JPH10268406A - カメラ，プリント方法及びプリントシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細な文字をプリントする。 【解決手段】 文字を含んだ撮影シーンを撮影する際
に、このコマに対応させて文字撮影情報を写真フイルム
１００の磁気記録エリア１８ａに記録する。写真プリン
トに際して文字撮影情報を読み取る。文字撮影情報が記
録されたコマに対しては、撮像部で画像を読み取る。画
像処理部により画像データに対し輪郭強調，２値化，モ
ノクロ化の少なくとも１つの高精細化処理を行う。そし
て、この高精細化処理した画像データに基づき文字画像
を記録する。文字撮影情報として、文字記録指定コマが
記録されている場合には、この文字記録指定コマ画像１
１０に対し文字画像１１１が重複露光され、文字が焼込
まれたプリント写真１１２が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ，プリント
方法及びプリントシステムに関し、特に文字画像を記録
したプリントが得られるようにしたカメラ，プリント方
法及びプリントシステムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のカメラ及び写真プリンタからなる
写真システムでは、風景，人物等の自然画像を撮像対象
としている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、従来の写
真システムでは文書の収録は不向きであった。すなわ
ち、従来のカメラで文字画像を有するシーンを撮影する
と、通常の自然画像を対象とするプリント写真として作
成されてしまう。しかも、自然画像を対象にした焼付露
光量の補正が行われるものの、文字画像を高精細に記録
する補正は行われていない。また、通常のプリント写真
として仕上げられるため、これに書き込みを加えること
などは困難であった。

【０００４】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、高精細な文字画像が記録されたプリントが得られ
るようにしたカメラ，プリント方法及びプリントシステ
ムを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載のカメラは、撮影シーンを撮影する通
常撮影モードと、文字を含んだ撮影シーンを撮影する文
字撮影モードとを備え、文字撮影モードでは、文字撮影
モードを示す文字撮影情報を記録するようにしたもので
ある。

【０００６】請求項２記載のプリント方法において、記
録媒体から前記文字撮影情報を読み取り、文字撮影情報
が記録されているコマを判別し、該コマに対して文字を
高精細化する高精細化プリント画像処理を行うようにし
たものである。前記高精細化プリント画像処理は、前記
文字を含んだ撮影シーンが記録されたコマを読み取って
画像データに変換し、この画像データに輪郭強調、２値
化、モノクロ化の少なくとも１つの処理を行うことが好
ましい。また、文字撮影情報は文字の記録対象媒体を指
定する情報を含むことが好ましい。更に、文字撮影情報
は、この文字を含んだ撮影シーンの文字情報を記録する
対象となる撮影シーンを指定する文字記録指定コマ情報
を有し、文字記録指定コマに対して文字を記録すること
が好ましい。文字撮影情報は、文字記録位置を指定する
文字記録位置情報を有し、文字記録対象コマに対して指
定された位置に文字を記録することが好ましい。文字記
録位置情報は、文字記録対象コマ内の位置を示すコマ内
位置情報と、文字記録対象コマ外の位置を示すコマ外位
置情報とを有することが好ましい。

【０００７】請求項８記載のプリントシステムは、前記
文字撮影情報を読み取る文字撮影情報読み取り手段と、
文字撮影情報が記録されていない撮影シーンコマに対し
ては通常のプリント処理を行う写真プリント部と、文字
撮影情報が記録されている撮影シーンコマに対しては文
字を高精細化してプリントする文字プリント部とを有す
るものである。なお、文字撮影情報は文字を合成する対
象である撮影シーンコマを指定する文字記録コマ情報を
有し、文字記録対象コマに対して前記文字を重複露光す
ることが好ましい。また、文字撮影情報は、文字記録位
置を指定する文字記録位置情報を有し、文字記録対象コ
マに対して指定された位置に文字を記録することが好ま
しい。

