JPH10268029A - 開口面アンテナ及びレーダ装置 - Google Patents
開口面アンテナ及びレーダ装置Info
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Abstract
渡って送信ビームの送出が可能な開口面アンテナ、及び
広い範囲に渡って物標の方位を検出可能なレーダ装置を
提供する。 【解決手段】 誘電体レンズ8を介してレーダ波を送受
信する送受信器10は、一列に配置されたアンテナ素子
12(12a〜12f)を備え、一つおきに半数ずつが
第1及び第2の共通給電線18(18a,18b)を介
して給電される。アンテナ素子12と共通給電線18を
接続する個別給電線14(14a〜14f)や共通給電
線18の長さは、各アンテナ素子12が同位相のレーダ
波を放射するように設定されている。隣接する一対のア
ンテナ素子12は、送信時には、合成された単一の送信
アンテナとみなすことができ、どの対を選択するかに応
じて送信ビームの方向が変化する。
Description
等に使用され、レーダ波の送受信により移動体の外部に
存在する物標の位置を検出するレーダ装置、及び該レー
ダ装置に使用される開口面アンテナに関する。
モノパルス方式のレーダ装置が知られている。このモノ
パルス方式のレーダ装置では、当該レーダ装置から送信
され物標にて反射されたレーダ波を、近接配置した一対
の受信アンテナにて受信し、両受信アンテナからの受信
信号の位相差や振幅差に基づいて物標の方位を検出する
ようにされている。なお、アンテナからの送受信ビーム
には指向性があり、しかも物標の方位検出は一対の受信
アンテナの受信ビームが重なり合う領域(方位検知可能
領域)でのみ可能となるため、このようなモノパルス方
式のレーダ装置では、非常に限られた範囲でしか物標の
方位を検出することができなかった。
場合、例えば割り込みしようとしている車両を速やかに
検出したり、曲がった道路であっても道路や道路近傍に
存在する障害物等を確実に検出できるようにするため、
方位検知可能領域の幅の拡大が望まれていた。
8−192307号にて、受信アンテナを3個以上設
け、隣接する各一対の受信アンテナによる方位検知可能
領域が、互いに異なるように受信アンテナを配置して、
これらの合成領域を当該レーダ装置としての方位検知可
能領域とすることにより、広い範囲に渡って方位検出を
可能としたレーダ装置についての提案を行っている。
は、受信アンテナの数を増やすことにより、方位検知可
能領域を任意に拡大することが可能であるが、この拡大
された方位検知可能領域の幅が送信ビームのビーム幅よ
り大きくなると、次のような問題があった。
送信ビームが到達しなければ検出を行うことができない
ので、方位検知可能領域の幅に応じて送信ビームのビー
ム幅も広げなければならない。しかし、送信ビームのビ
ーム幅を広げるとアンテナの利得が小さくなるため、ビ
ーム幅を広げる前と同等の検知距離を確保するには、送
信電力を大きくしなければならなかった。ところが、送
信電力は、電波法によって最大値が規定されているた
め、無制限には大きくすることができず、結局、検知幅
を広げると、検知距離が短くなってしまうという問題が
あった。
送信電力を増大させることなく、広い範囲に渡って送信
ビームの送出が可能な開口面アンテナ、及び広い範囲に
渡って物標の方位を検出可能なレーダ装置を提供するこ
とを目的とする。
になされた本発明の請求項1に記載の開口面アンテナに
おいては、少なくとも3個の一次放射器のうち、隣接す
るいずれか一対の一次放射器を選択して、該選択された
一対の一次放射器が同位相のレーダ波を放射するように
送信信号を供給することが可能なように構成されてい
る。
択された一対の一次放射器を、合成された単一の一次放
射器とみなすことができる。そして、この合成された一
次放射器の送信ビームは、該選択された一対の一次放射
器の両受信ビームの中間、即ち両受信ビームが互いに重
なり合う方位検知可能領域に向けて放射され、しかもそ
の送信ビームの方向は、選択する一次放射器の組合せに
応じて変化する。
