JP3387349B2 - 磁性現像剤 - Google Patents

磁性現像剤

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JP3387349B2
JP3387349B2 JP02621297A JP2621297A JP3387349B2 JP 3387349 B2 JP3387349 B2 JP 3387349B2 JP 02621297 A JP02621297 A JP 02621297A JP 2621297 A JP2621297 A JP 2621297A JP 3387349 B2 JP3387349 B2 JP 3387349B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性現像剤に関す
る。
【0002】
【従来技術】電子写真法あるいは静電記録法に適用され
る現像方法の一つとして、トナーとキャリアからなる二
成分現像剤(以下、現像剤と略す。)を用い、トナーと
キャリア間の摩擦帯電によりトナーに電荷を付与し、こ
のトナーにより静電潜像を可視化する方法が知られてい
る。係る方法は、感光体あるいは静電記録体上の静電潜
像にトナーを付着せしめ、トナー像を形成し、係るトナ
ー像を転写紙に転写後、定着して複写物を形成する方法
である。一方、感光体あるいは静電記録体上に残留した
トナーは、次の複写工程に備えるべくクリーニングされ
る。従って、二成分系現像方式の場合、主としてキャリ
アとの関係によって定まるトナーの摩擦帯電性が良好で
あることが必要である。
【0003】トナーの摩擦帯電性を向上する方法とし
て、例えば、特公昭52−32256号公報、特開昭5
6−64352号公報には、母体トナーと逆極性の樹脂
微粉末を帯電補助剤として添加する方法が、また同61
−160760号公報には、フッ化含有化合物を帯電補
助剤として母体トナーに添加する方法が提案されてい
る。しかしながら、母体トナー表面に帯電補助剤等の添
加剤を均一に分散することは容易でなく、また母体トナ
ー粒子に付着しきれない添加剤同士が凝集物となり易
く、この傾向は帯電補助剤の摩擦帯電能が大きいほど、
即ち誘電損失が小さい程、又粒径が細かい程顕著になっ
てくる。そして、この様な場合、トナーの摩擦帯電量が
不安定となり、画像濃度が一定せず、またカブリの多い
画像となったり、あるいは多数枚数複写を行うと帯電補
助剤の含有量が変化し、初期時の画像品質を保持できな
い、等種々の問題点を有する。
【0004】また特公平2−3173号公報、同317
4号公報、同3175号公報には、トナーに平均粒径
0.05〜5μmの樹脂微粒子を混合する方法が提案さ
れている。しかしながら、これらの樹脂微粉末は、摩擦
帯電能は大きく、誘電損失が小さいものの、表面の親水
性が乏しいので、低温低湿下において多数枚複写する際
に該樹脂微粒子を混合してなるトナーの帯電量が大きく
なりすぎ、画像濃度が低下したりする。また、低温低湿
下においては前記樹脂微粒子の帯電量が大きくなりすぎ
るために樹脂微粉末が凝集しやすくなり、混合性が低下
したり、樹脂微粒子自身がチャージアップしてしまい非
画像部にトナーと共に飛翔したり(いわゆるカブリが生
じたり)するという問題がある。一方、高温高湿下にお
いては誘電特性が変化しやすく現像性が悪化し、トナー
消費量及び回収トナー量が増加する、即ち現像/転写効
率が低下するという問題がある。
【0005】二成分現像剤のうち、磁性トナーとキャリ
アからなる磁性現像剤は、非磁性トナーを用いた二成分
現像剤と比べて、エッジ効果のないムラの少ない画像が
得られる他に、省スペース、省エネルギーの点から好ま
しいものではあるが、前述の種々の問題を有し、その解
決が待たれていた。
【0006】
【解決しようとする課題】本発明は、この様な事情に鑑
みなされたものであって、環境が変化しても長期にわた
って磁性トナーの帯電量が安定し、その結果、現像/転
写効率及びトナー消費量が安定し、特に低温低湿下での
トナーのチャージアップを抑えることによって画像濃度
の低下やカブリの増大を防止した磁性現像剤を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、磁性粉と結着樹脂とを含有する磁性樹脂粒子と少な
くとも樹脂微粒子とを有する磁性トナー、及び磁性粉分
散型樹脂キャリアを有する磁性現像剤であって、前記樹
脂微粒子は粒径が0.05〜2μm、重量平均分子量Mw
が2〜200万の範囲であって、多段重合で得られ、被
覆層とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層が
重合性モノカルボン酸を重合した重合性モノカルボン酸
である親水性基、または重合性モノカルボン酸を重合し
た後、表面のカルボキシル基を塩とした重合性モノカル
ボン酸塩である親水性基を有し、該樹脂微粒子の周波数
1MHzにおける誘電正接の値をA、磁性樹脂粒子の周
波数1MHzにおける誘電正接の値をB、キャリアの周
波数1MHzにおける誘電正接の値をCとする時、0.
