JPH06263930A - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

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JPH06263930A
JPH06263930A JP8006593A JP8006593A JPH06263930A JP H06263930 A JPH06263930 A JP H06263930A JP 8006593 A JP8006593 A JP 8006593A JP 8006593 A JP8006593 A JP 8006593A JP H06263930 A JPH06263930 A JP H06263930A
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JP8006593A
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Inventor
Toshikuni Hata
俊邦 畑
Toru Matsumura
徹 松村
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉製品とした場合でも優れた耐熱性、耐変
色性、耐アルカリ性及びアルカリ性環境下での耐熱性を
発揮するポリオレフィン樹脂組成物を提供する。 【構成】 結晶性ポリオレフィンに、ハイドロタルサイ
トと、高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期律表の第II
族又は第IV族金属塩と、特定の有機リン酸金属塩と、ヘ
テロサイクリックヒンダードアミン系化合物と、有機リ
ン系化合物とをそれぞれ所定量配合してなるポリオレフ
ィン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン樹脂組成
物に関し、特に薄肉製品とした場合でも優れた耐熱性、
耐変色性及び高温下での耐アルカリ性を発揮するポリオ
レフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリオ
レフィン樹脂は、軽量であり、かつ機械的強度等に優れ
ているので、各種の分野に広く利用されている。このよ
うなポリオレフィン樹脂は、射出成形品等の厚肉製品と
する場合には、使用する用途に応じて適当な添加剤{例
えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、紫外線吸収剤、光
安定剤、造核剤(透明化剤)等}を配合することによ
り、良好な耐熱性、耐変色性、耐薬品性及び耐アルカリ
性を付与することが可能である。
【0003】しかしながら、ポリオレフィン樹脂の繊
維、シート、不織布及びフィルム等の薄肉製品において
は、添加剤を配合した樹脂を使用すると、添加剤が容易
にブリートアウトして消失するため、耐熱性、耐薬品性
及び耐アルカリ性が低下しやすいという問題がある。こ
のような問題を解決するために、種々のポリオレフィン
樹脂組成物が提案されている。
【0004】特開昭63−243148号は、ポリオレフィン樹
脂に特定の構造を有するフェノール系化合物、ジサルフ
ァイド化合物及びハイドロタルサイトを配合した組成物
を開示している。しかしながら、上記ポリオレフィン樹
脂組成物は、特に繊維としたときに経時変化によって変
色しやすく、さらに燃焼ガスや大気中の窒素酸化物等の
影響によっても変色しやすいという問題がある。また上
記ポリオレフィン樹脂組成物は、カセイソーダ溶液等に
よるアルカリ性環境下での耐熱性が不十分であり、高温
でアルカリ性環境に置かれると引張強度や引張伸度等の
機械的物性が大幅に低下するという問題がある。上記問
題は、電池用セパレータ材や各種濾過布材等として使用
する場合には重要である。
【0005】また、本発明者らは、先にポリオレフィン
100 重量部に、(A) ヒンダードアミン系化合物0.05〜1
重量部、(B) 有機リン系化合物0.02〜1重量部及び(C)
ハイドロタルサイト0.02〜0.5 重量部を配合してなるポ
リオレフィン組成物、及びポリオレフィン100 重量部
に、(A) ハイドロタルサイト類0.01〜0.1 重量部、(B)
高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期律表第II族又は第
IV族金属塩0.01〜0.05重量部及び(C) フェノール系及び
/又は有機イオウ系化合物からなる安定剤0.01〜1重量
部を配合してなるポリオレフィン組成物を提案した(特
開昭63−182358号、及び特開昭63−226583号)。
【0006】これらのポリオレフィン組成物は、いずれ
も耐熱性及び耐変色性が改良されたものであるが、カセ
イソーダ等のアルカリ溶液に対する耐性、特にアルカリ
性環境下での耐熱性が必ずしも十分でないという問題が
ある。
【0007】したがって、本発明の目的は、薄肉製品と
した場合でも優れた耐熱性、耐変色性、耐アルカリ性及
びアルカリ性環境下での耐熱性を発揮するポリオレフィ
ン樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、結晶性ポリオレフィンに、ハイ
ドロタルサイトと、高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸の周
期律表の第II族又は第IV族金属塩と、特定の有機リン酸
金属塩と、ヘテロサイクリックヒンダードアミン系化合
物と、有機リン系化合物とをそれぞれ所定量配合すれ
ば、得られる組成物は薄肉製品とした場合でも優れた耐
熱性、耐変色性、耐アルカリ性及びアルカリ性環境下で
の耐熱性を発揮することを見出し、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明のポリオレフィン樹脂組
成物は、結晶性ポリオレフィン100重量部に対して、(a)
ハイドロタルサイト0.01〜0.50重量部と、(b) 高級脂
肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期律表の第II族又は第IV族
金属塩0.01〜0.5 重量部と、(c) 下記一般式:
【化2】 (式中、R1 及びR2 は炭素数1〜9のアルキル基、炭
素数1〜9のアルコキシ基、アリル基又は水酸基を示
し、R3 は炭素数1〜8のアルキル基を示し、nは1又
は2であり、MはCa2+、Zn2+、Mg2+、Na+ 又は
Ni2+を示す。)で表される有機リン酸金属塩0.01〜1.
