JPH10221887A - カラー現像剤 - Google Patents
カラー現像剤Info
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- JPH10221887A JPH10221887A JP2015297A JP2015297A JPH10221887A JP H10221887 A JPH10221887 A JP H10221887A JP 2015297 A JP2015297 A JP 2015297A JP 2015297 A JP2015297 A JP 2015297A JP H10221887 A JPH10221887 A JP H10221887A
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- resin fine
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 長期にわたって現像/転写効率が安定し、ま
た低温低湿下における画像濃度の低下やカブリの増大を
防止したカラー現像剤を提供する。 【解決手段】 非磁性着色樹脂粒子と樹脂微粒子とを有
するカラートナー、及びアクリル系樹脂被覆キャリアを
有するカラー現像剤において、該樹脂微粒子が粒径0.
05〜2μmのであり、樹脂微粒子の周波数1KHzに
おける誘電正接の値をA1、周波数1MHzにおける誘
電正接の値をA2、非磁性着色樹脂粒子の周波数1KH
zにおける誘電正接の値をB1、周波数1MHzにおけ
る誘電正接の値をB2、アクリル系樹脂の周波数1KH
zにおける誘電正接の値をC1、周波数1MHzにおけ
る誘電正接の値をC2とする時、誘電正接の比が各々以
下の範囲にあるカラー現像剤。 1.60≦A1/A2≦3.00、A1/A2=A1/2 0.10≦B1/B2≦0.50、B1/B2=B1/2 0.60≦C1/C2≦1.50、C1/C2=C1/2
かつ、 0.20≦(A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )≦
24.0。
た低温低湿下における画像濃度の低下やカブリの増大を
防止したカラー現像剤を提供する。 【解決手段】 非磁性着色樹脂粒子と樹脂微粒子とを有
するカラートナー、及びアクリル系樹脂被覆キャリアを
有するカラー現像剤において、該樹脂微粒子が粒径0.
05〜2μmのであり、樹脂微粒子の周波数1KHzに
おける誘電正接の値をA1、周波数1MHzにおける誘
電正接の値をA2、非磁性着色樹脂粒子の周波数1KH
zにおける誘電正接の値をB1、周波数1MHzにおけ
る誘電正接の値をB2、アクリル系樹脂の周波数1KH
zにおける誘電正接の値をC1、周波数1MHzにおけ
る誘電正接の値をC2とする時、誘電正接の比が各々以
下の範囲にあるカラー現像剤。 1.60≦A1/A2≦3.00、A1/A2=A1/2 0.10≦B1/B2≦0.50、B1/B2=B1/2 0.60≦C1/C2≦1.50、C1/C2=C1/2
かつ、 0.20≦(A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )≦
24.0。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー現像剤に関
する。
する。
【0002】
【従来技術】電子写真法あるいは静電記録法に適用され
る現像方法として、トナーとキャリアからなる二成分現
像剤(以下、現像剤と略す。)を用い、トナーとキャリ
ア間の摩擦帯電によりトナーに電荷を付与し、このトナ
ーにより静電潜像を可視化する方法が知られている。感
光体あるいは静電記録体上の可視化されたトナー像は転
写紙に転写後、定着して複写物とし、一方感光体あるい
は静電記録体上の転写できなかつた残留トナーが、次の
複写工程に備えるべくクリーニングされる。従って、二
成分系現像方式の場合、主としてキャリアとの関係によ
って定まるトナーの摩擦帯電性が良好であることが必要
である。
る現像方法として、トナーとキャリアからなる二成分現
像剤(以下、現像剤と略す。)を用い、トナーとキャリ
ア間の摩擦帯電によりトナーに電荷を付与し、このトナ
ーにより静電潜像を可視化する方法が知られている。感
光体あるいは静電記録体上の可視化されたトナー像は転
写紙に転写後、定着して複写物とし、一方感光体あるい
は静電記録体上の転写できなかつた残留トナーが、次の
複写工程に備えるべくクリーニングされる。従って、二
成分系現像方式の場合、主としてキャリアとの関係によ
って定まるトナーの摩擦帯電性が良好であることが必要
である。
【0003】トナーの摩擦帯電性を向上する方法とし
て、例えば、特公昭52−32256号公報、特開昭5
6−64352号公報には、母体トナーと逆極性の樹脂
微粉末を帯電補助剤として添加する方法が、また同61
−160760号公報には、フッ化含有化合物を帯電補
助剤として母体トナーに添加する方法が提案されてい
る。しかしながら、母体トナー表面に帯電補助剤等の添
加剤を均一に分散することは容易でなく、また母体トナ
ー粒子に付着しきれない添加剤同士が凝集物となり易
く、この傾向は帯電補助剤の摩擦帯電能が大きいほど、
即ち誘電損失が小さい程、又粒径が細かい程顕著になっ
てくる。そして、この様な場合、トナーの摩擦帯電量が
不安定となり、画像濃度が一定せず、またカブリの多い
画像となったり、あるいは多数枚数複写を行うと帯電補
助剤の含有量が変化し、初期時の画像品質を保持できな
い、等種々の問題点を有する。
て、例えば、特公昭52−32256号公報、特開昭5
6−64352号公報には、母体トナーと逆極性の樹脂
微粉末を帯電補助剤として添加する方法が、また同61
−160760号公報には、フッ化含有化合物を帯電補
助剤として母体トナーに添加する方法が提案されてい
る。しかしながら、母体トナー表面に帯電補助剤等の添
加剤を均一に分散することは容易でなく、また母体トナ
ー粒子に付着しきれない添加剤同士が凝集物となり易
く、この傾向は帯電補助剤の摩擦帯電能が大きいほど、
即ち誘電損失が小さい程、又粒径が細かい程顕著になっ
てくる。そして、この様な場合、トナーの摩擦帯電量が
不安定となり、画像濃度が一定せず、またカブリの多い
画像となったり、あるいは多数枚数複写を行うと帯電補
助剤の含有量が変化し、初期時の画像品質を保持できな
い、等種々の問題点を有する。
【0004】また特公平2−3173号公報、同317
4号公報、同3175号公報には、トナーに平均粒径
0.05〜5μmの樹脂微粒子を混合するものが記載さ
れている。しかしながら、これらの樹脂微粉末は、摩擦
帯電能は大きく、誘電損失が小さいものの、表面の親水
性が乏しいので、低温低湿下において多数枚複写する際
に該樹脂微粒子を混合してなるトナーの帯電量が大きく
なりすぎ、画像濃度が低下したり、低温低湿下において
は前記樹脂微粒子の帯電量が大きくなりすぎるために樹
脂微粉末が凝集しやすくなり、混合性が低下したり、樹
脂微粒子自身がチャージアップしてしまい非画像部にト
ナーと共に飛翔したり(いわゆるカブリが生じたり)、
また高温高湿下においては誘電特性が変化しやすく現像
性が悪化し、トナー消費量及び回収トナー量が増加す
る、即ち現像/転写効率が低下するという問題がある。
4号公報、同3175号公報には、トナーに平均粒径
0.05〜5μmの樹脂微粒子を混合するものが記載さ
れている。しかしながら、これらの樹脂微粉末は、摩擦
帯電能は大きく、誘電損失が小さいものの、表面の親水
性が乏しいので、低温低湿下において多数枚複写する際
に該樹脂微粒子を混合してなるトナーの帯電量が大きく
なりすぎ、画像濃度が低下したり、低温低湿下において
は前記樹脂微粒子の帯電量が大きくなりすぎるために樹
脂微粉末が凝集しやすくなり、混合性が低下したり、樹
脂微粒子自身がチャージアップしてしまい非画像部にト
ナーと共に飛翔したり(いわゆるカブリが生じたり)、
また高温高湿下においては誘電特性が変化しやすく現像
性が悪化し、トナー消費量及び回収トナー量が増加す
る、即ち現像/転写効率が低下するという問題がある。
【0005】また、近年、カラー複写機の高画質化が進
み、カラートナーの小粒径化が図られているが、粒径が
細かくなるにつれて比表面積が増加し、誘電特性並びに
帯電特性が環境(温度や湿度)の影響を受けやすい。カ
ラートナーは、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)用シートへの適用の観点から、透明性に優れるポリ
エステル樹脂が一般的に結着樹脂として用いられている
が、係るポリエステル樹脂を用いたカラートナーは、そ
の他の結着樹脂を用いる場合よりも特に誘電特性並びに
帯電特性が環境(温度や湿度)の影響を受けやすく、そ
の解決が望まれている。このような要請に対し、特公平
7−113788号公報では、低温低湿時の濃度低下防
止を目的として樹脂微粒子の比抵抗(体積固有抵抗)を
下げる方法が提案されているが、係る方法では高温高湿
下でのトナー消費量の増大や、各環境下での現像/転写
効率の低下といった問題を解決するには至ってはいな
い。
み、カラートナーの小粒径化が図られているが、粒径が
細かくなるにつれて比表面積が増加し、誘電特性並びに
帯電特性が環境(温度や湿度)の影響を受けやすい。カ
ラートナーは、OHP(オーバーヘッドプロジェクタ
ー)用シートへの適用の観点から、透明性に優れるポリ
エステル樹脂が一般的に結着樹脂として用いられている
が、係るポリエステル樹脂を用いたカラートナーは、そ
の他の結着樹脂を用いる場合よりも特に誘電特性並びに
帯電特性が環境(温度や湿度)の影響を受けやすく、そ
の解決が望まれている。このような要請に対し、特公平
7−113788号公報では、低温低湿時の濃度低下防
止を目的として樹脂微粒子の比抵抗(体積固有抵抗)を
下げる方法が提案されているが、係る方法では高温高湿
下でのトナー消費量の増大や、各環境下での現像/転写
効率の低下といった問題を解決するには至ってはいな
い。
【0006】
【解決しようとする課題】本発明はこの様な事情に鑑み
なされたものであって、下記(1)(2)を主たる目的
とする。 (1)環境が変化しても(特に高温高湿下において
も)、トナー消費量が大きくは変動せず、長期にわたっ
て現像/転写効率が安定し、安定した画像を与えること
のできるカラー現像剤を提供すること。 (2)低温低湿下でのトナーのチャージアップを抑える
ことによって画像濃度の低下やカブリの増大を防止した
カラー現像剤を提供すること。
なされたものであって、下記(1)(2)を主たる目的
とする。 (1)環境が変化しても(特に高温高湿下において
も)、トナー消費量が大きくは変動せず、長期にわたっ
て現像/転写効率が安定し、安定した画像を与えること
のできるカラー現像剤を提供すること。 (2)低温低湿下でのトナーのチャージアップを抑える
ことによって画像濃度の低下やカブリの増大を防止した
カラー現像剤を提供すること。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、第1の発明
は、ポリエステル結着樹脂と着色剤とを含有する非磁性
着色樹脂粒子と少なくとも樹脂微粒子とを有するカラー
トナー、及びアクリル系樹脂被覆キャリアを有するカラ
ー現像剤において、該樹脂微粒子が粒径0.05〜2μ
mであり、樹脂微粒子の周波数1KHzにおける誘電正
接の値をA1、周波数1MHzにおける誘電正接の値を
A2、非磁性着色樹脂粒子の周波数1KHzにおける誘
電正接の値をB1、周波数1MHzにおける誘電正接の
値をB2、アクリル系樹脂の周波数1KHzにおける誘
電正接の値をC1、周波数1MHzにおける誘電正接の
値をC2とする時、誘電正接の比が各々以下の範囲にあ
り、 1.60≦A1/A2≦3.00、A1/A2=A1/2 0.10≦B1/B2≦0.50、B1/B2=B1/2 0.60≦C1/C2≦1.50、C1/C2=C1/2
かつ、 0.20≦(A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )≦
24なる関係を満たすことを特徴とするカラー現像剤。