015≦A≦0.065、かつ、B<A<C なる関係
を満たすことを特徴とする磁性現像剤である。
【0008】第2の発明は、重合性モノカルボン酸が付
加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸であることを特徴
とする第1の発明記載の磁性現像剤である。
【0009】
【0010】第3の発明は、非磁性着色樹脂粒子100
重量部に対して、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混
合することを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記
載の磁性現像剤である。
【0011】第4の発明は、磁性樹脂粒子が、磁性粉を
10〜40重量%含有することを特徴とする第1の発明
ないし第3の発明いずれか記載の磁性現像剤である。
【0012】第5の発明は、磁性粉分散型樹脂キャリア
が、磁性粉を60〜95重量%含有することを特徴とす
る第1の発明ないし第4の発明いずれか記載の磁性現像
剤である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者は、磁性現像剤の環境に
対する帯電安定性について鋭意検討した結果、第1の発
明に記載するような条件を満たすとき、現像/転写効率
の環境安定性に優れ、トナー消費量が安定し、かつ帯電
性を安定させ、低温低湿下では画像濃度低下がなく、カ
ブリのない良好な画像が得られることを見出した。
【0014】その理由は未だ明確ではないが、以下のよ
うに推察される。すなわち、樹脂微粒子は磁性樹脂粒子
と一体となって帯電し、更に現像/転写時に種々の電界
が存在するため、各々がミクロ的に誘電分極し、樹脂微
粒子が誘電分極的な連結因子となることで磁性樹脂粒子
がまとまり、ある程度の凝集体となった磁性トナーが磁
性現像剤から感光体上の静電潜像へ吸引され、更に感光
体から普通紙上にまとまって転写するため、個々ばらば
らで現像/転写されるより現像/転写効率が良く、か
つ、かぶりにくい、と考えられる。
【0015】一般に、誘電損失のある物質の誘電率Εは
Ε=ε1 −i ×ε2 で表され( ε1は誘電率の実数部、
ε2 は誘電率の虚数部、i は虚数) 、誘電正接 tanδ=
ε2/ε1 の関係があり、誘電率と誘電正接は密接な関
わりがあると認められる。ここで、誘電正接 tanδは、
誘電損失正接または散逸係数と呼ばれ、物理的な意味は
1サイクル当たりの散逸するエネルギーに対する1サイ
クル当たりの貯蔵されるエネルギーの比を示している。
誘電正接は周波数によって大きさが異なるが、これは誘
電体の表面(界面)、配向及び原子(イオン)分極の状
態を示す。
【0016】誘電正接は誘電損失の度合いを表し、誘電
正接が小さければ帯電量を保持する傾向が大きく、誘電
正接が大きければ帯電量を下げる傾向を示す。比較的誘
電正接が小さく、帯電量を保持する傾向にある磁性樹脂
粒子を用いることにより、環境の変化にさほど影響され
ない安定した帯電状態、及び現像/転写効率を確保し、
かつ比較的誘電正接が大きく、帯電量を下げる傾向にあ
る樹脂微粒子を外添剤として用いることによって、比較
的誘電正接が小さく、帯電量を保持する傾向にある磁性
樹脂粒子の帯電性を損なうことなく、低温低湿下におけ
る磁性樹脂粒子とキャリアとの摩擦によるチャージアッ
プを緩和し、低温低湿下でも画像濃度低下がなく、カブ
リのない良好な画像が得られるようになったものと考え
られる。更に、前述の2つより誘電正接が大きいキャリ
アを用いることによって磁性トナーの帯電量を安定さ
せ、チャージアップによるキャリア飛びのない安定した
画像が得られると考えられる。
【0017】本発明においては、樹脂微粒子の周波数1
MHzにおける誘電正接の値をA、磁性樹脂粒子の周波
数1MHzにおける誘電正接の値をB、キャリアの周波
数1MHzにおける誘電正接の値をCとしたとき、0.