0 重量部と、(d) ヘテロサイクリックヒンダードアミン
系化合物0.02〜1.0 重量部と、(e) 有機リン系化合物0.
02〜1.0 重量部とを含有することを特徴とする。
【0010】本発明を以下詳細に説明する。[1] 樹脂成分 結晶性ポリオレフィン 本発明において使用する結晶性ポリオレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘ
キセン-1、4-メチルペンテン-1等のα−オレフィンの単
独重合体、エチレンとプロピレン又は他のα−オレフィ
ンとの共重合体、もしくはこれらのα−オレフィンの2
種以上の共重合体等が挙げられる。これらの中では、ポ
リエチレン及びポリプロピレンが好ましい。ポリプロピ
レンはホモポリマーに限られず、プロピレン成分を50モ
ル%以上、好ましくは80モル%以上含む他のα−オレフ
ィンとのランダムまたはブロック共重合体も使用するこ
とができる。プロピレンに共重合するコモノマーとして
はエチレンその他のα−オレフィンがあり、エチレンが
好ましい。
【0011】ポリプロピレンとしては、0.5 〜400 g/
10分、特に5〜100 g/10分のメルトフローレート(M
FR、230 ℃、2.16kg荷重) を有するものが好ましい。
またポリエチレンとしては、0.2 〜100 g/10分、特に
0.5 〜40g/10分のメルトインデックス(MI、190
℃、2.16kg荷重)を有するものが好ましい。
【0012】本発明においては、上記結晶性ポリオレフ
ィンをラジカル発生剤の存在下において減成して、上記
範囲内のメルトフローレートとしたものを使用すること
もできる。なお減成は、後述する各種添加剤の配合前又
は配合後のいずれに行ってもよい。
【0013】なお、分子量の減成は、通常の方法、例え
ば押出機中で上記樹脂組成物を過酸化物等のラジカル発
生剤の存在下に190 〜300 ℃で、1〜10分溶融混練する
ことにより行えばよい。
【0014】上記ラジカル発生剤としては、有機過酸化
物を用いるのが好ましい。有機過酸化物としては、例え
ば結晶性ポリオレフィンの融点での分解速度が半減期で
1秒よりも長く、300℃での分解速度が半減期で10
分よりも短いものを使用する。このような有機過酸化物
としては、ハイドロパーオキサイド類、アルキルパーオ
キサイド類、アシルパーオキサイド類、ケトンパーオキ
サイド類、アルキルパーエステル類、パーオキシジカー
ボネート類、シリコンパーオキサイド類等の中で上述し
た分解速度を有するものが挙げられ、例えば、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、ベンゾイルパーオキサイド、メチルイソブチル
ケトンパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、
ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビニルトリ
ス(t−ブチルパーオキシ)シラン、2,5-ジメチル-2,5
-ジ(t-ブチルパ−オキシ) ヘキサン、2,5-ジメチル-2,
5−ジ(t−ブチルパーオキシ) ヘキシン−3 、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、ジ-t−ブチルパーオキシフタレートなどがある。こ
れらの中では、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパ−オ
キシ) ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパー
オキシ) ヘキシン−3 等が好ましい。これらの有機過酸
化物は、所望とするメルトフローレートに応じて使用す
るが、通常結晶性ポリオレフィン100重量部に対して、
0.001 〜0.20重量部の割合で使用する。
【0015】[2] 添加剤 本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、上述したような
樹脂成分100 重量部に対して、下記の各種添加剤を下記
配合割合で含有する。 (a) 0.01〜0.50重量部のハイドロタルサイト (b) 0.01〜0.5 重量部の高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸
の周期律表の第II族又は第IV族金属塩 (c) 0.01〜1.0 重量部の特定の有機リン酸金属塩 (d) 0.02〜1.0 重量部のヘテロサイクリックヒンダード
アミン系化合物 (e) 0.02〜1.0 重量部の有機リン系化合物
【0016】(a) ハイドロタルサイト 本発明においてハイドロタルサイトとは、マグネシウム
及びアルミニウムの含水塩基性炭酸塩またはその結晶水
を含まないもので、天然物及び合成品がある。天然物は
Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 Oの構造を有す
るとされており、合成品としては、例えばMg0.7 Al
0.3 (OH)2 (CO3 0.15・0.54H2 O、Mg4.5
Al2 (OH)13CO3 ・3.5 H2 O、Mg4.2 Al2
(OH)12.4CO3 等が挙げられる。
【0017】(b) 高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期
律表の第II族又は第IV族金属塩 高級脂肪酸としては、炭素数10〜22の鎖状モノカル
ボン酸が挙げられ、ステアリン酸及びラウリン酸等が好
ましい。脂肪族オキシ酸としては、脂肪族カルボン酸の
側鎖にアルコール性水酸基を有するものが挙げられ、乳
酸、クエン酸及びヒドロキシステアリン酸等が好まし
い。また周期律表の第II族又は第IV族金属としては、マ