は、ポリエステル結着樹脂と着色剤とを含有する非磁性
着色樹脂粒子と少なくとも樹脂微粒子とを有するカラー
トナー、及びアクリル系樹脂被覆キャリアを有するカラ
ー現像剤において、該樹脂微粒子が粒径0.05〜2μ
mであり、樹脂微粒子の周波数1KHzにおける誘電正
接の値をA1、周波数1MHzにおける誘電正接の値を
A2、非磁性着色樹脂粒子の周波数1KHzにおける誘
電正接の値をB1、周波数1MHzにおける誘電正接の
値をB2、アクリル系樹脂の周波数1KHzにおける誘
電正接の値をC1、周波数1MHzにおける誘電正接の
値をC2とする時、誘電正接の比が各々以下の範囲にあ
り、 1.60≦A1/A2≦3.00、A1/A2=A1/2 0.10≦B1/B2≦0.50、B1/B2=B1/2 0.60≦C1/C2≦1.50、C1/C2=C1/2
かつ、 0.20≦(A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )≦
24なる関係を満たすことを特徴とするカラー現像剤。
【0008】第2の発明は、樹脂微粒子が多段重合で得
られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、
被覆層が親水性基を有することを特徴とする第1の発明
記載のカラー現像剤である。
られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、
被覆層が親水性基を有することを特徴とする第1の発明
記載のカラー現像剤である。
【0009】第3の発明は、樹脂微粒子の被覆層の親水
性基が、カルボン酸またはカルボン酸塩であることを特
徴とする第1の発明又は第2の発明記載のカラー現像剤
である。
性基が、カルボン酸またはカルボン酸塩であることを特
徴とする第1の発明又は第2の発明記載のカラー現像剤
である。
【0010】第4の発明は、非磁性着色樹脂粒子100
重量部に対して、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混
合することを特徴とする第1の発明ないし第3の発明い
ずれか記載のカラー現像剤である。
重量部に対して、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混
合することを特徴とする第1の発明ないし第3の発明い
ずれか記載のカラー現像剤である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者は、カラー現像剤の環境
に対する帯電安定性について鋭意検討した結果、第1の
発明に記載するような条件を満たすとき、現像/転写効
率の環境安定性に優れ、トナー消費量が安定し、かつ帯
電性を安定させ、低温低湿下では画像濃度低下がなく、
カブリのない良好な画像が得られることを見出した。
に対する帯電安定性について鋭意検討した結果、第1の
発明に記載するような条件を満たすとき、現像/転写効
率の環境安定性に優れ、トナー消費量が安定し、かつ帯
電性を安定させ、低温低湿下では画像濃度低下がなく、
カブリのない良好な画像が得られることを見出した。
【0012】その理由は未だ明確ではないが、以下のよ
うに推察される。すなわち、樹脂微粒子は非磁性着色樹
脂粒子と一体となって帯電し、更に現像/転写時に種々
の電界が存在するため、各々がミクロ的に誘電分極し、
樹脂微粒子が誘電分極的な連結因子となることで非磁性
着色樹脂粒子がまとまり、ある程度の凝集体となったカ
ラートナーが現像剤から感光体上の静電潜像へ吸引さ
れ、更に感光体から普通紙上にまとまって転写するた
め、個々ばらばらで現像/転写されるより現像/転写効
率が良く、かつ、カブリにくい、と考えられる。
うに推察される。すなわち、樹脂微粒子は非磁性着色樹
脂粒子と一体となって帯電し、更に現像/転写時に種々
の電界が存在するため、各々がミクロ的に誘電分極し、
樹脂微粒子が誘電分極的な連結因子となることで非磁性
着色樹脂粒子がまとまり、ある程度の凝集体となったカ
ラートナーが現像剤から感光体上の静電潜像へ吸引さ
れ、更に感光体から普通紙上にまとまって転写するた
め、個々ばらばらで現像/転写されるより現像/転写効
率が良く、かつ、カブリにくい、と考えられる。
【0013】一般に、誘電損失のある物質の誘電率Εは
Ε=ε1 −i ×ε2 で表され( ε1は誘電率の実数部、
ε2 は誘電率の虚数部、i は虚数) 、誘電正接 tanδ=
ε2/ε1 の関係があり、誘電率と誘電正接は密接な関
わりがあると認められる。ここで、誘電正接 tanδは、
誘電損失正接または散逸係数と呼ばれ、物理的な意味は
1サイクル当たりの散逸するエネルギーに対する1サイ
クル当たりの貯蔵されるエネルギーの比を示している。
誘電正接は周波数によって大きさが異なるが、これは誘
電体の表面(界面)、配向及び原子(イオン)分極の状
態を示す。
Ε=ε1 −i ×ε2 で表され( ε1は誘電率の実数部、
ε2 は誘電率の虚数部、i は虚数) 、誘電正接 tanδ=
ε2/ε1 の関係があり、誘電率と誘電正接は密接な関
わりがあると認められる。ここで、誘電正接 tanδは、
誘電損失正接または散逸係数と呼ばれ、物理的な意味は
1サイクル当たりの散逸するエネルギーに対する1サイ
クル当たりの貯蔵されるエネルギーの比を示している。
誘電正接は周波数によって大きさが異なるが、これは誘
電体の表面(界面)、配向及び原子(イオン)分極の状
態を示す。
【0014】誘電正接は誘電損失の度合いを表し、誘電
正接が小さければ帯電量を保持する傾向が大きく、誘電
正接が大きければ帯電量を下げる傾向を示す。比較的誘
電正接が小さく、帯電量を保持する傾向にある非磁性着
色樹脂粒子を用いることにより、環境の変化にさほど影
響されない安定した帯電状態、及び現像/転写効率を確
保し、かつ比較的誘電正接が大きく、帯電量を下げる傾
向にある樹脂微粒子を外添剤として用い、更にキャリア
を被覆する樹脂として中程度の誘電正接を有するアクリ
ル系樹脂を使用することによって、比較的誘電正接が小
さく、帯電量を保持する傾向にある非磁性着色樹脂粒子
の帯電性を損なうことなく好適な帯電量が維持でき、低
温低湿下における非磁性着色樹脂粒子とアクリル系樹脂
被覆キャリアとの摩擦によるチャージアップを緩和し、
低温低湿下でも画像濃度低下がなく、カブリのない良好
な画像が得られるようになったものと考えられる。
正接が小さければ帯電量を保持する傾向が大きく、誘電
正接が大きければ帯電量を下げる傾向を示す。比較的誘
電正接が小さく、帯電量を保持する傾向にある非磁性着
色樹脂粒子を用いることにより、環境の変化にさほど影
響されない安定した帯電状態、及び現像/転写効率を確
保し、かつ比較的誘電正接が大きく、帯電量を下げる傾
向にある樹脂微粒子を外添剤として用い、更にキャリア
を被覆する樹脂として中程度の誘電正接を有するアクリ
ル系樹脂を使用することによって、比較的誘電正接が小
さく、帯電量を保持する傾向にある非磁性着色樹脂粒子
の帯電性を損なうことなく好適な帯電量が維持でき、低
温低湿下における非磁性着色樹脂粒子とアクリル系樹脂
被覆キャリアとの摩擦によるチャージアップを緩和し、
低温低湿下でも画像濃度低下がなく、カブリのない良好
な画像が得られるようになったものと考えられる。
【0015】本発明においては、樹脂微粒子の周波数1
KHzにおける誘電正接の値をA1、周波数1MHzに
おける誘電正接の値をA2、非磁性着色樹脂粒子の周波
数1KHzにおける誘電正接の値をB1、周波数1MH
zにおける誘電正接の値をB2、アクリル系樹脂の周波
数1KHzにおける誘電正接の値をC1、周波数1MH
zにおける誘電正接の値をC2とする時、誘電正接の比
が各々以下の範囲にあり、 1.60≦A1/A2≦3.00、A1/A2=A1/2 0.10≦B1/B2≦0.50、B1/B2=B1/2 0.60≦C1/C2≦1.50、C1/C2=C1/2
かつ、 0.20≦(A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )≦
24なる関係を満たすことが重要である。
KHzにおける誘電正接の値をA1、周波数1MHzに
おける誘電正接の値をA2、非磁性着色樹脂粒子の周波
数1KHzにおける誘電正接の値をB1、周波数1MH
zにおける誘電正接の値をB2、アクリル系樹脂の周波
数1KHzにおける誘電正接の値をC1、周波数1MH
zにおける誘電正接の値をC2とする時、誘電正接の比
が各々以下の範囲にあり、 1.60≦A1/A2≦3.00、A1/A2=A1/2 0.10≦B1/B2≦0.50、B1/B2=B1/2 0.60≦C1/C2≦1.50、C1/C2=C1/2
かつ、 0.20≦(A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )≦
24なる関係を満たすことが重要である。
【0016】A1/A2が3.00より大きいと、樹脂
微粒子の電荷損失が大きくなり、カラートナー同士を結
び付ける誘電分極的な連結因子としての役割を消失し、
その結果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。ま
たトナーの帯電量が低下するので、カブリ、トナー飛散
等の弊害が生じてしまう。一方、A1/A2が1.60
未満であると、樹脂微粒子が凝集し易くなり、カラート
ナー同士の間に静電気的な介在ができなくなり、その結
果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。また、A
1/A2が1.60未満であると、低温低湿下において
トナーに蓄積された電荷をリークし難くなるので、低温
低湿下において画像濃度が低下することを抑制・防止で
きない。
微粒子の電荷損失が大きくなり、カラートナー同士を結
び付ける誘電分極的な連結因子としての役割を消失し、
その結果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。ま
たトナーの帯電量が低下するので、カブリ、トナー飛散
等の弊害が生じてしまう。一方、A1/A2が1.60
未満であると、樹脂微粒子が凝集し易くなり、カラート
ナー同士の間に静電気的な介在ができなくなり、その結
果、現像/転写効率の向上に寄与しなくなる。また、A
1/A2が1.60未満であると、低温低湿下において
トナーに蓄積された電荷をリークし難くなるので、低温
低湿下において画像濃度が低下することを抑制・防止で
きない。
【0017】またB1/B2が0.50より大きいと、
カラー現像剤とした時の帯電性が損なわれ、良好な画像
が得られなくなり、0.10未満であるとカラートナー
には欠かせない着色剤である有機顔料が少量となり、画
像濃度が低下するという問題が生じる。
カラー現像剤とした時の帯電性が損なわれ、良好な画像
が得られなくなり、0.10未満であるとカラートナー
には欠かせない着色剤である有機顔料が少量となり、画
像濃度が低下するという問題が生じる。
【0018】またC1/C2が1.50より大きいと、
環境変化による帯電性が不安定となり、良好な画像が得
られなくなり、0.60未満であるとチャージアップに
よるキャリア飛びが生じ、画像が白抜けとなる問題が生
じる。
環境変化による帯電性が不安定となり、良好な画像が得
られなくなり、0.60未満であるとチャージアップに
よるキャリア飛びが生じ、画像が白抜けとなる問題が生
じる。
【0019】更に、A1/2 /B1/2 とC1/2 /B1/2 の
差が24.0を越えると、高温高湿下では転写効率が低
下するので一定の画像濃度を得るためにはトナー消費量
が増大したり、トナー飛散が生じ、カブリも増加すると
いった問題が生じる。A1/2 /B1/2 とC1/2 /B1/2
の差が0.20未満であると、現像/転写効率の環境安
定性を欠き、またチャージアップ緩和効果が不十分とな
り、低温低湿度下において画像濃度が低下するという問
題が生じる。
差が24.0を越えると、高温高湿下では転写効率が低
下するので一定の画像濃度を得るためにはトナー消費量
が増大したり、トナー飛散が生じ、カブリも増加すると
いった問題が生じる。A1/2 /B1/2 とC1/2 /B1/2
