリーニング手段を有する記録装置を実現するこ
とにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いる
液体吐出装置であって、前記液体吐出ヘッドの吐出口部
を清掃するための清掃手段を含み、該清掃手段は、前記
液体を吸収しない略柱状の弾性部材で形成され、前記液
体吐出ヘッドの吐出口部を含む面に当接した際に弾性変
形することを特徴とする。
【0037】また、本発明は、液体の種類毎に液体吐出
機構が独立した複数の液体吐出ヘッドを用いる液体吐出
装置であって、前記複数の液体吐出ヘッド毎に該複数の
液体吐出ヘッドの吐出口部を清掃する複数の清掃手段を
含み、該各清掃手段は略柱状の弾性部材で構成され、前
記液体吐出ヘッドの吐出口部を含む面に当接した際に弾
性変形することを特徴とする。
【0038】さらに、本発明は、液体の種類毎に液体吐
出機構が独立した複数の液体吐出ヘッドを用いる液体吐
出装置であって、前記複数の液体吐出ヘッド毎に該複数
の液体吐出ヘッドの吐出口部を清掃する複数の清掃手段
を含み、該清掃手段は、少なくとも、前記液体を吸収し
ない略柱状の弾性部材から構成された第1の清掃手段
と、前記液体を吸収する擦り手段と前記液体を吸収しな
いへら状の弾性部材とから構成された第2の清掃手段を
有することを特徴とする。
【0039】さらに、本発明の液体吐出装置用清掃機構
は、液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出口部を清掃す
るための清掃手段を含み、該清掃手段は、液体を吸収し
ない略柱状の弾性部材で形成され、前記液体吐出ヘッド
の吐出口部を含む面に当接した際に弾性変形することを
特徴とする。
【0040】ここで、本発明において、前記略柱状の弾
性部材は、中空部分を有してもよく、筒状であってもよ
い。また、前記略柱状の弾性部材は、その外形が略円柱
状または略角柱状であってもよい。前記略柱状の弾性部
材は、中空部分を有する略円筒状であってもよい。
【0041】前記液体を吸収しない略柱状の弾性部材
は、ウレタンゴム、HNBRゴムおよびEPDMゴムか
らなる群より選択された材料で形成されていてもよい。
【0042】前記弾性部材の硬度が30°〜80°の範
囲であってもよい。
【0043】前記液体吐出ヘッドの吐出口部がキャッピ
ング面より内側に向けて凹形状をなす面内に配置されて
もよい。前記液体吐出ヘッドの凹状面に沿って、前記清
掃手段の中空部分が自己変形することによって該清掃手
段の中空部分の開口端が前記凹状面に対して当接しても
よい。
【0044】前記清掃手段の少なくとも前記液体吐出ヘ
ッドの凹状面に当接する部分は、エッジ状であり、その
曲率半径Rは300ミクロン以下であってもよい。
【0045】前記清掃手段の前記液体吐出ヘッドに対す
る清掃速度が、5mm/秒〜50mm/秒の範囲であっ
てもよい。
【0046】前記清掃手段は前記各液体吐出ヘッドにそ
れぞれ個別対応可能であってもよい。前記清掃手段の形
状は前記液体吐出ヘッドから吐出される液体の特性に応
じて異なるものであってもよい。
【0047】前記清掃手段は、液体吐出ヘッドに対し
て、順方向にならう手段と逆方向のカウンタになる手段
とを持ち合わせてもよい。
【0048】前記清掃手段は、前記液体吐出ヘッドから
吐出された液体の数が所定値に達したことが検出された
際に、清掃を実行してもよい。
【0049】前記清掃手段は、排紙動作時および/また
はキャッピング前に清掃を実行してもよい。
【0050】前記液体吐出ヘッドは、前記液体を吐出す
るために利用されるエネルギを発生する素子として、前
記液体に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気
熱変換体を有してもよい。ここで、本発明における液体
には、インクは勿論、インク中の染料または顔料を不溶
化または凝集して画質を向上させるプリント性向上液も
含まれる。このプリント性向上液については後述する。
【0051】本発明においては、例えば複数の液体ジェ
ットヘッドの吐出口より液体およびプリント性向上液を
吐出して被液体吐出媒体に印字を行う液体ジェット液体
吐出装置であって、そのヘッドの吐出口面がそれ以外の
フェイス面部分と同一面で構成されない凹部の底面をな
す場合であっても、その吐出口面に、弾性を有しかつそ
の形状をへら状でなく凹部形状にならい易い異形状とし
たクリーニング部材を当接させ、この部材で凹部状吐出
口面の長手方向にワイピングを行うことにより容易に、
かつ、吐出口面に付着した液体等の固化物等を吐出口内
に押し込めることなく、その付着物を清掃することがで
きる。
【0052】また、液体ジェット液体吐出装置における
位置精度のためにクリーニング部材と凹部に若干のずれ
が生じた場合にもクリーニング部材自身が自己修正して
凹部の形状にならうことができる。
【0053】また、クリーニング部材がワイピング時の
撓みだけでなく部材自身の形状変形により液体ジェット
ヘッド凹部の形状に追従しその凹部の内面に滑らかに当
接することができる。
【0054】さらに長い期間クリーニング効果を良い状
態に保つために、前記形状を特徴とする弾性を有したク
リーニング部材に加えて擦り手段部を併用した構成のク
リーニング手段をもつことができることを特徴とする。
【0055】また、前記擦り手段部は、へら状ワイパと
擦り手段とで構成されており、凹部を有する記録ヘッド
フェイス面に対して凹部内は前記擦り手段、また凹部外
は前記へら状ワイパにて一方向のワイピングのみで清掃
することができる構成であることを特徴とする。
【0056】また、前記形状を特徴とする弾性を有した
クリーニング部材に加えて擦り手段部を併用した構成は
クリーニング対象となるヘッドにとって最適な構成をも
つことができることを特徴とする。
【0057】すなわち、インクジェット記録装置におい
て複数のインクジェット記録ヘッドが使用される場合に
各々のヘッドに最適な構成を用いればよい。
【0058】すなわち前記形状を特徴とする弾性を有し
たクリーニング部材と擦り手段部のワイピング時の前後
関係は限定されず入れ替わってもよい。
【0059】すなわち前記形状を特徴とする弾性を有し
たクリーニング部材と擦り手段の材質、形状、取り付け
寸法などは最適なものを用いればよい。
【0060】また、前記擦り手段の劣化を軽減するため
前記擦り手段用クリーニング部を有していることを特徴
とする。
【0061】また、前記擦り手段用クリーニング部はワ
イピング直後に作用可能な構成であることを特徴とす
る。
【0062】また、前記擦り手段用クリーニング部は前
記擦り手段と前記形状を特徴とする弾性を有したクリー
ニング部材を同時にクリーニング可能であることを特徴
とする。
【0063】また、前記擦り手段用クリーニング部をさ
らにクリーニング可能な構成を有することを特徴とす
る。
【0064】これにより、吐出口面が吐出口列に沿った
細長い凹部状をなし、その長手方向にワイピングを行う
必要がある場合でも、吐出口面に付着した埃、ゴミや紙
粉、液体、液体の乾燥にともない強固に被着した固化
物、特に被液体吐出媒体上で液体を瞬時に凝集させるた
めのプリント性向上液と液体がフェイス面上で凝集付着
したものなどを単純な構造で液体吐出に影響を与えるこ
となく容易に除去することが可能となる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の記
録装置の実施形態を詳細に説明する。
【0066】(第1実施形態)図1は、本発明の液体吐
出装置の第1実施形態を一部破断して示す概略斜視図で
ある。図1において、符号1aは液体噴射カートリッジ
(以下、単にカートリッジという)である。カートリッ
ジ1aは、その上部に液体を貯留するためのタンク部
と、このタンク部の下側に液体を被記録媒体としての記
録紙1iに向けて噴射するためのヘッド部とから概略構
成されている。
【0067】本実施形態では、それぞれ異なった色のイ
ンク(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)および
インク中の染料等を不溶化するプリント性向上液(以
下、処理液ともいう)を収納する5個のカートリッジが
キャリッジ1b上にそれぞれ位置決めされて搭載されて
いる。この搭載の際には、カートリッジ1a側のコネク
タとキャリッジ1b側のコネクタホルダとが電気的に接
続される。カートリッジ1aには、コネクタ等を介して
ヘッド部を駆動するための信号等の伝達がなされる。
【0068】なお、本実施形態では、図1の左からイエ
ロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのインクを収容
した4個のカートリッジ、そして右端にはインク中の染
料を不溶化するためのプリント性向上液を収納した1個
のカートリッジが配列されている。
【0069】キャリッジ1bは、記録紙1iの搬送方向
に直交する方向(主走査方向)に延在する走査レール1
cに摺動自在に支持されており、駆動ベルト1dにより
主走査方向に往復移動可能である。
【0070】また、記録紙1iの搬送は、上記各カート
リッジ1aのヘッド部による記録位置を基準として搬送
方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられた搬送ローラ
対1e、1f、1gおよび1hにより挟持されて行われ
る。搬送中の記録紙1iはその記録面を平坦に規制する
プラテン(不図示)に圧接されている。本実施形態で
は、キャリッジ1b上に搭載されたカートリッジ1aの
ヘッド部は、記録紙1iの記録面(上面)に対向すると
共に、上述の搬送ローラ対1eと1gとの間に配される
ようにキャリッジ1bから下側の記録面に向かって突出
している。
【0071】本実施形態に係るインクジェット記録装置
においては、プリント性向上液用ヘッドからインク中の
染料を水などの溶媒に不溶化させるためのプリント性向
上液を被記録媒体に吐出し、被記録媒体上で記録ヘッド
から吐出されたインクとプリント性向上液とを接触させ
て染料に耐水性を持たせると共に、被記録媒体上でイン
ク中の染料がプリント性向上液と反応して瞬時に不溶化
するため、色間の滲みをも防止することができる。
【0072】図1の左側にあるホームポジションHP側
に回復系ユニットRが配設されている。回復系ユニット
Rにおけるキャップユニット1jはヘッド部を有する複
数のカートリッジ1aにそれぞれ対応して記録装置本体
のシャーシC上に設けられており、不図示の機構により
上下方向に昇降可能である。キャリッジ1bがホームポ
ジションHPにあるときにはカートリッジ1aのヘッド
部と接合してこれをキャッピングし、これによりヘッド
部の吐出口内のインクが蒸発して増粘または固着して吐
出不良になるのを防止する。
【0073】また、回復系ユニットRにおけるポンプユ
ニット1kはキャップユニット1jに連通しており、ヘ
ッド部が万一吐出不良となった場合にキャップユニット
1jとヘッド部とを接合させて行う吸引回復処理などに
際し、その処理に必要な負圧を生じさせるのに用いられ
る。さらに、回復系ユニットRにおける第1ブレード1
lおよび第2ブレード1mはゴムなどの弾性部材で形成
されたワイピング用クリーニング部材であり、ブレード
ホルダ1nは第1ブレード1lおよび第2ブレード1m
をそれぞれ保持するための部材である。
【0074】本実施形態では、キャリッジ1bが回復系
ユニットRのホームポジションHPに停止するときに、
キャリッジ主走査方向に直交し、かつ、カートリッジ1
aの吐出面に沿う方向にブレードホルダ1nを移動させ
ることにより、左端から4つ目までのブレード1lおよ
び1mはインクを吐出するヘッド部の吐出口面を、右端
のブレード1lおよび1mはプリント性向上液用ヘッド
部の吐出口面をそれぞれワイピングすることができる。
【0075】また、本実施形態では、プリント性向上液
にカチオン系ポリマの水溶液を用い、記録インクには通
常一般的に用いられている酸性染料を含有したインクを
使用した。表1は、実施形態におけるプリント性向上液
および記録インクの組成の一例を示す。
【0076】
【表1】
【0077】次に、図2(a)〜(c)を参照しながら
本実施形態におけるワイピング動作を説明する。
【0078】図2(a)〜(c)は、図1に示した本実
施形態に係るインクジェット記録装置における回復系ユ
ニットRでワイピング動作を説明するための概略正面図
である。2aはワイパブレードであり、2bはワイパブ
レードホルダであり、2dはキャリッジの移動方向(矢
印2g)に直交する方向(矢印2e)に延在するブレー
ドホルダ移動用レールである。
【0079】まず、図2(a)に示すように右側(記録
領域側)よりキャリッジに搭載されたカートリッジ1a
のヘッド部がホームポジションHPに戻り、ワイピング
可能な位置に停止する。この状態において図2(b)に
示すように、ワイピング部材としてのブレード2aを保
持したブレードホルダ2bが手前側に確保された待機位
置から矢印2e方向にスタートし、ブレード2aが任意
の侵入量でヘッド部に当接しながら通過することによっ
てヘッド部のフェイス面をワイピングする。その後、図
2(c)に示すようにキャリッジに搭載された記録ヘッ
ドが矢印2g方向の印字領域側に移動してブレードとフ
ェイス面とが当接しないようにしてからブレードホルダ
2bが矢印2f方向の待機位置に戻ってきて、一連のワ
イピング動作を終了する。
【0080】本実施形態においては、給排紙ゾーンとワ
イピングゾーンとがキャリッジの主走査方向に離間し、
かつ、ワイピング方向(矢印2e方向)が給排紙方向と
平行になっているので、ワイピングによりブレードに付
着したインクなどの液滴がブレードの弾性力によって飛
散しても、被記録媒体の搬送部への飛散量も少なく、被
記録媒体を不用意に汚す危険性も少ない。
【0081】ワイピング方向としては上記ワイピング動
作説明に用いた方向(矢印2e方向)のみに限定される
ことなく、ワイピング効果をさらに上げるためにワイピ
ング方向を異ならせてもよい。例えば矢印2g方向への
ワイピングも可能であり、上述の矢印2e方向と組み合
わせた両方向ワイピングも可能である。
【0082】また、ここで用いられ得るワイパブレード
は長期期間において安定した性能を保持する必要性か
ら、インクやプリント性向上液による経時変化、変質
や、多使用におけるワイパの破損などが発生しない材質
の材料で形成される。例えば、シリコンゴム、ウレタン
ゴム、HNBR(ブタジエンアクリロニトリル共重合
体)ゴム、EPDMゴム(エチレンプロピレンジエン三
元共重合体)などを好適な材料として挙げることができ
る。
【0083】(実施例1)次に、図3(a)〜(f)を
参照して本発明の液体吐出装置におけるワイパブレード
の構成を説明する。
【0084】図3(a)は実施例1のワイパブレードを
示す概略斜視図であり、図3(b)は実施例1のインク
ジェット記録ヘッドを示す概略斜視図であり、図3
(c)は図3(b)におけるX−X線に沿って凹状面の
底面をなす吐出口面を示す概略断面図であり、図3
(d)〜(f)はそれぞれ種々の大きさのワイパブレー
ドを用いて図3(b)に示したヘッドの吐出口面に対し
て行ったワイピングを拡大して示す概略断面図である。
【0085】図3(a)中の矢印Aは中空略円筒状のワ
イパブレード2aのエッジであり、ワイパブレード2a
の自由長は3cで示されている。ワイパブレード2aの
外径3dは、図3(c)に示すようにヘッド凹部3fの
開口の距離(図面では3.0mm)とほぼ等しいことが
望ましい。
【0086】しかし、図3(e)に示すようにワイパブ
レード2aの外径の方が小さい場合であっても、凹部3
f内のノズルの位置にワイパブレード2aが当接可能な
大きさであれば実用可能な範疇となる。また、図3
(f)に示すようにワイパブレード2aの外径の方が大
きい場合であっても、ワイパ自身が十分変形して凹部3
f内のノズルの位置にワイパブレード2aが当接可能な
大きさであれば実用可能となる。
【0087】図3(c)のヘッドフェイス面3eが吸引
時のキャッピング面で、この面の中心部に吐出口列3g
に沿って細長く凹状に窪んだ部分が吐出口面3fであ
る。吐出口列3gは吐出口面3f内に配置されている。
また断面図を見ると凹部が円形状でないことがわかる。
【0088】図3(b)に示す本実施例1における中空
略円筒ワイパで図3(c)に示す本実施例1のインクジ
ェット記録ヘッドをワイピングする場合は、図3(d)
に示すように単に撓むだけでなくワイピング時の当接圧
により円形の中空形状がつぶれて凹部形状に滑らかにな
らうので、凹部の断面形状に合わせた正確な形状加工な
しに凹部の隅までしっかりと確実にワイピングできる。
【0089】本発明者らの実験によれば、図3(c)に
示すような凹部3eが吐出口列3gに沿って細長く、そ
の断面の開口部の距離がおよそ3.0mm、深さ0.3
mmであるヘッドに適用するため、本実施例1の略円筒
状のワイパの寸法を高さ(自由長)3c=5.0mm、
外径3d=3.0mm、内径1.4mmとしてヘッドに
対する侵入量を0.6mmから1.6mmまで0.2m
m間隔で変えた場合、中空略円筒状ワイパの中心が凹部
開口部端から凹部中心側に位置する範囲で、中空略円筒
状ワイパが自己修正して凹部にならうこと、および中空
形状がつぶれて凹部形状に滑らかにならっていることが
確認された。
【0090】本実験においては上記中空略円筒状ワイパ
の材質としてHNBRゴムを選択したが、硬度30°か
ら硬度80°のものを用いると効果があり、望ましくは
55°〜75°であることがわかった。表2は、本実施
例1におけるHNBRゴム製中空略円筒状ワイパの特定
硬度下での侵入量と当接荷重を示す。また、表2に示す
ように硬度55°、65°、75°の3種類を用いた場
合、いずれの硬度でもワイピング時のワイパの当接荷重
は侵入量の変化にほとんど左右されなかった。また、硬
度が55°と65°とでは比較的近い値の当接荷重を示
したが、硬度75°ではおよそ2倍の値を示しているこ
とがわかる。
【0091】
【表2】
【0092】また、これら条件でのワイピング時のイン
ク汚れ除去性については、当接荷重が高いほどよいが硬
度55°の場合に発生する当接荷重でも十分な結果が得
られた。
【0093】従って、本実験に用いた形状、寸法、およ
び材質(HNBRゴム)で形成される中空略円筒状ワイ
パを用いたインクヘッドの汚れ除去は、材質の硬度が5
5°から65°で当接荷重が30gから60gであるこ
とが望ましい。
【0094】また、ワイピングにおいてワイピング速度
をかえた場合、速すぎるとワイピング時に接圧が安定し
ないことやスティックスリップ発生などにより汚れがす
り抜けてワイピング不良になってしまう。
【0095】本実験においては、当接荷重条件が30g
から60gである上記中空筒状ワイパでより高い汚れの
除去性を得るには、ワイピング速度が5mm/秒から5
0mm/秒で効果があり望ましくは5mm/秒から20
mm/秒が良いことがわかった。
【0096】更に、本発明者らの実験によれば、実施例
1のワイパのヘッドに当接するエッジ部の精度、状態に
よって弊害が発生したり効果に差があったりすることが
わかった。
【0097】表3は、本実施例1の中空略円筒状ワイパ
が硬度65°のHNBRゴムで成形された場合でのエッ
ジ精度とワイピング効果を示す。
【0098】
【表3】
【0099】この表3によると上記の強固な汚れを除去
するために実施例1のワイパによりワイピング速度が5
mm/秒から20mm/秒、当接荷重が30gから60
gの条件下でカウンタワイピングを行う場合では、ワイ
パのヘッドに当接するエッジ部の精度は曲率半径R=
0.3mm以下で効果が見られたが、曲率半径R=0.
