JP2002368335A - 半導体レーザ素子およびその作製方法および半導体レーザアレイおよび光通信システムおよび光インターコネクションシステムおよび光ピックアップシステムおよび電子写真システム - Google Patents

半導体レーザ素子およびその作製方法および半導体レーザアレイおよび光通信システムおよび光インターコネクションシステムおよび光ピックアップシステムおよび電子写真システム

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JP2002368335A
JP2002368335A JP2001169279A JP2001169279A JP2002368335A JP 2002368335 A JP2002368335 A JP 2002368335A JP 2001169279 A JP2001169279 A JP 2001169279A JP 2001169279 A JP2001169279 A JP 2001169279A JP 2002368335 A JP2002368335 A JP 2002368335A
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layer
laser device
optical waveguide
spot size
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English (en)
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Naoto Jikutani
直人 軸谷
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発振閾値電流が小さく、高い特性温度をも
ち、ビーム品質が良く、放射ビーム形状が真円に近い半
導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】 GaAsとGaPとの間の格子定数を有
する(Alx1Ga1-x1 y1In1-y1Asz11-z1(0≦
x1≦1、0.5<y1≦1、0≦z1<1)クラッド
層と、共振器端面に対して垂直方向に伸びるストライプ
状またはテーパストライプ状のGay2In1-y2Asz2
1-z2(0<y2≦1、0≦z2<1)活性層と、光導波
層とを有する端面発光型半導体レーザ素子であって、共
振器端面部にスポットサイズ変換領域E2が設けられて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ素子
およびその作製方法および半導体レーザアレイおよび光
通信システムおよび光インターコネクションシステムお
よび光ピックアップシステムおよび電子写真システムに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ピックアップシステム,光通信
システム,電子写真システムの光源として、AlGaI
nP半導体材料による650nm帯半導体レーザ素子が
用いられている。例えば文献「第45回応用物理学関係
連合講演予稿集No.3 29a−ZH−2」(以下、
第1の従来技術という)には、光ディスクピックアップ
用光源としてAlGaInP混晶材料による実屈折率導
波型650nm帯レーザが示されている。これらの用途
に用いられる半導体レーザ素子には、発振閾値電流が低
いこと、更に、素子の特性温度が高いことが求められて
いる。
【0003】また、この他にも、半導体レーザは、レー
ザビームとレンズ,ファイバとの結合が容易であること
も重要である。通常、半導体レーザから放射されるレー
ザービームは水平放射角に比べ、垂直放射角の方が大き
い。例えば、上記第1の従来技術の半導体レーザ素子の
垂直放射角は30°であり、水平方向放射角は9°であ
る。これは、光導波領域での垂直方向の光分布が水平方
向に比べて狭いことに起因するものであり、レンズまた
はファイバと結合させるためにビーム成形が必要にな
る。
【0004】特に、通信用長波長レーザー素子では、レ
ーザ光をシングルモードファイバと良好に結合させる必
要があることから、スポットサイズ変換領域を備えた素
子が提案されている。ここで、スポットサイズ変換領域
とは、例えば、共振器端面部に向けて光導波層の厚さを
次第に薄くなるように構成した領域のことであって、共
振器端面部では光導波層から光の漏れが大きくなること
で垂直放射角が狭まり、真円に近い放射パターンが得ら
れる。勿論、赤色レーザ素子でも、ビームの利用効率、
レンズまたはファイバとの結合効率を向上させるため
に、スポットサイズは真円に近いことが望ましい。
【0005】例えば、特開平7−283490号(以
下、第2の従来技術という)には、スポットサイズ変換
領域を備えたInP基板上の長波長半導体レーザ素子に
ついての技術が示されている。図1,図2,図3は第2
の従来技術の半導体レーザ素子を示す図である。なお、
図1は上面図、また、図2は図1のA−A’線における
断面図、また、図3は図1のB−B’線における断面図
である。
【0006】図1乃至図3において、符号1はn−In
P基板、符号2はn−InPクラッド層、符号3はIn
GaAsP光導波層、符号4はInGaAsP多重量子
井戸活性層、符号5はInGaAsP光導波層、符号6
はp−InPクラッド層、符号7はコンタクト層、符号
8はp側電極、符号9はn側電極、符号10は絶縁層、
符号11はp−InP埋め込み層、符号12はn−In
P埋め込み層である。
【0007】図1乃至図3の半導体レーザ素子は、次の
ように作製される。すなわち、n−InP基板1上にn
−InPクラッド層2を成長した後、図4に示すように
SiO2マスク13を設け、図5のようにInPクラッ
ド層2上に多重量子井戸構造を含むInGaAsPから
成るSCH構造(InGaAsP光導波層3,InGa
AsP多重量子井戸活性層4,InGaAsP光導波層
5)を選択成長する。ここで、図5は選択成長後の図4
のB−B’線に対応する断面を示す図である。この際、
図2のように、マスク13の開口幅の広い領域は、膜厚
が薄く成長される(これがスポットサイズ変換領域とな
る)。
【0008】次に、図6のようにSiO2マスク14を
設け、これをエッチングマスクとして、リッジストライ
プを形成し、更にSiO2マスク14を選択成長マスク
としてエッチング部分にInP層11,12の埋め込み
成長を行っている。なお、図6は埋め込み成長後の図4
のB−B’線に対応する断面を示したものである。次
に、p−InPクラッド層6、コンタクト層7、絶縁層
10、電極8,9を設け、図1乃至図3に示す素子構造
が得られる。
【0009】この第2の従来技術では、長波長レーザに
おいて、水平放射角8°,垂直放射角11.8°を得て
いる。また、AlGaInPクラッド層とGaInP活
性層からなる多重量子井戸構造を有する赤色レーザへの
応用についても一部記述がなされており、スポットサイ
ズ変換領域を備えたAlGaInP系材料の赤色レーザ
素子の従来技術に挙げられる。
【0010】第2の従来技術のスポットサイズ変換領域
を備えた半導体レーザ素子では、素子の低閾値電流を与
える構造と、素子のスポットサイズを真円に近づける構
造とを、別に設計できる利点がある。従来、放射角を狭
くするためには光閉じ込め係数を小さくしてビームスポ
ットを大きくする必要があり、閾値電流が増加してしま
っていたが、スポットサイズ変換領域を備えることによ
って改善できる。
【0011】また、上述の特性温度に関する問題に対し
ては、例えば特開平4−114486号(以下、第3の
従来技術という)に示されているように、多重量子障壁
等による改善が試みられている。AlGaInP半導体
材料は、活性層とクラッド層との禁則帯幅の差が少な
く、電子に対するポテンシャルバリアが低いことから、
電子がpクラッド層へオーバーフローし易く、素子の特
性温度が低い。従って、特性温度を向上させるために
は、禁則帯幅の広いクラッド層を用いることが有効であ
る。上記第3の従来技術では、多重量子障壁によって実
効的な電子のポテンシャルバリアを高くすることが提案
されている。
【0012】また、特開平5−41560号(以下、第
4の従来技術という)には、600nm以下の短波長で
発振する素子を得るために、GaAsとGaPとの間の
格子定数を有する半導体レーザ素子が示されている。す
なわち、この第4の従来技術は、AlGaInP混晶の
格子定数の減少に伴う禁則帯幅の増加に着眼したもので
あって、活性層材料に禁則帯幅の大きな混晶を用いて6
00nm帯以下でのレーザ発振を得ている。この格子定
数の範囲では、従来のGaAs基板上の素子に比べて禁
則帯幅の広いクラッド層を得ることが可能である。この
クラッド層を用いた赤色レーザ素子では特性温度の向上
が期待できるものと考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、スポッ
トサイズ変換領域を有する素子では、ビーム品質が良
く、低閾値電流化に対して効果がある。また、より屈折
率の低いクラッド層材料を用いれば、大きな光閉じ込め
係数が得られ、更に低閾値電流化が可能となる。例え
ば、GaAs基板に格子整合する中で、Al0.5In0.5
P混晶材料が最も屈折率が小さい。Al0.5In0.5Pを
クラッド層とし、また、(Al0.5Ga0.50. 5In0.5
Pを光導波層、発振波長650nmの厚さ15nmの活
性層とした素子で得られる光閉じ込め係数は、0.05
8程度である。これは、同じ光導波層組成,活性層組成
と同じ厚さを持つGaAs基板上の素子の取り得る最大
値となる。このように取り得る光閉じ込め係数の最大値
は、最終的には材料の屈折率によって決まるものであ
る。スポットサイズ変換領域を有する素子は、ビーム品
質に関係無く、低屈折材料をクラッド層に用いることが
できるという点が特徴であるが、従来の赤色レーザ素子
は、GaAs基板上に作製されているために、必ずしも
低閾値化に対し望ましい混晶材料をクラッド層に用いる
ことができなかった。
【0014】また、第4の従来技術の素子では、特性温
度対象としている波長帯が600nmよりも短波長であ
ることから、活性層,光導波層の材料の検討が必要であ
り、この第4の従来技術をそのまま赤色レーザ素子に応
用することはできない。また、この第4の従来技術は短
波長化に主眼をおいているものであって、材料の光学的
特性,素子のビーム品質等については何ら考慮されてい
ない。これを実際に赤色レーザ素子に応用した場合には
後述するように垂直放射角が非常に大きくなる等のビー
ム品質上の問題がある。
【0015】このように、従来では、光ピックアップヘ
ッド,光通信システム,電子写真システムなどの光源と
して好適な半導体レーザ素子を得ることは非常に難しい
という問題があった。
【0016】本発明は、発振閾値電流が小さく、高い特
性温度をもち、ビーム品質が良く、放射ビーム形状が真
円に近い半導体レーザ素子およびその作製方法および半
導体レーザアレイおよび光通信システムおよび光インタ
ーコネクションシステムおよび光ピックアップシステム
および電子写真システムを提供することを目的としてい
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、GaAsとGaPとの間の
格子定数を有する(Alx1Ga1-x1y1In1-y1Asz1
1-z1(0≦x1≦1、0.5<y1≦1、0≦z1<
1)クラッド層と、共振器端面に対して垂直方向に伸び
るストライプ状またはテーパストライプ状のGay2In
1-y2Asz21- z2(0<y2≦1、0≦z2<1)活性
