JP2002076512A - 半導体レーザ装置及び光システム装置 - Google Patents

半導体レーザ装置及び光システム装置

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JP2002076512A
JP2002076512A JP2000268345A JP2000268345A JP2002076512A JP 2002076512 A JP2002076512 A JP 2002076512A JP 2000268345 A JP2000268345 A JP 2000268345A JP 2000268345 A JP2000268345 A JP 2000268345A JP 2002076512 A JP2002076512 A JP 2002076512A
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waveguide
laser light
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JP2000268345A
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Toshiaki Tanaka
俊明 田中
Makoto Takahashi
誠 高橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力で駆動できる半導体レーザ装置の
提供。レーザ光の円形ビーム状化を図る。 【解決手段】 半導体基板に設けた光導波路の端からレ
ーザ光を出射する半導体レーザ装置であって、前記光導
波路は、光学利得を発生してレーザ発振を行う利得発生
領域と、前記利得発生領域に連なり前記利得発生領域で
発生したレーザ光の横モードを基本横モードとするとと
もに前記レーザ光を円形ビーム状に変換制御するモード
変換領域と、前記モード変換領域に連なり前記モード変
換領域によって制御されたレーザ光を安定に伝搬させる
ビーム形状制御領域とで構成され、前記ビーム形状制御
領域の端のレーザ光出射部分は光吸収を低減することの
できる窓構造になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ装置
及び前記半導体レーザ装置を搭載した光情報処理装置或
いは光通信装置等の光システム装置に係わり、特に光導
波路(以下単に導波路とも呼称)の構造に関し、例え
ば、光信号処理を行うために出射面から出射するレーザ
光のビーム形状を円形状に近づける技術に適用して重要
な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体発光装置、特に半導体レー
ザ素子(半導体レーザ装置)では、高性能化に対して導
波路に対する様々な試みがなされている。しかしなが
ら、信頼度が高く精度よく制御された技術により、完成
度の高い製品レベルに達している導波路素子構造につい
ての例は少ない。
【0003】これまで例えばレーザ光源のビーム形状を
円形状にして、光信号処理を行うための装置において、
光学系を簡略化することや光ファイバとのカップリング
効率を向上させることが試みられている。このために、
狭い導波路を段差基板上に作製して、ビーム形状を円形
状に近づける検討がなされている。
【0004】この例としては、(1)アプライド・フィ
ジックス・レタース1993年63巻pp.1736-1738頁(Appl. P
hys. Lett. 1993, vol.63, pp1736-1738) 、(2)エレ
クトロニクス・レタース1998年34巻6号551-552 頁(Ele
ctron.Lett. 1998, vol.34,No.6, pp.551-552) におい
て示されている。
【0005】また、半導体レーザ装置において、レーザ
光出射部分での光吸収の低減を図る技術として、例え
ば、アイ・イー・イー・イー,ジャーナル・オブ・クゥ
オンタム・エレクトロニクス(IEEE JOURNAL OF QUANTU
M ELECTRONICS ),VOL.29,No.6,JUNE 1993,PP1874-187
8 には、光吸収を低減する窓構造(Window Laser Diod
e)が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記文献に記載されて
いる例では、ストライプ幅が1.1μmの非常に狭い導
波路において、縦横レーザビーム光分布の比が1に近い
円形状となっていることが報告されている。しかしなが
ら、狭い導波路であることに影響して10mWを超える
安定した高出力特性は得られておらず、高温側での光出
力飽和が容易に生じやすいといった課題があった。
【0007】本発明の目的は、レーザ光を円形状のビー
ムとし、かつ低閾値高効率動作を図り、さらには高出力
安定動作と高温側での出力飽和レベルの向上を達成でき
る半導体レーザ装置を提供することにある。
【0008】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになる
であろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0010】(1)半導体基板に設けた光導波路の端か
らレーザ光を出射する半導体レーザ装置であって、前記
光導波路は、光学利得を大きく発生して高出力まで安定
したレーザ発振を行う利得発生領域と、前記利得発生領
域に連なり前記利得発生領域で発生したレーザ光の横モ
ードを基本横モードとするとともに前記レーザ光を円形
ビーム状に変換制御するモード変換領域と、前記モード
変換領域に連なり前記モード変換領域によって制御され
たレーザ光を安定に伝搬させるビーム形状制御領域とで
構成され、前記ビーム形状制御領域の端のレーザ光出射
部分は光吸収を低減することのできる窓構造になってい
る。
【0011】これにより、レーザ光を円形状のビームと
することができるとともに、低閾値高効率動作が図れ、
さらには高出力安定動作と高温側での出力飽和レベルの
向上を達成することができる。
【0012】また、光情報処理装置や光通信装置等の光
システム装置に、光源として前記構成の半導体レーザ装
置を組み込んだ場合、光学系の簡略化や光ファイバカッ
プリング効率の向上が図れるとともに低消費電力化が達
成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態及び実施例について説明する。なお、発明の実
施の形態や実施例を説明するための全図において、同一
機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説
明は省略する。
【0014】(実施形態1)本実施形態1では、光通信
装置や光情報処理装置のシステム装置において、光源で
ある半導体レーザ素子に望まれる素子特性の仕様を満足
する手法について述べる。レーザ素子の特性では、高出
力特性を確保しつつ、光学系の簡略化や光ファイバとの
カップリング効率向上、レーザ光の有効使用効率の向上
等を図るために、レーザビーム形状を円形状に制御する
導波路構造の工夫が必要となる。低閾値高効率動作や低
動作電流及び低動作電圧により消費電力を低減し、高温
度特性及び高信頼性を確保した上に、上記の高出力特性
やビーム形状制御を両立させることが重要であり、本発
明ではこれらの素子特性を両立させていく解決策につい
て示す。
【0015】本実施形態1の半導体レーザ装置では、半
導体レーザ素子90を構成する半導体基板91上に設け
る導波路(導波路領域)92の構成を複合化して、それ
ぞれの領域において、必要とされる機能を分担して持た
せることにより要求仕様に対応させる。
【0016】本実施形態1の複合導波路構造では、少な
くとも以下の3つの導波路領域に分割して、それぞれ機
能を持たせる。1つには光学利得を大きく発生して高出
力まで安定にレーザ発振を維持させる利得領域の導波路
I(利得領域I)と、2つには該利得領域にて発生した
レーザ光の横モードを基本横モードに安定に保ったまま
円形状のビームに変換制御するモード変換領域の導波路
II(モード変換領域II)と、さらに3つめとして該モー
ド変換領域によってビーム形状制御されたレーザ光を安
定に伝搬させるビーム形状制御領域の導波路III(ビー
ム形状制御領域III)とを有する。
【0017】また、本実施形態1の半導体レーザ装置で
は前記安定伝搬用導波路の端のレーザ光出射部分は光吸
収を低減することのできる窓構造による透明導波路にな
っている。即ち、導波路92は半導体基板91上に設け
られる活性層95や該活性層95の上下に設けられる相
互に導電型が異なる光導波層94,96等によって形成
される。そこで、該活性層95及び光導波層94,96