1mm以下であればより望ましいことがわかった。
【0100】また、エッジにエッジ面と鉛直方向にバリ
がある場合は、ワイピング時にノズルの縁が欠けてしま
いインクやプリント性向上液の吐出不良を招くこともわ
かった。
【0101】従って、実施例1のワイパにおいてはヘッ
ド部に当接するワイパのエッジ部の精度が曲率半径R=
0.3mm以下であり、かつ、バリがないことが必要で
あり、より効果を高めるためには曲率半径R=0.1m
m以下であることが望ましい。よって、ワイパ成形時に
はこの点について十分な注意を払う必要がある。
【0102】また、へら状ワイパではワイピング方向に
しか撓むことができなかったが、本実施例の中空略円筒
ワイパはワイピング方向だけでなく左右上下方向に自在
に弾性変形して撓むことが可能である性質をもつ。
【0103】従来のへら状ワイパでは、ワイピングのた
めのヘッド停止位置のずれやワイパホルダの取り付け誤
差などによりワイパとヘッドの相対位置にずれが生じた
場合、上記性質により相対位置がずれたままワイピング
してしまっていた。
【0104】しかしながら、本実施例の中空略円筒ワイ
パを用いれば、上記性質によりワイピング方向に撓みか
つ相対位置にずれが生じた方向に撓むことが十分可能な
ために、ワイピングのためのヘッド停止位置のずれやワ
イパホルダの取り付け誤差などによりワイパとヘッドの
相対位置にずれが生じた場合でも、中空略円筒ワイパ自
身がワイピング軌道をフェイス面凹部内にならうように
自己修正して相対位置ずれをなくすことによりフェイス
面凹部内をワイピングすることが可能となる。
【0105】また、本発明者らの実験の一例によれば、
図3(c)に示すような凹部が吐出口列に沿って細長
く、その断面の開口部の距離がおよそ3.0mm、深さ
0.3mmであるヘッドに適用するため、中空略円筒ワ
イパの寸法を高さ(自由長)3c=5.0mm、外径3
d=3.0mm、内径1.4mmとしてヘッドに対する
侵入量を1.0mmとした場合、図4(a)に示すよう
にワイピングのためのヘッド停止位置のずれやワイパホ
ルダの取り付け誤差などによるワイパとヘッドの相対位
置ずれが開口部の中心から左右方向に±1.4mm以内
であれば、図4(b),(c)に示すように中空略円筒
ワイパ自身がワイピング軌道を自己修正して凹部になら
うことが確認された。従って、図4(a)に示すように
中空略円筒ワイパによるワイピング軌道の自己修正が可
能である中空略円筒ワイパとヘッド間の位置ずれ範囲
は、中空略円筒ワイパの中心が凹部開口部端から凹部中
心側に位置する範囲であると示すことができる。
【0106】本実験は実施例1のワイパの一例であり上
記形態に限られるものではなく、ヘッド凹部の形状によ
っては、上記例とは違った形状、サイズ、硬度の中空筒
状ワイパでもよい。
【0107】また、この実験例においては、中空筒状ワ
イパの材質としてHNBRゴムを用いたが、前述したシ
リコンゴム、ウレタンゴム、EPDMゴムなどでもよ
い。
【0108】また、本発明におけるワイピングは印字中
の所定ドットカウント後、回復動作後に実施することが
できる。
【0109】本発明者らの実験の一例によれば、図11
に示したようなインクと接触するとインクを瞬時に凝集
させるプリント性向上液を被記録媒体上の印字領域にあ
らかじめ着弾させて、すぐに前記プリント性向上液上に
インクを着弾させて被記録媒体上で瞬時に凝集させるこ
とにより色間のブリードの防止や耐水など画像品位向上
を行うシステムにおいても、インクヘッドフェイス面に
凝集付着する混合ミストは吐出数(ドット)に比例して
堆積することがわかった。
【0110】よって、インクヘッドフェイス面上の混合
ミストの凝集付着物やインクの自己ミストの堆積が増加
してインク吐出に悪影響を及ぼすようになるドット数を
知ることにより、印字中にドットカウントしておけばイ
ンク吐出が不良になる前の所定ドット数をワイピングの
タイミングとすることができる。
【0111】従って、本実施例においては、3.0×1
7 ドット相当において、実施例1のワイパにより凝集
付着物をノズル内に押し込まないように吐出口列に対し
その配列方向にワイピングすることにより、インクヘッ
ドフェイス面上の混合ミストの凝集付着物やインクの自
己ミストの堆積を除去することができる。
【0112】また、上記ワイピングのタイミングを規定
するドット数がカウントされたとき印字途中であった場
合、一旦印字を中断してワイピングを行い、その後再び
印字を始めるとその箇所に印字のムラが発生する。従っ
て、本発明においては、上記印字ムラの発生を防ぐため
に、規定ドット数が印字途中であった場合はそのまま印
字を続け排紙後にワイピングを行うこととする。
【0113】なお、本実施例では、インクの染料と反応
する液を使用し、紙面上で該染料を不溶化させ、略顔料
化するシステムであるが、ヘッドフェイス面に付着する
反応物は、一般的に用いる顔料インクと類似し、乾燥す
ると固着、不溶化するものであって、カーボン等を使用
した顔料インク等を用いるシステムにおいてもその効果
は十分にあるものである。
【0114】(実施例2)図5(a)〜(e)は本発明
の液体吐出装置におけるワイパブレードの第2実施例を
示す概略図である。先の実施例1における各構成要素と
共通する本実施例における各構成要素については同一の
符号を付し、その部分の説明を省略する。また、本実施
例2のワイパ等は先の図1に示した記録装置に適用可能
である。
【0115】図5(a)は本実施例のワイパを示す概略
斜視図である。矢印Aで示した中空形状部分の縁がワイ
パのエッジであり、5cで示す長さがブレードの自由長
である。ここで、図5(a)中の5dで示す中空形状部
分の外径はヘッド凹部の開口の距離とほぼ等しいことが
望ましい。しかし、先の実施例1の中空略円筒ワイパと
同様に、ヘッド凹部の開口の距離より外径の方が小さい
場合でも、凹部内のノズルの位置にワイパが当接可能な
小ささであれば実用可能な範疇となる。またヘッド凹部
の開口の距離より外径の方が大きい場合でも、ワイパ自
身が十分変形して凹部内のノズルの位置にワイパが当接
可能な大きさであれば実用可能となる。
【0116】図5(b)および(c)に、ヘッド凹部が
吐出口列に沿って細長く位置するがその断面が円状でな
いヘッドに対して、本実施例2のワイパによるワイピン
グ時の概略正面図を示し、(b)は矢印5hに沿う方向
から視た図であり、(c)は矢印5hに直交する方向か
ら視た図である。
【0117】図5(b)に示すように実施例1における
中空略円筒ワイパと同様に本実施例2におけるワイパで
も単に撓むだけでなくワイピング時の当接圧により中空
形状部分がつぶれて凹部形状に滑らかにならうので、凹
部の断面形状に合わせた正確な形状加工なしに凹部の隅
までしっかりと確実にワイピングできる。
【0118】また、図5(d)に示すように従来のへら
状ワイパや先の実施例1の中空略円筒ワイパらでのワイ
ピングにおいては、ワイピング時のワイパの撓みにより
ワイピング方向後方にエッジ面5iがきて、エッジ面5
iがヘッドに当接しないワイピング(以下、順方向ワイ
ピングという)となるが、図5(e)に示すように本実
施例2におけるワイパでのワイピングでは、ワイパが撓
んでもワイピング方向前方にエッジ面5iがきて、エッ
ジ面5i側からヘッドに当接するワイピング(以下、カ
ウンタワイピングという)となる。上記カウンタワイピ
ングと順方向ワイピングのヘッドフェイス面の汚れ除去
性を同一の当接荷重において比較した場合、カウンタワ
イピングの方が非常に高い。
【0119】従って、例えばヘッドから吐出されるイン
クやプリント性向上液の特性によりフェイス面にインク
の増粘物や凝集固着物、染料を不溶化するためのプリン
ト性向上液(樹脂成分をもつものなど)など新しいイン
クの付着と比較すると非常に強固な汚れが多量に付着す
る場合においては、図5(d)に示す順方向ワイピング
よりカウンタワイピングの方がより望ましく、図5
(e)に示すようなカウンタワイピングを行う本実施例
2におけるワイパが非常に効果的である。
【0120】また、本発明者らの実験によれば、先の図
3(c)に示すような凹部が吐出口列に沿って細長くそ
の断面の開口部の距離がおよそ3.0mm、深さ0.3
mmであるヘッドに適用するため、本実施例2における
ワイパの寸法を高さ(自由長)5c=5.0mm、中空
形状部分の外径5d=3.0mm、内径1.4mmとし
てヘッドに対する侵入量を0.6mmから1.6mmま
で0.2mm間隔で変えた場合、実施例1のワイパと同
様に本実施例2におけるワイパの中心が凹部開口部端か
ら凹部中心側に位置する範囲で、ワイパが自己修正して
凹部にならうこと、および中空形状がつぶれて凹部形状
に滑らかにならっていることが確認された。
【0121】本実験においては、上記ワイパの材質とし
てHNBRゴムを選択し、硬度は55°、65°、75
°の3種類を用いた。表4は、本実施例2におけるHN
BRゴム製中空形状を有したワイパにおける特定硬度下
での侵入量と当接荷重を示す。表4から明らかなよう
に、いずれの硬度の場合でも、ワイピング時のワイパの
当接荷重は侵入量の影響を受け変化する。
【0122】
【表4】
【0123】従って、本実施例2におけるワイパを用い
るときは、適用するインクジェット記録装置におけるワ
イパとヘッドの位置関係の交差範囲を考慮して、最悪条
件下でも十分な効果が得られるようにワイパ自身の各条
件を設定する必要がある。また、硬度が55°と65°
では比較的近い値の当接荷重を示したが、硬度75°で
はおよそ2倍以上の値を示していることがわかる。
【0124】また、これら条件でのワイピング時のイン
ク汚れ除去性については、当接荷重が高いほどよいが硬
度55°の場合に発生する当接荷重でも十分な結果が得
られた。
【0125】従って、本実験に用いた形状、寸法、およ
び材質(HNBRゴム)で形成される本実施例2のワイ
パを用いたインクヘッドの汚れ除去は、材質の硬度が6
0°から70°で当接荷重が50gから80gであるこ
とが望ましい。
【0126】また、ワイピングにおいてワイピング速度
をかえた場合、速すぎるとワイピング時に当接圧が安定
しないことやスティックスリップ発生などにより汚れが
すり抜けてワイピング不良になってしまう。本実験で
は、上記本実施例2のワイパにおいて30gから70g
の当接荷重条件のとき高い汚れの除去性を得るには、ワ
イピング速度は5mm/秒から20mm/秒であること
が望ましいことがわかった。
【0127】当然だが、本実験は本実施例2のワイパの
一例であり、上記形態に限られるものではなく、ヘッド
凹部の形状によっては、上記例とは違った形状、サイ
ズ、硬度の中空形状部分を有するワイパでもよい。
【0128】また、本実験例においては、中空筒状ワイ
パの材質としてHNBRゴムを用いたが、いうまでもな
くシリコンゴム、ウレタンゴムなどでもよい。
【0129】このように本発明者らの実験によれば、ヘ
ッドのフェイス面にインクの増粘物や凝集固着物、染料
を不溶化するためのプリント性向上液(樹脂成分をもつ
ものなど)など新しいインクの付着と比較すると、非常
に強固な汚れた多量に付着した場合においては順方向ワ
イピングよりカウンタワイピングの方が非常に除去性が
高く、上記の強固な汚れを除去するために本実施例2の
ワイパによりカウンタワイピングを行う場合では、望ま
しくはワイピング速度が5mm/秒から20mm/秒、
当接荷重が30gから70gであることがわかった。
【0130】さらに、本発明者らの実験によれば、本実
施例2のワイパのヘッドに当接するエッジ部の精度によ
ってその効果に大きな差があることがわかった。
【0131】
【表5】
【0132】表5は、本実施例2におけるワイパが硬度
65°のHNBRゴムで成形された場合でのエッジ部の
精度によるワイピング効果の違いの一例であるが、これ
によると上記の強固な汚れを除去するために本発明の実
施例2のワイパによりワイピング速度が5mm/秒から
20mm/秒、当接荷重が30gから70gの条件下で
カウンタワイピングを行う場合では、ワイパのヘッドに
当接するエッジ部の精度は曲率半径R=0.3mmでは
不十分であり、曲率半径R=0.1mm以下が望ましい
ことがわかった。
【0133】また、エッジにエッジ面と鉛直方向にバリ
がある場合には、そのバリによりワイピング時にノズル
の縁が欠けてしまい、インクやプリント性向上液の吐出
不良を招くこともわかった。
【0134】従って、本実施例2におけるワイパにおい
ては、ヘッド部に当接するワイパのエッジ部の精度が曲
率半径R=0.1mm以下であり、かつ、バリがないこ
とが望ましい。よって、ワイパ成形時にはこの点につい
て十分な注意を払う必要がある。
【0135】(実施例3)図6(a)〜(f)は本発明
の液体吐出装置におけるワイパブレード等の第3実施例
を示す概略図であり、(a)は本実施例におけるワイパ
を示す概略斜視図であり、(b)は本実施例における記
録ヘッドであって、凹部が吐出口列に沿って細長くその
断面を円状の一部(円弧状)としたヘッドを示す概略斜
視図であり、(c)は矢印6h方向にワイパブレードを
移動させながら行うワイピングを示す概略正面図であ
り、(d)は矢印6h方向から視たワイパブレードとヘ
ッドとの当接状態を示す概略側面図であり、(e)およ
び(f)はワイパブレードの外径を変更した場合の当接
状態を示す概略側面図である。
【0136】図6(a)中の矢印Aで示した円柱の縁が
ワイパのエッジであり6cで示す長さがブレードの自由
長である。また6dで示す円柱ブレードの外径はヘッド
凹部の開口の距離とほぼ等しいことが望ましい。
【0137】しかし、図6(e)に示すように外径の方
が小さい場合でも、凹部内のノズルの位置にワイパが当
接可能な大きさであれば実用可能な範疇となる。また、
図6(f)に示すように外径の方が大きい場合でも、ワ
イパ自身が十分変形して凹部内のノズルの位置にワイパ
が当接可能な大きさであれば実用可能となる。
【0138】(実施例4)図7(a)〜(e)は本発明
の液体吐出装置におけるワイパブレードの第4実施例を
示す概略図であり、(a)は本実施例におけるワイパを
示す概略斜視図であり、(b)は矢印7h方向にワイパ
ブレードを移動させながら行うワイピングを示す概略正
面図であり、(c)は矢印7h方向から視たワイパブレ
ードとヘッドとの当接状態を示す概略側面図であり、
(d)および(e)はワイパブレードの外径を変更した
場合の当接状態を示す概略側面図である。
【0139】本実施例は、ワイパの断面形状が先の図3
(c)に示すようにヘッド凹部が吐出口列に沿って細長
く位置するがその断面が円状でない場合である。図7
(a)に示すような断面多角形の柱状ワイパの断面図を
先の図3(c)に示すヘッド凹部の断面図とほぼ等しく
することにより、先の実施例3のワイパの変形例とな
る。図7(b)に上記ヘッドに適応した上記ワイパによ
るワイピング時の概略図を示す。
【0140】図7(a)中の矢印Aで示した柱の縁がワ
イパのエッジであり、7cで示す長さがブレードの自由
長である。この柱状ワイパの断面図は図3(c)に示す
ヘッド凹部の断面図とほぼ等しいことが望ましいが、図
7(d)に示すように柱状ワイパの断面の方が小さい場
合でも、凹部内のノズルの位置にワイパが当接可能な大
きさであれば実用可能な範疇となる。また、図7(e)
に示すように柱状ワイパの断面の方が大きい場合でも、
ワイパ自身が十分変形して凹部内のノズルの位置にワイ
パが当接可能な大きさであれば実用可能となる。