層と、光導波層とを有する端面発光型半導体レーザ素子
であって、共振器端面部にスポットサイズ変換領域が設
けられていることを特徴としている。
【0018】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の半導体レーザ素子において、前記光導波層は、活性
層の材料よりも禁則帯幅の広いGay3In1-y3Asz3
1-z3(0<y3≦1、0≦z3<1)混晶半導体で形成
されていることを特徴としている。
【0019】また、請求項3記載の発明は、請求項1ま
たは請求項2記載の半導体レーザ素子において、スポッ
トサイズ変換領域は、少なくとも光導波層の厚さをスト
ライプ状発振領域から共振器端面部に向かって薄くする
ことで形成されていることを特徴としている。
【0020】また、請求項4記載の発明は、請求項1乃
至請求項3のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子に
おいて、活性層は、単一量子井戸構造または多重量子井
戸構造であり、さらに、スポットサイズ変換領域上の一
部の半導体コンタクト層および電極が除去されているこ
とを特徴としている。
【0021】また、請求項5記載の発明は、請求項1乃
至請求項4のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子に
おいて、活性層は、スポットサイズ変換領域以外では自
然超格子構造として形成され、スポットサイズ変換領域
では自然超格子構造が選択的に無秩序化されたものとな
っており、さらに、スポットサイズ変換領域上の一部の
半導体コンタクト層および電極が除去されていることを
特徴としている。
【0022】また、請求項6記載の発明は、GaAsと
GaPとの間の格子定数を有する(Alx1Ga1-x1y1
In1-y1Asz11-z1(0≦x1≦1、0.5<y1≦
1、0≦z1<1)クラッド層と、共振器端面に対して
垂直方向に伸びるストライプ状またはテーパストライプ
状のGay2In1-y2Asz21-z2(0<y2≦1、0≦
z2<1)活性層と、光導波層とを有し、共振器端面部
にスポットサイズ変換領域が設けられている端面発光型
半導体レーザ素子の作製方法であって、誘電体マスクを
用いた選択成長法によって、前記クラッド層,光導波層
および活性層からなる導波路構造の結晶成長を行なうこ
とを特徴としている。
【0023】また、請求項7記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子を
複数個有し、複数個の半導体レーザ素子がモノリシック
に形成されていることを特徴としている。
【0024】また、請求項8記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子、
または、請求項7記載の半導体レーザアレイが光源とし
て用いられることを特徴としている。
【0025】また、請求項9記載の発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素子、
または、請求項7記載の半導体レーザアレイが光源とし
て用いられることを特徴としている。
【0026】また、請求項10記載の発明は、請求項1
乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素
子、または、請求項7記載の半導体レーザアレイが光源
として用いられることを特徴としている。
【0027】また、請求項11記載の発明は、請求項1
乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ素
子、または、請求項7記載の半導体レーザアレイが光源
として用いられることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0029】GaAsとGaPとの間の格子定数を有す
る半導体レーザ素子は、前述のように、クラッド層に禁
則帯幅の広いAlGaInP混晶を用いることができる
ことから、特性温度の向上が期待できる。本願の発明者
は、高い特性温度を有する半導体レーザ素子(GaAs
とGaPとの間の格子定数を有する赤色レーザ素子)を
実現するために、活性層の材料,組成,歪量,成長条件
等の検討を重ね、GaAsP基板上に半導体レーザ素子
を作製し、評価を行った。また、放射ビーム形状等が赤
色半導体レーザの用途に対して適切であるかも合わせて
検討を行った。この結果、GaAsP基板上に作製され
た半導体レーザ素子では、従来の半導体レーザ素子と比
べて、特性温度の向上と、大幅な発振閾値電流の減少と
が認められた。
【0030】また、GaAs基板から−1.4%の格子
不整度にあたるGaAs0.60.4基板上に作製した、A
lInP組成が0.5の(Al0.5Ga0.5y4In1-y4
P(y4はGaAs0.60.4基板に格子整合する値)ク
ラッド層、厚さ100nmのGaInP光導波層、厚さ
250ÅのGaInP活性層を備えた赤色レーザ素子の
垂直放射角は50°と従来と比べて非常に大きいもので
あった。これらの評価結果を検討したところ、発振閾値
電流の低減は、クラッド層の禁則帯幅が増加し、キャリ
アの閉じ込めが向上することと、クラッド層の屈折率が
従来の素子に比べて小さく、更に光導波層との屈折率差
が大きいことによって、光閉じ込めが向上するためと分
かった。また、垂直放射角の増加は、光閉じ込め係数の
増加によって光分布が光導波層に集中するためであるこ
とが分かった。
【0031】図7は、GaAs基板に格子整合するAl
GaInP(GaAsからの格子不整度ε=0%)と、
GaAsとGaPとのちょうど中間の格子定数を持つA
lGaInP(GaAsからの格子不整度ε=−1.7
%)のAlInP組成の変化に対する屈折率の見積もり
値を示す図である。図7から、格子不整度ε=−1.7
%にあたるAlGaInPの方が屈折率の絶対値が小さ
く、屈折率の変化の幅が大きい。
【0032】また、図8は、GaAsの格子定数を持っ
た素子(ε=0%)と、GaAsとGaPの間の格子定
数を持った素子(ε=−1.7%)に関して、AlIn
Pをクラッド層、AlInP組成0.5の(Al0.5
0.5y4In1-y4P(y4はGaAs0.60.4基板に
格子整合する値)を光導波層として、発振波長650n
mを有する厚さ15nmの活性層を持つ構造の光閉じ込
め係数を見積もった図である。
【0033】図8から、従来のGaAs基板上の赤色レ
ーザ素子(ε=0%)に対し、GaAsとGaPとの間
の格子定数を有する赤色レーザ素子(ε=−1.7%)
では、光閉じ込め係数を大幅に向上できることがわか
る。よって発振閾値電流が低減できる。さらに、前述の
ように禁則対幅の大きなクラッド層が用いられることか
ら、特性温度も向上する。しかしながら、GaAsとG
aPとの間の格子定数を有する赤色レーザ素子では、従
来の素子に比べて、光導波層に光分布が集中し易く、垂
直放射角が非常に大きくなり易いという問題が同時に存
在する。
【0034】本発明は、発振閾値電流,ビーム品質,特
性温度等の従来の赤色レーザの問題を同時に解決するこ
とを意図しており、このため、本発明では、GaAsと
GaPとの間の格子定数を持つ赤色レーザ素子におい
て、共振器端面部にスポットサイズ変換領域を設けるよ
うにしたものである。
【0035】ここで、スポットサイズ変換領域とは、共
振器端面部における光分布をレーザー発振部に対して相
対的に広くする機能を持つ領域であり、スポットサイズ
変換領域としては、例えば、光導波層を共振器端面に向
けて次第に薄くし、光導波層からの垂直方向の光の漏れ
を大きくするものや、光導波層内に設けた酸化AlAs
等の様な低屈折率層によって共振器端面付近での光分布
をクラッド層に押し広げるもの等が挙げられる。
【0036】より詳細に、本発明の半導体レーザ素子
は、GaAsとGaPとの間の格子定数を有する(Al
x1Ga1-x1y1In1-y1Asz11-z1(0≦x1≦1、
0.5<y1≦1、0≦z1<1)クラッド層と、共振
器端面に対して垂直方向に伸びるストライプ状またはテ
ーパストライプ状のGay2In1-y2Asz21-z2(0<
y2≦1、0≦z2<1)活性層と、光導波層とを有す
る端面発光型半導体レーザ素子であって、共振器端面部
にスポットサイズ変換領域が設けられていることを特徴
としている。
【0037】GaAsとGaPとの間の格子定数を有す
るAlGaInAsP材料の中には、従来のGaAs基
板上よりも屈折率が小さい組成があり、これを用いたク
ラッド層によって発振領域において大きな光閉じ込め係
数を得ることができる。また、スポットサイズ変換領域
によって共振器端面から放射されるビーム形状を真円に
近くすることができる。
【0038】すなわち、従来のGaAs基板上の素子と
比べ、GaAsとGaP間の格子定数のクラッド層を持
った素子では、クラッド層の禁則帯幅が広くキャリア閉
じ込めが向上することの他に、クラッド層の屈折率も小
さく、発振領域での光閉じ込めも向上する。従って、従
来の素子に比べて、発振閾値電流は大幅に低減し、特性
温度は向上する。また、スポットサイズ変換領域では、
光導波層の厚さや、屈折率等を変化させることによっ
て、光導波層内からの光の漏れを大きくし、共振器端面
部に向けて伝播するビームの広がりを大きくする作用を
持つ。これによって、共振器端面部における垂直方向の
ビームスポットは十分に広がり、垂直放射角は水平放射
角と同程度となって、真円に近いレーザビームが得られ
る。以上から、従来と比べて、発振閾値電流が低く、放
射ビーム形状が真円に近い赤色レーザ素子が得られる。
また、クラッド層の禁則帯幅は、従来よりも広いため、
特性温度も従来の素子に対し高くすることができる。
【0039】このように、半導体レーザ素子を上記のよ
うな構成とすることによって、GaAsとGaPの間の
格子定数を有するクラッド層を備えた赤色レーザ素子の
発振閾値電流を低減し、放射ビーム形状を真円に近くす
ることができる。
【0040】また、上記本発明の半導体レーザ素子にお
いて、光導波層は、活性層の材料よりも禁則帯幅の広い
Gay3In1-y3Asz31-z3(0<y3≦1、0≦z3
<1)混晶半導体で形成することができる。
【0041】GaAsとGaPとの間の格子定数を有す
るGaInAsP材料の中には、650nmの発振波長
に対し禁則帯幅が十分広い組成があり、これを用いた光
導波層は、Alを含まずにキャリア閉じ込め層として機
能する。また、Alを組成に含まないので、クラッド層
との屈折率差が大きく、高い光閉じ込め効率が得られ
る。これにより、発振閾値電流を更に低減することがで
きる。
【0042】すなわち、Alを含まないGaInAsP
混晶を光導波層とすることで、Alを含んだクラッド層
との屈折率差を大きくできる。従来のGaAs基板上の
素子では、活性層材料がGaInPであるため、光導波
層及びキャリア閉じ込め層にAlGaInP混晶を用い
る必要があった。これに対し、GaAsとGaPとの間
の格子定数を有するGaInAsP材料では、発振の準
位間のエネルギーに対してGaInAsP混晶の禁則帯
幅が十分大きく、これを光閉じ込め層及びキャリア閉じ
込め層とした構成が可能となる。
【0043】図9は、GaAsとGaPのちょうど中間
の格子定数(GaAsからの格子不整度ε=−1.7
%)を有する素子について、AlInPをクラッド層、
AlInP組成0.5のAlGaInPを光導波層とし
た、波長650nmの厚さ15nmの活性層を持つ構造
(ε=−1.7%A)と、GaAsとGaPのちょうど
中間の格子定数(GaAsからの格子不整度ε=−1.
