JP2004180631A - 冷菓 - Google Patents

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Takehiko Sakai
武彦 酒井
Aya Miura
亜矢 三浦
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Abstract

【課題】冷菓の通常の食感を保ちつつ、喫食の際に溶解して液だれが生じるのを防止することができる冷菓を提供することである。
【解決手段】喫食の際にゲル化された状態であるように調整されているゲル化剤が含まれていることを特徴とする冷菓である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液だれが生じるのを防止することができるアイスクリーム及びソフトクリームなど冷菓に関する。
【0002】
【従来の技術】
アイスクリーム、ソフトクリーム等の冷菓は、夏場の代表的な嗜好品として、老若男女を問わず広く食されている。これら冷菓は、凍結しているので、食する事により体を冷やし、夏場の高温環境の不快感を抑えるという長所を有するが、この最大の長所である凍結しているという性質は、液だれを生じて周囲の環境を汚染してしまうという問題を伴う。具体的には、流通時などにおける温度上昇により溶解してしまい液だれを生じて食感を損ねたり、ソフトクリームのように用事調整しテイクアウトを行うものにおいては、喫食までの温度変化により液だれが生じて手や足を汚してしまうことがある。
【0003】
一方、ペクチン、カラギナン、ゼラチン、ローカストビーンガムなどの増粘剤、ゲル化剤が添加されたアイスクリームなどがある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−296842号公報
【0005】
【課題を解決しようとする課題】
しかしながら、このようにこれまで使用されているゲル化剤のゲル化力により保形性を保持させようとしても、その後に、含気量の引上げ、すなわちオーバーラン量の引上げ工程上で冷却を行いながら撹拌が行われるため、一旦形成されたゲルが破壊されてしまい、溶解時における保形性が保たれないばかりかざらついた食感になってしまうという問題がある。さらに、2価陽イオンと反応してゲル化を生じさせるゲル化剤を製造中の冷菓に添加することも考えられるが、ゲル化剤が2価陽イオンと反応してプリセットを生じさせてしまい、適度なゲルを形成できないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、冷菓の通常の食感を保ちつつ、喫食の際に溶解して液だれが生じるのを防止することができる冷菓を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、喫食の際にゲル化された状態であるように調整されているゲル化剤を含ませることにより、冷菓の通常の食感を保ちつつ、喫食の際に溶解して液だれを生じるのを防止することができることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明に係る冷菓は、喫食の際にゲル化された状態であるように調整されているゲル化剤を含ませているので、食感が損なわれることはなく、また、喫食の際に溶解して液だれが生じるのを防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る冷菓は、含気量が10〜200%であることが好ましく、このような含気量にすることにより、ソフトな食感や、スプーン通りの良さを確保することができ、通常の食感を保つことができる。
【0010】
また、本発明に係る冷菓は、高さ2.5cm、直径5cmの円柱状に成型されたものを−30℃の状態から外温30℃で30分間放置した際にその高さが50%以上の残存率になるように調整されていることが好ましく、同様に15分間放置した際にその高さが80%以上の残存率になるように調整されていることが好ましく、さらに同様に10分間放置した際にその高さが90%以上の残存率になるように調整されていることが好ましい。このような高さの残存率であれば、液だれが生じるのを充分に防止することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る冷菓は、高さ2.5cm、直径5cmの円柱状に成型されたものを−30℃の状態から外温30℃で30分間放置した際の液だれの重量が総重量の20%以下になるように調整されていることが好ましく、同様に15分間放置した際の液だれの重量が総重量の5%以下であることが好ましく、さらに同様に10分間放置した際の液だれの重量が総重量の3%以下であることが好ましい。
【0012】
またさらに、本発明に係る冷菓は、前記ゲル化剤が、ゲル化の発現が遅延するように調整されていることが好ましく、特に含気量の引上げ工程後にゲル化を生じさせるように調整されていることが好ましい。このように含気量の引上げ工程後にゲル化を生じさせるように調整されているゲル化剤を用いることにより、含気量の引上げ工程の際にはゲル化が生じていないので、食感が損なわれることはなく、又その後にゲル化が生じるので、喫食の際に溶解して液だれが生じるのを防止することができる。
【0013】