015≦A≦0.065、かつ、B<A<C なる関係
を満たすことが重要である。
【0018】Aが0.065より大きいと、樹脂微粒子
の電荷損失が大きくなり、磁性トナー同士を結び付ける
誘電分極的な連結因子としての役割を消失し、その結
果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。またトナ
ーの帯電量が低下するので、カブリ、トナー飛散等の弊
害が生じてしまう。一方、Aが0.015未満である
と、樹脂微粒子が凝集し易くなり、磁性トナー同士の間
に静電気的な介在ができなくなり、その結果、現像/転
写効率の向上に寄与しなくなる。また、Aが0.015
未満であると、低温低湿下において磁性トナーに蓄積さ
れた電荷をリークし難くなるので、低温低湿下において
画像濃度が低下することを抑制・防止できない。
【0019】また、AがB<A<Cの範囲にないと、磁
性現像剤とした時の帯電性が損なわれ、良好な画像が得
られなくなり、特に高温高湿下では帯電量が低下するの
でトナー消費量が増大したり、トナー飛散が生じ、カブ
リも増加するといった問題が生じる。更に、現像/転写
効率の環境安定性を欠き、またチャージアップ緩和効果
が不十分となり、低温低湿度下において画像濃度が低下
するという問題が生じる。
【0020】なお、本発明における誘電正接tanδは
以下のようにして求める。市販の錠剤成形器に、予め2
3℃/50RH%の恒温恒湿槽に24時間放置した試料
(樹脂微粒子又は磁性樹脂粒子)を入れ、400Kg/
cm2 で加圧して、厚さ約2mm,直径20mmの円筒
形ペレットを作製する。このペレットをインピーダンス
アナライザー4194A(横河ヒューレットパッカード
社製)により周波数1MHzで測定し、誘電正接tan
δの値を求めた。
【0021】また、本発明に用いる樹脂微粒子の粒径は
0.05〜2μmであることが重要であり、0.1〜1
μmであることがより好ましい。粒径が0.05μmよ
り小さいと、樹脂微粒子が磁性樹脂粒子に埋め込まれた
り、樹脂微粒子同士の凝集が生じ易く、低温低湿下での
画像濃度の低下を抑制・防止し難い。一方、2μmより
大きいと、分散が不均一となったり、磁性樹脂粒子と一
体化し難いので、低温低湿下でトナーのチャージアップ
を抑制・防止し難く、低温低湿下での画像濃度の低下を
抑制・防止し難い傾向にある。また、樹脂微粒子が鋭利
な角を多数有すると感光体を傷つけかねないので、樹脂
微粒子の形状としては鋭利な角の少ない、出来るだけ丸
味を帯びた形状、例えば球形であることが好ましい。
【0022】本発明において用いられる樹脂微粒子は、
上記した条件を満たすものであれば良く、組成や製造方
法等は限定されるものではないが、多段重合で得られ、
被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層
が重合性モノカルボン酸または重合性モノカルボン酸塩
である親水性基を有することが好ましい。以下に多段重
合で得られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を
有し、被覆層が親水性基である重合性モノカルボン酸ま
たは重合性モノカルボン酸塩を有する樹脂微粒子(以下
多段重合樹脂微粒子と略す)の製造方法について述べ
る。
【0023】多段重合樹脂微粒子は、乳化重合、ソープ
フリー重合、懸濁重合等による多段重合で得られるもの
であり、最終段階よりも前の段階の重合においてアクリ
ル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキル
エステルを重合もしくは共重合せしめ、最終段階の重合
において重合性モノカルボン酸を重合せしめてなること
が好ましい。例えば乳化重合による二段重合の場合、そ
の樹脂微粒子を含有する分散液は以下のような方法で得
られる。 (1)一段目の乳化重合によって、アクリル酸エステル
及び/またはメタクリル酸アルキルエステルの重合体の
微粒子の分散液もしくは共重合体の微粒子の分散液(以
下第1段目の分散液と略す)を得、次いで二段目の乳化
重合として、第1段目の分散液に重合性モノカルボン酸
モノマーを添加したり滴下したりし、乳化重合する。 (2)(1)の方法において、二段目の乳化重合終了
後、分散粒子の表面近傍に存在する重合性モノカルボン
酸由来のカルボキシル基を塩とする。上記(1)〜
(2)は、二段重合の場合について説明したものである
が、二段を超える多段重合の場合も同様に、多段重合の
最終段階の重合において重合性モノカルボン酸を重合せ
しめればよく、アクリル酸エステル及び/またはメタク
リル酸アルキルエステルの重合もしくは共重合は、最終
段階よりも前の段階のいずれかの段階の重合であればよ
く、最終段階の直前の段階には限られない。
【0024】本発明において最終段階よりも前の工程で
製造される重合体もしくは共重合体としては、アクリル
酸アルキルエステルモノマーの重合体、メタクリル酸ア
ルキルエステルモノマーの重合体、アクリル酸アルキル
エステルモノマー及びメタクリル酸アルキルエステルモ
ノマーの共重合体、またはアクリル酸アルキルエステル
モノマーまたはメタクリル酸アルキルエステルモノマー
を50重量%以上含有し、他の共重合可能なモノマーを
1種または2種以上含有する共重合体が挙げられる。
【0025】本発明において用いられるアクリル酸アル
キルエステルモノマー、メタクリル酸アルキルエステル
モノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と、ア
ルキルアルコール、アルコキシアルコール、アラルキル
アルコール、アルケニルアルコール等のアルコールとの
エステル化物が挙げられ、上記アルコールの具体例とし
てメチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアル
