JPH10268548A - 一成分系カラートナー - Google Patents

一成分系カラートナー

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JPH10268548A
JPH10268548A JP6990497A JP6990497A JPH10268548A JP H10268548 A JPH10268548 A JP H10268548A JP 6990497 A JP6990497 A JP 6990497A JP 6990497 A JP6990497 A JP 6990497A JP H10268548 A JPH10268548 A JP H10268548A
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fine particles
resin
resin fine
dielectric loss
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Koichiro Miyajima
浩一郎 宮嶋
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温高湿下においても、トナー消費量が大き
くは変動せず、長期にわたって現像/転写効率が安定
し、また低温低湿下における画像濃度の低下やカブリの
増大を防止した一成分系カラートナーを提供する。 【解決手段】 一成分系カラートナーが個数平均粒径5
〜9μmであり、ポリエステル結着樹脂と着色剤とを含
有する非磁性着色樹脂粒子と少なくとも1種の外添剤と
からなり、外添剤が粒径0.05〜2μmの樹脂微粒子
であり、かつ、樹脂微粒子の周波数1KHzにおける誘
電正接の値をA1、周波数1MHzにおける誘電正接の
値をA2、非磁性着色樹脂粒子の周波数1KHzにおけ
る誘電正接の値をB1、周波数1MHzにおける誘電正
接の値をB2とする時、誘電正接の比が各々以下の範囲
にある一成分系カラートナー。 1.60≦A1/A2≦3.00、 0.40≦B1/B2≦1.50、 0.10≦A1/A2−B1/B2≦2.6

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等における静電荷像を現像する一成分系カ
ラートナーに関する。
【0002】
【従来技術】電子写真法あるいは静電記録法に適用され
る現像方法として、トナーとキャリアからなる二成分現
像剤を用い、トナーとキャリア間の摩擦帯電によりトナ
ーに電荷を付与する二成分現像剤方法と、トナー単独で
トナー担持体(以下スリーブと呼ぶ)またはスリーブに
当接された部材(以下ブレードと呼ぶ)によって摩擦帯
電してトナーに電荷を付与する一成分現像方法があり、
何れの方法によっても該トナーによって静電潜像を可視
化できる。感光体あるいは静電記録体上の静電潜像に付
着し可視化されたトナー像は紙等の被転写材上に転写
後、定着して複写物とする。一方感光体あるいは静電記
録体上の残留したトナーは、次の複写工程に備えるべく
クリーニングされる。一成分系現像方式の場合、キャリ
アを有しないために、トナーの摩擦帯電性が不安定にな
ることが多く、特に環境変化によって摩擦帯電性が変化
しやすい欠点を有している。
【0003】従来、トナーの摩擦帯電性を向上する方法
として、例えば、特公昭52−32256号公報、特開
昭56−64352号公報には、母体トナーと逆極性の
樹脂微粉末を帯電補助剤として添加する方法が、また同
61−160760号公報には、フッ素含有化合物を帯
電補助剤として母体トナーに添加する方法が提案されて
いる。しかしながら、母体トナー表面に帯電補助剤等の
添加剤を均一に分散することは容易でなく、また母体ト
ナー粒子に付着しきれない添加剤同士が凝集物となり易
く、この傾向は帯電補助剤の摩擦帯電能が大きいほど、
即ち誘電損失が小さい程、又粒径が細かい程顕著になっ
てくる。そして、この様な場合、トナーの摩擦帯電量が
不安定となり、画像濃度が一定せず、またカブリの多い
画像となったり、あるいは多数枚数複写を行うと帯電補
助剤の含有量が変化し、初期時の画像品質を保持できな
い、等種々の問題点を有する。
【0004】また特公平2−3173号公報、同317
4号公報、同3175号公報には、トナーに平均粒径
0.05〜5μmの樹脂微粒子を混合するものが記載さ
れている。しかしながら、これらの樹脂微粉末は、摩擦
帯電能は大きく、誘電損失が小さいものの、表面の親水
性が乏しいので、低温低湿下において多数枚複写する際
に該樹脂微粒子を混合してなるトナーの帯電量が大きく
なりすぎ、画像濃度が低下したり、低温低湿下において
は前記樹脂微粒子の帯電量が大きくなりすぎるために樹
脂微粉末が凝集しやすくなり、混合性が低下したり、樹
脂微粒子自身がチャージアップしてしまい非画像部にト
ナーと共に飛翔したり(いわゆるカブリが生じたり)、
また高温高湿下においては誘電特性が変化しやすく現像
性が悪化し、トナー消費量及び回収トナー量が増加す
る、即ち現像/転写効率が低下するという問題がある。
【0005】また、近年カラー複写機、カラープリンタ
ーの高画質化が進み、カラートナーの小粒径化が図られ
ているが、粒径が細かくなるにつれて比表面積が増加
し、誘電特性並びに帯電特性が環境(温度や湿度)の影
響を受けやすい。カラートナーは、OHP(オーバーヘ
ッドプロジェクター)用シートへの適用の観点から、透
明性に優れるポリエステル樹脂が一般的に結着樹脂とし
て用いられているが、係るポリエステル樹脂を用いたカ
ラートナーは、その他の結着樹脂を用いる場合よりも特
に誘電特性並びに帯電特性が環境(温度や湿度)の影響
を受けやすく、その解決が望まれている。更に、複写機
の小型化、低価格化に対応してキャリアをを用いない非
磁性一成分用カラー現像方式が採用されているが、一成
分カラートナーの摩擦帯電性が不十分なためにカブリが
発生しやすく、また、トナー担持体(スリーブ)にトナ
ーフィルミングが発生して画像濃度の低下が起きるな
ど、前述のカラートナーの問題点に加えて一成分現像方
式特有の問題があり、改良・解決が望まれている。
【0006】このような要請に対し、特公平8−207
49号公報では、各環境下での摩擦帯電性の安定を目的
として樹脂微粒子の比抵抗(体積固有抵抗)を下げる方
法及び特定のトナー粒度分布とする方法が提案されてい
るが、係る方法では高温高湿下でのカブリの増加や、低
温低湿下のトナーフィルミングによる画像濃度の低下、
