JPH10272268A - 面状ファスナを用いたシートの吊り込み方法 - Google Patents

面状ファスナを用いたシートの吊り込み方法

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JPH10272268A
JPH10272268A JP9799997A JP9799997A JPH10272268A JP H10272268 A JPH10272268 A JP H10272268A JP 9799997 A JP9799997 A JP 9799997A JP 9799997 A JP9799997 A JP 9799997A JP H10272268 A JPH10272268 A JP H10272268A
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skins
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、吊り込み部に帯状の
面状ファスナを用いないで部品点数を削減でき、作業工
数を削減できる面状ファスナを用いたシートの吊り込み
方法を提供 【解決手段】 各表皮11,12の端部を揃えて、各
端部から所定の個所を縫合して第1縫合工程を行う。次
に表皮裏面に面状ファスナ11cの係合面が取り付けら
れた表皮11を、第1縫合工程で縫合された端部側を包
むように折り返し、面状ファスナ11cが露見するよう
に巻き込み、第1縫合工程で縫合された部分より端部側
から離れた部分側を縫合して第2縫合工程を行い吊り込
み部30を形成する。そしてクッション材20のパター
ン溝部21に配置された面状ファスナ22と吊り込み部
30を接合して吊り込む。裏面に面状ファスナが接合さ
れた表皮11と、面状ファスナを備えていない表皮12
との縫合部の部分を吊り込み部30としたときに、吊り
込み部30に、従来使用していた帯状の面状ファスナを
用いないで、吊り込み部30を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は面状ファスナを用い
たシートの吊り込み方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からシート表皮の浮き上がり防止
と、デザイン上の要請ため、シートの表皮トリムの吊り
込みを行っている。この吊り込みについては、従来から
行われてきたクッション材中にインサートワイヤを埋設
して、表皮材側に取り付けた吊り袋中に鋼線を配置した
ものと接合して、吊り袋の鋼線とインサートワイヤとを
オームクリップやCリングによって係合する必要があっ
た。このようなインサートワイヤに吊り込む技術では、
シートの底面側から作業を行なう必要があり、また非常
に力仕事となって作業効率が悪いという不都合があっ
た。
【0003】このため、面状ファスナを用いた技術が提
案されている。即ち、座席の座面不または背部の吊り込
みパターンを溝部として形成し、この溝部に面状ファス
ナを配置して、この面状ファスナと接合する表皮材側に
も面状ファスナを取付け、表皮材の面状ファスナとクッ
ション材の面状ファスナとを接合して、吊り込みパター
ンを形成していた。特にこのような吊り込みの位置に
は、二枚の表皮の合せ部(縫合部)を吊り込むことが多
く行われている。
【0004】つまり面状ファスナを用いたシートで、所
定吊り込みパターンが形成された吊り込み部に、それぞ
れ面状ファスナを使用した場合ついて説明すると、通常
の場合、図12で示すように、座面部または背部101
は、図示しないフレーム上にクッション材102を配置
して、表皮材103(103a,103b)でクッショ
ン材102やフレームを被覆して形成されている。そし
て表皮103aの裏面に面状ファスナ104をラミネー
トで一体化し、座面部または背部101にはクッション
材102の所定位置に配設した面状ファスナ105と係
合させて、クッション材102と表皮103aを接合し
ている。
【0005】他方、吊り込み部は、図13で示すよう
に、予めクッション材102に形成された溝部106
に、面状ファスナ107を配設した部分と係合するよう
に構成するために、一般に、二枚の表皮103a,10
3bの縫合部108を利用して、所定パターンの長さに
対応して、帯状にカットした細長い面状ファスナ110
を、縫代に縫着して対応している。そして表皮側の帯状
の面状ファスナ110と、クッション材102側の溝部
106の面状ファスナ107とを係合して接合し、表皮
材103を吊り込みパターン部に沿って吊り込むように