7%)を有する素子について、AlInPをクラッド
層、GaInPを光導波層とした、波長650nmの厚
さ15nmの活性層を持つ構造(ε=−1.7%B)
と、GaAs基板上(ε=0%)で、AlInPをクラ
ッド層、AlInP組成0.5のAlGaInPを光導
波層とした構造(ε=0%)とについて、活性層への光
閉じ込め係数を見積もった結果を示す図である。図9か
ら、GaInAsP光導波層を用いれば、発振領域にお
いて大きな光閉じ込め係数が得られ、非常に効率良く発
振閾値電流を低減することができることがわかる。ま
た、Alフリー活性領域を形成するので、素子信頼性は
高い。
【0044】このように、本発明の半導体レーザ素子に
おいて、光導波層を、活性層の材料よりも禁則帯幅の広
いGay3In1-y3Asz31-z3(0<y3≦1、0≦z
3<1)混晶半導体で形成することにより、発振閾値電
流をさらに低減することができる。
【0045】また、上記本発明の半導体レーザ素子にお
いて、スポットサイズ変換領域は、少なくとも光導波層
の厚さをストライプ状発振領域から共振器端面部に向か
って薄くすることで形成することができる。
【0046】垂直放射角を狭くするためには、スポット
サイズ変換領域などによって、共振器端面部における光
分布を発振領域に対して水平方向と同程度に広くする必
要がある。光分布は、活性層および光導波層とクラッド
層との屈折率差、光導波層の厚さによって決まるもので
あり、前記のように光分布を広くするためには、光導波
層の厚さを薄くするか、光導波層中に屈折率の低い調整
層を設けて光分布をクラッド層側に押し広げる方法が挙
げられる。実際には、後者の方法では、格子整合して用
いることのできる材料(屈折率)が限られることや、光
分布が調整層に対してあまり敏感でないことなどから、
効率の高いスポットサイズ変換が難しい。これに対し、
光導波層の厚さを調整する場合には、光分布は光導波層
の厚さに対して非常に敏感に変化する。光導波層の厚さ
を薄くすると、光閉じ込め能力が低下し、光分布が広く
クラッド層中にまで広がり、共振器端面でのスポットサ
イズが大きくなる。これによって、放射されるビームの
垂直放射角は狭くなる。すなわち、光導波層の厚さを薄
くすることによって、光導波層の光閉じ込め能力が低下
し、共振器端面では光がクラッド層中にまで広く分布す
る。これによって、共振器端面のスポットサイズは広が
り、放射されるビームの垂直放射角が狭くなる。また、
光導波層の厚さを面内で緩やかに変化させることが比較
的容易であるので、スポットサイズ変換領域での反射散
乱損失が低く、効率の高いスポットサイズ変換をするこ
とができる。従って、本発明の半導体レーザ素子におい
て、スポットサイズ変換領域は、少なくとも光導波層の
厚さをストライプ状発振領域から共振器端面部に向かっ
て薄くすることで形成することによって、スポットサイ
ズ変換効率の高い半導体レーザ素子が容易に得られる。
【0047】また、上記本発明の半導体レーザ素子にお
いて、活性層を、単一量子井戸構造または多重量子井戸
構造のものにし、さらに、スポットサイズ変換領域上の
一部の半導体コンタクト層および電極を除去したものに
することができる。
【0048】スポットサイズ変換領域では光閉じ込め係
数が小さく、レーザ発振の効率が低いために、この領域
への電流注入は本来好ましくない。しかし、スポットサ
イズ変換領域上の電極を除去し、スポットサイズ変換領
域に電流を注入しない場合には、活性層での吸収により
導波損失が生じる。これに対し、活性領域を量子井戸構
造とすることで、スポットサイズ変換領域部の発振準位
間のエネルギーを量子サイズ効果によって大きくし、ス
ポットサイズ変換領域での発振光の吸収を低減すること
ができる。従って、スポットサイズ変換領域に電流注入
を行って発振光に対して透明とする必要が無くなるの
で、素子の動作電流を低減することができる。
【0049】このように、活性層を、単一量子井戸構造
または多重量子井戸構造とし、さらに、スポットサイズ
変換領域上の一部の半導体コンタクト層および電極を除
去することによって、スポットサイズ変換領域での光吸
収を低減し、素子の動作電流を低減させることができ
る。
【0050】また、上記本発明の半導体レーザ素子にお
いて、活性層を、スポットサイズ変換領域以外では自然
超格子構造として形成し、スポットサイズ変換領域では
自然超格子構造が選択的に無秩序化されたものにし、さ
らに、スポットサイズ変換領域上の一部の半導体コンタ
クト層および電極を除去したものにすることができる。
【0051】すなわち、MOCVD法では、活性領域の
成長を、成長温度,V/III比,成長レートの調整によ
ってGaInAsP半導体混晶が秩序化し、自然超格子
を形成しやすい結晶成長条件で行なうことができる。こ
のように自然超格子を形成することにより、活性領域の
禁則帯幅は自然超格子を形成しない場合に比べて狭くな
る。この後、Zn等の不純物拡散によりスポットサイズ
変換領域の活性層を選択的に無秩序化すると、無秩序化
領域の禁則帯幅が広くなり、スポットサイズ変換領域で
の発振光の吸収が起こらない。
【0052】活性層を、スポットサイズ変換領域以外で
は自然超格子構造として形成し、スポットサイズ変換領
域では自然超格子構造が選択的に無秩序化されたものと
し、さらに、スポットサイズ変換領域上の一部の半導体
コンタクト層および電極を除去したものにすることは、
活性層が厚く、スポットサイズ変換領域での量子サイズ
効果が顕著に現れない領域の幅が広い場合に有効であ
る。混晶化された領域では電流注入を行い発振光に対し
て透明とする必要が無くなるので、素子の動作電流を低
減することができる。
【0053】このように、活性層を、スポットサイズ変
換領域以外では自然超格子構造として形成し、スポット
サイズ変換領域では自然超格子構造が選択的に無秩序化
されたものとし、さらに、スポットサイズ変換領域上の
一部の半導体コンタクト層および電極を除去したものに
することによって、スポットサイズ変換領域での光吸収
を低減し、動作電流を低減させることができる。
【0054】上述した本発明の半導体レーザ素子(すな
わち、GaAsとGaPとの間の格子定数を有する(A
x1Ga1-x1y1In1-y1Asz11-z1(0≦x1≦
1、0.5<y1≦1、0≦z1<1)クラッド層と、
共振器端面に対して垂直方向に伸びるストライプ状また
はテーパストライプ状のGay2In1-y2Asz2
1-z2(0<y2≦1、0≦z2<1)活性層と、光導波
層とを有し、共振器端面部にスポットサイズ変換領域が
設けられている端面発光型半導体レーザ素子)は、誘電
体マスクを用いた選択成長法により、クラッド層,光導
波層および活性層からなる導波路構造の結晶成長を行な
うことによって作製される。
【0055】この作製方法では、誘電体マスクの開口幅
によって、選択成長領域の成長膜厚を制御することがで
きる。このように、誘電体マスクの開口幅によって選択
成長される領域の膜厚を制御することができるので、本
発明の半導体レーザ素子を作製する工程を簡便にするこ
とができる。AlGaInP材料の選択成長は拡散長の
短いAlを組成に含んでいることから、長波長レーザ材
料であるInGaAsP系半導体材料に比べて難しく、
良好に選択成長ができる成長条件の幅が狭いが、成長温
度,V/III比,成長レート等を適切に選ぶことによっ
て、選択成長を行うことは可能である。この作製方法に
よれば、本発明の半導体レーザ素子の製造過程を非常に
簡便にすることができる。また、特に、光導波層が、活
性層の材料よりも禁則帯幅の広いGay3In1-y3Asz3
1-z3(0<y3≦1、0≦z3<1)混晶半導体で形
成されている場合には、選択成長を行う導波領域部分が
Al元素を含まないことから、選択成長が非常に容易で
あり、素子の製造を大幅に容易にすることができる。
【0056】また、上述した本発明の半導体レーザ素子
によって、モノリシックレーザアレイ(半導体レーザア
レイ)を構成することができる。
【0057】この場合、この半導体レーザアレイによれ
ば、発振閾値電流が低く、真円に近いレーザビーム形状
を有したビーム品質の高いマルチビーム光源が得られ
る。また、従来、半導体レーザアレイのように集積化さ
れた素子では、簡単な光学部品によってレンズ,光ファ
イバ等との結合を行うことが容易ではなかったが、本発
明の半導体レーザアレイでは、ビーム形状が真円に近い
ことから、高効率にかつ容易に結合が行え、光学部品の
構成を簡単なものにすることができる。
【0058】また、上述した本発明の半導体レーザ素子
によって多波長モノリシックレーザアレイを構成するこ
とができる。
【0059】この場合、この多波長モノリシックレーザ
アレイによれば、発振閾値電流が低く、真円に近いレー
ザビーム形状を有したビーム品質の高いマルチビーム光
源が得られる。また、簡単な光学部品によってレンズ,
光ファイバ等と高効率に結合が行える。また、発振波長
が多波長であることから、波長多重通信用光源等に応用
することができる。
【0060】また、上述した本発明の半導体レーザ素
子、または、上述した本発明の半導体レーザアレイが光
源として用いられる光通信システム,光インターコネク
ションシステムを構築することができる。
【0061】この場合、光ファイバとの結合効率が高
く、消費電力の小さい光通信システム,光インターコネ
クションシステムを提供することが可能となる。すなわ
ち、上述した本発明の半導体レーザ素子、または、上述
した本発明の半導体レーザアレイが光源として用いられ
る光通信システム,光インターコネクションシステムで
は、半導体レーザ素子の発振閾値電流が低いことから、
光通信システム,光インターコネクションシステムにお
ける消費電力を小さくすることができる。また、ビーム
形状が真円に近いことから、ファイバとの結合が容易
で、またビームの利用効率が非常に高く、これによる電
力損失を低減することもできる。また、発振閾値電流が
小さいことから、素子の発熱は小さく、熱干渉による影
響が少ない信頼性の高い光通信システム,光インターコ
ネクションシステムを構成できる。また、モノリシック
レーザアレイを用いる場合は、並列光通信が可能であ
り、高速通信システムを得ることができる。また、多波
長モノリシックレーザアレイを用いる場合には、各レー
ザストライプから波長の異なる光を単一のファイバに導
