JPH10270791A - 光情報処理装置およびこれに適した半導体発光装置 - Google Patents

光情報処理装置およびこれに適した半導体発光装置

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JPH10270791A
JPH10270791A JP7471997A JP7471997A JPH10270791A JP H10270791 A JPH10270791 A JP H10270791A JP 7471997 A JP7471997 A JP 7471997A JP 7471997 A JP7471997 A JP 7471997A JP H10270791 A JPH10270791 A JP H10270791A
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resonator
layer
light
quantum well
optical
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JP7471997A
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Toshiaki Tanaka
俊明 田中
Satoshi Kawanaka
敏 川中
Masayuki Momose
正之 百瀬
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源よりの光の利用効率の高い光情報処理装
置を提供する。高出力な半導体レーザ装置を提供する。
高温雰囲気においても高出力の維持が可能とせしむる。
更に、円形の光束を有する半導体レーザ装置を提供す
る。 【解決手段】 光情報処理装置の光源を略円形の光束を
有する光源となす。半導体レーザ装置の共振器として、
共振器の内部では禁制帯幅を小さくしかつ共振器の端面
部では禁制帯幅を大きくした歪補償された多重量子井戸
構造の活性層領域を有せしめる。共振器内部と共振器端
面部の導波を複素屈折率導波より実屈折率の導波に緩や
かに変化せしめる。 【効果】 レーザ光の利用効率を従来の2倍以上に改善
する。更に、ビーム整型のためのレンズを簡略化した光
学系を有した光情報処理装置の実現がはかれる。半導体
レーザ装置の高い雰囲気温度にて、高出力且つ長寿命を
図り得る。例えば、具体的例として端面破壊レベルを従
来より2倍以上に向上できる。同時に、円形状に近いビ
ーム形状を導波することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光デイスク装置、レ
ーザ・ビーム・プリンタ装置などの光情報処理装置、光
情報端末機およびこれに用い得るに適した半導体レーザ
装置に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】短波長領域の半導体レーザ装置としては
多数の報告があるが、特にAlGaInP系半導体レーザ装置
の高出力動作に関しては、例えばアイトリプルイー・ジ
ャーナル・オブ・クアンタム・エレクトロニクス1993
年、29巻、6号、1851-1855頁(IEEE J. Quantum Electr
on. 29(1993)1851-1855)が代表的なものである。 発振
波長が690nmのAlGaInP系半導体レーザ装置において40mW
の高出力が報告されている。このレーザ装置の共振器の
構造は歪量子井戸構造である。
【0003】そして、この半導体レーザ装置を書き換え
可能な光ディスクメモリに用い得ることを述べている。
【0004】一方、歪量の異なる半導体積層領域を一つ
の基板に形成した例は特開平5―243551号公開特
許公報にみられる。ここでは、例えば、歪み量の異なる
量子井戸構造を集積化し、光の偏波面依存性の異なる光
導波路の集積化することなどが試みられている。
【0005】更に、光導波路禁制帯幅の異なる半導体積
層領域を一つの基板に形成した例は特開平7―5044
3号公開特許公報にみられる。ここでは、領域を選択し
選択成長技術によって、単一基板に複数の異種光素子を
形成する半導体光集積回路装置を製造することが示され
ている。即ち、この例では、同一基板に成長膜厚又は組
成が各光半導体素子において異なる複数の量子井戸構造
を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光ディスク装置、レー
ザ・ビーム・プリンタ装置などの光情報処理装置のより
高密度の記録の為に、半導体レーザ装置のより高出力
化、並びに高温雰囲気での高出力での安定動作などの要
求がなされている。
【0007】上記文献では半導体レーザ装置の出力につ
いて次の報告がなされている。例えば690nm帯のAl
GaInP系半導体レーザ装置では、50℃の雰囲気で出力
30mWの動作が2600時間以上得られている旨の報
告がなされている。しかしながら、50mW以上の高出
力は安定した動作が得られていないのが現状である。更
に雰囲気温度60℃以上の高温での高出力動作について
信頼性は未だ確保できていない。
【0008】また、光源の光束の形状にも次の要請があ
る。現在その光源であるレーザ装置の出射ビームの形状
は楕円状であり、その縦横比を示すアスペクト比は2以
上と大きい。このため、光ディスク装置等の光情報処理
装置への応用では、レーザ光の利用効率は低い。更に、
大きなアスペクト比を有するレーザ光分布では、ビーム
整型用の光学系レンズが必要であり、システム上光学系
を簡便軽量で低価格に設計し難いという問題を抱えてい
た。こうした要請のため、光源の光の分布として円形状
でアスペクト比が1に近いビーム形状が求められてい
た。
【0009】本発明の目的は、こうした光情報処理装置
の簡便化を図ることにある。より具体的には光を導く光
学系の簡便化を図ることである。
【0010】本発明の目的は、光源よりの光の利用効率
の高い光情報処理装置を提供するものである。
【0011】本発明の目的は、アスペクト比の略1なる
発光ビーム形状を有する半導体レーザ装置を提供するも
のである。こうした半導体レーザ装置は、光情報処理装
置の光源に提供して好適なるものである。
【0012】本発明の更なる目的は、より高出力特性を
有する半導体レーザ装置を提供するものである。更に
は、高温高出力における安定動作の可能な半導体レーザ
装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
<光情報処理装置の構成>本発明の光情報処理装置の例
として、コンパクト・ディスク(CD)やディジタルビ
デオ・ディスク(DVD)などの光ディスク装置あるい
はレーザ・ビーム・プリンタ装置などの光記録装置を挙
げることができる。光ディスク装置は、記録媒体に光を
照射するための光源と、記録媒体からの反射光を検出す
る検出器を少なくとも有する光記録装置である。また、
光によって記録媒体の一部の状態を変化させて記録を行
う光情報処理装置があることは言うまでもない。一方、
レーザ・ビーム・プリンタはレーザ光を照射して印字情
報を記録媒体としての光導電体の上に書き込み、電子写
真方式によって印字画像を得る印写装置である。
【0014】これらの光情報処理装置のより具体的構成
については、実施例において詳細に説明される。
【0015】本発明の光情報処理装置は、こうした光情
報処理装置において、前記光源のビームのアスペクト比
が略1なることを特徴とするものである。実用的に同ア
スペクト比は2以下となすことにより、従来の半導体レ
ーザ装置の光源に比較して、レーザ光の利用効率を2倍
以上にすることが出来る。より好ましくはアスペクト比
の1.5―1の範囲が良い。尚、これまでの半導体レーザ装
置の光束のアスペクト比は4より2程度であった。