を含む部分に不純物を選択的に拡散して不純物拡散窓構
造領域98を形成して窓構造を形成している。窓構造部
分では、光吸収を抑制し端面破壊により光出力が制限さ
れない構造となる。
【0018】本実施形態による導波路構成に関して、ま
ず図1を用いて説明する。図1に示す利得領域の導波路
I(利得領域I)では、高出力特性に対応するため、利
得を大きく発生させ光出力を大きくする構成として導波
路ストライプ幅を横モードが不安定にならない範囲で広
く設定する。
【0019】モード変換領域の導波路II(モード変換領
域II)では、テーパ状に導波路ストライプ幅を狭くして
いき、横モードの分布を制御して円形状にビームを調整
する。
【0020】出射端面近傍では不純物拡散やイオン打ち
込みによって透明窓構造(不純物拡散窓構造領域98)
を設定し、ストライプ幅の狭い領域において光密度が大
きくなっても端面破壊が生じないように透明領域導波路
を構成し、レーザ光ビームが出射面に到達し高い光出力
が発生できるようにする。
【0021】次に、本内容の導波路を伝搬するレーザ光
の分布を制御するための設計指針を議論する。出射面で
のレーザ光の遠視野像分布は円形状に近いことが望まし
く、導波路の各パラメータによりビームを制御するため
に具体的な数値を設定することにより説明する。導波路
を伝搬するレーザ光分布をビーム伝搬法によって計算
し、水平垂直の遠視野像半値幅や水平垂直分布のアスペ
クト比及びレーザ光分布の入射反射光強度比を求めて、
比較検討を行った。
【0022】図2は本内容の導波路(導波路領域)92
を上面から見た概略を示すが、モード変換領域の長さを
L1とし、ビーム形状制御領域の透明導波路の長さをL2
して、また前面出射面のストライプ幅をWfとし、後面出
射面のストライプ幅をWrとする。
【0023】図3では、レーザ光分布の入射反射光強度
比を求める説明をする。入射光は、利得領域Iにおいて
発生した導波光分布関数Ψi(x)がモード変換領域IIを通
って分布関数が変換されビーム形状制御領域III の共振
器面より出射するものとされる。
【0024】仮想的に、鏡像関係にある導波路を図3の
点線で示すように設けて、導波光が領域III の共振器面
から出射し連続して伝搬していくように想定する。この
ようにすると、実際は領域III の共振器面で反射して戻
ってくる導波光の分布形状や反射光の分布を入射光分布
と重ね合わせて入射反射光強度比を求めることが容易に
なる。この際、反射光の分布は、仮想的な領域III ’を
通って仮想的なモード変換領域II' において変換され領
域I' における導波光の分布関数Ψr(x)として想定され
る。入射反射光強度比Crは、入射光の分布関数Ψi(x)と
反射光の分布関数Ψr(x)の重ね合わせΨi(x)Ψr(x)を積
分して2乗した絶対値に対して、分布関数Ψi(x)の絶対
値の2乗即ち|Ψi(x)|2の積分値及び分布関数Ψr(x)
の絶対値の2乗即ち|Ψr(x)|2の積分値によって割っ
た値として求められる。
【0025】以上をもとにして、具体的な例として、上
面形状の図2に示した各導波路パラメータに対応する水
平垂直の遠視野像半値幅や水平垂直分布のアスペクト比
及びレーザ光分布の入射反射光強度比を見積ってみる。
例として、上面形状は図2であり、断面形状は図4、図
5及び図6に示した内容で、材料系はGaAs/AlGaAs 系や
GaInP/AlGaInP 系やGaInAs/GaInAsP系及びGaInAsP/InP
系に適用するものとする。
【0026】まず水平方向の遠視野像半値幅FFPhを前方
出射面のストライプ幅Wfに対応させて、その傾向につい
てビーム伝搬法によるビーム形状を計算することにより
求めた。図7に示す結果は、後方出射面のストライプ幅
Wrが4.0μm、モード変換領域の長さL1が20μm、
ビーム形状制御領域の長さL2が20μmの時に、FFPhと
Wfの関係を示した結果である。この傾向により、水平方
向の導波光分布を大きくするには前方出射面のストライ
プ幅を小さくし、3μmより小さくなると急激に増大す
ることが判る。FFPhの変化は、Wfを小さくしていくと、
3倍程度の増大が見て取れる。
【0027】図8では、同様な条件のもと、垂直方向の
遠視野像半値幅FFPvを前方出射面のストライプ幅Wfに対
応させて関係を求めた。Wfに対するFFPvの変化は小さく
約3度程度であることが判る。これにより、Wfを制御し
てFFPvを大きく変化させず、FFPhを10度以下から2倍
以上の15度以上の値にまで拡大できることが判明し
た。
【0028】次に図9では、垂直方向の遠視野像半値幅
FFPvと水平方向の遠視野像半値幅FFPhのアスペクト比を
Wfに対応させて求めた。Wfが3μm以下になると、アス
ペクト比は1.5以下にできることが見積られた。Wf
2μm強ではアスペクト比を1にでき、完全に真円状に
ビーム形を制御できることが判る。ここで、入射反射光
強度比Crの判定は、導波光の反射によるカップリング効
率を判定し、本内容のテーパ状導波路の伝搬効率やレー
ザ光の効率を見積っていく上で、非常に有力な判断基準
となる。
【0029】図10では、入射反射光強度比Crを前方出
射面のストライプ幅Wfに対応させて、CrとWfの関係を調
べた結果である。Wfが2μm以下になると急激にCrは減
少しており、反射光のカップリング効率が悪化している
ことが判る。Crを0.9以上に保てる有効な導波路とし
ては、Wfが約2.2μm以上である必要があり、Wfが4
μm以上ではCrは1に近い状況である。アスペクト比を
1.5以下とし、かつ入射反射光強度比Crを0.9以上
確保できる導波路賭しては、Wfを2.2μm以上3μm
以下の範囲が望ましい。
【0030】このようにして、各導波路パラメータに依
存する水平垂直の遠視野像半値幅や水平垂直分布のアス
ペクト比及びレーザ光分布の入射反射光強度比を判定し
ていくことにより、最適な導波路設計の指針を得ること
が可能である。
【0031】次に、例として、水平方向の遠視野像半値
幅FFPhを後方出射面のストライプ幅Wrに対応させて、そ
の傾向についてビーム伝搬法によるビーム形状を計算す
ることにより求めた。図11に示す結果は、前方出射面
のストライプ幅Wfが2.6μm、モード変換領域の長さ
L1が20μm、ビーム形状制御領域の長さL2が20μm
の時に、FFPhとWrの関係を示した結果である。
【0032】この傾向により、ストレートの場合よりも
後方出射面のストライプ幅Wrを広くしていき、5μm弱
まで拡げることにより、FFPhを大きくできることが判
る。後方出射面のストライプ幅Wrが前方出射面のストラ
イプ幅Wfより約2μm以上広いテーパ状導波路におい
て、最もFFPhを大きくできることが判明した。Wrを拡げ
ると、FFPhの変化は約50%の増大が見て取れる。図1
2では、同様な条件のもと、入射反射光強度比Crを後方
出射面のストライプ幅Wrに対応させて関係を求めた。
【0033】Wrに対するCrの変化はそれほど大きくない
が、Wrが5μm弱より大きくなると、Crは0.9よりも
小さくなる。これは、Wrを拡げ過ぎても入射光と反射光
のカップリング効率が悪くなることを示し、Wrが5μm
以上では導波路として効率の悪い伝搬となることを示唆
する。これにより、Wrを制御してFFPvを大きく変化させ
ず、FFPhを10度以上大きく保ち上限まで大きくするに
は、Wrを約4.6μm程度まで拡大できかつその程度の
範囲までCrを大きく低減せず0.9以上を確保すること
が可能であることが判明した。
【0034】さらに、例として、水平方向の遠視野像半
値幅FFPhをモード変換領域の長さL1に対応させて、その
傾向についてビーム伝搬法によるビーム形状を計算する
ことにより求めた。図13に示す結果は、前方出射面の
ストライプ幅Wfが2.6μm、後方出射面のストライプ
幅Wrが4.0μm、ビーム形状制御領域の長さL2が20
μmの時に、FFPhとL1の関係を示した結果である。この
傾向により、モード変換領域の長さL1は極端に短くても
また非常に長くても、FFPhの値を大きくできないことが
判る。L1は約5μmから約60μmの範囲において、FF
Phを15度以上に設定することができ、L1が10μmか
ら20μmの範囲でFFPhの最大値を得ることが可能であ
ることが判明した。
【0035】図14では、同様な条件のもと、入射反射
光強度比Crをモード変換領域の長さL1に対応させて関係
を求めた。Crは、L1が極端に短い場合を除いて0.9以
上の値を示し、比較的安定な導波路形状となっている。
L1を10μm以上とすることにより、Crは0.9以上を
確保できることが判る。これらにより、FFPhを大きく1
5度以上に確保するには、L1を10μmから60μmの
範囲に設定するのが望ましく、最適には10μm〜40
