JPH10265769A - 柔軟性ゲル状蓄冷材 - Google Patents

柔軟性ゲル状蓄冷材

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JPH10265769A
JPH10265769A JP9073197A JP7319797A JPH10265769A JP H10265769 A JPH10265769 A JP H10265769A JP 9073197 A JP9073197 A JP 9073197A JP 7319797 A JP7319797 A JP 7319797A JP H10265769 A JPH10265769 A JP H10265769A
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weight
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starch
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JP9073197A
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Mitsuo Masushige
光男 増茂
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の蓄冷剤は、蓄冷のため冷凍庫内で冷却
すると、凍結して固くなるか、或は流動性を保持してい
る場合には却って保形性がなく、いずれの場合も形状の
複雑な被冷却物の冷却や、人体の頭部や患部を冷却する
には不都合であった。本発明の課題は冷凍庫内で冷却し
ても柔軟性を失わず、かつ、保形成を保持し、上述の被
冷却物を冷却するのに適した柔軟性蓄冷剤の製造方法を
提供することにある。 【解決手段】 多糖類ガム質、塩化ナトリウム、デンプ
ンまたはα−化デンプン、ホウ砂及びホウ酸、必要に応
じてプロピレングリコール及び塩化カリウムを、所定の
配合範囲の組成で水に配合し、柔軟性蓄冷剤を得る。
又、この場合所定の配合順序、配合処理及び必要に応じ
て加熱処理を行う製造方法と、得た蓄冷剤を所定の柔軟
性容器に内包して得る蓄冷パッドを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍庫中で予め冷
却しておき、必要時に、種々の物や人体などを冷やすた
めに使用する蓄冷材及びその製造方法、並びにこの蓄冷
材を使用した蓄冷パッドに関し、詳しくは、冷凍庫内で
凍結させても柔軟性を失わない柔軟性蓄冷材及びその製
造方法、並びにこの蓄冷材を使用した蓄冷パッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、蓄冷材としては種々のものが提案
されているが、これらは常温で流動状のもの又はそれを
ゲル化したものを袋や種々の容器にいれたものであっ
た。これら蓄冷材の中で、常温でゾル状のものは、常温
時に袋や容器が破損した場合、外へ流出して被冷却物を
ぬらしたり、汚したりする欠点があり、そのため、蓄冷
材を常温でゲル状にしたものが消費者に好まれている。
【0003】また、蓄冷材は、それを冷却したものが、
充分に被冷却物を冷却する能力を有していることが必要
であり、このためには冷却材に使用される物質は融解熱
及び比熱が大きいもの程よく、そのような物質として水
が最も安価で適している。
【0004】更に、蓄冷材は、特に食品の冷却や、人体
の頭部や患部を冷却するのに使用するため、万一、それ
を入れている袋や容器が破損して内容物が食品や人体に
接触しても問題が無いような安全性の高いものでなけれ
ばならない。
【0005】このようなことから、できるだけ多量の水
を含有し、常温でゲル状であって、しかも安全性が高い
蓄冷材が種々提案され、例えば特公昭61−54073
号公報、特公昭61−54074号公報、特公昭61−
54075号公報等に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されたいずれの蓄冷材も、冷凍庫内(通常約−18
℃)で冷却すると凍結して固くなり、形状の複雑な被冷
却物の冷却や、人体の頭部や患部を冷却するのには不都
合であった。
【0007】一方、蓄冷しても固くならない蓄冷材とし
て流動性のものがあるが、かかる蓄冷材は保形性がな
く、やはり形状の複雑な被冷却物の冷却や、人体の頭部
や患部を冷却するのには不都合であった。
【0008】そこで本発明の目的は、冷凍庫内で冷却し
て蓄冷しても柔軟性を失わず、且つ保形性を保持し、形
状の複雑な被冷却物の冷却や、人体の頭部や患部を冷却
するのに適した柔軟性蓄冷材、その製造方法及びこの蓄
冷材を使用した蓄冷パッドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は下記の通りである。即ち、本発明の柔軟性
ゲル状蓄冷材は、水100重量部に対して、塩化ナトリ
ウム5〜20重量部及び多糖類ガム質0.2〜5重量部
を含有し、該多糖類ガム質1重量部に対して、α−化デ
ンプン0.05〜1.5重量部、ホウ砂0.01〜0.
