JP3387348B2 - カラー現像剤 - Google Patents

カラー現像剤

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JP3387348B2
JP3387348B2 JP02015197A JP2015197A JP3387348B2 JP 3387348 B2 JP3387348 B2 JP 3387348B2 JP 02015197 A JP02015197 A JP 02015197A JP 2015197 A JP2015197 A JP 2015197A JP 3387348 B2 JP3387348 B2 JP 3387348B2
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー現像剤に関
する。
【0002】
【従来技術】電子写真法あるいは静電記録法に適用され
る現像方法として、トナーとキャリアからなる二成分現
像剤(以下、現像剤と略す。)を用い、トナーとキヤリ
ヤ間の摩擦帯電によりトナーに電荷を付与し、このトナ
ーにより静電潜像を可視化する方法が知られている。感
光体あるいは静電記録体上の可視化されたトナー像は転
写紙に転写後、定着して複写物とし、一方感光体あるい
は静電記録体上の転写できなかつた残留トナーが、次の
複写工程に備えるべくクリーニングされる。従って、二
成分系現像方式の場合、主としてキャリアとの関係によ
って定まるトナーの摩擦帯電性が良好であることが必要
である。
【0003】トナーの摩擦帯電性を向上する方法とし
て、例えば、特公昭52−32256号公報、特開昭5
6−64352号公報には、母体トナーと逆極性の樹脂
微粉末を帯電補助剤として添加する方法が、また同61
−160760号公報には、フッ化含有化合物を帯電補
助剤として母体トナーに添加する方法が提案されてい
る。しかしながら、母体トナー表面に帯電補助剤等の添
加剤を均一に分散することは容易でなく、また母体トナ
ー粒子に付着しきれない添加剤同士が凝集物となり易
く、この傾向は帯電補助剤の摩擦帯電能が大きいほど、
即ち誘電損失が小さい程、又粒径が細かい程顕著になっ
てくる。そして、この様な場合、トナーの摩擦帯電量が
不安定となり、画像濃度が一定せず、またカブリの多い
画像となったり、あるいは多数枚数複写を行うと帯電補
助剤の含有量が変化し、初期時の画像品質を保持できな
い、等種々の問題点を有する。
【0004】また特公平2−3173号公報、同317
4号公報、同3175号公報には、トナーに平均粒径
0.05〜5μmの樹脂微粒子を混合するものが記載さ
れている。しかしながら、これらの樹脂微粉末は、摩擦
帯電能は大きく、誘電損失が小さいものの、表面の親水
性が乏しいので、低温低湿下において多数枚複写する際
に該樹脂微粒子を混合してなるトナーの帯電量が大きく
なりすぎ、画像濃度が低下したり、低温低湿下において
は前記樹脂微粒子の帯電量が大きくなりすぎるために樹
脂微粉末が凝集しやすくなり、混合性が低下したり、樹
脂微粒子自身がチャージアップしてしまい非画像部にト
ナーと共に飛翔したり(いわゆるカブリが生じたり)、
また高温高湿下においては誘電特性が変化しやすく現像
性が悪化し、トナー消費量及び回収トナー量が増加す
る、即ち現像/転写効率が低下するという問題がある。
【0005】また、近年、カラー複写機の高画質化が進
み、カラートナーの小粒径化が図られているが、粒径が
細かくなるにつれて比表面積が増加し、誘電特性並びに
帯電特性が環境(温度や湿度)の影響を受けやすい。カ
ラートナーは、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)用シートへの適用の観点から、透明性に優れるポリ
エステル樹脂が一般的に結着樹脂として用いられている
が、係るポリエステル樹脂を用いたカラートナーは、そ
の他の結着樹脂を用いる場合よりも特に誘電特性並びに
帯電特性が環境(温度や湿度)の影響を受けやすく、そ
の解決が望まれている。このような要請に対し、特公平
7−113788号公報では、低温低湿時の濃度低下防
止を目的として樹脂微粒子の比抵抗(体積固有抵抗)を
下げる方法が提案されているが、係る方法では高温高湿
下でのトナー消費量の増大や、各環境下での現像/転写
効率の低下といった問題を解決するには至ってはいな
い。
【0006】
【解決しようとする課題】本発明はこの様な事情に鑑み
なされたものであって、下記(1)(2)を主たる目的
とする。 (1)環境が変化しても(特に高温高湿下において
も)、トナー消費量が大きくは変動せず、長期にわたっ
て現像/転写効率が安定し、安定した画像を与えること
のできるカラー現像剤を提供すること。 (2)低温低湿下でのトナーのチャージアップを抑える
ことによって画像濃度の低下やカブリの増大を防止した
カラー現像剤を提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、ポリエステル結着樹脂と着色剤とを含有する非磁性
着色樹脂粒子と少なくとも樹脂微粒子とを有するカラー
トナー、及びキャリアを有するカラー現像剤において、
該樹脂微粒子は粒径が0.05〜2μm、重量平均分子
量Mwが2〜200万の範囲であって、多段重合で得ら
れ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、
覆層が重合性モノカルボン酸を重合した重合性モノカル