【0141】(第2実施形態)図8は、本発明の液体吐
出装置の第2実施形態を一部破断して示す概略斜視図で
ある。
【0142】図8に示した構成要素のうち、図1に示し
た構成要素と共通しているものについては同一符号を付
し、その部分の説明を省略する。
【0143】キャリッジ1bは2個のインクジェットカ
ートリッジ1aを位置決めして搭載し、しかも記録ヘッ
ドを駆動するための信号などを伝達するためのコネクタ
ホルダーを設けてあり記録ヘッドと電気的に接続するよ
うになっている。
【0144】本例における2個のインクジェットカート
リッジ1aについては、右側がインク濃度の濃いイエロ
ー、マゼンタ、シアンやインク濃度の薄いイエロー、マ
ゼンタ、シアン用のインクタンク部を有するもの、左側
がブラックインクやプリント性向上液のインクタンク部
を有するものである。1cはキャリッジ1bの主走査方
向に延在し、キャリッジ1bを摺動自在に支持する操作
レール、1dはキャリッジ1bを往復動させるための駆
動力を伝達する駆動ベルトである。
【0145】キャリッジ1bに搭載されたインクジェッ
トカートリッジ1aの記録ヘッド部はキャリッジ1bか
ら下方へ突出して記録媒体搬送用ローラ1e,1g間に
位置し、記録ヘッド部の吐出口形成面は、プラテン(不
図示)の案内面に圧接された被記録材1iに平行に対向
するようになっている。
【0146】本例のインクジェット記録装置において
は、後述の回復系ユニットを図8の右側にあるホームポ
ジション側の回復系ユニット搭載部Rに配設してある。
【0147】このインクジェット記録装置は、プリント
性向上液吐出ヘッドからインク中の染料を水などの溶媒
に不溶化させるためのプリント性向上液を記録媒体に吐
出し、記録ヘッドから吐出されたインクと記録媒体上で
接触させて染料に耐水性を持たせるようにしたものであ
る。記録媒体上でインク中の染料がプリント性向上液と
反応して瞬時に不溶化するため、耐水性を向上させるだ
けでなく、色間の不当なにじみをも防止することができ
る。
【0148】本例ではプリント性向上液にカチオン系ポ
リマーの水溶液を用い、記録インクには通常一般的に用
いられている酸性染料を含有したインクを使用してお
り、表1にその組成の一例を開示した。
【0149】図9は本発明の記録装置の実施形態におけ
るプリント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェッ
トヘッドの配置を示すものである。12aはプリント性
向上液吐出用ヘッド、12bはBk用インクジェットヘ
ッド、12cは濃度の薄いカラー用インクジェットヘッ
ド、12dは濃度の濃いカラー用インクジェットヘッド
である。1bはこれらヘッドを有するインクジェットカ
ートリッジを搭載するキャリッジであり通常の印字時で
は矢印12eの方向へ移動する。通常の印字においては
これら上記ヘッドからプリント性向上液12f、Bkイ
ンク12g、濃度の薄いカラーインク12h,12k、
濃度の濃いカラーインク12iが順に記録媒体1iに吐
出される。
【0150】本発明者らの実験によれば、本実施形態で
の印字では前記各インクジェットヘッドのフェイス面に
跳ね返るミストの量に差があることがわかった。すなわ
ち、Bk用インクジェットヘッドのフェイス面に跳ね返
るミスト12j、濃度の濃いカラー用インクジェットヘ
ッドのフェイス面に跳ね返るミスト12k、濃度の濃い
カラー用インクジェットヘッドのフェイス面に跳ね返る
ミスト12lの跳ね返りミスト量は以下のようになる。
【0151】12j>12k>12l 本発明者らの別の実験によれば、先行して記録媒体に着
弾した吐出液がまだ浸透せずに記録媒体上に残っている
量が多いほど後続の吐出液が記録媒体に着弾するときに
発生する跳ね返りミストの量が多くなることがわかっ
た。またこの結果はプリント性向上液、インクのいずれ
を用いるか、またいずれが先行するかによらず成り立つ
こともわかった。
【0152】本実験においては、後続して前記各インク
ジェットヘッド12a〜12dから吐出する各インクが
次々と記録媒体1iに着弾していく間にも先行して記録
媒体1iに着弾したプリント性向上液12fが浸透して
いき、記録媒体1i上に残っているプリント性向上液層
(斜線部12mで示す)の量が少なくなっていくため、
インクの着弾が遅いインクジェットヘッドに跳ね返るミ
ストほど総量およびその中に含まれるプリント性向上液
の量が少なくなっている。この現象により各インクジェ
ットヘッドにおけるフェイス面の汚れの性質も違ったも
のとなる。
【0153】簡単には、フェイス面に付着した跳ね返り
ミストの総量およびその中に含まれるプリント性向上液
の量が多いインクジェットヘッドほど除去しづらいフェ
イス面の汚れとなっており、その除去困難性は以下のよ
うに示すことができる。
【0154】Bk用ヘッド>濃度の薄いカラー用ヘッド
>濃度の濃いカラー用ヘッド また当然だが、前記プリント性向上液吐出用ヘッドのフ
ェイス面汚れの性質は前記各インクジェットヘッドのフ
ェイス面汚れと大きく異なる。
【0155】さらに前記各ヘッドにおいて最適な清掃手
段を選択する共通の問題点として、前記凝集物がノズル
縁もしくは近傍に付着する場合が挙げられる。このよう
な場合、弾性体からなるブレードでのワイピングのみで
は除去しづらく、むしろ、場合によってはノズル内深く
に凝集物を押し込んで吐出に悪影響を及ぼす危険性があ
る。しかし、本発明者らの実験によると、表面がノズル
径よりも細かな窪みを有している多孔質体で形成された
擦り手段を併用すれば、ノズル口縁に付着したごみやプ
リント性向上液とインクとの反応凝集物などが前記拭き
部材表面の細かな窪みにかきとられて除去されることが
わかった。
【0156】本実施形態においては、(1)前記各ヘッ
ドにおいて異なる性質をもち、跳ね返りミスト、浮遊ミ
スト、プリント性向上液やインクの吐出時の自己ミス
ト、紙けばなどのごみがフェイス面に付着した汚れ、ま
たは(2)ノズル縁もしくは近傍に付着した前記凝集物
をいかに除去するかを解決するために、前記各ヘッドそ
れぞれについて最適な清掃手段を適用している。また前
記各最適な清掃手段の構成は異なっているが、少なくと
も多孔質体などによる擦り手段を有している。
【0157】さらに前記多孔質体から形成される擦り手
段の劣化を軽減するためのクリーニング部を有してい
る。さらに前記擦り手段用クリーニング部をクリーニン
グする機構を有している。
【0158】(実施例5)図10(a)および図10
(b)は本発明回復ユニットの一実施例を示す斜視図で
ある。
【0159】本発明を適用した回復ユニットでは、図8
にも示したインクジェットカートリッジ1aの複数の記
録ヘッドに対応して、左からプリント性向上液吐出用ヘ
ッド用のキャップ13a、Bk用インクジェットヘッド
用のキャップ13b、濃度の薄いシアン、マゼンタ、イ
エロー用インクジェットヘッド用のキャップ13c、濃
度の濃いシアン、マゼンタ、イエロー用インクジェット
ヘッド用キャップ13dが配置される。ここで、プリン
ト性向上液吐出用ヘッド用のキャップ13a、Bk用イ
ンクジェットヘッド用のキャップ13bは吸引キャップ
と放置キャップの兼用であり、濃度の薄いシアン、マゼ
ンタ、イエロー用インクジェットヘッド用のキャップ1
3c、濃度の濃いシアン、マゼンタ、イエロー用インク
ジェットヘッド用の13dは放置キャップ専用である。
よって、濃度の薄いシアン、マゼンタ、イエロー用イン
クジェットヘッドおよび濃度の濃いシアン、マゼンタ、
イエロー用インクジェットヘッドの吸引回復はBk用の
キャップ13bにて行う構成である。それぞれのキャッ
プは回復系ベース13eに回動可能に軸止されたキャッ
プレバー13f,13g,13hにそれぞれホールドさ
れている。
【0160】キャップレバー13f,13g,13hは
一部が吸引カム13iのカム面13jを摺動することで
回動し、それにともない各キャップは上下方向に昇降可
能な構成となっている。そしてキャリッジがホームポジ
ションにあるときにはすべてのキャップが記録ヘッド部
と接合してこれらをキャッピングし、記録ヘッドの吐出
口内のインクが蒸発して増粘・固着して吐出不良になる
のを防いでいる。
【0161】キャップレバー13f,13g,13hに
はAリブ13fA,13gA,13hAがありキャリッ
ジ1bのB凹部とキャッピング時に嵌合することでキャ
ップと記録ヘッドの位置を決める。
【0162】さらにプリント性向上液用キャップをホー
ルドするキャップレバー13fにはリブCがあり、イン
クジェットカートリッジ1aにはリブDが設けられてい
る。これらリブCとリブDは、濃度の濃いカラー用イン
クジェットヘッド2dとキャップ13bを接合させてキ
ャッピングし吸引回復処理を行うときに対向する位置に
設けられている。
【0163】したがって濃度の濃いカラー用インクジェ
ットヘッド2dとキャップ13bを接合させてキャッピ
ングし吸引回復処理を行うときには、リブCとリブDが
当接することにより対向したプリント性向上液用キャッ
プ13aと濃度の薄いカラー用インクジェットヘッド1
2cは当接することがない。これによって、濃度の薄い
カラー用インクジェットヘッド12cのフェイス面にて
キャッピングによりプリント性向上液と記録インクが接
触して反応し凝集固着するのを防いでいる。
【0164】またキャップレバー13f,13gには後
述するワイパユニット用クリーナユニット構成の一部で
あるReクリーナ13fE,13gEが取り付けられて
ある。
【0165】13kはキャップ13a、キャップ13b
に連通したポンプユニットである。記録ヘッドおよびプ
リント性向上液吐出ヘッドが万一吐出不良になった場
合、キャップユニットと記録ヘッドもしくはキャップユ
ニットとプリント性向上液吐出ヘッドとを接合させて行
う吸引回復処理などに際してそのための負圧を生じさせ
るのに用いる。ここに示す例のポンプユニットはチュー
ブポンプと呼ばれるものである。
【0166】ポンプユニットはチュープ13l,13
m、コロホルダー13n、コロ13oから構成される。
コロホルダー13nは回復系ベース13eに回動可能に
軸止されている。コロホルダー13nに軸止されたコロ
13oでコロホルダー13nにガイドされたチューブ1
3l,13mを押しつぶしながらしごくことでキャップ
内に負圧を発生させる。このポンプユニットではプリン
ト性向上液専用のチューブ13lと記録インク専用のチ
ューブ13mを独立に設けているので、それぞれの廃液
は廃液タンクに送られるまで接触することがない。した
がってポンプ内ではプリント性向上液と記録インクが不
当に凝集固着してメカ摺動に悪影響を及ぼすことがな
い。
【0167】また、ワイパユニット13pは多孔質体な
どの吸水性のある部材による擦り手段とへら状ワイパブ
レードで形成された擦り手段部、ゴムなどの弾性部材で
形成された略柱状ブレードのワイピング用クリーニング
部材、これらを保持するための土台(以後ブレードホル
ダーと呼ぶ)から構成される(詳細は図11(a)〜図
11(c)および図12に示す)。さらにワイパユニッ
ト13pは回復系ベース13eに水平運動可能な状態で
ガイドにより取り付けられている。
【0168】上記ワイパユニット13p構成の詳細を図
11(a)〜図11(c)および図12に示す。
【0169】14a,14b,14cはそれぞれ多孔質
体などの吸水性のある部材による擦り手段である(以後
拭き部材と呼ぶ)。14d,14e,14fはそれぞれ
ゴムなどの弾性部材で形成されたへら状ワイパブレード
であるが、拭き部材がヘッドフェイス面に当接するとき
の接荷重調節用背当てとしての機能も有する。これを、
以後背当てワイパと呼ぶ。14g,14hはゴムなどの
弾性部材で係止された中空部を有する略柱状ブレードの
ワイピング用クリーニング部材である(以後14gをS
PB、14hをSBと呼び、SPBとはSmart power bl
ade の略であり、SBとはSmart blade の略である)。
14iはこれら複数の清掃部材を配設するブレードホル
ダーである。
【0170】矢印14jの方向にブレードホルダーが移
動することによりこれら複数の清掃部材が図8に示され
た本発明を適用したインクジェット記録装置におけるプ
リント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘ
ッドを清掃する。このように前記ワイパユニットに拭き
部材、背当てワイパ、SB、SPBを配設しているのは
各部材別個の機能と効果を十分に発揮させるためであ
る。
【0171】また図11(a)〜図11(c)では拭き
部材、背当てワイパ、SB、SPBの土台からの高さ
(自由長)を同一としているが、各部材別個の機能と効
果を十分に発揮するためにその高さ(自由長)を違った
ものとしてもよいことは言うまでもない。
【0172】またここでは、拭き部材、背当てワイパを
重ね合わせて使用しているが接合して用いることも可能
である。
【0173】なお、図11(a)〜(c)に示した14
d,14g,14hはいずれもHNBRゴムで形成する
ことができ、14e,14fはウレタンゴムで形成する
ことができる。14a,14b,14cは種々の多孔質
体で形成することができる。ここで、上記14d,14
gをHNBRゴムで形成するのは、プリント性向上液に
対する耐性を考慮したときに、上記ゴム材料が適してい
るからである。また、上記14g,14hをやはりHN
BRゴムで形成するのは、中空状のワイパを形成する際
の成型性を考慮したときに、上記ゴム材料が適している
からである。なお、14gと14hとを同一材料で形成
する場合であっても、両者の硬度を異ならしめることが
できる。例えば、14gの硬度を65°とし、14hの
硬度を55°とすることができる。カウンタワイピング
には硬い方が適していることから、本例では14gを硬
くしている。
【0174】上記ワイパユニット13pの動作方法を図
12に示す。
【0175】ワイパユニット13pは下部に有するラッ
クギヤ14kがギヤ14lと連結しており、さらにギヤ
14lと一緒に回動するように取り付けられたギヤ14
mは吸引カム13iと一緒に回動するように取り付けら
れたギヤ14nと連結している。またギヤ14nは欠歯
部分14oを有する。吸引カム13iと一緒にギヤ14
nが時計周り方向に回動すると連結したギヤ14mが反
時計周り方向に回動するとともにギヤ14lも反時計周
り方向に回動し、ギヤ14lと連結したラックギヤ14
kが水平運動することによりワイパユニット13pはワ
イピングを行うため記録ヘッドと当接する領域へ水平に
送り出される。ワイパユニット13pが記録ヘッドをワ
イピング後は一旦吸引カム13iの回動を停止した間に
記録ヘッドをワイピング領域から待避させ、再び吸引カ
ム13iを回動させる。さらにワイパユニット13pが
水平に送られると、ワイパユニット13pはワイパユニ
ット用クリーナユニット部(詳細は図13に示す)に突
入して直ちにクリーニングされる。この後ギヤ14nが
欠歯部分に到達するとギヤ14mと不連結となるため、
ワイパユニット13pは回復系ベース13eと連結して
取り付けられ弾性変形したバネ14pの形状回復により
回復系ベース13e上のワイピング前の位置に戻って静
止する。このように吸引が行われた直後や定められた数
のインク滴が吐出された直後などにワイパユニット13
pがプリント性向上液吐出用ヘッドや記録ヘッドのフェ
イス面を任意の速度、接圧などの条件で当接移動して各
ヘッドのフェイス面を清掃する。