【０００８】

【作用】撮影に際しては、通常撮影モードと文字撮影モ
ードとが選択される。通常撮影モードでは、撮影シーン
が１コマに撮影される。文字撮影モードでは、文字を含
んだ撮影シーンが撮影されるとともに、この撮影シーン
コマに対応させて文字撮影モードを示す文字撮影情報が
記録される。例えば、写真フイルムを用いる銀塩式カメ
ラでは、写真フイルムに通常撮影シーンコマと文字を含
んだ撮影シーンコマとが選択的に記録される。また、文
字撮影情報は、写真フイルムの透明磁気記録層に磁気記
録される。更に、文字撮影情報は写真フイルムに光学的
に記録してもよく、更にはＩＣカード等に電子的に記録
してもよい。また、ＣＣＤ（電荷結合素子）を用いて撮
像する電子カメラでは、各シーンのコマの画像データ及
び文字撮影情報がＩＣメモリカードなどの記録媒体に記
録される。

【０００９】プリントに際しては、通常撮影コマの場合
には、例えば記録媒体として写真フイルムを用いたとき
には写真プリンタを介してカラーペーパーに通常撮影コ
マが焼付露光される。また、記録媒体としてＩＣメモリ
カード等を用いたときには、デジタルプリンタを介して
通常撮影コマがプリントされる。

【００１０】文字撮影コマの場合で、写真フイルムを用
いて撮影された場合には、スキャナーにより文字画像デ
ータが読み取られる。そして、この文字画像データに対
しては、輪郭強調、２値化、モノクロ化の処理が行われ
る。これにより文字画像を高精細化することができる。
この高精細化された画像データはデジタルプリンタによ
り記録材料に記録される。デジタルプリンタは、感光材
料を用いる写真プリント方式の他に、インクジェット方
式やレーザープリント方式を用いることができる。文字
撮影情報として記録対象媒体指定情報を含むことによ
り、例えば普通紙を指定することで、インクジェット方
式やレーザープリント方式により普通紙に文字を記録す
ることができる。この場合には最も一般的な記録紙に文
字像が記録されるので、手書きによる書き込み等が簡単
に行えるようになる。

【００１１】文字撮影情報として文字記録指定コマ情報
が記録されている場合には、この文字記録指定コマ情報
で指定された撮影シーンコマのプリントに際して、文字
撮影コマの文字画像が記録される。この文字記録は、通
常撮影シーンコマの画面内の他に、画面外の余白や裏面
が指定され、この指定された位置に文字画像が記録され
る。画面内や画像周りの余白への記録の際には画像合成
により記録される。また、裏面への記録の際には印字器
により記録される。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１に文字撮影情報を写真フイル
ムの透明磁気記録層に磁気記録するカメラを示す。撮影
レンズ１０は、光学系とこれを保持するレンズ鏡胴とか
ら構成されており、マニュアル又はオートフォーカス機
構によって焦点調節が行われる。撮影レンズ１０の背後
には、プログラム制御を行うシャッタ機構１２が配置さ
れている。このシャッタ機構１２は、例えば２枚のシャ
ッタ羽根１３，１４から構成されている。駆動部１５に
より可動ピン１６を固定ピン１７に向かって移動させる
と、シャッタ羽根１３，１４が開いて、これを通った光
が写真フイルム１８に入射して、これに被写体を写し込
む。

【００１３】撮影レンズ１０，シャッタ機構１２，及び
図示しない絞り機構等はシステムコントローラ２０によ
りシーケンス制御される。システムコントローラ２０は
周知のマイクロコンピュータから構成されており、レリ
ーズスイッチ２１の操作により撮影やフイルム巻き上げ
を行う他に、各種撮影情報を写真フイルム１８の透明磁
気記録層に記録する。図２にシステムコントローラ２０
における処理手順のフローチャートを示す。透明磁気記
録層は写真フイルム１８の裏面に形成されているが、こ
れは表面に形成したものであってもよい。写真フイルム
１８にはパーフォレーション２３が形成されており、こ
れを基準にして撮影時に各コマが位置決めされ記録され
る。

【００１４】コード変換部２２には、撮影データ発生部
２５，オートデート部２６が接続されており、これらに
より各種撮影情報が入力される。撮影データ発生部２５
は、図示しない各種センサやシステムコントローラ２０
から得られた信号により、光源種情報，ストロボ発光情
報，撮影レンズの焦点距離情報，被写体輝度情報，文字
撮影情報を発生する。オートデート部２６は、図示しな
いデート焼込み機構に撮影日時等のデータを送る他に、
コード変換部２２に撮影日時情報を送る。