いた波長多重通信システムの構成が可能となり、高速通
信システムを得ることができる。
【0062】また、上述した本発明の半導体レーザ素
子、または、上述した本発明の半導体レーザアレイが光
源として用いられる光ピックアップシステムを構築する
ことができる。
【0063】この場合、レンズとの結合効率が高く、消
費電力が小さい光ピックアップシステムを提供すること
が可能となる。すなわち、上述した本発明の半導体レー
ザ素子、または、上述した本発明の半導体レーザアレイ
が光源として用いられる光ピックアップシステムでは、
真円に近いビーム形状を得られることから、集光レンズ
との結合が高く、ビーム整形に必要な光学系を必要とし
ないか、または、非常に簡単なものにできる。従って、
部品点数を減らすことができるので、システムのコスト
は低減し、信頼性は向上する。また、発振閾値電流が小
さいこととレーザビームの利用効率が高いこととから、
高出力動作が可能である。また、多波長レーザアレイを
用いる場合には、マルチビームピックアップシステムを
構成できるので、上記の効果に加えて、データの記録及
び読み出しを高速化することができる。
【0064】また、上述した本発明の半導体レーザ素
子、または、上述した本発明の半導体レーザアレイが光
源として用いられる電子写真システムを構築することが
できる。
【0065】この場合、レンズとの結合効率が高く、消
費電力が小さい電子写真システムを提供することが可能
となる。すなわち、上述した本発明の半導体レーザ素
子、または、上述した本発明の半導体レーザアレイが光
源として用いられる電子写真システムでは、ビーム形状
が真円に近いことから、アパーチャーもしくはレンズに
よるビーム形成を必要としないか、または、簡単なもの
にできる。従って、部品点数を減らすことができるの
で、システムのコストは低減し、信頼性は向上する。ま
た、発振閾値電流が低く、ビームの利用効率が高いこと
から、消費電力が小さい電子写真システムが得ることが
できる。また、半導体レーザアレイを用いる場合には、
マルチビーム書き込みシステムを構成できるので、上記
の効果に加えて、書き込み速度を高速化することができ
る。また、同様に、発振閾値電流が低く、熱干渉の影響
が少ないので、レーザストライプ間の距離を短くするこ
とが可能であり、同一のレンズで複数のレーザビームを
集光することができる。よって光学系の構成が簡単なマ
ルチビーム書き込みシステムが得ることができる。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0067】実施例1 図10,図11,図12は本発明の実施例1の半導体レ
ーザ素子を示す図である。なお、図10は平面図、図1
1は図10のA−A’線における断面図、図12は図1
0のB−B’線における断面図である。この半導体レー
ザ素子は実屈折率導波型半導体レーザ素子として構成さ
れている。すなわち、図10,図11,図12を参照す
ると、n−GaAsP基板101上に、素子部として、
n−GaAsPバッファー層102,第1のn−AlG
aInPクラッド層103,n−GaAsPエッチング
停止層104,第2のn−AlGaInPクラッド層1
18,アンドープAlGaInP光導波層105,アン
ドープGaInAsP活性層106,アンドープAlG
aInP光導波層107,第1のp−AlGaInPク
ラッド層108,p−GaAsPエッチング停止層10
9,第2のp−AlGaInPクラッド層119,p−
GaInPヘテロスパイク緩衝層110,p−GaAs
Pコンタクト層111が順次に積層されている。
【0068】ここで、p−GaAsPコンタクト層11
1から第2のp−AlGaInPクラッド層119まで
がリッジストライプとして形成されている。そして、リ
ッジストライプの側面には、SiO2絶縁膜112が形
成され、その周囲は埋め込み絶縁層115によって埋め
込まれている。また、p−GaAsPコンタクト層11
1上には、p側電極113が形成され、また、基板10
1の裏面には、n側電極114が形成されている。
【0069】図10,図11,図12の半導体レーザ素
子は、n−GaAsP基板101上にMOCVD法によ
り結晶成長を行って作製される。
【0070】ここで、GaAsP基板101には、Ga
AsとGaPとの中間の格子定数を有するものが用いら
れ、GaAsからの格子不整合度は−1.7%である。
【0071】また、素子部は、次のように作製される。
すなわち、先ず、GaAsP基板101上に、n−Ga
AsPバッファー層102,第1のn−AlGaInP
クラッド層103,n−GaAsPエッチング停止層1
04を順次に結晶成長した後、図13のように、レーザ
ストライプとなる領域に開口を持つSiO2選択成長マ
スク117を形成し、図14に示すように、第2のn−
AlGaInPクラッド層118,AlGaInP光導
波層105,GaInAsP活性層106,AlGaI
nP光導波層107,第1のp−AlGaInPクラッ
ド層108,p−GaAsPエッチング停止層109の
選択成長を行なう。なお、図14は図13のB−B’線
における断面図である。また、この例では、活性層10
6には、発振波長が650nmとなる圧縮歪組成のGa
InAsPを用いている。また、活性層106の厚さは
300Åとしている。活性層106の組成にAsを加え
ることで、650nm帯への長波長化が容易になってい
る。この例では、発振波長を650nmに調整したが、
635nm帯等の他の波長であっても良い。
【0072】図10,図11,図12の素子では、図1
3に示すマスク117の開口幅の違いによって、成長さ
れる膜厚が変化し、図11に示すように、レーザ発振領
域E1、スポットサイズ変換領域E2、スポットサイズ
変換後導波領域(共振器端面部)E3が形成される。
【0073】この実施例1では、マスク117の開口幅
は、後工程で形成されるリッジ幅に比べ広くしている。
また、領域E1及びE2のレーザーストライプ方向の長
さを400μm、領域E3の長さを50μmとしてい
る。また、領域E1の開口幅を20μmとしている。マ
スク117の開口幅は、領域E1とE3の膜厚比が7:
1以上になるように選ぶことが望ましい。
【0074】Alを構成元素に含む半導体材料の選択成
長は、選択成長マスク上でのAlの拡散長さがGaやI
n等に比べて短いために良質に結晶成長できる条件の幅
が狭いことが知られているが、成長温度,V/III比,
成長レート等の条件を適切に選ぶことで、選択成長マス
ク上に、単結晶または多結晶等が成長しないように制御
することができる。
【0075】また、第1のn−AlGaInPクラッド
層103は、領域E2,E3でレーザ光の垂直方向分布
が非対称になるのを防ぐために設けられている。GaI
nP基板を用いる場合は、基板による650nm帯の光
吸収は無いが、GaAs0.60.4よりGaAs組成の大
きなGaAsP基板では、光吸収を生じるので、第1の
n−AlGaInPクラッド層103は、十分な厚さに
設けておくことが望ましい。
【0076】次に、選択成長マスク117を除去し、素
子全面に対して、第2のp−AlGaInAsPクラッ
ド層119,p−GaInPヘテロスパイク緩衝層11
0,p−GaAsPコンタクト層111の成長を行な
う。第2のp−AlGaInAsPクラッド層119
も、領域E2及びE3でのビーム形状の対称性と、コン
タクト層111での吸収損失とを考慮して、選択成長後
に成長し厚く設けている。
【0077】次に、図15に示すように、レーザストラ
イプとなる領域にレジストマスク120を設け、コンタ
クト層111からGaAsPエッチング停止層109ま
たは104までの各層を化学エッチングによって除去
し、5μm幅のリッジストライプを形成する。この際、
エッチングによって生じる表面準位によって発光効率が
低下するのを防止するためにエッチングストップ層10
9を設け、第2のp−AlGaInAsPクラッド層1
19までをエッチングした。選択成長領域の側面と電流
注入領域との間の距離は十分あり、表面準位の影響は無
い。
【0078】次に、素子全面にSiO2絶縁層112を
設け、リッジ上部のSiO2絶縁層112を除去し、次
いで、ポリイミド等の絶縁層115でリッジを埋め込
み、コンタクト層111上にp側オーミック電極113
を形成する。次に、基板101の裏面にn側オーミック
電極114を形成する。次に、へき開により、図10,
図11,図12の半導体レーザ素子を作製することがで
きる。
【0079】このようにして作製された図10,図1
1,図12の半導体レーザ素子は、閾値電流が従来のG
aAs基板上の半導体レーザ素子に比べて低く、垂直放
射角が11°,水平放射角が10°とビーム形状は非常
に円に近いものであった。
【0080】実施例2 図16,図17,図18は本発明の実施例2の半導体レ
ーザ素子を示す図である。なお、図16は平面図、図1
7は図16のA−A’線における断面図、図18は図1
6のB−B’線における断面図である。この半導体レー
ザ素子は、実施例1と同様に実屈折率導波型半導体レー
ザ素子として構成されているが、実施例1と構造を異に
している。すなわち、図16,図17,図18を参照す
ると、n−GaAsP基板201上に、素子部として、
n−GaAsPバッファー層202,第1のn−AlG
aInPクラッド層203,n−GaAsPエッチング
停止層204,第2のn−AlGaInPクラッド層2
18,アンドープGaInP光導波層205,アンドー
プGaInAsP活性層206,アンドープGaInP
光導波層207,第1のp−AlGaInPクラッド層
208,第2のp−AlGaInPクラッド層219,
p−GaInPヘテロスパイク緩衝層210,p−Ga
AsPコンタクト層211が順次に積層されている。
【0081】ここで、第1のp−AlGaInPクラッ
ド層208から第2のn−AlGaInPクラッド層2
18までがリッジストライプ(電流狭窄構造)として形
成されている。そして、リッジストライプ(電流狭窄構
造)の側面は、p−AlInP埋め込み層215,n−
AlInP埋め込み層216によって埋め込まれてい
る。また、p−GaAsPコンタクト層211上には、
p側電極213が形成され、また、基板201の裏面に
は、n側電極214が形成されている。
