JPH10265627A - スパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

スパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹脂組成物

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JPH10265627A
JPH10265627A JP7181997A JP7181997A JPH10265627A JP H10265627 A JPH10265627 A JP H10265627A JP 7181997 A JP7181997 A JP 7181997A JP 7181997 A JP7181997 A JP 7181997A JP H10265627 A JPH10265627 A JP H10265627A
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JP
Japan
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polypropylene resin
weight
butyl
nonwoven fabric
resin composition
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Application number
JP7181997A
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English (en)
Inventor
Sueo Nakano
野 末 郎 中
Kazuya Okada
田 和 也 岡
Kei Takada
田 慶 高
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Grand Polymer Co Ltd
Original Assignee
Grand Polymer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のスパンボンド法不織布用ポリプロ
ピレン樹脂組成物は、メルトフローレートが1〜500
g/10分であるポリプロピレン樹脂100重量部に対
し、ハイドロタルサイト類0.01〜0.20重量部、
および必要に応じステアリン酸金属塩0.005〜0.
05重量部を含有してなることを特徴としている。この
組成物中には、フェノール系、リン系またはイオウ系酸
化防止剤が含有されていてもよい。 【効果】上記組成物は、紡糸ノズルからの発煙が抑制さ
れ、しかも紡糸性を損なうことなくスパンボンド法不織
布を製造することができるので、高品質の不織布を歩留
まりよく生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、スパンボンド法不織布用
ポリプロピレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】スパンボンド法不織布は、既製の
繊維を用いないで、溶融紡糸と同時にウェッブを作り、
ウェッブをニードルパンチないし融着させて製造され
る。その際、空気流や水流、あるいは遠心力を利用して
紡糸繊維を引き出して延伸するとともに、引き出された
繊維をコンベアーなどで受け止めてシート状ウェッブに
する。このようなスパンボンド法による不織布は、生産
性が高く、しかも機械的強度が大きく柔らかい風合いを
有するので、ポリプロピレン繊維からなる不織布は、ス
パンボンド法により製造されることが多くなってきた。
【0003】このポリプロピレン樹脂製のスパンボンド
法不織布の生産時に、紡糸ノズル付近から煙が発生する
ことがあり、この発煙は生産量が増えるにつれ顕著にな
る。また、その煙が冷却によって凝集してフィラメント
やシートに付着し、変色を引き起こすことがあった。そ
の結果、正規品の歩留まりを悪化させることにつながっ
ていった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、紡糸ノズルから
の発煙が抑制され、しかも紡糸性を損なうことなくスパ
ンボンド法不織布を製造することができるポリプロピレ
ン樹脂組成物を提供することを目的としている。さらに
変色しにくいポリプロピレン樹脂組成物の提供を目的と
している。
【0005】
【発明の概要】本発明に係るスパンボンド法不織布用ポ
リプロピレン樹脂組成物は、メルトフローレート(ASTM
D 1238,230℃、荷重2.16kg)が1〜500g/10分
であるポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対し、
ハイドロタルサイト類(B)0.01〜0.20重量部
を含有してなることを特徴としている。
【0006】前記ハイドロタルサイト類(B)は、Zn
を含む化合物が好ましい。
【0007】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るスパンボンド
法不織布用ポリプロピレン樹脂組成物について具体的に
説明する。
【0008】本発明に係るスパンボンド法不織布用ポリ
プロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂(A)
と、ハイドロタルサイト類(B)とを含有している。さ
らに、ステアリン酸金属塩(C)を配合することができ
る。この組成物中には、酸化防止剤、たとえばフェノー
ル系、リン系、イオウ系酸化防止剤が含有されていても
よい。
【0009】ポリプロピレン樹脂(A) 本発明で用いられるポリプロピレン樹脂(A)は、メル
トフローレート(MFR;ASTM D 1238,230℃、荷重2.