【００１５】また、コード変換部２２には、システムコ
ントローラ２０から撮影コマ数が送られる。コード変換
部２２は、内蔵するメモリ２２ａに記憶されている所定
のコード作成基準により各撮影コマ毎に各種撮影情報を
符号化して、これをデータ書込み部３０に送る。コード
変換に関する詳細は、例えば特開平４−１１３３４７号
公報などに記載されている。データ書込み部３０は、各
コマの撮影終了のコマ送り時に、磁気記録ヘッド３１を
駆動して各種撮影データを磁気記録エリア１８ａ（図５
参照）に磁気記録する。なお、このような各コマ毎の記
録に代えて、各コマの撮影情報をメモリ２２ａに記憶し
ておき、パトローネ本体１９に撮影済みのフイルム１８
を巻き取る際に透明磁気記録層に各コマの撮影情報を一
括して磁気記録してもよい。

【００１６】システムコントローラ２０は、通常撮影モ
ードと文字撮影モードとの少なくとも２つの撮影モード
を備えている。通常撮影モードでは、撮影シーンを通常
に撮影する。この撮影の際に、必要に応じて撮影データ
が、写真フイルムの透明磁気記録層に磁気記録される。

【００１７】文字撮影モードは、文字を含む撮影シーン
で、このシーン内の文字を高精細にプリントしたい場合
にモード指定される。この文字撮影モードでは、文字を
含む撮影シーンコマ（文字撮影コマ）に対して、文字撮
影モードで撮影されたコマであることを示す文字撮影情
報が記録される。

【００１８】文字撮影モードでは、文字撮影コマ内の文
字を高精細にプリントする高精細プリント指示の他に、
この高精細プリント指示のときに更に記録紙の種別を指
定する記録紙種別の指示と、この高精細プリント指示の
ときに通常撮影コマに対して文字を高精細に記録する合
成記録指示とが選択可能になっており、これらの指示が
選択されると、これらの選択に対応して、高精細プリン
ト指示情報，記録紙種別指示情報，合成記録指示情報が
文字撮影情報として透明磁気記録層に記録される。本実
施形態では、これらの指示の選択は撮影後に行うように
しているが、撮影前の撮影モードの指定の際に、これら
の細かい指示を入力してもよい。

【００１９】前記記録紙種別指示情報は、文字を記録す
る用紙を指示するものであり、本実施形態では、感光材
料と普通紙との２種類を指示することができる。普通紙
を指示すると、手書きによる書き込みなどが可能になる
他に、高価なカラーペーパー（印画紙）を用いる必要が
なく、プリントコストを低くすることができる。

【００２０】合成記録指示情報は、文字を合成して記録
する対象コマを指示するコマ番号指示情報と、このコマ
における文字の合成記録位置を指示する文字合成位置指
示情報から構成されている。コマ番号指示情報は、文字
記録コマの前のコマに対して文字が合成記録されるよう
に初期設定されており、コマ番号を指示しないときには
この初期設定されたコマに対して文字画像が合成記録さ
れる。また、初期設定以外のコマを指示するときには、
コマ番号を指定する。更に、複数のコマを指定してもよ
く、この場合には指定した複数のコマに対して文字画像
が合成して記録される。

【００２１】文字合成位置指示情報としては、画面内位
置情報と、画面外位置情報と、裏面位置情報とがある。
画面内位置情報は、通常撮影コマ内の文字焼込み位置を
指定するものであり、画面中央、画面右上、画面右下、
画面左上、画面左下などが記録される。画面外位置情報
は、通常撮影コマの周囲の余白に文字を記録する際に位
置を指定するものであり、上余白、下余白、右余白、左
余白などが記録される。裏面位置情報は、プリント写真
の裏面を指定するものであり、この場合にはコマ番号や
焼付露光補正量を記録する裏印字器を用いて文字情報が
裏面に印字される。

【００２２】次に、上記カメラを用いて撮影された写真
フイルム１８を用いて、文字画像を高精細にプリントす
るプリンタプロセサについて説明する。フイルムプロセ
サで現像処理された写真フイルム３９は、図３に示すよ
うに、プリンタプロセサ４０のフイルムキャリア４１に
セットされる。フイルムキャリア４１は、撮像用開口４
２と、プリント用開口４３とを備えている。また、フイ
ルムキャリア４１はフイルム送りローラ対４４を備えて
おり、これらフイルム送りローラ対４４は、各開口４
２，４３に各コマをパーフォレーションを基準にして位
置決めする。また、これら開口４２，４３の間の写真フ
イルム３９は、ループ状に貯留される。