μm範囲が有効であることが見い出せる。
【0036】以上を総合して、モード変換領域を有する
テーパ状導波路形状の各導波路パラメータをビーム伝搬
法によって導波光の分布を見積っていくことにより、設
計指針を得ることができることを示し、かつ有力な設計
方針を取得できた。実際においても、図7や図9、図1
1及び図13における計算結果に近い実験結果を得るこ
とができ、本計算結果を支持する傾向を得ている。本手
法が有効であり、本手法による設計指針とそれに基づく
結果が有力であることを示すことができた。
【0037】また本素子の導波路構造において、モード
変換領域のテーパ状に設ける形状は、直線状或いは曲線
状とし、直線で利得領域とビーム形状制御領域透明導波
路とを結ぶか、或いは指数関数的に又はcosin hypabori
c 関数的に利得領域とビーム形状制御領域透明導波路と
を結ぶことにより構成されている。これらは要求される
素子特性の仕様やシステム装置の仕様により、目的に応
じてレーザ光の分布を滑らかに低損失で変換していき利
得領域とビーム形状制御領域透明導波路の間を安定に導
波伝搬できるようにすることが有効である。図15はモ
ード変換領域の導波路IIの縁が指数関数的に変化する例
である。このようなパターンにすることによって損失の
低減を直線的に変化する場合に比較して少なくすること
ができる。
【0038】本実施形態1の半導体レーザ素子は、モー
ド変換領域IIにおいて低損失で円形状のビーム光に変換
でき、かつ窓構造を有する透明導波路を通して高出力特
性が達成できるので、低閾値でかつ高効率のレーザ動作
が可能である。これに伴い、高出力時における動作電流
を低減できかつ動作電圧を低減できる。これらにより、
従来の手法に比べて、レーザ素子の高出力動作における
低消費電力化を実現でき、レーザ素子を駆動するドライ
バ装置の消費電力低減につなげることができる。
【0039】本実施形態1の導波路構造では、上記特性
改善により高出力安定動作が得られ、かつシステム装置
に必要な高出力時における動作電流を20〜30%低減
し、高出力時の動作電圧についても、10〜20%の改
善が可能であった。さらにレーザ素子を駆動するドライ
ブ装置では、本手法により25%から30%の低消費電
力を図ることが達成できた。本素子を光源とすることに
より、実際に使用される環境でのシステム実用特仕様を
すべて満足する光通信や光情報処理のシステム装置を提
供する。
【0040】次に本発明の実施例について以下に説明す
る。本発明は、光ピックアップ系を構成する光記録用光
源やシステム装置、あるいは光増幅器系を構成する光フ
ァイバ通信用信号増幅光源やシステム装置に対して適用
できる。また本半導体レーザ素子を組み込むことによっ
て、低消費電力で駆動するドライバ装置、低消費電力化
システム装置を提供することができる。
【0041】(実施例1)図1、図4、図5及び図6は
本実施例1による半導体レーザ素子の構造を示す図であ
る。図16(a),(b)〜図22(a),(b)は半
導体レーザ素子の製造における各製造工程で断面を示す
図である。図16(a),(b)〜図22(a),
(b)の各図において、左側の図(a)は端面部窓構造
領域を示し、右側の図(b)は半導体レーザ素子の中央
の導波路部分を示すものである。
【0042】半導体レーザ素子の構造については、製造
説明を行いつつ説明する。本実施例1の半導体レーザ素
子90は、図1に示すように、導波路(導波路領域)9
2は、利得領域Iと、この利得領域Iに連なるモード変
換領域II及びこのモード変換領域IIに連なるビーム形状
制御領域III とによって構成される複合導波路構造とな
っている。利得領域Iの一端はレーザ光を出射する出射
面となっている。また、レーザ光を出射するビーム形状
制御領域III の端の部分は不純物拡散窓構造領域98と
なっていて、光吸収を低減させて損失を抑止する構造に
なっている。
【0043】半導体レーザ素子90は、半導体基板91
の一面(主面)側にそれぞれ複数の半導体層を形成し、
それらの幾つかの層を加工して導波路(導波路領域)9
2を形成している。例えば、半導体基板91と同じ導電
型からなる光導波層94上に活性層95を形成し、その
上に逆導電型からなる光導波層96が形成され、この光
導波層96の上方の層によって導波路(導波路領域)9
2が形成されている。
【0044】次に、具体的な半導体レーザ素子90の素
子構造について、その製造に基づいて説明する。本実施
形態1では、図1に示すように、モード変換領域が片側
に1つで、片側前方出射面にのみテーパ状導波路を設け
た場合について説明する。
【0045】図16(a),(b)に示すように、(10
0) 面方位から[011] 方向に10°オフしたn型GaAs傾
角基板(半導体n型GaAs基板)1上に、n型GaAs緩和層
2、n型AlGaInP 光導波層3、圧縮歪GaInP 量子井戸層
3層と引張歪AlGaInP 量子障壁層4層及び両側の無歪Al
GaInP 光分離閉じ込め層からなる歪補償多重量子井戸構
造活性層4、p型AlGaInP 光導波層5、p型AlGaInP エ
ッチング停止層6までを順次有機金属気相成長(MOV
PE)法によりエピタキシャル成長させる。
【0046】次に、図16(a)に示すように、共振器
端面部のビーム形状制御に相当する領域に対して、イオ
ン打ち込みや不純物拡散による混晶化によって共振器内
部の活性層より共振器端面部の活性層の禁制帯幅が大き
くなるようにした窓構造領域7を形成し、レーザ光を吸
収しない透明窓導波路とする。
【0047】このとき、ホトリソグラフィーを利用し
て、図2における透明窓導波路の長さL2は、2μmから
100μmの範囲とし、望ましくは5μmから70μm
の範囲、最適には10μmから50μmの範囲として設
定する。
【0048】次に、図17(a),(b)に示すよう
に、p型AlGaInP 光導波層8、p型GaInP 層9を結晶成
長させる。その後、図18(a),(b)に示すよう
に、絶縁膜マスク100を形成した後、ホトリソグラフ
ィー工程とエッチングにより、層6に到るまで層9及び
8を除去することにより、断面形状は図4に示すメサ形
状であり、上面形状は図2に示すテーパ状の導波路とな
るリッジストライプを形成する。
【0049】次に、図19(a),(b)に示すよう
に、n型AlGaAs又はAlGaInP 透明電流狭窄層10を埋め
込み選択成長する。層10は、レーザ光のエネルギーよ
りも大きな禁制帯幅をもちかつ光導波層8よりも屈折率
の小さな半導体層からなる。これにより、リッジストラ
イプは屈折率導波構造を有し、活性層横方向において実
屈折率差のある屈折率導波構造が形成される。この先
は、共振器端面部のビーム形状制御領域とモード変換領
域及び利得領域において、同一の作製工程により断面形
状の異なる導波路が構成される。即ち、リッジストライ
プを形成したときの絶縁膜マスク100において、共振
器端面部のビーム形状制御領域とモード変換領域に相当
する長さまでをエッチング除去する。
【0050】次に、図20(a),(b)に示すよう
に、n型AlGaAs又はAlGaInP 電流非注入層11を選択成
長させる。その後、絶縁膜マスクをすべて取り除いて、
p型AlGaInP/GaInP 光導波層12及びp型GaAsコンタク
ト層13を結晶成長し埋め込む。
【0051】次に、図21(a),(b)に示すよう
に、電流狭窄を行う絶縁膜マスク14を形成する。
【0052】次に、p型GaAsコンタクト層13上にp側
電極15を形成するとともに、n型GaAs傾角基板1の裏
面側にn側電極16を蒸着し、劈開スクライブすること
により素子を切り出す。
【0053】これらの各処理加工により、図4に示す共
振器端面部のビーム形状制御領域かつ透明窓構造領域に
相当する構造断面と、図5に示すモード変換領域に相当
する構造断面と、図6に示す利得領域に相当する構造断
面を有する素子構造を得ることができる。
【0054】この際、電流非注入層11により、透明窓
構造領域とモード変換領域は電流注入がなされず利得を
発生しない領域となり、透明窓構造領域とモード変換領
域以外は電流が注入され利得の発生によりレーザ発振す
る利得領域となる。モード変換領域の長さは、0μmか
ら200μmの範囲とし、望ましくは5μmから120
μmの範囲、最適には10μmから60μmの範囲に設
定した。また、透明窓構造領域の導波路ストライプ幅は
1μmから20μmの範囲とし、望ましくは1.5μm
から10μmの範囲、最適には2μmから7μmの範囲
に設定した。
【0055】本素子は、発光活性層の量子井戸層の設計
により波長635〜690nm範囲で発振させることが
でき、最大光出力は150〜200mWを達成した。出
射端面部からの遠視野像半値幅を垂直方向15〜24度
と水平方向13〜18度とアスペクト比1.0から1.