【0082】図16,図17,図18の半導体レーザ素
子は、n−GaAsP基板201上にMOCVD法によ
り結晶成長を行って作製される。
【0083】ここで、基板201の格子定数は、実施例
1と同じく、GaAsとGaPの中間の値を用いてい
る。
【0084】また、素子部は、次のように作製される。
すなわち、GaAsP基板201上に、n−GaAsP
バッファー層202,第1のn−AlGaInPクラッ
ド層203,n−GaAsPエッチング停止層204を
順次に結晶成長した後、図19に示すように、レーザス
トライプとなる領域に開口を持つSiO2選択成長マス
ク217を形成し、図20に示すように、第2のn−A
lGaInPクラッド層218,GaInP光導波層2
05,GaInAsP活性層206,GaInP光導波
層207,第1のp−AlGaInPクラッド層208
の選択成長を行なう。なお、図20は図19のB−B’
線における断面図である。また、活性層206にはAs
を添加した圧縮歪組成を用い、発振波長は650nmに
調整した。また、活性層206の厚さは300Åとし
た。また、基板201に格子整合する組成のGaInP
光導波層205,207の禁則帯幅は2.23eVと発
振波長に対して広く、キャリア閉じ込め層として十分機
能するものである。
【0085】また、この実施例2では、第2のn−Al
GaInPクラッド層218から選択成長を開始してい
るが、GaInP光導波層205からGaInAsP活
性層206,GaInP光導波層207までを選択成長
層としても良い。この場合は、選択成長層にAl元素が
含まれないので、選択成長マスク上への多結晶の成長が
起こりにくく、選択成長が容易となる。
【0086】次に、選択成長マスク217を除去し、図
21に示すように、選択成長領域のレーザストライプと
なる領域にSiO2マスク220を設け、エッチング停
止層204まで化学エッチングを行い5μm幅のリッジ
ストライプを形成する。次に、SiO2マスク220を
用い、p−AlInP層215を成長し、次にn−Al
InP層216を埋め込み選択成長して、電流狭窄構造
を形成した。
【0087】この実施例2では、活性領域がAlを含ま
ないことから、酸化等による表面準位が形成されにくい
ので、第2のn−AlGaInPクラッド層218まで
エッチングを行った場合でも高い発光効率が得られる。
【0088】次に、SiO2マスク220を除去し、第
2のp−AlGaInPクラッド層219,GaInP
ヘテロスパイク緩衝層210,GaAsPコンタクト層
211を結晶成長する。次に、コンタクト層211上に
p側オーミック電極213を形成する。また、基板20
1の裏面にn側オーミック電極214を形成する。次
に、へき開により、図16,図17,図18の半導体レ
ーザ素子を作製することができる。
【0089】このようにして作製された図16,図1
7,図18の半導体レーザ素子は、光導波層がGaIn
Pであるため、クラッド層との屈折率差が非常に大き
く、発振閾値電流も従来の半導体レーザ素子の半分程度
であった。また、図16,図17,図18の半導体レー
ザ素子は、垂直放射角が12°,水平放射角が10°で
あり、ビーム形状は円に非常に近いものであった。
【0090】上述した実施例1,実施例2ではGaAs
P基板を用いたが、この他にも、GaInP基板等を用
いることもできる。
【0091】また、実施例1,実施例2では、光導波層
などの厚さを変化させてスポットサイズ変換領域E2を
設けたが、この他にも、AlAs等を酸化させた低屈折
率層を共振器端面近傍の導波路内に設けた構造であって
も良い。
【0092】実施例3 図22,図23,図24は本発明の実施例3の半導体レ
ーザ素子を示す図である。なお、図22は平面図、図2
3は図22のA−A’線における断面図、図24は図2
2のB−B’線における断面図である。この半導体レー
ザ素子は、実施例2と同様に実屈折率導波型半導体レー
ザ素子として構成されているが、実施例3の半導体レー
ザ素子では、GaAs基板301上にGaAsP格子緩
和層317を介して結晶成長が行われている。また、実
施例3の半導体レーザ素子では、活性層306は、単一
量子井戸構造または多重量子井戸構造であり、さらに、
スポットサイズ変換領域E2(および領域E3)上の一
部の半導体コンタクト層および電極が除去されているこ
とを特徴としている。
【0093】すなわち、図22,図23,図24を参照
すると、実施例3の半導体レーザ素子は、n−GaAs
基板301上に、GaAsP格子緩和層317を介し
て、素子部として、n−GaAsPバッファー層30
2,第1のn−AlGaInPクラッド層303,n−
GaAsPエッチング停止層304,第2のn−AlG
aInPクラッド層318,アンドープGaInP光導
波層305,アンドープGaInAsP量子井戸活性層
306,アンドープGaInP光導波層307,第1の
p−AlGaInPクラッド層308,第2のp−Al
GaInPクラッド層319,p−GaInPヘテロス
パイク緩衝層310,p−GaAsPコンタクト層31
1が順次に積層されている。
【0094】ここで、第1のp−AlGaInPクラッ
ド層308から第2のn−AlGaInPクラッド層3
18までがリッジストライプ(電流狭窄構造)として形
成されている。そして、リッジストライプ(電流狭窄構
造)の側面は、p−AlInP埋め込み層315,n−
AlInP埋め込み層316によって埋め込まれてい
る。また、p−GaAsPコンタクト層311上には、
p側電極313が形成され、また、基板301の裏面に
は、n側電極314が形成されている。
【0095】また、実施例3の半導体レーザ素子では、
活性層306は、単一量子井戸構造または多重量子井戸
構造であり、さらに、スポットサイズ変換領域E2およ
び領域E3上の一部の半導体コンタクト層311および
電極313は除去されている。
【0096】図22,図23,図24の半導体レーザ素
子は、GaAs基板301上にGaAsP格子緩和層3
17を介して結晶成長を行なって作製される。ここで、
GaAsP格子緩和層317は、組成をGaAsからG
aAs0.60.4まで次第に変化させた組成傾斜層として
結晶成長がなされ、この組成傾斜層の上部にGaAs
0.60.4組成一定層を設けることによって形成されてい
る。GaAsからの格子不整度は−1.4%である。ま
た、組成傾斜層の結晶成長条件を最適化することで、G
aAsP格子緩和層317の表面を鏡面にすることがで
きる。
【0097】また、素子部は次のように作製される。す
なわち、先ず、GaAsP緩和層317上に、n−Ga
AsPバッファー層302,第1のn−AlGaInP
クラッド層303,n−GaAsPエッチング停止層3
04を順次結晶成長した後、実施例2と全く同様にレー
ザストライプとなる領域に開口を持つSiO2選択成長
マスク(図示せず)を形成し、第2のn−AlGaIn
Pクラッド層318,GaInP光導波層305,Ga
InAsP量子井戸活性層306,GaInP光導波層
307,第1のp−AlGaInAsPクラッド層30
8までの選択成長を行なう。
【0098】ここで、活性層306の発振波長はAs添
加による長波長化と量子サイズ効果による短波長化を考
慮し、650nmになるように調整を行った。また、量
子井戸の厚さは50Åとした。
【0099】次に、実施例2と同様の手順,手法によっ
て、リッジストライプを形成し、AlInP層315,
316の埋め込み成長、コンタクト層311までの結晶
成長を行なう。次に、領域E2及びE3の一部のコンタ
クト層311をエッチング除去する。次に、p側電極材
料を蒸着し、この領域の電極材料をリフトオフ法によっ
て除去してp側電極313を形成する。次に、基板30
1の裏面にn側オーミック電極314を形成する。次
に、へき開により、図22,図23,図24の半導体レ
ーザ素子を作製することができる。
【0100】このように作製された図22,図23,図
24の半導体レーザ素子は、スポットサイズ変換領域部
E2及び領域E3の薄膜化によって量子井戸活性層30
6の量子準位間のエネルギーが増加し、領域E2の膜厚
が十分薄い部分では発振光に対しての吸収がない。従っ
て、この領域に電流を注入する必要が無く、発振に寄与
しない無効電流を大幅に減少させることができる。この
際、領域E2の量子準位間のエネルギー増加量が不十分
な領域に対しては、図22のように電極313を設けて
おくことが望ましい。
【0101】この実施例3の半導体レーザ素子では、実
施例1,実施例2の半導体レーザ素子と同様に、発振閾
値電流が低く、ビーム形状が真円に近い上に、動作電流
を大幅に低減することができる。
【0102】実施例4 図25,図26,図27は本発明の実施例4の半導体レ
ーザ素子を示す図である。図25は平面図、図26は図
25のA−A’線における断面図、図27は図25のB
−B’線における断面図である。この半導体レーザ素子
は、実施例2と同様に実屈折率導波型半導体レーザ素子
として構成されているが、実施例4の半導体レーザ素子
では、活性層406は、スポットサイズ変換領域E2
(および領域E3)以外では自然超格子構造として形成
され、スポットサイズ変換領域E2(および領域E3)
では自然超格子構造が選択的に無秩序化されたものとな
っており、さらに、スポットサイズ変換領域E2(およ
び領域E3)上の一部の半導体コンタクト層および電極
が除去されていることを特徴としている。
【0103】すなわち、図25,図26,図27を参照
すると、n−GaAsP基板401上に、素子部とし
て、n−GaAsPバッファー層402,第1のn−A
lGaInAsPクラッド層403,n−GaAsPエ
ッチング停止層404,第2のn−AlGaInAsP
クラッド層418,アンドープGaInP光導波層40
5,アンドープGaInAsP活性層406,アンドー
プGaInP光導波層407,第1のp−AlGaIn
AsPクラッド層408,第2のp−AlGaInAs
Pクラッド層419,p−GaInPヘテロスパイク緩
衝層410,p−GaAsPコンタクト層411が順次
に積層されている。
【0104】ここで、第1のp−AlGaInAsPク
ラッド層408から第2のn−AlGaInAsPクラ
ッド層418までがリッジストライプ(電流狭窄構造)
として形成されている。そして、リッジストライプ(電