射器が受信するレーダ波の受信信号を個別に取り出すこ
とが可能なように構成されているので、この各一次放射
器から個別に取り出される受信信号に基づいて、該受信
信号の位相差等からレーダ波を反射した物標の方位を検
出する処理を行うことができる。
ば、選択される一対の一次放射器に応じて送信ビームの
方向が変化し、その送信ビームは、該選択された一対の
一次放射器の受信ビームが形成する方位検知可能領域を
カバーするので、送信ビームのビーム幅を広げることな
く、即ち送信電力を増大させたり検出距離を犠牲にした
りすることなく、当該開口面アンテナの全ての方位検知
可能領域を送信ビームにてカバーすることができる。従
って、本発明の開口面アンテナを用いれば、広い範囲に
わたって物標を方位を検出できる高性能なレーダ装置を
構成することができる。
給電系は、例えば請求項2に記載のように、一次放射器
毎に設けられた個別給電線と、一端から順番に番号を割
り当てた時に奇数番目に位置する一次放射器への給電を
行う個別給電線が接続された第1の共通給電線と、同じ
く偶数番目に位置する一次放射器への給電を行う個別給
電線が接続された第2の共通給電線と、個別給電線毎に
接続され、外部からの切換信号に従って該個別給電線上
の信号の通過/不通過を切換可能なスイッチ手段とによ
り構成することができる。
第1及び第2の共通給電線毎に任意の個別給電線間でそ
の全長の差が送信信号の波長の整数(0,1,2,…)
倍となるように設定すると共に、各第1及び第2の共通
給電線における個別給電線の分岐位置間の距離を送信信
号の波長の整数(0,1,2,…)倍の長さに設定して
いる。
を介して給電される各一次放射器には確実に同位相の送
信信号が供給され、延いてはこれら一次放射器から同位
相のレーダ波が送出され、同様に第2の共通給電線を介
して給電される各一次放射器にも確実に同位相の送信信
号が供給され、これら一次放射器から同位相のレーダ波
が送出される。
れる一次放射器と第2の共通給電線を介して給電される
一次放射器とで同位相のレーダ波が送出されるように、
個別給電線と一次放射器との接続状態等に応じて、第1
及び第2の共通給電線の長さを設定すれば、隣接するど
の一対の一次放射器を選択しても、必ず同位相のレーダ
波が送出されるようにすることができるのである。
電線における個別給電線の分岐位置、及び個別給電線に
おけるスイッチ手段の接続位置を、スイッチ手段により
信号を不通過の状態にされている個別給電線が第1及び
第2の共通給電線からみてハイインピーダンスとなるよ
うに設定している。
り信号が通過できない状態に設定された個別給電線は、
第1及び第2の共通給電線に接続されていないものとみ
なすことができ、従って、第1及び第2の共通給電線の
給電端に印加された送信信号は、スイッチ手段により信
号が通過できる状態に設定された個別給電線を介して、
その個別給電線に接続された一次放射器のみに伝送さ
れ、またこの一次放射器からの受信信号は、途中で他の
個別給電線に漏れることなく第1及び第2の共通給電線
上を伝送される。
ば、給電系での損失を最小限に抑えることができる。と
ころで、第1及び第2の共通給電線には、外部から給電
が行われる給電端とは反対側の端部を受端として定在波
が発生し、個別給電線では、スイッチ手段が信号を不通
過とするように設定されている時には、スイッチ手段の
接続位置を受端とする定在波が発生する。なお、この定
在波の波長(周波数)は、一次放射器に給電される送信
信号と一致しており、しかも、この定在波が存在する伝
送路上で電流分布が零となり電圧分布が最大となる電流
定在波の節(電圧定在波の腹)では理論上インピーダン
スが無限大(ハイインピーダンス)となる。
び第2共通給電線における上記個別給電線の分岐位置
を、第1及び第2の共通給電線上に給電時に現れる送信
信号と同一波長の電流定在波の節となる位置に設定し、
個別給電線におけるスイッチ手段の接続位置を、該スイ
ッチ手段により信号が不通過にされている個別給電線上
に現れる電流定在波の節となる位置が個別給電線の分岐
位置と一致するように設定すれば、スイッチ手段により