の差が0.20未満であると、現像/転写効率の環境安
定性を欠き、またチャージアップ緩和効果が不十分とな
り、低温低湿度下において画像濃度が低下するという問
題が生じる。
【0020】なお、本発明における誘電正接tanδは
以下のようにして求める。市販の錠剤成形器に、予め2
3℃/50RH%の恒温恒湿槽に24時間放置した試料
(樹脂微粒子又は非磁性着色樹脂粒子)を入れ、400
Kg/cm2 で加圧して、厚さ約2mm,直径20mm
の円筒形ペレットを作製する。このペレットをインピー
ダンスアナライザー4194A(横河ヒューレットパッ
カード社製)により周波数1KHz,1MHzで測定
し、誘電正接tanδの値を求めた。
以下のようにして求める。市販の錠剤成形器に、予め2
3℃/50RH%の恒温恒湿槽に24時間放置した試料
(樹脂微粒子又は非磁性着色樹脂粒子)を入れ、400
Kg/cm2 で加圧して、厚さ約2mm,直径20mm
の円筒形ペレットを作製する。このペレットをインピー
ダンスアナライザー4194A(横河ヒューレットパッ
カード社製)により周波数1KHz,1MHzで測定
し、誘電正接tanδの値を求めた。
【0021】本発明に用いる樹脂微粒子の粒径は0.0
5〜2μmであることが重要であり、0.1〜1μmで
あることがより好ましい。粒径が0.05μmより小さ
いと、樹脂微粒子が非磁性着色樹脂粒子に埋め込まれた
り、樹脂微粒子同士の凝集が生じ易く、低温低湿下での
画像濃度の低下を抑制・防止し難い。一方、2μmより
大きいと、分散が不均一となったり、非磁性着色樹脂粒
子と一体化し難いので、低温低湿下でカラートナーのチ
ャージアップを抑制・防止し難く、低温低湿下での画像
濃度の低下を抑制・防止し難い傾向にある。また、樹脂
微粒子が鋭利な角を多数有すると感光体を傷つけかねな
いので、樹脂微粒子の形状としては鋭利な角の少ない、
出来るだけ丸味を帯びた形状、例えば球形であることが
好ましい。
5〜2μmであることが重要であり、0.1〜1μmで
あることがより好ましい。粒径が0.05μmより小さ
いと、樹脂微粒子が非磁性着色樹脂粒子に埋め込まれた
り、樹脂微粒子同士の凝集が生じ易く、低温低湿下での
画像濃度の低下を抑制・防止し難い。一方、2μmより
大きいと、分散が不均一となったり、非磁性着色樹脂粒
子と一体化し難いので、低温低湿下でカラートナーのチ
ャージアップを抑制・防止し難く、低温低湿下での画像
濃度の低下を抑制・防止し難い傾向にある。また、樹脂
微粒子が鋭利な角を多数有すると感光体を傷つけかねな
いので、樹脂微粒子の形状としては鋭利な角の少ない、
出来るだけ丸味を帯びた形状、例えば球形であることが
好ましい。
【0022】本発明において用いられる樹脂微粒子は、
上記した条件を満たすものあれば良く、組成や製造方法
等は限定されるものではないが、多段重合で得られ、被
覆層とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層が
親水性基を有することが好ましい。以下に多段重合で得
られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、
被覆層が親水性基を有する樹脂微粒子(以下多段重合樹
脂微粒子と略す)の製造方法について述べる。
上記した条件を満たすものあれば良く、組成や製造方法
等は限定されるものではないが、多段重合で得られ、被
覆層とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層が
親水性基を有することが好ましい。以下に多段重合で得
られ、被覆層とその内側になる層との複数の層を有し、
被覆層が親水性基を有する樹脂微粒子(以下多段重合樹
脂微粒子と略す)の製造方法について述べる。
【0023】多段重合樹脂微粒子は、乳化重合、ソープ
フリー重合、懸濁重合等による多段重合で得られるもの
であり、最終段階よりも前の段階の重合においてアクリ
ル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキル
エステルを重合もしくは共重合せしめ、最終段階の重合
において重合性カルボン酸または重合性カルボン酸塩を
重合せしめてなることが好ましい。例えば乳化重合によ
る二段重合の場合、その樹脂微粒子を含有する分散液は
以下のような方法で得られる。 (1)一段目の乳化重合によって、アクリル酸エステル
及び/またはメタクリル酸アルキルエステルの重合体の
微粒子の分散液もしくは共重合体の微粒子の分散液(以
下第1段目の分散液と略す)を得、次いで二段目の乳化
重合として、第1段目の分散液に重合性カルボン酸モノ
マーを添加したり滴下したりし、乳化重合する。 (2)(1)の方法において、二段目の乳化重合終了
後、分散粒子の表面近傍に存在する重合性カルボン酸由
来のカルボキシル基を塩とする。 (3)(1)の方法において、二段目の乳化重合におい
て、第1段目の分散液に重合性カルボン酸モノマーの代
わりに重合性カルボン酸の塩を添加したり滴下したり
し、乳化重合する。上記(1)〜(3)は、二段重合の
場合について説明したものであるが、二段を超える多段
重合の場合も同様に、多段重合の最終段階の重合におい
て重合性カルボン酸または重合性カルボン酸塩を重合せ
しめればよく、アクリル酸エステル及び/またはメタク
リル酸アルキルエステルの重合もしくは共重合は、最終
段階よりも前の段階のいずれかの段階の重合であればよ
く、最終段階の直前の段階には限られない。
フリー重合、懸濁重合等による多段重合で得られるもの
であり、最終段階よりも前の段階の重合においてアクリ
ル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキル
エステルを重合もしくは共重合せしめ、最終段階の重合
において重合性カルボン酸または重合性カルボン酸塩を
重合せしめてなることが好ましい。例えば乳化重合によ
る二段重合の場合、その樹脂微粒子を含有する分散液は
以下のような方法で得られる。 (1)一段目の乳化重合によって、アクリル酸エステル
及び/またはメタクリル酸アルキルエステルの重合体の
微粒子の分散液もしくは共重合体の微粒子の分散液(以
下第1段目の分散液と略す)を得、次いで二段目の乳化
重合として、第1段目の分散液に重合性カルボン酸モノ
マーを添加したり滴下したりし、乳化重合する。 (2)(1)の方法において、二段目の乳化重合終了
後、分散粒子の表面近傍に存在する重合性カルボン酸由
来のカルボキシル基を塩とする。 (3)(1)の方法において、二段目の乳化重合におい
て、第1段目の分散液に重合性カルボン酸モノマーの代
わりに重合性カルボン酸の塩を添加したり滴下したり
し、乳化重合する。上記(1)〜(3)は、二段重合の
場合について説明したものであるが、二段を超える多段
重合の場合も同様に、多段重合の最終段階の重合におい
て重合性カルボン酸または重合性カルボン酸塩を重合せ
しめればよく、アクリル酸エステル及び/またはメタク
リル酸アルキルエステルの重合もしくは共重合は、最終
段階よりも前の段階のいずれかの段階の重合であればよ
く、最終段階の直前の段階には限られない。
【0024】本発明において最終段階よりも前の工程で
製造される重合体もしくは共重合体としては、アクリル
酸アルキルエステルモノマーの重合体、メタクリル酸ア
ルキルエステルモノマーの重合体、アクリル酸アルキル
エステルモノマー及びメタクリル酸アルキルエステルモ
ノマーの共重合体、またはアクリル酸アルキルエステル
モノマーまたはメタクリル酸アルキルエステルモノマー
を50重量%以上含有し、他の共重合可能なモノマーを
1種または2種以上含有する共重合体が挙げられる。
製造される重合体もしくは共重合体としては、アクリル
酸アルキルエステルモノマーの重合体、メタクリル酸ア
ルキルエステルモノマーの重合体、アクリル酸アルキル
エステルモノマー及びメタクリル酸アルキルエステルモ
ノマーの共重合体、またはアクリル酸アルキルエステル
モノマーまたはメタクリル酸アルキルエステルモノマー
を50重量%以上含有し、他の共重合可能なモノマーを
1種または2種以上含有する共重合体が挙げられる。
【0025】本発明において用いられるアクリル酸アル
キルエステルモノマー、メタクリル酸アルキルエステル
モノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と、ア
ルキルアルコール、アルコキシアルコール、アラルキル
アルコール、アルケニルアルコール等のアルコールとの
エステル化物が挙げられ、上記アルコールの具体例とし
てメチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアル
コール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘ
キサデシルアルコールの如きアルキルアルコール;メト
キシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メ
トキシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコー
ルの如きアルコキシルアルコール;ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアル
コールの如きアラルキルアルコール;アリルアルコー
ル、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコール
が挙げられ、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
トが好ましい。
キルエステルモノマー、メタクリル酸アルキルエステル
モノマーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と、ア
ルキルアルコール、アルコキシアルコール、アラルキル
アルコール、アルケニルアルコール等のアルコールとの
エステル化物が挙げられ、上記アルコールの具体例とし
てメチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアル
コール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘ
キサデシルアルコールの如きアルキルアルコール;メト
キシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メ
トキシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコー
ルの如きアルコキシルアルコール;ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアル
コールの如きアラルキルアルコール;アリルアルコー
ル、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコール
が挙げられ、メチルアクリレート、メチルメタクリレー
トが好ましい。
【0026】上述したアクリル酸アルキルエステルモノ
マー、メタクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合
し得る他のモノマーとしては、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリル
アミド、N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド及び
ニトリル類、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類;ビニル
カルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリド等の含
窒素ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレン等の脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭
化ビニル、1,2−ジクロルエチレン、1,2−ジブロ
ムエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニ
ル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化脂肪族オレフ
ィン;1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系脂肪族
オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン類が挙げられる。
マー、メタクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合
し得る他のモノマーとしては、アクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリル
アミド、N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド及び
ニトリル類、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類;ビニル
カルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリド等の含
窒素ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブテン、イ
ソブチレン等の脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭
化ビニル、1,2−ジクロルエチレン、1,2−ジブロ
ムエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニ
ル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、フッ化
ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化脂肪族オレフ
ィン;1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2
−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系脂肪族
オレフィン;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレ
ン類が挙げられる。
【0027】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子は、上述したように最終の重合段階で重合性
カルボン酸を重合せしめても良いし、または最終の重合
段階で重合性カルボン酸塩を重合せしめても良い。
樹脂微粒子は、上述したように最終の重合段階で重合性
カルボン酸を重合せしめても良いし、または最終の重合
段階で重合性カルボン酸塩を重合せしめても良い。
【0028】最終の重合段階において使用する重合性カ
ルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、α−
エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン
酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン
酸、ウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカル
ボン酸、またはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ジヒドロムコ
ン酸等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げら
れ、これらの1種または2種以上を使用することがで
き、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。最終の重合
段階において使用する重合性カルボン酸塩としては、上
記したような重合性カルボン酸の種々の塩が用いられ
る。
ルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、α−
エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロトン
酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン
酸、ウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカル
ボン酸、またはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ジヒドロムコ
ン酸等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げら
れ、これらの1種または2種以上を使用することがで
き、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。最終の重合
段階において使用する重合性カルボン酸塩としては、上
記したような重合性カルボン酸の種々の塩が用いられ
る。
【0029】重合前又は重合後にカルボン酸の塩形成に
用いられる造塩剤としては、Na,Mg,K,Li,N
H4 ,Ca,Ba,Zn,Fe,Cu,Al,Ni,C
o,Cr等の水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及
び有機アミン類が挙げられ、中でもMg、Ca、Ba、
Zn、Fe、Ni、Co等の2価の金属の水酸化物、酸
化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好まし
く、さらにはMg、Ca、Ba、Znの水酸化物、酸化
物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好ましく、
Znの水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機
アミン類が最も好ましい。有機酸としてはギ酸、酢酸、
プロピオン酸等が挙げらる。これら造塩剤の添加量は、
使用した又は使用する重合性カルボン酸のカルボキシル
基に対して当量になるように添加するのが好ましい。当
量未満であっても低温低湿下における帯電量の安定性の
向上には有効である。また当量以上に添加しても過剰部
分は後に水洗工程を行うことによって除去できるので差
し支えない。
用いられる造塩剤としては、Na,Mg,K,Li,N
H4 ,Ca,Ba,Zn,Fe,Cu,Al,Ni,C
o,Cr等の水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及
び有機アミン類が挙げられ、中でもMg、Ca、Ba、
Zn、Fe、Ni、Co等の2価の金属の水酸化物、酸
化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好まし
く、さらにはMg、Ca、Ba、Znの水酸化物、酸化
物、無機酸塩、有機酸塩及び有機アミン類が好ましく、
Znの水酸化物、酸化物、無機酸塩、有機酸塩及び有機
アミン類が最も好ましい。有機酸としてはギ酸、酢酸、
プロピオン酸等が挙げらる。これら造塩剤の添加量は、
使用した又は使用する重合性カルボン酸のカルボキシル
基に対して当量になるように添加するのが好ましい。当
量未満であっても低温低湿下における帯電量の安定性の
向上には有効である。また当量以上に添加しても過剰部
分は後に水洗工程を行うことによって除去できるので差
し支えない。
【0030】重合性カルボン酸又は重合性カルボン酸塩
の使用量は、最終段階前の重合段階までに用いたモノマ
ー総量100重量部に対し、0.05〜20重量%用い
られることが好ましい。0.05重量部未満では製造し
た樹脂微粒子を非磁性着色樹脂粒子に添加してトナーと
しても、低温低湿下での画像濃度向上の効果に乏しく、
20重量部を超えると樹脂微粒子の表面の親水性が大き
くなり水分を吸湿して誘電正接が大きく成り過ぎ、摩擦
帯電量が低下するために、現像/転写効率の向上に殆ど
寄与しなくなる。
の使用量は、最終段階前の重合段階までに用いたモノマ
ー総量100重量部に対し、0.05〜20重量%用い
られることが好ましい。0.05重量部未満では製造し
た樹脂微粒子を非磁性着色樹脂粒子に添加してトナーと
しても、低温低湿下での画像濃度向上の効果に乏しく、
20重量部を超えると樹脂微粒子の表面の親水性が大き
くなり水分を吸湿して誘電正接が大きく成り過ぎ、摩擦
帯電量が低下するために、現像/転写効率の向上に殆ど
寄与しなくなる。
【0031】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、過硫酸塩とスルホ
キシ化合物からなるレッドクス系開始剤、水溶性アゾ系
の開始剤等が挙げられる。過硫酸塩系開始剤には過硫酸
カリウム等が挙げられ、過硫酸塩とスルホキシ化合物か
らなるレッドクス系開始剤には前述の過硫酸塩とチオ硫
酸カリウムまたはチオ硫酸ナトリウムが挙げられる。更
に水溶性アゾ系の開始剤には2、2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)塩酸塩、2、2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)酢酸塩、2、2’−アゾビス(N,
N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジ塩酸塩等を例
示できる。
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過硫酸塩系開始剤、過硫酸塩とスルホ
キシ化合物からなるレッドクス系開始剤、水溶性アゾ系
の開始剤等が挙げられる。過硫酸塩系開始剤には過硫酸
カリウム等が挙げられ、過硫酸塩とスルホキシ化合物か
らなるレッドクス系開始剤には前述の過硫酸塩とチオ硫
酸カリウムまたはチオ硫酸ナトリウムが挙げられる。更
に水溶性アゾ系の開始剤には2、2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)塩酸塩、2、2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)酢酸塩、2、2’−アゾビス(N,
N’−ジメチレンイソブチルアミジン)ジ塩酸塩等を例
示できる。
【0032】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる乳化
剤としては、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、
アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク
酸ジアルキルエステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、
またはカリウム、アルキル(又はアルキルフェニル)エ
ーテル、硫酸エステルナトリウム、またはアンモニウム
などのアニオン性乳化剤:アルキルフエノールエチレン
オキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド
付加物、ポリブロピレングリコールエチレンオキサイド
付加物などのノニオン性乳化剤; 第4級アンモニウム
塩などのカチオン性乳化剤等が挙げられ、更にはポリビ
ニルアルコールなどの水溶性ポリマーも用いることがで
きる。
樹脂微粒子の内、乳化重合による場合に用いられる乳化
剤としては、高級アルコール硫酸エステルナトリウム、
アルキルジフエニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク
酸ジアルキルエステルナトリウム、脂肪酸ナトリウム、
またはカリウム、アルキル(又はアルキルフェニル)エ
ーテル、硫酸エステルナトリウム、またはアンモニウム
などのアニオン性乳化剤:アルキルフエノールエチレン
オキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイド
付加物、ポリブロピレングリコールエチレンオキサイド
付加物などのノニオン性乳化剤; 第4級アンモニウム
塩などのカチオン性乳化剤等が挙げられ、更にはポリビ
ニルアルコールなどの水溶性ポリマーも用いることがで
きる。
【0033】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合に用いら
れる重合開始剤としては、上記乳化重合の場合と同様の
ものが使用できる。
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合に用いら
れる重合開始剤としては、上記乳化重合の場合と同様の
ものが使用できる。
【0034】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合は、保護
コロイドとして水溶性高分子化合物を用いるものであ
り、水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそ
の塩、ポリメタクリル酸及びその塩、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエー
テル、カルボキシメチルセルロース等が挙げらる。本発
明において使用される樹脂微粒子は、誘電正接や平均粒
子径に関する条件を満たすものであればよいことは上述
した次第であるが、好適な製造方法である多段重合の
内、ソープフリー重合法は重合時に乳化剤を使用しない
ので、後述する乾燥後の樹脂微粒子も乳化剤を含有しな
いため、誘電正接の環境変動が小さいので特に好まし
い。
樹脂微粒子の内、ソープフリー重合による場合は、保護
コロイドとして水溶性高分子化合物を用いるものであ
り、水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルア
ルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそ
の塩、ポリメタクリル酸及びその塩、ポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエー
テル、カルボキシメチルセルロース等が挙げらる。本発
明において使用される樹脂微粒子は、誘電正接や平均粒
子径に関する条件を満たすものであればよいことは上述
した次第であるが、好適な製造方法である多段重合の
内、ソープフリー重合法は重合時に乳化剤を使用しない
ので、後述する乾燥後の樹脂微粒子も乳化剤を含有しな
いため、誘電正接の環境変動が小さいので特に好まし
い。
【0035】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過酸化物系開始剤、アゾビス系の開始
剤等が挙げられる。過酸化物系開始剤には過酸化ベンゾ
イル等が挙げられ、アゾビス系の開始剤には2、2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビスヴァ
レロニトリル等を例示できる。
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる重合
開始剤としては、過酸化物系開始剤、アゾビス系の開始
剤等が挙げられる。過酸化物系開始剤には過酸化ベンゾ
イル等が挙げられ、アゾビス系の開始剤には2、2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2、2’−アゾビスヴァ
レロニトリル等を例示できる。
【0036】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる乳化
剤としては、上記乳化重合の場合と同様のものが使用で
きる。
樹脂微粒子の内、懸濁重合による場合に用いられる乳化
剤としては、上記乳化重合の場合と同様のものが使用で
きる。
【0037】本発明において好適に使用される多段重合
樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重合、懸
濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボン酸
を塩とした後、水性分散液から水を除去すればよい。水
を除去する手段としては、通常粉体製造に用いられてい
る種々の乾燥方法と解砕方法・粉砕方法とが適用できる
が、水性分散液をスプレードライした後、乾燥物を解砕
・粉砕することが好ましい。
樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重合、懸
濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボン酸
を塩とした後、水性分散液から水を除去すればよい。水
を除去する手段としては、通常粉体製造に用いられてい
る種々の乾燥方法と解砕方法・粉砕方法とが適用できる
が、水性分散液をスプレードライした後、乾燥物を解砕
・粉砕することが好ましい。
【0038】また、本発明において好適に使用される多
段重合樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリ
ー重合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボ
ン酸を塩とした後、クロスフロー式濾過法によって水性
分散液から乳化剤等を除去することもできる。例えば、
卓上型エマルジョンフィルター(綜研化学(株)製)に
水性分散液に入れ、水を流して水性分散液を洗浄し、乳
化剤や未反応物等を除去することができる。洗浄後上記
方法によって水を除去すればよい。
段重合樹脂微粒子は、重合(乳化重合、ソープフリー重
合、懸濁重合)後、または重合(乳化重合、ソープフリ
ー重合、懸濁重合)後上記造塩剤を用いて表面のカルボ
ン酸を塩とした後、クロスフロー式濾過法によって水性
分散液から乳化剤等を除去することもできる。例えば、
卓上型エマルジョンフィルター(綜研化学(株)製)に
水性分散液に入れ、水を流して水性分散液を洗浄し、乳
化剤や未反応物等を除去することができる。洗浄後上記
方法によって水を除去すればよい。
【0039】また、本発明に用いる樹脂微粒子は、重量
平均分子量Mwが2〜200万の範囲にあることが好ま
しい。Mwが200万より大きい場合はトナーの定着性
に悪影響を与え易く、また2万より小さい場合は耐ブロ
ッキング性が悪化し易くなる。
平均分子量Mwが2〜200万の範囲にあることが好ま
しい。Mwが200万より大きい場合はトナーの定着性
に悪影響を与え易く、また2万より小さい場合は耐ブロ
ッキング性が悪化し易くなる。
【0040】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子は、結着樹脂と着色剤とを含有するものであり、用
いられる結着樹脂としては、ポリエステルが挙げられ
る。ポリエステルとしては、例えばジオール成分として
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールA−プロピレンオキサイド付加物等のビスフェ
ノールA−アルキレンオキサイド付加物に代表されるビ
スフェノール誘導体、またはその置換体を単独で用いる
か、あるいは上記ビスフェノール誘導体にエチレングリ
コール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジアルコール
を併わせて用い、これらのジオール成分と2価以上のカ
ルボン酸(例えばフマル酸、マレイン酸、フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等)、その酸無水物(例えば無水マレイン酸、無
水フタル酸等)、またはその低級アルキルエステル等の
カルボン酸成分とを、縮合又は共縮合したポリエステル
樹脂が挙げられ、シャープな溶融特性を有するものが好
ましい。
粒子は、結着樹脂と着色剤とを含有するものであり、用
いられる結着樹脂としては、ポリエステルが挙げられ
る。ポリエステルとしては、例えばジオール成分として
ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールA−プロピレンオキサイド付加物等のビスフェ
ノールA−アルキレンオキサイド付加物に代表されるビ
スフェノール誘導体、またはその置換体を単独で用いる
か、あるいは上記ビスフェノール誘導体にエチレングリ
コール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジアルコール
を併わせて用い、これらのジオール成分と2価以上のカ
ルボン酸(例えばフマル酸、マレイン酸、フタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸等)、その酸無水物(例えば無水マレイン酸、無
水フタル酸等)、またはその低級アルキルエステル等の
カルボン酸成分とを、縮合又は共縮合したポリエステル
樹脂が挙げられ、シャープな溶融特性を有するものが好
ましい。
【0041】結着樹脂としては、上記のようなポリエス
テルを単独でも使用できるが、ポリエステルが結着樹脂
重量全体の50重量%以上を占めていれば、以下に述べ
る単独重合体または共重合体を1種類以上組み合わせて
用いることができる。ポリエステルの他に併用できる結
着樹脂としては、スチレン、クロルスチレン、ビニルス
チレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のモノオレフイン、酢酸ビニル、ブ
ロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビ
ニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸フエニル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類やメ
タクリル酸アルキルエステル類、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプ
ロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体ある
いは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着
樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アル
キルエステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
等を挙げることができる。更にポリウレタン、エポキシ
樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフ
イン、ワツクス類を挙げることができる。
テルを単独でも使用できるが、ポリエステルが結着樹脂
重量全体の50重量%以上を占めていれば、以下に述べ
る単独重合体または共重合体を1種類以上組み合わせて
用いることができる。ポリエステルの他に併用できる結
着樹脂としては、スチレン、クロルスチレン、ビニルス
チレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレン等のモノオレフイン、酢酸ビニル、ブ
ロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビ
ニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸オクチル、アクリル酸フエニル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸ドデシル等のアクリル酸アルキルエステル類やメ
タクリル酸アルキルエステル類、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニ
ルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプ
ロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体ある