ボン酸である親水性基、または重合性モノカルボン酸を
重合した後、表面のカルボキシル基を塩とした重合性モ
ノカルボン酸塩である親水性基を有し、樹脂微粒子の
周波数1KHzにおける誘電正接の値をA1、周波数1
MHzにおける誘電正接の値をA2、非磁性着色樹脂微
粒子の周波数1KHzにおける誘電正接の値をB1、周
波数1MHzにおける誘電正接の値をB2とする時、
1.60≦A1/A2≦3.00、かつ0.10≦B1
/B2≦0.50、かつ1.10≦A1/A2−B1/
B2≦2.90なる関係を満たすことを特徴とするカラ
ー現像剤である。
【0008】第2の発明は、重合性モノカルボン酸が付
加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸であることを特徴
とする第1の発明記載のカラー現像剤である。
【0009】
【0010】第3の発明は、非磁性着色樹脂粒子100
重量部に対して、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混
合することを特徴とする第1の発明又は第2の発明記載
のカラー現像剤である。
【0011】第4の発明は、キャリアが、アクリル樹脂
又はシリコーン樹脂で被覆されて成ることを特徴とする
第1の発明ないし第3の発明いずれか記載のカラー現像
剤である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者は、カラー現像剤の環境
に対する帯電安定性について鋭意検討した結果、第1の
発明に記載するような条件を満たすとき、現像/転写効
率の環境安定性に優れ、トナー消費量が安定し、かつ帯
電性を安定させ、低温低湿下では画像濃度低下がなく、
カブリのない良好な画像が得られることを見出した。
【0013】その理由は未だ明確ではないが、以下のよ
うに推察される。すなわち、樹脂微粒子は非磁性着色樹
脂粒子と一体となって帯電し、更に現像/転写時に種々
の電界が存在するため、各々がミクロ的に誘電分極し、
樹脂微粒子が誘電分極的な連結因子となることで非磁性
着色樹脂粒子がまとまり、ある程度の凝集体となったカ
ラートナーが現像剤から感光体上の静電潜像へ吸引さ
れ、更に感光体から普通紙上にまとまって転写するた
め、個々ばらばらで現像/転写されるより現像/転写効
率が良く、かつ、カブリにくい、と考えられる。
【0014】一般に、誘電損失のある物質の誘電率Εは
Ε=ε1 −i ×ε2 で表され( ε1は誘電率の実数部、
ε2 は誘電率の虚数部、i は虚数) 、誘電正接 tanδ=
ε2/ε1 の関係があり、誘電率と誘電正接は密接な関
わりがあると認められる。ここで、誘電正接 tanδは、
誘電損失係数または散逸係数と呼ばれ、物理的な意味は
1サイクル当たりの散逸するエネルギーに対する1サイ
クル当たりの貯蔵されるエネルギーの比を示している。
誘電正接は周波数によって大きさが異なるが、これは誘
電体の表面(界面)、配向及び原子(イオン)分極の状
態を示す。
【0015】誘電正接は誘電損失の度合いを表し、誘電
正接が小さければ帯電量を保持する傾向が大きく、誘電
正接が大きければ帯電量を下げる傾向を示す。比較的誘
電正接が小さく、帯電量を保持する傾向にある非磁性着
色樹脂粒子を用いることにより、環境の変化にさほど影
響されない安定した帯電状態、及び現像/転写効率を確
保し、かつ比較的誘電正接が大きく、帯電量を下げる傾
向にある樹脂微粒子を外添剤として用いることによっ
て、比較的誘電正接が小さく、帯電量を保持する傾向に
ある非磁性着色樹脂粒子の帯電性を損なうことなく、低
温低湿下における非磁性着色樹脂粒子とキャリアとの摩
擦によるチャージアップを緩和し、低温低湿下でも画像
濃度低下がなく、カブリのない良好な画像が得られるよ
うになったものと考えられる。
【0016】本発明においては、樹脂微粒子の周波数1
KHzにおける誘電正接の値をA1、周波数1MHzに
おける誘電正接の値をA2、結着樹脂がポリエステルで
ある非磁性着色樹脂粒子の周波数1KHzにおける誘電
正接の値をB1、周波数1MHzにおける誘電正接の値
をB2としたとき、1.60≦A1/A2≦3.00、
0.10≦B1/B2≦0.50、1.10≦A1/
A2−B1/B2≦2.90であることが重要である。
【0017】A1/A2が3.00より大きいと、樹脂
微粒子の電荷損失が大きくなり、カラートナー同士を結
び付ける誘電分極的な連結因子としての役割を消失し、
その結果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。ま
たトナーの帯電量が低下するので、カブリ、トナー飛散
等の弊害が生じてしまう。一方、A1/A2が1.60
未満であると、樹脂微粒子が凝集し易くなり、カラート
ナー同士の間に静電気的な介在ができなくなり、その結
果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。また、A
1/A2が1.60未満であると、低温低湿下において
トナーに蓄積された電荷をリークし難くなるので、低温
低湿下において画像濃度が低下することを抑制・防止で
きない。
【0018】またB1/B2が0.50より大きいと、
カラー現像剤とした時の帯電性が損なわれ、良好な画像
が得られなくなり、0.10未満であるとカラートナー
には欠かせない着色剤である有機顔料が少量となり、画
像濃度が低下するという問題が生じる。
【0019】更に、A1/A2とB1/B2の差が2.