流狭窄構造)の側面は、p−AlInP埋め込み層41
5,n−AlInP埋め込み層416によって埋め込ま
れている。また、p−GaAsPコンタクト層411上
には、p側電極413が形成され、また、基板401の
裏面には、n側電極414が形成されている。
【0105】また、実施例4の半導体レーザ素子では、
活性層406は、スポットサイズ変換領域E2(および
領域E3)以外では自然超格子構造として形成され、ス
ポットサイズ変換領域E2(および領域E3)では自然
超格子構造が選択的に無秩序化されたものとなってお
り、さらに、スポットサイズ変換領域E2(および領域
E3)上の一部の半導体コンタクト層411および電極
413が除去されている。
【0106】図25,図26,図27の半導体レーザ素
子は、実施例2と同様の方法,手順によって、GaAs
P基板401上に結晶成長を行なうことによって作製さ
れる。
【0107】ここで、GaAsP基板401の組成はG
aAs0.60.4であり、GaAsからの格子不整度は−
1.4%である。
【0108】また、素子部は、次のように作製される。
すなわち、GaAsP基板401上に、n−GaAsP
バッファー層402,第1のn−AlGaInAsPク
ラッド層403,n−GaAsPエッチング停止層40
4を結晶成長した後、実施例2と同様の手順,手法によ
ってSiO2選択成長マスク(図示せず)を形成し、第
2のn−AlGaInAsPクラッド層418,GaI
nP光導波層405,GaInAsP活性層406,G
aInP光導波層407,第1のp−AlGaInAs
Pクラッド層408の選択成長を行なう。
【0109】ここで、GaInAsP活性層406の厚
さは300Åとした。
【0110】この際、GaInAsP活性層406は、
成長温度,V/III比,成長レート等の調整を行い、自
然超格子構造が形成され易い条件によって結晶成長を行
った。成長法は、MOCVD法を用いた。また、活性層
406の組成は自然超格子を形成した状態で発振波長が
650nmになるように組成を調整した。次に、領域E
2及びE3の自然超格子を無秩序化した。無秩序化の方
法としては、例えば、領域E2及びE3に開口を持つS
iNxマスクを形成し、次に、Zn拡散源となるZnO
をスパッタ法により基板全面に形成した後、アニールに
よってSiNxマスクで覆われていない領域E2,E3
に対しZnを活性層部まで拡散させる方法等が挙げられ
る。図26において、符号420がZn拡散領域であ
る。
【0111】次に、SiNx,ZnOを除去した後、実
施例2と同様にリッジを形成し、AlInP埋め込み層
415,416の埋め込み成長を行い、コンタクト層4
11までの結晶成長を行なう。
【0112】次に、実施例3と同様の手法によって、領
域E2,E3のコンタクト層411をエッチング除去
し、領域E2,E3以外にp側電極413を形成する。
次に、基板401の裏面にn側オーミック電極414を
形成する。次に、へき開により、図25,図26,図2
7の半導体レーザ素子を作製することができる。
【0113】この実施例4のGaAsP基板401に
は、(001)面から[110]方向への傾斜角度が小
さいものを用いた。傾斜角度は2°とした。傾斜角度を
小さくすることによっても自然超格子が形成され易くな
る。傾斜角度の小さな基板上では丘状欠陥の発生が見ら
れる場合があるが、その場合には、Asを組成に含むA
lGaInAsP混晶またはAlInAsP混晶をクラ
ッド層,埋め込み層に用いると、丘状欠陥の発生を効果
的に抑制できる。この際のAs組成は1%程度でも十分
な効果が得られ、禁則帯幅,屈折率等への影響は無視で
きるものである。
【0114】実施例4の半導体レーザ素子は、領域E2
及び領域E3の活性層406の自然超格子が無秩序され
ることによって、活性層406の禁則帯幅が広くなり、
発振光の吸収を生じなくなる。このように、実施例4で
は、発振光に対して透明な領域の形成が量子サイズ効果
に依るものでないので、スポットサイズ変換領域部の活
性層厚さに関係無く電極413を除去することができ
る。また、無秩序化領域と電極除去領域は、リソグラフ
ィーなどにより高精度に位置決めできる。従って、領域
E2の全ての電極413を除去することが可能で、動作
電流を更に低減させることができる。実施例4の半導体
レーザ素子では、ビーム形状が真円に近く、更に動作電
流を大幅に低減することができる。
【0115】実施例5 図28は本発明の実施例5の半導体レーザアレイを示す
図である。また、図29は図28の半導体レーザアレイ
の導波領域の選択成長の際に用いるSiO2マスク51
7の形状を示す図である。なお、図28は作製後の半導
体レーザアレイの断面図(図29のB−B’線での断面
に対応している図)である。この半導体レーザアレイ
は、実屈折率導波型半導体レーザアレイとして構成され
ており、実施例2の半導体レーザ素子を2個、モノリシ
ックにアレイ化したものとなっている。
【0116】すなわち、図28を参照すると、この実施
例5の半導体レーザアレイは、n−GaAsP基板50
1上に、素子部として、n−GaAsPバッファー層5
02,第1のn−AlGaInPクラッド層503,n
−GaAsPエッチング停止層504,第2のn−Al
GaInPクラッド層518,アンドープGaInP光
導波層505,アンドープGaInAsP活性層50
6,アンドープGaInP光導波層507,第1のp−
AlGaInPクラッド層508,第2のp−AlGa
InPクラッド層519,p−GaInPヘテロスパイ
ク緩衝層510,p−GaAsPコンタクト層511が
順次に積層されている。
【0117】ここで、第1のp−AlGaInPクラッ
ド層508から第2のn−AlGaInPクラッド層5
18までがリッジストライプ(電流狭窄構造)として形
成されている。そして、リッジストライプ(電流狭窄構
造)の側面は、p−AlInAsP埋め込み層515,
n−AlInAsP埋め込み層516によって埋め込ま
れている。また、p−GaAsPコンタクト層511上
には、p側電極513が形成され、また、基板501の
裏面には、n側電極514が形成されている。
【0118】図28の半導体レーザアレイの各半導体レ
ーザ素子は、実施例2と同様の方法,手順によって、G
aAsP基板501上に結晶成長を行なうことによって
作製される。
【0119】ここで、実施例5の選択成長マスク517
は、例えばレーザ発振領域の開口幅が20μmであり、
スポットサイズ変換領域の最も広い開口幅が90μmで
ある。更にストライプは120μmピッチで配置されて
いる。
【0120】実施例5のモノリシックレーザアレイで
は、実施例1乃至実施例4と同様に、発振閾値電流が小
さく、ビーム形状が真円に近い。また、発振閾値電流が
小さいので、素子発熱,熱干渉が少なく、アレイにした
場合の特性は良好である。
【0121】実施例6 図30は本発明の実施例6の半導体レーザアレイを示す
図である。また、図31は図30の半導体レーザアレイ
の導波領域の選択成長の際に用いるSiO2マスク61
7の形状を示す図である。なお、図30は作製後の半導
体レーザアレイの断面図(図31のB−B’線での断面
に対応している図)である。この半導体レーザアレイ
は、実屈折率導波型半導体レーザアレイとして構成され
ている。
【0122】すなわち、図30を参照すると、この実施
例6の半導体レーザアレイは、n−GaAsP基板60
1上に、素子部として、n−GaAsPバッファー層6
02,第1のn−AlGaInPクラッド層603,n
−GaAsPエッチング停止層604,第2のn−Al
GaInPクラッド層618,アンドープGaInP光
導波層605,アンドープGaInAsP活性層60
6,アンドープGaInP光導波層607,第1のp−
AlGaInPクラッド層608,第2のp−AlGa
InPクラッド層619,p−GaInPヘテロスパイ
ク緩衝層610,p−GaAsPコンタクト層611が
順次に積層されている。
【0123】ここで、第1のp−AlGaInPクラッ
ド層608から第2のn−AlGaInPクラッド層6
18までがリッジストライプ(電流狭窄構造)として形
成されている。そして、リッジストライプ(電流狭窄構
造)の側面は、p−AlInAsP埋め込み層615,
n−AlInAsP埋め込み層616によって埋め込ま
れている。また、p−GaAsPコンタクト層611上
には、p側電極613が形成され、また、基板601の
裏面には、n側電極614が形成されている。
【0124】図30の半導体レーザアレイの各半導体レ
ーザ素子は、実施例3と同様の方法,手順によって、G
aAsP基板601上に結晶成長を行なうことによって
作製される。
【0125】ここで、実施例6の選択成長マスク617
は、開口のピッチが120μmである。また、この実施
例6の選択成長マスク617の開口幅は、開口毎に異な
る値に設定されており、結晶成長される量子井戸活性層
の厚さが異なる。選択成長マスク617の幅が厚いもの
程、成長される膜厚が厚く、発振波長は長波となる。
【0126】実施例6のモノリシックレーザアレイは、
多波長で発振し、実施例1乃至実施例4と同様に、発振
閾値電流が小さく、ビーム形状が真円に近い。また、発
振閾値電流が小さいので、素子発熱,熱干渉が少なく、
アレイにした場合の特性は良好である。
【0127】なお、上述した各実施例1〜6のクラッド
層にはAlGaInP混晶を用いているが、光導波層と
の大きな屈折率差を得るために、AlInPクラッド層
を用いても良い。また波長も650nm以外のものであ
っても良い。
【0128】実施例7 図32は本発明の実施例7としての並列光伝送モジュー
ルを示す図である。図32を参照すると、この光伝送モ
ジュールは、Si基板1上に、前述した本発明の半導体
レーザアレイ5と、ヒートシンク2と、半導体レーザア
レイ5の各半導体レーザ素子のそれぞれに対応してマイ
クロレンズを備えたプレーナーマイクロレンズアレイ4
と、光ファイバアレイ3とが設けられている。
【0129】ここで、光ファイバアレイ3の各ファイバ
には、発振波長650nmのレーザ光源に対しては、P
MMAの材料等によるプラスティックオプティカルファ
イバ(POF)を用いることができる。
【0130】このような構成の並列光伝送モジュールで
は、半導体レーザアレイ5からの光は、プレーナーマイ