【００２３】撮像用開口４２のフイルム送り上流側には
磁気再生ヘッド４５が配置されている。この磁気再生ヘ
ッド４５は、写真フイルム３９の透明磁気記録層に記録
された撮影情報を読み取る。この読み取った撮影情報は
デコーダ４６を介してコントローラ４７に送られる。コ
ントローラ４７は、撮影情報の内、文字記録情報に基づ
き文字のプリント形態を分類し、この分類結果に応じて
文字のプリントを行う。また、コントローラ４７は、各
部をシーケンス制御する。

【００２４】プリント用開口４３のフイルム送り下流側
には磁気記録ヘッド４８が配置されている。この磁気記
録ヘッド４８は磁気記録部４９により駆動され、写真フ
イルム３９の透明磁気記録層に、プリント情報を磁気記
録する。プリント情報としては、ラボＩＤ番号，焼付露
光量補正情報，フイルム現像年月日などがある。

【００２５】フイルムキャリア４１の各開口４２，４３
の下方には、光源部５１，５２が配置されている。焼付
用の光源部５１は、白色光源５３と光質調節部５４と拡
散箱５５とから構成されている。光質調節部５４は、マ
ゼンタ，シアン，イエローのフイルタ５６，５７，５８
を焼付光路５９に挿入することで、焼付光の光質及び光
強度を調節する。拡散箱５５は光質調節された焼付光を
均一に拡散してプリント用開口４３にセットされた写真
フイルム３９のプリント対象コマを照明する。撮像用の
光源部５２は、白色光源６０と拡散箱６１とから構成さ
れており、写真フイルム３９の撮像対象コマを照明す
る。

【００２６】焼付用光源部５１で照明されたプリント対
象コマの透過光はシャッタ駆動部６５ａによりシャッタ
６５が開いている間、焼付レンズ６６及びミラー６７を
介して、写真プリントステージ６８のカラーペーパー６
９に結像される。カラーペーパー６９はペーパー送りロ
ーラ対７０，７１，７２により、マガジン７３から引き
出されて文字プリントステージ７４及び写真プリントス
テージ６８に送られる。

【００２７】撮像用光源部５２で照明された撮像対象コ
マは撮像部７５で撮像されるとともに、スキャナ７６で
コマの各点が三色分解測光される。撮像部７５からの撮
像データは画像メモリ７７に記憶される。特性値演算部
７８はこの測光値に基づき各色毎にＬＡＴＤ，最大値，
最小値等の特性値を算出する。焼付露光量演算部７９
は、各種特性値に基づき周知の演算式を用いて焼付露光
量を演算する。コントローラ４７は、この焼付露光量に
基づき各色フイルタ５６〜５８の焼付光路５９内へのセ
ット位置を算出する。光質調節部５４は、このフイルタ
セット位置に各色フイルタ５６〜５８をセットして焼付
光の光質を調節する。

【００２８】文字撮影コマは文字撮影情報により指定さ
れる。この文字撮影コマの場合には、その画像データが
画像処理部８０に送られる。画像処理部８０は、文字画
像データに対して高精細化処理を行う。高精細化処理と
しては、輪郭強調、２値化、モノクロ化などがあり、こ
れらが選択的に用いられる他に、組み合わせて用いられ
る。これにより、文字画像が強調されるため、くっきり
とした高精細な文字画像データが得られる。この文字画
像データは、画像バッファ８１に文字撮影情報とともに
記憶される。また、必要に応じて背景を消去して文字画
像データのみを抽出してもよい。例えば、パターンマッ
チング処理等により文字エリアのみを抽出し、それ以外
の背景を消去すると、例えば看板や案内板のようなもの
に書かれた文字画像のみを抽出することができる。