90を越えると、高温高湿下では転写効率が低下するの
で一定の画像濃度を得るためにはトナー消費量が増大し
たり、トナー飛散が生じ、カブリも増加するといった問
題が生じる。A1/A2とB1/B2の差が1.10未
満であると、現像/転写効率の環境安定性を欠き、また
チャージアップ緩和効果が不十分となり、低温低湿度下
において画像濃度が低下するという問題が生じる。
【0020】なお、本発明における誘電正接tanδは
以下のようにして求める。市販の錠剤成形器に、予め2
3℃/50RH%の恒温恒湿槽に24時間放置した試料
(樹脂微粒子又は非磁性着色樹脂粒子)を入れ、400
Kg/cm2 で加圧して、厚さ約2mm,直径20mm
の円筒形ペレットを作製する。このペレットをインピー
ダンスアナライザー4194A(横河ヒューレットパッ
カード社製)により周波数1KHz,1MHzで測定
し、誘電正接tanδの値を求めた。
【0021】本発明に用いる樹脂微粒子の粒径は0.0
5〜2μmであることが重要であり、0.1〜1μmで
あることがより好ましい。粒径が0.05μmより小さ
いと、樹脂微粒子が非磁性着色樹脂粒子に埋め込まれた
り、樹脂微粒子同士の凝集が生じ易く、低温低湿下での
画像濃度の低下を抑制・防止し難い。一方、2μmより
大きいと、分散が不均一となったり、非磁性着色樹脂粒
子と一体化し難いので、低温低湿下でカラートナーのチ
ャージアップを抑制・防止し難く、低温低湿下での画像
濃度の低下を抑制・防止し難い傾向にある。また、樹脂
微粒子が鋭利な角を多数有すると感光体を傷つけかねな
いので、樹脂微粒子の形状としては鋭意な角の少ない、
出来るだけ丸味を帯びた形状、例えば球形であることが
好ましい。
【0022】本発明において用いられる樹脂微粒子は、
上記した条件を満たすものあれば良く、組成や製造方法
等は限定されるものではないが、多段重合で得られ、被
覆層とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層が
重合性モノカルボン酸または重合性モノカルボン酸塩で
ある親水性基を有することが好ましい。以下に多段重合
で得られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有
し、被覆層が親水性基である重合性モノカルボン酸また
は重合性モノカルボン酸塩を有する樹脂微粒子(以下多
段重合樹脂微粒子と略す)の製造方法について述べる。
【0023】多段重合樹脂微粒子は、乳化重合、ソープ
フリー重合、懸濁重合等による多段重合で得られるもの
であり、最終段階よりも前の段階の重合においてアクリ
ル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキル
エステルを重合もしくは共重合せしめ、最終段階の重合
において重合性モノカルボン酸を重合せしめてなること
が好ましい。例えば乳化重合による二段重合の場合、そ
の樹脂微粒子を含有する分散液は以下のような方法で得
られる。 (1)一段目の乳化重合によって、アクリル酸エステル
及び/またはメタクリル酸アルキルエステルの重合体の
微粒子の分散液もしくは共重合体の微粒子の分散液(以
下第1段目の分散液と略す)を得、次いで二段目の乳化
重合として、第1段目の分散液に重合性モノカルボン酸
モノマーを添加したり滴下したりし、乳化重合する。 (2)(1)の方法において、二段目の乳化重合終了
後、分散粒子の表面近傍に存在する重合性モノカルボン
酸由来のカルボキシル基を塩とする。上記(1)〜
(2)は、二段重合の場合について説明したものである
が、二段を超える多段重合の場合も同様に、多段重合の
最終段階の重合において重合性モノカルボン酸を重合
しめればよく、アクリル酸エステル及び/またはメタク
リル酸アルキルエステルの重合もしくは共重合は、最終
段階よりも前の段階のいずれかの段階の重合であればよ
く、最終段階の直前の段階には限られない。
【0024】本発明において最終段階よりも前の工程で
製造される重合体もしくは共重合体としては、アクリル
酸アルキルエステルモノマーの重合体、メタクリル酸ア
ルキルエステルモノマーの重合体、アクリル酸アルキル
エステルモノマー及びメタクリル酸アルキルエステルモ
ノマーの共重合体、またはアクリル酸アルキルエステル
モノマーまたはメタクリル酸アルキルエステルモノマー
を50重量%以上含有し、他の共重合可能なモノマーを
1種または2種以上含有する共重合体が挙げられる。
【0025】本発明において用いられるアクリル酸アル
キルエステルモノマー、メタクリル酸アルキルエステル
モノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と、ア
ルキルアルコール、アルコキシアルコール、アラルキル
アルコール、アルケニルアルコール等のアルコールとの
エステル化物が挙げられ、上記アルコールの具体例とし
てメチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアル
コール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘ
キサデシルアルコールの如きアルキルアルコール;メト
キシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メ
トキシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコー
ルの如きアルコキシルアルコール;ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアル
コールの如きアラルキルアルコール;アリルアルコー
ル、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコール
が挙げられ、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
トが好ましい。
【0026】上述したアクリル酸アルキルエステルモノ
マー、メタクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合
し得る他のモノマーとしては、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリル
アミド、N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド及び
ニトリル類、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類;ビニル
カルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリド等の含
窒素ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレン等の脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭
化ビニル、1,2−ジクロルエチレン、1,2−ジブロ
ムエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニ
ル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化脂肪族オレフ
