JPS6154075B2

JPS6154075B2 -

Info

Publication number: JPS6154075B2
Application number: JP12915379A
Authority: JP
Inventors: Takuro Handa; Zenichi Totani; Mitsuo Masushige; Makoto Yodo
Original assignee: Asahi Denka Kogyo KK
Current assignee: Adeka Corp
Priority date: 1979-10-05
Filing date: 1979-10-05
Publication date: 1986-11-20
Also published as: JPS5653175A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は冷蔵庫又は冷凍庫中で、あらかじめ冷
却しておいて、必要時に、種々な物や人体を冷や
すのに使用するゲル状蓄冷剤の製造方法に関する
ものである。

従来、蓄冷剤としては、種々のものが提案され
ているが、そのほとんどは水溶性高分子を分散乃
至溶解した常温で流動状のもの又はそれをゲル化
したものを袋や種々の容器に入れたものである。
これら蓄冷剤の中で、常温でゾル状のものは、常
温時に袋、容器類が破損した場合、外へ流れ出し
て被冷却物をぬらしたり、汚したりする点があ
り、そのため、蓄冷剤を常温でゲル状にしたもの
が消費者に好まれるようになつている。また、蓄
冷剤はそれを冷却したものが、充分に被冷却物を
冷却する能力を有していることが必要であり、こ
のためには蓄冷剤に使用される物質は融解熱およ
び比熱が大きいもの程よく、そのような物質とし
て水が最も安価で適している。さらに、蓄冷剤は
特に食品の冷却や人体の頭部が患部を冷却するの
に使用するため、万一、それを入れている袋や容
器が破損して、内容物が食品や人体に接触しても
問題がないような安全性の高いものでなければな
らない。このようなことから、本発明者らは、出
来るだけ多量の水を含有し、常温でゲル状であつ
て、しかも安全性が高い蓄冷剤を得るために種々
の検討を行なつた。

従来から、ゲル状の蓄冷剤は種々提案されてい
るが、安全性、毒性の点で問題があつたり、ま
た、ゲルの耐凍結性が劣り、凍結と解凍をくり返
すと水が分離したり、さらに水分含量が少ない場
合には、凍結と解凍をくり返しによつて水分離は
ないが、冷却能力が小さかつたりして充分に満足
するものは末だ得られていないのである。特に水
分含量を多くすることゲルの耐凍結性を向上する
こととは二律背反的関係にあつて水分含量が多い
程、ゲルの耐凍結性は悪くなり、ゲルの耐凍結性
をよくするには水分含量を少なくしなければなら
ない。

本発明者らはこのような二律背反的関係にある
要件をいずれも充分に満足しうるようなゲル体を
得るべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに
至つた。

すなわち、本発明のゲル状蓄冷剤の製造方法は
グアーガムとローカストビーンガムまたはそれら
とカラギーナンとからなるガム質0.5〜４重量
％、α−化デンプン0.2〜２重量％およびプロピ
レングリコール０〜20重量％を含有するコロイド
状水分散体に、塩化カリウム０〜１重量％、ホウ
砂0.01〜0.2重量％およびホウ酸0.01〜0.5重量％
を混合してゲル化することを特徴とする。

以下、本発明をさらに詳細に説明する。

まず、本発明は、ゲル状形成物質としてガム質
0.5〜４重量％とα−化デンプン0.2〜２重量％と
を併用し、さらにガム質としてグアーガムとロー
カストビーンガムまたはそれらとカラギーナンと
を併用することを必須の要件としている。

ガム質とα−化デンプンを併用すると水分含量
が非常に多いにもかかわらず、耐凍結性がすぐ
れ、凍結と解凍をくり返しても水が分離しないよ
うな安定やゲル体が得られるが、さらにガム質と
してグアーガムとローカストビーンガムまたはそ
れとカラギーナンとを併用することにより、より
少量のゲル形成物質で、さらに多量の水を含有す
る安定なゲル体が得られる。

ガム質とα−化デンプンの量は最終生成物全体
に対し、それぞれ0.5〜４重量％、0.2〜４重量％
となる量であり、上記の範囲外になるとゲルの耐
凍結性が劣り、凍結と解凍をくり返すと水が分離
したり、ゾル状になつたり、あるいは蓄冷能力が
悪化したりして好ましくない。ガム質はクアーガ
ムとローカストビーンガムまたはそれらとカラギ
ーナンを併用するが、好ましくはグアーガムの量
が0.3〜３重量％、ローカストビーンガムの量が
0.2〜２重量％となるように併用するか、又はグ
アーガムとローカストビーンガムとカラギーナン
の３種を、それぞれ0.2〜２重量％、0.1〜1.5重量
％、0.1〜1.5重量％で併用するとよい。