5の範囲を得ることができ、円形状のビーム形状を達成
することができた。また、室温の閾値電流は20〜40
mA、スロープ効率は0.8〜1.2mW/mAを得る
ことができた。
【0056】本素子では、従来構造の素子に比べて、閾
値電流を20〜30%低減、スロープ効率を30〜40
%向上させた。動作電流の低減と併せて動作電圧の低減
を図ることができ、消費電力を20%から30%低減で
きた。温度80℃で少なくとも50mWの高出力安定動
作が可能であり、1万時間以上にわたって動作継続し
た。本手法を用いた複合導波路構造により、連続電流や
パルス電流による駆動時においても、光記録システムか
ら要求される光出力特性を満足することができ、本素子
を駆動するドライバ装置の消費電力を20%から30%
低減することが可能であった。本素子による低消費電力
駆動のドライバ装置を実現でき、本ドライブ装置を搭載
したシステム装置を提供できる。
【0057】(実施例2)本発明の実施例2について図
23を用いて説明をする。実施例1と同様に阻止を作成
するが、層6まで同様に結晶成長した後、イオン打ち込
みや不純物拡散によって窓構造を図23に示すように共
振器端面の両側に形成する。その後は、実施例1と全く
同様にして、素子を作製し図23の素子構造図を得る。
【0058】本実施例2によると、実施例1と同様に遠
視野像アスペクト比を1.0から1.5の範囲に設定で
き円形状のビーム形状を得ることができる上に、最大光
出力を向上させ250〜300mWにまで達成した。温
度80℃で少なくとも80mWの高出力安定動作が可能
であり、1万時間以上にわたって動作継続した。本手法
を用いた導波路構造により、連続電流やパルス電流によ
る駆動時においても、光記録システムから要求される光
出力特性を満足することができ、本素子を駆動するドラ
イバ装置の消費電力を20%から25%低減することが
可能であった。本素子による低消費電力駆動のドライバ
装置を実現でき、本ドライバ装置を搭載したシステム装
置を提供できる。
【0059】(実施例3)本発明の実施例3について、
図24を用いて説明する。本実施例3においても実施例
2と同様に素子を作製するが、層8や9を同様に結晶成
長した後、テーパ状の導波路ストライプを共振器両側領
域に形成する。窓構造領域は、イオン打ち込みや不純物
拡散によって図24に示すように共振器端面の両側に形
成する。その後は、実施例1や2と全く同様にして、素
子を作製し図24の素子構造図を得る。
【0060】本実施例によると、実施例1と同様に遠視
野像アスペクト比を1.0から1.5の範囲に設定でき
円形状のビーム形状を得ることができる上に、素子特性
は実施例2と同様なレベルを達成した。本手法を用いた
導波路構造により、連続電流やパルス電流による駆動時
においても、光記録システムから要求される光出力特性
を満足することができ、本素子を駆動するドライバ装置
の消費電力を20%から25%低減することが可能であ
った。本素子による低消費電力駆動のドライバ装置を実
現でき、本ドライバ装置を搭載したシステム装置を提供
できる。
【0061】(実施例4)本発明の実施例4について図
25を用いて説明する。実施例1と同様に素子を作製す
るが、層9まで同様に結晶成長した後、図25に示すよ
うに層9からイオン打ち込みや不純物拡散によって窓構
造を形成する。窓構造領域は実施例1のように共振器端
面部の片側に作製するか、実施例2や3のように共振器
端面部の両側に作製する。その後は、実施例1や2及び
3と全く同様にして、素子を作製し図25の素子構造断
面図を得る。
【0062】本実施例によると、実施例1や2及び3と
同様に遠視野像アスペクト比を1.0から1.5の範囲
に設定でき円形状のビーム形状を得ることができる上
に、実施例1から3の素子特性と同様なレベルを得るこ
とが可能であった。本手法を用いた導波路構造により、
連続電流やパルス電流による駆動時においても、光記録
システムから要求される光出力特性を満足することがで
き、本素子を駆動するドライバ装置の消費電力を20%
から25%低減することが可能であった。本素子による
低消費電力駆動のドライバ装置を実現でき、本ドライバ
装置を搭載したシステム装置を提供できる。
【0063】(実施例5)本発明の実施例5について、
図26を用いて以下に説明する。図26において、まず
(100)面方位を有するn型GaAs基板(半導体n型GaAs基
板)17上に、n型GaAs緩和層18、n型AlGaAs又はGa
InP 光導波層19、圧縮歪GaInAs量子井戸層2層と無歪
AlGaAs量子障壁層又は引張歪GaInAsP 量子障壁層3層及
び両側の無歪AlGaAs又はGaInAsP 光分離閉じ込め層から
なる歪多重量子井戸構造活性層20、p型AlGaAs又はGa
InP光導波層21、p型GaInAsPエッチング停止層22を
結晶成長する。その後、共振器端面部のビーム形状制御
に相当する領域に対して、イオン打ち込みや不純物拡散
による混晶化によって共振器内部の活性層より共振器端
面部の活性層の禁制帯幅が大きくなるようにしたp型Al
GaAs又はGaInAsp からなる窓構造領域21を形成し、レ
ーザ光を吸収しない透明窓導波路とする。このとき、ホ
トリソグラフィーを利用して、図26における透明窓導
波路の長さL2は、2μmから100μmの範囲とし、望
ましくは5μmから70μmの範囲、最適には10μm
から50μmの範囲として設定する。次に、p型AlGaAs
又はGaInP 光導波層24、p型GaAs又はGaInAsP 層25
を結晶成長し、絶縁膜マスクを形成した後、ホトリソグ
ラフィー工程とエッチングにより、層22に到るまで層
25及び24を除去することにより、断面形状は図26
に示すメサ形状であり、上面形状は図2に示すテーパ状
の導波路となるリッジストライプを形成する。
【0064】次に、n型AlGaAs又はAlGaInP 透明電流狭
窄層26を埋め込み選択成長する。層26は、レーザ光
のエネルギーよりも大きな禁制帯幅をもちかつ光導波層
8よりも屈折率の小さな半導体層からなる。これによ
り、リッジストライプは屈折率導波構造を有しており、
活性層横方向において実屈折率差のある屈折率導波構造
が形成される。この先は、共振器端面部のビーム形状制
御領域とモード変換領域及び利得領域において、同一の
作製工程により断面形状の異なる導波路が構成される。
即ち、リッジストライプを形成したときの絶縁膜マスク
において、共振器端面部のビーム形状制御領域とモード
変換領域に相当する長さまでをエッチング除去し、その
後n型AlGaAs又はAlGaInP 電流非注入層27を選択成長
させる。その後、絶縁膜マスクをすべて取り除いて、p
型AlGaAs又はGaInP 光導波層28及びp型GaAsコンタク
ト層29を結晶成長し埋め込む。次に電流狭窄を行う絶
縁膜マスク30を形成した後、最後にp側電極31とn
側電極32を蒸着し、劈開スクライブすることにより素
子を切り出す。これらにより、共振器端面部のビーム形
状制御領域かつ透明窓構造領域に相当する構造断面と、
モード変換領域に相当する構造断面と、利得領域に相当
する構造断面を有する素子構造を実施例1と同様に得る
ことができる。この際、電流非注入層27により、透明
窓構造領域とモード変換領域は電流注入がなされず利得
を発生しない領域となり、透明窓構造領域とモード変換
領域以外は電流が注入され利得の発生によりレーザ発振
する利得領域となる。モード変換領域の長さは、0μm
から200μmの範囲とし、望ましくは5μmから12
0μmの範囲、最適には10μmから60μmの範囲に
設定した。また、透明窓構造領域の導波路ストライプ幅
は1μmから20μmの範囲とし、望ましくは1.5μ
μから10μmの範囲、最適には2μmから7μmの範
囲に設定した。窓構造領域は実施例1のように共振器端
面部の片側に作製するか、実施例2や3のように共振器