ィン;1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系脂肪族
オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン類が挙げられる。
【0027】
【0028】最終の重合段階において使用する重合性モ
ノカルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、
α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロト
ン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリ
ン酸、ウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカ
ルボン酸が挙げられ、これらの1種または2種以上を使
用することができ、アクリル酸、メタクリル酸が好まし
い。
【0029】重合後に重合性モノカルボン酸の塩形成に
用いられる造塩剤としては、Na,Mg,K,Li,N
4 ,Ca,Ba,Zn,Fe,Cu,Al,Ni,C
o,Cr等の水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及
び有機アミン類が挙げられ、中でもMg、Ca、Ba、
Zn、Fe、Ni、Co等の2価の金属の水酸化物、酸
化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好まし
く、さらにはMg、Ca、Ba、Znの水酸化物、酸化
物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好ましく、
Znの水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機
アミン類が最も好ましい。有機酸としてはギ酸、酢酸、
プロピオン酸等が挙げらる。これら造塩剤の添加量は、
使用した又は使用する重合性モノカルボン酸のカルボキ
シル基に対して当量になるように添加するのが好まし
い。当量未満であっても低温低湿下における帯電能力に
対する安定性の向上には有効である。また当量以上に添
加しても過剰部分は後に水洗工程を行うことによって除
去できるので差し支えない。
【0030】重合性モノカルボン酸の使用量は、最終段
階前の重合段階までに用いたモノマー総量100重量部
に対し、0.05〜20重量%用いられることが好まし
い。0.05重量部未満では製造した樹脂微粒子を非磁
性着色樹脂粒子に添加してトナーとしても、低温低湿下
での画像濃度向上の効果に乏しく、20重量部を超える
と樹脂微粒子の表面の親水性が大きくなり水分を吸湿作
用が大きくなり、誘電正接が大きく成り過ぎ、摩擦帯電
能が低下する傾向にあり、現像/転写効率の向上に殆ど
寄与しなくなる。
【0031】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、過硫酸塩とスルホ
キシ化合物からなるレッドクス系開始剤、水溶性アゾ系
の開始剤等が挙げられる。過硫酸塩系開始剤には過硫酸
カリウム等が挙げられ、過硫酸塩とスルホキシ化合物か
らなるレッドクス系開始剤には前述の過硫酸塩とチオ硫
酸カリウムまたはチオ硫酸ナトリウムが挙げられる。更
に水溶性アゾ系の開始剤には2、2'−アゾビス(2−
アミジノプロパン)塩酸塩、2、2'−アゾビス(2−
アミジノプロパン)酢酸塩、2、2'−アゾビス(N,
N'−ジメチレンイソブチルアミジン)ジ塩酸塩等を例
示できる。
【0032】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる乳化
剤としては、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、
アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク
酸ジアルキルエステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、
またはカリウム、アルキル(又はアルキルフェニル)エ
ーテル、硫酸エステルナトリウム、またはアンモニウム
などのアニオン性乳化剤:アルキルフエノールエチレン
オキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド
付加物、ポリブロピレングリコールエチレンオキサイド
付加物などのノニオン性乳化剤; 第4級アンモニウム
塩などのカチオン性乳化剤等が挙げられ、更にはポリビ
ニルアルコールなどの水溶性ポリマーも用いることがで
きる。
【0033】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合に用いら
れる重合開始剤としては、上記乳化重合の場合と同様の
ものが使用できる。
【0034】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合は、保護
コロイドとして水溶性高分子化合物を用いるものであ
り、水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそ
の塩、ポリメタクリル酸及びその塩、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエー
テル、カルボキシメチルセルロース等が挙げらる。本発
明において使用される樹脂微粒子は、誘電正接や平均粒
子径に関する条件を満たすものであればよいことは上述
した次第であるが、好適な製造方法である多段重合の
内、ソープフリー重合法は重合時に乳化剤を使用しない
ので、後述する乾燥後の樹脂微粒子も乳化剤を含有しな
いため、誘電正接の環境変動が小さいので特に好まし
い。
【0035】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過酸化物系開始剤、アゾビス系の開始
剤等が挙げられる。過酸化物系開始剤には過酸化ベンゾ
イル等が挙げられ、アゾビス系の開始剤としては2、
2'−アゾビスイソブチロニトリル、2、2'−アゾビス
ヴァレロニトリル等が例示できる。
【0036】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる乳化
剤としては、上記乳化重合の場合と同様のものが使用で
きる。
【0037】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重合、懸
濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボン酸
を塩とした後、水性分散液から水を除去すればよい。水
を除去する手段としては、通常粉体製造に用いられてい
る種々の乾燥方法と解砕方法・粉砕方法とが適用できる
が、水性分散液をスプレードライした後、乾燥物を解砕
・粉砕することが好ましい。
【0038】また、本発明において好適に使用される多
段重合樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリ
ー重合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボ
ン酸を塩とした後、クロスフロー式濾過法によって水性
分散液から乳化剤等を除去することもできる。例えば、
卓上型エマルジョンフィルター(綜研化学(株)製)に
水性分散液に入れ、水を流して水性分散液を洗浄し、乳
化剤や未反応物等を除去することができる。洗浄後上記
方法によって水を除去すればよい。
【0039】また、本発明に用いる樹脂微粒子は、重量
平均分子量Mwが2〜200万の範囲にあることが好ま
しい。Mwが200万より大きい場合はトナーの定着性
に悪影響を与え易く、また2万より小さい場合は耐ブロ
ッキング性が悪化し易くなる。
【0040】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子は、結着樹脂と着色剤とを含有するものであり、用
いられる結着樹脂としては、ポリエステルが挙げられ
る。ポリエステルとしては、例えばジオール成分として
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールA−プロピレンオキサイド付加物等のビスフェ
ノールA−アルキレンオキサイド付加物に代表されるビ
スフェノール誘導体、またはその置換体を単独で用いる
か、あるいは上記ビスフェノール誘導体にエチレングリ
コール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジアルコール
を併わせて用い、これらのジオール成分と2価以上のカ
ルボン酸(例えばフマル酸、マレイン酸、フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等)、その酸無水物(例えば無水マレイン酸、無
水フタル酸等)、またはその低級アルキルエステル等の
カルボン酸成分とを、縮合又は共縮合したポリエステル
樹脂が挙げられ、シャープな溶融特性を有するものが好
ましい。
【0041】結着樹脂としては、上記のようなポリエス
テルを単独でも使用できるが、ポリエステルが結着樹脂
重量全体の50重量%以上を占めていれば、以下に述べ
る単独重合体または共重合体を1種類以上組み合わせて
用いることができる。ポリエステルの他に併用できる結
着樹脂としては、スチレン、クロルスチレン、ビニルス
チレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のモノオレフイン、酢酸ビニル、ブ
ロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビ
ニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸フエニル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類やメ
タクリル酸アルキルエステル類、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプ
ロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体ある
いは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着
樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アル
キルエステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
等を挙げることができる。更にポリウレタン、エポキシ
樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフ
イン、ワツクス類を挙げることができる。
【0042】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子を得るための着色剤としては、アニリンブルー、カ
ルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブル
ー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、
マラカイトグリーンオキサレート、ローダミンレーキ、
レーキレッド、パーマネントレッド、キナクリドン、ク
ロムイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロ
ー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ランプブラ
ック、ローズベンガル、カーボンブラック等を代表的な
ものとして例示することができる。上記のような着色剤
は、結着樹脂100重量部に対して1〜12重量部用い
られることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜10
重量部である。更に、非磁性着色樹脂粒子に荷電制御剤
を配合してもよい。例えば4級アンモニウム塩、サリチ
ル酸誘導体金属錯体等をあげることができる。なお、結
着樹脂、着色剤、荷電制御剤は上述の例示したものに限
定されるものでない。
【0043】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子は、結着樹脂、着色剤等を常法に従い、溶融混練、
冷却、粉砕、分級等を経て用いられる。用いられる非磁
性着色樹脂粒子は、平均粒径が約20μmより小さいこ
とが好ましく、平均粒径6〜13μmであることがより
好ましい。本発明のトナーは、上述した樹脂微粒子を、
非磁性着色樹脂粒子100重量部に対して0.01〜1
0重量部で添加することが好ましく、0.05〜3.0
重量部添加することがより好ましい。
【0044】また、本発明のカラートナーは、特定の誘
電正接の樹脂微粒子の他に、種々の添加剤を非磁性着色
樹脂粒子に添加してなるものであってもよい。例えば、
シリカ、チタニア、アルミナの各々微粒子表面を疎水性
化処理をほどこした流動化剤、タングステンカーバイ
ト、チタン酸カルシウム等のモース硬度2以上の研磨剤
や導電性微粉末等を上記樹脂微粒子と併用することがで
きる。
【0045】本発明の現像剤は、キャリヤとトナーとを
有するいわゆる二成分現像剤(以下現像剤と略す)であ
る。本発明の現像剤に用いることのできるキヤリヤとし
ては、平均粒径がトナーの粒径とほぼ同じか、ないし5
00μmまで、好ましくは200μmまでの粒子であ
り、鉄、ニツケル、コバルト、酸化鉄、フエライト、ガ
ラスビーズ、粒状シリコン、磁性粉分散樹脂粒子等の種
々公知のものが用いられる。また、これら粒子の表面を
フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂等の被
覆剤で被覆しても良く、特にアクリル系樹脂又はシリコ
ーン樹脂で被覆することが好ましい。
【0046】本発明に使用されるアクリル系樹脂には、
例えばメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチ
ルメタクリレート−スチレン−2エチルヘキシルアクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート−メチルアクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート−n−ブチルア