本発明に係る冷菓としては、カルシウムなど水溶性の2価の陽イオンが含まれていれば良く、乳脂肪、脱脂粉乳、全脂粉乳などの乳由来の原料からなるアイスクリームなどの他、フルーツピューレなどからなるものであっても良い。
【0014】
本発明に係る冷菓において、前記ゲル化剤は、前記2価の陽イオンと反応してゲル化を生じさせるものであることが好ましく、例えばジェランガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギナンなどがある。
【0015】
これらゲル化剤は、低分子量に調整することにより、又はキレート剤を加えることにより、ゲル化の発現が遅延するよう、又は含気量の引上げ工程後にゲル化を生じさせるように調整されている。例えば、低分子量に調整されているゲル化剤としては、平均分子量10000乃至1000000のアルギン酸ナトリウム又は平均分子量50000から300000のローメトキシルペクチン(LMペクチン)などが含まれており、キレート剤が加えられたゲル化剤としては、平均分子量1000000乃至3000000のアルギン酸ナトリウム又は平均分子量300000から900000のローメトキシルペクチン(LMペクチン)に、キレート剤が添加されているものなどがある。
【0016】
低分子量に調整されているゲル化剤は、ゲル化力が弱められているため、2価陽イオンとの反応が穏やかになり、冷菓の原液とゲル化剤を混合した際にプリセットが生じずに滑らかなゲルを形成する。また、混合してからおよそ10分後までという短時間で穏やかにゲル化を生じるため、冷菓の原液とゲル化剤を混合した後に即時に冷菓を作製すると、喫食の際に溶解するタイミングでゲル化が生じて液だれが生じるのを防止することができる。さらに、これらはゲル化力が弱いため、ゲル化の影響で食感が損なわれることなく、液だれを抑制することができる。
【0017】
この低分子量に調整されているゲル化剤の含有量は、0.1%から30%であることが好ましく、これらの濃度に合致しない場合には充分な保形性が得られなかったり、食感が損なわれたりする。また、低分子量に調整されているゲル化剤は、ゲル化剤を酸、アルカリ、熱又は酵素などによって分解することにより得ることができる。
【0018】
また、キレート剤が添加されたゲル化剤は、2価陽イオンと激しく反応するのを抑えて、プリセットを生じるのを防止することができる。本発明に係る冷菓において、キレート剤は食品に使用できるものであれば良く、例えば、メタリン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどがある。
【0019】
本発明に係る冷菓は、先ず、冷菓の原液とゲル化剤を別々に作製し、冷菓の原液にエージングを施した後にゲル化剤を加え、その後含気量の引上げ工程を行うことにより製造される。
【0020】
また、ゲル化剤にキレート剤を加える場合、キレート剤の効力を薄れさせてゲル化を発現させるため、含気量の引上げ工程後に−30℃〜0℃の範囲で冷凍保存する必要がある。
【0021】
さらに、本発明に係る冷菓において、前記ゲル化剤は、再ゲル化することにより喫食の際にゲル化された状態であるように調整されていることが好ましく、ゲルが崩れた後に再ゲル化するよう調整されていることが好ましい。このようなゲル化剤を用いることにより含気量の引上げ工程後にもゲル化を生じさせることができるので、喫食の際に溶解して液だれが生ずるのを防止することができる。更に再ゲル化するため、破壊されたゲル粒子が引き起こすざらついた食感が生じることがない。
【0022】
前記ゲル化剤は、キサンタンガムと、ガラクトマンナン及びグルコマンナンのうち1以上と、を含ませることにより、再ゲル化するように調整されている。ガラクトマンナンとしては、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、カシアガム、フェヌグリークガムなどがあり、グルコマンナンとしては、コンニャクマンナンなどがある。
【0023】
本発明に係る冷菓において、ゲル化剤は、食感の改善、コスト削減などの目的に併せて複数を併用することができ、また、カラギナン、ファーセレラン、コンニャクマンナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、カシアガム、フェヌグリークガム、タマリンドガム、アラビアガム、ハイメトキシルペクチン(HMぺクチン)、サイリウムシードガム、カラヤガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、ゼラチン、大豆多糖類といった水溶性ヘミセルロースなどの他の増粘剤、ゲル化剤、また澱粉、寒天、イヌリン、デキストリンなどの食品素材を併用することにより食感の改善を図ることができる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明に係る冷菓の実施例について説明する。先ず、表1に示す割合で冷菓の原料1乃至3を得た。
【0025】
【表1】
Figure 2004180631
【0026】
実施例1乃至3
次に、原料1乃至3を加熱溶解した後、4℃で3時間エージングし、同時に、ゲル化剤である分子量210000のアルギン酸ナトリウム((株)キミカ製)を水に加熱溶解することにより10%ゲル化剤溶液aを得て、次いで、エージングされた原料1乃至3溶液90部とゲル化剤溶液a10部を混合した後に、これらをアイスクリーマーにかけることにより、含気量(オーバーラン量)が約70のアイスクリームを実施例1乃至3として得た。