端面部の両側に作製する。
【0065】本素子は、発光活性層の量子井戸層の設計
により波長970〜990nm範囲で発振せることがで
き、最大光出力は800〜900mWを達成した。実施
例1から4までと同様に、出射端面部からの遠視野像半
値幅を垂直方向15〜24度と水平方向13〜18度と
アスペクト比を1.0から1.5の範囲を得ることがで
き、円形状のビーム形状を達成することができた。また
室温の閾値電流は20〜30mAスロープ効率0.9〜
1.3mW/mAを得ることができた。本素子では、従
来の吸収層埋め込み構造の素子に比べて、閾値電流を2
0%〜25%低減、スロープ効率を30〜40%向上さ
せたことになる。温度70℃で少なくとも500mWの
高出力安定動作が可能であり、10万時間以上にわたっ
て動作継続した。本手法を用いた導波路ストライプ構造
により、連続電流やパルス電流による駆動時において
も、光通信システムの増幅器に要求される光出力特性を
満足することができ、本素子を駆動するドライバ装置の
消費電力を15%から25%低減することが可能であっ
た。本内容により、本素子を搭載した低消費電力駆動の
ドライバ装置を搭載したシステム装置を提供できる。
【0066】(実施例6)本発明の実施例6について図
27を用いて説明する。実施例5と同様に素子を作製す
るが、層25まで同様に結晶成長した後、図27に示す
ように層25からイオン打ち込みや不純物拡散によって
窓構造を形成する。窓構造領域は実施例1のように共振
器端面部の片側に作製するか、実施例2や3のように共
振器端面部の両側に作製する。その後は、実施例5と全
く同様にして、素子を作製し図27の素子構造断面図を
得る。
【0067】本実施例によると、実施例1から5と同様
に遠視野像アスペクト比を1.0から1.5の範囲に設
定でき円形状のビーム形状を得ることができる上に、実
施例5の素子特性と同様なレベルを得ることが可能であ
った。本手法を用いた導波路ストライプ構造により、連
続電流やパルス電流による駆動時においても、光通信シ
ステムの増幅器に要求される光出力特性を満足すること
ができ、本素子を駆動するドライバ装置の消費電力を1
5%から25%低減することが可能であった。本内容に
より、本素子を搭載した低消費電力駆動のドライバ装置
を搭載したシステム装置を提供できる。
【0068】(実施例7)本発明の実施例7について、
図28を用いて説明する。本発明における実施例1から
4までの半導体レーザ素子を光記録システム装置の光源
に搭載して、図28に示すような光ピックアップ系を構
成した。
【0069】即ち、光ピックアップ系は、図28に示す
ように、半導体レーザ素子39から出射されるレーザ光
42は、偏光分離回折格子38,λ/ 4板37を順次通
過し、ビームスプリッター36および立ち上げミラー3
5でそれぞれ光路を変え、光学凸レンズ34を通って光
ディスク33の記録面に集光し結像する。また、光ディ
スク33で反射した反射光42bは、光学凸レンズ34
を通り、立ち上げミラー35で反射され、ビームスプリ
ッター36を通過し、その後光学凸レンズ40で集光さ
れて受光素子41の受光面に集光する。
【0070】本実施例によれば、光源である半導体レー
ザ素子39は、出射端面部からレーザ光分布のアスペク
ト比を1.0から1.5の範囲で得ることができ、レー
ザ光分布を円形状のビーム形状として制御できる。この
ため、図28の光ピックアップ系において、従来ではビ
ーム整形を行うビームスプリッタープリズムを必要とし
たが、円形状のレーザ光分布を有する本光源を適用する
ことにより、ハーフミラーによるビームスプリッター3
6を挿入するだけでよく光学系を簡略化低価格化させる
ことが可能であった。
【0071】本レーザ光源は雰囲気温度80℃でも光出
力80mWで動作することが確認でき、周波数2GHz
以上のパルス駆動に対する高速変調特性、また戻り光量
5%の時でも−135dB/Hz以下の低雑音特性を得
ることができ、システム要求仕様をすべて満足すること
が可能であった。また、本発明の半導体レーザ素子の特
性改善により、素子を駆動するドライバ電源の低消費電
力化が可能となり、従来素子を駆動するよりも25%か
ら30%の消費電力低減を可能とした。本素子を光源と
して光ピックアップに搭載した光記録システム装置は、
106回以上の書き換え回数を達成し、1万時間以上の
連続動作にも安定継続した。
【0072】(実施例8)本発明の実施例8について図
29を用いて説明する。本実施例8では、実施例4と同
様に素子を作製するが、共振器端面のビーム形状制御領
域の断面形状を示す図29において、最初に(100) 面方
位から[011] 方向に10°オフしたn型GaAs傾角基板
(半導体n型GaAs基板)43上に、n型GaInP 緩和層4
4、n型AlGaAs又はAlGaInP 光導波層45、AlGaInAs量
子井戸層3層とAlGaAs量子障壁層4層及び両側の無歪Al
GaAs光分離閉じ込め層からなる多重量子井戸構造活性層
46、p型AlGaAs光導波層47、p型AlGaInP エッチン
グ停止層48、p型AlGaAs光導波層49、p型GaAs層5
0までを順次有機金属気相成長(MOVPE )法によりエピ
タキシャル成長させる。
【0073】次に、ホトリソグラフィーを利用して、図
29の左半分に相当する領域を層44までエッチング除
去する。その後、n型AlGaInP 光導波層51、圧縮歪Ga
InP量子井戸層3層と引張歪AlGaInP 量子障壁層4層及
び両側の無歪AlGaInP 光分離閉じ込め層からなる歪補償
多重量子井戸構造活性層52、p型AlGaInP 光導波層5
3、p型AlGaInP エッチング停止層54、p型AlGaInP
光導波層55、p型GaInP 層56を結晶成長する。
【0074】次に、共振器端面部のビーム形状制御に相
当する領域に対して、イオン打ち込みや不純物拡散によ
る混晶化によって共振器内部の活性層より共振器端面部
の活性層の禁制帯幅が大きくなるようにした窓構造領域
57を形成し、レーザ光を吸収しない透明窓導波路とす
る。このとき、ホトリソグラフィーを利用して、透明窓
導波路の長さL2は、2μmから100μmの範囲と
し、望ましくは5μmから70μmの範囲、最適には1
0μmから50μmの範囲として設定する。
【0075】次に、ホトリソグラフィー工程とエッチン
グにより、右半分における層48と左半分における層5
4に到るまでそれぞれ層50、49と層56、55を除
去することにより、断面形状は図29に示すメサ形状で
あり、上面形状は図2に示すテーパ状の導波路となるリ
ッジストライプを形成する。
【0076】その後、n型AlGaAs又はAlGaInP 透明電流
狭窄層58を埋め込み選択成長する。層58は、レーザ
光のエネルギーよりも大きな禁制帯幅をもちかつp型Al
GaInPからなる光導波層8よりも屈折率の小さな半導体
層からなる。これにより、リッジストライプは屈折率導
波構造を有し、活性層横方向において実屈折率差のある
屈折率導波構造が形成される。
【0077】この先は、共振器端面部のビーム形状制御
領域とモード変換領域及び利得領域において、同一の作
製工程により断面形状の異なる導波路が構成される。即
ち、リッジストライプを形成したときの絶縁膜マスクに
おいて、共振器端面部のビーム形状制御領域とモード変
換領域に相当する長さまでをエッチング除去し、その後
n型AlGaAs又はAlGaInP 電流非注入層59を選択成長さ
せる。
【0078】その後、絶縁膜マスクをすべて取り除い
て、p型AlGaAs又はAlGaInP/GaInP 光導波層60及びp
型GaAsコンタクト層61を結晶成長し埋め込む。次に電
流狭窄を行う絶縁膜マスク62を形成した後、最後にp
側電極63とn側電極64を蒸着し、劈開スクライブす
ることにより素子を切り出す。
【0079】これらにより、共振器端面部のビーム形状