信号不通過の状態にされている個別給電線が第1及び第
2の共通給電線からみてハイインピーダンスとなる構成
を実現することができる。
ている時には、受端及び受端から定在波の半波長毎に現
れ、受端が短絡されている時には、受端から定在波の1
/4波長の位置に最初の節が現れ、以後半波長毎に現れ
るのは周知のことである。従って、請求項4に記載のよ
うに、スイッチ手段として、信号を不通過とする場合に
個別給電線を電気的に開放状態とするように構成された
ものを用いた場合は、スイッチ手段の接続位置と個別給
電線の分岐位置との間の距離を、送信信号の半波長の整
数(0,1,2,…)倍の長さに設定すればよく、一
方、請求項5に記載のように、スイッチ手段として、信
号を不通過とする場合に個別給電線を電気的に短絡状態
とするように構成されたものを用いた場合は、スイッチ
手段の接続位置と個別給電線の分岐位置との間の距離
を、送信信号の半波長の整数(0,1,2,…)倍に1
/4波長を加えた長さに設定すればよい。
第2の共通給電線が分岐する複数の支線を有する場合に
は、該支線の分岐位置を、該支線上に現れる電流定在波
の節となる位置に設定すればよく、この場合、各支線上
の電流定在波が他の支線に漏れることがないので、損失
の小さい第1及び第2の共通給電線を構成できる。
は高周波信号であるため、給電系を構成する伝送線路
(第1及び第2の共通給電線や個別給電線)を交差させ
ると伝送線路での損失が増大し、しかも伝送線路を立体
的に配置しなければならず装置が大型化してしまう。
び第2の共通給電線を、一次放射器を挟んだ両側に配置
すれば、第1及び第2共通給電線や個別給電線を互いに
交差させることなく配線でき、装置構成を簡易のものに
できる。次に、請求項8に記載のレーダ装置では、高周
波発振器が第1及び第2の共通給電線を介して一次放射
器に供給するための高周波信号を生成し、第1及び第2
の共通給電線の夫々に設けられた信号分離回路が、高周
波発振器からの送信信号及び一次放射器からの受信信号
を、第1及び第2の共通給電線から夫々分離し、更に信
号分離回路毎に設けられたミキサが、信号分離回路にて
分離された送信信号及び受信信号を混合して、これら信
号の差の周波数成分であるビート信号を生成する。
対の一次放射器をスイッチ手段を介して第1及び第2の
共通給電線に電気的に接続するための切換信号を生成す
ると共に、ミキサが出力するビート信号に基づいて、一
次放射器が放射するレーダ波を反射した物標の方位を求
める。
用する一対の一次放射器を切換信号によって順次切り換
えることにより、方位検出を行う領域を適宜切り換えな
がら、物標の方位を求めることができるので、広い範囲
に渡って物標の位置を高精度に検出することができる。
その結果、車両に搭載した場合、割り込みしようとして
いる車両を速やかに検出したり、曲がった道路であって
も道路や道路近傍に存在する障害物等を確実に検出する
ことができ、即ち車載用のレーダ装置として好適に使用
することができる。
に説明する。なお、図1(a)は本発明が適用された実
施例の障害物検出用レーダ装置の全体構成を表すブロッ
ク図、図1(b)はその要部である送受信器の詳細な構
成を表す回路図である。
2は、レーダ波を送受信する送受信器10、及び送受信
器10から放射されるレーダ波(送信ビーム)のビーム
幅を絞って外部に送出すると共に、受信ビーム内に存在
する障害物等に反射して戻ってきたレーダ波を送受信器
10上に収束させる誘電体レンズ8を備えた電波送受信
部4と、電波送受信部4を駆動することにより該電波送
受信部4から得られる出力信号を処理して、レーダ波を
反射した障害物の位置等を検出する処理を行う信号処理
部6とを備えている。
を検出するために、電波送受信部4が自動車の前面に取
り付けられ、信号処理部6が車室内又は車室近傍の所定
位置に取り付けられている。ここで、電波送受信部4を
構成する送受信器10は、50mm×20mmの誘電体
基板上に一体に形成されており、一次放射器として一列
に配置された6個のアンテナ素子12(12a〜12