次にプロピレングリコールは必須の成分ではな
いがガム質又はα−化デンプンを水に分散させる
ためこれらをまず、プロピレングリコールで湿潤
させ、水を混合すればガム質およびα−化デンプ
ンの均質な分散体を容易に調製でき、またゲルの
凝固点を下げるのに役立つが量が増加するとゲル
体の熱容量が小さくなり蓄冷剤としての機能がそ
こなわれる。

本発明においてゲル形成物質のコロイド状水分
散体を調製する好ましい方法は、ガム質を少量の
プロピレングリコールで湿潤させ、その後、水を
混合し、好ましくは70〜100℃、特に好ましくは
80〜90℃に加熱撹拌し、ガム質のコロイド状水分
散体を調製し、それとは別にデンプンを水と混合
後、熱処理するかまたはα−化デンプンを水と混
合するかしてα−化デンプンのコロイド状水分散
体を調製して、両者を混合する方法、ガム質とデ
ンプン又はα−化デンプンを少量のプロピレング
リコールで湿潤させ、その後水を混合し、好まし
くは70〜100℃特に好ましくは80〜90℃で加熱撹
拌する方法である。

α−化デンプンとしては、例えばコーンスター
チ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、
タピオカ澱粉等の種々のデンプンをα−化して使
用することができ、上記のデンプンをα−化した
種々の市販のα−化デンプンを使用できる。この
ようにして調製されたガム質およびα−化デンプ
ンのコロイド状水分散体は均質になるように充分
に混合し、またガム質、α−化デンプンが充分に
水和するように、好ましくは70〜100℃特に好ま
しくは80〜90℃に加熱して一定の時間、撹拌混合
を続ける必要がある。

次いで、コロイド状水分散体にホウ砂およびホ
ウ酸またはガム質としてカラギーナンを使用した
場合は塩化カリウムを混合し、コロイド状水分散
体をゲル化させる。この場合、ゲル化の程度が非
常に重要であり、ゲル化の程度が強すぎるとゲル
の凍結、解凍をくり返した場合、水が分離し、逆
にゲル化の程度が弱すぎると、それを封入した
袋、容器が破損した場合、内容物が外へ流れ出さ
れてしまうようなゲルになつて本発明の目的とす
る蓄冷剤として好ましくない。

本発明者らは、ホウ砂およびホウ酸又はそれら
と塩化カリウムによるゲル化について検討を進め
る中で、塩化カリウム０〜１重量％、ホウ砂0.01
〜0.2重量％およびホウ酸0.01〜0.5重量％を使用
することにより、好ましい性能のゲルが得られる
ことを見い出した。

塩化カリウム、ホウ砂、ホウ酸は徴粉末の状態
でガム質、α−化デンプンの水性分散体に混合し
てもよいが、水に溶解して混合することが好まし
く、それらは同時に添加混合してもよいが、ま
ず、塩化カリウムを混合後、ホウ酸およびホウ砂
を同時にガム質およびα−化デンプンのコロイド
状分散体に混合するのが好ましい。

本発明のゲル状蓄冷剤を製造する際の各種成分
の特に好ましい量的範囲を示せば次のとおりであ
る。

グアーガム 0.4 〜1.5重量％ローカストビーンガム 0.2 〜1.5 カラギーナン 0.1 〜0.8 α−化デンプン 0.3 〜1.0 塩化カリウム 0.1 〜0.5 ホウ砂 0.03〜0.1 ホウ酸 0.08〜0.2 プロピレングリコール 0.5 〜５水バランス本発明で得られる蓄冷剤には、着色料、香料、
防腐防黴剤、殺菌剤、凝固点降下剤、結晶生成、
抑制剤等その他の種々の成分を含有せしめること
ができる。

特に、０℃より低い温度に冷却しておく物を冷
却するのに使用する蓄冷剤を製造する場合は、例
えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の凝固点
降下剤を使用して、適当な温度で凝固するように
コントロールすればよい。

また、最近、種々の可逆的熱変色物質が開発さ
れているので、このような物質を本発明のゲル状
蓄冷剤の中に分散させ、蓄冷剤の温度をすぐに知
りうるようにすることもできる。

本発明で得られるゲル状蓄冷剤は容器が被損し
ても外部へ流れ出すこともなく、たとえ、容器外
へ出たとしても、ゲル体であるから簡単に除去で
き、食品と直線接触しても、そのゲル体は安全性
が高く、問題がない。

また、多量の水を含有しているため熱容量がき
わめて大きいので冷却能力が大きく、さらに凍
結、解凍をくり返しても水分離を起こさず、きわ
めて耐凍結性のすぐれたものである。