いは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着
樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ア
ルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アル
キルエステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
等を挙げることができる。更にポリウレタン、エポキシ
樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフ
イン、ワツクス類を挙げることができる。
【0042】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子を得るための着色剤としては、アニリンブルー、カ
ルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブル
ー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、
マラカイトグリーンオキサレート、ローダミンレーキ、
レーキレッド、パーマネントレッド、キナクリドン、ク
ロムイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロ
ー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ランプブラ
ック、ローズベンガル、カーボンブラック等を代表的な
ものとして例示することができる。上記のような着色剤
は、結着樹脂100重量部に対して1〜12重量部用い
られることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜10
重量部である。更に、非磁性着色樹脂粒子に荷電制御剤
を配合してもよい。例えば4級アンモニウム塩、サリチ
ル酸誘導体金属錯体等をあげることができるが、特に好
ましくは無色または淡色の荷電制御剤を配合すると良
い。なお、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤は上述の例示
したものに限定されるものでない。
粒子を得るための着色剤としては、アニリンブルー、カ
ルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブル
ー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、
マラカイトグリーンオキサレート、ローダミンレーキ、
レーキレッド、パーマネントレッド、キナクリドン、ク
ロムイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロ
ー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ランプブラ
ック、ローズベンガル、カーボンブラック等を代表的な
ものとして例示することができる。上記のような着色剤
は、結着樹脂100重量部に対して1〜12重量部用い
られることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜10
重量部である。更に、非磁性着色樹脂粒子に荷電制御剤
を配合してもよい。例えば4級アンモニウム塩、サリチ
ル酸誘導体金属錯体等をあげることができるが、特に好
ましくは無色または淡色の荷電制御剤を配合すると良
い。なお、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤は上述の例示
したものに限定されるものでない。
【0043】本発明において用いられる非磁性着色樹脂
粒子は、結着樹脂、着色剤等を常法に従い、溶融混練、
冷却、粉砕、分級等を経て用いられる。用いられる非磁
性着色樹脂粒子は、平均粒径が約20μmより小さいこ
とが好ましく、平均粒径6〜13μmであることがより
好ましい。本発明のカラートナーは、上述した樹脂微粒
子を、非磁性着色樹脂粒子100重量部に対して0.0
1〜10重量部で添加することが好ましく、0.05〜
3.0重量部添加することがより好ましい。
粒子は、結着樹脂、着色剤等を常法に従い、溶融混練、
冷却、粉砕、分級等を経て用いられる。用いられる非磁
性着色樹脂粒子は、平均粒径が約20μmより小さいこ
とが好ましく、平均粒径6〜13μmであることがより
好ましい。本発明のカラートナーは、上述した樹脂微粒
子を、非磁性着色樹脂粒子100重量部に対して0.0
1〜10重量部で添加することが好ましく、0.05〜
3.0重量部添加することがより好ましい。
【0044】また、本発明のカラートナーは、特定の誘
電正接の樹脂微粒子の他に、種々の外添剤を非磁性着色
樹脂粒子に添加してなるものであってもよい。例えば、
シリカ、チタニア、アルミナの各々微粒子表面を疎水性
化処理をほどこした流動化剤、タングステンカーバイ
ト、チタン酸カルシウム等のモース硬度2以上の研磨剤
及び導電性微粉末等を上記樹脂微粒子と併用することも
できる。
電正接の樹脂微粒子の他に、種々の外添剤を非磁性着色
樹脂粒子に添加してなるものであってもよい。例えば、
シリカ、チタニア、アルミナの各々微粒子表面を疎水性
化処理をほどこした流動化剤、タングステンカーバイ
ト、チタン酸カルシウム等のモース硬度2以上の研磨剤
及び導電性微粉末等を上記樹脂微粒子と併用することも
できる。
【0045】本発明の現像剤は、アクリル系樹脂被覆キ
ャリヤとカラートナーとを有するいわゆるカラー現像剤
(以下現像剤と略す)である。本発明の現像剤に用いる
ことのできるキャリアの芯材(コア材)としては、平均
粒径がトナーの粒径とほぼ同じか、ないし200μmま
での粒子であり、鉄、ニツケル、コバルト、酸化鉄、フ
エライト、ガラスビーズ、粒状シリコン、磁性粉分散樹
脂粒子等の種々公知のものが用いられる。本発明におい
てキャリア芯材(コア材)の表面を被覆するために用い
られるアクリル系樹脂は、重量平均分子量104 〜10
6 、ガラス転移点温度が50〜72℃であることが好ま
しい。係るアクリル系樹脂で被覆されたキャリアを用い
ると、特にカラートナーの帯電性が安定し、長期にわた
って高画質、高画像濃度が維持される。
ャリヤとカラートナーとを有するいわゆるカラー現像剤
(以下現像剤と略す)である。本発明の現像剤に用いる
ことのできるキャリアの芯材(コア材)としては、平均
粒径がトナーの粒径とほぼ同じか、ないし200μmま
での粒子であり、鉄、ニツケル、コバルト、酸化鉄、フ
エライト、ガラスビーズ、粒状シリコン、磁性粉分散樹
脂粒子等の種々公知のものが用いられる。本発明におい
てキャリア芯材(コア材)の表面を被覆するために用い
られるアクリル系樹脂は、重量平均分子量104 〜10
6 、ガラス転移点温度が50〜72℃であることが好ま
しい。係るアクリル系樹脂で被覆されたキャリアを用い
ると、特にカラートナーの帯電性が安定し、長期にわた
って高画質、高画像濃度が維持される。
【0046】本発明に使用されるアクリル系樹脂には、
例えばメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチ
ルメタクリレート−スチレン−2エチルヘキシルアクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート−メチルアクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート−n−ブチルア
クリレート共重合体等が例示できるがこれらに制限され
るものではない。キャリアの製造方法は前述のアクリル
系樹脂を、場合によっては添加剤と共に有機溶媒に溶解
し、例えば浸漬法、スプレー法或いは流動床法等により
コア材上に塗布乾燥させた後、100〜250℃で加熱
して塗膜を硬化させる。
例えばメチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチ
ルメタクリレート−スチレン−2エチルヘキシルアクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート−メチルアクリ
レート共重合体、メチルメタクリレート−n−ブチルア
クリレート共重合体等が例示できるがこれらに制限され
るものではない。キャリアの製造方法は前述のアクリル
系樹脂を、場合によっては添加剤と共に有機溶媒に溶解
し、例えば浸漬法、スプレー法或いは流動床法等により
コア材上に塗布乾燥させた後、100〜250℃で加熱
して塗膜を硬化させる。
【0047】本発明の現像剤は、まず樹脂微粒子と非磁
性着色樹脂粒子とを混合してトナーを得、そのトナーと
キャリアとを混合してなることが最も好ましいが、非磁
性着色樹脂粒子とキャリアを混合しておき、次いで樹脂
微粒子を添加・混合しても良い。
性着色樹脂粒子とを混合してトナーを得、そのトナーと
キャリアとを混合してなることが最も好ましいが、非磁
性着色樹脂粒子とキャリアを混合しておき、次いで樹脂
微粒子を添加・混合しても良い。
【0048】本発明の現像剤は、感光体あるいは静電記
録体に形成された静電潜像を現像することができる。す
なわち、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、無定形シ
リコン等の無機光導電材料、フタロシアニン顔料、ビス
アゾ顔科等の有機光導電材料からなる感光体に電子写真
的に静電潜像を形成し、あるいはポリエチレンテレフタ
レートのような誘電体を有する静電記録体に針伏電極等
により静電潜像を形成し、磁気ブラシ法、カスケード
法、タッチダウン法等の現像方法によつて、静電潜像に
本発明の現像剤によってトナー像を形成する。このトナ
ー像は紙等の転写材に転写後、定着して複写物となり、
感光体等の表面に残留するトナーはクリーニングされ
る。クリーニング法としてはブレード法、ブラシ法、ウ
ェッブ法、ロール法等種々の方法を用いることができ
る。
録体に形成された静電潜像を現像することができる。す
なわち、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム、無定形シ
リコン等の無機光導電材料、フタロシアニン顔料、ビス
アゾ顔科等の有機光導電材料からなる感光体に電子写真
的に静電潜像を形成し、あるいはポリエチレンテレフタ
レートのような誘電体を有する静電記録体に針伏電極等
により静電潜像を形成し、磁気ブラシ法、カスケード
法、タッチダウン法等の現像方法によつて、静電潜像に
本発明の現像剤によってトナー像を形成する。このトナ
ー像は紙等の転写材に転写後、定着して複写物となり、
感光体等の表面に残留するトナーはクリーニングされ
る。クリーニング法としてはブレード法、ブラシ法、ウ
ェッブ法、ロール法等種々の方法を用いることができ
る。
【0049】
【実施例】以下に記載する製造例、実施例、比較例中、
%とあるのは重量%を、また部とあるのは重量部を示
す。
%とあるのは重量%を、また部とあるのは重量部を示
す。
【製造例1】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、過硫酸カリウム0.4
部、ポリビニルアルコール0.2部を入れ、窒素気流中
で80℃にて4時間重合を行った。4時間後、アクリル
酸3部を添加し、更に重合を1時間継続した。重合終了
後、反応液を20℃迄冷却し、酢酸亜鉛4部を加えて造
塩し、得られた反応液を濾過、洗浄後、スプレードライ
ヤーを用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径
0.4μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られ
た樹脂微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=53.2*10-3、 A2(1MHz)=22.0*10-3であり、 A1/A2=2.42であった。また、このようにして