【0176】図13(a)〜(c)および図14(a)
〜(c)に本発明を適用した回復ユニットの実施例5に
おけるワイパユニット用クリーナユニットの構成と動作
を示す。
【0177】まず、図13(a)にワイパユニット13
p、キャップレバー13f(13g)、ワイパユニット
用クリーナ15a、Reクリーナ13fE(13g
E)、記録ヘッド(ワイピング時停止位置)15cの配
置図を示す。ここに示すクリーナユニットの構成はプリ
ント性向上液吐出ヘッドを清掃するワイパユニット部、
Bk用ヘッドおよび濃度の薄いインク吐出用ヘッドを清
掃するワイパユニット部に対する部分である。ワイパユ
ニット用クリーナ15aはワイパユニット用クリーナベ
ース15fに回動可能なように軸止されている。前記ワ
イパユニット用クリーナ15aが反時計周り方向に回動
した時には、その動きを止めかつ反発力を発生するよう
にワイパユニット用クリーナベース15fにバネ15e
が取り付けられている。またワイパユニット用クリーナ
15aが時計周り方向に回動しようとするとワイパユニ
ット用クリーナベース15fの突起部に接触して回動不
可能となる。ワイパユニット13pが矢印15b方向に
移動して記録ヘッド15cに対してワイピングを行った
後に、図13(b)に示すようにワイパユニット13p
はワイパユニット用クリーナ15aの階段状の部分に擦
り付けられる。図13(b)は移動途中のワイパユニッ
ト13pを示しているが、さらに移動を続けることによ
ってワイパユニット13pの拭き部材、背当てワイパ、
SBまたはSPBの汚れがかきとられることになる。こ
のときワイパユニット用クリーナ15aは反時計周り方
向(矢印15d方向)に回動してバネ15eを圧縮して
いる。クリーニング後擦り付けられたワイパユニット1
3pが後退すると同時に、バネ15eがワイパユニット
用クリーナ15aを時計周り方向に速やかに回動させる
のでワイパユニット13pがスムーズに離脱することが
できる。その直後に図13(c)に示すように、回復系
ベース13eに軸止されたキャップレバー13f(13
g)が回動して上昇することによりReクリーナ13f
E(13gE)がワイパユニット用クリーナ15aに圧
接される。これによりワイパユニット用クリーナ15a
の階段状の部分に擦り付けられた前記汚れはReクリー
ナ13fE(13gE)に転写されて除去される。な
お、図13(a)〜(c)において、ワイパユニット用
クリーナ15aは図14(c)におけるA−B線におけ
る断面で示されている。
【0178】ここで、ワイパユニット用クリーナ15a
はモールドで成型されているが、例えばポリアセタール
などの樹脂で良い。またReクリーナ13fE(13g
E)の材質にはルビセルET(商品名)等のポリウレタ
ン等の多孔質体を用いるのがよい。
【0179】また図14(a)にワイパユニット13
p、サンファイン(商品名)等の多孔質体であるワイパ
ユニット用クリーナ15g、記録ヘッド(ワイピング時
停止位置)15cの配置図を示す。ここに示すクリーナ
ユニットは濃度の濃いインク吐出用ヘッドを清掃するワ
イパユニット部に対する部分である。ワイパユニット用
クリーナ15gはワイパユニット用クリーナ15aと一
体に取り付けられていることによりワイパユニット用ク
リーナベース15fに回動可能なように軸止されてい
る。前記ワイパユニット用クリーナ15gが反時計周り
方向に回動したときにその動きを止めかつ反発力を発生
するように、ワイパユニット用クリーナベース15fに
はバネ15eが取り付けられている。またワイパユニッ
ト用クリーナ15gが時計周り方向に回動しようとする
とワイパユニット用クリーナベース15fの突起部に接
触して回動不可能となる。ワイパユニット13pが矢印
15b方向に移動して記録ヘッド15cに対してワイピ
ングを行った後に、図14(b)に示すようにワイパユ
ニット13pがさらに矢印15b方向に移動することに
よってワイパユニット用クリーナ15gの斜面部分に擦
り付けられる。図14(b)は移動途中のワイパユニッ
ト13pを示しているが、さらに移動を続けることによ
って、ワイパユニット13pの拭き部材の汚れが擦り取
られることになる。このときワイパユニット用クリーナ
15gは反時計周り方向(矢印15d方向)に回動して
バネ15eを圧縮している。クリーニング後擦り付けら
れたワイパユニット13pが後退すると同時に、バネ1
5eがワイパユニット用クリーナ15gを時計周り方向
に速やかに回動させるのでワイパユニット13pがスム
ーズに離脱することができる。また擦り取られた汚れの
中で表面に堆積するものは拭き部材が擦り付けられる度
にワイパユニット用クリーナ15gの斜面の下部へと押
されていき再び拭き部材の表面に付着することはない。
図14(c)は一体に配設されたワイパユニット用クリ
ーナ15aとワイパユニット用クリーナ15gをワイパ
ユニット13pの突入側から見た状態である。なお、図
14(a)および(b)において、一体化したワイパユ
ニット用クリーナ15aおよび15gは図14(c)に
おける矢印15h方向から視た構成を示している。
【0180】図15(a)〜(c)において、図8に示
した本発明を適用したインクジェット記録装置における
プリント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェット
ヘッドを図11,図12に示した本発明を適用した清掃
手段で清掃するときの動作を説明する。なお、図15
(a)〜(c)において、ヘッドと清掃手段とは離間し
ているように図示されているが、これは構成を明確に示
す便宜的な表現方法であって、実際はキャリッジ移動方
向に直交する方向(矢印14j方向)において互いに重
複する部分を有する関係にあることは言うまでもない。
この関係は、後出の図22(a)〜(c)および図23
においても同様である。
【0181】任意に定められた数のインク滴がプリント
性向上液吐出用ヘッド12aおよびBk用インクジェッ
トヘッド12bから吐出された後に、図8に示す本発明
に適用したインクジェット記録装置の概略図においての
左側(記録領域側)よりキャリッジ12eがホームポジ
ションに戻り、ワイピング可能な図15(a)に示す位
置に停止する。また吸引が行われた直後などにも図15
(a)に示す位置にキャリッジ12eが移動してきて停
止する。この状態でブレードホルダ14iが矢印14j
方向へと任意の速度で移動することによりプリント性向
上液吐出用ヘッド12aおよびBk用インクジェットヘ
ッド12bのフェイス面が清掃される。
【0182】また同様に、定められた数のインク滴が濃
度の薄いカラー用インクジェットヘッド12cもしくは
濃度も濃いカラー用インクジェットヘッド12dから吐
出された後や吸引が行われた直後などには図15(b)
に示す位置にキャリッジ12eが移動してきて停止し、
ブレードホルダ14iが矢印14j方向へと任意の速度
で移動することにより濃度の薄いカラー用インクジェッ
トヘッド12cおよび濃度の濃いカラー用インクジェッ
トヘッド12dが清掃される。
【0183】すなわち、拭き部材14aと背当てワイパ
14dとSPB14gによりプリント性向上液吐出用ヘ
ッド12aが清掃され、拭き部材14bと背当てワイパ
14eとSB14hによりBk用インクジェットヘッド
12bおよび濃度の薄いカラー用インクジェットヘッド
12cが清掃され、拭き部材14cと背当てワイパ14
fにより濃度の濃いカラー用インクジェットヘッド12
dが清掃される。
【0184】また図15(c)に示すように、ブレード
ホルダ14iは各ヘッドのフェイス面を清掃後にワイパ
ユニット用クリーナユニット15aに突入して拭き部材
14a,14b,14cや背当てワイパ14d,14
e,14fおよびSPB14g、SB14hをクリーニ
ングする(図13参照)。
【0185】なお、上記のような種々の清掃手段に加
え、プリント性向上液吐出ヘッド12aの吐出口面のみ
を清掃する専用ワイパを設けることができる。本実施例
におけるヘッドの吐出口列は矢印14j方向に平行とな
るように配されているが、上記専用ワイパは上記吐出口
列に交差または直交する方向に移動して清掃を行う、い
わゆる横拭きタイプのものである。この横拭きタイプの
専用ワイパは、上記のような種々の清掃手段による清掃
を行ったとしても、ヘッド面との隙間のために拭き残し
を完全になくすことは非常に困難であるという観点か
ら、拭き残しの発生をより確実になくすことを目的とす
る清掃手段である。この専用ワイパは、例えば1枚の記
録紙に対するヘッドによる記録が終了した時点で、1回
ワイピングを実行するタイミングで駆動することができ
る。
【0186】本実施例においては清掃方向が給排紙方向
と平行になっているので、ワイピングにより除去されブ
レードに付着したインクなどの液滴がブレードの弾性力
によって記録媒体の搬送部に飛散して記録媒体を不用意
に汚す危険性が少ない。
【0187】また当然だが清掃方向は上記ワイピング動
作説明に用いた方向が唯一ではなく、ワイピング効果を
さらに上げるためにワイピング方向を異ならせてもよ
い。例えば図面に対し向こう側から手前側、もしくは両
方向ワイピングも可能である。
【0188】またワイピング毎直後に清掃手段がクリー
ニングされるので、清掃手段の効果の劣化速度が飛躍的
に軽減する。
【0189】また、ここで用いる背当てワイパやSB、
SPBは長期期間において安定した性能を保証する必要
があるため、インクや処理液による経時変化、変質や、
多使用におけるワイパの破損などが発生しない材質を用
いなければならない。すなわちシリコンゴム、ウレタン
ゴム、HNBRゴム、EPDMゴムなどが望ましい。
【0190】特にプリント性向上液吐出ヘッドに用いる
背当てワイパやSPBの材質には、プリント性向上液と
長時間接触していてもその形状変化や材質変化を最も起
こしにくいHNBRゴムを用いることが望ましい。
【0191】また、ここで用いる拭き部材は、長期期間
において安定した性能を保証する必要があるため、イン
クやプリント性向上液液による経時変化、変質や、多使
用におけるワイパの破損などが発生しない材質を用いな
ければならない。すなわちルビセル(商品名)等のポリ
ウレタン等の多孔質体を用いるのが望ましい。以下、各
実施例において同様である。
【0192】次に、図8に示す本発明を適用したインク
ジェット記録装置におけるプリント性向上液吐出用ヘッ
ドおよび各インクジェットヘッドのフェイス面汚れを除
去するために図11,図12に示す本発明を適用した清
掃手段を用いた場合における各々の擦り手段、ワイピン
グ手段の機能および効果について具体的に説明する。
【0193】図16(a)〜(f)を参照して前記拭き
部材と前記背当てワイパによるフェイス面の清掃を説明
する。図16(a)は前記各拭き部材と前記各背当てワ
イパをブレードホルダに取り付けた時の状態の斜視図で
ある。符号17aが吸水性のある多孔質体からなる拭き
部材で17bが背当てワイパである。本発明を適用した
ヘッドフェイス面はキャッピング面よりノズル面が凹状
に引っ込んでおり、本発明においては拭き部材の17c
の部分を落とすことによりノズル面を拭き部材で清掃し
キャッピング面は背当てワイパで清掃する構成をとてい
る。
【0194】この構成は、吸水性のある多孔質体からな
る拭き部材を用いて本発明を適用したヘッドフェイス面
を清掃したときの効果範囲に起因している。これについ
て以下に説明する。
【0195】本発明者らの実験によると拭き部材による
清掃では、拭き部材がノズル列上を通過するときにイン
クもしくはプリント性向上液をノズル内から引出すこと
が最大の効果を生み出すことがわかった。
【0196】図16(b)に示すように拭き部材をフェ
イス面に当接しながら矢印17dの方向に移動すること
によって清掃する場合、ノズル列17eの周りに撥水性
で汚れの少ない回復領域17fが生まれる。しかし領域
17gでは矢印17d方向に拭き残り筋が多数発生して
いる。
【0197】これらの領域の範囲の広さは拭き部材の移
動速度に大きく依存している。
【0198】拭き速度が非常に早いときは図16(c)
に示すように領域17fがほとんどなくフェイス面全体
が領域17gとなる。またノズル内にインクやプリント
性向上液が無い場合には領域17fは発生しない。この
状態で印字と回復を繰り返していくと徐々にではあるが
ヨレや不吐出などの印字不良が発生しはじめる。
【0199】逆に拭き速度が非常に遅い時には図16
(d)に示すように領域17fが広範囲に形成され領域
17gは狭くなる。この状態で印字と回復を繰り返して
いくと、前記拭き速度が非常に早いときに起きた徐々に
ヨレや不吐出などの印字不良が発生しはじめる現象は見
られなかった。
【0200】したがってノズル列の周りに十分な領域1
7fが確保されれば、ノズルから安定してインクもしく
はプリント性向上液が吐出されることが可能となる。
【0201】すなわち拭き動作においては以下のような
ことが起きているといえる。
【0202】ノズル内のインクが多孔質体に吸収されな
い状態でフェイス面を清掃しようとする場合は、フェイ
ス面の汚れが一旦多孔質体表面の微細な窪みに引っかけ
られたり多孔質体に吸収されたりするものの、拭き清掃
時の接圧により逆に多孔質体からフェイス面へと一部の
汚れが再転写されてしまい良好なフェイス面の回復領域
17fが生み出されない。
【0203】しかしノズル内のインクが多孔質体に吸収
される状態でフェイス面を清掃しようとする場合には、
フェイス面の汚れが多孔質体の微細な繊維に引っかけら
れたり多孔質体に吸収されたりすると同時に常にノズル
列から多孔質体へとインクが引き出されているので拭き
清掃時の接圧による多孔質体からフェイス面への汚れ再
転写が抑制されることにより良好なフェイス面の回復領
域17fが生み出され安定した吐出が保証される。
【0204】つまり図8に示した本発明を適用したイン
クジェット記録装置におけるプリント性向上液吐出用ヘ
ッドおよび各インクジェットヘッドにおいては、図16
(e)に示すように、インクの引き出し効果が及びやす
い凹状のノズル面17iでは拭き部材による清掃を行
い、ノズル列から遠くインクの引き出し効果が及びづら
いキャッピング面17jでは拭き部材で清掃しても拭き
残り筋が多数発生して拭きの効果が発揮できないため、
拭き部材17cの部分を落とすことにより背当てワイパ
で清掃を行っている。
【0205】図16(f)は、図16(e)における矢
印17k方向から視たノズル面17iに対するワイピン
グを示す正面図である。図16(f)に示すように、背
当てワイパ17aが凹状に形成されたノズル面17iに
入り込み、確実にワイピングされているのがわかる。
【0206】また前記拭き部材には別の効果もある。ノ
ズル口縁に付着したごみや特にはプリント性向上液とイ
ンクの反応凝集物など高い粘性を有する汚れは弾性体か
らなるブレードでのワイピングで除去しづらく、場合に
よってはノズル内深くに押し込んでしまう危険性があ
る。しかし多孔質体で形成されている拭き部材表面がノ
ズル径よりも細かな窪みを有していれば、ノズル口縁に
付着したごみやプリント性向上液とインクの反応凝集物
などは前記拭き部材表面の細かな窪みにかきとられるこ
とにより除去可能となる。
【0207】前記プリント性向上液吐出用ヘッドおよび
各インクジェットヘッドのフェイス面汚れ除去でのこれ
らの拭き部材の機能は同一である。
【0208】また本実験においては、前記拭き部材の材
質としてルビセルET(商品名)を選択したが、構成条