更に各環境下での現像/転写効率の低下及びトナー消費
量のバラツキといった問題を解決するには至ってはいな
い。
【0007】
【解決しようとする課題】本発明はこの様な事情に鑑み
なされたものであって、下記(1)(2)を主たる目的
とする。 (1)環境が変化しても、トナー消費量が大きくは変動
せず、長期にわたって現像/転写効率が安定し、カブリ
のない、安定した画像を与えることのできる一成分カラ
ートナーを提供する。 (2)低温低湿下でのトナーのチャージアップを抑える
ことによってトナー凝集によるスリーブへのフィルミン
グを防止し、フィルミングを原因とする画像濃度の低下
を防止した一成分カラートナーを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、第一の発明は、ポ
リエステル結着樹脂と着色剤とを含有する個数平均粒径
5〜9μmの非磁性着色樹脂粒子と少なくとも1種の外
添剤とからなり、少なくとも1種の外添剤が粒径0.0
5〜2μmの樹脂微粒子であり、かつ、樹脂微粒子の周
波数1KHzにおける誘電正接の値をA1、周波数1M
Hzにおける誘電正接の値をA2、非磁性着色樹脂粒子
の周波数1KHzにおける誘電正接の値をB1、周波数
1MHzにおける誘電正接の値をB2とする時、誘電正
接の比が各々以下の範囲にあり、 1.60≦A1/A2≦3.00、 0.40≦B1/B2≦1.50、 0.10≦A1/A2−B1/B2≦2.6なる関係を
満たすことを特徴とする一成分系カラートナーである。
【0009】第2の発明は、樹脂微粒子が多段重合で得
られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、
被覆層が親水性基を有することを特徴とする第1の発明
記載のカラートナーである。
【0010】第3の発明は、樹脂微粒子の被覆層の親水
性基が、カルボン酸またはカルボン酸塩であることを特
徴とする第1の発明又は第2の発明記載のカラー現像剤
である。
【0011】第4の発明は、非磁性着色樹脂粒子100
重量部に対して、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混
合することを特徴とする第1の発明ないし第3の発明い
ずれか記載のカラートナーである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者は、一成分系カラートナ
ーの環境に対する帯電安定性について鋭意検討した結
果、第1の発明に記載するような条件を満たすとき、現
像/転写効率の環境安定性に優れ、トナー消費量が安定
し、かつ帯電性を安定させ、低温低湿下では画像濃度低
下がなく、カブリのない良好な画像が得られることを見
出した。
【0013】その理由は未だ明確ではないが、以下のよ
うに推察される。すなわち、樹脂微粒子は非磁性着色樹
脂粒子と一体となって帯電し、更に現像/転写時に種々
の電界が存在するため、各々がミクロ的に誘電分極し、
樹脂微粒子が誘電分極的な連結因子となることでトナー
同志がまとまり、ある程度の凝集体となったトナーがス
リーブ表面から感光体上の静電潜像へ吸引され、更に感
光体から普通紙上にまとまって転写するため、個々ばら
ばらで現像/転写されるより現像/転写効率が良く、か
つ、カブリにくい、と考えられる。
【0014】一般に、誘電損失のある物質の誘電率Εは
Ε=ε1 −i ×ε2 で表され( ε1は誘電率の実数部、
ε2 は誘電率の虚数部、i は虚数) 、誘電正接 tanδ=
ε2/ε1 の関係があり、誘電率と誘電正接は密接な関
わりがあると認められる。ここで、誘電正接 tanδは、
誘電損失正接または散逸係数と呼ばれ、物理的な意味は
1サイクル当たりの散逸するエネルギーに対する1サイ
クル当たりの貯蔵されるエネルギーの比を示している。
誘電正接は周波数によって大きさが異なるが、これは誘
電体の表面(界面)、配向及び原子(イオン)分極の状
態を示す。
【0015】また、誘電正接は誘電損失の度合いを表
し、誘電正接が小さければ帯電量を保持する傾向が大き
く、誘電正接が大きければ帯電量を下げる傾向を示す。
比較的誘電正接が小さく、帯電量を保持する傾向にある
非磁性着色樹脂粒子を用いることにより、環境の変化に
さほど影響されない安定した帯電状態、及び現像/転写
効率を確保し、かつ比較的誘電正接が大きく、帯電量を
下げる傾向にある樹脂微粒子を外添剤として用い、比較
的誘電正接が小さく、帯電量を保持する傾向にある非磁
性着色樹脂粒子の帯電性を損なうことなく好適な帯電量
が維持でき、低温低湿下におけるトナー同志の摩擦によ
るチャージアップによって、スリーブ表面への静電的付
着等を原因とするフィルミングが発生するのを防ぎ、そ
の結果の画像濃度低下を防ぐことができ、カブリのない
良好な画像が得られるようになったものと考えられる。
【0016】本発明においては、樹脂微粒子の周波数1
KHzにおける誘電正接の値をA1、周波数1MHzに
おける誘電正接の値をA2、非磁性着色樹脂粒子の周波
数1KHzにおける誘電正接の値をB1、周波数1MH
zにおける誘電正接の値をB2とする時、誘電正接の比
が各々以下の範囲にあり、 1.60≦A1/A2≦3.00、 0.40≦B1/B2≦1.50、 0.10≦A1/A2−B1/B2≦2.6なる関係を
満たすことが重要である。
【0017】A1/A2が3.00より大きいと、樹脂
微粒子の電荷損失が大きくなり、トナー同士を結び付け
る誘電分極的な連結因子としての役割を消失し、その結
果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。またトナ
ーの帯電量が低下するので、カブリ、トナー飛散等の弊
害が生じてしまう。一方、A1/A2が1.60未満で
あると、低温低湿下においてトナーに蓄積された電荷を
リークし難くなるので、樹脂微粒子が凝集し易くなり、
非磁性着色樹脂粒子同士の間に静電気的な介在ができな
くなるためにトナー同士が個々ばらばらで現像され、そ
の結果、トナーの現像/転写効率の向上及びカブリの抑
制に寄与しなくなる。
【0018】またB1/B2が1.50より大きいと、
トナーとした時の帯電性が損なわれ、良好な画像が得ら
れなくなり、0.40未満であると非磁性着色樹脂粒子
に蓄積した電荷が好適にリークされず、チャージアップ
してスリーブや帯電部材(ブレード)に静電気的に強く
付着して、いわゆるフィルミング現象が発生し、好適な
帯電量が得られないために現像されるトナーが減少する