【0027】
また、原料1を加熱溶解した後、4℃で3時間エージングし、その後、アイスクリーマーにかけることにより、含気量(オーバーラン量)が約70のアイスクリームを比較例1として得た。
【0028】
次に、実施例1及び比較例1に係るアイスクリームを30分間室温放置した。実施例1に係るアイスクリームの放置前と30分放置後の写真を図1及び2に示し、比較例1に係るアイスクリームの放置前と30分放置後の写真を図3及び4に示す。図1乃至4から明らかなように、実施例1乃至3は、室温30℃で30分放置しても保形性を保っていたのに対して、比較例1は溶解して液状になってしまった。
【0029】
また、これらの放置前及び30分間放置(約30℃)後のものの構造を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所:S−4200)によって観察した。実施例1に係るアイスクリームの放置前と30分放置後の走査型電子顕微鏡写真を図5及び6に示し、比較例1に係るアイスクリームの放置前と30分放置後の走査型電子顕微鏡写真を図7及び8に示す。図5乃至8から明らかなように、放置前においては、両者の構造に顕著な差は観察されなかったが、30分放置後においては、比較例1にかかるアイスクリームにおいては観察されない網目構造が実施例1に係るアイスクリームで観察された。
【0030】
また、放置前及び30分間放置後の実施例1及び比較例1に係るアイスクリームについて、レオメーター((株)サン科学製:SUN REOMETER CR−100)を用いてアイスクリームの品温−8℃、−6℃、−4℃、−2℃、0℃、2℃、及び10℃ごとの強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
Figure 2004180631
【0032】
品温−2℃において比較例1に係るアイスクリームは、殆ど強度が無くなってしまうのに対して、実施例1に係るアイスクリームは、75g/cmの強度を示した。
【0033】
溶解の度合いを比較するために、表3で示される成分の市販冷菓を比較例2乃至5として用いた。
【0034】
【表3】
Figure 2004180631
【0035】
実施例1及び比較例2乃至5に係るアイスクリームを高さ2.5cm、直径5cmのカップに充填し、−30℃で60分間冷凍保存することにより保形した後に取り出し、外温30℃にて溶解による保形性の差異を、冷菓の高さを測定する事により比較した。その結果を図9に示す。図9に示すように、実施例1の冷菓は、10分後の高さの残存率が100%、15分後の高さの残存率が96%、30分後の高さの残存率が68%であるのに対して、比較例2乃至5は、10分後の高さの残存率が64乃至86%、15分後の高さの残存率が60乃至77%、30分後の高さの残存率が0乃至28%であった。
【0036】
実施例1及び比較例2乃至5に係るアイスクリームを高さ2.5cm、直径5cmのカップに充填し、−30℃で60分間冷凍保存することにより保形した後に取り出し、外温30℃にて溶解による保形性の差異を、冷菓の液だれの量を測定する事により比較した。その結果を図10に示す。図10に示すように、実施例1の冷菓は、10分〜30分後の液だれの量が0%であるのに対して、比較例2乃至5は、10分後の液だれの量が6乃至13%、15分後の液だれの量が10乃至19%、30分後の液だれの量が27乃至46%であった。
【0037】
次に、含気量の引上げ工程前にゲル化させた場合を想定して、実施例1の処方で原料1とゲル化剤溶液aを混合した後に即座にアイスクリーマーへかけるのではなく、4℃で1晩静置を行い充分にゲル化させたものをペースト化してアイスクリーマーへかけることにより比較例6を得た。
【0038】
比較例6に係るアイスクリームを室温放置(約30℃)したところ、ゲルが破壊されているために充分な保形力が得られず、溶解して液だれを生じた。
【0039】
次に、原料1を加熱溶解した後、4℃で3時間エージングし、同時に。一般的に安定剤として用いられている増粘多糖類であるイオタ型カラギナン((株)CPケルコ製)1%を加熱溶解することによりゲル化剤溶液Bを得て、次いで、エージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液B10部を混合した後にアイスクリーマーにかけることにより、含気量(オーバーラン量)が約70のアイスクリームを比較例7として得た
【0040】
この比較例7に係るアイスクリームを30分間室温放置(約30℃)したところ、溶出して形状を保つことはできなかった。
【0041】
次に、本発明に係るアイスクリームの食感の特性を示すために、実施例1、比較例1、比較例7の比較を行った。評価は、パネラー20名による官能検査により行い、各被験者が次の5段階で判定した結果を平均したものを表4に示す。なお、比較例7は一般的に増粘多糖類が添加されているアイスクリームとの比較として用いた。
【0042】
【表4】
Figure 2004180631
【0043】
本発明における実施例1は、安定剤を使用していない比較例1よりもこくがあると同時に、一般的に使用されている増粘多糖類が添加されている比較例7よりも糊状感が少ないことが示された。また風味も比較例7よりも良好で味立ちが良く、比較例1と著しい差異は見られなかった。