クロレンズアレイ4によって集光され、光ファイバアレ
イ3に導かれて、伝送される。
【0131】図32の並列光伝送モジュールを用いた光
通信システムあるいは光インターコネクションシステム
は、並列光伝送により、高速通信が可能である。また、
並列光伝送モジュールに用いられている半導体レーザア
レイ5の各半導体レーザ素子は、発振閾値電流,消費電
力が小さい。また、ビーム形状が真円に近いことから、
出射されるビームを効率良く光ファイバへ導くことがで
き、結合損失を少なくすることができる。また、発振閾
値電流が低いことから、素子発熱,相互熱干渉が小さ
く、素子特性の変化は少ない。このように、本発明の半
導体レーザアレイを光源に用いることにより、低消費電
力で信頼性の高い並列光伝送モジュールを得ることがで
きる。
【0132】また、半導体レーザアレイに多波長モノリ
シックレーザアレイを用いた場合は、回折格子等の分波
(合波)装置を用いることで、一本のファイバに波長の
異なる複数の光を導く波長多重通信モジュールを得るこ
とができる。このモジュールを用いた場合も、多重通信
により、高速通信が可能である。
【0133】また、この実施例7ではアレイを用いた例
を示したが、ストライプ毎にへき開された本発明の半導
体レーザ素子を用いて、システムを形成しても良い。
【0134】実施例8 図33は本発明の実施例8としての光ピックアップシス
テムを示す図である。より詳細に、図33は光ディスク
システムピックアップの概略を示す図であり、図33を
参照すると、この光ピックアップシステムは、光源とし
ての本発明の半導体レーザ素子11と、回折格子12
と、レンズ13と、ビームスプリッタ14と、光検出器
15と、トラック追随鏡16と、絞り込みレンズ17
と、光ディスク18とを備えている。
【0135】従来、レーザビームはレンズに集光する前
にシリンドリカルレンズによりビーム整形を行う必要が
あったが、実施例8の光ピックアップシステムでは、レ
ーザビーム形状が真円に近いことから、シリンドリカル
レンズを介さずにレンズで集光することが可能となる。
これによって、部品点数及びコストが低減でき、信頼性
の高いシステムを構成することができる。また、発振閾
値電流が小さいことで高出力動作が可能であり、更にビ
ームの利用効率が高いことから書き込み光源としても適
している。
【0136】また、本発明の半導体レーザアレイ(モノ
リシックレーザアレイ)をピックアップの光源として用
いたマルチビーム光ピックアップでは、上記の効果に加
えて、データの記録,読み出し時間を高速化することが
できる。また、素子間の熱干渉が少ないことから、シス
テムの信頼性も高い。
【0137】実施例9 図34は本発明の実施例9としての電子写真システムの
書き込み系を示す図である。図34を参照すると、この
電子写真システムは、光源としての本発明の半導体レー
ザ素子21と、集光レンズ22と、ポリゴンミラー23
と、f−θレンズ24と、シリンドリカルレンズ25
と、折り返しミラー26と、感光ドラム27とを有して
いる。
【0138】従来、半導体レーザからの光は、シリンド
リカルレンズ22もしくはアパーチャー(図示せず)に
よってビーム成形を行う必要があったが、実施例9の電
子写真システムでは、半導体レーザ素子21のビーム形
状が真円に近いことから、アパーチャーまたはシリンド
リカルレンズを介さずに、直接、レンズで集光すること
が可能となる。これにより、部品点数,コストを削減で
き、システムの信頼性が向上する。また、本発明の半導
体レーザ素子21は、発振閾値電流が低く、ビーム利用
効率が高いことから、低消費電力光源として電子写真シ
ステムに好適な光源である。
【0139】また、本発明の半導体レーザアレイ(モノ
リシックレーザアレイ)を光源に用いる場合には、上記
の効果に加えて、同時に多数のラインが走査できるの
で、高速書き込みが可能な電子写真システムを構築でき
る。
【0140】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項5記載の発明によれば、GaAsとGaPとの間の
格子定数を有する(Alx1Ga1-x1y1In1-y1Asz1
1-z1(0≦x1≦1、0.5<y1≦1、0≦z1<
1)クラッド層と、共振器端面に対して垂直方向に伸び
るストライプ状またはテーパストライプ状のGay2In
1-y2Asz21-z2(0<y2≦1、0≦z2<1)活性
層と、光導波層とを有する端面発光型半導体レーザ素子
であって、共振器端面部にスポットサイズ変換領域が設
けられているので、発振閾値電流が小さく、高い特性温
度をもち、ビーム品質が良く、放射ビーム形状が真円に
近い半導体レーザ素子を提供することができる。
【0141】特に、請求項2記載の発明によれば、請求
項1記載の半導体レーザ素子において、前記光導波層
は、活性層の材料よりも禁則帯幅の広いGay3In1-y3
Asz31-z3(0<y3≦1、0≦z3<1)混晶半導
体で形成されているので、発振閾値電流をさらに低減す
ることができる。
【0142】また、請求項3記載の発明によれば、請求
項1または請求項2記載の半導体レーザ素子において、
スポットサイズ変換領域は、少なくとも光導波層の厚さ
をストライプ状発振領域から共振器端面部に向かって薄
くすることで形成されているので、スポットサイズ変換
効率の高い半導体レーザ素子が容易に得られる。
【0143】また、請求項4記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の半導体レーザ
素子において、活性層は、単一量子井戸構造または多重
量子井戸構造であり、さらに、スポットサイズ変換領域
上の一部の半導体コンタクト層および電極が除去されて
いるので、素子の動作電流を低減することができる。
【0144】また、請求項5記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の半導体レーザ
素子において、活性層は、スポットサイズ変換領域以外
では自然超格子構造として形成され、スポットサイズ変
換領域では自然超格子構造が選択的に無秩序化されたも
のとなっており、さらに、スポットサイズ変換領域上の
一部の半導体コンタクト層および電極が除去されている
ので、素子の動作電流を低減することができる。
【0145】また、請求項6記載の発明によれば、Ga
AsとGaPとの間の格子定数を有する(Alx1Ga
1-x1y1In1-y1Asz11-z1(0≦x1≦1、0.5
<y1≦1、0≦z1<1)クラッド層と、共振器端面
に対して垂直方向に伸びるストライプ状またはテーパス
トライプ状のGay2In1-y2Asz21-z2(0<y2≦
1、0≦z2<1)活性層と、光導波層とを有し、共振
器端面部にスポットサイズ変換領域が設けられている端
面発光型半導体レーザ素子の作製方法であって、誘電体
マスクを用いた選択成長法によって、前記クラッド層,
光導波層および活性層からなる導波路構造の結晶成長を
行なうので、半導体レーザ素子を簡便に作製することが
できる。
【0146】また、請求項7記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ
素子を複数個有し、複数個の半導体レーザ素子がモノリ
シックに形成されているので、発振閾値電流が低く、放
射ビーム形状が真円に近い赤色モノリシックレーザアレ
イを提供することができる。
【0147】また、請求項8記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ
素子、または、請求項7記載の半導体レーザアレイが光
源として用いられるので、消費電力が小さく、信頼性の
高い光通信システムを提供することができる。
【0148】また、請求項9記載の発明によれば、請求
項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レーザ
素子、または、請求項7記載の半導体レーザアレイが光
源として用いられるので、消費電力が小さく、信頼性の
高い光通信システムを提供することができる。
【0149】また、請求項10記載の発明によれば、請
求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レー
ザ素子、または、請求項7記載の半導体レーザアレイが
光源として用いられるので、消費電力が小さく、信頼性
の高い光ピックアップシステムを提供することができ
る。
【0150】また、請求項11記載の発明によれば、請
求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の半導体レー
ザ素子、または、請求項7記載の半導体レーザアレイが
光源として用いられるので、消費電力が小さく、信頼性
の高い電子写真システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第2の従来技術の半導体レーザ素子を示す図で
ある。
【図2】第2の従来技術の半導体レーザ素子を示す図で
ある。
【図3】第2の従来技術の半導体レーザ素子を示す図で
ある。
【図4】図1乃至図3の半導体レーザ素子の作製方法を
説明するための図である。
【図5】図1乃至図3の半導体レーザ素子の作製方法を
説明するための図である。
【図6】図1乃至図3の半導体レーザ素子の作製方法を
説明するための図である。
【図7】GaAs基板に格子整合するAlGaInP
(GaAsからの格子不整度ε=0%)と、GaAsと
GaPとのちょうど中間の格子定数を持つAlGaIn
P(GaAsからの格子不整度ε=−1.7%)のAl
InP組成の変化に対する屈折率の見積もり値を示す図
である。
【図8】GaAsの格子定数を持った素子(ε=0%)
と、GaAsとGεaPとの中間の格子定数を持った素
子(ε=−1.7%)に関して、AlInPをクラッド
層、AlInP組成0.5のAlGaInPを光導波層
として、発振波長650nmを有する厚さ15nmの活
性層を持つ構造の光閉じ込め係数を見積もった図であ
る。
【図9】GaAsとGaPのちょうど中間の格子定数
(GaAsからの格子不整度ε=−1.7%)を有する
素子について、AlInPをクラッド層、AlInP組
成0.5のAlGaInPを光導波層とした、波長65
0nmの厚さ15nmの活性層を持つ構造(ε=−1.