件として以下に示す場合に良い効果があることがわかっ
た。
【0209】拭き部材の厚みは0.5〜3.0mmの範
囲で効果があることを確認したが、望ましくは1.0〜
2.0mmがよい。
【0210】拭き荷重は10〜70gの範囲で効果があ
ることを確認したが、望ましくは10〜40gがよい。
この荷重については、拭き部材の厚みおよび背当てブレ
ードの硬度または厚みにより調整される。
【0211】また拭き速度は5〜30mm/secの範
囲で効果があることを確認したが、望ましくは5〜20
mm/secがよい。
【0212】本実施例5における拭き部材および背当て
ワイパの構成条件を次の表6に記載した。
【0213】
【表6】
【0214】なお、表6中の符号a〜hは、図17
(a)および(b)に示す拭き部材および背当てワイパ
の各部寸法を示している。
【0215】しかし本発明者らの実験によれば、図8に
示した本発明を適用したインクジェット記録装置におけ
るプリント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェッ
トヘッドに対して前記拭き部材と背当てブレードのみに
よるフェイス面の清掃を繰り返していくと以下の不都合
が発生することがわかった。
【0216】この不都合は前記した、本発明者らが実開
昭61−5647号や、特開平4−338552号など
のへら情ワイパと擦り手段とで構成されたクリーナと類
似のものを用いて前記インクヘッドに対し凹状ノズル面
の長手方向でのワイピングを行ってみた場合と同じであ
り、使用初期ではよいクリーニング効果が得られた使用
頻度が増してくると発生するものである。
【0217】この不都合は前記インクヘッドにおいて次
のような現象である。
【0218】前記擦り手段のみによるフェイス面の清掃
を繰り返していくと、前記擦り手段表面にインクとプリ
ント性向上液の反応による凝集物や増粘インクなどの汚
れが徐々に堆積していき、溜まりすぎたときに堆積した
汚れがインクジェットヘッドに再転写してしまう。この
再転写した凝集物を含む汚れはノズルに押し込まれてヨ
レや不吐出などの印字不良を引起す。
【0219】この現象は跳ね返りミストの総量およびそ
の中に含まれるプリント性向上液の量がともに特に多い
Bk用ヘッドで発生したが、濃度の薄いカラー用ヘッド
や濃度の濃いカラー用ヘッドでは発生しなかった。つま
りヘッドのフェイス面に付着した跳ね返りミストの総量
およびその中に含まれるプリント性向上液の量が多いヘ
ッドほど前記拭き部材表面に凝集物および増粘インクな
どの汚れが堆積する速度が速くフェイス面への再転写も
はやく発生するといえる。
【0220】本発明を適用したインクジェット記録装置
においては前記再転写の発生する可能性が以下のように
示すことができる。
【0221】Bk用ヘッド>濃度の薄いカラー用ヘッド
>濃度の濃いカラー用ヘッド 図11,図12に示した本発明を適用した清掃手段によ
るフェイス面回復では上記不具合を改善したものであ
る。以下に図11,図12を参照して説明する。Bk用
ヘッド12bおよび濃度の薄いカラー用ヘッド12cは
拭き部材14bと背当てワイパ14eとSB14hによ
り清掃される。これら汚れのひどいほうからの2ヘッド
においては、拭き部材14bと背当てワイパ14eのフ
ェイス面清掃通過後に発生する拭き残し領域17eをす
ぐさま後続のSB14hによりワイピングしてとってし
まうことにより、次回清掃時に拭き残し領域17eから
拭き部材14bの表面に汚れが付着することを最小限に
押さえることができる。また濃度の濃いカラー用ヘッド
12dは拭き部材14cと背当てワイパ14fのみで清
掃される。濃度の濃いカラー用ヘッド12dは前記2ヘ
ッド(特にBk用ヘッド)と比べて汚れが軽い。したが
ってSB14hにより拭き残し領域17eを除去する必
要がない。
【0222】また前記プリント性向上液吐出用ヘッドに
おける不都合は次のような現象である。
【0223】前記擦り手段のみによるフェイス面の清掃
を繰り返していくと、前記擦り手段にはプリント性向上
液のみでなく徐々にインクも付着していく。前記擦り手
段がインクによって非常に汚れてくると擦り手段表面は
プリント性向上液とインクの反応した凝集物で覆われる
ようになる。この状態での擦り手段では汚れの除去性が
弱まり、逆に前記擦り手段からフェイス面への汚れの再
転写が支配的となってくる。
【0224】この再転写が繰り返されるとフェイス面の
撥水性が完全に失われてきて、吸引後にはフェイス面に
プリント性向上液が多量に付着するようになる。最終的
には、この付着したままのプリント性向上液がヨレや不
吐出などの印字不良を引き起こすようになる。
【0225】図11,図12に示した本発明を適用した
清掃手段によるフェイス面回復では前述の不具合を改善
したものである。以下に図16(a)〜(f)を参照し
て説明する。具体的には拭き部材14aと背当てワイパ
14dとSBP14gによりプリント性向上液吐出用ヘ
ッド12aが清掃される。拭き部材14aと背当てワイ
パ14dのフェイス面清掃通過後に発生する拭き残し領
域17gをすぐさま後続のSPB14gによりかきとっ
てしまうことにより、拭き残し領域17gから拭き部材
14a表面への汚れの付着を最小限に押さえることがで
きる。また、それでもなお拭き部材14aからの汚れの
再転写が徐々に置き始めたばあいでも、その都度後続の
SPB14gによりかきとってしまうためにフェイス面
での再転写された汚れの堆積がおきず撥水性の低下を防
止することができる。
【0226】ここで後続のワイパにはSB14hでなく
SPB14gを用いたのは以下の理由による。
【0227】Bk用ヘッドでは、拭き残しの汚れがイン
クと凝集物の混合状態でプリント性向上液吐出用ヘッド
と比較すると非常にフェイス面から除去し易いために、
SB14hを用いれば拭き残し領域17gをワイピング
により十分に除去することができたが、プリント性向上
液吐出用ヘッドにおいては拭き残しの汚れがプリント性
向上液と凝集物の混合状態となっておりフェイス面から
除去し難いために、かきとり効果が十分でないSB14
hを用いたワイピングでは拭き残し領域17gや再転写
により付着した汚れなどがすり抜けてフェイス面に残さ
れてしまう。よって、よりかきとり効果の高いSPB1
4gを用いて拭き残し領域17eや再転写により付着し
た汚れなどを除去している。
【0228】さらに前記拭き部材のクリーニング効果を
長時間維持するために本実施例では、フェイス面の清掃
動作毎に拭き部材をクリーニングする機構を適用してい
る。前記拭き部材をきれいにするためのクリーニング動
作はすでに図13(a)〜(c)および図14(a)〜
(c)に開示している。
【0229】またブレードホルダの移動速度はただ一つ
に限られず清掃の目的に応じて複数であってもよい。吸
引直後に行うワイピングによる清掃の主たる目的は、吸
引用キャップが吸引終了後にヘッドのキャッピング面か
ら離れるときにヘッドフェイス面に残るプリント性向上
液やインクの大きな液滴を除去することにある。それ
は、これらの大きな液滴がノズルの毛管力によりすぐさ
ま吸い込まれることにより、液滴に含まれていたごみや
プリント性向上液とインクの接触による凝集物などがノ
ズル口にトラップされたり、さらには同一ヘッドのフェ
イス面にシアン、マゼンタ、イエローの三色のカラー用
ノズルが配置されているときにはこれら三色の混ざり合
った液滴となるので各色のノズル内に吸い込まれること
により印字時の混色が発生するためである。
【0230】したがって本実施例5では吸引直後の清掃
時にはできるだけ速く前記大きな液滴を除去するために
他の清掃時より速い速度でブレードホルダを可動させて
いる。
【0231】具体的には、本実施例において望ましい拭
き速度である5〜20mm/secの範囲内でも一番速
い速度の20.0mm/secを適用している。
【0232】また、通常の清掃時では10.0mm/s
ecを適用している。
【0233】(実施例6)本発明の実施の形態にて示し
たプリント性向上液12hが記録媒体1iに非常に浸透
しにくい性質であった場合には、前記各インクジェット
ヘッドのフェイスに跳ね返るミストの量およびその中に
含まれるプリント性向上液の量における差が非常に少な
くなり、前記各インクジェットヘッドのフェイス面の汚
れの除去性がいずれも悪いものとなる。
【0234】図18(a)〜(c)に本発明を適用した
実施例6のワイパユニット構成の詳細を示す。この構成
は前記したプリント性向上液液12hが記録媒体1iに
非常に浸透しにくい性質であった場合に適している。
【0235】18a,18bおよび18cはそれぞれ多
孔質体などの吸水性のある部材による擦り手段である
(以後拭き部材と呼ぶ)。18d,18e,18fはそ
れぞれゴムなどの弾性部材で形成されたへら情ワイパブ
レードであるが、拭き部材がヘッドフェイス面に当接す
るときの接荷重調節用背当てとしての機能も有する。以
後、このブレードを背当てワイパと呼ぶ。18g,18
hはゴムなどの弾性部材で形成された中空部を有する略
柱状ブレードのワイピング用クリーニング部材である
(以後18gをSPB、18hをSBと呼び、SPBは
Smart power bladeの略であり、SB
とはSmart blade の略である)。18iは
これら複数の清掃部材を配設するブレードホルダであ
る。
【0236】矢印18jの方向にブレードホルダが移動
することによりこれら複数の清掃部材が図1に示された
本発明を適用したインクジェット記録装置におけるプリ
ント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッ
ドを清掃する。このように前記ワイパユニットに拭き部
材、背当てワイパ、SB、SPBを配設しているのは各
部材別個の機能と効果を十分に発揮させるためである。
【0237】また図18(a)〜(c)では拭き部材、
背当てワイパ、SB、SPBの土台からの高さ(自由
長)を同一としているが、各部材別個の機能と効果を十
分に発揮するためにその高さ(自由長)を違ったものと
してもよいことは言うまでもない。
【0238】またここでは、拭き部材、背当てワイパを
重ね合わせて使用しているが接合して用いることも可能
である。
【0239】本実施例6におけるワイパユニットの動作
方法は図12に示す実施例5のワイパユニットの動作方
法と同じである。
【0240】吸引が行われた直後や定められた数のイン
ク滴が吐出された直後などにワイパユニットがプリント
性向上液吐出用ヘッドや記録ヘッドのフェイス面を任意
の速度、接圧などの条件で当接移動して各ヘッドのフェ
イス面を清掃する。
【0241】図18(a)〜(c)に示した本発明を適
用した回復ユニットの実施例6におけるワイパユニット
用クリーナユニットの構成と動作は先の図13(a)〜
(c)に示した場合と同様である。
【0242】図18(a)〜(c)に示した本発明を適
用した実施例6の清掃手段により図8に示した本発明を
適用したインクジェット記録装置におけるプリント性向
上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッドを清掃
するときの動作は、図15(a)〜(c)に示す本発明
を適用した実施例5の清掃手段により清掃するときの動
作と同じである。すなわち拭き部材18aと背当てワイ
パ18dとSPB18gによりプリント性向上液吐出用
ヘッド12aが清掃され、拭き部材18bと背当てワイ
パ18eとSB18hによりBk用インクジェットヘッ
ド12bおよび濃度の薄いカラー用インクジェットヘッ
ド12cが清掃され、拭き部材18cと背当てワイパ1
8fとSB18hにより濃度の濃いカラー用インクジェ
ットヘッド12dが清掃される。
【0243】また、図18(a)〜(c)に示す本発明
の実施例6の清掃手段を用いて図8に示す本発明を適用
したインクジェット記録装置におけるプリント性向上液
吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッドのフェイス
面の汚れを除去する場合、本発明の実施例6の清掃手段
における擦り手段、ワイピング手段の機能および効果は
本発明の第一実施例の清掃手段における擦り手段、ワイ
ピング手段の機能および効果(図16(a)〜(f)参
照)と同じである。
【0244】また本発明の実施例6においても、前記拭
き部材の材質としてルビセルETを選択したが、良い効
果がある構成条件は本発明の実施例5における構成条件
と同じであることがわかった。
【0245】また本実施例6におけるブレードホルダの
移動速度は本発明における実施例5と同様ただ一つに限
られず、清掃の目的に応じて複数であってもよい。
【0246】本発明の実施例6でも、吸引直後の清掃と
きにはできるだけ早く前記大きな液滴を除去するために
他の清掃時より速い速度でブレードホルダを可動させ
る。
【0247】(実施例7)図19(a)〜(c)に本発
明を適用した実施例7のワイパユニット構成の詳細を示
す。
【0248】110a,110b,110cはそれぞれ
多孔質体などの吸水性のある部材による擦り手段である
(以後拭き部材と呼ぶ)。110d,110e,110
fはそれぞれゴムなどの弾性部材で形成されたへら情ワ
イパブレードであるが、拭き部材がヘッドフェイス面に
当接するときの接荷重調節用背当てとしての機能も有す
る(以後背当てワイパと呼ぶ)。110g,110hは
ゴムなどの弾性部材で形成された中空部を有する略柱状
ブレードのワイピング用クリーニング部材である(以後
110gをSPB、110hをSBと呼び、SPBとは
Smart power blade の略であり、SBとはSmart blade
の略である)。110iはこれら複数の清掃部材を配設
するブレードホルダである。
【0249】矢印110jの方向にブレードホルダが移
動することによりこれら複数の清掃部材が図1に示され
た本発明を適用したインクジェット記録装置におけるプ
リント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘ
ッドを清掃する。このように前記ワイパユニットに拭き
部材、背当てワイパ、SB、SPBを配設しているのは
各部材別個の機能と効果を十分に発揮させるためであ
る。
【0250】また図19(a)〜(c)では拭き部材、
背当てワイパ、SB、SPBの土台からの高さ(自由
長)を同一としているが、各部材別個の機能と効果を十
分に発揮するためにその高さ(自由長)を違ったものと
してもよいことは言うまでもない。
【0251】またここでは、拭き部材、背当てワイパを
重ね合わせて使用しているが接合して用いることも可能
である。
【0252】本実施例7におけるワイパユニットの動作
方法は図12に示す実施例5のワイパユニットの動作方
法と同じである。
【0253】吸引が行われた直後や定められた数のイン
ク滴が吐出された直後などにワイパユニットがプリント
性向上液吐出用ヘッドや記録ヘッドのフェイス面を任意
の速度、接圧などの条件で当接移動して各ヘッドのフェ
イス面を清掃する。
【0254】本実施例7におけるワイパユニットの動作
方法は実施例5のワイパユニットの動作方法および実施
例6のワイパユニットの動作方法と同じである。
【0255】吸引が行われた直後や定められた数のイン
ク滴が吐出された直後などにワイパユニットがプリント
性向上液吐出用ヘッドや記録ヘッドのフェイス面を任意
の速度、接圧などの条件で当接移動して各ヘッドのフェ
イス面を清掃する。