16kg)が1〜500g/10分、好ましくは15〜20
0g/10分の範囲内にある。メルトフローレートが上
記のような範囲にあるポリプロピレン樹脂(A)を用い
ると、押出機のスクリューへの負荷が小さく、しかも紡
糸性に優れたポリプロピレン樹脂組成物が得られる。し
かも、紡糸されたポリプロピレン繊維は、ドラフト性な
いし延伸性に優れ、機械的強度が高い。
【0010】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂
(A)としては、具体的には、プロピレン単独重合体;
プロピレンとエチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチ
ル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン等の炭素原子
数3〜20のα- オレフィンとの結晶性ランダム共重合
体もしくは結晶性ブロック共重合体などが挙げられる。
【0011】これらのポリプロピレン樹脂は、単独、あ
るいは2種以上組み合わせて用いることができるし、ま
たポリエチレン等の他のオレフィン樹脂を少量配合する
こともできる。
【0012】ハイドロタルサイト類(B) 本発明で用いられるハイドロタルサイト類(B)は、一
般に Mg6Al2(OH)16・CO3・4H2O、 Mg4Al2(OH)12・CO3・3H2O 等の化学式で記載される複合無機化学物質である。
【0013】また、前記化学式において亜鉛が入った
[Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O]等の化学
式で記載されるハイドロタルサイトも使用される。これ
らは、例えば協和化学(株)より、Mg4Al2(OH)
12・CO3・3H2Oで表わされるハイドロタルサイト類
として、DHT−4A、Mg3ZnAl2(OH)12CO
3・mH2Oで表わされるハイドロタルサイト類として、
ZHTという商品名で販売されている。
【0014】本発明においては、ハイドロタルサイト類
(B)は、ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対
して、0.01〜0.20重量部、好ましくは0.01
〜0.15重量部、さらに好ましくは0.02〜0.1
0重量部の割合で用いられる。ハイドロタルサイト類
(B)を上記のような割合で用いると、紡糸時の耐発煙
性に優れたポリプロピレン樹脂組成物が得られる。ま
た、特に亜鉛を含むハイドロタルサイト類を用いた場合
には、耐発煙性に加え、溶融状態であっても耐変色性に
優れており、NOxに対する耐変色性にも優れている。
特に本発明では、ステアリン酸金属塩(C)と併用する
と、耐発煙性、耐変色性共に優れた組成物が得られる。
また、その配合量が従来の配合量である0.10〜0.
15重量部より少ない配合量の時に、ハイドロタルサイ
ト類(B)による耐発煙性および耐変色性の効果が顕著
に現れる。
【0015】ステアリン酸金属塩(C) 本発明で用いられるステアリン酸金属塩(C)として
は、具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。
このようなステアリン酸金属塩(C)は、ポリプロピレ
ン樹脂(A)100重量部に対して、0.005〜0.
05重量部、好ましくは0.01〜0.04重量部の割
合で用いられる。この配合量は従来用いられている0.
10〜0.15重量部よりも少なく、この少ない配合量
でハイドロタルサイト類(B)の分散性を助け、かつ潤
滑性に優れたポリプロピレン繊維を紡糸することができ
るポリプロピレン樹脂組成物が得られる。
【0016】その他の成分 本発明に係るスパンボンド不織布用ポリプロピレン樹脂
組成物中に、フェノール系、リン系、イオウ系等の酸化
防止剤、帯電防止剤、滑剤、光安定剤、顔料、分散剤等
の配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲内で含有さ
せることができる。
【0017】上記フェノール系酸化防止剤としては、従
来より市販されているフェノール系酸化防止剤であれば
よく、具体的には、2,6-ジ-t- ブチル-p- クレゾール、
2-t-ブチル-4,6- ジメチルフェノール、2,6-ジ-t- ブチ
ル-4- エチルフェノール、2,6-ジ-t- ブチル-4-n- ブチ
ルフェノール、2,6-ジ- イソブチル-4-n- ブチルフェノ
ール、2,6-ジ- シクロペンチル-4- メチルフェノール、
2-(α- メチルシクロヘキシル)-4,6- ジメチルフェノ
ール、2,6-ジ- オクタデシル-4- メチルフェノール、2,
4,6-トリ- シクロヘキシルフェノール、2,6-ジ- t-ブチ
ル-4- メトキシメチルフェノール、n-オクタデシル-β-
(4'- ヒドロキシ-3',5'- ジ-t- ブチルフェノール)プ
ロピオネート、2,6-ジフェニル-4- オクタデシロキシフ
ェノール、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6- (4-ヒドロ
キシ-3,5- ジ-t- ブチルアニリノ)-1,3,5- トリアジ
ン、2,4,6-トリス(3',5'-ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシ
ベンジルチオ)-1,3,5- トリアジン、2,6-ジ-t- ブチル
-4- メトキシフェノール、2,5-ジ-t- ブチルハイドロキ