7%A)と、GaAsとGaPのちょうど中間の格子定
数(GaAsからの格子不整度ε=−1.7%)を有す
る素子について、AlInPをクラッド層、GaInP
を光導波層とした、波長650nmの厚さ15nmの活
性層を持つ構造(ε=−1.7%B)と、GaAs基板
上(ε=0%)で、AlInPをクラッド層、AlIn
P組成0.5のAlGaInPを光導波層とした構造
(ε=0%)とについて、活性層への光閉じ込め係数を
見積もった結果を示す図である。
【図10】本発明の実施例1の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図11】本発明の実施例1の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図12】本発明の実施例1の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図13】図10乃至図12の半導体レーザ素子の作製
工程を説明するための図である。
【図14】図10乃至図12の半導体レーザ素子の作製
工程を説明するための図である。
【図15】図10乃至図12の半導体レーザ素子の作製
工程を説明するための図である。
【図16】本発明の実施例2の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図17】本発明の実施例2の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図18】本発明の実施例2の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図19】図10乃至図12の半導体レーザ素子の作製
工程を説明するための図である。
【図20】図10乃至図12の半導体レーザ素子の作製
工程を説明するための図である。
【図21】図10乃至図12の半導体レーザ素子の作製
工程を説明するための図である。
【図22】本発明の実施例3の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図23】本発明の実施例3の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図24】本発明の実施例3の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図25】本発明の実施例4の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図26】本発明の実施例4の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図27】本発明の実施例4の半導体レーザ素子を示す
図である。
【図28】本発明の実施例5の半導体レーザアレイを示
す図である。
【図29】図28の半導体レーザアレイの導波領域の選
択成長の際に用いるSiO2マスクの形状を示す図であ
る。
【図30】本発明の実施例6の半導体レーザアレイを示
す図である。
【図31】図30の半導体レーザアレイの導波領域の選
択成長の際に用いるSiO2マスクの形状を示す図であ
る。
【図32】本発明の実施例7としての並列光伝送モジュ
ールを示す図である。
【図33】本発明の実施例8としての光ピックアップシ
ステムを示す図である。
【図34】本発明の実施例9としての電子写真システム
の書き込み系を示す図である。
【符号の説明】
101 n−GaAsP基板 102 n−GaAsPバッファー層 103 第1のn−AlGaInPクラッド層 104 n−GaAsPエッチング停止層 118 第2のn−AlGaInPクラッド層 105 アンドープAlGaInP光導波層 106 アンドープGaInAsP活性層 107 アンドープAlGaInP光導波層 108 第1のp−AlGaInPクラッド層 109 p−GaAsPエッチング停止層 119 第2のp−AlGaInPクラッド層 110 p−GaInPヘテロスパイク緩衝層 111 p−GaAsPコンタクト層 112 SiO2絶縁層 113 p側オーミック電極 114 n側オーミック電極 117 SiO2選択成長マスク 120 レジストマスク 201 n−GaAsP基板 202 n−GaAsPバッファー層 203 第1のn−AlGaInPクラッド層 204 n−GaAsPエッチング停止層 218 第2のn−AlGaInPクラッド層 205 アンドープGaInP光導波層 206 アンドープGaInAsP活性層 207 アンドープGaInP光導波層 208 第1のp−AlGaInPクラッド層 219 第2のp−AlGaInPクラッド層 210 p−GaInPヘテロスパイク緩衝層 211 p−GaAsPコンタクト層 215 p−AlInP埋め込み層 216 n−AlInP埋め込み層 213 p側オーミック電極 214 n側オーミック電極 220 SiO2マスク 301 n−GaAs基板 317 GaAsP格子緩和層 302 n−GaAsPバッファー層 303 第1のn−AlGaInPクラッド層 304 n−GaAsPエッチング停止層 318 第2のn−AlGaInPクラッド層 305 アンドープGaInP光導波層 306 アンドープGaInAsP量子井戸活
性層 307 アンドープGaInP光導波層 308 第1のp−AlGaInPクラッド層 319 第2のp−AlGaInPクラッド層 310 p−GaInPヘテロスパイク緩衝層 311 p−GaAsPコンタクト層 315 p−AlInP埋め込み層 316 n−AlInP埋め込み層 313 p側電極 314 n側電極 401 n−GaAsP基板 402 n−GaAsPバッファー層 403 第1のn−AlGaInAsPクラッ
ド層 404 n−GaAsPエッチング停止層 418 第2のn−AlGaInAsPクラッ
ド層 405 アンドープGaInP光導波層 406 アンドープGaInAsP活性層 407 アンドープGaInP光導波層 408 第1のp−AlGaInAsPクラッ
ド層 419 第2のp−AlGaInAsPクラッ
ド層 410 p−GaInPヘテロスパイク緩衝層 411 p−GaAsPコンタクト層 415 p−AlInP埋め込み層 416 n−AlInP埋め込み層 413 p側電極 414 n側電極 501 n−GaAsP基板 502 n−GaAsPバッファー層 503 第1のn−AlGaInPクラッド層 504 n−GaAsPエッチング停止層 518 第2のn−AlGaInPクラッド層 505 アンドープGaInP光導波層 506 アンドープGaInAsP活性層 507 アンドープGaInP光導波層 508 第1のp−AlGaInPクラッド層 519 第2のp−AlGaInPクラッド層 510 p−GaInPヘテロスパイク緩衝層 511 p−GaAsPコンタクト層 513 p側電極 514 n側電極 515 p−AlInAsP埋め込み層 516 n−AlInAsP埋め込み層 517 選択成長マスク 601 n−GaAsP基板 602 n−GaAsPバッファー層 603 第1のn−AlGaInPクラッド層 604 n−GaAsPエッチング停止層 618 第2のn−AlGaInPクラッド層 605 アンドープGaInP光導波層 606 アンドープGaInAsP活性層 607 アンドープGaInP光導波層 608 第1のp−AlGaInPクラッド層 619 第2のp−AlGaInPクラッド層 610 p−GaInPヘテロスパイク緩衝層 611 p−GaAsPコンタクト層 613 p側電極 614 n側電極 615 p−AlInAsP埋め込み層 616 n−AlInAsP埋め込み層 617 選択成長マスク 1 Si基板 5 半導体レーザアレイ 2 ヒートシンク 4 プレーナーマイクロレンズアレイ 3 光ファイバアレイ 11 半導体レーザ素子 12 回折格子 13 レンズ 14 ビームスプリッタ 15 光検出器 16 トラック追随鏡 17 絞り込みレンズ 18 光ディスク 21 半導体レーザ素子 22 集光レンズ 23 ポリゴンミラー 24 f−θレンズ 25 シリンドリカルレンズ 26 折り返しミラー 27 感光ドラム
フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA04 AA43 BA01 FA05 FA17 NA04 5F073 AA13 AA53 AA73 AA74 AB04 AB27 AB28 AB29 BA01 BA04 CA20 CB02 DA05 EA18 EA23 FA13

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAsとGaPとの間の格子定数を有
    する(Alx1Ga1- x1y1In1-y1Asz11-z1(0≦
    x1≦1、0.5<y1≦1、0≦z1<1)クラッド
    層と、共振器端面に対して垂直方向に伸びるストライプ
    状またはテーパストライプ状のGay2In1-y2Asz2
    1-z2(0<y2≦1、0≦z2<1)活性層と、光導波
    層とを有する端面発光型半導体レーザ素子であって、共
    振器端面部にスポットサイズ変換領域が設けられている
    ことを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ素子におい
    て、前記光導波層は、活性層の材料よりも禁則帯幅の広
    いGay3In1-y3Asz31-z3(0<y3≦1、0≦z
    3<1)混晶半導体で形成されていることを特徴とする
    半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の半導体レ
    ーザ素子において、スポットサイズ変換領域は、少なく
    とも光導波層の厚さをストライプ状発振領域から共振器
    端面部に向かって薄くすることで形成されていることを
    特徴とする半導体レーザ素子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載の半導体レーザ素子において、活性層は、単一量子
    井戸構造または多重量子井戸構造であり、さらに、スポ
    ットサイズ変換領域上の一部の半導体コンタクト層およ
    び電極が除去されていることを特徴とする半導体レーザ
    素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に
    記載の半導体レーザ素子において、活性層は、スポット
    サイズ変換領域以外では自然超格子構造として形成さ
    れ、スポットサイズ変換領域では自然超格子構造が選択
    的に無秩序化されたものとなっており、さらに、スポッ
    トサイズ変換領域上の一部の半導体コンタクト層および
    電極が除去されていることを特徴とする半導体レーザ素
    子。
  6. 【請求項6】 GaAsとGaPとの間の格子定数を有
    する(Alx1Ga1- x1y1In1-y1Asz11-z1(0≦
    x1≦1、0.5<y1≦1、0≦z1<1)クラッド
    層と、共振器端面に対して垂直方向に伸びるストライプ
    状またはテーパストライプ状のGay2In1-y2Asz2
    1-z2(0<y2≦1、0≦z2<1)活性層と、光導波
    層とを有し、共振器端面部にスポットサイズ変換領域が
    設けられている端面発光型半導体レーザ素子の作製方法
    であって、誘電体マスクを用いた選択成長法によって、
    前記クラッド層,光導波層および活性層からなる導波路
    構造の結晶成長を行なうことを特徴とする半導体レーザ
    素子の作製方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の半導体レーザ素子を複数個有し、複数個の半導体
    レーザ素子がモノリシックに形成されていることを特徴
    とする半導体レーザアレイ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の半導体レーザ素子、または、請求項7記載の半導
    体レーザアレイが光源として用いられることを特徴とす
    る光通信システム。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に
    記載の半導体レーザ素子、または、請求項7記載の半導
    体レーザアレイが光源として用いられるこを特徴とする
    光インターコネクションシステム。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項
    に記載の半導体レーザ素子、または、請求項7記載の半
    導体レーザアレイが光源として用いられることを特徴と
    する光ピックアップシステム。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項
    に記載の半導体レーザ素子、または、請求項7記載の半
    導体レーザアレイが光源として用いられることを特徴と
    する電子写真システム。
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