グネシウム、カルシウム、亜鉛、錫、バリウム等が好ま
しい。
【0018】上述したような高級脂肪酸又は脂肪族オキ
シ酸と、周期律表の第II族又は第IV族金属とからなる金
属塩としては、高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸のアルカ
リ石けん水溶液と金属塩の水溶液から得られるもの、高
級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸と金属の酸化物又は水酸化
物とを反応させたもの等が挙げられる。特に高級脂肪酸
又は脂肪族オキシ酸と金属の酸化物又は水酸化物とを直
接加熱溶融して得られる乾式法のものが、湿式法のもの
と比べてヤニ状の汚れ(目ヤニ)の発生源となる遊離の
脂肪酸や可溶性塩類が少なく、耐熱性に優れるため好ま
しい。
【0019】上述したような金属塩としては、ステアリ
ン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、リシノール酸
カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、1
2−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ステアリル乳
酸カルシウム、ラウリル乳酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛、2−エチル
ヘキソイン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ナフテン酸鉛、ス
テアリン酸錫、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ
る。
【0020】(c) 有機リン酸金属塩 本発明において使用する有機リン酸金属塩は、下記一般
式:
【化3】 (式中、R1 及びR2 は炭素数1〜9のアルキル基、炭
素数1〜9のアルコキシ基、アリル基又は水酸基を示
し、R3 は炭素数1〜8のアルキル基を示し、nは1又
は2であり、MはCa2+、Zn2+、Mg2+、Na+ 又は
Ni2+を示す。)で表されるものである。
【0021】上記R1 及びR2 のアルキル基としては、
メチル基、t−ブチル基、ノニル基等が好ましく、また
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブト
キシ基等が好ましい。また、R3 のアルキル基として
は、エチル基、ブチル基、オクチル基等が好ましい。
【0022】このような有機リン酸金属塩としては、カ
ルシウム−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)モノエチルホスフォネート、ニッケル
−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)モノエチルホスフォネート、カルシウム−ビス
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)モノブチルホスフォネート等が挙げられる。
【0023】(d) ヘテロサイクリックヒンダードアミン系化合物 本発明において使用するヘテロサイクリックヒンダード
アミン系化合物としては、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1−オクチルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケ
ート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)ニトリロアセテート、コハク酸−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステ
ル、コハク酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル
マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔{6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}〕、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エ
チレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5トリアジン縮合
物、1−〔2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−
4−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9
−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザ
スピロ〔4,5〕ウンデカン−2,4−ジオン、8−ア
セチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル
−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕デカン−ジオ
ン、1,6,11−トリス〔{4,6−ビス(N−ブチ
ル−N(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
−4−イル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−
イル}アミノ〕ウンデカン、テトラキス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−