【００２９】文字プリントステージ７４には文字プリン
ト部８３が配置されており、カラーペーパー６９に対し
て文字画像を焼付露光する。文字プリント部８３は、光
源部８４と液晶表示パネル８５と焼付レンズ８６と液晶
ドライバ８７とから構成されている。光源部８４は、赤
色，緑色，青色の発光ダイオード８４ａ，８４ｂ，８４
ｃを備えており、ミラー８４ｄを介して液晶表示パネル
８５を照明する。液晶表示パネル８５は液晶ドライバ８
７により駆動され、画像バッファ８１に記憶された文字
画像データに基づき文字画像（ネガ像）を表示する。し
たがって、液晶表示パネル８５からの透過光が焼付レン
ズ８６を介してカラーペーパー６９に焼付露光される。
なお、文字記録指定コマ情報が記録されており、通常撮
影コマに対して文字を焼き込む場合には、この文字画像
が焼付露光されたカラーペーパー６９が写真プリントス
テージ６８に送られ、ここで通常撮影コマが重複露光さ
れることで、画像合成される。

【００３０】また、プリンタプロセサ４０にはインクジ
ェットプリンタ９０が内蔵されている。普通紙記録指示
があった場合にはこのインクジェットプリンタ９０が選
択され、画像バッファ８１からの文字画像データに基づ
き普通紙に対して文字画像（ポジ像）がプリントされ
る。

【００３１】また、プリンタプロセサ４０には裏印字器
９２が設けられている。この裏印字器９２は、コマ番号
や露光補正情報をプリント写真の裏面に印字する。この
他に、裏面に文字を記録する裏印字記録指示が文字撮影
情報として記録されている場合には、この裏印字器９２
を用いて文字画像がカラーペーパー６９の裏面に記録さ
れる。

【００３２】焼付露光済みのカラーペーパー６９はペー
パープロセサ９３に送られ、ここで現像処理された後
に、各コマ毎に切り離されて、プリント写真９４として
トレー９５に排出される。なお、符号９６，９７はペー
パーリザーバーであり、カラーペーパー６９を所定量ル
ープ状に貯留する。また、符号９８はカッタであり、プ
リント処理を中断する場合に駆動され、焼付露光済みの
カラーペーパー６９のみを未露光のカラーペーパー６９
から切り離してペーパープロセサ９３に送るためのもの
である。

【００３３】次に、本実施形態の作用について説明す
る。図１に示すように、撮影の際にはレリーズスイッチ
２１を押すことにより撮影が行われる。そして、写真フ
イルム１８のコマ送りの際に、透明磁気記録層に撮影情
報が磁気記録される。また、文字撮影モードを指定した
後に撮影を行うことで、文字撮影コマに対して、文字撮
影情報が記録される。また、文字撮影コマに対して、単
なる高精細プリント指示の他に、記録紙種別指示や合成
記録指示などの細かい指示を行いたい場合には、撮影後
にこれらの指示情報が入力される。撮影済みの写真フイ
ルム１８は現像所に提出され現像処理される。

【００３４】現像処理済みの写真フイルム３９はフイル
ムキャリア４１にセットされ、先ず磁気再生ヘッド４５
により透明磁気記録層から撮影情報が読み取られる。そ
して、文字撮影コマの場合には、撮像部７５により文字
撮影コマが撮像される。この撮像データは画像メモリ７
７に記憶された後に、画像処理部８０で文字を鮮明にす
る高精細化処理が行われる。更に、文字撮影情報とし
て、文字焼込み指示と焼込み位置とが記録されている場
合には、焼込み位置に対して文字が焼き込まれる。そし
て、この文字焼込みコマは、次の写真プリントステージ
６８において、指定された通常撮影コマが焼付露光され
ることで、文字画像と通常撮影コマの画像とが重複露光
されて画像合成され、図５（Ｂ）に示すようなプリント
写真１１０が得られる。

【００３５】また、文字撮影情報として、普通紙記録指
示が記録されている場合には、内蔵のインクジエットプ
リンタ９０により普通紙に文字画像が記録され、図５
（Ｄ）に示すように、普通紙プリント９１が作成され
る。また、文字撮影情報として、高精細プリント指示と
感光紙記録指示が記録されている場合には、文字プリン
ト部８３により文字画像がカラーペーパー６９に焼付露
光される。更には、文字を含むシーンを撮影したもので
あっても文字撮影情報が記録されていないコマに対して
は、写真プリントステージ６８で文字画像が焼付露光さ
れる。