クリレート共重合体等が例示できるがこれらに制限され
るものではない。本発明に使用されるシリコーン樹脂と
しては、重量平均分子量103 〜106程度のオルガノ
ポリシロキサンが好ましい。アクリル系樹脂被覆キャリ
アやシリコーン樹脂被覆キャリアは、前述の樹脂を有機
溶媒に溶解し、例えば浸漬法、スプレー法或いは流動床
法等により前述したような大きさの鉄、ニツケル、コバ
ルト、酸化鉄、フエライト等のコア材上に塗布乾燥させ
た後、100〜250℃で加熱・乾燥・硬化させること
によって得られる。係るアクリル系樹脂被覆キャリアや
シリコーン樹脂被覆キャリアを用いればトナーの帯電性
が安定し、長期にわたって高画質、高画像濃度が保持で
きる。
【0047】一般的な黒色の現像剤が大部数の複写に用
いられてきたのに対し、従来、カラー現像剤は比較的少
部数の複写に用いられることが多かったため、キャリア
に対する長寿命化の要求は一般的な黒色の現像剤に比べ
比較的弱かった。しかし、複写物に対するカラー化の要
求が強まり、カラー化が一般化してくるに従って、用い
られるキャリアにもより長寿命化が求められる傾向にあ
る。そこで、特にキャリアに長寿命が求められる場合に
は、長期間使用していてもキャリアの表面にトナーが付
着してしまう、いわゆるスペント化現象が起こりにくい
シリコーン樹脂被覆キャリアを用いることが好ましい。
【0048】本発明の現像剤は、まず樹脂微粒子と非磁
性着色樹脂粒子とを混合してトナーを得、そのトナーと
キャリアとを混合してなることが最も好ましいが、非磁
性着色樹脂粒子とキャリアを混合しておき、次いで微粉
末を添加・混合しても良い。
【0049】本発明の現像剤は、感光体あるいは静電記
録体に形成された静電潜像を現像することができる。す
なわち、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、無定形シ
リコン等の無機光導電材料、フタロシアニン顔料、ビス
アゾ顔科等の有機光導電材料からなる感光体に電子写真
的に静電潜像を形成し、あるいはポリエチレンテレフタ
レートのような誘電体を有する静電記録体に針伏電極等
により静電潜像を形成し、磁気ブラシ法、カスケード
法、タッチダウン法等の現像方法によつて、静電潜像に
本発明の現像剤によってトナー像を形成する。このトナ
ー像は紙等の転写材に転写後、定着して複写物となり、
感光体等の表面に残留するトナーはクリーニングされ
る。クリーニング法としてはブレード法、ブラシ法、ウ
ェッブ法、ロール法等種々の方法を用いることができ
る。
【実施例】以下に記載する製造例、実施例、比較例中、
%とあるのは重量%を、また部とあるのは重量部を示
す。
【製造例1】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、過硫酸カリウム0.4
部、ポリビニルアルコール0.2部を入れ、窒素気流中
で80℃にて4時間重合を行った。4時間後、アクリル
酸3部を添加し、更に重合を1時間継続した。重合終了
後、反応液を20℃迄冷却し、酢酸亜鉛4部を加えて造
塩し、得られた反応液を濾過、洗浄後、スプレードライ
ヤーを用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径
0.4μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られ
た樹脂微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、A1
(1KHz)=53.2*10-3、A2(1MHz)=
22.0*10-3であり、A1/A2=2.42であっ
た。また、このようにして得られた樹脂微粒子を走査型
電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、ほぼ球形であ
った。
【0050】
【製造例2】酢酸亜鉛を用いなかった以外は製造例1と
同様にして平均粒径0.4μmで実質的に球形の樹脂微
粒子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子の誘電
正接A1、A2はそれぞれ、A1(1KHz)=62.
4*10-3、A2(1MHz)=35.0*10-3であ
り、A1/A2=1.78であった。
【0051】
【製造例3】ポリビニルアルコール0.2部の代わり
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例2
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、A1(1KHz)=61.4*10-3
A2(1MHz)=36.3*10-3であり、A1/A
2=1.69であった。
【0052】
【製造例4】ポリビニルアルコール0.2部の代わり
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例1
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、A1(1KHz)=61.6*10-3
A2(1MHz)=22.0*10-3であり、A1/A
2=2.80であった。
【0053】
【製造例5】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、2、2'−アゾビス(2
−アミジノプロパン)塩酸塩0.3部、ポリビニルアル
コール0.4部を入れ、窒素気流中で80℃にて重合を
行った。重合終了後、反応液を20℃迄冷却し、得られ
た反応液を濾過、洗浄後にスプレードライヤーを用いて
乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.3μmの
樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子
の誘電正接A1、A2はそれぞれ、A1(1KHz)=
241.0*10-3、A2(1MHz)=63.8*1
-3であり、A1/A2=3.78であった。
【0054】
【製造例6】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト55部、スチレン45部、蒸留水200部、過硫酸カ
リウム、ポリビニルアルコール0.3部を入れ、窒素気
流中で80℃にて重合を行った。重合終了後、反応液を
20℃迄冷却し、濾過、洗浄後にスプレードライヤーを
用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.5
μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂
微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、A1(1KH
z)=14.2*10-3、A2(1MHz)=13.3
*10-3であり、A1/A2=1.07であった。
【0055】
【実施例1】プロポキシ化ビスフェノールとテレフタル
酸及びトリメリット酸とを 共縮合してなるポリエステ
ル樹脂 100部電荷調整剤(ボントロンE84:オリ
エント化学) 4部着色剤(フタロシアニン顔料) 2.