f)と、各アンテナ素子12に夫々接続された個別給電
線14(14a〜14f)と、個別給電線14毎に設け
られ、切換信号S(Sa〜Sf)に従って個別給電線1
4上での信号の通過/不通過を設定するスイッチ16
(16a〜16f)と、図中左から奇数番目に位置する
アンテナ素子12a,12c,12eに個別給電線14
a,14c,14eを介して給電を行う第1の共通給電
線18aと、図中左から偶数番目に位置するアンテナ素
子12b,12d,12fに個別給電線14b,14
d,14fを介して給電を行う第2の共通給電線18b
とを備えており、誘電体レンズ8と共に開口面アンテナ
を構成している。
体からなる所謂パッチアンテナにて構成され、個別給電
線14、第1及び第2の共通給電線18a,18bはス
トリップラインにて構成されている。また第1及び第2
の共通給電線18a,18bは、アンテナ素子12を挟
んで両側に配置されると共に、後述する高周波発振器2
4が接続される給電端STとは反対側の端部(以下、受
端とよぶ)RTが開放状態にされている。更に、第1の
共通給電線18aを介して給電されるアンテナ素子12
a,12c,12eと、第2の共通給電線18bを介し
て給電されるアンテナ素子12b,12d,12fとで
は、互いに反対側の端部に個別給電線14が接続されて
いる。
起動信号SSに従って高周波(本実施例ではミリ波帯)
の送信信号を生成し、第1及び第2の共通給電線18
a,18bに印加する高周波発振器24と、第1の共通
給電線18aに接続され高周波発振器24からの送信信
号及びアンテナ素子12a,12c,12eからの受信
信号を分離抽出する送受分離回路20aと、送受分離回
路20aにて分離抽出された送信信号及び受信信号を混
合して、これら信号の差の周波数成分であるビート信号
B1を生成するミキサ22aと、第2の共通給電線18
bに接続され高周波発振器24からの送信信号及びアン
テナ素子12b,12d,12fからの受信信号を分離
抽出する送受分離回路20bと、送受分離回路20bに
て分離抽出された送信信号及び受信信号を混合して、こ
れら信号の差の周波数成分であるビート信号B2を生成
するミキサ22aとを備えている。
回路20a、ミキサ22a、アンテナ素子12a,12
c,12e、個別給電線14a,14c,14e、スイ
ッチ16a,16c,16eを総称して第1回路群26
とよび、第2の共通給電線18b、送受分離回路20
b、ミキサ22b、アンテナ素子12b,12d,12
f、個別給電線14b,14d,14f、スイッチ16
b,16d,16fを総称して第2回路群28とよぶ。
18a,18b、送受分離回路20a,20b、ミキサ
22a,22bについて、いずれか任意のものを示すか
両方を総称する場合には、夫々単に共通給電線18、送
受分離回路20、ミキサ22と記す。
ように、個別給電線14中に直列接続されたダイオード
D1と、ダイオードD1の両端に直列接続されたコンデ
ンサCa1,Cc1と、一端がダイオードD1とコンデ
ンサCa,Ccとの間に接続され他端に信号処理部6か
らの切換信号S(Sx,Sy)が印加されるコイルLa
1,Lc1とにより構成されている。
コイルLa1,Lc1を介してダイオードD1のカソー
ド側の電圧を切換信号Sによって制御することにより、
高周波信号の通過/不通過を制御する。即ち、ダイオー
ドD1のアノード側がカソード側よりHighレベルとなる
ように切換信号S(Sx>Sy)を設定すると、ダイオ
ードD1はそのまま順方向にバイアスされてオンするた
め高周波信号の通過が許容され、一方、ダイオードD1
のアノード側がカソード側よりLow レベルとなるように
切換信号S(Sx<Sy)を設定すると、ダイオードD
1が逆方向にバイアスされてオフするため高周波信号の
通過が阻止されるのである。そして、個別給電線14
は、ダイオードD1がオフした時にスイッチ16の接続
位置にて電気的に開放状態にあるとみなすことができ
る。以下では、このように個別給電線14を電気的に開
放して信号の通過を阻止するスイッチ16を開放型とよ
ぶ。ところで、カソード側のバイアス回路Lc1,Cc