ノン、2,5-ジ-t- アミルハイドロキノン、2,2'- チオ-
ビス-(6-t- ブチル-4- メチルフェノール)、2,2'- チ
オ- ビス(4-オクチルフェノール)、2,2'- チオ- ビス
- (6-t-ブチル-3- メチルフェノール)、4,4'- チオ-
ビス(6-t-ブチル-2- メチルフェノール)、2,2'- メチ
レン- ビス-(6-t- ブチル-4- メチルフェノール)、2,
2'- メチレン- ビス- (6-t-ブチル-4-エチルフェノー
ル)、2,2'- メチレン- ビス- {4-メチル-6-(α-メチ
ルシクロヘキシル)- フェノール}、2,2'- メチレン-
ビス- (4-メチル-6- シクロヘキシルフェノール)、2,
2'- メチレン- ビス(6-ノニル-4- メチルフェノー
ル)、2,2'- メチレン- ビス- {6-(α- メチルベンジ
ル)-4- ノニルフェノール}、2,2'- メチレン- ビス-
{6-(α,α-ジメチルベンジル)-4- ノニルフェノー
ル}、2,2'- メチレン- ビス- (4,6-ジ-t- ブチルフェ
ノール)、2,2'- エチリデン- ビス- (4,6-ジ-t- ブチ
ルフェノール)、2,2'- エチリデン- ビス- (6-t-ブチ
ル-4- イソブチルフェノール)、4,4'- メチレン- ビス
- (2,6-ジ-t- ブチルフェノール)、4,4'- メチレン-
ビス- (6-t-ブチル-2- メチルフェノール)、4,4'- ブ
チリデン- ビス- (6-t-ブチル-2- メチルフェノー
ル)、4,4'- ブチリデン- ビス- (6-t-ブチル-3- メチ
ルフェノール)、4,4'- ブチリデン- ビス- (2,6-ジ-t
- ブチルフェノール)、4,4'- ブチリデン- ビス- (3,
6-ジ-t- ブチルフェノール)、1,1-ビス- (5-t-ブチル
-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル)- ブタン、2,6-ジ
-(3-t-ブチル-5- メチル-2- ヒドロキシベンジル)-4-
メチルフェノール、1,1,3-トリス-(5-t-ブチル-4- ヒ
ドロキシ-2- メチルフェニル)- ブタン、ビス{3,3-ビ
ス(4'- ヒドロキシ-3'-t-ブチルフェニル)ブチリック
アシッド}エチレングリコールエステル、ジ-(3-t- ブ
チル-4- ヒドロキシ-5- メチルフェニル)- ジシクロペ
ンタジエン、ジ-{2-(3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-
メチルベンジル)-6-t- ブチル-4- メチルフェニル}テ
レフタレート、1,3,5-トリメチル-2,4,6- トリス(3,5-
ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,
5-トリス- (3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス- (4-t-ブチル-3
- ヒドロキシ-2,6- ジメチルベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5-トリス- {(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシエチル}イソシアヌレ
ート、テトラキス{メチレン-3-(3',5'- ジ-t- ブチル
-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタンなど
が挙げられる。中でも、特にテトラキス{メチレン-3-
(3',5'-ジ-t- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート}メタン、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリ
ス-(4-t-ブチル-3- ヒドロキシ-2,6- ジメチルベンジ
ル)イソシアヌレートが好ましく用いられる。
【0018】これらの酸化防止剤は、単独で、あるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。フェノール
系酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤として機能し、成
形加工性の改善、特に溶融紡糸性に効果がある。成形加
工性の改善は、フェノール系酸化防止剤と、リン系酸化
防止剤および/またはイオウ系酸化防止剤とを組み合わ
せて用いることによって、相乗効果が得られる。
【0019】本発明においては、フェノール系酸化防止
剤は、ポリプロピレン樹脂(A)100重量部に対し
て、0.01〜0.30重量部、好ましくは0.01〜
0.25重量部の割合で用いられる。フェノール系酸化
防止剤を上記のような割合で用いると、溶融押出性に優
れたポリプロピレン繊維を紡糸することができるポリプ
ロピレン樹脂組成物が得られる。
【0020】本発明においては、リン系酸化防止剤を用
いることができる。リン系酸化防止剤としては、従来よ
り市販されているリン系酸化防止剤を用いることができ
るが、具体的には、ジステアリル- ペンタエリスリトー
ル- ジフォスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t- ブチル
フェニル)-4,4'-ビフェニレン- ジ- フォスファイト、