構成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、表皮材
103の面状ファスナによる吊り込みには、座面部(又
は背部)と吊り込みパターン部である縫合部108とで
は、異なる縫合処理が必要であった。つまり吊り込み部
に関しては、図14で示すように、表皮103a,10
3bの縫合部108に帯状の面状ファスナ110を縫合
する必要がある。
【0007】これをたとえば面状ファスナをラミネート
した表皮と単に縫合だけにすると、図15の矢印で示す
ように、縫代を片側に倒して、面状ファスナ104が、
クッション材の溝部内の面状ファスナと接合するように
構成する必要がある。しかし図15のように、縫代が開
く場合には面状ファスナ104が接合せず、組み付け工
程(面状ファスナの係合のための作業工程)において、
縫合部の状態により、強度のばらつきが大きくなるだけ
でなく、このような状態が生じないような作業が必要と
なり、作業工数が増えてしまうだけでなく、形状安定性
に欠けるという不都合があった。
【0008】本発明の目的は、表皮と一体となった面状
ファスナを用いて、吊り込み部の係合ができる面状ファ
スナを用いたシートの吊り込み方法を提供することにあ
る。また本発明の目的は、吊り込み部に帯状の面状ファ
スナを用いないで部品点数を削減でき、作業工数を削減
できる面状ファスナを用いたシートの吊り込み方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る面状ファ
スナを用いたシートの吊り込み方法は、パターン溝部が
形成されたクッション材と、該クッション材の前記パタ
ーン溝部に配設された面状ファスナと、前記クッション
材を被覆する少なくとも二枚の表皮を縫合した表皮材
と、を備え、前記クッション材のパターン溝部に配設さ
れた面状ファスナによって前記表皮材を吊り込みする方
法であって、前記表皮材の前記パターン溝部に配設され
る吊り込み部には、前記表皮の合わせ縫合部が形成され
ると共に一方の表皮裏面には面状ファスナの係合面が一
体に形成されており、前記合わせ縫合部は、表皮裏面ど
うしを当接させて端部側を縫合した第1縫合工程と、該
第1縫合工程の後で、前記表皮裏面に面状ファスナの係
合面が取り付けられた表皮を、第1縫合工程で縫合され
た端部側を包むように折り返して、表皮表面側を当接し
た後、前記第1縫合工程で縫合された部分より端部側か
ら離れた部分を縫合した第2縫合工程と、により形成
し、前記吊り込み部を前記パターン溝部に配置された面
状ファスナと接合して吊り込んでなることを特徴とす
る。
【0010】請求項2に係る面状ファスナを用いたシー
トの吊り込み方法は、パターン溝部が形成されたクッシ
ョン材と、該クッション材の前記パターン溝部に配設さ
れた面状ファスナと、前記クッション材を被覆する少な
くとも二枚の表皮を縫合した表皮材と、を備え、前記ク
ッション材のパターン溝部に配設された面状ファスナに
よって前記表皮材を吊り込みする方法であって、前記表
皮材の前記パターン溝部に配設される吊り込み部には、
前記表皮の合わせ縫合部が形成されると共に一方の表皮
裏面には面状ファスナの係合面が一体に形成されてお
り、前記合わせ縫合部は、表皮裏面どうしを当接させ、
前記表皮裏面に面状ファスナの係合面が取り付けられた
表皮を、前記当接させた両方の表皮の端部側を包むよう
に折り返して、表皮表面側を当接させて、両表皮の端部
を包み面状ファスナ係合面を露見させた状態で端部側全
体を縫合して形成し、前記吊り込み部を前記パターン溝
部に配置された面状ファスナと接合して吊り込んでなる
ことを特徴とする。
【0011】請求項3に係る面状ファスナを用いたシー
トの吊り込み方法は、パターン溝部が形成されたクッシ
ョン材と、該クッション材の前記パターン溝部に配設さ
れた面状ファスナと、前記クッション材を被覆する少な
くとも二枚の表皮を縫合した表皮材と、を備え、前記ク
ッション材のパターン溝部に配設された面状ファスナに
よって前記表皮材を吊り込みする方法であって、前記表
皮材の前記パターン溝部に配設される吊り込み部には、
前記表皮の合わせ縫合部が形成されると共に一方の表皮
裏面には面状ファスナの係合面が一体に形成されてお
り、前記合わせ縫合部は、面状ファスナの係合面が形成
された表皮を長くなるようにして表皮裏面どうしを当接
させて縫合した第1縫合と、次に前記表皮裏面に面状フ
ァスナの係合面が取り付けられた表皮を、前記当接させ
た他方の表皮の端部側を包むように折り返して、前記面
状ファスナを有する表皮表面側と他方の表皮の裏面側を
当接させて、前記第1縫合より端部側で縫合した第2縫
合と、で形成し、前記吊り込み部を前記パターン溝部に