1は、各共通給電線18a,18bに配設して、各スイ
ッチ16a,16c,16e又は16b,16d,16
f毎に共用としてもよい。
スイッチ16の他に、例えば図2(b)に示すように、
アノードが個別給電線14に接続され、カソードが接地
されたダイオードD2と、ダイオードD2の接続箇所の
両側に個別給電線14に対して直列接続されたコンデン
サCa2,Cc2と、一端がダイオードD1のアノード
に接続され他端に信号処理部6からの切換信号Sが印加
されるコイルL2とにより構成されたものを用いてもよ
い。このように構成されたスイッチ16では、コイルL
2を介してダイオードD2のアノード側電圧を制御する
ことにより、高周波信号の通過/不通過を制御する。
と、ダイオードD2が逆方向にバイアスされてオフする
ため、個別給電線14上の高周波信号はダイオードD2
側に流れることなくスイッチ16の接続地点をそのまま
通過し、切換信号SをHighレベルに設定すると、ダイオ
ードD2が順方向にバイアスされてオンするため、スイ
ッチ16の接続位置が高周波信号にとって電気的に短絡
され、その結果、個別給電線14上の高周波信号はダイ
オードD2側に流れて、高周波信号の通過が阻止される
のである。以下では、このように個別給電線14を電気
的に短絡して信号の通過を阻止するスイッチ16を短絡
型とよぶ。
も、アンテナ12側のコンデンサCa1,Ca2は省略
してもよい。ここで、図3(a)は、第1又は第2回路
群26,28の構成を模式的に表した説明図である。そ
して、各回路群26,28における各3本の個別給電線
14の全長を夫々X1〜X3、個別給電線14が共通給
電線18から分岐している分岐位置間の距離を夫々Y
1,Y2、高周波発振器24の出力端が接続された共通
給電線18の給電端STから最初の分岐位置までの距離
を第1回路群26でZa,第2回路群28ではZbとす
ると、各共通給電線18及び各個別給電線14は、次の
関係式(1)〜(3)を満たすように設定されている。
なお以下の関係式において、mはゼロ以上の整数(m=
0,1,2,…)である。
(2)の関係式を満たすことにより、第1及び第2回路
群26,28毎に各3個のアンテナ素子12には、波長
λが整数倍mずつずれた、つまり同位相の送信信号が供
給されることになり、また、各回路群26,28間で、
共通給電線18が(3)の関係式を満たすことにより、
第1回路群26に接続されたアンテナ素子12と、第2
回路群28に接続されたアンテナ素子12とでは、互い
に逆位相の送信信号が供給されることになる。
第1回路群26のアンテナ素子12と第2回路群28の
アンテナ素子12とでは、互いに素子の反対側の端部か
ら給電されるように個別給電線14が接続されており、
同位相の送信信号を供給すると互いに逆位相のレーダ波
が放射されるように設定されている。
2と第2回路群28のアンテナ素子12とで互いに逆位
相の送信信号を供給して、全てのアンテナ素子12から
同位相のレーダ波が放射されるようにするために、
(3)の関係式を用いているのである。
4との接続が、両回路群26,28のアンテナ素子12
に同位相の送信信号を供給した場合に、両回路群26,
28のアンテナ素子12から同位相のレーダ波が放射さ
れるようになされている時には、(3)の代わりに(3
a)の関係式を用いて、両回路群26,28のアンテナ
素子12に同位相の送信信号が供給されるように設定す
る必要がある。
4の分岐位置、及び個別給電線14上でのスイッチ16
の接続位置は、共通給電線18の受端RTから各個別給
電線14の分岐位置までの距離を夫々P1〜P3とし、
またこの分岐位置からスイッチ16の接続位置までの距
離を夫々Q1〜Q3とすると、(4)(5)の関係式を
満たすように設定されている。
受端RTが開放されているので、共通給電線18の給電
端STに送信信号が印加されることにより送信信号と同
一波長λの定在波が生じると、共通給電線18の受端R
Tには電流定在波の節(電圧定在波の腹)が存在する。
従って(4)の関係式を満たすように個別給電線14の
分岐位置を設定すると、この個別給電線14の分岐位置