【0044】
実施例4
次に、原料1の溶液を加熱溶解し、4℃で3時間エージングし、同時に、ゲル化剤として、分子量1600000のアルギン酸ナトリウム((株)キミカ製)3%とメタリン酸ナトリウム2%を水に混合し加熱溶解することによりゲル化剤溶液cを作製し、次いでエージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液c10部を混合した後にアイスクリーマーにかけて含気量(オーバーラン量)を約70にし、次いで−30℃、−20℃又は−10℃で14日間冷凍保存することにより、実施例4に係るアイスクリームを得た。
【0045】
これら実施例4に係るアイスクリームを30分間の室温放置(約30℃)をして溶解した際に液だれが生じるか否かを観察した。その結果、キレート剤の影響が薄れることにより、いずれもが液だれを生じず、形状を保つことができることが確認された。
【0046】
また、原料1を加熱溶解した後、4℃で3時間エージングし、同時に分子量1600000のアルギン酸ナトリウム((株)キミカ製)3%を加熱溶解することによりゲル化剤溶液dを得て、次いで、エージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液d10部を混合した後にアイスクリーマーにかけることにより、オーバーランが約70のアイスクリームを比較例8として得た。
【0047】
この比較例8に係るアイスクリームは、原料1溶液90部とゲル化剤溶液d10部を混合した際にプリセットを生じ、結果としては30分間室温放置(約30℃)したところ、溶出して形状を保つことはできなかった。これは低分子量のアルギン酸ナトリウムを使用せず、またキレート剤も添加しなかったためと考えられる。
【0048】
実施例5
次に、原料1を加熱溶解した後、4℃で3時間エージングし、同時に分子量280000のペクチンを加熱溶解することにより10%のゲル化剤溶液eを得て、次いで、エージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液e10部を混合した後にアイスクリーマーにかけることにより、含気量(オーバーラン量)が約70のアイスクリームを実施例5として得た。
【0049】
この実施例5に係るアイスクリームを30分間室温放置(約30℃)したところ、液だれが生じず、形状を保つことができることが確認された。
【0050】
実施例6
次に、原料1の溶液を加熱溶解し、4℃で3時間エージングし、同時に、ゲル化剤として、分子量551000のペクチン((株)CPケルコ製)3%とメタリン酸ナトリウム1%を水に混合し加熱溶解することによりゲル化剤溶液fを作製し、次いでエージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液f10部を混合した後にアイスクリーマーにかけて含気量(オーバーラン量)を約70にし、次いで−30℃、−20℃又は−10℃で14日間冷凍保存することにより、実施例6に係るアイスクリームを得た。
【0051】
これら実施例6に係るアイスクリームを30分間の室温放置(約30℃)をして溶解した際に液だれが生じるか否かを観察した。その結果、キレート剤が薄れることにより、いずれもが液だれを生じず、形状を保つことができることが確認された。
【0052】
また、原料1を加熱溶解した後、4℃で3時間エージングし、同時に分子量551000のペクチン((株)CPケルコ製)3%を加熱溶解することによりゲル化剤溶液gを得て、次いで、エージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液g10部を混合した後にアイスクリーマーにかけることにより、含気量(オーバーラン量)が約70のアイスクリームを比較例9として得た。
【0053】
この比較例9に係るアイスクリームは、原料1溶液90部とゲル化剤溶液g10部を混合した際にプリセットを生じ、結果としては30分間室温放置(約30℃)したところ、溶出して形状を保つことはできなかった。
【0054】
実施例7及び8
次に、原料1を加熱溶解した後、4℃で3時間エージングし、同時にキサンタンガム(伊那食品工業(株)製:イナゲルV−10)1.5%、コンニャクマンナン(伊那食品工業(株)製:マンナン100)1.5%を加熱溶解することによりゲル化剤溶液hを得て、次いで、エージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液h10部を混合した後すぐにアイスクリーマーにかけることにより、含気量(オーバーラン量)が約70のアイスクリームを実施例7として得た。また、エージングされた原料1溶液90部とゲル化剤溶液h10部を混合したものを4℃で1晩静置することによって十分にゲル化させ、それをペースト化してアイスクリーマーへかけることにより実施例8を得た。
【0055】
この実施例7及び8に係るアイスクリームを30分間室温放置(約30℃)したところ、液だれが生じず、形状を保つことができることが確認された。このことから、実施例8に係るアイスクリームは、含気量の引上げ工程前からゲル化が生じているが、含気量の引上げ後に再ゲル化が生じていると考えることができ、同様に実施例7に係るアイスクリームも含気量の引上げ工程後に再ゲル化が生じているものと考えることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る冷菓によれば、喫食の際にゲル化された状態であるように調整されているゲル化剤を含有させることにより、冷菓の通常の食感を保ちつつ、喫食の際に溶解して液だれが生じるのを防止することができる冷菓を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るアイスクリームの放置前の写真である。