【0256】また本発明の実施例7におけるワイパユニ
ット用クリーナユニットの構成と動作は図13(a)〜
(c)および図14(a)〜(c)に示した本発明を適
用した回復ユニットの実施例5におけるワイパユニット
用クリーナユニットの構成と動作と同じである。
【0257】図19(a)〜(c)に示した本発明を適
用した実施例7の清掃手段により図8に示した本発明を
適用したインクジェット記録装置におけるプリント性向
上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッドを清掃
するときの動作は、図15(a)〜(c)に示す本発明
を適用した実施例5の清掃手段または本発明を適用した
実施例6の清掃手段により清掃するときの動作と同じで
ある。すなわち拭き部材110aと背当てワイパ110
dとSPB110gによりプリント性向上液吐出用ヘッ
ド12aが清掃され、拭き部材110bと背当てワイパ
110eとSB110hによりBk用インクジェットヘ
ッド12bおよび濃度の薄いカラー用インクジェットヘ
ッド12cが清掃され、拭き部材110cと背当てワイ
パ110fにより濃度の濃いカラー用インクジェットヘ
ッド12dが清掃される。
【0258】また、図19(a)〜(c)に示す本発明
の実施例7の清掃手段を用いて図8に示す本発明を適用
したインクジェット記録装置におけるプリント性向上液
吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッドのフェイス
面の汚れを除去する場合における、本発明の実施例7の
清掃手段における擦り手段、ワイピング手段の機能およ
び効果について具体的に説明する。
【0259】まず前記プリント性向上液吐出ヘッドの汚
れ除去について以下に説明する。
【0260】図19(a)〜(c)に示す本発明の実施
例7の清掃手段を用いた場合、前記プリント性向上液吐
出ヘッドにおいては先行してSPBがフェイス面を清掃
し後続して拭き部材+背当てワイパ構成の擦り手段が清
掃を行う。
【0261】プリント性向上液吐出ヘッドの汚れはプリ
ント性向上液と凝集物の混合状態のものでフェイス面に
おいて非常に濡れやすく、順方向ワイピングのSBでは
多量のすり抜けが発生しワイピングの効果が十分に得ら
れずフェイス面撥水性の低下を招く。したがって本発明
の第三実施例の清掃手段では、まずはカウンタワイピン
グを行うSPBを先行させて用いることによりフェイス
面の汚れをかきとることにより極力減少させる。その
後、拭き部材+背当てワイパ構成の擦り手段では、先行
のSPBによるカウンタワイピングでも残されたフェイ
ス面の汚れを除去して撥水性の回復を行う。場合によっ
てはノズル口縁に残ってしまった凝集物の除去も行う。
このような前記SPBと前記擦り手段の二つの働きと効
果によりフェイス面の汚れ除去を行いヨレや不吐出のな
い安定した印字を可能としている。
【0262】次に前記Bk用インクジェットヘッドおよ
び前記濃度の薄いカラー用インクジェットヘッドの汚れ
除去について以下に説明する。
【0263】図19(a)〜(c)に示す本発明の実施
例7の清掃手段を用いた場合、前記Bk用インクジェッ
トヘッドおよび前記濃度の薄いカラー用インクジェット
ヘッドにおいては先行してSBがフェイス面を清掃し後
続して拭き部材+背当てワイパ構成の擦り手段が清掃を
行う。
【0264】前記Bk用インクジェットヘッドおよび前
記濃度の薄いカラー用インクジェットヘッドの汚れはイ
ンクと凝集物の混合状態のものでフェイス面において非
常に濡れにくく、順方向ワイピングを行うSBを用いれ
ばよりすり抜けが発生せずワイピングの効果が十分に得
られフェイス面撥水性の低下を防ぐ。したがって本発明
の実施例7の清掃手段では、まずは順方向ワイピングの
SBを先行させて用いることによりフェイス面の汚れを
極力減少させる。その後、拭き部材+背当てワイパ構成
の擦り手段により先行のSBでも残されたフェイス面の
汚れを除去して撥水性の回復を行う。場合によってはノ
ズル口縁に残ってしまった凝集物の除去も行う。このよ
うな前記SBと前記擦り手段の二つの働きと効果により
フェイス面の汚れ除去を行いヨレや不吐出のない安定し
た印字を可能としている。
【0265】また本発明の実施例7においても、前記拭
き部材の材質としてルビセルETを選択したが、良い効
果がある構成条件は本発明の実施例5における構成条件
と同じであることがわかった。
【0266】また本発明における実施例7におけるブレ
ードホルダの移動速度は本発明における実施例5および
実施例6と同様ただ一つに限られず、清掃の目的に応じ
て複数であってもよい。本発明の実施例7でも、吸引直
後の清掃時にはできるだけ速く前記大きな液滴を除去す
るために他の清掃時より速い速度でブレードホルダを可
動させる。
【0267】(実施例8)本発明の実施の形態にて示し
たプリント性向上液2hが記録媒体1iに非常に浸透し
にくい性質であった場合には、前記各インクジェットヘ
ッドのフェイスに跳ね返るミストの量およびその中に含
まれるプリント性向上液の量における差が非常に少なく
なり、前記各インクジェットヘッドのフェイス面の汚れ
の除去性がいずれも悪いものとなる。
【0268】図20(a)〜(c)に本発明を適用した
実施例8のワイパユニット構成の詳細を示す。この構成
は前記したプリント性向上液2hが記録媒体1iに非常
に浸透しにくい性質であった場合に適している。
【0269】111a,111b,111cはそれぞれ
多孔質体などの吸水性のある部材による擦り手段である
(以後拭き部材と呼ぶ)。111d,111e,111
fはそれぞれゴムなどの弾性部材で形成されたへら状ワ
イパブレードであるが、拭き部材がヘッドフェイス面に
当接するときの接荷重調節用背当てとしての機能も有す
る(以後背当てワイパと呼ぶ)。111g,111hは
ゴムなどの弾性部材で形成された中空部を有する略柱状
ブレードのワイピング用クリーニング部材である(以後
111gをSPB、111hをSBと呼び、SPBとは
Smart power blade の略であり、SBとはSmart blade
の略である)。111iはこれら複数の清掃部材を配設
するブレードホルダである。
【0270】矢印111jの方向にブレードホルダが移
動することによりこれら複数の製造部材が図8に示され
た本発明を適用したインクジェット記録装置におけるプ
リント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘ
ッドを清掃する。このように前記ワイパユニットに拭き
部材、背当てワイパ、SB、SPBを配設しているのは
各部材別個の機能と効果を十分に発揮させるためであ
る。
【0271】また図20(a)〜(c)では拭き部材、
背当てワイパ、SB、SPBの土台からの高さ(自由
長)を同一としているが、各部材別個の機能と効果を十
分に発揮するためにその高さ(自由長)を違ったものと
してもよいことは言うまでもない。
【0272】またここでは、拭き部材、背当てワイパを
重ね合わせて使用しているが接合して用いることも可能
である。
【0273】本実施例8におけるワイパユニットの動作
方法は実施例5〜7のワイパユニットの動作方法と同じ
である。
【0274】吸引が行われた直後や定められた数のイン
ク滴が吐出された直後などにワイパユニットがプリント
性向上液吐出用ヘッドや記録ヘッドのフェイス面を任意
の速度、接圧などの条件で当接移動して各ヘッドのフェ
イス面を清掃する。
【0275】また本発明の実施例8におけるワイパユニ
ット用クリーナユニットの構成と動作は図13(a)〜
(c)および図14(a)〜(c)に示した本発明を適
用した回復ユニットの実施例6におけるワイパユニット
用クリーナユニットの構成と動作と同じである。
【0276】図20(a)〜(c)に示した本発明を適
用した実施例8の清掃手段により図8に示した本発明を
適用したインクジェット記録装置におけるプリント性向
上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッドを清掃
するときの動作は、図15(a)〜(c)に示す本発明
を適用した実施例5〜7の清掃手段により清掃するとき
の動作と同じである。すなわち拭き部材111aと背当
てワイパ111dとSPB111gによりプリント性向
上液吐出用ヘッド12aが清掃され、拭き部材111b
と背当てワイパ111eとSB111hによりBk用イ
ンクジェットヘッド12bおよび濃度の薄いカラー用イ
ンクジェットヘッド12cが清掃され、拭き部材111
cと背当てワイパ111fとSB111hにより濃度の
濃いカラー用インクジェットヘッド12dが清掃され
る。
【0277】また、図20(a)〜(c)に示す本発明
の実施例8の清掃手段を用いて図1に示す本発明を適用
したインクジェット記録装置におけるプリント性向上液
吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッドのフェイス
面の汚れを除去する場合は、本発明の実施例7の清掃手
段における擦り手段、ワイピング手段の機能および効果
は本発明の実施例5の清掃手段における擦り手段、ワイ
ピング手段の機能および効果と同じである。
【0278】また本発明の実施例8においても、前記拭
き部材の材質としてルビセルETを選択したが、良い効
果がある構成条件は本発明の実施例5における構成条件
と同じであることがわかった。
【0279】また本発明における実施例8におけるブレ
ードホルダの移動速度は本発明における実施例5〜7と
同様ただ一つに限られず、清掃の目的に応じて複数であ
ってもよい。
【0280】本発明の実施例8でも、吸引直後の清掃時
にはできるだけ早く前記大きな液滴を除去するために他
の清掃時より速い速度でブレードホルダを可動させる。
【0281】(実施例9)図21(a)〜(c)に本発
明を適用した実施例9のワイパユニット構成の詳細を示
す。前記実施例5〜8においては四種類のヘッドに対し
て三つの擦り手段を用いるため二種類のヘッドを清掃し
ていた擦り手段が存在している。しかし本発明の実施例
9においては四種類のヘッドに対して四つの擦り手段を
用いるためいずれの擦り手段も個別に一ヘッドのみを清
掃すればよい。
【0282】112a,112b,112c,112d
はそれぞれ多孔質体などの吸水性のある部材による擦り
手段である(以後拭き部材と呼ぶ)。112e,112
f,112g,112hはそれぞれゴムなどの弾性部材
で形成されたへら状ワイパブレードであるが、拭き部材
がヘッドフェイス面に当接するときの接荷重調節用背当
てとしての機能も有する(以後背当てワイパと呼ぶ)。
112i,112jはゴムなどの弾性部材で形成された
中空部を有する略柱状ブレードのワイピング用クリーニ
ング部材である(以後112iをSPB、112jをS
Bと呼び、SPBとはSmart power blade の略であり、
SBとはSmart blade の略である)。112kはこれら
複数の清掃部材を配設するブレードホルダである。
【0283】矢印1121の方向にブレードホルダが移
動することによりこれら複数の清掃部材が図8に示され
た本発明を適用したインクジェット記録装置におけるプ
リント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘ
ッドを清掃する。このように前記ワイパユニットに拭き
部材、背当てワイパ、SB、SPBを配設しているのは
各部材別個の機能と効果を十分に発揮させるためであ
る。
【0284】また図21(a)〜(c)では拭き部材、
背当てワイパ、SB、SPBの土台からの高さ(自由
長)を同一としているが、各部材別個の機能と効果を十
分に発揮するためにその高さ(自由長)を違ったものと
してもよいことは言うまでもない。
【0285】またここでは、拭き部材、背当てワイパを
重ね合わせて使用しているが接合して用いることも可能
である。
【0286】この構成は本発明の実施例5における拭き
部材4b、背当てワイパ14e、SB14hの構成がも
つ機能を、拭き部材112b、背当てワイパ112g、
SB112j1の構成と拭き部材112c、背当てワイ
パ112g、SB112j2の構成とに分けて機能させ
るものである。
【0287】したがってフェイス面の汚れを効果的に除
去するためには、 (1)拭き部材112d、背当てワイパ112hのワイ
ピング方向112lにおける後方にSBを追加すること
も可能である。
【0288】(2)ワイピング方向112lにおいて拭
き部材+背当てワイパとSBもしくはSPBの位置関係
が逆になることも可能である。
【0289】(3)各SBの代りにSPBを用いること
も可能である。
【0290】本実施例9におけるワイパユニットの動作
方法は実施例5〜8のワイパユニットの動作方法と同じ
である。
【0291】吸引が行われた直後や定められた数のイン
ク滴が吐出された直後などにワイパユニットがプリント
性向上液吐出用ヘッドや記録ヘッドのフェイス面を任意
の速度、接圧などの条件で当接移動して各ヘッドのフェ
イス面を清掃する。
【0292】本実施例9におけるワイパユニット用クリ
ーナユニットの構成と動作は図13(a)〜(c)およ
び図14(a)〜(c)に示した本発明を適用した回復
ユニットにおけるワイパユニット用クリーナユニットの
構成と動作に準じる。
【0293】図22(a)〜(c)において、図8に示
した本発明を適用したインクジェット記録装置における
プリント性向上液吐出用ヘッドおよび各インクジェット
ヘッドを図21(a)〜(c)に示した本発明を適用し
た清掃手段により清掃するときの動作を説明する。
【0294】任意の定められた数のインク滴がプリント
性向上液吐出用ヘッド12aおよびBk用インクジェッ
トヘッド12bから吐出された後に、図1に示す本発明
に適用したインクジェット記録装置の概略図においての
左側(記録領域側)よりキャリッジ2eがホームポジシ
ョンに戻り、ワイピング可能な図22(a)に示す位置
に停止する。また吸引が行われた直後などにも図22
(a)に示す位置にキャリッジ2eが移動してきて停止
する。この状態でブレードホルダ112kが矢印112
l方向へと任意の速度で移動することによりプリント性
向上液吐出用ヘッド12aおよびBk用インクジェット
ヘッド12bのフェイス面が清掃される。
【0295】また同様に、定められた数のインク滴が濃
度の薄いカラー用インクジェットヘッド12cもしくは
濃度の濃いカラー用インクジェットヘッド12dから吐
出された後や吸引が行われた直後などには図22(b)
に示す位置にキャリッジ12eが移動してきて停止し、
ブレードホルダ112kが矢印112l方向へと任意の
速度で移動することにより濃度の薄いカラー用インクジ
ェットヘッド12cおおび濃度の濃いカラー用インクジ
ェットヘッド12dが清掃される。
【0296】すなわち拭き部材112aと背当てワイパ
112eとSPB112iによりプリント性向上液吐出
用ヘッド12aが清掃され、拭き部材112bと背当て
ワイパ112fとSB112j1によりBk用インクジ
ェットヘッド12bが清掃され、拭き部材112cと背
当てワイパ112gとSB112j2により濃度の薄い
カラー用インクジェットヘッド12cが清掃され、拭き
部材112dと背当てワイパ112hにより濃度の濃い
カラー用インクジェットヘッド2sが清掃される。
【0297】また、図22(c)に示すように、ブレー
ドホルダ112kは各ヘッドのフェイス面を清掃後ごと
にワイパユニット用クリーナユニット113aに突入し