【００３６】図４は文字撮影情報に基づく各種プリント
の選択処理を示すフローチャートである。プリント形態
は、通常プリント，文字焼込みプリント，文字裏印字プ
リント，普通紙文字プリント、感光紙文字プリントの５
種類に分類される。このプリント形態指示情報に基づき
対応するプリント処理が行われる。

【００３７】図５（Ａ）は、写真フイルム１００の一例
を示している。コマ番号１，３のコマ１０１，１０３は
通常撮影コマであり、コマ番号２，４のコマ１０２，１
０４は文字撮影コマである。このコマ番号２の文字撮影
コマ１０２に対応する透明磁気記録エリア１８ａには、
文字撮影コマを示す情報の他に、高精細プリント指示情
報、文字合成指示情報が記録されている。この文字合成
指示情報は、文字記録指定コマ情報「１」と、文字記録
位置指定情報「コマ内左上」とから構成されている。し
たがって、図５（Ｂ）に示すように、１コマ目（コマ番
号１）の文字記録指定コマ画像１１０内でその左上に、
２コマ目（コマ番号２）の文字画像１１１が画像合成さ
れたプリント写真１１２が得られる。また、コマ番号３
のコマ１０３は通常撮影コマであり、図５（Ｃ）に示す
ような通常のプリント写真１１３が得られる。また、コ
マ番号４の文字撮影コマ１０４に対応する透明磁気記録
エリア１８ａには、文字撮影コマ情報と高精細プリント
指示情報と普通紙記録指示情報とが記録されておる。こ
の場合には、図３に示すインクジェットプリンタ９０に
より図５（Ｄ）に示すような普通紙プリント９１が得ら
れる。また、図示は省略したが、感光紙文字プリントを
示す文字撮影情報が記録されている場合には、文字プリ
ント部８３を用いて、カラーペーパー６９に文字画像が
焼付露光される。

【００３８】なお、焼込み位置データが裏面と指示され
た文字撮影情報の場合には、この文字プリント部８３に
よる文字焼込みは行われず、裏印字器９２により焼込み
指定コマに対応する裏面に文字データが記録される。こ
の場合の記録文字は文字画像そのままの記録文字となる
が、後に説明するように、文字認識ソフトにより文字画
像を文書データに変換し、この変換した文書データに基
づき所定の印字フォントを用いて裏印字器９２により所
定のフォーマットで記録してもよい。

【００３９】また、上記実施形態では、液晶表示パネル
８５を用いて文字画像を焼付露光したが、この他にカラ
ーＣＲＴを用いて焼付露光してもよい。更には、レーザ
ー光でカラーペーパーの幅方向に走査しながらこれに同
期させてカラーペーパーを送ることで、文字画像を焼付
露光してもよい。また、ライン型液晶表示体を用いて走
査露光してもよい。なお、液晶表示パネル８５として、
インデックスプリント用のものを用いることで、新たに
文字プリントステージを増加する必要がなく、構成を簡
単にすることができる。

【００４０】上記実施形態では、焼付露光方式の他にイ
ンクジェット方式を用いたが、この他に、熱溶融又は昇
華型のインクリボンを用いたカラーサーマルプリント方
式や、シアン，マゼンタ，イエローの各感熱記録層を有
するカラー感熱記録材料を用いたカラー感熱プリント方
式等により、文字画像をビデオプリントしてもよい。

【００４１】また、上記実施形態では銀塩式カメラを用
いたが、この他に、ＣＣＤ（電荷結合素子）などの撮像
素子による電子スチールカメラを用いて文字を含んだ撮
影シーンコマに対して文字撮影情報を記録してもよい。
この場合には、デジタルプリンタを用いて、通常撮影コ
マと文字撮影コマとをプリントする。

【００４２】また、上記実施形態では、文字画像に対し
て輪郭強調、２値化、モノクロ化などの処理を施し、文
字を高精細化したが、この他に、周知の文字認識ソフト
により、記録した文字画像を文書データに変換してもよ
い。この場合には、文書編集が可能になりより一層広範
な文字プリント処理が可能になる。

【００４３】また、電子カメラの場合には、文書データ
変換は現像所で行う他に、撮影した後に撮影者自身がカ
メラ等を操作して、文字撮影コマを特定し、この文字撮
影コマの画像をパソコン等で読み取って行うようにして
もよい。更には、電子カメラの場合に、カメラ側に文書
データ変換機能を持たせるようにしてもよい。