ブタンテトラカルボン酸エステル、テトラキス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸エステル、1,
1′−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5
−テトラメチルピペリジノン)、N−2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジニル−N−アミノオキザア
ミド、ポリ〔6−モリホリノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル〕〔4−(2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン−〔4−
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミ
ノ〕、ポリメチルプロピル−3−オキシ−〔4(2,
2,6,6−テトラメチル)ピペリジニル〕シロキサ
ン、ポリメチルプロピル−3−オキシ−〔4(1,2,
2,6,6−ペンタメチル)ピペリジニル)〕シロキサ
ン、1,5−ジオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン−
3,3−ジカルボン酸エステルと2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン−4−アールとの縮合物、1,
1′,1″−〔1,3,5−トリアジン−2,4,6−
トリイル−トリス{(シクロヘキシルイミノ)−2,1
−エタンジイル}〕−トリス−〔3,3,5,5−テト
ラメチルピペラジン−2−オン〕、N−(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−3−〔(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)アミ
ノ〕−プロパナミド等が挙げられる。これらのヘテロサ
イクリックヒンダードアミン系化合物は、単独で使用し
ても併用してもよい。
【0024】(e) 有機リン系化合物 本発明において使用する有機リン系化合物としては、例
えば下記一般式(1) 乃至(9) で示されるような化合物が
挙げられる。
【0025】 (R4 O)3 P ・・・(1) (式中、R4 は炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基又はアルカリール基、炭素数7〜3
0のアラルキル基、あるいはこれらのハロ、炭素数1〜
33のアルキルチオまたはヒドロキシ置換体を示す。)
【0026】 〔(R5 O)2 P−O〕2 6 ・・・(2) (式中、R5 は上記R4 と同じであり、R6 は炭素数1
〜30の2価の炭化水素基(エーテル結合を含有してい
てもよい)を示す。)
【0027】 〔(R7 O)2 P−O〕3 8 ・・・(3) (式中、R7 は上記R4 と同じであり、R8 は炭素数1
〜46の3価の炭化水素基(エーテル結合を含有してい
てもよい)を示す。)
【0028】
【化4】 (式中、R9 及びR9 ′はそれぞれ上記(1) のR4 と同
じであり、R10は炭素数1〜15の4価の炭化水素基
(エーテル結合を含有していてもよい)を示す。)
【0029】 (R11S)3 P ・・・(5) (式中、R11は上記R4 と同じである。)
【0030】
【化5】 (式中、R12、R12′、R13、R13′及びR14、R14
はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は水素原子を示
す。)
【0031】
【化6】 (式中、R15、R15′及びR16、R16′はそれぞれ炭素
数1〜4のアルキル基又は水素原子を示す。)
【0032】
【化7】 (式中、R17、R17′及びR18、R18′はそれぞれ炭素
数1〜4のアルキル基又は水素原子を示し、R19は炭素
数1〜5のアルキル基を示し、R20は炭素数1〜30のア
ルキル基を示す。)
【0033】上述したような有機リン系化合物として
は、例えばトリスノニルホスファイト、トリスフェニル
ホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリス
(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ・
ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ-t−
ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス
(2,5−ジ-t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス
(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2
−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル〕ホスファイ
ト、トリス〔2,4−ジ−(1,1−ジメチルプロピ
ル)フェニル〕ホスファイト、トリス(2−シクロヘキ
シルフェニル)ホスファイト、トリスフェニルホスファ
イト、トリス(オクチルチオエチル)ホスファイト、ト
リス(オクチルチオプロピル)ホスファイト、トリス
(クレジルチオプロピル)ホスファイト、トリス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスフ
ァイト、下記化学式:
【化8】 で表される化合物、4,4′−ブチリデン−ビス(3−
メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホ
スファイト、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェニル−ジ−オクチル)ホスファイ
ト、1,1,3-トリス(2−メチル-4−ジトリデシルホスファ
イト-5-t−ブチルフェニル) ブタン、ビス(2,4-ジ-t−
ブチルフェニル) スピロペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、ビス(2,6−ジ-t−ブチル-4−メチルフェニル)
スピロペンタエリスリトール−ジホスファイト、ビス
(2,6−ジ-t−ブチル-4−エチルフェニル)スピロペンタ
エリスリトール−ジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ-t
−ブチルフェニル)スピロペンタエリスリトール−ジホ
スファイト、テトラキス(2,4−ジ-t−ブチルフェニル)
−4,4 ′−ビフェニレンホスホナイト、テトラキス(2,4
−ジ-t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4 ′−ビフ
ェニレンホスホナイト等が挙げられる。
【0034】〔3〕配合割合 上述したような各種添加剤の配合割合は、上述したよう
に結晶性ポリオレフィン100 重量部に対して、(a) ハイ
ドロタルサイトが0.01〜0.50重量部であり、(b) 高級脂
肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期律表の第II族又は第IV族
金属塩が0.01〜0.50重量部であり、(c) 有機リン酸金属
塩が0.01〜1.0 重量部であり、(d) ヘテロサイクリック
ヒンダードアミン系化合物が0.02〜1.0 重量部であり、
(e) 有機リン系化合物が0.02〜1.0 重量部である。
【0035】(a) ハイドロタルサイトが0.01重量部未満
では、耐熱性、耐アルカリ性及び耐変色性が十分でな
く、一方0.50重量部を超えると、色相が悪化するととも
紡糸性も低下する。好ましいハイドロタルサイトの配合
量は、0.01〜0.10重量部である。
【0036】(b) 高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期
律表の第II族又は第IV族金属塩が0.01重量部未満では、
耐熱性、耐アルカリ性及び耐変色性が十分でなく、一方
0.50重量部を超えると、例えば紡糸を行う時にノズル付
近にヤニ状物質が付着し問題となる。好ましい高級脂肪
酸又は脂肪族オキシ酸の周期律表の第II族又は第IV族金
属塩の配合量は、0.01〜0.10重量部である。
【0037】(c) 有機リン酸金属塩の配合量が0.01重量
部未満では、アルカリ性環境下での耐熱性が十分でな
く、一方1.0 重量部を超えると、色相が低下する。好ま
しい有機リン酸金属塩の配合量は、0.02〜0.50重量部で
ある。
【0038】(d) ヘテロサイクリックヒンダードアミン
系化合物の配合量が0.02重量部未満では、耐熱性が十分
でなく、一方1.0 重量部を超えると、耐変色性が低下す
る。好ましいヘテロサイクリックヒンダードアミン系化
合物の配合量は、0.02〜0.80重量部である。
【0039】さらに、(e) 有機リン系化合物の配合量が
0.02重量部未満では、アルカリ性環境下での耐熱性が十
分でなく、一方1.0 重量部を超えると、リン化合物特有
の臭気が強くなり実用上問題が生じる。好ましい有機リ
ン系化合物の配合量は、0.02〜0.50重量部である。
【0040】〔4〕任意成分 (1) ワックス 本発明においては上述した各種添加剤の分散性を向上さ
せるとともに、紡糸加工等を施した再のボイド等を補修
することを目的としてワックスを添加するのが好まし
い。上記ワックスとしては、ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス、モニタン酸ワックス等が挙げら
れる。
【0041】ワックスの配合量は、結晶性ポリオレフィ
ン100重量部に対して、0.01〜1.0 重量部、特に0.03
〜0.50重量部であるのが好ましい。
【0042】(2) 紡糸油剤 本発明のポリオレフィン樹脂組成物を、例えば延伸糸又
は未延伸糸等の糸材とする場合、潤滑剤(平滑剤)、制
電剤、乳化剤、集束剤等(これらをあわせて紡糸油剤と
いう)を糸に適量付着させて用いるのが好ましい。これ
らの紡糸油剤としては、鉱物油、シリコーン油、ノニオ
ン(エステル系、エーテル系、アミン系など)、アニオ
ン(ホスフェート、サルフェート、スルホネートな
ど)、カチオン及び両性活性剤等が挙げられる。ノニオ
ン系活性剤としては、1〜多価のアルキルエステルまた
はエーテル化合物等が挙げられる。これらの活性剤は単
独で使用しても併用してもよい。
【0043】(3) その他の成分 本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、その他にその改
質を目的として、他の添加剤、例えば、無機充填材、難
燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、造核剤
(透明化剤)、顔料等を添加することができる。
【0044】〔5〕製造方法 このような本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、上述
した各成分を一軸押出機、二軸押出機等の押出機を用い
て、結晶性ポリオレフィンの融点より20〜150℃、好ま
しくは30〜100 ℃高い温度で溶融混練することによって
得ることができる。なお、各種添加剤の添加は、例え
ば、結晶性ポリオレフィンにこれらの添加剤を配合し、
予備混合をした後、押出機で混練することにより行うの
が適当である。