5部をヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、エク
ストルーダーで溶融混練し、冷却後ハンマーミルで粗砕
し、次いでエアージェットミル粉砕機で微粉砕し、分級
して非磁性着色樹脂粒子8μmを得た。得られた非磁性
着色樹脂粒子の誘電正接B1、B2はそれぞれB1(1
KHz)=5.40*10-3、B2(1MHz)=1
6.8*10-3であり、B1/B2=0.32であっ
た。
【0056】得られた非磁性着色樹脂粒子100部に外
添剤として製造例1で得た樹脂微粒子0.5部を混合し
てシアントナーとした。A1/A2−B1/B2=2.
10であった。
【0057】上記シアントナー5部と、平均粒径50μ
mのフェライトをアクリル系樹脂で被覆したキャリア9
5部とを混合し、カラー現像剤を得た。
【0058】このカラー現像剤を用いて市販の普通紙複
写機にて、23℃/50%RHで1万枚画だししたとこ
ろ、現像/転写効率の平均85%と高く、画像濃度1.
58、かぶりのない良好な画像が得られ、トナー消費量
も1000枚当たり平均38gと少なかった。また、高
温高湿下(30℃/85%RH)で前述と同様の画だし
を行ったところ、現像/転写効率の平均82%と高く、
画像濃度1.60、かぶりのない良好な画像が得られ、
トナー消費量も1000枚当たり平均43gと少量であ
った。更に低温低湿下(10℃/20%RH)で前述と
同様の画だしを行ったところ、現像/転写効率の平均8
3%と高く、画像濃度1.55、安定した良好な画像が
得られ、トナー消費量も1000当たり平均41gと少
量であった。なお、現像/転写効率とは、((トナー消
費量−回収トナー量)/トナー消費量)×100%であ
り、画像形成に有効に消費されたトナーの割合を示すも
のであり、トナー消費量が少なく、現像/転写効率が大
きく、画像濃度の大きな現像剤は、寿命が長く望ましい
ものである。
【0059】
【実施例2】製造例1で得た樹脂微粒子0.5部の代わ
りに製造例2で得た樹脂微粒子を0.8部使用する以外
は実施例1と同様にしてカラートナーとした。得られた
カラートナーは、A1/A2−B1/B2=1.46で
あった。得られたカラートナーを用いて実施例1と同様
にしてカラー現像剤を得、該カラー現像剤を用いて実施
例1と同様に画だしを行ったところ、低温低湿下で画像
濃度1.54であり、各環境共に現像/転写効率も81
〜84%と安定し、良好な画像が得られた。
【0060】
【実施例3】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例3で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラートナーを得た。得られたカラートナーは、
A1/A2−B1/B2=1.37であった。得られた
カラートナーを用いて実施例1と同様にしてカラー現像
剤を得、該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.53であ
り、各環境共に現像/転写効率も80〜83%と安定
し、良好な画像が得られた。
【0061】
【実施例4】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例4で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラートナーを得た。得られたカラートナーは、
A1/A2−B1/B2=2.48であった。得られた
カラートナーを用いて実施例1と同様にしてカラー現像
剤を得、該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.58であ
り、各環境共に現像/転写効率も80〜82%と安定
し、良好な画像が得られた。
【0062】
【実施例5】フタロシアニン顔料2.5部の代わりに、
フタロシアニン顔料100重量部とトリメリット酸20
重量部とを湿式混合してなる処理顔料を2.5部用いた
以外は実施例1と同様にして非磁性着色樹脂粒子、及び
カラートナーを得た。このとき、B1(1KHz)=
2.80*10-3、B2(1MHz)=18.3*10
-3でありB1/B2=0.15A1/A2=2.42A
1/A2−B1/B2=2.27であった。さらに、こ
のカラートナーを用いて実施例1と同様に画だしを行っ
たところ、高温高湿下で若干トナー消費量が1000枚
当たり平均46gと増えた以外は各環境共に良好な画像
が得られた。
【0063】
【実施例6】外添剤として、実施例1で使用した樹脂微
粒子0.5部、流動化剤としてシリカ微粉末R972
(日本アエロジル(株)製)0.3部を使用する以外は
実施例1と同様に画だしを行ったところ、低温低湿下で
画像濃度1.50であり、各環境共に現像/転写効率は
80%以上と安定し、良好な画像が得られた。
【0064】
【実施例7】実施例1で用いたアクリル系樹脂被覆キャ
リアの代わりに、重量平均分子量9000のオルガノポ
リシロキサンを主剤とするシリコーン樹脂を硬化触媒及
び架橋剤と共にトルエン溶剤に希釈し、得られたシリコ
ーン樹脂溶液に銅−亜鉛−フェライトキャリア芯材を浸
漬せしめ、150℃で加熱攪拌し、溶剤のトルエンを除
去して、コア材100重量部に対するコート量が0.4
0重量部、平均粒径50μmのシリコーン樹脂被覆キャ
リアを用いた以外は実施例1と同様にして現像剤を得
た。実施例1と同様に23℃/50%RHで4万枚画だ
ししたところ、現像/転写効率の平均87%と高く、画
像濃度1.56、かぶりのない良好な画像が得られ、ト