【００４４】また、写真フイルムカメラにＣＣＤなどの
撮像素子を設け、景色や人物等を撮影する通常撮影の場
合には写真フイルムに記録し、文字撮影の場合にはＣＣ
Ｄを用いて文字画像を記録してもよい。また、画像合成
をカメラ側で行うようにしてもよい。

【００４５】上記実施形態では、各コマを撮像位置及び
プリント位置に順次コマ送りして、撮像とプリントとを
順次行うようにしたが、この他に、写真フイルムをフイ
ルムキャリアで往復動させ、往路で文字撮影情報と画像
とを読み取り、復路でプリントを行うようにしてもよ
い。また、往復動の代わりに、第１のフイルム送りで文
字撮影情報と画像との読み取りを行い、第２のフイルム
送りでプリントを行うようにしてもよい。

【００４６】上記実施形態では、文字記録指定コマとし
て通常撮影コマを指定したが、この他に他の文字撮影コ
マを指定してもよい。この場合は、複数の文字画像を合
成して記録することができる。更には、複数の文字撮影
コマを用いて１つの文字画像を記録してもよく、これに
よれば、文字画像をより一層高精細に記録することがで
きる。この場合には、複数コマの連続部分をパターンマ
ッチング処理により決定して、これら複数コマに分割さ
れた文字画像を合成する。

【００４７】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、撮影シー
ンを撮影する通常撮影モードと、文字を含んだ撮影シー
ンを撮影する文字撮影モードとを備え、文字撮影モード
では、文字撮影モードを示す文字撮影情報を記録したか
ら、通常撮影コマと文字撮影コマとを確実に識別するこ
とができる。しかも、カメラを用いて文字画像を撮影す
るため、立体物に記録された文字であってもこれを複写
することができる。

【００４８】請求項２記載の発明によれば、前記文字撮
影情報を読み取り、文字撮影情報が記録されているコマ
を判別し、該コマに対して文字を高精細化する高精細化
プリント画像処理を行うから、文字撮影コマの文字を明
瞭にプリントすることができる。

【００４９】請求項３記載の発明によれば、高精細化プ
リント画像処理は、文字を含んだ撮影シーンが記録され
たコマを読み取って画像データに変換し、この画像デー
タに輪郭強調、２値化、モノクロ化の少なくとも１つの
処理を行うから、文字画像を鮮明にプリント処理するこ
とができる。

【００５０】また、文字撮影情報は文字の記録対象媒体
を指定する情報を含むことにより、記録対象媒体として
感光材料の他に普通紙を指定することができる。したが
って、手書きにより文字を書き込むことが容易に可能に
なる他に、プリントコストを下げることができる。

【００５１】文字撮影情報は、この文字を含んだ撮影シ
ーンの文字情報を記録する対象となる撮影シーンを特定
する文字記録指定コマ情報を有し、この文字記録指定コ
マに対して文字を記録するから、文字入りのプリント写
真を簡単に作成することができる。しかも、焼き込む文
字を撮影により取り込むので、看板や案内板、本、雑誌
等の文字を容易に通常撮影コマに焼き込むことができ
る。

【００５２】文字撮影情報は、文字記録位置を特定する
文字記録位置情報を有し、この文字記録指定コマに対し
て指定された位置に文字を記録したから、文字記録位置
を指定することができる。これにより、例えば通常撮影
コマ内の左上のように文字焼込み位置を特定することが
できる。また、撮影コマ外の左上のように指定すること
もでき、この場合には通常撮影コマの余白部に文字を焼
き込むことができる。更には、裏面を指定することで、
裏印字器を用いて文字画像を記録することもできる。

【００５３】請求項８記載の発明は、文字撮影情報読み
取り手段と、文字撮影情報が記録されていない撮影シー
ンコマに対しては通常のプリント処理を行うプリント部
と、文字撮影情報が記録されている撮影シーンコマに対
しては文字を高精細化してプリントする文字プリント部
とを有するから、通常撮影コマのプリントの他に、文字
を含む撮影シーンであって文字撮影情報が記録されたコ
マに対しては、文字が明瞭になるプリントが得られるよ
うになる。