【0045】このようにして得られる本発明のポリオレ
フィン樹脂組成物は、延伸あるいは未延伸糸、フィル
ム、シート等の肉薄成形品としても、各種添加剤のブリ
ードアウト等が少なく、優れた耐熱性、耐変色性及びア
ルカリ性環境下での耐熱性を発揮する。
【0046】なお、延伸糸又は未延伸糸等の糸材とする
場合、本発明のポリオレフィン樹脂でポリエチレンテレ
フタレート等の他の熱可塑性樹脂を被覆した構造として
もよいし、あるいは他の熱可塑性樹脂と複合化した構造
としてもよい。さらに、本発明のポリオレフィン樹脂組
成物と、他の熱可塑性樹脂とを織り混ぜて織布あるいは
不織布としてもよい。
【0047】
【作用】本発明においては、結晶性ポリオレフィンに、
ハイドロタルサイトと、高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸
の周期律表の第II族又は第IV族金属塩と、特定の有機リ
ン酸金属塩と、ヘテロサイクリックヒンダードアミン系
化合物と、有機リン系化合物とをそれぞれ所定量配合し
ているので、得られる組成物は薄肉製品とした場合でも
優れた耐熱性、耐変色性及びアルカリ性環境下での耐熱
性を発揮する。
【0048】このような効果が得られる理由について
は、必ずしも明らかではないが、有機リン酸金属塩は、
耐抽出性に優れており、過酸化物等の他の添加剤に対し
て安定であり、これに、ハイドロタルサイトと、高級脂
肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期律表の第II族又は第IV族
金属塩とを併用することにより、耐アルカリ性、耐ガス
着色性が良好なものとなり、さらに、ヘテロサイクリッ
クヒンダードアミン系化合物と、有機リン系化合物とを
それぞれ添加することにより、これらの5種類の添加剤
の相乗効果によって、耐熱性、耐変色性及びアルカリ性
環境下での耐熱性が著しく向上するためであると考えら
れる。
【0049】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、各種添加剤としては以下のものを使用し
た。 [1] ハイドロタルサイト類 ・塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキシ
・カーボネート・ハイドレート〔DHT−4A、協和化
学工業(株)製〕 [2] 高級脂肪酸の第II族金属塩 ステアリン酸カルシウム(Ca−ST) [3] 有機リン酸金属塩 ・OP−1:カルシウム−ビス−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)モノエチルホスフォネ
ート ・OP−2:ニッケル−ビス−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)モノエチルホスフォネー
ト [4] ヘテロサイクリックヒンダードアミン系化合物 ・HALS−1:ポリ〔{6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕 ・HALS−2:ポリ〔6−モルホリノ−1,3,5−
トリアジン−2,4−ジイル〕〔4−(2,2,6,6
−テトラメチルピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イ
ミノ〕 ・HALS−3:コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロ
キシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン重縮合物 [5] 有機リン系化合物 ・P−1:サイクリックネオペンタンテトラビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト) ・P−2:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ホスファイト ・P−3:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−4,4′−ビフェニレンホスホナイト [6] ヒンダードフェノール系化合物 ・Ph−1:3,3′−ビス(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)エチレンエステル ・Ph−2:ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕 [7] イオウ系化合物 S−1:ペンタエリスリトール・テトラキス(3−ラウ
リルチオプロピオネート) S−2:ジステアリル−3,3′−チオジプロピオネー
ト [8] ワックス Wax:ポリエチレンワックス (密度0.91g/cm3 、軟
化点102 ℃) [9] 有機過酸化物 POX:2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン
【0050】実施例1〜10及び比較例1〜6 プロピレンホモポリマー(HPP:メルトフローレート
(MFR、230 ℃、2.16kg荷重)5g/10分)100 重量
部に対して、第1表に示す配合割合の各種添加剤を配合
し、さらに溶融混練後のメルトフローレートが30g/10
分となるように有機過酸化物(POX)を約400 〜500
ppm添加し、ヘンシェルミキサーで混合した。その後
単軸押出機(50mmφ、L/D =26) に投入し、230 ℃及び
スクリュー回転数70 rpmで混練し、組成物のペレットを
得た。
【0051】次に、得られたペレットを用いて、30mmφ
ギヤポンプ付溶融紡糸機(ノズル形状:0.8 mmφの円形
断面)によりダイ温度240 ℃で約20デニールの未延伸糸
を紡糸した。なお、この際非イオン系紡糸油剤を未延伸