【0016】通例、光情報処理装置においては、レーザ
・ビームを楕円形から円形に整形する光学レンズ(通
常、このレンズはシリンドリカル・レンズである)が用
いられている。本願発明にみられるような円形形状の光
束の光源を採用することにより、光情報処理装置の読み
取り、あるいは書き込みにおけるビーム整形用のレンズ
を無くすことが可能となる。従って、光情報処理装置は
こうしたレーザ・ビームを楕円形から円形に整形するビ
ーム整形用のレンズを採用しない簡便なものと成し得
る。こうして、光情報処理装置を小型、軽量なコンパク
トなものになし得る。また、合わせて光情報処理装置を
極めて安価な光学系システムとなし得る。
【0017】又、仮にビーム整形用のレンズを採用した
場合にも、材料が安価で且つ構造的に加工精度が高度で
ないレンズを採用しても所望の特性を得ることが出来
る。これはレンズが処理をする光束がもともとそのアス
ペクト比が2に達しない略円形である為である。このよ
うにして、光情報処理装置を小型、軽量なコンパクトな
ものになし得る。また、合わせて光情報処理装置を極め
て安価な光学系システムとなし得る。
【0018】さらに、本願発明の光情報処理装置は、光
源の光出力の光学系での損失を小さく出来る。即ち、本
願発明においては、光源の光束は円形であるため、光情
報処理装置において上述のごとくビーム整形用のレンズ
を透過させる必要がなくなるので、このレンズを含む光
路に相当する光損失がなくなるためである。
【0019】従って、円形のビーム形状を有する光源の
場合、従来、一般に使用されている楕円形のビーム形状
を持つレーザ光源よりも光出力が小さくても、十分、光
情報処理装置に供することが出来る。勿論、光情報処理
装置の種類や仕様によって若干の相違はあるが、光出力
は概ね従来の楕円形状のレーザ光源に比較して2/3から1
/2程度でその仕様を満足させることが出来る。このよう
に、本願発明は光情報処理装置の低電力化をも図り得
る。
【0020】以下に、本願明細書において開示される光
情報処理装置の発明のうち、代表的なものの概要を列挙
する。
【0021】(1)本発明の光情報処理装置は、記録媒
体に光を照射する光源と、記録媒体からの反射光を検出
する検出器とを少なくとも有し、当該記録媒体の一部の
状態変化を読み取る機能を有する光情報処理装置におい
て、前記光源のビームのアスペクト比が略1なることを
特徴とするものである。
【0022】(2)本発明の光情報処理装置は、記録媒
体に光を照射する光源と、記録媒体からの反射光を検出
する検出器とを少なくとも有し、当該記録媒体の一部の
状態変化を読み取る機能を有する光情報処理装置におい
て、前記光源の光分布が円形状であり、光束のアスペク
ト比が略1なる導波路構造を前記光源が有しており、こ
の光源の光束を円形状に整形する光学レンズ系を必要と
しないことを特徴とするものである。
【0023】(3)本発明の光情報処理装置は、記録媒
体に光を照射する光源と、記録媒体からの反射光を検出
する検出器とを少なくとも有し、当該記録媒体の一部の
状態変化を読み取る機能を有する光情報処理装置におい
て、前記光源の光束は円形で、その出力が少なくとも5m
Wであることを特徴とするものである。
【0024】(4)本発明の光情報処理装置は、記録媒
体に光を照射するための光源を有し、当該光によって記
録媒体の一部の状態を変化させて記録を行う機能を有す
る光情報処理装置において、前記光源のビームのアスペ
クト比が略1なることを特徴とするものである。
【0025】(5)本発明の光情報処理装置は、記録媒
体に光を照射するための光源を有し、当該光によって記
録媒体の一部の状態を変化させて記録を行う機能を有す
る光情報処理装置において、前記光源の光分布が円形状
であり、光束のアスペクト比が略1なる導波路構造を前
記光源が有しており、この光源の光束を円形状に整形す
る光学レンズ系を必要としないことを特徴とするもので
ある。
【0026】(6)本発明の光情報処理装置は、記録媒
体に光を照射するための光源を有し、当該光によって記
録媒体の一部の状態を変化させて記録を行う機能を有す
る光情報処理装置において、前記光源の光束は円形で、
その出力が少なくとも5mWなることを特徴とするもので
ある。
【0027】<半導体レーザ装置の基本構造>本発明の
半導体レーザ装置は次の構成を有する。
【0028】(1) 水平方向共振器を形成する導波路
構造を用いる。
【0029】(2) 活性層領域に歪補償量子井戸構造
を採用する。
【0030】(3)共振器内部では禁制帯幅が小さくか
つ圧縮応力を生ずる発光活性層領域を設けてあり、一
方、レーザ共振器の反射面近傍の端面部では禁制帯幅が
大きく引張応力が生ずる発光活性層領域を設ける。
【0031】(4)共振器の実効的なストライプ幅を、
共振器の内部より端部に向かって連続的に狭くする。
【0032】ここで、発光に寄与する活性層領域は、
(1)単一量子井戸層を設けた単一量子井戸構造、或は
(2)量子井戸層と量子障壁層を繰り返し設けた多重量
子井戸構造を用いることが出来る。尚、このいずれ構造
の場合も、いわゆる光分離閉じ込め層を量子井戸構造を
挟んで設けることは任意である。
【0033】そして、この量子井戸層、及び隣接する光
分離閉じ込め層の一部またはこの量子障壁層に格子歪を
導入し、この量子井戸層に導入した格子歪とは反対符号
の格子歪を隣接する光分離閉じ込め層の一部またはこの
量子障壁層に設定しておくことにより、該単一または多
重量子井戸構造全体において格子歪量が補償されている
歪補償量子井戸構造の発光活性層領域となす。
【0034】レーザ共振器の帰還手段は、一般的なファ
ブリ・ペロー共振器(Fabry-Perot resonator)で十分で
ある。また、DFB(Distributed Feedback),DBR(Distribu
ted Bragg Reflector)の各手段を必要に応じて用いるこ
とが出来ることはいうまでもない。
【0035】尚、ここで、共振器の端面部領域は、当該
共振器の端面より長さ5μmより50μm程度の領域をその
対象とするのが良い。より好ましくは当該共振器の端面
より長さ3μmより30μm程度の領域をその対象とするの
が良い。
【0036】以下に、本発明の特徴について詳細に説明
する。
【0037】第1に、このように、共振器内部の歪補償
された量子井戸構造の活性層領域ではキャリア閉じ込め
が十分大きく取れるように設計することにより、より低
閾値且つ内部量子効率が高効率で高温動作を可能とす
る。一方、共振器端面部では歪補償量子井戸構造活性層
の禁制帯幅を大きくすることによって、光閉じ込めをそ
の内部よりも小さくし、光密度を低減するように出来
る。一般には熱飽和レベルが端面破壊レベルより大きい
が、上述のような設計により、端面破壊レベルが生ぜ
ず、高出力特性を熱飽和レベルまで改善することができ
る。
【0038】このように、共振器内部と共振器端面部に
おける導波路構造の機能を分担して活用することによ
り、システム応用に要求されるレーザ特性の仕様を満足
させることができる。
【0039】勿論、本発明の半導体レーザ装置は、活性
層に歪補償量子井戸構造を採用することにより、本質的
に高温動作時の閾値電流や動作電流を低減が可能として
いる。
【0040】(1)共振器内部と共振器端面部における
導波路構造の機能を分担と(2)活性層に歪補償量子井
戸構造を採用することの両者相まって、半導体レーザ装
置のより高出力特性を達成することが出来る。
【0041】第2に共振器の実効的なストライプ幅を、
共振器の内部より端部に向かって狭くすることにより、
光出力を高出力に維持しつつ、出射されるレーザ光束の
分布を円形状に制御することが可能となる。これによ
り、熱飽和レベルまで基本横モードを安定に制御しなが
ら、レーザ光束の光分布の縦横比を示すアスペクト比を