ナー消費量も1000枚当たり平均37gと少なかっ
た。また、高温高湿下(30℃/85%RH)で前述と
同様の画だしを行ったところ、現像/転写効率の平均8
4%と高く、画像濃度1.58、かぶりのない良好な画
像が得られ、トナー消費量も1000枚当たり平均42
gと少量であった。更に低温低湿下(10℃/20%R
H)で前述と同様の画だしを行ったところ、現像/転写
効率の平均84%と高く、画像濃度1.56、安定した
良好な画像が得られ、トナー消費量も1000当たり平
均40gと少量であった。
【0065】
【実施例8〜11】実施例2〜5においてキャリアを実
施例7で用いたシリコーン樹脂被覆キャリアとする以外
は同様にして画出ししたところ、4万枚まで複写しても
キャリアスペントによる帯電性量の低下も見られず、各
環境ともに画像濃度1.50以上および現像/転写効率
も80%以上を保持し、トナー消費量も少ない、耐久性
に優れたカラー現像剤であった。
【0066】
【比較例1】樹脂微粒子を使用しない以外は実施例1と
同様の画だしを行ったところ、各環境共に現像/転写効
率が安定せず、特に高温高湿で63%と著しく低く、低
温低湿では画像濃度も1.23と低く、かぶりが発生し
た。
【0067】
【比較例2】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例5で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラートナーを得た。得られたカラートナーは、
A1/A2−B1/B2=3.46であった。得られた
カラートナーを用いて実施例1と同様にしてカラー現像
剤を得、該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、高温高湿下でトナー飛散が発生し、
現像/転写効率が68%と著しく低かった。また、トナ
ー消費量は1000枚当たり60gと増大した。
【0068】
【比較例3】製造例6で得た樹脂微粒子を使用する以外
は実施例1と同様にしてカラートナーを得た。得られた
カラートナーは、A1/A2−B1/B2=0.75で
あった。得られたカラートナーを用いて実施例1と同様
にしてカラー現像剤を得、該カラー現像剤を用いて実施
例1と同様に画だしを行ったところ、低温低湿下で著し
いカブリが発生した。
【0069】
【比較例4】実施例6において外添剤に樹脂微粒子を使
用しないで流動化剤のみを使用する以外は実施例6と同
様に行ったところ、低温低湿下で画像濃度が1.21と
著しく低下し、またキャリア飛びによる画像欠陥が確認
された。
【0070】
【発明の効果】本発明の現像剤により得られる効果は以
下の通りである。 1.各環境下の現像/転写効率がの向上できるようにな
り、トナー消費量の適正化が可能となる。多数枚数の複
写を実施しても、上記樹脂微粒子および非磁性着色樹脂
粒子が好適な範囲の誘電正接比を有し、かつ特定の関係
を満たす場合、現像/転写効率の向上がなされ、それに
よってより少ないトナー消費量で良好な現像が行われ、
種々の環境下でも安定した画像が得られる。 2.各環境下での画像濃度低下、かぶりの増大を防止で
きる画像濃度が低下しやすい低温低湿下で画像濃度を向
上し、カブリの増大を防ぐことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/10 352

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル結着樹脂と着色剤とを含有
    する非磁性着色樹脂粒子と少なくとも樹脂微粒子とを有
    するカラートナー、及びキャリアを有するカラー現像剤
    において、該樹脂微粒子は粒径が0.05〜2μm、重
    量平均分子量Mwが2〜200万の範囲であって、多段重
    合で得られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を
    有し、被覆層が重合性モノカルボン酸を重合した重合性
    モノカルボン酸である親水性基、または重合性モノカル
    ボン酸を重合した後、表面のカルボキシル基を塩とした
    重合性モノカルボン酸塩である親水性基を有し、該樹脂
    微粒子の周波数1KHzにおける誘電正接の値をA1、
    周波数1MHzにおける誘電正接の値をA2、非磁性着
    色樹脂微粒子の周波数1KHzにおける誘電正接の値を
    B1、周波数1MHzにおける誘電正接の値をB2とす
    る時、1.60≦A1/A2≦3.00、かつ0.10
    ≦B1/B2≦0.50、かつ1.10≦A1/A2−
    B1/B2≦2.90なる関係を満たすことを特徴とす
    るカラー現像剤。
  2. 【請求項2】 重合性モノカルボン酸が付加重合性不飽
    和脂肪族モノカルボン酸であることを特徴とする請求項
    1記載のカラー現像剤。
  3. 【請求項3】非磁性着色樹脂粒子100重量部に対し
    て、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混合することを
    特徴とする請求項1又は2に記載のカラー現像剤。
  4. 【請求項4】 キャリアが、アクリル樹脂又はシリコー
    ン樹脂で被覆されて成ることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3いずれか記載のカラー現像剤。
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