配置された面状ファスナと接合して吊り込んでなること
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】ここでは、請求項1に係る発明の
実施例をもとに説明する。シート(座席)の背部(又は
着座部)を構成するクッション材20は、被覆される表
皮材10の浮き上がり防止と、デザイン上の要請等のた
め、表皮材10の吊り込みを行うように表皮材10とク
ッション材20との接合をするための面状ファスナ20
aを備えている。
【0013】また本例のクッション材20には、所定の
パターン溝部21が形成され、このパターン溝部21に
は、図2で示すように、面状ファスナ22が、ファスナ
面22aを上面にして配設されている。
【0014】本例のパターン溝部21に配設される面状
ファスナ22は、合成樹脂等で構成された長尺もの(レ
ール状のファスナーを含む)から構成され、雄型をした
ファスナ面21aが複数条形成され、クッション材20
の成形時にインサートされてクッション材20と一体に
成形されている。
【0015】本例の表皮材10は、二枚の表皮11,1
2から構成されている。本例の表皮材10のうち背部に
配設される表皮11は、図2で示すように、起毛を備え
た表面材11aと、この表面材11aの裏面に薄いパッ
ド材11bが接合され、この薄いパッド材11bに面状
ファスナ11cが積層(ラミネート)されて一体に形成
されている。
【0016】そして背部のサイド側に配置される表皮1
2は、面状ファスナをラミネートしないで構成されてい
る。そして表皮材10には二枚の表皮11,12の合せ
縫合部が形成されており、この合せ縫合部が吊り込み部
30として利用される。
【0017】本例の第1縫合工程は、図3の(A)で示
すように、先ず、表皮の裏面どうしを当接させて端部側
を縫合する。この作業は、各表皮11,12の端部を揃
えて、各端部から所定の個所を縫合して行う。このとき
各表皮11,12の裏面側が互いに当接する。
【0018】次に第2縫合工程を行う。第2縫合工程
は、図3の(B)で示すように、表皮裏面に面状ファス
ナ11cの係合面が取り付けられた表皮11を、第1縫
合工程で縫合された端部側を包むように折り返し、面状
ファスナ11cが露見するように巻き込む。そして、図
3の(C)で示すように、表皮11,12の表面側どう
しを当接した後、前記第1縫合工程で縫合された部分よ
り端部側から離れた部分側を縫合する。
【0019】これにより、縫合部の端部である吊り込み
部30が面状ファスナ11cの係合面で覆われることに
なる。そして図2で示すように、吊り込み部30を、ク
ッション材20のパターン溝部21に配置された面状フ
ァスナ22と接合して吊り込む。
【0020】以上のような構成により、裏面に面状ファ
スナが接合された表皮11と、面状ファスナを備えてい
ない表皮12との縫合部の部分を吊り込み部30とした
ときに、吊り込み部30に、従来使用していた帯状の面
状ファスナを用いないで、吊り込み部30を形成するこ
とができる。このように帯状の面状ファスナを用いない
ので部品点数を削減できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を
限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変
することができるものである。
【0022】図1乃至図3は請求項1に係る一実施例を
示すものであり、図1はクッション材の一例としてのシ
ートバック部分の斜視図、図2は吊り込み部を説明する
概略要部部分断面図、図3は吊り込み部の縫合の説明図
断面図である。図4は請求項2に係る一実施例を示す縫
合例を示す説明断面図である。図5乃至図7は請求項3
に係る一実施例を示すものであり、図5は吊り込み部を
説明する概略断面図、図6は寸法管理用治具の部分斜視
図、図7は図5の吊り込み部の縫合の説明図断面図であ
る。図8乃至図11は治具と治具に表皮を配設する例を
示すもので、図8は治具の斜視図、図9は図8の治具の
断面説明図、図10は他の治具の斜視図、図11は図1
0の治具の断面説明図である。
【0023】シート(座席)の背部(又は着座部)は、
一般にフレーム(図示せず)と表皮材10とクッション
材20とから構成されており、表皮材10は上記フレー
ムやクッション材20を隠蔽してデザインと外観を良好
とすると共に着座感を高めるものである。そして、背部
(又は着座部)を構成するクッション材20は、図1で
示すように、表皮材10の浮き上がり防止と、デザイン
上の要請等のため、表皮材10の吊り込みを行うように
表皮材10とクッション材20との接合をするための面