1又は1に非常に近づけられる。
【0042】上述の出射されるレーザ光束の分布をアス
ペクト比の略1、即ち円形状に制御出来る理由について
は、以下のように考えられる。
【0043】共振器の内部では、いわゆる複素屈折率の
差による導波がなされている。これに対して、共振器の
実効的なストライプ幅を共振器の内部より端部に向かっ
て狭くすることにより、複素屈折率の差による導波か
ら、しだいに実屈折率の差による導波に強めてゆく。こ
の時、共振器の内部では複素屈折率の差による導波によ
る楕円形状の発光パターンによって、高出力を維持しつ
つ、一方、共振器の内部より端部に向かって狭くするこ
とによりレーザ光を横方向へ広げてゆくこととなる。そ
の為、近視野像ではレーザ光の分布は円形状となる。
【0044】光閉じ込めの程度の差は、いわゆる光閉じ
込め係数によって表わされる。上述した共振器の内部と
端面部の光閉じ込めの差を、この光閉じ込め係数の差と
して30%程度の差において半導体レーザ装置の光出力で
2倍以上を得ることが出来る。この光閉じ込めの程度の
差はレーザ光の近視野像に差を持たせることに相当す
る。従って、当然この差はレーザ光の遠視野像の測定に
よって測定することが出来る。
【0045】尚、ストライプの幅の変化は、共振器の内
部では概ね2μmより7μm程度の範囲、一方、端面部では
概ね1μmより4μm程度の範囲で変化させるのが好まし
い。ここで、内部でのストライプの幅は徐々に単調減少
または連続曲線的に変化させ、安定な導波を保つことが
重要である。
【0046】このストライプ幅がなめらかでなく、不連
続部を有すると次のような不都合が生ずる。先ず、スト
ライプ幅の不連続、即ち導波の不連続は発振モードの不
安定を招く。更に、この不連続部にてレーザ光の当該導
波路の外部への漏洩が発生する。この為、この不連続部
を境とする両側の導波路の光結合効率の低下が生ずる。
【0047】このようにして、共振器内部でストライプ
の幅をなめらかに変化させ安定な導波を保つことによっ
て、結果として、充分な光束を確保しつつ、共振器の端
面部で実屈折率の差を大きくとれるように導波を導くこ
とが可能となる。
【0048】第3に共振器の端部を当該レーザ光に対し
て透明とするのが、高出力、長寿命に有効である。端部
近傍を当該レーザ光に対して透明とする為には、発光光
に対してバンドギャップの差を50meV以上とするのが良
好である。更に、好ましくは60meV以上大きく差を持た
せることが良い。導波損失が数cm-1以下であれば閾値電
流やスロープ効率を減少させずに装置を制作出来る。バ
ンドギャップの差が50meV―60meV以上の差であれば共振
器の端部において数cm-1以下の光損失に抑制出来る。
【0049】従来、共振器の端面部は次のような課題を
有していた。
【0050】(1)端面部では光密度が高い。この為、
端面部での熱エネルギの発生が大きい。この熱エネルギ
の発生により、該当部分の半導体材料の禁制帯幅が縮小
する現象が発生する。端面部分の禁制帯幅の縮小は、こ
の部分でのレーザ光の吸収を増加させることとなる。
【0051】(2)また、端面保護の為のコーテイング
膜は、一般に圧縮応力を端面部の半導体に加える為、圧
縮歪み活性層では応力変形を起こし易い。この変形によ
って、端面劣化が生じ易い。
【0052】第1の問題点に対しては、共振器内部より
も端面部において禁制帯幅が大きくすることによって対
策した。即ち、熱による禁制帯幅の減少があっても、大
幅な光の吸収の増大にまでは至らないように、本来の禁
制帯幅を大きく設定するものである。第2の問題点に対
しては、引張り歪み活性層の採用によってコーテイング
膜の変形応力を補正出来るようにした。
【0053】本発明の半導体発光装置の好適な例におい
ては、歪補償単一又は歪補償多重量子井戸構造全体にお
ける格子歪量が臨界膜厚を超えない範囲において残存し
ている発光活性層領域が設けるのが良い。ここでの臨界
膜厚とは、この膜厚を越えると結晶を構成している元素
間の結合が切れて劣化を始める膜厚を意味している。
【0054】次に歪補償量子井戸構造の活性層領域の形
成方法の例について説明する。歪補償量子井戸構造の活
性層領域は、共振器内部領域では圧縮歪を残留歪として
設定しながら、共振器端面部近傍領域では引張歪を残留
歪として設定される。これは次のごとき各領域の選択成
長方法により容易に達成される。尚、AlGaInP系の半導
体レーザ装置を例にとって説明する。
【0055】本例では、半導体レーザ装置の製造時、結
晶成長用の基板の上部に活性層領域を選択的に結晶成長
させるに当たって、共振器内部に相当する領域はストラ
イプ幅が大きく、一方、共振器の端面部に相当する領域
にはストライプ幅が小さくなるように選択成長用のマス
クを採用する。この場合、上述したようにストライプの
幅を共振器の内部より端面部に向かってなめらかに変化
させることが肝要である。また、上記活性層領域の基板
側に光導波層を設けることもある。
【0056】この場合、選択成長における広いマスク幅
の共振器内部に相当する領域では、化合物半導体材料Al
GaInPのIn元素のマイグレーションによりIn組成が比較
的大きく取り込まれて結晶成長し、共振器内部に相当す
る結晶は圧縮歪が大きい状態となる。他方、広いマスク
幅の狭い共振器の端面部に相当する領域ではIn組成が比
較的小さく結晶成長し、引張歪の状態となる。劈開面と
なる共振器の端面部では、引張歪を残留させておくこと
により、劈開による歪の開放時に禁制帯幅を大きく出来
る。更に、共振器の引張歪の状態にある端面部にコーテ
ィング膜を施したとき、コーティング膜の応力に対向し
て界面が応力変形しないように設定できる利点を有す
る。
【0057】このような選択成長技術により、共振器内
部よりも端面部において禁制帯幅が大きくかつ残留引張
歪による応力変形に強い共振器端面となり、従来技術よ
りも格段に高出力特性を向上させることが可能である。
【0058】尚、選択成長用のマスクおよび結晶成長の
具体的例は実施例において更に詳しく説明される。
【0059】本発明の半導体発光装置の基本思想は、そ
の発光波長の要請に応じて一般に半導体発光装置の用途
に用いられている種々の半導体材料、3−5族化合物半
導体、2−6族化合物半導体などに適用可能なことはい
うまでもない。3−5族化合物半導体材料系では、GaAs
系の半導体発光装置、InP系の半導体発光装置が代表例
である。より具体的には、AlGaAs系材料では、発振波長
が760nmより860nm程度が可能でる。AlGaInP系材料で
は、発振波長が630nmより690nm程度が可能である。更
に、GaInN/GaAl/AlGaN系など窒化物系化合物半導体材料
なども考え得る。
【0060】特に、光情報処理装置の用途に適した短波
長の波長領域に対しては、AlGaInP系の化合物半導体材
料が好適である。半導体基板上部に設けた禁制帯幅の小
さい発光の為の活性層と禁制帯幅の大きな光導波層から
なる導波路構造を構成する場合、こうした活性層や光導
波層はAlGaInP系材料で形成する。
【0061】又、上記導波路構造の光軸方向に交差する
側面を半導体材料で埋め込む埋め込み型(BH type :Buri
ed Heterostructure type)の構造を取る場合、この埋込
み層はGaAs, AlGaAs, GaInP, AlGaInP, AlInPのいずれ
か少なくとも一つ或いは二つ以上の組合せの化合物半導
体により構成するのが良い。そして、活性層の横方向に
おける屈折率差が共振器内部と共振器反射面近傍におい
て異なる屈折率導波が設定されている導波路構造を設け
るのが好適である。
【0062】次に、本明細書に開示される各種半導体レ
ーザ装置を例示する。
【0063】(1)本発明の半導体発光装置の一例は、
発光に寄与する活性層の横方向における屈折率差が共振