【図2】実施例1に係るアイスクリームの30分放置後の写真である。
【図3】比較例1に係るアイスクリームの放置前の写真である。
【図4】比較例1に係るアイスクリームの30分放置後の写真である。
【図5】実施例1に係るアイスクリームの放置前の走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例1に係るアイスクリームの30分放置後の走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】比較例1に係るアイスクリームの放置前の走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】比較例1に係るアイスクリームの30分放置後の走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例1及び比較例2乃至5に係るアイスクリーム(高さ2.5cm、直径5cm)を30℃で30分放置した際の高さの残存率のグラフである。
【図10】実施例1及び比較例2乃至5に係るアイスクリーム(高さ2.5cm、直径5cm)を30℃で30分放置した際の液だれの量のグラフである。

Claims (16)

  1. 喫食の際にゲル化された状態であるように調整されているゲル化剤が含まれていることを特徴とする冷菓。
  2. 含気量が10〜200%であることを特徴とする請求項1記載の冷菓。
  3. 高さ2.5cm、直径5cmの円柱状に成型されたものを−30℃の状態から外温30℃で30分間放置した際にその高さが50%以上の残存率になるよう調整されていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷菓。
  4. 高さ2.5cm、直径5cmの円柱状に成型されたものを−30℃の状態から外温30℃で15分間放置した際にその高さが80%以上の残存率になるよう調整されていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷菓。
  5. 高さ2.5cm、直径5cmの円柱状に成型されたものを−30℃の状態から外温30℃で30分間放置した際に液だれの重量が総重量の20%以下になるように調整されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の冷菓。
  6. 高さ2.5cm、直径5cmの円柱状に成型されたものを−30℃の状態から外温30℃で15分間放置した際に液だれの重量が総重量の5%以下になるように調整されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の冷菓。
  7. 水溶性の2価の陽イオンが含まれており、前記ゲル化剤は、該2価の陽イオンと反応してゲル化を生じさせるように調整されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の冷菓。
  8. 前記ゲル化剤は、ゲル化の発現が遅延するように調整されている請求項1乃至7いずれか記載の冷菓。
  9. 含気量の引上げ工程後にゲル化を生じさせるように調整されているゲル化剤が含まれていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載の冷菓。
  10. 前記ゲル化剤は、低分子量に調整されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の冷菓。
  11. 前記ゲル化剤は、平均分子量10000乃至1000000のアルギン酸ナトリウム又は平均分子量50000乃至300000のローメトキシルペクチンが含まれていることを特徴とする請求項10記載の冷菓。
  12. 前記ゲル化剤は、キレート剤が添加されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の冷菓。
  13. 前記ゲル化剤は、平均分子量1000000乃至3000000のアルギン酸ナトリウム又は平均分子量300000乃至900000のローメトキシルペクチンに、キレート剤が添加されているものが含まれていることを特徴とする請求項12記載の冷菓。
  14. 前記ゲル化剤は、再ゲル化することにより喫食の際にゲル化された状態であるように調整されていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の冷菓。
  15. 前記ゲル化剤は、ゲルが崩れた後に再ゲル化するよう調整されていることを特徴とする請求項14記載の冷菓。
  16. 前記ゲル化剤は、キサンタンガムと、ガラクトマンナン及びグルコマンナンのうち1以上と、を含んでいることを特徴とする請求項14又は15記載の冷菓。
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