状ファスナ20aを備えている。
【0024】また本例のクッション材20には、意匠性
を考慮して、所定のパターン溝部21が形成されてい
る。このパターン溝部21は、シートのデザインを考慮
して予め設定される。このパターン溝部21には、図2
で示すように、面状ファスナ22が、ファスナ面22a
を上面にして配設されている。本例では概略10mm程
度を吊り込む例を説明する。
【0025】本例のパターン溝部21に配設される面状
ファスナ22は、合成樹脂等で構成された長尺もの(レ
ール状のファスナーを含む)から構成され、雄型をした
ファスナ面21aが複数条形成されており、ファスナ面
22aと反対側の面22bにはクッション材20との接
合が良好になるように凹凸部が形成され、クッション材
20の成形時にインサートされてクッション材20と一
体に成形されている。
【0026】また上記クッション材20は表皮材10で
被覆されるが、本例の表皮材10は、背中央部側に配設
される表皮11と、サイド側に配設される表皮12とを
縫合部で接合して形成されている。
【0027】つまり本例の表皮材10は、二枚の表皮1
1,12から構成されている。本例の表皮材10のうち
背部に配設される表皮11は、図2で示すように、起毛
を備えた表面材11aと、この表面材11aの裏面に薄
いパッド材11bが接合され、この薄いパッド材11b
に面状ファスナ11cが積層(ラミネート)されて一体
に形成されている。なお表面材11aに薄いパッド材1
1bを接合せずに、直接面状ファスナ11cをラミネー
トすることもできる。
【0028】そして背部のサイド側に配置される表皮1
2は、面状ファスナをラミネートしないで構成されてい
る。そして表皮材10には二枚の表皮11,12の合せ
縫合部が形成されており、この合せ縫合部が吊り込み部
30として利用される。
【0029】つまり、表皮材10のうち、クッション材
20パターン溝部21に配設される吊り込み部30に
は、各表皮11,12の合わせ縫合部が形成され、この
縫合部は第1縫合工程と第2縫合工程とにより形成され
る。
【0030】本例では吊り込み部30を概略10mm程
度形成するときを例にして説明する。本例の第1縫合工
程は、図3の(A)で示すように、先ず、表皮の裏面ど
うしを当接させて端部側を縫合する。この作業は、各表
皮11,12の端部を揃えて、各端部から7mm程度の
個所を縫合して行う。このとき各表皮11,12の裏面
側が互いに当接する。
【0031】次に、第1縫合工程の後で、第2縫合工程
を行う。第2縫合工程は、図3の(B)で示すように、
表皮裏面に面状ファスナ11cの係合面が取り付けられ
た表皮11を、第1縫合工程で縫合された端部側を包む
ように折り返し、面状ファスナ11cが露見するように
巻き込む。そして、図3の(C)で示すように、表皮1
1,12の表面側どうしを当接した後、前記第1縫合工
程で縫合された部分より端部側から離れた部分側を縫合
する。本例では、図3(C)で示すように、端部から1
0mm程度の個所を縫合する。
【0032】これにより、縫合部の端部である吊り込み
部30が面状ファスナ11cの係合面で覆われることに
なる。そして図2で示すように、吊り込み部30を、ク
ッション材20のパターン溝部21に配置された面状フ
ァスナ22と接合して吊り込む。
【0033】以上のような構成により、裏面に面状ファ
スナが接合された表皮11と、面状ファスナを備えてい
ない表皮12との縫合部の部分を吊り込み部30とした
ときに、吊り込み部30に、従来使用していた帯状の面
状ファスナを用いないで、吊り込み部30を形成するこ
とができる。このように帯状の面状ファスナを用いない
ので部品点数を削減できる。
【0034】図4は請求項3に係る実施例を示すもので
あり、本例では冶具を用いて、縫合した例を示す。本例
の冶具50としては、図8で示すようなものを用いるこ
とができる。つまり図8及び図9は、上記構成の端部の
縫合を一度に行うためのものであり、図9で示すよう
に、表皮11を治具50の溝51に入れ、さらに他方の
表皮12を治具50の溝52に入れて、各表皮11,1
2の端部を、矢印方向へ引き出す。
【0035】こうにすると、図4で示すような状態の一
方の表皮(面状ファスナのある方)11が他方の表皮1
2の端部を巻き込んだ状態となり、この巻き込んだ状態
の部分をミシンの押さえ金(図示せず)で押さえて、図
4で示すように、一カ所で縫合する。このようにすると
作業工数においても、図8で示すような治具50を用い
ることにより作業を削減できる。
【0036】なお上記実施例の図8で示す冶具50に
は、図示しないが、冶具50をミシンのテーブル面に配
置するための取り付けねじや、縫い代の部分に関するス