器内部と共振器反射面近傍において異なり共振器端面に
おいて活性層横方向の屈折率差が最大に設定されてお
り、かつストライプ幅は共振器内部から共振器反射面近
傍へかけて変調されており共振器端面において該ストラ
イプ幅が最も狭く設定されている導波路構造となってい
る。
【0064】(2)こうした歪補償量子井戸構造を有し
た活性層領域の共振器方向、即ちレーザ光の光軸方向に
対して、共振器内部の導波路領域では該発光活性層に重
み付き平均の残留歪として圧縮歪が生じており、共振器
反射面近傍の導波路領域では該発光活性層に重み付き平
均の残留歪として引張歪が生じている導波路構造となす
のが良い。共振器の内部の圧縮歪、その端面部は引張歪
となす、その差は出来るだけ大きい方が好ましい。尚、
圧縮歪、引張歪は4結晶X線回折によって測定すること
が出来る。
【0065】重み付き平均歪みは、格子の歪み量、膜厚
および層数を測定し、次の式によって算定することが出
来る。
【0066】重み付き平均歪みをε、量子井戸層の膜厚
dQWを、歪量をεQW、層数をNQW、量子障壁層の膜厚をdQ
B、歪量をεQB、層数をNQBとする。重み付き平均歪みは
次の式で表わされる。式ε=( NQW・εQW・ dQW + NQ
B・εQB・ dQB)/( NQW・dQW + NQB・ dQB)であ
る。そして、ε<0となるよう構成を設定した時、重み付
き平均が残留引張り歪みの状態を表わしている。また、
εQW>0の状態は圧縮歪み、εQB <0の状態は引張り歪み
の状態を示している。
【0067】このように、本発明の半導体レーザ装置の
他の例では、歪補償単一又は歪補償多重量子井戸構造の
該発光活性層領域に対して、共振器内部の導波路領域で
は該発光活性層領域に重み付き平均の残留歪として圧縮
歪が生じており、共振器反射面近傍の導波路領域では該
発光活性層領域に重み付き平均の残留歪として引張歪が
生じているようにするが、この活性層領域は圧縮歪を導
入する層の歪量と膜厚によって共振器内部と共振器反射
面近傍の重み付き平均残留歪を調整制御することにより
達成出来る。
【0068】(3)本発明の半導体発光装置の他の例
は、少なくとも歪補償単一又は歪補償多重量子井戸構造
からなる該発光活性層と光導波層が形成されており、該
発光活性層が共振器方向の導波路構造において共振器内
部では禁制帯幅が小さく重み付き平均の残留歪として圧
縮歪が生じており、共振器反射面近傍では禁制帯幅が大
きく重み付き平均の残留歪として引張歪歪が生じている
発光活性層を設けられているこの場合、活性層と光導波
層は上記の選択成長技術を用いて容易に形成される。
【0069】(4)上述の通り埋込み層による活性層横
方向の屈折率差が制御される屈折率導波路構造を設ける
場合、(1)複素屈折率導波の方法と、(2)実屈折率
導波の方法とがある。
【0070】埋め込み型半導体発光装置において、導波
路構造が複素屈折率差で導波される屈折率導波のときに
は、この埋込み層は少なくとも禁制帯幅が異なる2種類
以上の結晶層からなりこの埋込層の一つはその禁制帯幅
が発光活性層の実効的な禁制帯幅よりも60meV以上
小さくかつこの埋込み層の他方はその禁制帯幅が発光活
性層の実効的な禁制帯幅よりも小さくその差が0から6
0meVの範囲であるように設定されているのが良い。
この禁制帯幅の差が少なくとも60meVあれば、端面
部では光吸収を受けないと見なし得る透明な導波領域を
実現することが出来る。
【0071】また上記導波路構造が実屈折率差で導波さ
れる屈折率導波のときには、この埋込み層は少なくとも
禁制帯幅が発光活性層の実効的な禁制帯幅よりも60m
eV以上大きく設定されているのが良い。
【0072】(5)本例は傾斜した結晶面を有する成長
基板を用いる例である。本発明の半導体発光装置の作成
にあたって、結晶成長用基板として、通常用いる(001)
より傾いた結晶面を用いて半導体積層体を形成すること
によって、結晶の組成がより均一となる。この為、この
材料系によってより短波長の発振を実現出来る。基板面
方位は(001)面から0°から54.7°の範囲で傾いた面
を用いるのが好適である。通常用いる(001)より傾いた
結晶面を用いて半導体積層体を形成することによって、
更に、歪み量が安定して実現出来る、量子井戸の膜厚の
制御が容易になるなどの効果が得られる。
【0073】本発明に係わる半導体レーザ装置で得られ
る出力特性を例示しておく。
【0074】(1)発振波長670〜690nmの半導
体レーザ装置では、動作温度70℃で光出力100mW
の安定動作が5000時間以上得られた。
【0075】(2)発振波長630〜650nmの半導
体レーザ装置では、動作温度70℃で光出力60mWの
安定動作が5000時間以上継続して得られた。
【0076】尚、本発明の半導体レーザ装置は、光情報
処理装置の光源に最適ではあるが、勿論、各発振波長に
合致した諸目的に用い得ることは言うまでもない。
【0077】
【発明の実施の形態】
実施例1 本発明の半導体レーザ装置の代表的な例を図1を用いて
説明する。図1(a)は半導体レーザ装置の端面部の光軸
と交差する方向の共振器端部の断面図、図1(b)は図1
(a)における導波路構成を説明する平面図である。図
2はその光軸と交差する方向の共振器内部の断面図であ
る。尚、図1(a)は図1(b)のA−A断面図、図2
はB−B断面図である。
【0078】n型GaAs基板1の上部に厚さ0.5μmのn型
GaAsバッファ層2,厚さ2μmのn型Al0.35Ga0.15In0.5P
光導波層3を有機金属気相成長(MOCVD)法によりエ
ピタキシャル成長した。本発明において結晶性改善など
の目的で設けるバッファ層などは通例の手段を用いる。
尚、光導波層3は、これより結晶成長用基板側で当該レ
ーザ光を吸収しないように、禁制帯幅が活性層領域より
も大きくその屈折率が活性層よりも小さい半導体材料が
もちいられている。これは、本実施例の場合、結晶成長
用の基板はGaAs基板で当該レーザ光を吸収する材料であ
る為、この光導波層を設けることが好ましい。その厚さ
は2μm程度である。
【0079】次に、通例のホトリソグラフィー技術によ
り光導波層3の上に、選択成長用の絶縁膜マスク4のパ
ターンを図1の(b)のように形成する。この後、絶縁マ
スクの開孔部分に露出したn型Al0.35Ga0.15In0.5P光導
波層3の上部に、n型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層5を
選択成長し、この上部に3層の圧縮歪を有する Ga0.4In
0.6P量子井戸層と4層の引張歪を有するAl0.3Ga0.3In
0.4P量子障壁層と量子井戸層両側の無歪Al0.25Ga0.25In
0.5P光分離閉じ込め層を用いてアンドープの歪補償され
た多重量子井戸構造を有する活性層領域6を形成する。
圧縮歪を有するGaInP量子井戸層、引張歪を有するAlGaI
nP量子障壁層、および無歪AlGaInP光分離閉じ込め層な
どそれ自体は通常のもので良い。
【0080】圧縮歪を有する量子井戸層の厚さは2μmよ
り12μm程度、引張歪を有する量子障壁層の厚さは4μm
より15μm程度、無歪光分離閉じ込め層の厚さは5μmよ
り50μm程度である。
【0081】この際、活性層領域6は、次のごとき歪補
償多重量子井戸構造活性層が共振器方向に形成してあ
る。
【0082】即ち、共振器端面部では膜厚4nmで圧縮歪
量0.8%の圧縮歪量子井戸層3層と膜厚4nmで引張歪量0.7
%の引張歪量子障壁層4層から形成される引張歪を残留
歪とした多重量子井戸層である。一方、共振器内部では
膜厚6nmで圧縮歪量1.2%の圧縮歪量子井戸層3層と膜厚5
nmで引張歪量0.4%の引張歪量子障壁層4層から形成され
る圧縮歪を残留歪とした多重量子井戸層となっている。
【0083】次いで、この活性層領域6の上に、厚さ0.