1重量部を含有し、該ホウ砂1重量部に対してホウ酸
0.5〜8重量部含有することを特徴とするものであ
る。
【0010】前記多糖類ガム質1重量部に対して、プロ
ピレングリコールを5重量部以下で含有させ、多糖類ガ
ム質及びα−化デンプンの水(塩化ナトリウム水溶液)
への均一分散を容易にさせることができる。
【0011】また、多糖類ガム質の10〜50重量%が
カラギーナンである場合、該カラギーナン1重量部に対
して0.8〜1.5重量部の塩化カリウムを含有させ、
離水防止を図ることが好ましい。
【0012】また、本発明は、前記柔軟性ゲル状蓄冷材
の製造方法に関するものである。即ち、本発明の前記柔
軟性ゲル状蓄冷材の製造方法(第1製造方法発明)は、 多糖類ガム質及びα−化デンプンの混合物を水に混合
する工程と、 得られた混合物をガム質のコロイド状分散体に調製す
る工程と、 得られたガム質のコロイド状分散体にホウ砂及びホウ
酸を混合してゲル化する工程と、を含むことを特徴とす
るものである。
【0013】前記の工程において、多糖類ガム質及び
α−化デンプンをプロピレングリコールと混合した後、
水に混合してもよく、また、前記の工程において、α
−化デンプンの替わりにデンプンを使用し、前記の工
程において、該デンプンをα−化してもよい。
【0014】また、本発明の前記柔軟性ゲル状蓄冷材の
他の製造方法(第2製造方法発明)は、 多糖類ガム質を水に混合する工程と、 得られた混合物をガム質のコロイド状分散体に調製す
る工程と、 α−化デンプンと水を混合してα−化デンプンのコロ
イド状分散体を得る工程と、 前記ガム質のコロイド状分散体に前記α−化デンプン
のコロイド状分散体を混合する工程と、 得られた混合コロイド状分散体にホウ砂及びホウ酸を
混合してゲル化する工程と、を含むことを特徴とするも
のである。
【0015】前記の工程において、多糖類ガム質をプ
ロピレングリコールと混合した後、水に混合してもよ
く、また、前記の工程において、α−化デンプン替わ
りにデンプンを使用し、加熱処理して、α−化デンプン
のコロイド状分散体を調製してもよい。
【0016】本発明の第1製造方法発明および第2製造
方法発明ともに、70〜100℃に加熱しながらゲル化
を行い、冷却しながら成形を行うことが好ましい。
【0017】さらに、本発明は柔軟性蓄冷パッドに関す
るものであり、本発明の柔軟性蓄冷パッドは前記柔軟性
ゲル状蓄冷材が柔軟性容器に内包されていることを特徴
とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材にお
いては、水100重量部に対して、塩化ナトリウム5〜
20重量部、好ましくは7〜14重量部を使用する。塩
化ナトリウムが5重量部に満たないと、冷凍庫内で蓄冷
したときに蓄冷材が固くなり過ぎ、一方20重量部を超
えると、冷凍庫温度では充分な蓄熱量が得られない。
【0019】本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材に使用する多
糖類ガム質は、特に限定されるものではなく、例えば、
ガラクトマンナン、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、カラギーナン等を使用することができる。
【0020】多糖類ガム質の使用量は、水100重量部
に対して0.2〜5重量部、好ましくは0.6〜2.5
重量部とする。多糖類ガム質が0.2重量部に満たない
とゲル状の蓄冷材とすることができず、流動性の水分が
生じてしまい、一方5重量部を超えるとゲルの耐凍結性
が悪くなり、凍結−解凍の履歴に伴って離水するように
なる。
【0021】尚、多糖類ガム質としてカラギーナンを使
用する場合は、離水防止の点で多糖類ガム質の50重量
%以下とすることが好ましく、更に多糖類ガム質の10
〜50重量%がカラギーナンである場合、好ましくは塩
化カリウムを併用することが離水防止の点で良い。この
場合、塩化カリウムはカラギーナン1重量部に対して、
0.8〜1.5重量部とすることが好ましい。
【0022】本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材に使用するα
−化デンプンは特に限定されるものではなく、例えば、
コーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米
澱粉、タピオカ澱粉等の種々のデンプンをα−化して使
用することができ、上記のデンプンをα−化した種々の
市販のα−化デンプンも使用できる。
【0023】α−化デンプンの使用量は、上記多糖類ガ
ム質1重量部に対して0.05〜1.5重量部、好まし
くは0.1〜0.8重量部とする。α−化デンプンが
0.05〜1.5重量部の範囲外であるとゲルの耐凍結
性が悪くなり、凍結−解凍の履歴に伴って離水するよう
になる。
【0024】本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材に使用するホ
ウ砂は、上記多糖類ガム質1重量部に対して0.01〜
0.1重量部、好ましくは0.02〜0.05重量部使
用する。ホウ砂が0.01重量部に満たないとガム質の
ゲル化の程度が弱く、ゲル状の蓄冷材とすることができ
ず流動性の水分が生じてしまい、一方0.1重量部を超
えるとゲルの耐凍結性が悪くなり、凍結−解凍の履歴に
伴って離水するようになる。
【0025】また、本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材に使用
するホウ酸は、上記ホウ砂1重量部に対して0.5〜8
重量部、好ましくは1〜5重量部使用する。ホウ酸が
0.5重量部に満たないとガム質のゲル化の程度が弱
く、ゲル状の蓄冷材とすることができず流動性の水分が
生じてしまい、一方8重量部を超えるとゲルの耐凍結性
が悪くなり、凍結−解凍の履歴に伴って離水するように
なる。
【0026】本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材には、プロピ
レングリコールは必ずしも必要ではないが、プロピレン
グリコールを使用すると上記多糖類ガム質及びα−化デ
ンプンを容易に水(塩化ナトリウム水溶液)に均一に分
散させることができるので使用することが好ましい。プ
ロピレングリコールの使用量は、上記多糖類ガム質1重
量部に対して5重量部以下、好ましくは0.7〜2重量
部使用する。プロピレングリコールが5重量部を超える
とゲル体の熱容量が小さくなり、蓄冷材としての機能が
損なわれる。
【0027】次に本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材の製造方
法について詳述する。本発明の製造方法は、ゲル化前の
コロイド状分散体を調製するまでの工程で、多糖類ガム
質とα−化デンプンを一緒に調製するか(第1製造方法
発明)、あるいは別途調製するか(第2製造方法発明)
で異なる2種の製造方法があり、これら製造方法は、そ
の後のゲル化の工程は同じである。
【0028】第1製造方法発明では、工程において多
糖類ガム質とα−化デンプンを水に混合し、工程にお
いて、好ましくは70〜100℃で、特に好ましくは8
0〜90℃で加熱攪拌してガム質のコロイド状分散体を
調製する。
【0029】α−化デンプンを使用する場合は必ずしも
加熱しなくてもコロイド状分散体とすることができる
が、α−化デンプンを充分水和し均一に分散するには加
熱攪拌することが好ましい。又、上記の加熱攪拌はデン
プンのα−化に要する条件と同じであるので、該加熱攪
拌を行う場合は上記α−化デンプンに替えてデンプンを
使用しても同じ結果が得られる。
【0030】工程において、多糖類ガム質及びα−化
デンプンをプロピレングリコールと混合した後、水に混
合すると、均質な分散体を容易に得ることができるので
好ましい。但し、この場合、プロピレングリコールの量
的制約から、その混合形態はプロピレングリコールによ
る湿潤状態にあるといえる。
【0031】次に、工程において、前記ガム質のコロ
イド状分散体にホウ砂及びホウ酸を混合する。使用する
多糖類ガム質の一部としてカラギーナンを使用する場合
は離水防止の点で多糖類ガム質の50重量%以下とする
ことが好ましく、更に多糖類ガム質の10〜50重量%
がカラギーナンである場合、好ましくは塩化カリウムを
併用することが離水防止の点で良い。この場合、塩化カ
リウムはカラギーナン1重量部に対して0.8〜1.5
重量部とするのが好ましい。