制御領域かつ透明窓構造領域に相当する構造断面と、モ
ード変換領域に相当する構造断面と、利得領域に相当す
る構造断面を有する素子構造を得ることができる。この
際、電流非注入層59により、透明窓構造領域とモード
変換領域は電流注入がなされず利得を発生しない領域と
なり、透明窓構造領域とモード変換領域以外は電流が注
入され利得の発生によりレーザ発振する利得領域とな
る。
【0080】モード変換領域の長さは、0μmから20
0μmの範囲とし、望ましくは5μmから120μmの
範囲、最適には10μmから60μmの範囲に設定し
た。また、透明窓構造領域の導波路ストライプ幅は1μ
mから20μmの範囲とし、望ましくは1.5μmから
10μmの範囲、最適には2μmから7μmの範囲に設
定した。
【0081】また2つの異なる波長を有するレーザ光を
発生する導波路ストライプ構造は、モノリシックに集積
することにより、非常に接近させて設けることができ、
その間隔は10μmから200μmの範囲、望ましくは
50μmから100μmの範囲に設定して構成すること
が可能であった。
【0082】本実施例によると、異なる発振波長の活性
層及び導波路を同一基板上にモノリシックに集積した半
導体レーザ光源を形成し、どちらのレーザ光分布もアス
ペクト比1.0から1.5範囲の円形状のビーム形状に
制御でき、かつ最大光出力を200mW以上に設定でき
る構成を可能とした。本内容により、同一光学系を通し
た2つの異なる発振波長を有するレーザ光源を搭載した
光ピックアップ系を構成できるので、従来波長ごとに別
々に光学系を組んでいたシステムを1つの光学系に統一
することが可能であった。この際、本素子は円形状のビ
ーム形状を有しているので、ビーム整形用のプリズムや
レンズは必要とせず、光学部品の点数を低減する上でも
有効である。
【0083】図29において、右半分の導波路ストライ
プ構造では、発光活性層の量子井戸層の設計により波長
635〜690nm範囲で発振せることができ、最大光
出力は250〜300mWを達成できる、実施例4の素
子特性と同様の特性を得ることができた。
【0084】また図29の右半分の導波路ストライプ構
造では、発光活性層の量子井戸層の設計により波長76
0〜880nm範囲で発振せることができ、最大光出力
は350〜400mWを達成できる素子特性を得ること
ができた。両者の導波路ストライプ構造において、出射
端面部からの遠視野像半値幅を垂直方向15〜24度と
水平方向13〜18度とアスペクト比1.0から1.5
の範囲を得ることができ、円形状のビーム形状を達成す
ることができた。また室温の閾値電流は20〜40m
A、スロープ効率は0.9〜1.3mW/mAを得るこ
とができた。
【0085】本素子では、従来構造の素子に比べて、閾
値電流を20〜30%低減、スロープ効率を30〜40
%向上させた。動作電流の低減と併せて動作電圧の低減
を図ることができ、消費電力を20%から30%低減で
きた。両者の導波路ストライプ構造において、温度80
℃で少なくとも80mW以上の高出力安定動作が可能で
あり、1万時間以上にわたって動作継続した。
【0086】本手法を用いた複合導波路構造により、連
続電流やパルス電流による駆動時においても、光記録シ
ステムから要求される光出力特性を満足することがで
き、本素子を駆動するドライバ装置の消費電力を20%
から30%低減することが可能であった。また本素子に
よる低消費電力駆動のドライバ装置を実現でき、本ドラ
イバ装置を搭載したシステム装置を提供できる。
【0087】(実施例9)本発明の実施例9について、
図30を用いて説明する。本発明における実施例8の異
なる2つの波長を有する図29のモノリシック集積半導
体レーザ素子を光記録システム装置の薄膜小型集積光ヘ
ッドモジュール66に搭載して、図30に示すような光
ピックアップ系を構成した。
【0088】薄膜小型集積光ヘッドモジュール66は、
Si基板上に受光素子と受光信号分割処理回路、及びレー
ザ素子駆動回路を光電子回路としてモノリシックに集積
しており、そのSi基板上に図29の本素子をハイブリッ
ド集積してある構成である。また薄膜小型集積光ヘッド
モジュール66には、レーザ光の出射する窓には分離回
折格子が設けてあり、戻り光を回折させて受光信号を分
割して信号処理するように構成してある。
【0089】光源である2つのレーザ素子は、1つは発
振波長650〜660nmであり、もう1つは発振波長
780〜790nmを有しており、かつ両者のレーザ光
分布はアスペクト比1.0から1.5範囲の円形状のビ
ーム形状として制御できている。このため、従来の光ピ
ックアップ系に比べて格段に光学部品点数を低減した光
ヘッド構成を取ることを可能とし、図30に示すように
光学系の簡略化と低価格化に有利でありかつ薄膜の超小
型光ヘッドを実現可能であった。
【0090】本内容による2つの異なる発振波長を有す
るレーザ素子は、発振波長650〜660nmのレーザ
光をDVD−ROM及びDVD−R,DVD−RAMの
DVD媒体メモリ記録再生に対応させ、発振波長780
〜790nmのレーザ光をCD−ROM及びCD−R,
CD−RWのCD媒体メモリ記録再生に対応させること
に適用できる。上記のように、2つのレーザ光を独立に
使用し、役割をそれぞれ分離して目標仕様に併せた使用
方法が可能である。
【0091】レーザ光69は、波長の異なる円形状の2
つのビームを有するレーザ光に相当し、2つのレーザ光
はほぼ同一光路を通って媒体上のメモリに収束させるこ
とができる。これには、2つの異なる波長のレーザ光が
モノリシックに集積されて非常に接近させて設けること
ができること、かつ両者のレーザ光分布が円形状のビー
ム形状に制御されていることが大きく寄与している。ま
た本レーザ光源は、雰囲気温度80℃でも光出力80m
Wで動作することが確認でき、周波数2GHz以上のパ
ルス駆動に対する高速変調特性、また戻り光量5%の時
でも−135dB/Hz以下の低雑音特性を得ることが
でき、システム要求仕様をすべて満足することが可能で
あった。
【0092】また、本発明の半導体レーザ素子の特性改
善により、素子を駆動するドライバ電源の低消費電力化
が可能となり、従来素子を駆動するよりも25%から3
0%の消費電力低減を可能とした。本素子を光源として
光ピックアップに搭載した光記録システム装置は、10
6回以上の書き換え回数を達成し、1万時間以上の連続
動作にも安定継続した。
【0093】(実施例10)本発明における実施例5及
び6の半導体レーザ素子を光源として送信システム装置
系に搭載し、図31に示すような半導体レーザ装置を構
成し、図32に示す送受信系においてファイバ増幅系シ
ステムとして組み込んだ。
【0094】半導体レーザ装置は、偏平矩形体からなる
パッケージ110の両側からはパタフライ型に複数のリ
ード111が突出した構造になっている。また、パッケ
ージ110の一端面からは光ファイバケーブル112が
突出している。図31の上方の図は、パッケージ110
内の拡大図である。この図において、パッケージ110
内に固定されるサブキャリア113上には、サブマウン
ト114を介して本実施例による半導体レーザ素子90
が固定されている。
【0095】また、サブキャリア113上には、光ファ
イバ115の先端が固定されている。この光ファイバ1
15はウエッジ型となり、先端はペンシル型に突出して
いる。光ファイバ115は中心はコア116となり、そ
の外側をクラッド層117で覆った構造となっている。
クラッド層117の表面は金属層等からなる被覆層11
8で覆われている。半導体レーザ素子90の出射面から
出射されたレーザ光42はコア116及びクラッド層1
17内に取り込まれ、光ファイバ115内を伝送され
る。
【0096】ファイバ増幅系システムは、図32に示す
ように、分波器71に、入力光70として、例えば1.