結果、画像濃度が低下するという問題が生じる。
【0019】更に、A1/A2とB1/B2の差が2.
60を越えると、高温高湿下(30℃/85%RH)で
は現像/転写効率が低下するので画像濃度が低下した
り、摩擦帯電量が不十分なために、カブリも増加すると
いった問題が生じる。A1/A2とB1/B2の差が
0.10未満であると、現像/転写効率の環境安定性を
欠き、またチャージアップ緩和効果が不十分となり、低
温低湿下(10℃/20%RH)においてスリーブフィ
ルミングを原因とする画像濃度低下が問題となる。
【0020】なお、本発明における誘電正接tanδは
以下のようにして求める。市販の錠剤成形器に、予め2
3℃/50RH%の恒温恒湿槽に24時間放置した試料
(樹脂微粒子又は非磁性着色樹脂粒子)を入れ、400
Kg/cm2 で加圧して、厚さ約2mm,直径20mm
の円筒形ペレットを作製する。このペレットをインピー
ダンスアナライザー4194A(横河ヒューレットパッ
カード社製)により周波数1KHz,1MHzで測定
し、誘電正接tanδの値を求めた。
【0021】また、本発明に用いる樹脂微粒子の粒径は
0.05〜2μmであることが重要であり、0.1〜1
μmであることがより好ましい。粒径が0.05μmよ
り小さいと、樹脂微粒子が非磁性着色樹脂粒子に埋め込
まれたり、樹脂微粒子同士の凝集が生じ易く、スリーブ
フィルミングによる低温低湿下での画像濃度の低下を抑
制・防止し難い。一方、2μmより大きいと、分散が不
均一となったり、非磁性着色樹脂粒子と一体化し難いの
で、低温低湿下でトナーのチャージアップを抑制・防止
し難く、前述と同様な理由で低温低湿下での画像濃度の
低下を抑制・防止し難い傾向にある。尚、樹脂微粒子の
粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)によって観察され
る粒径の平均値である。また、樹脂微粒子が鋭利な角を
多数有すると感光体を傷つけかねないので、樹脂微粒子
の形状としては鋭利な角の少ない、出来るだけ丸味を帯
びた形状、例えば球形であることが好ましい。
【0022】本発明において用いられる樹脂微粒子は、
上記した条件を満たすものあれば良く、組成や製造方法
等は限定されるものではないが、多段重合で得られ、被
覆層とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層が
親水性基を有することが好ましい。以下に多段重合で得
られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、
被覆層が親水性基を有する樹脂微粒子(以下多段重合樹
脂微粒子と略す)の製造方法について述べる。
【0023】多段重合樹脂微粒子は、乳化重合、ソープ
フリー重合、懸濁重合等による多段重合で得られるもの
であり、最終段階よりも前の段階の重合においてアクリ
ル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキル
エステルを重合もしくは共重合せしめ、最終段階の重合
において重合性カルボン酸または重合性カルボン酸塩を
重合せしめてなることが好ましい。例えば乳化重合によ
る二段重合の場合、その樹脂微粒子を含有する分散液は
以下のような方法で得られる。 (1)一段目の乳化重合によって、アクリル酸エステル
及び/またはメタクリル酸アルキルエステルの重合体の
微粒子の分散液もしくは共重合体の微粒子の分散液(以
下第1段目の分散液と略す)を得、次いで二段目の乳化
重合として、第1段目の分散液に重合性カルボン酸モノ
マーを添加したり滴下したりし、乳化重合する。 (2)(1)の方法において、二段目の乳化重合終了
後、分散粒子の表面近傍に存在する重合性カルボン酸由
来のカルボキシル基を塩とする。 (3)(1)の方法の二段目の乳化重合において、第1
段目の分散液に重合性カルボン酸モノマーの代わりに重
合性カルボン酸の塩を添加したり滴下したりし、乳化重
合する。 上記(1)〜(3)は、二段重合の場合について説明し
たものであるが、二段を超える多段重合の場合も同様
に、多段重合の最終段階の重合において重合性カルボン
酸または重合性カルボン酸塩を重合せしめればよく、ア
クリル酸エステル及び/またはメタクリル酸アルキルエ
ステルの重合もしくは共重合は、最終段階よりも前の段
階のいずれかの段階の重合であればよく、最終段階の直
前の段階には限られない。
【0024】本発明において最終段階よりも前の工程で
製造される重合体もしくは共重合体としては、アクリル
酸アルキルエステルモノマーの重合体、メタクリル酸ア
ルキルエステルモノマーの重合体、アクリル酸アルキル
エステルモノマー及びメタクリル酸アルキルエステルモ
ノマーの共重合体、またはアクリル酸アルキルエステル
モノマーまたはメタクリル酸アルキルエステルモノマー
を50重量%以上含有し、他の共重合可能なモノマーを
1種または2種以上含有する共重合体が挙げられる。
【0025】本発明において用いられるアクリル酸アル
キルエステルモノマー、メタクリル酸アルキルエステル
モノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と、ア
ルキルアルコール、アルコキシアルコール、アラルキル
アルコール、アルケニルアルコール等のアルコールとの
エステル化物が挙げられ、上記アルコールの具体例とし
てメチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアル
コール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘ
キサデシルアルコールの如きアルキルアルコール;メト
キシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メ
トキシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコー
ルの如きアルコキシルアルコール;ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアル
コールの如きアラルキルアルコール;アリルアルコー
ル、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコール
が挙げられ、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
トが好ましい。
【0026】上述したアクリル酸アルキルエステルモノ