【0032】ホウ砂、ホウ酸、塩化カリウムは粉末乃至
微粉末の状態で上記ガム質のコロイド状分散体に混合し
てもよいが、均一にするためには水に溶解して混合する
ことが好ましく、またこれらは同時に添加混合してもよ
いが、塩化カリウムを使用する場合、まず、塩化カリウ
ムを混合後、ホウ砂及びホウ酸を同時に添加混合するこ
とが離水防止の点で好ましい。
【0033】ホウ砂及びホウ酸、又は更に塩化カリウム
を混合後攪拌を続ければゲル状蓄冷材を得ることがで
き、またこのゲル化反応は常温でも速やかに進行するも
のであるが、確実なゲル化のために、さらにはゲル化後
に成形したり複雑形状の容器に収納することを予定して
いる場合に流動性を保つため、好ましくは70〜100
℃、特に好ましくは85〜95℃に加熱しながら撹拌を
行うのがよい。但し、常温でもニーダー等を使用すれば
成形することはできるが、複雑な形状の容器に収納する
のは困難である。また、一旦ゲル化後に加熱してもゲル
化物の熱伝導度が低いため流動化させるのは困難であ
る。
【0034】尚、前記各工程で使用する水には任意の段
階で、任意の回数に、塩化ナトリウムを加え、全て塩化
ナトリウム水溶液として使用してもよい。例えば、多糖
類ガム質とα−化デンプンを、又は更にプロピレングリ
コールを、塩化ナトリウム水溶液に混合しても、或いは
多糖類ガム質とα−化デンプンを、又は更にプロピレン
グリコールを、水に混合し、若しくは混合しながら、塩
化ナトリウムを加えてもよく、ホウ砂、ホウ酸、塩化カ
リウム等を塩化ナトリウム水溶液に混合しても、或いは
ホウ砂、ホウ酸、塩化カリウム等を水に混合し、若しく
は混合しながら、塩化ナトリウムを加えてもよい。
【0035】次に、第2製造方法発明では、多糖類ガム
質とα−化デンプンを別々に分散化させる。まず、工程
において、多糖類ガム質を水に混合し、工程におい
て、好ましくは70〜100℃で、特に好ましくは80
〜90℃で加熱攪拌してガム質のコロイド状分散体を調
製する。
【0036】工程において、多糖類ガム質をプロピレ
ングリコールと混合した後、水に混合すると、均質な分
散体を容易に得ることができるので好ましい。但し、こ
の場合、プロピレングリコールの量的制約から、その混
合形態はプロピレングリコールによる湿潤状態にあると
いえる。
【0037】前記工程とは別に、工程において、α
−化デンプンを水と混合するか、又はデンプンと水を混
合した後に加熱処理して、α−化デンプンのコロイド状
分散体を調製する。この加熱処理は、好ましくは70〜
100℃で、特に好ましくは80〜90℃で加熱攪拌す
る。
【0038】工程において、前記ガム質のコロイド状
分散体に前記α−化デンプンのコロイド状分散体を混合
して混合コロイド状分散体を得、次いで工程におい
て、該混合コロイド状分散体にホウ砂及びホウ酸を混合
する。
【0039】使用する多糖類ガム質の一部としてカラギ
ーナンを使用する場合、その配合量および塩化カリウム
の併用に関する事項は第1製造方法発明における取扱い
と何等変わるところがない。
【0040】同様に、前記工程におけるホウ砂、ホウ
酸、塩化カリウムと上記混合コロイド状分散体との混合
の仕方、温度および順序も上述の第1製造方法発明と何
等変わるところがない。
【0041】尚、第1製造方法発明と同様、前記各工程
で使用する水には任意の段階で、任意の回数に、塩化ナ
トリウムを加え、全て塩化ナトリウム水溶液として使用
してもよい。例えば、多糖類ガム質を、又は更にプロピ
レングリコールを、塩化ナトリウム水溶液に混合して
も、或いは多糖類ガム質を、又は更にプロピレングリコ
ールを、水に混合し、若しくは混合しながら、塩化ナト
リウムを加えてもよく、α−化デンプン、又はデンプン
を塩化ナトリウム水溶液と混合しても、或いはα−化デ
ンプン、又はデンプンを水と混合し、若しくは混合しな
がら、塩化ナトリウムを加えてもよく、ホウ砂、ホウ
酸、塩化カリウム等を塩化ナトリウム水溶液に混合して
も、或いはホウ砂、ホウ酸、塩化カリウム等を水に混合
し、若しくは混合しながら、塩化ナトリウムを加えても
よい。
【0042】本発明の柔軟性ゲル状蓄冷材は冷凍庫温度
域(約−18℃付近)で冷却すると塩化ナトリウム水溶
液の一部及びガム質が凍結し、潜熱として冷熱エネルギ