55μmのレーザ光信号が入力される。分波器71は入
力光70を混合器72及び自動制御装置79に分波す
る。自動制御装置79は分波器71から送られてきた光
信号に基づいて980nm半導体レーザ素子搭載増幅系
モジュール77aを制御する。980nm半導体レーザ
素子搭載増幅系モジュール77aから出射されたレーザ
光は混合器72で混合されて伝送されるとともに、ファ
イバ増幅73で増幅されて混合器74に至り、かつ分波
器75に伝送される。ファイバ増幅73はErドープ光フ
ァイバ増幅となる。
【0097】分波器75は送られてきた光を分波し、一
部を自動制御装置79にフィードバックする。自動制御
装置79はフィードバックされてきた光信号に基づいて
980nm半導体レーザ素子搭載増幅系モジュール77
bを制御する。980nm半導体レーザ素子搭載増幅系
モジュール77bから出射されたレーザ光は混合器74
で混合されて分波器75に伝送される。混合器74の出
力光は常にフィードバックされるとともに、分波器75
からは出力光76が出射される。この出力光76は、
1.55μmレーザ光信号出力光となる。
【0098】980nm半導体レーザ素子搭載増幅系モ
ジュール77a,77bは、冷却装置78によって温度
制御され、常に安定した状態で動作する。
【0099】本レーザ素子では、遠視野像アスペクト比
を1.0から1.5範囲の円形状のビーム形状を得るこ
とができるので、ウエッジ光ファイバに対してカップリ
ング効率を向上させることができた。
【0100】増幅器系モジュール内に実装したレーザ素
子は、少なくとも光出力500mW以上で動作でき、本
素子を光源とする光増幅器装置はファイバ出射端におい
ても400〜450mWの光出力を達成し、カップリン
グ効率を80〜90%を確保することができた。これに
より、送信用1.55μmレーザ信号光を十分増幅し、
システムにおける要求仕様を満足できた。本内容では、
レーザ素子を駆動するドライバ電源の低消費電力化を可
能とし、また従来素子を駆動するよりも25%から30
%の消費電力低減を達成でき、10万時間以上の安定動
作も確保できた。
【0101】本内容により、本素子を搭載した低消費電
力駆動のドライバ装置を実現でき、本ドライバ装置を搭
載した光通信システム装置を提供できる。
【0102】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0103】(1)本発明によると、光信号処理を行う
光情報処理システム装置及び光通信システム装置の光源
である半導体レーザ装置に対して、領域により機能を持
たせた複合導波路構造を設けることにより、ビーム形状
が制御できる基本横モードを導波路に伝搬させ高出力特
性を維持しながら、低閾値高効率動作、低動作電流及び
低動作電圧を両立させた低消費電力の駆動を可能にし
た。
【0104】(2)本半導体レーザ素子では、縦横のレ
ーザ分布拡がりを制御して縦横アスペクト比を1.0〜
1.5の範囲であるビーム形状に制御し、かつ光出力は
少なくとも50mWを確保しそれ以上に高く安定な光出
力を長期に渡って維持できる、レーザ特性と長期信頼性
を達成した。高出力時における動作電流を各素子とも2
0%〜30%低減でき、動作電圧についても少なくとも
10%以上の改善が可能であった。これにより、レーザ
素子を駆動するドライブ装置では、25%から30%の
低消費電力を図ることができた。
【0105】(3)本発明の実施例によると、光信号処
理を行う光通信システム装置及び光情報処理システム装
置の光源である半導体レーザ装置に対して、領域により
機能を持たせた複合導波路構造を設けることによって、
レーザ素子を駆動するドライブ装置では、25%から3
0%の低消費電力を図り、縦横のレーザ分布拡がりを制
御して縦横アスペクト比を1.0〜1.5範囲の円形状
ビーム形状に制御した。これにより、ビーム形状を円形
に制御する基本横モードの安定な導波伝搬とレーザ光の
高出力特性を両立させた。本内容により、光記録装置や
レーザビームプリンタ装置等における光学系を利用した
光情報処理装置では、従来必要であったレーザ光を集光
する際のビーム整形用のプリズムやシリンドリカルレン
ズを省略できる、或いは安価な光学レンズでの代用を可
能とした。さらにレーザ光と記録媒体との光路長を短く
でき、光路長においてレーザ光分布の整形に要する光損
失を低減できるので、レーザ光の有効使用効率を改善で
きた。
【0106】(4)また、Erドープ光ファイバ増幅用の
レーザ光源では、高出力特性を維持しつつ、レーザ光の
縦横アスペクト比を1.0〜1.5の範囲に制御できる
ため、光ファイバとの光結合カップリング効率を20〜
25%程度改善でき、その分レーザ光の有効使用効率、
Erイオン励起効率を向上させることが可能であった。送
信システム装置の光増幅器に搭載して、光ファイバ励起
用レーザ光出力とファイバ出射端光出力の比は85〜9
0%を得ることができ、波長多重システム光伝送に要求
される送信用1.55μmレーザ光の信号増幅を十分達
成することが可能であった。本内容は、光通信用のシス
テム装置に適する光源についても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態(実施形態1)である半導
体レーザ素子の模式的斜視図である。
【図2】本実施形態1の半導体レーザ素子の複合導波路
構造概略を示す模式的平面図である。
【図3】本実施形態1の複合導波路構造を伝搬するレー
ザ光と仮想的に反射するレーザ光の分布を示す平面的模
式図である。
【図4】本実施形態1の半導体レーザ素子において、複
合導波路の窓構造を有した透明導波領域を示す構造断面
図である。
【図5】本実施形態1の半導体レーザ素子において、複
合導波路のモード変換領域を示す構造断面図である。
【図6】本実施形態1の半導体レーザ素子において、複
合導波路の利得領域を示す構造断面図である。
【図7】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の水
平方向遠視野像半値幅と出射導波路幅の関係を計算して
求めたグラフである。
【図8】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の垂
直方向遠視野像半値幅と出射導波路幅の関係を計算して
求めたグラフである。
【図9】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の水
平垂直遠視野像半値幅アスペクト比と出射導波路幅の関
係を計算して求めたグラフである。
【図10】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の
共振器面での導波光分布入反射強度比と出射導波路幅の
関係を計算して求めたグラフである。
【図11】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の
水平方向遠視野像半値幅と後面導波路幅の関係を計算し
て求めたグラフである。
【図12】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の
共振器面での導波光分布入反射強度比と後面導波路幅の
関係を計算して求めたグラフである。
【図13】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の
水平方向遠視野像半値幅とモード変換領域長の関係を計
算して求めたグラフである。
【図14】本発明のモード変換領域を伝搬する導波光の
共振器面での導波光分布入反射強度比とモード変換領域
長の関係を計算して求めたグラフである。
【図15】本実施形態1の半導体レーザ素子の変形例で
あり、モード変換領域の導波路IIの縁が指数関数的に変
化する例を示す模式的平面図である。
【図16】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造にお
いて、半導体基板上に活性層を含む半導体層を形成した
状態を示す一部の断面図である。
【図17】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造にお
いて、さらに半導体層を形成した状態を示す一部の断面
図である。
【図18】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造にお
いて、リッジストライプを形成した状態を示す一部の断
面図である。