ケールを取り付ける等の公知の手段を設けることができ
るのは勿論である。
【0037】図5乃至図7は請求項3に係る実施例を示
すものである。本例における表皮材10を、クッション
材20のパターン溝部21に配設する吊り込み部30に
は、表皮材11,12の合わせ縫合部が形成される。こ
のとき一方の表皮裏面には面状ファスナ11cの係合面
が表皮11と一体に形成されている点においては前記し
た各実施例と同様である。
【0038】そして本例の合わせ縫合部は、図7で示す
ように面状ファスナの係合面が形成された表皮11を表
皮12より長くなるようにして、表皮裏面どうしを当接
させて第1縫合61を形成する。このとき面状ファスナ
が設けられている表皮11側を概略12mm程度、表皮
12より長くして、各表皮11,12の表面側を当接さ
せる。
【0039】このために、図6で示すような、当たり2
寸法管理ができるような段差を設けたプレート40を使
用すると好適である。つまりこのプレート40は上下に
段差を設けて形成された二枚のプレート41,42から
構成されており、さらに下側のプレート42は上側のプ
レート41より概略12mm程度広く形成されている。
このため、図5で示すような状態を縫製するときに、第
1縫合61の場合、表皮11を下側プレート42の端部
に合わせ、上側プレート41の端部に表皮12を配置し
て上側プレート41の部分の延長上で縫合する。なお上
下の段差の巾は、吊り込み部30を形成したときに、図
5で示すように、第1縫合61が概略10mm程度にな
るように適宜決定することができる。
【0040】上述のように、端部から10mm程度の位
置となるような箇所を第1縫合61とするが、実質的に
は、図5で示すように、表皮11の厚さを考慮して縫合
位置を調整して行う。
【0041】次に、表皮裏面に面状ファスナの係合面が
取り付けられた表皮11を、当接させた他方の表皮12
の端部側を包むように折り返して、表皮11の表面側を
表皮12の裏面側と当接させて、前記第1縫合61より
端部側で縫合して第2縫合62を形成する。第2縫合6
2は、縫合後の表皮11の端部が5mm程度となるよう
な位置で、しかも第1縫合より短い概略7mm程度の位
置に形成している。これにより吊り込み部30を構成す
る。なお吊り込み部30とクッション材20との接合は
前記実施例と同様である。
【0042】上記図5で示す例では、第1縫合と第2縫
合とにより形成した例を示しているが、図4で示したよ
うに、治具を用いることにより、1回の縫製で形成する
ようにできる。つまり図10及び図11は、上記構成の
端部の縫合を一度に行うためのものであり、図11で示
すように、表皮11を治具70の溝71に入れ、さらに
他方の表皮12を治具70の溝72に入れて、各表皮1
1,12の端部を、矢印方向へ引き出す。
【0043】こうにすると、図5で示すような状態の一
方の表皮(面状ファスナのある方)11が他方の表皮1
2の端部を巻き込んだ状態となり、この巻き込んだ状態
の部分をミシンの押さえ金(図示せず)で押さえて、一
カ所で縫合する。このようにすると作業工数において
も、図10で示すような治具70を用いることにより作
業を削減できる。
【0044】なお上記実施例の図10で示す冶具70に
は、図示しないが、冶具70をミシンのテーブル面に配
置するための取り付けねじや、縫い代の部分に関するス
ケールを取り付ける等の公知の手段を設けることができ
るのは、前記した治具50の場合と同様である。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、表皮と一
体となった面状ファスナを用いた吊り込み部の構造のた
め、縫代への面状ファスナを取り付ける必要がなく、部
品点数を削減でき、材料費の削減が可能となる。
【0046】また面状ファスナで縫代を包む構造となる
ため、安定な係合強度が得られ、現行の縫合装置(ミシ
ン)で縫製が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクッション材の一例としてのシー
トバック部分の斜視図である。
【図2】吊り込み部を説明する概略要部部分断面図であ
る。
【図3】吊り込み部の縫合の説明図断面図である。
【図4】他の縫合例を示す説明断面図である。
【図5】他の吊り込み部を説明する概略断面図である。
【図6】寸法管理用治具の部分斜視図である。
【図7】図5の吊り込み部の縫合の説明図断面図であ
る。
【図8】治具の斜視図である。
【図9】図8の治具の断面説明図である。
【図10】他の治具の斜視図である。
【図11】図10の治具の断面説明図である。
【図12】従来の座面部の接合を説明する部分断面図で