コール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘ
キサデシルアルコールの如きアルキルアルコール;メト
キシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メ
トキシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコー
ルの如きアルコキシルアルコール;ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアル
コールの如きアラルキルアルコール;アリルアルコー
ル、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコール
が挙げられ、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
トが好ましい。
【0026】上述したアクリル酸アルキルエステルモノ
マー、メタクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合
し得る他のモノマーとしては、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリル
アミド、N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド及び
ニトリル類、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類;ビニル
カルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリド等の含
窒素ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレン等の脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭
化ビニル、1,2−ジクロルエチレン、1,2−ジブロ
ムエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニ
ル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化脂肪族オレフ
ィン;1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系脂肪族
オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン類が挙げられる。
【0027】
【0028】最終の重合段階において使用する重合性モ
ノカルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、
α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロト
ン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリ
ン酸、ウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカ
ルボン酸が挙げられ、これらの1種または2種以上を使
用することができ、アクリル酸、メタクリル酸が好まし
い。
【0029】重合前又は重合後にカルボン酸の塩形成に
用いられる造塩剤としては、Na,Mg,K,Li,N
4 ,Ca,Ba,Zn,Fe,Cu,Al,Ni,C
o,Cr等の水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及
び有機アミン類が挙げられ、中でもMg、Ca、Ba、
Zn、Fe、Ni、Co等の2価の金属の水酸化物、酸
化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好まし
く、さらにはMg、Ca、Ba、Znの水酸化物、酸化
物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好ましく、
Znの水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機
アミン類が最も好ましい。有機酸としてはギ酸、酢酸、
プロピオン酸等が挙げらる。これら造塩剤の添加量は、
使用した又は使用する重合性モノカルボン酸のカルボキ
シル基に対して当量になるように添加するのが好まし
い。当量未満であっても低温低湿下における帯電量の安
定性の向上には有効である。また当量以上に添加しても
過剰部分は後に水洗工程を行うことによって除去できる
ので差し支えない。
【0030】重合性モノカルボン酸の使用量は、最終段
階前の重合段階までに用いたモノマー総量100重量部
に対し、0.05〜20重量%用いられることが好まし
い。0.05重量部未満では製造した微粉末を磁性樹脂
粒子に添加してトナーとしても、低温低湿下での画像濃
度向上の効果に乏しく、20重量部を超えると樹脂微粒
子の表面の親水性が大きくなり水分が吸湿して誘電正接
が大きく成り過ぎ、摩擦帯電量が低下するために、現像
/転写効率の向上に殆ど寄与しなくなる。
【0031】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、過硫酸塩とスルホ
キシ化合物からなるレッドクス系開始剤、水溶性アゾ系
の開始剤等が挙げられる。過硫酸塩系開始剤には過硫酸
カリウム、過硫酸ナトリウムが挙げられ、過硫酸塩とス
ルホキシ化合物からなるレッドクス系開始剤には前述の
過硫酸塩とチオ硫酸カリウムまたはチオ硫酸ナトリウム