は、電流定在波の節が存在する地点、即ち共通給電線1
8上でハイインピーダンスとなる地点に一致することに
なる。また、本実施例では、上述したように開放型のス
イッチ16を用いているので、スイッチ16をオフ(信
号が不通過)した時には、電気的に開放状態となるスイ
ッチ16の接続位置を受端とする定在波が個別給電線1
4上に発生する。従って(5)の関係式を満たすように
スイッチ16の接続位置を設定すると、個別給電線14
の分岐位置は、個別給電線14上の定在波がハイインピ
ーダンスとなる地点にも一致することになる。つまり、
スイッチ16がオフされている個別給電線14は、共通
給電線18に接続されていないものとみなすことができ
るように設定されるのである。
ている場合は、受端RTに電流定在波の腹が位置するの
で(4)の代わりに(4a)の関係式を用い、またスイ
ッチ16として短絡型のものを使用する場合には、同様
に(5)の代わりに(5a)の関係式を用いて設定する
必要がある。
器24にて生成され共通給電線18の給電端STに印加
された送信信号は、切換信号Sによってスイッチ16が
オンされている個別給電線14を介して、該個別給電線
14に接続されたアンテナ素子12にのみ供給される。
この時、複数のスイッチ16がオンされている場合、送
信信号が供給された各アンテナ素子12からは必ず同位
相のレーダ波が放射される。
ーダ波の受信信号は、スイッチ16がオンされている個
別給電線14に接続されたアンテナ素子12からのもの
だけが共通給電線18を介して伝送される。そして送受
分離回路20にて共通給電線18から分離された受信信
号は、ミキサ22にて送信信号と混合され、ビート信号
Bに変換されて出力される。
波送受信部4を制御して障害物等の物標の検出を行う信
号処理部6は、まず起動信号SSを出力して、高周波発
振器24を起動した後、隣接するいずれか一対のアンテ
ナ素子12(即ち12aと12b,12bと12c,1
2cと12d,12dと12e,12eと12f)が送
受信アンテナとして使用できるように切換信号Sa〜S
fを設定する。
Sa〜Sfによって選択された一対のアンテナ素子12
からのレーダ波が放射されると共に、この選択された一
対のアンテナ素子12が受信したレーダ波の受信信号に
基づいて生成されたビート信号B1,B2が出力され
る。このビート信号B1,B2に基づいて、信号処理部
6は、物標の方位や物標との相対速度,距離を求める検
出処理を実行し、以後、送受信アンテナとして使用する
一対のアンテナ素子12を順番に切り換えながらこの検
出処理を繰り返し実行する。
ンテナ素子12は交互に並んでいるので、隣接する一対
のアンテナ素子12を送受信アンテナとして選択する
と、第1及び第2回路群26,28は必ず夫々が、選択
された一対のアンテナ素子12のうち互いに異なったい
ずれか一方を扱うことになる。
2a〜12fの受信ビームRBa〜RBfの概略形状を
表す説明図であり、図4(b)は一対のアンテナ素子1
2(ここでは12aと12b)からレーダ波を放射した
場合の送信ビームSBabの概略形状を表す説明図であ
る。
示すように、隣接するアンテナ素子12の受信ビームが
互いに重なり合い、しかもこの受信ビームの重なり合っ
て方位検出が可能な領域(方位検知可能領域とよぶ)が
互いに接するように配置されている。
配置された1対のアンテナ素子12は、合成された単一
の送信アンテナとみなすことができ、その送信ビームS
Bは、図4(b)に示すように、両アンテナ素子12の
受信ビームの中間、即ち両受信ビームが互いに重なり合
う方位検知可能領域をカバーする。
12が選択されても、その一対のアンテナ素子12の受
信ビームによって形成される方位検知可能領域は、同じ
一対のアンテナ素子12による合成アンテナの送信ビー
ムSBによってカバーされるため、結局、送受信アンテ
ナとして使用するアンテナ素子12の対を順番に切り換
えれば、各アンテナ素子12a〜12fの受信ビームに
よって形成される全ての方位検知可能領域が、送信ビー
ムによってカバーされることになる。
れば、順次選択される一対のアンテナ素子12からなる