ビス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ル- ジフォスファイト、ビス(2,6-ジ-t- ブチル-4- メ
チルフェニル)ペンタエリスリトール- ジフォスファイ
ト、ビス(2,6-シ゛-t- ブチル-4-n- オクタデシルオキシ
カルボニルエチル- フェニル)ペンタエリスリトール-
ジフォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル)フォスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t- ブ
チルフェニル)オクチルホスファイトなどが挙げられ
る。中でも、特にトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)
フォスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t- ブチル
フェニル)オクチルホスファイトが好ましく用いられ
る。これらのリン系酸化防止剤は、加工安定剤として用
いられ、変色防止効果に優れている。リン系酸化防止剤
は、他の酸化防止剤、たとえばフェノール系酸化防止剤
と併用すると、大きな相乗効果を発揮する。
【0021】リン系酸化防止剤は、ポリプロピレン樹脂
(A)100重量部に対して、0.01〜0.30重量
部、好ましくは0.01〜0.20重量部の割合で用い
られる。リン系酸化防止剤を上記割合で用いると、紡糸
加工性に優れたポリプロピレン樹脂組成物が得られる。
【0022】本発明においては、イオウ系酸化防止剤を
用いることができる。イオウ系酸化防止剤としては、従
来より市販されているイオウ系酸化防止剤を用いること
ができるが、具体的には、ジラウリル-3,3'-チオジプロ
ピオネート、ジミリスチル-3,3'-チオジプロピオネー
ト、ジステアリル-3,3'-チオジプロピオネート、ペンタ
エリスリトール- テトラキス(3-ラウリルチオプロピオ
ネート)などが挙げられる。
【0023】これらのイオウ系酸化防止剤は、耐熱安定
性向上剤としてフェノール系酸化防止剤と併用すると、
大きな相乗効果を発揮する。また、イオウ系酸化防止剤
は、熱時の変色防止効果に優れている。
【0024】イオウ系酸化防止剤は、ポリプロピレン樹
脂(A)100重量部に対して、0.01〜0.30重
量部、好ましくは0.01〜0.20重量部の割合で用
いられる。
【0025】スパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹
脂組成物 本発明に係るスパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹
脂組成物は、ポリプロピレン樹脂(A)に、ハイドロタ
ルサイト類(B)、および必要に応じステアリン酸金属
塩(C)、酸化防止剤等の添加剤を共に配合し、たとえ
ばヘンシェルミキサー、ブレンダーなどを用いて、これ
らの成分が分解しない温度で混合した後、単軸押出機、
二軸押出機などを用いて溶融混練し、ペレット化するこ
とによって得られる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係るスパンボンド法不織布用ポ
リプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂にハイ
ドロタルサイト類が配合されてなるので、紡糸ノズルか
らの発煙が抑制され、しかも紡糸性を損なうことなくス
パンボンド法不織布を製造することができ、その結果、
高品質の不織布を歩留まりよく生産することができる。
さらに、ハイドロタルサイト類とともにステアリン酸金
属塩を併用すると、耐発煙性だけでなく、耐変色性も改
善される。これらの効果は、ナチュラルな繊維を紡糸す
る時に顕著であることを確認することができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0028】なお、実施例および比較例で行なった試験
およびその試験方法は、次の通りである。 (1)耐熱性試験 まずポリプロピレン樹脂組成物の原ペレットについて、
メルトフローレート(MFR)をASTM D 1238
(230℃、荷重2.16kg)に従って測定した。
【0029】また、この原ペレットを溶融、ペレタイズ
を3回繰り返し、得られたペレットについて、メルトフ
ローレート(MFR)をASTM D 1238(230℃、
荷重2.16kg)に従って測定した。なお、この繰り返しペ
レタイズは、プラコー社製の65mm径の押出機を用い
て、樹脂温度を280℃、樹脂押出量を約48kg/時
間の条件にして行なった。
【0030】(2)発煙試験 プラコー社製の40mm径の押出機を用いて、0.45
mm径の孔が30個開いたダイから樹脂温度250℃で
約7dのフィラメントを紡糸した。ダイノズルから紡糸
された直後の発煙状況を紡糸開始から15分経過後から
5分間目視で観測し、発煙性の評価を下記の3段階で表
示した。 [3段階評価] ○ ・・・ 発煙が見られない △ ・・・ 発煙がわずかに見られる × ・・・ 発煙がはっきり見られる
【0031】(3)耐熱変色性(溶融紡糸による変色) プラコー社製の40mm径の押出機を用いて、樹脂温度
280℃、樹脂押出量16kg/時間の条件でポリプロ
ピレン樹脂組成物を押出した。押出された組成物が空気