マー、メタクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合
し得る他のモノマーとしては、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリル
アミド、N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド及び
ニトリル類、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類;ビニル
カルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリド等の含
窒素ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレン等の脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭
化ビニル、1,2−ジクロルエチレン、1,2−ジブロ
ムエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニ
ル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化脂肪族オレフ
ィン;1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系脂肪族
オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン類が挙げられる。
【0027】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子は、上述したように最終の重合段階で重合性
カルボン酸を重合せしめても良いし、または最終の重合
段階で重合性カルボン酸塩を重合せしめても良い。
【0028】最終の重合段階において使用する重合性カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、α−
エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン
酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン
酸、ウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカル
ボン酸、またはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ジヒドロムコ
ン酸等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げら
れ、これらの1種または2種以上を使用することがで
き、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。最終の重合
段階において使用する重合性カルボン酸塩としては、上
記したような重合性カルボン酸の種々の塩が用いられ
る。
【0029】重合前又は重合後にカルボン酸の塩形成に
用いられる造塩剤としては、Na,Mg,K,Li,N
4 ,Ca,Ba,Zn,Fe,Cu,Al,Ni,C
o,Cr等の水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及
び有機アミン類が挙げられ、中でもMg、Ca、Ba、
Zn、Fe、Ni、Co等の2価の金属の水酸化物、酸
化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好まし
く、さらにはMg、Ca、Ba、Znの水酸化物、酸化
物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好ましく、
Znの水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機
アミン類が最も好ましい。有機酸としてはギ酸、酢酸、
プロピオン酸等が挙げらる。これら造塩剤の添加量は、
使用した又は使用する重合性カルボン酸のカルボキシル
基に対して当量になるように添加するのが好ましい。当
量未満であっても低温低湿下における帯電量の安定性の
向上には有効である。また当量以上に添加しても過剰部
分は後に水洗工程を行うことによって除去できるので差
し支えない。
【0030】重合性カルボン酸又は重合性カルボン酸塩
の使用量は、最終段階前の重合段階までに用いたモノマ
ー総量100重量部に対し、0.05〜20重量%用い
られることが好ましい。0.05重量部未満では製造し
た微粉末を非磁性着色樹脂粒子に添加してトナーとして
も、低温低湿下での画像濃度向上の効果に乏しく、20
重量部を超えると樹脂微粒子の表面の親水性が大きくな
り水分を吸湿して誘電正接が大きく成り過ぎ、摩擦帯電
量が低下するために、現像/転写効率の向上に殆ど寄与
しなくなる。
【0031】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、過硫酸塩とスルホ
キシ化合物からなるレッドクス系開始剤、水溶性アゾ系
の開始剤等が挙げられる。過硫酸塩系開始剤には過硫酸
カリウム等が挙げられ、過硫酸塩とスルホキシ化合物か
らなるレッドクス系開始剤には前述の過硫酸塩とチオ硫
酸カリウムまたはチオ硫酸ナトリウムが挙げられる。更
に水溶性アゾ系の開始剤には2、2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)塩酸塩、2、2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)酢酸塩、2、2’−アゾビス(N,
N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジ塩酸塩等を例
示できる。
【0032】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる乳化
剤としては、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、
アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク
酸ジアルキルエステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、
またはカリウム、アルキル(又はアルキルフェニル)エ