合成アンテナの送信ビームは、同じ一対のアンテナ素子
12の受信ビームが形成する方位検知可能領域のみをカ
バーできればよく、カバーすべき範囲が小さいので、送
信ビームの出力を増大させたり検出距離を犠牲にしたり
する必要がない。
高精度に(即ち距離や相対速度だけでなく方位まで)検
出することができ、例えば割り込みしようとしている車
両を速やかに検出したり、曲がった道路であっても道路
や道路近傍に存在する障害物等を確実に検出することが
できる。
方位検知可能領域の大小によって合成アンテナの送信ビ
ーム幅や送信出力を変化させる必要がなく、アンテナ素
子12を増加させるだけで方位検知可能領域を簡単に拡
大することができる。更に、本実施例では、互いに隣接
するアンテナ素子12は、夫々が別の給電系(第1及び
第2回路群26,28)に接続されているので、各アン
テナ素子12での受信信号を、夫々個別にしかも簡単に
取り出すことができる。
オフされている個別給電線14が、共通給電線18にと
って、接続されていないものとみなすことができるよう
に構成されているので、アンテナ素子12への給電系で
の損失を低減でき、効率のよい装置を構成できる。
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様
々な態様にて実施することができる。例えば、上記実施
例では、高周波発振器24は、単一周波数(波長λ)の
送信信号を生成するように構成したが、周波数が三角波
状に変調された送信信号を生成するように構成し、当該
レーダ装置2を所謂FMCW方式用の装置として構成し
てもよい。この場合、送信信号に応じて定在波の波長λ
も変化するのであるが、FMCW方式では、通常、送信
信号が数G〜数十GHzであるのに対して、周波数の変
調幅は数十MHz程度であり、つまり定在波の波長λが
変化する割合は数%以下と極めて小さいため、十分に使
用可能である。
個の場合について説明したが、アンテナ素子は3個以上
であればいくつでもよい。更に、上記実施例では、図3
に示したように、共通給電線18に対して個別給電線1
4をバス状に接続したが、図5(a)に示すように、単
一の分岐位置から個別給電線14をスター状に接続して
もよい。
線18を複数の支線19に分岐させ、この分岐した支線
19から個別給電線14を分岐させるように構成しても
よい。この場合、支線19の分岐位置から個別給電線1
4の分岐位置までの距離、即ち支線19の全長をW1,
W2とすると、(6)(7)の関係式を満たすように設
定すればよい。
えて支線19上にもスイッチ16を設けるように構成し
てもよい。この場合、スイッチ16の位置は、支線の分
岐位置を上述の個別給電線14の分岐位置とみなし、使
用するスイッチ16のタイプに応じて(5)又は(5
a)の関係式を満たすように設定すればよい。
ック図、及び送受信器の詳細な構成を表す回路図であ
る。
イアウトを模式的に表した説明図である。
を表す説明図である。
イアウトの他の構成例を表す説明図である。
…信号処理部 8…誘電体レンズ 12(12a〜12f)…アン
テナ素子 10…送受信器 14(14a〜14f)…個
別給電線 19…支線 16(16a〜16f)…ス
イッチ 24…高周波発振器 18(18a,18b)…共
通給電線 26…第1回路群 20(20a,20b)…送
受分離回路 28…第2回路群 22(22a,22b)…ミ
キサ La1,Lc1,L2…コイル D1,D2…ダイオ
ード Ca1,Cc1,Ca2,Cc2…コンデンサ
Claims (8)
- 【請求項1】 レーダ波を収束させる収束手段と、 該収束手段の焦点位置付近に、該焦点位置と上記収束手
段の中心とを結ぶ軸に直交する所定の配列軸に沿って配
列された少なくとも3個の一次放射器と、 隣接するいずれか一対の一次放射器を選択して、該選択
された一対の一次放射器が同位相のレーダ波を放射する
ように送信信号を供給することが可能であると共に、該
選択された一対の一次放射器が受信するレーダ波の受信