糸に対して約3重量%付着させた。この未延伸糸をを延
撚試験機により約4倍に延伸して約5デニールの延伸糸
を得た。
【0052】このようにして得られた延伸糸に対して、
耐NaOH性、アルカリ性環境下での耐熱性及びガス着
色性の評価を行った。結果を第2表に示す。
【0053】 第 1 表 添加剤 (Phr) * 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 ハイドロタルサイト DHT−4A 0.05 0.05 0.05 0.05 高級脂肪酸の第II族金属塩 Ca−ST 0.05 0.05 0.05 0.05 有機リン酸金属塩 OP−1 0.05 0.10 0.30 0.05 ヘテロサイクリックヒンダードアミン系化合物 HALS−1 0.20 0.10 0.20 − HALS−2 − − − 0.20 有機リン系化合物 P−1 0.10 0.10 0.10 0.10 ワックス WAX 0.05 0.10 0.30 0.05
【0054】 第 1 表 (続 き)添加剤 (Phr) * 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 ハイドロタルサイト DHT−4A 0.05 0.05 0.05 0.05 高級脂肪酸の第II族金属塩 Ca−ST 0.05 0.05 0.05 0.05 有機リン酸金属塩 OP−1 0.05 − 0.20 0.50 OP−2 − 0.05 − − ヘテロサイクリックヒンダードアミン系化合物 HALS−1 − − 0.30 − HALS−2 − 0.20 − − HALS−3 0.20 − − 0.50 有機リン系化合物 P−1 0.10 0.10 0.10 0.10 ワックス WAX 0.05 0.05 0.20 0.50
【0055】 第 1 表 (続 き)添加剤 (Phr) * 実施例9 実施例10 比較例1 比較例2 ハイドロタルサイト DHT−4A 0.05 0.05 − − 高級脂肪酸の第II族金属塩 Ca−ST 0.05 0.05 0.05 0.05 有機リン酸金属塩 OP−1 0.10 0.10 0.05 − ヘテロサイクリックヒンダードアミン系化合物 HALS−1 0.20 0.20 0.20 − 有機リン系化合物 P−1 − − 0.10 − P−2 0.10 − − 0.10 P−3 − 0.10 − − ヒンダードフェノール系化合物 Ph−1 − − − 0.05 イオウ系化合物 S−1 − − − 0.20 ワックス WAX 0.10 0.10 0.05 −
【0056】 第 1 表 (続 き)添加剤 (Phr) * 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 ハイドロタルサイト DHT−4A − − 0.10 − 高級脂肪酸の第II族金属塩 Ca−ST 0.10 0.10 − 0.10 有機リン酸金属塩 OP−1 − 0.10 0.10 − 有機リン系化合物 P−1 0.10 − − − P−2 − 0.20 0.20 − P−3 − − − 0.10 ヒンダードフェノール系化合物 Ph−2 0.10 − − 0.50 イオウ系化合物 S−2 0.20 − − − ワックス WAX − 0.10 0.10 − 注)*:HPP100重量部に対する添加重量部。
【0057】 第 2 表 物 性 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 耐NaOH性(1) 引張強度保持率 1時間処理後 105 100 98 97 3時間処理後 106 102 97 95 引張伸度保持率 1時間処理後 105 100 100 95 3時間処理後 108 99 99 93 アルカリ性環境下での耐熱性(2) 初期状態 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 24時間後 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 48時間後 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 120時間後 未処理品 ○ ○ ◎ ○ 処理品 △ △ ◎ △ ガス着色性(3) 4 5 4 5
【0058】 第 2 表 ( 続 き ) 物 性 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 耐NaOH性(1) 引張強度保持率 1時間処理後 102 98 97 100 3時間処理後 101 100 98 99 引張伸度保持率 1時間処理後 99 98 97 98 3時間処理後 101 102 101 101 アルカリ性環境下での耐熱性(2) 初期状態 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 24時間後 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 48時間後 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ○ ◎ ◎ ◎ 120時間後 未処理品 ○ ○ ○ ◎ 処理品 △ ○ △ ◎ ガス着色性(3) 5 5 4 4
【0059】 第 2 表 ( 続 き ) 物 性 実施例9 実施例10 比較例1 比較例2 耐NaOH性(1) 引張強度保持率 1時間処理後 97 98 95 97 3時間処理後 98 101 88 85 引張伸度保持率 1時間処理後 98 98 95 90 3時間処理後 102 97 82 75 アルカリ性環境下での耐熱性(2) 初期状態 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 24時間後 未処理品 ◎ ◎ ○ ◎ 処理品 ◎ ◎ ○ ◎ 48時間後 未処理品 ◎ ◎ △ ◎ 処理品 ◎ ◎ × △ 120時間後 未処理品 ○ ○ × ◎ 処理品 △ △ × × ガス着色性(3) 4 4 4 1