得られた樹脂微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観
察したところ、ほぼ球形であった。
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、過硫酸カリウム0.4
部、ポリビニルアルコール0.2部を入れ、窒素気流中
で80℃にて4時間重合を行った。4時間後、アクリル
酸3部を添加し、更に重合を1時間継続した。重合終了
後、反応液を20℃迄冷却し、酢酸亜鉛4部を加えて造
塩し、得られた反応液を濾過、洗浄後、スプレードライ
ヤーを用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径
0.4μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られ
た樹脂微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=53.2*10-3、 A2(1MHz)=22.0*10-3であり、 A1/A2=2.42であった。また、このようにして
得られた樹脂微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観
察したところ、ほぼ球形であった。
【0050】
【製造例2】酢酸亜鉛を用いなかった以外は製造例1と
同様にして平均粒径0.4μm実質的に球形の樹脂微粒
子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正
接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=62.4*10-3、 A2(1MHz)=35.0*10-3であり、 A1/A2=1.78であった。
同様にして平均粒径0.4μm実質的に球形の樹脂微粒
子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正
接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=62.4*10-3、 A2(1MHz)=35.0*10-3であり、 A1/A2=1.78であった。
【0051】
【製造例3】ポリビニルアルコール0.2部の代わり
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例2
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、 A1(1KHz)=61.4*10-3、 A2(1MHz)=36.3*10-3であり、 A1/A2=1.69であった。
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例2
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、 A1(1KHz)=61.4*10-3、 A2(1MHz)=36.3*10-3であり、 A1/A2=1.69であった。
【0052】
【製造例4】ポリビニルアルコール0.2部の代わり
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例1
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、 A1(1KHz)=61.6*10-3、 A2(1MHz)=22.0*10-3であり、 A1/A2=2.80であった。
に、ポリオキシエチレンノニルフェノール4部、ナトリ
ウムラウリルサルフェート1部を用いた以外は製造例1
と同様にして平均粒径0.3μmの樹脂微粒子を得た。
このようにして得られた樹脂微粒子の誘電正接A1、A
2はそれぞれ、 A1(1KHz)=61.6*10-3、 A2(1MHz)=22.0*10-3であり、 A1/A2=2.80であった。
【0053】
【製造例5】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、2、2’−アゾビス(2
−アミジノプロパン)塩酸塩0.3部、ポリビニルアル
コール0.4部を入れ、窒素気流中で80℃にて重合を
行った。重合終了後、反応液を20℃迄冷却し、得られ
た反応液を濾過、洗浄後にスプレードライヤーを用いて
乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.3μmの
樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子
の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=241.0*10-3、 A2(1MHz)=63.8*10-3であり、 A1/A2=3.78であった。
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト100部、蒸留水200部、2、2’−アゾビス(2
−アミジノプロパン)塩酸塩0.3部、ポリビニルアル
コール0.4部を入れ、窒素気流中で80℃にて重合を
行った。重合終了後、反応液を20℃迄冷却し、得られ
た反応液を濾過、洗浄後にスプレードライヤーを用いて
乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.3μmの
樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂微粒子
の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=241.0*10-3、 A2(1MHz)=63.8*10-3であり、 A1/A2=3.78であった。
【0054】
【製造例6】攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト55部、スチレン45部、蒸留水200部、過硫酸カ
リウム、ポリビニルアルコール0.3部を入れ、窒素気
流中で80℃にて重合を行った。重合終了後、反応液を
20℃迄冷却し、濾過、洗浄後にスプレードライヤーを
用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.5
μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂
微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=14.2*10-3、 A2(1MHz)=13.3*10-3であり、 A1/A2=1.07であった。
を装着した1Lの4つ口フラスコにメチルメタクリレー
ト55部、スチレン45部、蒸留水200部、過硫酸カ
リウム、ポリビニルアルコール0.3部を入れ、窒素気
流中で80℃にて重合を行った。重合終了後、反応液を
20℃迄冷却し、濾過、洗浄後にスプレードライヤーを
用いて乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径0.5
μmの樹脂微粒子を得た。このようにして得られた樹脂
微粒子の誘電正接A1、A2はそれぞれ、 A1(1KHz)=14.2*10-3、 A2(1MHz)=13.3*10-3であり、 A1/A2=1.07であった。
【0055】
【実施例1】プロポキシ化ビスフェノールとテレフタル
酸及びトリメリット酸とを 共縮合してなるポリエステル樹脂 100部 電荷調整剤(ボントロンE84:オリエント化学) 4部 着色剤(フタロシアニン顔料) 2.5部 をヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、エクスト
ルーダーで溶融混練し、冷却後ハンマーミルで粗砕し、
次いでエアージェットミル粉砕機で微粉砕し、分級して
非磁性着色樹脂粒子8μmを得た。得られた非磁性着色
樹脂粒子の誘電正接B1、B2はそれぞれ B1(1KHz)=5.40*10-3、 B2(1MHz)=16.8*10-3であり、 B1/B2=0.32であった。
酸及びトリメリット酸とを 共縮合してなるポリエステル樹脂 100部 電荷調整剤(ボントロンE84:オリエント化学) 4部 着色剤(フタロシアニン顔料) 2.5部 をヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、エクスト
ルーダーで溶融混練し、冷却後ハンマーミルで粗砕し、
次いでエアージェットミル粉砕機で微粉砕し、分級して
非磁性着色樹脂粒子8μmを得た。得られた非磁性着色
樹脂粒子の誘電正接B1、B2はそれぞれ B1(1KHz)=5.40*10-3、 B2(1MHz)=16.8*10-3であり、 B1/B2=0.32であった。
【0056】次に、重量平均分子量70000、ガラス
転移点温度59℃のメチルメタクリレート−スチレン共
重合体(45:55)をトルエン溶剤に希釈し、得られ
たアクリル系樹脂溶液に銅−亜鉛−フェライトキャリア
芯材を浸漬せしめ、170℃で加熱攪拌し、溶剤のトル
エンを除去して、コート量(コア材100重量部に対し
て)0.25重量部の平均粒径50μmのアクリル系樹
脂被覆キャリアを得た。キャリアの被覆に用いられたア
クリル系樹脂の誘電正接C1、C2はそれぞれ C1(1KHz)=14.5*10-3、 C2(1MHz)=13.2*10-3であり、 C1/C2=1.10であった。
転移点温度59℃のメチルメタクリレート−スチレン共
重合体(45:55)をトルエン溶剤に希釈し、得られ
たアクリル系樹脂溶液に銅−亜鉛−フェライトキャリア
芯材を浸漬せしめ、170℃で加熱攪拌し、溶剤のトル
エンを除去して、コート量(コア材100重量部に対し
て)0.25重量部の平均粒径50μmのアクリル系樹
脂被覆キャリアを得た。キャリアの被覆に用いられたア
クリル系樹脂の誘電正接C1、C2はそれぞれ C1(1KHz)=14.5*10-3、 C2(1MHz)=13.2*10-3であり、 C1/C2=1.10であった。
【0057】得られた非磁性着色樹脂粒子100部に外
添剤として製造例1で得た樹脂微粒子0.5部を混合し
てシアントナーとした。更にシアントナー5部と、前述
のアクリル系樹脂被覆キャリア95部とを混合し、カラ
ー現像剤とした。ここで非磁性着色樹脂粒子、樹脂微粒
子及びアクリル系樹脂被覆キャリアの関係は以下のとう
りであった。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=4.12
添剤として製造例1で得た樹脂微粒子0.5部を混合し
てシアントナーとした。更にシアントナー5部と、前述
のアクリル系樹脂被覆キャリア95部とを混合し、カラ
ー現像剤とした。ここで非磁性着色樹脂粒子、樹脂微粒
子及びアクリル系樹脂被覆キャリアの関係は以下のとう
りであった。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=4.12
【0058】このカラー現像剤を用いて市販の普通紙複
写機にて、23℃/50%RHで1万枚画だししたとこ
ろ、現像/転写効率の平均86%と高く、画像濃度1.
59、かぶりのない良好な画像が得られ、トナー消費量
も1000枚当たり平均39gと少なかった。また、高
温高湿下(30℃/85%RH)で前述と同様の画だし
を行ったところ、現像/転写効率の平均84%と高く、
画像濃度1.60、かぶりのない良好な画像が得られ、
トナー消費量も1000枚当たり平均42gと少量であ
った。更に低温低湿下(10℃/20%RH)で前述と
同様の画だしを行ったところ、現像/転写効率の平均8
4%と高く、画像濃度1.57、安定した良好な画像が
得られ、トナー消費量も1000枚当たり平均40gと
少量であった。なお、現像/転写効率とは、((トナー
消費量−回収トナー量)/トナー消費量)×100%で
あり、画像形成に有効に消費されたトナーの割合を示す
ものであり、トナー消費量が少なく、現像/転写効率が
大きく、画像濃度の大きな現像剤は、寿命が長く望まし
いものである。
写機にて、23℃/50%RHで1万枚画だししたとこ
ろ、現像/転写効率の平均86%と高く、画像濃度1.