信号を個別に取り出すことが可能な給電系と、 を備えることを特徴とする開口面アンテナ。 - 【請求項2】 上記給電系は、 上記一次放射器毎に設けられた個別給電線と、 一端から順番に番号を割り当てた時に奇数番目に位置す
る一次放射器への給電を行う個別給電線が接続された第
1の共通給電線と、 同じく偶数番目に位置する一次放射器への給電を行う個
別給電線が接続された第2の共通給電線と、 上記個別給電線毎に接続され、外部からの切換信号に従
って該個別給電線上の信号の通過/不通過を切換可能な
スイッチ手段と、 を備え、 上記個別給電線の長さを、上記第1及び第2の共通給電
線毎に任意の個別給電線間でその全長の差が上記送信信
号の波長の整数(0,1,2,…)倍となるように設定
すると共に、上記各第1及び第2の共通給電線における
上記個別給電線の分岐位置間の距離を上記送信信号の波
長の整数(0,1,2,…)倍の長さに設定し、 更に上記第1及び第2の共通給電線における上記個別給
電線の分岐位置及び上記個別給電線における上記スイッ
チ手段の接続位置を、上記スイッチ手段により信号不通
過の状態にされている上記個別給電線が上記第1及び第
2の共通給電線からみてハイインピーダンスとなるよう
に設定したことを特徴とする請求項1に記載の開口面ア
ンテナ。 - 【請求項3】 請求項2に記載の開口面アンテナにおい
て、 上記第1及び第2共通給電線における上記個別給電線の
分岐位置を、上記第1及び第2の共通給電線上に給電時
に現れる上記送信信号と同一波長の電流定在波の節とな
る位置に設定し、 上記個別給電線における上記スイッチ手段の接続位置
を、該スイッチ手段により信号が不通過にされている個
別給電線上に現れる上記電流定在波の節となる位置が上
記個別給電線の分岐位置と一致するように設定したこと
を特徴とする開口面アンテナ。 - 【請求項4】 請求項3に記載の開口面アンテナにおい
て、 上記スイッチ手段は、信号を不通過とする場合に上記個
別給電線を電気的に開放状態とし、 上記スイッチ手段の接続位置と上記個別給電線の分岐位
置との間の距離を、上記送信信号の半波長の整数(0,
1,2,…)倍の長さに設定したことを特徴とする開口
面アンテナ。 - 【請求項5】 請求項3に記載の開口面アンテナにおい
て、 上記スイッチ手段は、信号を不通過とする場合に上記個
別給電線を電気的に短絡状態とし、 上記スイッチ手段の接続位置と上記個別給電線の分岐位
置との間の距離を、上記送信信号の半波長の整数(0,
1,2,…)倍に1/4波長を加えた長さに設定したこ
とを特徴とする開口面アンテナ。 - 【請求項6】 請求項2ないし請求項5のいずれかに記
載の開口面アンテナにおいて、 上記第1及び第2の共通給電線は分岐する複数の支線を
有し、該支線の分岐位置を、該支線上に現れる上記電流
定在波の節となる位置に設定したことを特徴とする開口
面アンテナ。 - 【請求項7】 請求項2ないし請求項6のいずれかに記
載の開口面アンテナにおいて、 上記第1及び第2の共通給電線を、上記一次放射器を挟
んだ両側に配置したことを特徴とする開口面アンテナ。 - 【請求項8】 請求項2ないし請求項7のいずれかに記
載の開口面アンテナと、 上記第1及び第2の共通給電線を介して上記一次放射器
に供給するための高周波信号を生成する高周波発振器
と、 上記第1及び第2の共通給電線の夫々に設けられ、上記
高周波発振器からの送信信号及び上記一次放射器からの
受信信号を、上記第1及び第2の共通給電線から夫々分
離する信号分離回路と、 該信号分離回路毎に設けられ、該信号分離回路にて分離
された上記送信信号及び上記受信信号を混合して、これ
ら信号の差の周波数成分であるビート信号を生成するミ
キサと、 隣接するいずれか一対の一次放射器が上記スイッチ手段
を介して上記第1及び第2の共通給電線に電気的に接続
されるようにするための上記切換信号を生成すると共
に、上記ミキサが出力するビート信号に基づいて、上記
一次放射器が放射するレーダ波を反射した物標の位置を
求める制御手段と、 を備えることを特徴とするレーダ装置。
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