ある。
【図13】従来の吊り込み部を説明する部分断面図であ
る。
【図14】従来の吊り込み部の縫合状態を説明する部分
断面図である。
【図15】他の従来の吊り込み部の縫合状態を説明する
部分断面図である。
【符号の説明】
10 表皮材 11,12 表皮 11a 表面材 11b 薄いパッド材 11c 面状ファスナ 20 クッション材 20a 面状ファスナ 21 パターン溝部 21a,22a ファスナ面 22 面状ファスナ 22b 面(ファスナ面22aと反対側の面) 30 吊り込み部 40 プレート 41 上側プレート 42 下側プレート 50 冶具 51,52 溝 61 第1縫合 62 第2縫合 70 治具 71,72 溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターン溝部が形成されたクッション材
    と、該クッション材の前記パターン溝部に配設された面
    状ファスナと、前記クッション材を被覆する少なくとも
    二枚の表皮を縫合した表皮材と、を備え、前記クッショ
    ン材のパターン溝部に配設された面状ファスナによって
    前記表皮材を吊り込みする方法であって、 前記表皮材の前記パターン溝部に配設される吊り込み部
    には、前記表皮の合わせ縫合部が形成されると共に一方
    の表皮裏面には面状ファスナの係合面が一体に形成され
    ており、前記合わせ縫合部は、表皮裏面どうしを当接さ
    せて端部側を縫合した第1縫合工程と、該第1縫合工程
    の後で、前記表皮裏面に面状ファスナの係合面が取り付
    けられた表皮を、第1縫合工程で縫合された端部側を包
    むように折り返して、表皮表面側を当接した後、前記第
    1縫合工程で縫合された部分より端部側から離れた部分
    を縫合した第2縫合工程と、により形成し、前記吊り込
    み部を前記パターン溝部に配置された面状ファスナと接
    合して吊り込んでなることを特徴とする面状ファスナを
    用いたシートの吊り込み方法。
  2. 【請求項2】 パターン溝部が形成されたクッション材
    と、該クッション材の前記パターン溝部に配設された面
    状ファスナと、前記クッション材を被覆する少なくとも
    二枚の表皮を縫合した表皮材と、を備え、前記クッショ
    ン材のパターン溝部に配設された面状ファスナによって
    前記表皮材を吊り込みする方法であって、 前記表皮材の前記パターン溝部に配設される吊り込み部
    には、前記表皮の合わせ縫合部が形成されると共に一方
    の表皮裏面には面状ファスナの係合面が一体に形成され
    ており、前記合わせ縫合部は、表皮裏面どうしを当接さ
    せ、前記表皮裏面に面状ファスナの係合面が取り付けら
    れた表皮を、前記当接させた両方の表皮の端部側を包む
    ように折り返して、表皮表面側を当接させて、両表皮の
    端部を包み面状ファスナ係合面を露見させた状態で端部
    側全体を縫合して形成し、前記吊り込み部を前記パター
    ン溝部に配置された面状ファスナと接合して吊り込んで
    なることを特徴とする面状ファスナを用いたシートの吊
    り込み方法。
  3. 【請求項3】 パターン溝部が形成されたクッション材
    と、該クッション材の前記パターン溝部に配設された面
    状ファスナと、前記クッション材を被覆する少なくとも
    二枚の表皮を縫合した表皮材と、を備え、前記クッショ
    ン材のパターン溝部に配設された面状ファスナによって
    前記表皮材を吊り込みする方法であって、 前記表皮材の前記パターン溝部に配設される吊り込み部
    には、前記表皮の合わせ縫合部が形成されると共に一方
    の表皮裏面には面状ファスナの係合面が一体に形成され
    ており、前記合わせ縫合部は、面状ファスナの係合面が
    形成された表皮を長くなるようにして表皮裏面どうしを
    当接させて縫合した第1縫合と、次に前記表皮裏面に面
    状ファスナの係合面が取り付けられた表皮を、前記当接
    させた他方の表皮の端部側を包むように折り返して、前
    記面状ファスナを有する表皮表面側と他方の表皮の裏面
    側を当接させて、前記第1縫合より端部側で縫合した第
    2縫合と、で形成し、前記吊り込み部を前記パターン溝
    部に配置された面状ファスナと接合して吊り込んでなる
    ことを特徴とする面状ファスナを用いたシートの吊り込
    み方法。
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