て拭き部材112a、112b、112c、112dや
背当てワイパ112e、112f、112g、112h
およびSPB112i、SB112j1、112j2を
クリーニングする(図13(a)〜(c)および図14
(a)〜(c)参照)。
【0298】さらには、本発明を適用した実施例9のワ
イパユニット構成とヘッドの位置を合わせることによ
り、図23に示すように一度の動作で4種類のヘッドを
清掃することができる。
【0299】任意の定められた数のインク滴がプリント
性向上液吐出用ヘッド12a、Bk用インクジェットヘ
ッド12b、濃度の薄いカラー用インクジェットヘッド
12cおよび濃度の濃いカラー用インクジェットヘッド
12dから吐出された後に、図8に示す本発明に適用し
たインクジェット記録装置の概略図においての左側(記
録領域側)によりキャリッジ2eがホームポジションに
戻り、ワイピング可能な図23に示す位置Rに停止す
る。また、吸引が行われた直後などにも図23に示す位
置にキャリッジ2eが移動してきて停止する。この状態
でブレードホルダ112kが矢印112l方向へと任意
の速度で移動することによりプリント性向上液吐出用ヘ
ッド12a、Bk用インクジェットヘッド12b、濃度
の薄いカラー用インクジェットヘッド12cおよび濃度
の濃いカラー用インクジェットヘッド12dのフェイス
面が清掃される。
【0300】すなわち、拭き部材112aと背当てワイ
パ112eとSPB112iによりプリント性向上液吐
出ヘッド12aが清掃され、拭き部材112bと背当て
ワイパ112fとSB112j1によりBk用インクジ
ェットヘッド12bが清掃され、拭き部材112cと背
当てワイパ112gとSB112j2により濃度の薄い
カラー用インクジェットヘッド12cが清掃され、拭き
部材112dと背当てワイパ112hにより濃度の濃い
カラー用インクジェットヘッド12dが清掃される。
【0301】また、図21(a)〜(c)に示す本発明
の実施例9の清掃手段を用いて図8に示す本発明を適用
したインクジェット記録装置におけるプリント性向上液
吐出用ヘッドおよび各インクジェットヘッドのフェイス
面の汚れを除去する場合、本発明のその他の清掃手段に
おける擦り手段、ワイピング手段の機能および効果は本
発明の実施例5〜8の清掃手段における擦り手段、ワイ
ピング手段の機能および効果に準じている。
【0302】また、本実施例9においても、前記拭き部
材の材質としてルビセルET(商品名)を選択したが、
良い効果がある構成条件は本発明の実施例5における構
成条件と同じであることがわかった。
【0303】また、本実施例9におけるブレードホルダ
の移動速度は実施例5〜8と同様ただ一つに限られず、
清掃の目的に応じて複数であってもよい。
【0304】先の実施例8でも、吸引直後の清掃時には
できるだけ早く前記大きな液滴を除去するために他の清
掃時より早い速度でブレードホルダを可動させる。
【0305】本発明は、上記各実施例に限定されること
なく、上記各実施例間の組み合わせをも含めることがで
きる。
【0306】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0307】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0308】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0309】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0310】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0311】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0312】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0313】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0314】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0315】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体吐出ヘッドの吐出口面を清掃する手段として中空部
分を有する略円筒形の弾性部材を用いることにより、吐
出口面に付着したインク等の吐出阻害物、例えば吐出口
面に付着した埃、ゴミや紙粉、インク滴、インクの乾燥
にともない強固に被着した固化物、インクとプリント性
向上液の凝集固着物などを容易に除去することが可能で
ある。従って、回復信頼性の高い記録装置を提供するこ
とができる。
【0316】また、本発明によれば、インクおよびプリ
ント性向上液を記録媒体に吐出して画像を形成する液体
吐出装置としてのインクジェット記録装置において、ヘ
ッドフェイス面におけるノズル面がノズル列に沿った細
長い凹部状である液体吐出ヘッドとしてのインクジェッ
トヘッドを用いる場合、従来のへら状ブレードでは十分
な当接が不可能な凹部形状であっても、本発明を適用し
た擦り手段部(へら状ワイパ+擦り手段)と弾性を有し
た略柱状のクリーニング部材とを併用する構成により、
凹部状ノズル面の長手方向へのワイピングを行うこと
で、ノズル面に付着したほこり、ゴミや紙粉、インク
滴、インクの乾燥に伴って強固に被着した固化物、イン
クとプリント性向上液の凝集固着物などを単純な構造で
容易に除去することが可能となり、回復信頼性の高いイ
ンクジェット記録装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのインクジェット記
録装置を示す概略斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は図1に示した本実施形態に係
るインクジェット記録装置における回復系ユニットでワ
イピング動作を説明するための概略正面図である。
【図3】(a)〜(f)は実施例1におけるワイパブレ
ードとヘッドとの関係を説明するための概略図である。
【図4】(a)〜(c)は実施例1における中空略円筒
ワイパのワイピング軌道の自己修正を説明するための概
略図である。
【図5】(a)〜(e)は実施例2のインクジェット記
録ヘッドとワイパの関係を示す一連の概略図である。
【図6】(a)〜(f)は実施例3のインクジェット記
録ヘッドとワイパの関係を示す一連の概略図である。
【図7】(a)〜(e)は実施例4のインクジェット記
録ヘッドとワイパの関係を示す一連の概略図である。
【図8】本発明の第2実施形態としてのインクジェット
記録装置の概略斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態としてのインクジェット
記録装置におけるインクおよびプリント性向上液などの
ミストの跳ね返りを説明するための概略正面図である。
【図10】(a)および(b)は実施例5における回復
ユニットの概略斜視図である。
【図11】(a)、(b)および(c)は実施例5にお
けるワイパユニットの構成および動作方法を説明するた
めの図であって、(a)は平面図、(b)は背面図、
(c)は正面図である。
【図12】実施例5におけるワイパユニット用クリーナ
ーユニットの構成および動作方法を説明するための側面
図である。
【図13】(a)〜(c)は実施例5におけるワイパユ
ニットによりヘッドフェイス面を清掃するときの動作方
法を説明するための側面図である。
【図14】(a)〜(c)は実施例5におけるワイパユ
ニットによりヘッドフェイス面を清掃するときの動作方
法を説明するための側面図である。
【図15】(a)〜(c)は拭き部材および背当てワイ
パ構成の擦り手段によるフェイス面清掃方法を説明する
ための側面図である。
【図16】(a)〜(f)は実施例6におけるワイパユ
ニットの構成を説明するための図であって、(a)は斜
視図、(b)〜(d)および(f)は正面図、(e)は
側断面図である。
【図17】(a)および(b)は拭き部材および背当て
ワイパの寸法関係を説明するための図であって、(a)
は正面図、(b)は側面図である。
【図18】(a)〜(c)は実施例6におけるワイパユ
ニットの構成を説明するための図であって、(a)は平
面図、(b)は背面図、(c)は正面図である。
【図19】(a)〜(c)は実施例7におけるワイパユ
ニットの構成を説明するための図であって、(a)は平
面図、(b)は背面図、(c)は正面図である。
【図20】(a)〜(c)は実施例8におけるワイパユ
ニットの構成を説明するための図であって、(a)は平
面図、(b)は背面図、(c)は正面図である。
【図21】(a)〜(c)は実施例9におけるワイパユ
ニットの構成を説明するための図であって、(a)は平
面図、(b)は背面図、(c)は正面図である。
【図22】(a)〜(c)は実施例9におけるワイパユ
ニットでヘッドフェイス面を清掃する際の動作方法を説
明するための正面図である。
【図23】改良を加えた実施例9におけるワイパユニッ
トでヘッドフェイス面を清掃する際の動作方法を説明す
るための正面図である。
【図24】(a)および(b)は従来クリーナーの形態
を示す概略図である。
【図25】(a)および(b)は従来クリーナーの他の
形態を示す概略図である。
【図26】(a)および(b)は従来クリーナーのさら
に他の形態を示す概略図である。
【図27】インクとインク中の染料等を溶媒に不溶化す
るプリント性向上液とを用いたシステムおよびシステム
におけるインク等のミストの跳ね返り現象を説明するた
めの概略正面図である。
【図28】図26に示したヘッド面に凝集付着したイン
ク等のミストの領域を被記録媒体側から視た概略平面図
である。
【図29】(a)および(b)は従来クリーナーによる
細長い凹部に対するワイピング状態を示す概略正面図で
ある。
【符号の説明】
1a インクジェットカートリッジ 1b キャリッジ 1c 走査レール 1d 駆動ベルト 1e 搬送ローラ 1f 搬送ローラ 1g 搬送ローラ 1h 搬送ローラ 1i 被記録媒体 1j キャップユニット 1k ポンプユニット 1l 第1ブレード 1m 第2ブレード 1n ブレードホルダ 2a ワイパブレード 2b ワイパブレードホルダ 2d ブレードホルダ移動用レール 2e ワイピング方向 2f ブレードリターン方向 2g キャリッジ移動方向 3c ワイパの自由長 3d 中空略円筒ワイパの外径 3e ヘッドフェイス面 3f 吐出口面 3g 吐出口列 3h ワイピング方向 4e ヘッドフェイス面 4f 吐出口面 4g 吐出口列 4h ワイピング軌道の自己修正可能なワイパとヘッド
間の最大位置ずれ距離 4i ワイピング方向 4j 被ワイピング領域 5a 本発明の実施例2のワイパブレード 5b ワイパブレードホルダ 5c ワイパの自由長 5d ワイパの中空形状部分の外径 5e ヘッドフェイス面 5f 吐出口面 5g 吐出口列 5h ワイピング方向 5i エッジ面 5j 従来のへら状ワイパもしくは実施例1、実施例3
のワイパ 6a 本発明の実施例3の一種のワイパブレード 6b ワイパブレードホルダ 6c ワイパの自由長 6d 柱状ワイパの外径 6e ヘッドフェイス面 6f 吐出口面 6g 吐出口列 6h ワイピング方向 7a 本発明の実施例4の一種のワイパブレード 7b ワイパブレードホルダ 7c ワイパの自由長 7d 柱状ワイパの外径 7e ヘッドフェイス面 7f 吐出口面 7g 吐出口列 7h ワイピング方向 12a プリント性向上液吐出ヘッド 12b Bk用インクジェットヘッド 12c 濃度の薄いカラー用インクジェットヘッド 12d 濃度の濃いカラー用インクジェットヘッド 12e 通常印字時のキャリッジスキャン方向 12f プリント性向上液 12g BKインク 12h 濃度の薄いカラーインク 12i 濃度の濃いカラーインク 12j Bk用インクジェットヘッドのフェイス面に跳
ね返るミスト 12k 濃度の薄いカラー用インクジェットヘッドのフ
ェイス面に跳ね返るミスト 12l 濃度の濃いカラー用インクジェットヘッドのフ
ェイス面に跳ね返るミスト 12m 記録媒体に着弾したプリント性向上液 13a プリント性向上液ヘッド用キャップ 13b Bkインクジェットヘッド用キャップ 13c 濃度の薄いシアン、マゼンタ、イエロー用イン
クジェットヘッド用キャップ 13d 濃度の濃いシアン、マゼンタ、イエロー用イン
クジェットヘッド用キャップ 13e 回復系ベース 13f キャップレバー 13g キャップレバー 13h キャップレバー 13i 吸引カム 13j カム面 13fA リブ 13gA リブ 13hA リブ B リブ C リブ D リブ 13fE Reクリーナー 13gE Reクリーナー 13k ポンプユニット 13l プリント性向上液専用チューブ 13m 記録インク専用チューブ 13n コロホルダー 13o コロ 13p ワイパユニット 14a 拭き部材 14b 拭き部材 14c 拭き部材 14d 背当てワイパ 14e 背当てワイパ 14f 背当てワイパ 14g SPB 14h SB 14i ブレードホルダ 14j ワイピング方向 14k ラックギア 14l ギア 14m ギア 14n ギア 14o 欠歯部 14p バネ 15a ワイパユニット用クリーナ 15b ワイピング方向 15c 記録ヘッド停止位置(ワイピング時) 15d ワイパユニット用クリーナの回動可能方向 15e バネ 15f ワイパユニット用クリーナベース 15g ワイパユニット用クリーナ 17a 拭き部材 17b 背当てワイパ 17c 拭き部材カット部 17d ワイピング方向 17e ノズル列 17f 汚れの少ない領域 17g 拭き残り筋が発生する領域 17h インクジェットヘッドもしくはプリント性向上
液吐出用ヘッド 17i ノズル面 17j キャッピング面 18a 拭き部材 18b 拭き部材 18c 拭き部材 18d 背当てワイパ 18e 背当てワイパ 18f 背当てワイパ 18g SPB 18h SB 18i ブレードホルダ 18j ワイピング方向 110a 拭き部材 110b 拭き部材 110c 拭き部材 110d 背当てワイパ 110e 背当てワイパ 110f 背当てワイパ 110g SPB 110h SB 110i ブレードホルダ 110j ワイピング方向 111a 拭き部材 111b 拭き部材 111c 拭き部材 111d 背当てワイパ 111e 背当てワイパ 111f 背当てワイパ 111g SPB 111h SB 111i ブレードホルダ 111j ワイピング方向 112a 拭き部材 112b 拭き部材 112c 拭き部材 112d 拭き部材 112e 背当てワイパ 112f 背当てワイパ 112g 背当てワイパ 112h 背当てワイパ 112i SPB 112j1 SB 112j2 SB 112k ブレードホルダ 112l ワイピング方向 208a 従来例のワイパブレード 208b ヘッドフェイス面 208c ワイピング方向 209a 従来例の第1ワイパブレード 209b 従来例の第2ワイパブレード 209c ヘッドフェイス面 209d 吐出口面 209e 吐出口列 209f ワイピング方向 210a 従来例の第1ワイパブレード 210b 従来例の第2ワイパブレード 210c ヘッドフェイス面 210d 吐出口面 210e 吐出口列 210f ワイピング方向 211a プリント性向上液用ヘッド 211b 記録ヘッド 211c 被記録媒体 211d プリント性向上液吐出吐出口列 211e インク吐出吐出口列 211f プリント性向上液の自己ミストの付着 211g インクの自己ミストの付着 211h プリント性向上液およびインクの跳ね返りミ