本発明で得られるゲル状蓄冷剤は、例えば合成
樹脂製の種々の形状の袋や容器に入れて、人体の
頭部、患部を冷やしたり、種々の食品の保存、運
送の冷却に使用したり、また種々のレジヤーの冷
却媒体として使用できる。

特に、最近の省エネルギー問題との関係で、夜
間電力の利用や、天然ガス冷熱の利用がさけばれ
ている中で冷熱の貯蔵、運搬媒体としてきわめて
有用なものである。

以下に、実施例をあげて、本発明をさらに詳細
に説明する。

実施例１グアーガム３重量部、ローカストビーンガム１
重量部、カラギーナン１重量部にプロピレングリ
コール５重量部を添加湿潤後、水500重量部を添
加混合し、フラスコで約30分間、80℃にて加熱撹
拌をつづけ、ガム質のコロイド状水分散体を調製
する。

一方、コーンスターチ２重量部を水50重量部に
分散した後約90℃に加熱してα−化デンプンの水
分散体を調製する。

このようにして調製されたα−化デンプンの水
分散体を上記のガム質のコロイド状水分散体に添
加し、フラスコ中で均質な状態になるまで撹拌混
合し、しかる後、塩化カリウム１重量部を水25重
量部に溶解し、これを上記水分散体に添加し、更
に撹拌混合を続ける。その後ホウ砂0.2重量部、
ホウ酸0.5重量部を水25重量部に溶解して得られ
る水溶液を上記水分散体に添加し、約90℃に加熱
撹拌混合して、ゲル状蓄冷剤を得た。

比較例１グアーガムのみを５重量部にプロピレングリコ
ール５重量部を添加、湿潤後、水500重量部を添
加混合し、フラスコで約30分間80℃にて加熱、撹
拌をつづけ、ガム質のコロイド状水分散体を調製
する。

一方、コーンスターチ２重量部を水50重量部に
分散した後約90℃に加熱して、α−化デンプンの
水分散体を調製する。

このようにして調製されたα−化デンプンの水
分散体を上記のガム質のコロイド状水分散体に添
加し、フラスコ中で均質な状態になるまで撹拌混
合し、しかる後、ホウ砂0.2重量部、ホウ酸0.5重
量部を水50重量部に溶解して得られる水溶液を上
記水分散体に添加し、約90℃に加熱、撹拌、混合
して、ゲル状蓄冷剤を得た。

実施例２グアーガム2.5重量部、ローカストビーンガム
2.5重量部にプロピレングリコール５重量部を添
加、湿潤後、水300重量部を添加混合し、フラス
コで約30分間80℃にて加熱、撹拌をつづけ、ガム
質のコロイド状水分散体を調製する。

一方、コンスターチ２重量部を水50重量部に分
散した後、約90℃に加熱してα−化デン粉の水分
散体を調製する。

このようにして調製されたα−化デン粉の水分
散体を上記ガム質のコロイド状水分散体に添加
し、フラスコ中で均質な状態になるまで撹拌混合
し、しかる後ホウ砂0.2重量部、ソルビン酸0.1重
量部を水50重量部に溶解して得られる水溶液を上
記水分散体に添加し、約90℃に加熱撹拌混合し
て、ゲル状蓄冷剤を得た。

実施例１および２と比較例１で得られたゲル状
蓄冷剤を一定量ずつポリエチレンラミネート製袋
内に充填し、−18℃の冷凍庫中で凍結後、室温放
置して解凍する試験をくり返し、ゲル状蓄冷剤の
安定性（耐凍結性）を比較した結果、実施例１お
よび２で得られたゲル状蓄冷剤は比較例１で得ら
れたゲル状蓄冷体より室温でのゲルの硬さ、強度
（弾性）においてすぐれており、実施例１および
２で得られたゲル状蓄冷体は凍結−解凍の15回の
くり返しでも離水が認められなかつたのに対し、
比較例１で得られたゲル状蓄冷体は凍結−解凍を
１回行つただけで水の分離が生じた。

Claims

【特許請求の範囲】

１グアーガムとローカストビーンガムまたはそ
れらとカラギーナンとからなるガム質0.5〜４重
量％（最終生成物全体に対する割合、以下同
じ）、α−化デンプン0.2〜２重量％およびプロピ
レングリコール０〜20重量％を含有するコロイド
状水分散体に、塩化カリウム０〜１重量％、ホウ
砂0.01〜0.2重量％およびホウ酸0.01〜0.5重量％
を混合してゲル化することを特徴とするゲル状蓄
冷剤の製造方法。