ーを蓄熱することができるが、該水溶液の全部が完全に
凍結することはなく、一部は水溶液のままであるため、
蓄冷材全体としては凍結状態にあるにもかかわらず柔軟
性を維持することができる。但し、通常の冷凍温度域を
下回る特殊な低温、概ね−25℃以下では完全に凍結す
る。
【0043】この柔軟性ゲル状蓄冷材を、必要なら成形
し、柔軟性容器、例えば、ポリエチレンラミネートなど
に収納すれば、人体の頭部や患部を冷却するのに適し
た、本発明の柔軟性蓄冷パッドを得ることができる。
【0044】本発明の柔軟性蓄冷パッドは、冷凍庫で冷
却しても柔軟性を保っているので、所謂氷枕として使用
すると、極めて使用感が良く且つ充分な冷却効果を得ら
れる。この蓄冷パッドの柔軟性容器は、好ましくは複数
の収納ブロックに分割し、そうすることで、例えば氷枕
として使用した場合、蓄冷材が偏らないようにすること
ができる。さらに、かかる蓄冷パッドは柔軟性を保持す
ることができるため、例えば、冷凍庫の空スペースに制
約がある場合、任意の形状、例えばロール状に丸めた
り、或いは折りたたんで冷凍庫に収容しても、使用時に
は本来の形状に戻すことができる。
【0045】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき具体的に説明す
る。 実施例1 グアーガム5重量部、ローカストビーンガム5重量部に
プロピレングリコール14重量部を添加して湿潤させ、
水800重量部中に塩化ナトリウム100重量部を含有
する塩化ナトリウム水溶液に添加混合し、約30分間、
80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質のコロイド状分散体
を調製した。一方、コーンスターチ4重量部を水50重
量部に分散した後、約90℃に加熱してα−化デンプン
の分散体を調製した。
【0046】このようにして調製したα−化デンプンの
分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均質
な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、ホウ砂0.3
重量部、ホウ酸1重量部を水20重量部に溶解した水溶
液を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状蓄冷
材を得た。
【0047】このゲル状蓄冷材を縦15cm×横25c
m×厚さ4cmの厚板状に成形しながら室温まで冷却し
た。このゲル状蓄冷材をポリエチレンラミネート製袋内
に密封して蓄冷パッドとした。
【0048】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、レオメーター(YA
MADEN製REHEONER RE−33005型、
先端部(ロードセル)形状:直径16mm円筒状)を使
用して、加重速度1mm/秒で冷却パッドの厚さ方向へ
加重させ、加重深さ20mmの時点で要した加重を測定
したところ2.2kgであった。又、この蓄冷材の蓄熱
容量は57.2cal/g、融点は−12.8℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0049】実施例2 グアーガム3重量部、ローカストビーンガム1重量部、
カラギーナン1重量部にプロピレングリコール5重量部
を添加して湿潤させ、水500重量部中に塩化ナトリウ
ム50重量部を含有する塩化ナトリウム水溶液に添加混
合し、約30分間、80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質
のコロイド状分散体を調製した。一方、コーンスターチ
2重量部を水50重量部に分散した後約90℃に加熱し
てα−化デンプンの分散体を調製した。
【0050】このようにして調製したα−化デンプンの
分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均質
な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、塩化カリウム
1重量部を水25重量部に溶解してこれに添加し、更に
攪拌混合した。その後ホウ砂0.2重量部、ホウ酸0.