中で冷却固化した時の色相を目視で判定した。 [判定の3段階表示] ○ ・・・ 着色がない △ ・・・ わずかに着色が見られる(淡黄色) × ・・・ 明らかな着色が見られる(ピンク色または薄茶
色)
【0032】また、実施例、比較例で用いた成分は、次
の通りである。ポリプロピレン樹脂 (1)プロピレン単独共重合体(A1) MFR(ASTM D 1238,230℃、荷重2.16kg):65g/
10分ハイドロタルサイト類 (1)Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O (B
1);商品名 ZHT−4A、協和化学(株)製 (2)Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O (B
2);商品名 DHT−4A、協和化学(株)製ステアリン酸カルシウム (1)ステアリン酸カルシウム(C1)フェノール系酸化防止剤 (1)テトラキス[メチレン-3-(3',5'- ジ-t- ブチル
-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(D
1) (2)1,3,5-トリス(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ
ベンジル)イソシアヌレート(D2) (3)1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3- ヒドロキシ-2,6-
ジメチルベンジル)イソシアヌレート(D3)リン系酸化防止剤 (1)トリス(2,4-ジ-t- ブチルフェニル)ホスファイ
ト(E1) (2)2,2,- メチレンビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト(E2);
【0033】
【実施例1】上記プロピレン単独重合体(A1)100
重量部に対して、合成ハイドロタルサイト(B1)を
0.03重量部、ステアリン酸カルシウム(C1)を
0.02重量部、フェノール酸化防止剤として、(D
1)を0.03重量部、(D2)を0.03重量部、リ
ン系酸化防止剤として、(E2)を0.06重量部を配
合し、ヘンシェルミキサーで混合後造粒した。
【0034】造粒して得られたペレットを用いて前記の
測定を行なった。結果を第2表に示す。さらに、このペ
レット状の樹脂をスパンボンド法不織布製造装置へと供
給し、紡糸後エアージェットで吸引し、スクリーンベル
ト上へと堆積させた。その後、ヒートエンボスロールへ
と通し、不織布を得た。紡糸時の発煙も見られず、また
不織布の変色も観察されなかった。
【0035】
【実施例2〜9および比較例1、2】実施例1と同様に
して、第1表に示す添加剤を配合してペレットを調製し
た。造粒して得られたペレットを用いて前記の測定等を
行なった。結果を第2表に示す。
【0036】ハイドロタルサイトを配合した実施例1〜
9の組成物は、いずれも耐発煙性に優れており、スパン
ボンド法不織布の製造に使用することができる。実施例
1〜6の組成物は、耐熱変色性にも優れていることか
ら、ナチュラルな不織布製造に適している。
【0037】実施例7〜9の組成物は、色付きの不織布
であれば、何ら問題なく使用することができる。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレート(ASTM D 1238,230
    ℃、荷重2.16kg)が1〜500g/10分であるポリプ
    ロピレン樹脂(A)100重量部に対し、ハイドロタル
    サイト類(B)0.01〜0.20重量部を含有してな
    ることを特徴とするスパンボンド法不織布用ポリプロピ
    レン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリプロピレン樹脂(A)100重量
    部に対し、ステアリン酸金属塩(C)0.005〜0.
    05重量部を含有してなることを特徴とする請求項1に
    記載のスパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】前記ハイドロタルサイト類(B)がZnを
    含む化合物であることを特徴とする請求項1または2に
    記載のスパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹脂組成
    物。
JP7181997A 1997-03-25 1997-03-25 スパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹脂組成物 Pending JPH10265627A (ja)

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JP7181997A Pending JPH10265627A (ja) 1997-03-25 1997-03-25 スパンボンド法不織布用ポリプロピレン樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007023398A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Japan Polypropylene Corp 長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物
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