が挙げられる。水溶性アゾ系の開始剤には2、2'−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2、2'−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)酢酸塩、2、2'−ア
ゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)ジ
塩酸塩等が挙げられる。
【0032】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる乳化
剤としては、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、
アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク
酸ジアルキルエステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、
またはカリウム、アルキル(又はアルキルフェニル)エ
ーテル、硫酸エステルナトリウム、またはアンモニウム
などのアニオン性乳化剤:アルキルフエノールエチレン
オキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド
付加物、ポリブロピレングリコールエチレンオキサイド
付加物などのノニオン性乳化剤; 第4級アンモニウム
塩などのカチオン性乳化剤等が挙げられ、更にはポリビ
ニルアルコールなどの水溶性ポリマーも用いることがで
きる。
【0033】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合に用いら
れる重合開始剤としては、上記乳化重合の場合と同様の
ものが使用できる。
【0034】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合は、保護
コロイドとして水溶性高分子化合物を用いるものであ
り、水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそ
の塩、ポリメタクリル酸及びその塩、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエー
テル、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。本
発明において使用される樹脂微粒子は、誘電正接や平均
粒子径に関する条件を満たすものであればよいことは上
述した次第であるが、好適な製造方法である多段重合の
内、ソープフリー重合法は重合時に乳化剤を使用しない
ので、後述する乾燥後の樹脂微粒子も乳化剤を含有しな
いため、誘電正接の環境変動が小さいので特に好まし
い。
【0035】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過酸化物系開始剤、アゾビス系の開始
剤等が挙げられる。過酸化物系開始剤には過酸化ベンゾ
イル等が挙げられ、アゾビス系の開始剤には2、2'−
アゾビスイソブチロニトリル、2、2'−アゾビスヴァ
レロニトリル等を例示できる。
【0036】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる乳化
剤としては、上記乳化重合の場合と同様のものが使用で
きる。
【0037】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重合、懸
濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボン酸
を塩とした後、水性分散液から水を除去すればよい。水
を除去する手段としては、通常粉体製造に用いられてい
る種々の乾燥方法と解砕方法・粉砕方法とが適用できる
が、水性分散液をスプレードライした後、乾燥物を解砕
・粉砕することが好ましい。
【0038】また、本発明において好適に使用される多
段重合樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリ
ー重合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボ
ン酸を塩とした後、クロスフロー式濾過法によって水性
分散液から乳化剤等を除去することもできる。例えば、
卓上型エマルジョンフィルター(綜研化学(株)製)に
水性分散液に入れ、水を流して水性分散液を洗浄し、乳
化剤や未反応物等を除去することができる。洗浄後上記
方法によって水を除去すればよい。
【0039】また、本発明に用いる樹脂微粒子は、重量
平均分子量Mwが2〜200万の範囲にあることが好ま
しい。Mwが200万より大きい場合はトナーの定着性
に悪影響を与え易く、また2万より小さい場合は耐ブロ
ッキング性が悪化し易くなる。
【0040】本発明において用いられる磁性樹脂粒子
は、結着樹脂と磁性粉とを含有するものであり、用いら
れる結着樹脂としては、スチレン、クロルスチレン、ビ
ニルスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、
ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン、酢酸ビニ
ル、ブロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル
等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アク
リル酸オクチル、アクリル酸フエニル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類や
メタクリル酸アルキルエステル類、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプ
ロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体ある
いは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着
樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アル
キルエステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
等を挙げることができる。更にポリウレタン、エポキシ
樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフ
イン、ワツクス類を挙げることができる。
【0041】本発明において用いられる磁性樹脂粒子を
得るための磁性粉としては、強磁性の元素及びこれらを
含む合金、化合物、例えばマグネタイト、マグメマイ
ト、フェライトなど鉄、コバルト、ニッケル、マンガ
ン、亜鉛等を含む化合物が好ましいが、必要に応じてカ
ーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、
ウルトラマリンブルー、メチレンブルークロリド、フタ
ロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、
ランプブラック、ローズベンガル等を実用上十分な黒色
度を得るために加えても良い。
【0042】本発明において用いられる磁性樹脂粒子中
の磁性粉の量は10〜40重量%であることが好まし
く、さらに好ましくは15〜35重量%である。磁性粉
が10重量%よりも少ないと、磁気拘束力が弱まってト
ナー飛散等が起き、40重量%より多いと摩擦帯電量が
低下し、さらに磁気拘束力が強すぎて画像濃度が低下す
る。
【0043】更に、磁性樹脂粒子に荷電制御剤を配合し
てもよい。例えばニグロシン染料、4級アンモニウム
塩、含金属アゾ染料、サリチル酸誘導体金属錯体等をあ
げることができる。なお、結着樹脂、磁性粉、荷電制御
剤は上述の例示したものに限定されるものでない。
【0044】本発明において用いられる磁性樹脂粒子
は、結着樹脂、磁性粉等を常法に従い、溶融混練、冷
却、粉砕、分級等を経て用いられる。用いられる磁性樹
脂粒子は、平均粒径が約30μmより小さいことが好ま
しく、平均粒径3〜20μmであることがより好まし
い。本発明のトナーは、上述した樹脂微粒子を、磁性樹
脂粒子100重量部に対して0.01〜10重量部で添
加することが好ましく、0.05〜3.0重量部添加す
ることがより好ましい。
【0045】また、本発明の磁性トナーは、特定の誘電
正接の樹脂微粒子の他に、種々の外添剤を磁性樹脂粒子
に添加してなるものであってもよい。例えば、シリカ、
チタニア、アルミナの各々微粒子表面を疎水性化処理を
ほどこした流動化剤、ポリフッ化ビニリデンに代表され
る滑剤、タングステンカーバイト等に代表される研磨
剤、導電性微粉末等を上記微粉末と併用することができ
るがこれらに制限されるものではない。
【0046】本発明の現像剤は、磁性粉分散型樹脂キャ
リヤと磁性トナーとを有する磁性現像剤(以下現像剤と
略す)である。本発明の現像剤に用いられる磁性粉分散
型樹脂キャリア(以下樹脂キャリアと略す)は、前述の
磁性樹脂粒子と同様に鉄、ニツケル、コバルト、酸化
鉄、フエライト等の磁性粉を結着樹脂中に分散せしめた
ものであり、前記の磁性樹脂粒子同程度の平均粒径、即
ち3〜30μm程度から200μmまでであることが好
ましい。本発明の現像剤に用いられる樹脂キャリアは、
磁性粉を60〜95重量%含有することが好ましく、さ
らに好ましくは70〜85重量%である。磁性粉が60
重量%より少ないとスリーブへの磁気拘束力が弱くて、
キャリアこぼれが生じ、95重量%より多いと樹脂が少
ないため固まらずキャリアとして使用できない。樹脂キ
ャリア用の結着剤としては、前記したもののうちスチレ
ン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが好まし
い。さらにこれら種々のキャリアの表面をフッ素系樹
脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の被覆剤で被
覆しても良い。
【0047】本発明の現像剤は、まず樹脂微粒子と磁性
樹脂粒子とを混合してトナーを得、そのトナーとキャリ
アとを混合してなることが最も好ましいが、磁性樹脂粒
子とキャリアを混合しておき、次いで微粉末を添加・混
合しても良い。
【0048】本発明の現像剤は、感光体あるいは静電記
録体に形成された静電潜像を現像することができる。す
なわち、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、無定形シ
リコン等の無機光導電材料、フタロシアニン顔料、ビス
アゾ顔科等の有機光導電材料からなる感光体に電子写真
的に静電潜像を形成し、あるいはポリエチレンテレフタ
レートのような誘電体を有する静電記録体に針伏電極等
により静電潜像を形成し、磁気ブラシ法、カスケード
法、タッチダウン法等の現像方法によつて、静電潜像に
本発明の現像剤によってトナー像を形成する。このトナ
ー像は紙等の転写材に転写後、定着して複写物となり、
感光体等の表面に残留するトナーはクリーニングされ
る。クリーニング法としてはブレード法、ブラシ法、ウ
ェッブ法、ロール法等種々の方法を用いることができ
る。
【0049】
【実施例】以下に記載する製造例、実施例、比較例中、
%とあるのは重量%を、また部とあるのは重量部を示
す。
【製造例1】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、過硫酸カリウム0.4