5重量部を水25重量部に溶解した水溶液を添加し、約
90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状蓄冷材を得た。
【0051】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷パッド
とした。
【0052】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は7.5kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は55.2cal/g、融点は−9.5℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0053】実施例3 グアーガム2.5重量部、ローカストビーンガム2.5
重量部にプロピレングリコール5重量部を添加して湿潤
させ、水300重量部中に塩化ナトリウム52重量部を
含有する塩化ナトリウム水溶液に添加混合し、約30分
間、80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質のコロイド状分
散体を調製した。一方、コーンスターチ2重量部を水5
0重量部に分散した後約90℃に加熱してα−化デンプ
ンの分散体を調製した。
【0054】このようにして調製したα−化デンプンの
分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均質
な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、ホウ砂0.2
重量部、ホウ酸0.1重量部を水50重量部に溶解した
水溶液を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状
蓄冷材を得た。
【0055】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷 パッ
ドとした。
【0056】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は1.1kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は54.4cal/g、融点は−14.4℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0057】実施例4(プロピレングリコールを使用し
ない実施例) グアーガム5重量部、ローカストビーンガム5重量部
を、水800重量部中に塩化ナトリウム100重量部を
含有する塩化ナトリウム水溶液に添加混合し、約2時
間、80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質のコロイド状分
散体を調製した。一方、コーンスターチ4重量部を水5
0重量部に分散した後約90℃に加熱してα−化デンプ
ンの分散体を調製した。
【0058】このようにして調製したα−化デンプンの
分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均質
な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、ホウ砂0.3
重量部、ホウ酸1重量部を水20重量部に溶解した水溶
液を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状蓄冷
材を得た。
【0059】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷パッド
とした。
【0060】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は2.3kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は57.3cal/g、融点は−12.6℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0061】実施例5 グアーガム5重量部、ローカストビーンガム5重量部、
コーンスターチ4重量部にプロピレングリコール14重
量部を添加して湿潤させ、水850重量部中に塩化ナト
リウム100重量部を含有する塩化ナトリウム水溶液に
添加混合し、約30分間、80℃にて加熱攪拌を続け、
ガム質のコロイド状分散体を調製した。
【0062】このようにして調製したガム質のコロイド
状分散体に、ホウ砂0.3重量部、ホウ酸1重量部を水
20重量部に溶解した水溶液を添加し、約90℃に加熱
攪拌混合して、ゲル状蓄冷材を得た。
【0063】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷 パッ
ドとした。
【0064】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は1.9kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は56.8cal/g、融点は−13.1℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0065】実施例6 グアーガム5重量部、ローカストビーンガム5重量部に
プロピレングリコール14重量部を添加して湿潤させ、
水800重量部中に塩化ナトリウム100重量部を含有
する塩化ナトリウム水溶液に添加混合し、約30分間、
80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質のコロイド状分散体
を調製した。一方、α−化デンプン4重量部を水50重
量部に攪拌しながら徐々に加え、更に充分攪拌混合して
α−化デンプンの分散体を調製した。
【0066】このようにして調製したα− 化デンプン
の分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均
質な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、ホウ砂0.
3重量部、ホウ酸1重量部を水20重量部に溶解した水
溶液を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状蓄
冷材を得た。
【0067】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷 パッ
ドとした。
【0068】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は2.0kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は57.0cal/g、融点は−13.0℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0069】実施例7 グアーガム5重量部、ローカストビーンガム5重量部、
α−化デンプン4重量部にプロピレングリコール14重
量部を添加して湿潤させ、水850重量部中に塩化ナト
リウム100重量部を含有する塩化ナトリウム水溶液に
添加混合し、約30分間、80℃にて加熱攪拌を続け、
ガム質のコロイド状分散体を調製した。このようにして
調製したガム質のコロイド状分散体に、ホウ砂0.3重
量部、ホウ酸1重量部を水20重量部に溶解した水溶液
を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状蓄冷材
を得た。
【0070】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷パッド
とした。
【0071】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は2.1kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は57.1cal/g、融点は−12.9℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0072】実施例8 グアーガム8重量部、ローカストビーンガム7重量部に
プロピレングリコール25重量部を添加して湿潤させ、
水800重量部中に塩化ナトリウム100重量部を含有
する塩化ナトリウム水溶液に添加混合し、約30分間、
80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質のコロイド状分散体
を調製した。一方、コーンスターチ4重量部を水50重
量部に分散した後約90℃に加熱してα−化デンプンの
分散体を調製した。
【0073】このようにして調製したα− 化デンプン
の分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均
質な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、ホウ砂0.