3μmのp型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層7,厚さ0.01μ
mのp型Al0.35Ga0.15In0.5Pエッチストップ層8,厚さ
1.5μmのp型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層9,キャップ
層として厚さ0.05μmのp型Ga0.5In0.5P層10を通例の
MOCVD法により選択成長した。
【0084】この後、ホトリソグラフィーにより絶縁膜
マスクを形成し、ケミカルエッチングによりエッチスト
ップ層8に達するまでp型光導波層9と層10の両層の
所定領域をエッチング除去する。こうしてリッジストラ
イプが形成される。この際、図1の(b)に示すように、
共振器内部のストライプ幅をW2、端面近傍のストライプ
幅をW1に狭く設定し、更にこのストライプ幅を共振器の
内部から端面近傍へ変調して狭くなるようにする。一般
に、W1は1μmより4μm 、W2は4μmより7μmの範囲を採
用する。尚、この例ではW1を2μm、W2を5μmとした。
【0085】次に、前述のリッジストライプを形成する
為に用いた絶縁膜マスクを残したまま、厚さ0.3μmのn
型Al0.35Ga0.65As層11と厚さ1.2μmのn型GaAs層12
を選択成長する。これらの層はいわゆる電流狭窄層を構
成する。この電流狭窄層自体は通例の構成で良い。絶縁
膜マスクを除去することによって、所望の領域にのみ電
流狭窄層を残すことが出来る。
【0086】この後、p型GaAsコンタクト層13を成長
する。この際、n型AlGaAs埋込み層の禁制帯幅は、活性
層領域6の実効的な禁制帯幅よりも小さくその差は0〜
60meVの範囲であった。
【0087】その後、絶縁膜14を形成し、通常の半導
体レーザ装置の製造に用いるp電極15及びn電極16
を蒸着によって形成する。
【0088】通常一つの基板に多数の半導体レーザ装置
を作りつけてある為、上述のストライプ幅がW1となる端
面部に相当する領域で劈開した後、スクライブして各単
一の半導体レーザ装置の形に切り出し完成する。
【0089】本実施例において、キャリア閉じ込めを十
分に図った共振器内部の歪量子井戸構造活性層では素子
の基本特性である閾値電流や効率さらに高温動作を改善
させることができた。
【0090】また、光閉じ込めを小さくし光密度を内部
より低減した共振器端面部を用いて端面破壊レベルに制
限されない従来よりも高出力特性を向上できた。
【0091】本発明の半導体レーザ装置では、上記のよ
うに共振器内部と共振器端面部において、特性を支配す
る機能を区別して導波路構造を設計することが可能であ
った。本例では、波長670〜690nmにおいてレー
ザ発振し、25℃の閾値電流が20〜30mAであっ
た。更に、温度70℃までの特性温度は160〜180
Kであり、最高レーザ発振温度は150〜160℃が得
られた。
【0092】高出力特性では、端面破壊レベルで制限さ
れていた最高光出力を熱飽和レベルにまで改善し、従来
の光出力レベルより2〜3倍の最高光出力を得た。温度
25℃では最高光出力150mWを得、70℃において
も100mWの光出力に向上した。これにより、動作温
度70℃において50mW光出力動作時に5000時間
以上の長期安定動作が達成できた。
【0093】また、共振器端面部では、活性層横方向の
屈折率差を大きく設定できているので、端面部で基本横
モードは安定化されており、熱飽和レベルまで基本横モ
ード動作が可能であった。
【0094】活性層横方向と垂直方向におけるレーザ光
分布の縦横比を示すアスペクト比は2以下を達成でき、
1.3〜1.7の範囲に設定できた。
【0095】実施例2 本発明の他の実施例は、本発明の基本思想に対し、共振
器を構成する多重量子井戸構造の端面近傍で引張歪を与
えるごとく構成した例である。尚、共振器の内部では実
施例1の例と同様に圧縮歪を有している。
【0096】本例を図3の(a)及び(b)を用いて説明す
る。図3の(a)は半導体レーザ装置の完成例の光軸と交
差する方向の共振器端部の断面図、図3(b)は図3
(a)における導波路構成を説明する平面図である。
尚、図3(a)は図3(b)のA−A断面図である。
【0097】本例は共振器を構成する多重量子井戸構造
の端面近傍で引張歪を持たせる為、圧縮歪を導入する層
の歪量とその膜厚とを調整したものである。その他の装
置の製造方法は実施例1とほぼ同様である。
【0098】n型GaAs基板1の上部にn型GaAsバッファ
層2,n型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層3を形成する。
次に、通例のホトリソグラフィー技術により光導波層3
の上に、選択成長用の絶縁膜マスク4のパターンを形成
する。この時、選択成長用の絶縁膜マスク4を、図3の
(b)に示すように共振器端面近傍では設けずにおく。
【0099】そして、この上部に、 n型Al0.35Ga0.15I
n0.5P光導波層5および歪補償された多重量子井戸構造
の活性層領域6を設ける。その結果、共振器内部では実
施例1と同様の設定である多重量子井戸層が形成できる
のに対し、共振器端面近傍では膜厚3nmで圧縮歪量0.5%
の圧縮歪量子井戸層の3層と膜厚3nmで引張歪量0.8%の
引張歪量子障壁層の4層から形成される引張歪を残留歪
とした多重量子井戸層が形成されている。このような歪
補償された多重量子井戸構造の活性層領域が共振方向に
構成された半導体レーザ装置となる。
【0100】その他は、実施例1と同様にして図3(a)
の半導体レーザ装置の断面を得る。
【0101】本実施例では、実施例1の場合よりも、端
面部における禁制帯幅を内部よりも大きく設定できた。
これにより、温度25℃で最高光出力200mWを得、
70℃でも140mWの光出力に向上させることが可能
であった。その結果、動作温度70℃において70mW
光出力動作時に5000時間以上の長期安定動作が達成
できた。
【0102】活性層横方向と垂直方向におけるレーザ光
分布の縦横比を示すアスペクト比は2以下を達成でき、
1.3〜1.7の範囲に設定できた。
【0103】実施例3 本発明の他実施例は、本発明の基本思想に、共振器端面
近傍に光学利得を与えないように端面近傍を非注入励起
領域でかつ透明導波路として作用させる機能を付加した
一例である。
【0104】本例を図4の(a)及び(b)を用いて説明す
る。図4の(a)は半導体レーザ装置の完成例の光軸と交
差する方向の共振器端部の断面図、図4(b)は図4
(a)における導波路構成を説明する平面図である。
尚、図4(a)は図4(b)のA−A断面図である。
【0105】電流狭窄層を構成する半導体層11および
半導体層12までは、実施例2と同様に形成される。
【0106】n型GaAs基板1の上部にn型GaAsバッファ
層2,n型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層3を形成する。
次に、通例のホトリソグラフィー技術により光導波層3
の上に、選択成長用の絶縁膜マスク4のパターンを形成
する。この時、選択成長用の絶縁膜マスク4を、図4の
(b)に示すように共振器端面近傍では設けずにおく。
【0107】そして、この上部に、 n型Al0.35Ga0.15I
n0.5P光導波層5および歪補償された多重量子井戸構造
の活性層領域6を設ける。
【0108】次いで、この活性層領域6の上に、厚さ0.