ストの凝集付着 211i スキャン方向 211j プリント性向上液の吐出 211k 被記録媒体上に着弾したプリント性向上液 211l インクの吐出 211m 被記録媒体上に着弾したインク 211n プリント性向上液とインクの混合ミスト 213a 従来例のワイパブレード 213b インクジェットヘッド 213c 吐出口列 213d ワイピング方向

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いる
    液体吐出装置であって、 前記液体吐出ヘッドの吐出口部を清掃するための清掃手
    段を含み、該清掃手段は、前記液体を吸収しない略柱状
    の弾性部材で形成され、前記液体吐出ヘッドの吐出口部
    を含む面に当接した際に弾性変形することを特徴とする
    液体吐出装置。
  2. 【請求項2】 液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いる
    液体吐出装置であって、 前記液体吐出ヘッドの吐出口部を清掃する複数の清掃手
    段を含み、該清掃手段の少なくとも1つは、前記液体を
    吸収する擦り手段と、前記液体を吸収しないへら状の弾
    性部材とから構成され、該清掃手段が前記液体吐出ヘッ
    ドの吐出口部を含む面に当接した際に前記へら状の弾性
    部材が弾性変形することにより前記擦り手段も当接する
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  3. 【請求項3】 液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いる
    液体吐出装置であって、 前記液体吐出ヘッドの吐出口部を清掃する複数の清掃手
    段を含み、該清掃手段は、少なくとも、前記液体を吸収
    しない略柱状の弾性部材から構成された第1の清掃手段
    と、前記液体を吸収する擦り手段と前記液体を吸収しな
    いへら状の弾性部材とから構成された第2の清掃手段を
    有することを特徴とする液体吐出装置。
  4. 【請求項4】 液体の種類毎に液体吐出機構が独立した
    複数の液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置であって、 前記複数の液体吐出ヘッド毎に該複数の液体吐出ヘッド
    の吐出口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該各清掃
    手段は略柱状の弾性部材で構成され、前記液体吐出ヘッ
    ドの吐出口部を含む面に当接した際に弾性変形すること
    を特徴とする液体吐出装置。
  5. 【請求項5】 液体の種類毎に液体吐出機構が独立した
    複数の液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置であって、 前記複数の液体吐出ヘッド毎に該複数の液体吐出ヘッド
    の吐出口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該清掃手
    段の少なくとも1つは、前記液体を吸収する擦り手段
    と、前記液体を吸収しないへら状の弾性部材とから構成
    され、該清掃手段が前記液体吐出ヘッドの吐出口部を含
    む面に当接した際に前記へら状の弾性部材が弾性変形す
    ることにより前記擦り手段も当接することを特徴とする
    液体吐出装置。
  6. 【請求項6】 液体の種類毎に液体吐出機構が独立した
    複数の液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置であって、 前記複数の液体吐出ヘッド毎に該複数の液体吐出ヘッド
    の吐出口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該清掃手
    段は、少なくとも、前記液体を吸収しない略柱状の弾性
    部材から構成された第1の清掃手段と、前記液体を吸収
    する擦り手段と前記液体を吸収しないへら状の弾性部材
    とから構成された第2の清掃手段を有することを特徴と
    する液体吐出装置。
  7. 【請求項7】 前記液体はインクであることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかの項に記載の液体吐出装置。
  8. 【請求項8】 前記液体は、インク中の染料または顔料
    を不溶化または凝集させるプリント性向上液を含むこと
    を特徴とする請求項4〜6のいずれかの項に記載の液体
    吐出装置。
  9. 【請求項9】 前記液体の特性に応じて前記複数の清掃
    手段の構成が異なることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかの項に記載の液体吐出装置。
  10. 【請求項10】 前記略柱状の弾性部材は、中空部分を
    有することを特徴とする請求項1,3,4および6のい
    ずれかの項に記載の液体吐出装置。
  11. 【請求項11】 前記略柱状の弾性部材は、筒状である
    ことを特徴とする請求項1,3,4,6および10のい
    ずれかに記載の液体吐出装置。
  12. 【請求項12】 前記略柱状の弾性部材は、その外形が
    略円柱状であることを特徴とする請求項1,3,4,6
    および10のいずれかの項に記載の液体吐出装置。
  13. 【請求項13】 前記略柱状の弾性部材は、その外形が
    略角柱状であることを特徴とする請求項1,3,4,6
    および10のいずれかの項に記載の液体吐出装置。
  14. 【請求項14】 前記略柱状の弾性部材は、中空部分を
    有する略円筒状であることを特徴とする請求項13記載
    の液体吐出装置。
  15. 【請求項15】 前記インクを吸収しない略柱状の弾性
    部材は、ウレタンゴム、HNBRゴムおよびEPDMゴ
    ムからなる群より選択された材料で形成されていること
    を特徴とする請求項1,3,4,6および10のいずれ
    かの項に記載の液体吐出装置。
  16. 【請求項16】 前記弾性部材の硬度が30°〜80°
    の範囲であることを特徴とする請求項15記載の液体吐
    出装置。
  17. 【請求項17】 前記液体吐出ヘッドの吐出口部がキャ
    ッピング面より内側に向けて凹形状をなす面内に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1,3,4,6,10
    〜16のいずれかの項に記載の液体吐出装置。
  18. 【請求項18】 前記液体吐出ヘッドの凹状面に沿っ
    て、前記清掃手段の中空部分が自己変形することによっ
    て該清掃手段の中空部分の開口端が前記凹状面に対して
    当接することを特徴とする請求項17記載の液体吐出装
    置。
  19. 【請求項19】 前記清掃手段の少なくとも前記記録ヘ
    ッドの凹状面に当接する部分は、エッジ状であり、その
    曲率半径Rは300ミクロン以下であることを特徴とす
    る請求項18記載の液体吐出装置。
  20. 【請求項20】 前記清掃手段の前記液体吐出ヘッドに
    対する清掃速度が、5mm/秒〜50mm/秒の範囲で
    あることを特徴とする請求項1,3,4,6,10〜1
    9のいずれかの項に記載の液体吐出装置。
  21. 【請求項21】 前記清掃手段は前記各液体吐出ヘッド
    にそれぞれ個別対応可能であることを特徴とする請求項
    1,3,4,6,10〜19のいずれかの項に記載の液
    体吐出装置。
  22. 【請求項22】 前記清掃手段の形状は前記液体吐出ヘ
    ッドから吐出されるインクの特性に応じて異なることを
    特徴とする請求項21記載の液体吐出装置。
  23. 【請求項23】 前記清掃手段は、液体吐出ヘッドに対
    して、順方向にならう手段と逆方向のカウンタになる手
    段とを持ち合わせることを特徴とする請求項1,3,
    4,6,10〜19のいずれかの項に記載の液体吐出装
    置。
  24. 【請求項24】 前記清掃手段は、前記液体吐出ヘッド
    から吐出されたインク滴の数が所定値に達したことが検
    出された際に、清掃を実行することを特徴とする請求項
    1,3,4,6,10〜23のいずれかの項に記載の液
    体吐出装置。
  25. 【請求項25】 前記清掃手段は、排紙動作時および/
    またはキャッピング前に清掃を実行することを特徴とす
    る請求項1,3,4,6,10〜24のいずれかの項に
    記載の液体吐出装置。
  26. 【請求項26】 前記液体吐出ヘッドは、前記液体を吐
    出するために利用されるエネルギを発生する素子とし
    て、前記液体に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生す
    る電気熱変換体を有することを特徴とする請求項1〜2
    5のいずれかの項に記載の液体吐出装置。
  27. 【請求項27】 液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出
    口部を清掃するための清掃手段を含み、該清掃手段は、
    液体を吸収しない略柱状の弾性部材で形成され、前記液
    体吐出ヘッドの吐出口部を含む面に当接した際に弾性変
    形することを特徴とする液体吐出装置用清掃機構。
  28. 【請求項28】 液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出
    口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該清掃手段の少
    なくとも1つは、前記液体を吸収する擦り手段と、前記
    液体を吸収しないへら状の弾性部材とから構成され、該
    清掃手段が前記液体吐出ヘッドの吐出口部を含む面に当
    接した際に前記へら状の弾性部材が弾性変形することに
    より前記擦り手段も当接することを特徴とする液体吐出
    装置用清掃機構。
  29. 【請求項29】 液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出
    口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該清掃手段は、
    少なくとも、前記液体を吸収しない略柱状の弾性部材か
    ら構成された第1の清掃手段と、前記液体を吸収する擦
    り手段と前記液体を吸収しないへら状の弾性部材とから
    構成された第2の清掃手段を有することを特徴とする液
    体吐出装置用清掃機構。
  30. 【請求項30】 液体の種類毎に液体吐出機構が独立し
    た複数の液体吐出ヘッド毎に該複数の液体吐出ヘッドの
    吐出口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該各清掃手
    段は略柱状の弾性部材で構成され、前記液体吐出ヘッド
    の吐出口部を含む面に当接した際に弾性変形することを
    特徴とする液体吐出装置用清掃機構。
  31. 【請求項31】 液体の種類毎に液体吐出機構が独立し
    た複数の液体吐出ヘッド毎に該複数の液体吐出ヘッドの
    吐出口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該清掃手段
    の少なくとも1つは、前記液体を吸収する擦り手段と、
    前記液体を吸収しないへら状の弾性部材とから構成さ
    れ、該清掃手段が前記液体吐出ヘッドの吐出口部を含む
    面に当接した際に前記へら状の弾性部材が弾性変形する
    ことにより前記擦り手段も当接することを特徴とする液
    体吐出装置用清掃機構。
  32. 【請求項32】 液体の種類毎に液体吐出機構が独立し
    た複数の液体吐出ヘッド毎に該複数の液体吐出ヘッドの
    吐出口部を清掃する複数の清掃手段を含み、該清掃手段
    は、少なくとも、前記液体を吸収しない略柱状の弾性部
    材から構成された第1の清掃手段と、前記液体を吸収す
    る擦り手段と前記液体を吸収しないへら状の弾性部材と
    から構成された第2の清掃手段を有することを特徴とす
    る液体吐出装置用清掃機構。
  33. 【請求項33】 前記液体はインクであることを特徴と
    する請求項27〜32のいずれかの項に記載の液体吐出
    装置用清掃機構。
  34. 【請求項34】 前記液体は、インク中の染料または顔
    料を不溶化または凝集させるプリント性向上液を含むこ
    とを特徴とする請求項27〜32のいずれかの項に記載
    の液体吐出装置用清掃機構。
  35. 【請求項35】 前記液体の特性に応じて前記複数の清
    掃手段の構成が異なることを特徴とする請求項27〜3
    4のいずれかの項に記載の液体吐出装置用清掃機構。
  36. 【請求項36】 前記略柱状の弾性部材は、中空部分を
    有することを特徴とする請求項27,29,30,32
    のいずれかの項に記載の液体吐出装置用清掃機構。
  37. 【請求項37】 前記略柱状の弾性部材は、筒状である
    ことを特徴とする請求項36に記載の液体吐出装置用清
    掃機構。
  38. 【請求項38】 前記略柱状の弾性部材は、その外形が
    略円柱状であることを特徴とする請求項27,29,3
    0,32,36,37のいずれかの項に記載の液体吐出
    装置用清掃機構。
  39. 【請求項39】 前記略柱状の弾性部材は、その外形が
    略角柱状であることを特徴とする請求項27,29,3
    0,32,36,37のいずれかの項に記載の液体吐出
    装置用清掃機構。
  40. 【請求項40】 前記略柱状の弾性部材は、中空部分を
    有する略円筒状であることを特徴とする請求項27,2
    9,30,32のいずれかの項に記載の液体吐出装置用
    清掃機構。
  41. 【請求項41】 前記液体を吸収しない略柱状の弾性部
    材は、ウレタンゴム、HNBRゴムおよびEPDMゴム
    からなる群より選択された材料で形成されていることを
    特徴とする請求項27,29,30,32,36〜40
    のいずれかの項に記載の液体吐出装置用清掃機構。
  42. 【請求項42】 前記弾性部材の硬度が30°〜80°
    の範囲であることを特徴とする請求項41記載の液体吐
    出装置用清掃機構。
JP11145897A 1996-11-06 1997-04-28 液体吐出装置および液体吐出装置用清掃機構 Pending JPH10272781A (ja)

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