【図19】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造にお
いて、埋め込み選択成長層を形成した状態を示す一部の
断面図である。
【図20】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造にお
いて、コンタクト層を形成した状態を示す一部の断面図
である。
【図21】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造にお
いて、絶縁膜マスクを形成した状態を示す一部の断面図
である。
【図22】本実施形態1の半導体レーザ素子の製造にお
いて、p側電極及びn側電極を形成した状態を示す一部
の断面図である。
【図23】本発明の他の実施例(実施例2)である半導
体レーザ素子の模式的斜視図である。
【図24】本発明の他の実施例(実施例3)である半導
体レーザ素子の模式的斜視図である。
【図25】本発明の他の実施例(実施例4)である半導
体レーザ素子の模式的断面図である。
【図26】本発明の他の実施例(実施例5)である半導
体レーザ素子の模式的断面図である。
【図27】本発明の他の実施例(実施例6)である半導
体レーザ素子の模式的断面図である。
【図28】本発明の他の実施例(実施例7)である光記
録システム装置を示す模式図である。
【図29】本発明の他の実施例(実施例8)である半導
体レーザ素子を示す模式的断面図である。
【図30】本発明の他の実施例(実施例9)である光記
録システム装置を示す模式図である。
【図31】本発明の他の実施例(実施例10)である半
導体レーザ装置を示す模式図である。
【図32】本発明の他の実施例(実施例10)であるフ
ァイバ増幅系システムを示す模式図である。
【符号の説明】
1…半導体n型GaAs基板、2…n型GaAs緩和層、3…n
型AlGaInP 光導波層、4…GaInP/AlGaInP 歪補償多重量
子井戸構造活性層、5…p型AlGaInP 光導波層、6…p
型AlGaInP エッチング停止層、7…窓構造領域、8…p
型AlGaInP 光導波層、9…p型GaInP 層、10…n型Al
GaAs又はAlGaInP透明電流狭窄層、11…n型AlGaAs又
はAlGaInP 電流非注入層、12…p型AlGaInP/GaInP 光
導波層、13…p型GaAsコンタクト層、14…絶縁膜マ
スク、15…p側電極、16…n側電極、17…半導体
n型GaAs基板、18…n型GaAs緩和層、19…p型AlGa
As又はGaInP 光導波層、20…GaInAs/AlGaAs 又はGaIn
As/GaInAsP歪補償多重量子井戸構造層、21…窓構造領
域、22…p型AlGaAs又はGaInAsP エッチング停止層、
23…イオン打ち込み又は不純物拡散層、24…p型Al
GaAs又はGaInP 光導波層、25…p型AlGaAs又はGaInAs
P 層、26…n型AlGaAs又はAlGaInP透明電流狭窄層、
27…n型AlGaAs又はAlGaInP 電流非注入層、28…p
型AlGaAs又はGaInP 光導波層、29…p型GaAsコンタク
ト層、30…絶縁膜マスク、31…p側電極、32…n
側電極、33…光ディスク、34…光学凸レンズ、35
…立ち上げミラー、36…ビームスプリッター、37…
λ/ 4板、38…偏光分離回折格子、39…半導体レー
ザ素子、40…光学凸レンズ、41…受光素子、42…
レーザ光、42b…反射光42b、43…半導体n型Ga
As基板、44…n型GaInP 緩和層、45…n型AlGaAs又
はAlGaInP 光導波層、46…AlGaInAs/AlGaAs 多重量子
井戸構造活性層、47…p型AlGaAs又はAlGaInP 光導波
層、48…p型AlGaInP エッチング停止層、49…p型
AlGaAs又はAlGaInP 光導波層、50…p型GaAs又はGaIn
P 層、51…p型GaInP 層、52…GaInP/AlGaInP 歪補
償多重量子井戸構造活性層、53…p型AlGaInP 光導波
層、54…p型AlGaInP エッチング停止層、55…p型
AlGaInP光導波層、56…p型GaInP 層、57…イオン
打ち込み又は不純物拡散層、58…n型AlGaAs又はAlGa
InP透明流狭窄層、59…n型AlGaAs又はAlGaInP電流非
注入層、60…p型AlGaAs又はAlGaInP/GaInP 光導波
層、61…p型GaAsコンタクト層、62…絶縁膜マス
ク、63…p側電極、64…n側電極、65…光ディス
ク、66…薄膜小型集積光ヘッド、67…分離回折格
子、68…光学凸レンズ、69…レーザ光、70…入力
光、71…分波器、72…混合器、73…ファイバ増
幅、74…混合器、75…分波器、76…出力光、77
a,77b…980nm半導体レーザ素子搭載増幅系モ
ジュール、78…冷却装置、79…自動制御装置、90
…半導体レーザ素子、91…半導体基板、92…導波路
(導波路領域)、94,96…光導波層、95…活性
層、98…不純物拡散窓構造領域、100…絶縁膜マス
ク、110…パッケージ、111…リード、112…光
ファイバケーブル、113…サブキャリア、114…サ
ブマウント、115…光ファイバ、116…コア、11
7…クラッド層、118…被覆層、I…利得領域の導波
路(利得領域)、II…モード変換領域の導波路(モード
変換領域)、III…ビーム形状制御領域の導波路(ビー
ム形状制御領域)。
フロントページの続き Fターム(参考) 5D119 AA04 BA01 DA01 DA05 EB03 FA05 FA16 FA18 NA04 5F073 AA09 AA13 AA74 AA87 AB27 AB28 AB29 BA02 BA05 CA14 CA15 DA05 DA12 DA14 EA20 EA23 EA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に設けた光導波路の端からレ
    ーザ光を出射する半導体レーザ装置であって、前記光導
    波路は、光学利得を発生してレーザ発振を行う利得発生
    領域と、前記利得発生領域に連なり前記利得発生領域で
    発生したレーザ光の横モードを基本横モードとするとと
    もに前記レーザ光を円形ビーム状に変換制御するモード
    変換領域と、前記モード変換領域に連なり前記モード変
    換領域によって制御されたレーザ光を安定に伝搬させる
    ビーム形状制御領域とで構成されていることを特徴とす
    る半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板に設けた光導波路の端からレ
    ーザ光を出射する半導体レーザ装置であって、前記光導
    波路は、光学利得を発生してレーザ発振を行う利得発生
    領域と、前記利得発生領域に連なり前記利得発生領域で
    発生したレーザ光の横モードを基本横モードとするとと
    もに前記レーザ光を円形ビーム状に変換制御するモード
    変換領域と、前記モード変換領域に連なり前記モード変
    換領域によって制御されたレーザ光を安定に伝搬させる
    ビーム形状制御領域とで構成され、前記ビーム形状制御
    領域の端のレーザ光出射部分は光吸収を低減することの
    できる窓構造になっていることを特徴とする半導体レー
    ザ装置。
  3. 【請求項3】 前記利得発生領域の幅は前記窓構造の幅
    よりも広くなっているとともに、前記利得発生領域と前
    記ビーム形状制御領域を接続するモード変換領域は、そ
    の幅が一定の割合に変化するパターンまたはその幅が指
    数関数的に変化するパターンもしくはその幅がcosin hy
    paboric 関数的に変化するパターンとなっていることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体レー
    ザ装置。
  4. 【請求項4】 前記利得発生領域から前記モード変換領
    域を通り前記窓構造を伝搬するレーザ光の分布強度に対
    する、前記窓構造の端の共振器面で反射して前記光導波
    路内に戻ってくるレーザ光の分布強度比は少なくとも9
    0%以上を占めるように前記光導波路各部の形状及び寸
    法が設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の半導体レーザ装置を組み込んだ光システム装置。
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