59、かぶりのない良好な画像が得られ、トナー消費量
も1000枚当たり平均39gと少なかった。また、高
温高湿下(30℃/85%RH)で前述と同様の画だし
を行ったところ、現像/転写効率の平均84%と高く、
画像濃度1.60、かぶりのない良好な画像が得られ、
トナー消費量も1000枚当たり平均42gと少量であ
った。更に低温低湿下(10℃/20%RH)で前述と
同様の画だしを行ったところ、現像/転写効率の平均8
4%と高く、画像濃度1.57、安定した良好な画像が
得られ、トナー消費量も1000枚当たり平均40gと
少量であった。なお、現像/転写効率とは、((トナー
消費量−回収トナー量)/トナー消費量)×100%で
あり、画像形成に有効に消費されたトナーの割合を示す
ものであり、トナー消費量が少なく、現像/転写効率が
大きく、画像濃度の大きな現像剤は、寿命が長く望まし
いものである。
【0059】
【実施例2】製造例1で得た樹脂微粒子0.5部の代わ
りに製造例2で得た樹脂微粒子を0.8部使用する以外
は実施例1と同様にしてカラー現像剤とした。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=2.12で
あった。該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.55であ
り、各環境共に現像/転写効率も82〜85%と安定
し、良好な画像が得られた。
りに製造例2で得た樹脂微粒子を0.8部使用する以外
は実施例1と同様にしてカラー現像剤とした。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=2.12で
あった。該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.55であ
り、各環境共に現像/転写効率も82〜85%と安定
し、良好な画像が得られた。
【0060】
【実施例3】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例3で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラー現像剤とした。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=1.84で
あった。該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.52であ
り、各環境共に現像/転写効率も80〜84%と安定
し、良好な画像が得られた。
例3で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラー現像剤とした。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=1.84で
あった。該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.52であ
り、各環境共に現像/転写効率も80〜84%と安定
し、良好な画像が得られた。
【0061】
【実施例4】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例4で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラー現像剤とした。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=5.31で
あった。該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.59であ
り、各環境共に現像/転写効率も80〜84%と安定
し、良好な画像が得られた。
例4で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラー現像剤とした。 (A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )=5.31で
あった。該カラー現像剤を用いて実施例1と同様に画だ
しを行ったところ、低温低湿下で画像濃度1.59であ
り、各環境共に現像/転写効率も80〜84%と安定
し、良好な画像が得られた。
【0062】
【実施例5】外添剤として、実施例1で使用した樹脂微
粒子0.5部、流動化剤としてシリカ微粉末R972
(日本アエロジル(株)製)0.2部を使用する以外は
実施例1と同様に画だしを行ったところ、低温低湿下で
画像濃度1.47であり、各環境共に現像/転写効率は
80%以上と安定し、良好な画像が得られた。
粒子0.5部、流動化剤としてシリカ微粉末R972
(日本アエロジル(株)製)0.2部を使用する以外は
実施例1と同様に画だしを行ったところ、低温低湿下で
画像濃度1.47であり、各環境共に現像/転写効率は
80%以上と安定し、良好な画像が得られた。
【0063】
【比較例1】樹脂微粒子を使用しない以外は実施例1と
同様の画だしを行ったところ、各環境共に現像/転写効
率が安定せず、特に高温高湿で65%と著しく低く、低
温低湿では画像濃度も1.26と低く、かぶりが発生し
た。
同様の画だしを行ったところ、各環境共に現像/転写効
率が安定せず、特に高温高湿で65%と著しく低く、低
温低湿では画像濃度も1.26と低く、かぶりが発生し
た。
【0064】
【比較例2】製造例1で得た樹脂微粒子の代わりに製造
例5で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラー現像剤を得た。該カラー現像剤を用いて実
施例1と同様に画だしを行ったところ、高温高湿下でト
ナー飛散が発生し、現像/転写効率が著しく低かった。
また、トナー消費量は1000枚当たり58gと増大し
た。
例5で得た樹脂微粒子を使用する以外は実施例1と同様
にしてカラー現像剤を得た。該カラー現像剤を用いて実
施例1と同様に画だしを行ったところ、高温高湿下でト
ナー飛散が発生し、現像/転写効率が著しく低かった。
また、トナー消費量は1000枚当たり58gと増大し
た。
【0065】
【比較例3】製造例6で得た樹脂微粒子を使用する以外
は実施例1と同様にしてカラー現像剤を得た。該カラー
現像剤を用いて実施例1と同様に画だしを行ったとこ
ろ、低温低湿下で著しいカブリが発生した。
は実施例1と同様にしてカラー現像剤を得た。該カラー
現像剤を用いて実施例1と同様に画だしを行ったとこ
ろ、低温低湿下で著しいカブリが発生した。
【0066】
【比較例4】実施例5において外添剤に樹脂微粒子を使
用しないで流動化剤のみを使用する以外は実施例5と同
様に行ったところ、低温低湿下で画像濃度が1.23と
著しく低下し、またキャリア飛びによる画像欠陥が確認
された。
用しないで流動化剤のみを使用する以外は実施例5と同
様に行ったところ、低温低湿下で画像濃度が1.23と
著しく低下し、またキャリア飛びによる画像欠陥が確認
された。
【0067】
【比較例5】キャリアの被覆用のアクリル系樹脂樹脂と
して、 C1(1KHz)=3.30*10-3、 C2(1MHz)=6.60*10-3 C1/C2=0.50 であるn−ブチルアクリレート−スチレン共重合体(2
0:80)を用いた以外は、実施例1と同様にしてカラ
ー現像剤を得、同様に評価したところ、低温低湿下でチ
ャージアップが起こり、帯電量が上昇して画像濃度が
1.52から1.32と低下し、各環境共に良好な画像
が得られなかった。
して、 C1(1KHz)=3.30*10-3、 C2(1MHz)=6.60*10-3 C1/C2=0.50 であるn−ブチルアクリレート−スチレン共重合体(2
0:80)を用いた以外は、実施例1と同様にしてカラ
ー現像剤を得、同様に評価したところ、低温低湿下でチ
ャージアップが起こり、帯電量が上昇して画像濃度が
1.52から1.32と低下し、各環境共に良好な画像
が得られなかった。
【0068】
【発明の効果】本発明の現像剤により得られる効果は以
下の通りである。 1.各環境下の現像/転写効率がの向上できるようにな
り、トナー消費量の適正化が可能となる。多数枚数の複
写を実施しても、上記樹脂微粒子、非磁性着色樹脂粒子
及びキャリア被覆樹脂が好適な範囲の誘電正接比を有
し、かつ特定の関係を満たす場合、現像/転写効率の向
上がなされ、それによってより少ないトナー消費量で良
好な現像が行われ、種々の環境下でも安定した画像が得
られる。 2.各環境下での画像濃度低下、かぶりの増大を防止で
きる画像濃度が低下しやすい低温低湿下で画像濃度を向
上し、カブリの増大を防ぐことができる。
下の通りである。 1.各環境下の現像/転写効率がの向上できるようにな
り、トナー消費量の適正化が可能となる。多数枚数の複
写を実施しても、上記樹脂微粒子、非磁性着色樹脂粒子
及びキャリア被覆樹脂が好適な範囲の誘電正接比を有
し、かつ特定の関係を満たす場合、現像/転写効率の向
上がなされ、それによってより少ないトナー消費量で良
好な現像が行われ、種々の環境下でも安定した画像が得
られる。 2.各環境下での画像濃度低下、かぶりの増大を防止で
きる画像濃度が低下しやすい低温低湿下で画像濃度を向
上し、カブリの増大を防ぐことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエステル結着樹脂と着色剤とを含有
する非磁性着色樹脂粒子と少なくとも樹脂微粒子とを有
するカラートナー、及びアクリル系樹脂被覆キャリアを
有するカラー現像剤において、 該樹脂微粒子が粒径0.05〜2μmであり、樹脂微粒
子の周波数1KHzにおける誘電正接の値をA1、周波
数1MHzにおける誘電正接の値をA2、非磁性着色樹
脂粒子の周波数1KHzにおける誘電正接の値をB1、
周波数1MHzにおける誘電正接の値をB2、アクリル
系樹脂の周波数1KHzにおける誘電正接の値をC1、
周波数1MHzにおける誘電正接の値をC2とする時、
誘電正接の比が各々以下の範囲にあり、 1.60≦A1/A2≦3.00、A1/A2=A1/2 0.10≦B1/B2≦0.50、B1/B2=B1/2 0.60≦C1/C2≦1.50、C1/C2=C1/2
かつ、 0.20≦(A1/2 /B1/2 )−(C1/2 /B1/2 )≦
24なる関係を満たすことを特徴とするカラー現像剤。 - 【請求項2】 樹脂微粒子が多段重合で得られ、被覆層
とその内側になる層との複数の層を有し、被覆層が親水
性基を有することを特徴とする請求項1記載のカラー現
像剤。 - 【請求項3】 樹脂微粒子の被覆層の親水性基が、カル
ボン酸またはカルボン酸塩であることを特徴とする請求
項1又は2記載のカラー現像剤。 - 【請求項4】 非磁性着色樹脂粒子100重量部に対し
て、樹脂微粒子を0.01〜10重量部混合することを
特徴とする請求項1ないし3いずれか記載のカラー現像
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015297A JPH10221887A (ja) | 1997-02-03 | 1997-02-03 | カラー現像剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015297A JPH10221887A (ja) | 1997-02-03 | 1997-02-03 | カラー現像剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10221887A true JPH10221887A (ja) | 1998-08-21 |
Family
ID=12019192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015297A Pending JPH10221887A (ja) | 1997-02-03 | 1997-02-03 | カラー現像剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10221887A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004198658A (ja) * | 2002-12-17 | 2004-07-15 | Ricoh Co Ltd | 静電荷像現像用トナー、現像剤及び定着方法 |
US7541128B2 (en) | 2002-09-26 | 2009-06-02 | Ricoh Company Limited | Toner, developer including the toner, and method for fixing toner image |
-
1997
- 1997-02-03 JP JP2015297A patent/JPH10221887A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7541128B2 (en) | 2002-09-26 | 2009-06-02 | Ricoh Company Limited | Toner, developer including the toner, and method for fixing toner image |
JP2004198658A (ja) * | 2002-12-17 | 2004-07-15 | Ricoh Co Ltd | 静電荷像現像用トナー、現像剤及び定着方法 |
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