5重量部、ホウ酸1重量部を水20重量部に溶解した水
溶液を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状蓄
冷材を得た。
【0074】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷パッド
とした。
【0075】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は2.0kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は56.6cal/g、融点は−13.1℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0076】実施例9 グアーガム10重量部、ローカストビーンガム10重量
部にプロピレングリコール30重量部を添加して湿潤さ
せ、水750重量部中に塩化ナトリウム100重量部を
含有する塩化ナトリウム水溶液に添加混合し、約30分
間、80℃にて加熱攪拌を続け、ガム質のコロイド状分
散体を調製した。一方、コーンスターチ14重量部を水
100重量部に分散した後約90℃に加熱してα− 化
デンプンの分散体を調製した。
【0077】このようにして調製したα−化デンプンの
分散体を上記ガム質のコロイド状分散体に添加し、均質
な状態になるまで攪拌混合し、しかる後、ホウ砂0.9
重量部、ホウ酸2重量部を水20重量部に溶解した水溶
液を添加し、約90℃に加熱攪拌混合して、ゲル状蓄冷
材を得た。
【0078】このゲル状蓄冷材を実施例1と同様に厚板
状に成形しながら室温まで冷却した。このゲル状蓄冷材
をポリエチレンラミネート製袋内に密封して蓄冷パッド
とした。
【0079】この冷却パッドを−18℃の冷凍庫内で凍
結させたが柔軟性を保持しており、実施例1と同様に測
定した加重は2.1kgであった。又、この蓄冷材の蓄
熱容量は56.7cal/g、融点は−12.8℃であ
り、蓄冷材として十分な容量と温度であり、15サイク
ルの凍結解凍試験後も全く離水はみられなかった。
【0080】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の柔軟性
ゲル蓄冷材は、冷凍庫内で冷却して蓄冷しても柔軟性を
失わず、且つ保形性を保持し、形状の複雑な被冷却物の
冷却や、人体の頭部や患部を冷却するのに適している。
よって、これは柔軟性蓄冷パッドへの使用に適してお
り、また、例えば、冷凍庫の空スペースに制約がある場
合、任意の形状で冷凍庫に収容しても、使用時には本来
の形状に戻すことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // A23L 3/36 A23L 3/36

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水100重量部に対して、塩化ナトリウ
    ム5〜20重量部及び多糖類ガム質0.2〜5重量部を
    含有し、該多糖類ガム質1重量部に対して、α−化デン
    プン0.05〜1.5重量部、ホウ砂0.01〜0.1
    重量部を含有し、該ホウ砂1重量部に対してホウ酸0.
    5〜8重量部含有することを特徴とする柔軟性ゲル状蓄
    冷材。
  2. 【請求項2】 前記多糖類ガム質1重量部に対して、プ
    ロピレングリコールを5重量部以下で含有する請求項1
    記載の柔軟性ゲル状蓄冷材。
  3. 【請求項3】 多糖類ガム質の10〜50重量%がカラ
    ギーナンであり、該カラギーナン1重量部に対して0.
    8〜1.5重量部の塩化カリウムを含有する請求項1記
    載の柔軟性ゲル状蓄冷材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の柔軟性ゲル状蓄冷材の製
    造するにあたり、 多糖類ガム質及びα−化デンプンの混合物を水に混合
    する工程と、 得られた混合物をガム質のコロイド状分散体に調製す
    る工程と、 得られたガム質のコロイド状分散体にホウ砂及びホウ
    酸を混合してゲル化する工程と、を含むことを特徴とす
    る柔軟性ゲル状蓄冷材の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記の工程において、多糖類ガム質及
    びα−化デンプンをプロピレングリコールと混合した
    後、水に混合する請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記の工程において、α−化デンプン
    の替わりにデンプンを使用し、前記の工程において、
    該デンプンをα−化する請求項4記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の柔軟性ゲル状蓄冷材の製
    造に当たり、 多糖類ガム質を水に混合する工程と、 得られた混合物をガム質のコロイド状分散体に調製す
    る工程と、 α−化デンプンと水を混合してα−化デンプンのコロ
    イド状分散体を得る工程と、 前記ガム質のコロイド状分散体に前記α−化デンプン
    のコロイド状分散体を混合する工程と、 得られた混合コロイド状分散体にホウ砂及びホウ酸を
    混合してゲル化する工程と、を含むことを特徴とする柔
    軟性ゲル状蓄冷材の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記の工程において、多糖類ガム質を
    プロピレングリコールと混合した後、水に混合すると請
    求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記の工程において、α−化デンプン
    替わりにデンプンを使用し、加熱処理して、α−化デン
    プンのコロイド状分散体を調製する請求項7記載の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 70〜100℃に加熱しながらゲル化
    を行い、冷却しながら成形を行う請求項4又は7記載の
    柔軟性ゲル状蓄冷材の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の柔軟性ゲル状蓄冷材が
    柔軟性容器に内包されていることを特徴とする柔軟性蓄
    冷パッド。
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