部、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を入れ、窒素気流中で8
0℃にて4時間乳化重合を行った。4時間後、アクリル
酸3部を添加し、更に重合を1時間継続した。重合終了
後、反応液を20℃迄冷却し、酢酸亜鉛4部を加えて造
塩した後、得られた乳化液を濾過、洗浄後、スプレード
ライヤーを用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均
粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得
られた樹脂微粒子の誘電正接Aは、A(1MHz)=2
2.3*10-3であった。また、このようにして得られ
た樹脂微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した
ところ、ほぼ球形であった。
【0050】
【製造例2】酢酸亜鉛で造塩しなかった以外は製造例1
と同様にして平均粒径0.3μm実質的に球形の樹脂微
粒子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子の誘電
正接Aは、A(1MHz)=35.0*10-3であっ
た。
【0051】
【製造例3】ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル4部、ナトリウムラウリルサルフェート1部の代わり
に、ポリビニルアルコール0.2部を用いた以外は製造
例1と同様にして、平均粒径0.4μmの樹脂微粒子を
得た。得られた樹脂微粒子の誘電正接Aは、A(1MH
z)=23.0*10-3であった。
【0052】
【製造例4】製造例3で二段重合終了後、反応液を20
℃迄冷却し、酢酸亜鉛を加えなかった以外は製造例3と
同様にして平均粒径0.4μm実質的に球形の樹脂微粒
子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正
接Aは、A(1MHz)=36.3*10-3であった。
【0053】
【製造例5】酢酸亜鉛4部の代わりにジメチルアミノエ
タノール3部を用いた以外は製造例2と同様にして平均
粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得
られた樹脂微粒子の誘電正接Aは、A(1MHz)=6
8.2*10-3であった。
【0054】
【製造例6】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト55部、スチレン45部、蒸留水200部、過酸化ベ
ンゾイル、ポリビニルアルコール4部を入れ、窒素気流
中で80℃にて乳化重合を行った。重合終了後、反応液
を20℃迄冷却し、得られた懸濁液を濾過、洗浄後にス
プレードライヤーを用いて乾燥し、ジェットミルで解砕
し、平均粒径0.5μmの樹脂微粒子を得た。このよう
にして得られた樹脂微粒子の誘電正接Aは、A(1MH
z)=13.3*10-3であった。
【0055】
【実施例1】スチレンとn−ブチルメタアクリレートと
の共重合体(結着樹脂) 76部 電荷調整剤(スピロン
ブラックTRH:保土谷化学) 2部 ワックス 4部 着
色剤(カーボンブラック) 2部 磁性粉(マグネタイ
ト) 16部をヘンシェルミキサーにより予備混合を行
い、エクストルーダーで溶融混練し、冷却後ハンマーミ
ルで粗砕し、次いでエアージェットミル粉砕機で微粉砕
し、分級して平均粒径10μmの磁性樹脂粒子を得た。
得られた磁性樹脂粒子の誘電正接Bは、B(1MHz)
=6.7*10-3であった。得られた磁性樹脂粒子10
0部に、外添剤として製造例1で得た樹脂微粒子0.5
部と流動化剤としてシリカ微粉末R972(日本アエロ
ジル)0.5部を混合して磁性トナーを得た。
【0056】磁性粉(マグネタイト)75部をスチレン
系樹脂:ポリエルテル系樹脂=1:1の絶縁性樹脂25
部に分散混合した後、エクストルーダーで溶融混練し、
冷却後解砕して平均粒径50μmの樹脂キャリアを得
た。得られた樹脂キャリアの誘電正接Cは、C(1MH
z)=219.0*10-3であった。
【0057】磁性トナー11部と、樹脂キャリア89部
とを混合し、磁性現像剤を得た。この磁性現像剤を用い
て市販の普通紙複写機にて、23℃/50%RHで3万
枚画だししたところ、現像/転写効率の平均84%と高
く、画像濃度1.33、かぶりのない、エッジ効果のな
い良好な画像が得られ、トナー消費量も1K(1千枚)
当たり平均37gと少なかった。また、高温高湿下(3
0℃/85%RH)で前述と同様の画だしを行ったとこ
ろ、現像/転写効率の平均81%と高く、画像濃度1.
34、かぶりのない良好な画像が得られ、トナー消費量
も1K当たり平均41gと少量であった。更に低温低湿
下(10℃/20%RH)で前述と同様の画だしを行っ
たところ、現像/転写効率の平均85%と高く、画像濃
度1.30、安定した良好な画像が得られ、トナー消費
量も1K当たり平均35gと少量であった。
【0058】なお、現像/転写効率とは、((トナー消
費量−回収トナー量)/トナー消費量)×100%であ
り、画像形成に有効に消費されたトナーの割合を示すも
のであり、トナー消費量が少なく、現像/転写効率が大
きく、画像濃度の大きな現像剤は、寿命が長く望ましい
ものである。
【0059】
【実施例2】スチレンとn−ブチルメタアクリレートと
の共重合体(結着樹脂) 73部 電荷調整剤(ニグロシ
ン染料:オリエント化学) 2部 ワックス 5部 磁性粉
(鉄粉) 20部をヘンシェルミキサーにより予備混合
を行い、エクストルーダーで溶融混練し、冷却後ハンマ
ーミルで粗砕し、次いでエアージェットミル粉砕機で微
粉砕し、分級して平均粒径8.5μmの磁性樹脂粒子を
得た。得られた磁性樹脂粒子の誘電正接Bは、B(1M
Hz)=7.4*10-3であった。得られた磁性樹脂粒