3μmのp型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層7,厚さ0.01μ
mのp型Al0.35Ga0.15In0.5Pエッチストップ層8,厚さ
1.5μmのp型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層9,キャップ
層として厚さ0.05μmのp型Ga0.5In0.5P層10を通例の
MOCVD法により選択成長した。
【0109】この後、ホトリソグラフィーにより絶縁膜
マスクを形成し、ケミカルエッチングによりエッチスト
ップ層8に達するまでp型光導波層9と層10の両層の
所定領域をエッチング除去する。こうしてリッジストラ
イプが形成される。この際、図4の(b)に示すように、
共振器内部のストライプ幅W2を5μm 、端面近傍のスト
ライプ幅W1を2μm に設定し、更にこのストライプ幅を
共振器の内部から端面近傍へ変調して狭くなるようにす
る。
【0110】次に、前述のリッジストライプを形成する
為に用いた絶縁膜マスクを残したまま、厚さ0.3μmのn
型Al0.35Ga0.65As層11と厚さ1.2μmのn型GaAs層12
を選択成長する。これらの層はいはゆる電流狭窄層を構
成する。この電流狭窄層自体は通例の構成で良い。絶縁
膜マスクを除去することによって、所望の領域にのみ電
流狭窄層を残すことが出来る。但し、実施例3では絶縁
膜マスク17を共振器端面部近傍に残しておく。この絶
縁膜マスク17の残存させた領域は、以降の半導体層が
成長せず、共振器の端面近傍を非注入励起領域でかつ透
明導波路となる。
【0111】この後、p型GaAsコンタクト層13を成長
する。この際、n型Al0.35Ga0.65As埋込み層の禁制帯幅
は、活性層領域6の実効的な禁制帯幅よりも小さくその
差は0〜60meVの範囲であった。次いで、絶縁膜14
を形成し、p電極15及びn電極16を蒸着によって形
成する。
【0112】本実施例では、共振器端面近傍に光学利得
を与えないように、端面近傍を非注入励起領域でかつ透
明導波路として作用させた。従って、導波路光損失を小
さくし、無効な電流や端面部で発生する熱を抑えること
ができた。これにより、主に動作電流を低減し、かつ高
出力特性においては、従来の光出力レベルの3〜4倍以
上を達成できた。温度25℃で最大光出力300mWを
得、70℃でも200mWの光出力に向上させることが
可能であった。その結果、動作温度70℃において10
0mW光出力動作時に5000時間以上の長期安定動作
が達成できた。
【0113】活性層横方向と垂直方向におけるレーザ光
分布の縦横比を示すアスペクト比は2以下を達成でき、
1.3〜1.7の範囲に設定できた。
【0114】実施例4 本例は、本発明の基本思想の適用に際して、共振器の内
部では実施例2と同様の歪量子井戸構造とし、共振器端
面近傍実屈折率差を設けた屈折率導波BH(Buried Hetero
structure)構造を採用した例である。
【0115】本例を図5の(a)、(b)及び図6を用い
て説明する。図5の(a)は半導体レーザ装置の完成例の
光軸と交差する方向の共振器端部の断面図、図5(b)は
図5(a)における導波路構成を説明する平面図であ
る。尚、図5(a)は図5(b)のA−A断面図であ
る。図6はその光軸と交差する方向の共振器内部の断面
図である。即ち、図6は図5(b)のB−B断面図であ
る。
【0116】n型GaAs基板1の上部にn型GaAsバッファ
層2,n型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層3を形成する。
次に、通例のホトリソグラフィー技術により光導波層3
の上に、選択成長用の絶縁膜マスク4のパターンを形成
する。この時、選択成長用の絶縁膜マスク4を、図5の
(b)におけるように共振器端面近傍では設けずにおく。
更に、共振器の端部に対応する前記光導波層3の上に、
p型Ga0.5In0.5P又はp型Al0.35Ga0.15In0.5Pよりなる
薄膜層18を設けておく。
【0117】この上部での結晶成長は実施例2と同様に
半導体層10までを選択的に結晶成長する。即ち、n型
Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層5および歪補償された多重
量子井戸構造の活性層領域6、 p型Al0.35Ga0.15In0.5
P光導波層7, p型Al0.35Ga0.15In0.5P光導波層9,キ
ャップ層としてのp型Ga0.5In0.5P層10である。
【0118】この際、図5の(b)に示すように、共振器
内部のストライプ幅W2を4μm 、端面近傍のストライプ
幅W1を1.5μm に設定し、更にこのストライプ幅を共振
器の内部から端面近傍へ変調して狭くなるようにする。
【0119】次に、前述のリッジストライプを形成する
為に用いた絶縁膜マスクを残したまま、n型Al0.35Ga
0.65As層11とn型GaAs層12を選択成長する。これら
の層はいはゆる電流狭窄層を構成する。この電流狭窄層
自体は通例の構成で良い。絶縁膜マスクを除去すること
によって、所望の領域にのみ電流狭窄層を残すことが出
来る。この後、p型GaAsコンタクト層13を成長する。
次いで、絶縁膜14を形成し、p電極15及びn電極1
6を蒸着によって形成する。図5(a)は完成した半導
体レーザ装置の共振器の端部における光軸と交差する方
向の断面図である。
【0120】この際、n型Al0.5In0.5P埋込み層の禁制
帯幅は活性層6の実効的な禁制帯幅よりも大きくその差
は60meV以上あり、n型Al0.5In0.5P埋込み層の屈
折率は発光活性層の屈折率よりも0.4以上小さい値で
あった。
【0121】本実施例では、実施例2と同様の特性を得
るとともに、かつ共振器端面部では、活性層横方向の大
きな実屈折率差により強く光導波ができる。従って、基
本横モードの安定化をより高出力まで図りながら、レー
ザ光分布を真円に近い円形状に設定できた。即ち、活性
層横方向と垂直方向における縦横比を示すアスペクト比
を1.5以下を達成でき、1.0〜1.4の範囲にも設定
できた。
【0122】実施例5 本例は共振器の内部では実施例2と同様の歪量子井戸構
造とし、共振器端面近傍実屈折率差を設けた屈折率導波
BH(Buried Heterostructure)構造を採用する。更に、共
振器の端部近傍を非注入励起領域でかつ透明な導波路と
した領域とするものである。
【0123】本例を図7の(a)及び(b)により説明す
る。図7の(a)は半導体レーザ装置の完成例の光軸と交
差する方向の共振器端部の断面図、図7(b)は図7
(a)における導波路構成を説明する平面図である。
尚、図7(a)は図7(b)のA−A断面図である。図
7において、他の図と同一の番号は同一の材料層を示