ーテル、硫酸エステルナトリウム、またはアンモニウム
などのアニオン性乳化剤:アルキルフエノールエチレン
オキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド
付加物、ポリブロピレングリコールエチレンオキサイド
付加物などのノニオン性乳化剤; 第4級アンモニウム
塩などのカチオン性乳化剤等が挙げられ、更にはポリビ
ニルアルコールなどの水溶性ポリマーも用いることがで
きる。
【0033】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合に用いら
れる重合開始剤としては、上記乳化重合の場合と同様の
ものが使用できる。
【0034】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合は、保護
コロイドとして水溶性高分子化合物を用いるものであ
り、水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそ
の塩、ポリメタクリル酸及びその塩、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエー
テル、カルボキシメチルセルロース等が挙げらる。本発
明において使用される樹脂微粒子は、誘電正接や平均粒
子径に関する条件を満たすものであればよいことは上述
した次第であるが、好適な製造方法である多段重合の
内、ソープフリー重合法は重合時に乳化剤を使用しない
ので、後述する乾燥後の樹脂微粒子も乳化剤を含有しな
いため、誘電正接の環境変動が小さいので特に好まし
い。
【0035】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過酸化物系開始剤、アゾビス系の開始
剤等が挙げられる。過酸化物系開始剤には過酸化ベンゾ
イル等が挙げられ、アゾビス系の開始剤には2、2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビスヴァ
レロニトリル等を例示できる。
【0036】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる乳化
剤としては、上記乳化重合の場合と同様のものが使用で
きる。
【0037】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重合、懸
濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボン酸
を塩とした後、水性分散液から水を除去すればよい。水
を除去する手段としては、通常粉体製造に用いられてい
る種々の乾燥方法と解砕方法・粉砕方法とが適用できる
が、水性分散液をスプレードライした後、乾燥物を解砕
・粉砕することが好ましい。
【0038】また、本発明において好適に使用される多
段重合樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリ
ー重合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボ
ン酸を塩とした後、クロスフロー式濾過法によって水性
分散液から乳化剤等を除去することもできる。例えば、
卓上型エマルジョンフィルター(綜研化学(株)製)に
水性分散液に入れ、水を流して水性分散液を洗浄し、乳
化剤や未反応物等を除去することができる。洗浄後上記
方法によって水を除去すればよい。
【0039】また、本発明に用いる樹脂微粒子は、重量
平均分子量Mwが2〜200万の範囲にあることが好ま
しい。Mwが200万より大きい場合はトナーの定着性
に悪影響を与え易く、また2万より小さい場合は耐ブロ
ッキング性が悪化し易くなる。
【0040】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子は、結着樹脂と着色剤とを含有するものであり、用
いられる結着樹脂としては、ポリエステルが挙げられ
る。ポリエステルとしては、例えばジオール成分として
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールA−プロピレンオキサイド付加物等のビスフェ
ノールA−アルキレンオキサイド付加物に代表されるビ
スフェノール誘導体、またはその置換体を単独で用いる
か、あるいは上記ビスフェノール誘導体にエチレングリ
コール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジアルコール
を併わせて用い、これらのジオール成分と2価以上のカ
ルボン酸(例えばフマル酸、マレイン酸、フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等)、その酸無水物(例えば無水マレイン酸、無
水フタル酸等)、またはその低級アルキルエステル等の
カルボン酸成分とを、縮合又は共縮合したポリエステル
樹脂が挙げられ、シャープな溶融特性を有するものが好
ましい。
【0041】結着樹脂としては、上記のようなポリエス
テルを単独でも使用できるが、ポリエステルが結着樹脂
重量全体の50重量%以上を占めていれば、以下に述べ
る単独重合体または共重合体を1種類以上組み合わせて
用いることができる。ポリエステルの他に併用できる結
着樹脂としては、スチレン、クロルスチレン、ビニルス
チレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のモノオレフイン、酢酸ビニル、ブ
ロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビ
ニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸フエニル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類やメ
タクリル酸アルキルエステル類、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプ
ロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体ある
いは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着
樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アル
キルエステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
等を挙げることができる。更にポリウレタン、エポキシ
樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフ
ィン、ワツクス類を挙げることができる。
【0042】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子を得るための着色剤としては、アニリンブルー、カ
ルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブル
ー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、
マラカイトグリーンオキサレート、ローダミンレーキ、
レーキレッド、パーマネントレッド、キナクリドン、ク
ロムイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロ
ー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ランプブラ
ック、ローズベンガル、カーボンブラック等を代表的な
ものとして例示することができる。上記のような着色剤
は、結着樹脂100重量部に対して1〜12重量部用い
られることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜10
重量部である。更に、非磁性着色樹脂粒子に荷電制御剤
を配合してもよい。例えば含金属アゾ染料、4級アンモ
ニウム塩、サリチル酸誘導体金属錯体等をあげることが
できるが、特に好ましくは無色または淡色の荷電制御剤
を配合すると良い。なお、結着樹脂、着色剤、荷電制御
剤は上述の例示したものに限定されるものでない。
【0043】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子は、結着樹脂、着色剤等を常法に従い、溶融混練、
冷却、粉砕、分級等を経て用いられる。得られた非磁性
着色樹脂粒子と外添剤を混合して一成分カラートナーと
した時の個数平均粒径が5〜9μm、より好ましくは6
〜8.5μmである。前述のトナー粒度を有していれ
ば、いわゆる小粒径トナーとしての長所である、細線再
現性に優れ画像の階調性に優れたカラー画像が得られ
る。尚、トナー個数平均粒径はコルターマルチサイザー
(コールター社)にて測定した。本発明の一成分系カラ
ートナーは、上述した樹脂微粒子を、非磁性着色樹脂粒
子100重量部に対して0.01〜10重量部で添加す
ることが好ましく、0.05〜3.0重量部添加するこ
とがより好ましい。
【0044】また、本発明の一成分系カラートナーは、
特定の誘電正接の樹脂微粒子の他に、種々の外添剤を非
磁性着色樹脂粒子に添加してなるものであってもよい。
例えば、シリカ、チタニア、アルミナの各々微粒子表面
を疎水性化処理をほどこした流動化剤、モース硬度2以
上9以下の無機微粉体である研磨剤及び導電性微粉末等
を上記樹脂微粒子と併用することができるがこれらに制
限されるものではない。
【0045】本発明の一成分系カラートナーは、感光体
あるいは静電記録体に形成された静電潜像を現像するこ
とができる。すなわち、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミ
ウム、無定形シリコン等の無機光導電材料、フタロシア
ニン顔料、ビスアゾ顔科等の有機光導電材料からなる感
光体に電子写真的に静電潜像を形成し、あるいはポリエ
チレンテレフタレートのような誘電体を有する静電記録
体に針伏電極等により静電潜像を形成し、磁気ブラシ
法、カスケード法、タッチダウン法等の現像方法によつ
て、静電潜像に本発明の一成分系カラートナーはによっ
てトナー像を形成する。このトナー像は紙等の転写材に
転写後、定着して複写物となり、感光体等の表面に残留
するトナーはクリーニングされる。クリーニング法とし
てはブレード法、ブラシ法、ウェッブ法、ロール法等種
々の方法を用いることができる。
【0046】
【実施例】以下に記載する製造例、実施例、比較例中、
%とあるのは重量%を、また部とあるのは重量部を示
す。
【製造例1】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、過硫酸カリウム0.4
部、ポリビニルアルコール0.2部を入れ、窒素気流中
で80℃にて4時間重合を行った。4時間後、アクリル
酸3部を添加し、更に重合を1時間継続した。重合終了
後、反応液を20℃迄冷却し、酢酸亜鉛4部を加えて造
塩し、得られた反応液を濾過、洗浄後、スプレードライ
ヤーを用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径
0.4μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られ
た樹脂微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=53.2*10-3、 A2(1MHz)=22.0*10-3であり、 A1/A2=2.42であった。また、このようにして
得られた樹脂微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観
察したところ、ほぼ球形であった。尚、樹脂微粒子の粒
径はSEM(加速電圧25kv,倍率1万倍)による5
視野、各10個粒子の実測値の平均で求めた。製造例2
以降も同様な方法で粒径を測定した。
【0047】
【製造例2】酢酸亜鉛を用いなかった以外は製造例1と
同様にして平均粒径0.4μm実質的に球形の樹脂微粒
子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正
接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=62.4*10-3、 A2(1MHz)=35.0*10-3であり、 A1/A2=1.78であった。
【0048】
【製造例3】ポリビニルアルコール0.2部の代わり
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例2
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、 A1(1KHz)=61.4*10-3、 A2(1MHz)=36.3*10-3であり、 A1/A2=1.69であった。