子100部に外添剤として製造例2で得た樹脂微粒子
2.0部と流動化剤としてシリカ微粉末R972(日本
アエロジル)0.5部を混合して磁性トナーを得た。そ
して、磁性粉(マグネタイト)75部をスチレン系樹脂
25部に分散混合させエクストルーダーで溶融混練し、
解砕して平均粒径50μmの樹脂キャリアを得た。得ら
れた樹脂キャリアの誘電正接Cは、C(1MHz)=1
58.4*10-3であった。
【0060】磁性トナー11部と、樹脂キャリア89部
とを混合し、磁性現像剤とした。この磁性現像剤を用い
て市販のプリンターにて、23℃/50%RHで3万枚
画だししたところ、現像/転写効率の平均85%と高
く、画像濃度1.33、かぶりのない良好な画像が得ら
れ、トナー消費量も1K(1千枚)当たり平均36gと
少なかった。また、高温高湿下(30℃/85%RH)
で前述と同様の画だしを行ったところ、現像/転写効率
の平均81%と高く、画像濃度1.36、かぶりのない
良好な画像が得られ、トナー消費量も1K当たり平均3
9gと少量であった。更に低温低湿下(10℃/20%
RH)で前述と同様の画だしを行ったところ、現像/転
写効率の平均84%と高く、画像濃度1.31、安定し
た良好な画像が得られ、トナー消費量も1K当たり平均
35gと少量であった。
【0061】
【実施例3】製造例3で得た樹脂微粒子を使用する以外
は実施例1と同様にして磁性トナーを得た。得られた磁
性トナーを用いて実施例1と同様にして磁性現像剤を
得、該磁性現像剤を用いて実施例1と同様に画だしを行
ったところ、低温低湿下で画像濃度1.32であり、各
環境共に現像/転写効率も安定し、良好な画像が得られ
た。
【0062】
【実施例4】製造例4で得た樹脂微粒子を使用する以外
は実施例2と同様にして磁性トナーを得た。得られた磁
性トナーを用いて実施例2と同様にして磁性現像剤を
得、該磁性現像剤を用いて実施例2と同様に画だしを行
ったところ、低温低湿下で画像濃度1.31であり、各
環境共に現像/転写効率も安定し、良好な画像が得られ
た。
【0063】
【比較例1】樹脂微粒子を使用しない以外は実施例1と
同様にして、磁性トナー及び磁性現像剤を得、該磁性現
像剤を用いて実施例1と同様に画だしを行ったところ、
各環境共に現像/転写効率が安定せず、特に高温高湿下
で58%と著しく低下し、また低温低湿下では画像濃度
も1.15と著しく低下し、カブリも発生した。
【0064】
【比較例2】製造例5で得た樹脂微粒子を使用する以外
は実施例1と同様にして磁性トナーを得た。得られた磁
性トナーを用いて実施例1と同様にして画だしを行った
ところ、高温高湿下でトナー飛散が発生した。更に、ト
ナー消費量が1K当たり58gと増大し、現像/転写効
率が67%と著しく低下した。
【0065】
【比較例3】製造例6で得た樹脂微粒子を使用する以外
は実施例1と同様にして磁性トナーを得た。得られた磁
性トナーを用いて実施例1と同様にして画だしを行った
ところ、低温低湿下で著しいカブリが発生した。
【0066】
【発明の効果】本発明の現像剤により得られる効果は以
下の通りである。 1.各環境下の現像/転写効率がの向上できるようにな
り、トナー消費量の適正化が可能となる。多数枚数の複
写を実施しても、上記樹脂微粒子が好適な範囲の誘電正
接を有し、かつ磁性樹脂粒子およびキャリアとの誘電正
接における特定の関係を満たす場合、現像/転写効率の
向上がなされ、それによってより少ないトナー消費量で
良好な現像が行われ、種々の環境下でも安定した画像が
得られる。 2.各環境下での画像濃度低下、かぶりの増大を防止で
きる画像濃度が低下しやすい低温低湿下で画像濃度を向
上し、カブリの増大を防ぐことができる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性粉と結着樹脂とを含有する磁性樹脂
    粒子と少なくとも樹脂微粒子とを有する磁性トナー、及
    び磁性粉分散型樹脂キャリアを有する磁性現像剤であっ
    て、前記樹脂微粒子は粒径が0.05〜2μm、重量平
    均分子量Mwが2〜200万の範囲であって、多段重合で
    得られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有
    し、被覆層が重合性モノカルボン酸を重合した重合性モ
    ノカルボン酸である親水性基、または重合性モノカルボ
    ン酸を重合した後、表面のカルボキシル基を塩とした重
    合性モノカルボン酸塩である親水性基を有し、該樹脂微
    粒子の周波数1MHzにおける誘電正接の値をA、磁性
    樹脂粒子の周波数1MHzにおける誘電正接の値をB、
    キャリアの周波数1MHzにおける誘電正接の値をCと
    する時、0.015≦A≦0.065、かつ、B<A<
    C なる関係を満たすことを特徴とする磁性現像剤。
  2. 【請求項2】重合性モノカルボン酸が付加重合性不飽和
    脂肪族モノカルボン酸であることを特徴とする請求項1
    記載の磁性現像剤。
  3. 【請求項3】磁性樹脂粒子100重量部に対して、樹脂
    微粒子を0.01〜10重量部混合することを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の磁性現像剤。
  4. 【請求項4】 磁性樹脂粒子が、磁性粉を10〜40重
    量%含有することを特徴とする請求項1ないし3いずれ
    か記載の磁性現像剤。
  5. 【請求項5】 磁性粉分散型樹脂キャリアが、磁性粉を
    60〜95重量%含有することを特徴とする請求項1な
    いし4いずれか記載の磁性現像剤。
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