す。
【0124】装置は実施例4と基本的に同様にして製造
される。先ず、半導体層12までは実施例3に説明した
ものと同様に結晶成長する。半導体層13以降の結晶成
長に当って、絶縁膜マスク17を共振器端面部近傍に残
したまま、半導体層13以降を形成する。こうすること
によって、共振器端面近傍実屈折率差を設けた屈折率導
波BH(Buried Heterostructure)構造を採用し、更に、共
振器の端部近傍を非注入励起領域でかつ透明な導波路と
した領域とすることが出来る。
【0125】本実施例では、実施例4と同様の特性を得
るとともに、さらに最大光出力を1.5〜2倍以上に向
上できた。
【0126】実施例6 本発明の他実施例を説明する。本例は結晶成長用基板と
して、通常用いる(001)より傾いた結晶面を用いて、半
導体積層体を形成する例である。この材料系では、前述
したように、傾角を有する基板の使用によって結晶の組
成が均一となる。この為、この材料系によってより短波
長の発振を実現出来る。
【0127】(001)面から15.8°傾いた(511)面を有
するn型GaAs基板1を用いて、活性層構造以外を実施例
3と同様にして作製する。活性層6は、共振器内部では
膜厚4nmで圧縮歪量1.2%の圧縮歪量子井戸層4層と膜厚3
nmで引張歪量1.0%のAlGaInP引張歪量子障壁層5層から
形成される圧縮歪を残留歪とした多重量子井戸層であ
り、共振器端面部では膜厚2nmで圧縮歪量0.8%の圧縮歪
量子井戸層4層と膜厚2nmで引張歪量1.2%の引張歪量子
障壁層5層から形成される引張歪を残留歪とした多重量
子井戸層からなる歪補償多重量子井戸構造活性層が共振
器方向に形成してある。その他は、実施例3と全く同様
に素子を作製する。
【0128】本実施例による素子では、波長630〜6
50nmにおいてレーザ発振し、25℃の閾値電流が3
0〜40mAであり、温度70℃までの特性温度は13
0〜150Kであり、最高レーザ発振温度は130〜1
40℃が得られた。高出力特性では、従来の光出力レベ
ルより3〜4倍の最高光出力を得た。温度25℃では最
高光出力150mWを得、70℃においても100mW
の光出力に向上した。その結果、動作温度70℃におい
て50mW光出力動作時に5000時間以上の長期安定
動作を達成できた。
【0129】本例の発振波長は、実施例1より実施例5
に記載した例に比較して概ね30nmより50nm短い波長を実
現出来る。
【0130】また、活性層横方向と垂直方向におけるレ
ーザ光分布のアスペクト比は2以下を達成でき、1.3
〜1.7の範囲に設定できた。
【0131】実施例7 本発明の他実施例を説明する。実施例6と同様にして素
子を作製するが、実施例5のように共振器端面部をBH
導波路構造としかつ非注入励起領域で透明導波路とす
る。その他は、実施例6と全く同様に半導体発光装置を
作製する。
【0132】本実施例は、レーザ装置の発光端面部にい
わゆる非注入励起領域を設けて、端面部の温度上昇を緩
和し、もって熱飽和レベルを向上せんとするものであ
る。同時に、実質的に発振に寄与が乏しい端面部に電流
を流さないことによって、低閾値を図ることに有効であ
る。また、動作の低電流化をも図ることが出来る。
【0133】本実施例による素子では、波長630〜6
50nmにおいてレーザ発振し、実施例6の例よりも低
閾値、低電流で動作し且つ熱飽和光出力レベルを向上さ
せることが出来た。
【0134】この例のレーザ光分布は真円に近い円形状
を実現し、アスペクト比を1.5以下の1.0〜1.4の
範囲に設定できた。
【0135】実施例8 高性能な光情報処理システムの構成例を説明する。
【0136】図8は光ディスク装置の例を示す基本構成
図である。61は光記録の為の光記録媒体が設けられた
ディスク、62はディスクを回転させるためのモータ、
63は光ピックアップ、67はこれらを制御する制御部
である。光ピックアップ63はレンズ系64、半導体レ
ーザ装置などの光源65、そして光検出器66を有して
構成される。
【0137】こうした光ディスク装置の一般的事項につ
いては、種々報告があるが略述する。記録材料の種類に
よって、光ディスク装置は大別して読み取り専用形(R
OM形)、追記形、および書き換え可能形に分けられ
る。図8の例での情報の再生は、ディスク61に記録さ
れた微細小孔(記録媒体の状態変化部)からの反射光変
化を光検出器66にて光学的に読み取って行う。尚、光
記録媒体は通例のものを用いることが出来る。
【0138】読み取り専用形の場合、記録情報は予め記
録媒体に記録されており、例えば、読み取り専用形記録
媒体の代表例として、アルミニウム、プラスチックなど
をあげることが出来る。
【0139】また、記録する場合は、レーザ光をディス
ク上の記録媒体に微細光点に絞り込み、記録すべき情報
に従ってレーザ光を変調させることに依って、熱的に記
録材料の状態を変化させて列状に記録を行う。この記録
はディスクをモータによって回転(移動)させながら行
われる。こうした光源にも本発明の光源を用い得る。
【0140】こうした光ディスク装置の光源に、実施例
1より実施例3に従って製造した半導体レーザ装置を適
用すると好都合である。更に、実施例4より実施例7に
従って製造した半導体レーザ装置では、ビーム整形用の
光学レンズを全く必要としない光ディスク装置を構成で
きた。
【0141】レーザ光のアスペクト比が2以下となる
と、従来光情報処理装置で必要としたビーム整形用の高
価な光学レンズを必要としない。レーザ光を楕円形より
円形に変換する為のビーム整形用の光学レンズは多くは
ガラス製で且つ高価なものであった。本発明によれば、
若干のビーム整形を行う場合であっても、加工精度のゆ
るい安価なレンズ、例えばプラスッチク・レンズで対応
が可能となる。
【0142】更に、アスペクト比が1より1.5の範囲にあ
る低アスペクト比の場合、このレーザ光を楕円形より円
形に変換する為のビーム整形用の光学レンズを不要とな
し得る。このビーム整形用の光学レンズを不要となしう
るのは、光情報処理装置において極めて画期的な変革で
ある。安価で、小型、軽量、コンパクトな光学系を構成
できる。もって、光情報処理装置自体も安価で、小型、
軽量、コンパクトなものになし得る。
【0143】尚、光情報処理装置とレーザ光の光出力と
の一般的関係について補足する。勿論、具体的な装置に
よって、若干異なりはするが、光ディスク装置に供する
光出力は少なくとも5mW以上が良く、更に好ましくは15m
W以上、より好ましくは20mW以上が好例である。
【0144】図9はレーザ・ビーム・プリンタの例を示
すシステム構成図である。
【0145】レーザビームプリンタ(LBP)装置では、半
導体レーザ装置のビームをミラーとレンズ系を用いて感
光ドラムを走査し、情報を記録する。そして、感光ドラ