【００５４】文字撮影情報は文字を合成する対象である
撮影シーンコマを特定する文字記録指定コマ情報を有
し、この文字記録指定コマに対して前記文字を重複露光
したから、簡単に文字入りプリントを作成することがで
きるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施したカメラを示す機能ブロック図
である。

【図２】カメラにおける処理手順を示すフローチャート
である。

【図３】本発明のプリンタプロセサを示す概略図であ
る。

【図４】プリンタプロセサにおける処理手順を示すフロ
ーチャートである。

【図５】（Ａ）は写真フイルムの一例を示す平面図であ
り、（Ｂ），（Ｃ），（Ｄ）はこの写真フイルムから得
られるプリントの一例を示す平面図である。

【符号の説明】

１８ 写真フイルム ３１ 磁気記録ヘッド ４０ プリンタプロセサ ４５ 磁気再生ヘッド ４８ 磁気記録ヘッド ７５ 撮像部 ７６ スキャナ ８０ 画像処理部 ６８ 写真プリントステージ ６９ カラーペーパー ７３ マガジン ７４ 文字プリントステージ ７５ 撮像部 ７６ スキャナ ８３ 文字プリント部 ９１ プリント ９３ ペーパープロセサ １００ 写真フイルム １１１ 文字画像 １１２，１１３ プリント写真

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影シーンを撮影する通常撮影モード
   と、文字を含んだ撮影シーンを撮影する文字撮影モード
   とを備え、 文字撮影モードでは、文字撮影モードを示す文字撮影情
   報を記録することを特徴とするカメラ。
2. 【請求項２】 請求項１記載のカメラを用いて撮影され
   た記録媒体を用いて前記記録媒体に記録された各コマを
   プリントするプリント方法において、 前記記録媒体から前記文字撮影情報を読み取り、文字撮
   影情報が記録されているコマを判別し、該コマに対して
   文字を高精細化する高精細化プリント画像処理を行うこ
   とを特徴とするプリント方法。
3. 【請求項３】 前記高精細化プリント画像処理は、前記
   文字を含んだ撮影シーンが記録されたコマを読み取って
   画像データに変換し、この画像データに輪郭強調、２値
   化、モノクロ化の少なくとも１つの処理を行うことを特
   徴とする請求項２記載のプリント方法。
4. 【請求項４】 前記文字撮影情報は、文字の記録対象媒
   体を指示する情報を含むことを特徴とする請求項２又は
   ３記載のプリント方法。
5. 【請求項５】 前記文字撮影情報は、この文字を含んだ
   撮影シーンの文字情報を記録する対象となる撮影シーン
   を指定する文字記録指定コマ情報を有し、文字記録指定
   コマに対して文字を記録することを特徴とする請求項２
   又は３記載のプリント方法。
6. 【請求項６】 前記文字撮影情報は、文字記録位置を指
   定する文字記録位置情報を有し、文字記録指定コマに対
   して指定された位置に文字を記録することを特徴とする
   請求項５記載のプリント方法。
7. 【請求項７】 前記文字記録位置情報は、文字記録指定
   コマ内の位置を示すコマ内位置情報と、文字記録対象コ
   マ外の位置を示すコマ外位置情報とを有することを特徴
   とする請求項６記載のプリント方法。
8. 【請求項８】 請求項１記載のカメラを用いて撮影され
   た記録媒体を用いて各コマをプリントするプリントシス
   テムにおいて、 前記文字撮影情報を読み取る文字撮影情報読み取り手段
   と、 文字撮影情報が記録されていない撮影シーンコマに対し
   ては通常のプリント処理を行うプリント部と、 文字撮影情報が記録されている撮影シーンコマに対して
   は文字を高精細化してプリントする文字プリント部とを
   有することを特徴とするプリントシステム。
9. 【請求項９】 前記文字撮影情報は、文字を合成する対
   象である撮影シーンコマを指定する文字記録指定コマ情
   報を有し、文字記録指定コマに対して前記文字を重複露
   光することを特徴とする請求項８記載のプリントシステ
   ム。
10. 【請求項１０】 前記文字撮影情報は、文字記録位置を
    指定する文字記録位置情報を有し、文字記録対象コマに
    対して指定された位置に文字を記録することを特徴とす
    る請求項９記載のプリントシステム。