【0060】 第 2 表 ( 続 き ) 物 性 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 耐NaOH性(1) 引張強度保持率 1時間処理後 98 98 99 100 3時間処理後 93 90 101 98 引張伸度保持率 1時間処理後 90 91 93 93 3時間処理後 60 55 68 78 アルカリ性環境下での耐熱性(2) 初期状態 未処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 処理品 ◎ ◎ ◎ ◎ 24時間後 未処理品 ◎ ◎ ○ ◎ 処理品 ○ △ ○ △ 48時間後 未処理品 ◎ ○ △ ◎ 処理品 × × × × 120時間後 未処理品 ◎ × × ◎ 処理品 × × × × ガス着色性(3) 1 5 4 1
【0061】(1) 耐NaOH性:1NのNaOH溶液10
0 mlを300 mlの三角フラスコに入れ、約5gの延伸糸を
浸漬させた後、空気冷却器(約1m)を取り付け80℃の
恒温バスにセットする。この条件で1時間及び3時間保
持する処理を行い、処理後の延伸糸の引張強度及び引張
伸度を測定し、処理前(未処理状態)の延伸糸を100 %
とした場合のそれらの保持率を測定した(単位は%)。 (2) アルカリ性環境下での耐熱性:上記(1) において3
時間処理した延伸糸を使用し、熱プレス約100 μmの厚
さのシートを製造した。その際のプレス条件は、210 ℃
で予熱時間3分、その後1分間加圧し、3分冷却(20
℃)であった。同様にして未処理の延伸糸からシートを
製造した。これらのシートに対してギヤーオーブンテス
ト(JIS K7213 、at150 ℃) を行い、シートの黄変 (色
相) の度合い及び脆化の度合い (耐折り曲げ性) から以
下の基準により評価した。 ◎:色相及び耐折り曲げ性がともに良好である。 ○:部分的に色相の変化が見られるが、耐折り曲げ性は
良好である。 △:明らかに黄変しているが、耐折り曲げ性は良好であ
る。 ×:明らかに黄変しており、耐折り曲げ性も悪く脆化し
ている。 (3) ガス着色性:延伸糸60gをガーゼで包み、対流式石
油ストーブの上端面から真上に1mの位置にサンプルの
包みがくるように指示枠から吊るし、5時間石油ストー
ブを燃焼した後の延伸糸の変色の度合いを目視にて以下
の基準により評価した。 1:完全に着色している。 2:かなり着色している。 3:やや着色が目立つ。 4:ほとんど着色していない。 5:全く着色していない。
【0062】第2表から明らかなように実施例1乃至1
0のポリオレフィン樹脂組成物は、耐アルカリ性及びア
ルカリ性環境下での耐熱性に優れており、さらに良好な
耐ガス着色性を有するものであった。
【0063】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明のポリオ
レフィン樹脂組成物は、結晶性ポリオレフィンに、ハイ
ドロタルサイトと、高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸の周
期律表の第II族又は第IV族金属塩と、特定の有機リン酸
金属塩と、ヘテロサイクリックヒンダードアミン系化合
物と、有機リン系化合物とをそれぞれ所定量配合してい
るので、この組成物から得られる薄肉製品は、優れた耐
熱性、耐変色性及びアルカリ性環境下での耐熱性を発揮
する。
【0064】このような本発明の組成物は各種用途に適
用可能であるが、特にバッテリーセパレータ、各種濾過
布、衣類、土木用資材等に好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性ポリオレフィン100 重量部に対し
    て、(a) ハイドロタルサイト0.01〜0.50重量部と、(b)
    高級脂肪酸又は脂肪族オキシ酸の周期律表の第II族又は
    第IV族金属塩0.01〜0.5 重量部と、(c) 下記一般式: 【化1】 (式中、R1 及びR2 は炭素数1〜9のアルキル基、炭
    素数1〜9のアルコキシ基、アリル基又は水酸基を示
    し、R3 は炭素数1〜8のアルキル基を示し、nは1又
    は2であり、MはCa2+、Zn2+、Mg2+、Na+ 又は
    Ni2+を示す。)で表される有機リン酸金属塩0.01〜1.
    0 重量部と、(d) ヘテロサイクリックヒンダードアミン
    系化合物0.02〜1.0 重量部と、(e) 有機リン系化合物0.
    02〜1.0 重量部とを含有することを特徴とするポリオレ
    フィン樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146121A (ja) * 2000-11-16 2002-05-22 Japan Polyolefins Co Ltd ポリエチレン樹脂組成物
JP2006503138A (ja) * 2002-10-17 2006-01-26 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 難燃性組成物
JP2013014751A (ja) * 2011-06-10 2013-01-24 Japan Polyethylene Corp 酸化耐熱と耐変色性の両性能に優れた樹脂組成物及び衛生製品用合成樹脂繊維

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