ムに記録された情報を、感光紙等に転写して、印刷する
ものである。
【0146】制御部113によって制御されている半導
体レーザ装置101よりのレーザ光102はレンズ系1
03、104、105、および106を経由して、ポリ
ゴンミラー107に照射される。ポリゴンミラー107
によって反射されたレーザ光はトロイダルおよびfθレ
ンズ108を通して感光ドラム109に照射される。こ
の時、レーザ光は感光ドラム109上を110に示すご
とく走査される。
【0147】通常の半導体レーザ装置ではアスペクト比
が2より大きく、シリンドリカル・レンズ106を通し
て、レーザ光を楕円形状から円形状にビーム整形を行っ
ていた。本発明に係わる半導体レーザ装置をレーザビー
ムプリンタ装置に搭載することによってシリンドリカル
・レンズ106を省略しても、円形状のレーザ・ビーム
を確保することが可能となる。安価で、小型、軽量、コ
ンパクトな光学系を構成できる。もって、レーザビーム
プリンタ装置自体も安価で、小型、軽量、コンパクトな
ものになし得る。
【0148】
【発明の効果】レーザ光の利用効率を従来の2倍以上に
改善する。更に、ビーム整形のためのレンズを簡略化し
た光学系を有した光情報処理装置の実現がはかれる。
【0149】半導体レーザ装置の端面破壊レベルを従来
より2倍以上に向上できる。例えば、発振波長670〜
690nmの素子において、動作温度70℃で光出力5
0mWの安定動作が5000時間以上得られた。
【0150】同時に、略円形形状のレーザビームを導波
することが可能となった。レーザビームのアスペクト比
の2以下が達成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の共振器の構造を説明する図
である。
【図2】図1に示す実施例の共振器の内部において光軸
に交差する断面図である。
【図3】本発明の他の実施例の共振器の構造を説明する
図である。
【図4】本発明の他の実施例の共振器の構造を説明する
図である。
【図5】本発明の他の実施例の共振器の構造を説明する
図である。
【図6】図5に示す実施例の共振器の内部において光軸
に交差する断面図である。
【図7】本発明の他の実施例の共振器の構造を説明する
図である。
【図8】光ディスク装置の概要構成を説明する図であ
る。
【図9】レーザビームプリンタ装置の概要構成を説明す
る図である。
【符号の説明】
1:n型GaAs基板、2:n型GaAsバッファ層、3:n型
AlGaInP光導波層 4:絶縁膜マスク、5:n型AlGaInP光導波層 6:歪補償された多重量子井戸構造活性層、7:p型Al
GaInP光導波層 8:p型AlGaInPエッチストップ層、9:p型AlGaInP光
導波層 10:p型GaInP層、11:n型埋込み層、12:n型G
aAs埋込み層 13:p型GaAsコンタクト層、14:絶縁膜 15:p側電極、16:n側電極、17:絶縁膜マス
ク、18:p型薄膜層 61:光記録媒体が設けられたディスク、62:モー
タ、63:光ピックアップ 、67:制御部、63:光ピックアップ、64:レンズ
系 65:半導体レーザ装置などの光源、66:光検出器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体に光を照射する光源と、記録媒体
    からの反射光を検出する検出器とを少なくとも有し、当
    該記録媒体の一部の状態変化を読み取る機能を有する光
    情報処理装置において、前記光源の光束のアスペクト比
    が略1なることを特徴とする光情報処理装置。
  2. 【請求項2】記録媒体に光を照射するための光源と、当
    該光を記録媒体に集光するためのレンズ系とを少なくと
    も有し、当該光によって記録媒体の一部の状態を変化さ
    せて記録を行う機能を有する光情報処理装置において、
    前記光源の光束のアスペクト比が略1なることを特徴と
    する光情報処理装置。
  3. 【請求項3】前記光源が水平方向共振器を有し、円形光
    束の発光出力5mW以上の半導体レーザ装置なることを特
    徴とする請求項第1項又は第2項記載の光情報処理装
    置。
  4. 【請求項4】共振器内部では禁制帯幅が小さくかつ圧縮
    応力を生ずる活性層領域とこの共振器の反射面近傍では
    禁制帯幅が大きくかつ引張応力が生ずる活性層領域とを
    有する水平方向共振器を有することを特徴とする半導体
    レーザ装置。
  5. 【請求項5】前記共振器がその反射面から出射するレー
    ザ光束の分布の縦横比を示すアスペクト比が略1なるよ
    う光束の伝播を可能とする導波路構造を有することを特
    徴とする請求項4に記載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】前記共振器内部の活性層領域とこの共振器
    の反射面近傍活性層領域とがその屈折率が連続して変化
    した導波構造となし、射出光束として円形光束を得る水
    平方向共振器を有することを特徴とする請求項4又は5
    項記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】前記活性層領域を単一量子井戸層と光分離
    閉じ込め層を設けた単一量子井戸構造又は量子井戸層と
    量子障壁層を繰り返し設けた多重量子井戸構造を有し、
    この単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造が前記量子
    井戸層、及び隣接する光分離閉じ込め層の一部または前
    記量子障壁層に格子歪を導入し、この量子井戸層に導入
    した格子歪とは反対符号の格子歪を隣接する光分離閉じ
    込め層の一部または前記量子障壁層に設定しておくこと
    により、前記単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造全
    体において格子歪量が補償されている歪補償量子井戸構
    造なることを特徴とする請求項4、5、又は6項記載の
    半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】前記活性層領域の共振器の光軸と交わる横
    方向における屈折率差が共振器内部と共振器反射面近傍
    において異なり共振器端面において活性層横方向の屈折
    率差が最大に設定されており、かつストライプ幅は共振
    器内部から共振器反射面近傍へかけて狭くなるように設
    定された導波路構造を有することを特徴とする請求項
    4、5、6、又は7項記載の半導体レーザ装置。
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