【0049】
【製造例4】ポリビニルアルコール0.2部の代わり
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例1
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、 A1(1KHz)=61.6*10-3、 A2(1MHz)=22.0*10-3であり、 A1/A2=2.80であった。
【0050】
【製造例5】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、2、2’−アゾビス(2
−アミジノプロパン)塩酸塩0.3部、ポリビニルアル
コール0.4部を入れ、窒素気流中で80℃にて重合を
行った。重合終了後、反応液を20℃迄冷却し、得られ
た反応液を濾過、洗浄後にスプレードライヤーを用いて
乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.3μmの
樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子
の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=241.0*10-3、 A2(1MHz)=63.8*10-3であり、 A1/A2=3.78であった。
【0051】
【製造例6】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト55部、スチレン45部、蒸留水200部、過硫酸カ
リウム、ポリビニルアルコール0.3部を入れ、窒素気
流中で80℃にて重合を行った。重合終了後、反応液を
20℃迄冷却し、濾過、洗浄後にスプレードライヤーを
用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.5
μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂
微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=14.2*10-3、 A2(1MHz)=13.3*10-3であり、 A1/A2=1.07であった。
【0052】
【実施例1】 アルキル化ビスフェノールと2価のカルボン酸成分及びトリメリット酸 との共縮合してなるポリエステル樹脂 93部 電荷調整剤(ボントロンE84:オリエント化学(株)製) 4部 着色剤(フタロシアニン顔料) 3部 をヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、エクスト
ルーダーで溶融混練し、冷却後ハンマーミルで粗砕し、
次いでエアージェットミル粉砕機で微粉砕し、分級して
非磁性着色樹脂粒子を得た。得られた非磁性着色樹脂粒
子の個数平均粒径7.2μmであり、誘電正接B1、B
2はそれぞれ B1(1KHz)=15.7*10-3、 B2(1MHz)=12.7*10-3であり、 B1/B2=1.23であった。
【0053】得られた非磁性着色樹脂粒子100部に外
添剤として製造例1で得た樹脂微粒子0.5部を混合し
て非磁性一成分系カラートナー(シアントナー)を得
た。ここで非磁性着色樹脂粒子、樹脂微粒子の関係は以
下の通りであった。 A1/A2−B1/B2=1.19
【0054】トナー担持体に当接された部材によってト
ナー担持体上にトナーの薄層を設けた後、潜像担持体上
の潜像を現像する画像形成方式のプリンターに、上記の
一成分系カラートナーを用いて、23℃/50%RHで
5%濃度文字原稿(白地に対して文字面積が5%の面積
を占める)で5千枚画だししたところ、現像/転写効率
の平均91%と高く、画像濃度1.58、かぶりのない
良好な画像が得られ、トナー消費量も1K当たり平均2
7.5gと少なかった。また、高温高湿下(30℃/8
5%RH)で前述と同様の画だしを行ったところ、現像
/転写効率の平均88%と高く、画像濃度1.55、か
ぶりのない良好な画像が得られ、トナー消費量も1K当
たり平均30gと少量であった。更に低温低湿下(10
℃/20%RH)で前述と同様の画だしを行ったとこ
ろ、現像/転写効率の平均93%と高く、画像濃度1.
56、安定した良好な画像が得られ、スリーブ表面にト
ナーフィルミングもなく、ブレードも汚染がなく、トナ
ー消費量も1K当たり平均31gと少量であった。な
お、現像/転写効率とは、((トナー消費量−回収トナ
ー量)/トナー消費量)×100%であり、画像形成に
有効に消費されたトナーの割合を示すものであり、トナ
ー消費量が少なく、現像/転写効率が大きく、画像濃度
の大きな現像剤は、寿命が長く望ましいものである。
【0055】
【実施例2】製造例1で得た樹脂微粒子0.5部の代わ
りに製造例2で得た樹脂微粒子を0.8部使用する以外
は実施例1と同様にして一成分系カラートナーとした。
A1/A2−B1/B2=0.55であった。係る一成
分系カラートナーを用いて実施例1と同様に画だしを行
ったところ、低温低湿下で画像濃度1.54であり、各
環境共に現像/転写効率も87〜92%と安定し、良好
な画像が得られた。
【0056】
【実施例3】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例3で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にして一成分系カラートナーとした。A1/A2−B1
/B2=0.46であった。係る一成分系カラートナー
を用いて実施例1と同様に画だしを行ったところ、低温
低湿下で画像濃度1.55であり、各環境共に現像/転
写効率も88〜91%と安定し、良好な画像が得られ
た。
【0057】
【実施例4】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例4で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にして一成分系カラートナーを得た。A1/A2−B1
/B2=1.57であった。係る一成分系カラートナー
を用いて実施例1と同様に画だしを行ったところ、低温
低湿下で画像濃度1.53であり、各環境共に現像/転
写効率も85〜90%と安定し、良好な画像が得られ
た。
【0058】
【実施例5】実施例1において用いたトリメリット酸を
用いたポリエステル結着樹脂の代わりにトリメリット酸
を用いないポリエステル結着樹脂93部、電荷調整剤
(E84)の代わりに負帯電性4級アンモニウム塩2部
及びポリプロピレンワックス2部を用いた以外は実施例
1と同様にして非磁性着色樹脂粒子を得た。得られた非
磁性着色樹脂粒子の個数平均粒径は8.2μmであり、
この誘電正接は以下の通りであった。 B1(1KHz)=9.2*10-3、 B2(1MHz)=19.5*10-3であり、 B1/B2=0.47であった。
【0059】製造例1で得た樹脂微粒子を使用して実施
例1と同様にして一成分系カラートナーを得た。A1/
A2−B1/B2=1.95であった。係る一成分系カ
ラートナーを用いて実施例1と同様に画だしを行ったと
ころ、高温高湿下で画像濃度1.52であり、各環境共
に現像/転写効率も85〜90%と安定し、良好な画像
が得られた。
【0060】
【実施例6】外添剤として、実施例1で使用した樹脂微
粒子1.5部、研磨剤としてモース硬度9.0のタング
ステンカーバイト(日本新金属(株)製)0.5部を使
用する以外は実施例と同様に画だしを行ったところ、低
温低湿下でスリーブフィルミングも発生せず、画像濃度
1.51であり、各環境共に現像/転写効率は85%〜
90%と安定し、良好な画像が得られた。
【0061】
【比較例1】樹脂微粒子を使用しない以外は実施例1と
同様の画だしを行ったところ、各環境共に現像/転写効
率が安定せず、特に低温低湿でスリーブ及びクリーニン
グブレードにフィルミングが発生し、低温低湿では画像
濃度も1.14と低く、カブリが発生した。
【0062】
【比較例2】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例5で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にして一成分系カラートナーを得た。該一成分系カラー
トナーを用いて実施例1と同様に画だしを行ったとこ
ろ、高温高湿下で摩擦帯電量が大きく低下し、画像濃度
も1.20となり、カブリが増大した。また、回収量
(廃トナー量)が11gと多く、現像/転写効率が63
%と著しく低かった。
【0063】
【比較例3】製造例6で得た樹脂微粒子を使用する以外
は実施例1と同様にして一成分系カラートナーを得た。
該一成分系カラートナーを用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、各環境共に現像/転写効率が安定せ
ず、特に低温低湿下で画像濃度1.25と低下し、カブ
リが発生した。
【0064】
【比較例4】実施例6において外添剤に樹脂微粒子を使
用しないで研磨剤のみを使用する以外は実施例6と同様
に行ったところ、多数枚複写を行なうと、感光体に細か
な無数のキズが発生し、画像に黒筋が多数確認された。
【0065】
【発明の効果】本発明の一成分系カラートナーにより得
られる効果は以下の通りである。 1.各環境下の現像/転写効率がの向上できるようにな
り、トナー消費量の適正化が可能となる。多数枚数の複
写を実施しても、上記樹脂微粒子及び非磁性着色樹脂粒
子が好適な範囲の誘電正接比を有し、かつ特定の関係を
満たす場合、現像/転写効率の向上がなされ、それによ
ってより少ないトナー消費量で良好な現像が行われ、種
々の環境下でも安定した画像が得られる。 2.各環境下での画像濃度低下、かぶりの増大を防止で
きる スリーブフィルミングを原因とする低温低湿下における
画像濃度低下を防止し、カブリの増大を防ぐことができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 9/08 361 384

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル結着樹脂と着色剤とを含有
    する個数平均粒径5〜9μmの非磁性着色樹脂粒子と少
    なくとも1種の外添剤とからなり、少なくとも1種の外
    添剤が粒径0.05〜2μmの樹脂微粒子であり、か
    つ、樹脂微粒子の周波数1KHzにおける誘電正接の値
    をA1、周波数1MHzにおける誘電正接の値をA2、
    非磁性着色樹脂粒子の周波数1KHzにおける誘電正接
    の値をB1、周波数1MHzにおける誘電正接の値をB
    2とする時、誘電正接の比が各々以下の範囲にあり、 1.60≦A1/A2≦3.00、 0.40≦B1/B2≦1.50、 0.10≦A1/A2−B1/B2≦2.6なる関係を
    満たすことを特徴とする一成分系カラートナー。
  2. 【請求項2】 樹脂微粒子が多段重合で得られ、被覆層
    とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層が親水
    性基を有することを特徴とする請求項1記載の一成分系
    カラートナー。
  3. 【請求項3】 樹脂微粒子の被覆層の親水性基が、カル
    ボン酸またはカルボン酸塩であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の一成分系カラートナー。
  4. 【請求項4】 非磁性着色樹脂粒子100重量部に対し
    て、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混合することを
    特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の一成分系カ
    ラートナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1069479A1 (en) * 1999-07-05 2001-01-17 Canon Kabushiki Kaisha Toner and image forming method
JP2017044981A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 キヤノン株式会社 トナーおよびトナーの製造方法

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EP1069479A1 (en) * 1999-07-05 2001-01-17 Canon Kabushiki Kaisha Toner and image forming method
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