JP4690131B2 - 長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物に関し、特に、地合いの良好な長繊維不織布が得られるポリプロピレン樹脂組成物に関する。
スパンボンド不織布を初めとする長繊維不織布は、溶融紡糸して得られた長繊維群を捕集コンベアに集積して繊維ウェブを得た後、長繊維相互間を任意の手段で接着させて得られるものである。従って、連続繊維とも言える長繊維を構成繊維とするものであるため、短繊維を構成繊維とする短繊維不織布に比べて引張強度等の機械的性質に優れている。また、溶融紡糸して得られた長繊維をそのまま開繊及び集積して不織布が得られるため、得られた繊維をカード法や湿式法で開繊及び集積して得られる不織布に比べて、効率的に生産し得る利点がある。
このような長繊維不織布用の材料として、ポリプロピレンを用いることは公知であり、これらの不織布用ポリプロピレンにはメルトフローレートが高く、分子量分布が狭いものが適していることが知られている。
しかし、分子量分布が狭すぎると紡糸時、繊維群が大きく揺れ、不織布の地合いが悪化する。不織布の地合いが悪化すると不織布の強度、伸度が著しく低下する箇所が発生するため、紙オムツ、マスク等の最終製品に加工する際、不織布の破れによるトラブルが発生し、スパンボンド法の利点が享受できなくなる。また近年、不織布加工スピードが速くなっているが、それに伴ない不織布の地合いが悪化する傾向にあるため、高速加工においても安定した地合いを有する不織布の要求も高まっている。
この他に、スパンボンド法により不織布を製造する際、紡糸ノズル付近から煙が発生するという問題もあり、その対策として、特定のメルトフローレート値を有するポリプロピレン樹脂に対し、特定量のハイドロタルサイト類を配合する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、単に一般的なポリプロピレン樹脂に対し、ハイドロタルサイト類を配合しただけでは、発煙を抑えるという効果はあるが、得られる不織布の機械的性質および地合いを良好にすることまではできないのが現状であった。
特開平10−265627号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、機械的性質および地合いが良好な不織布が得られる長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討をかさねた結果、ポリプロピレン樹脂に、ハイドロタルサイト類を特定量添加し、特定のメルトフローレート、PI(多分散指数)を有するように調整したポリプロピレン樹脂組成物を長繊維不織布成形に用いると、不織布の機械的性質および地合いが良好となることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、ハイドロタルサイト類が0.005〜0.15重量部含有された、PI(多分散指数:Polydispersity Index)が2.5〜4.5の範囲にあり、メルトフローレートが20〜150g/10分の範囲にある長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物を用いて成形してなることを特徴とするスパンボンド不織布が提供される。
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、MFR、PIを調整し、ハイドロタルサイト類を適量添加しているので機械的強度および地合いが良好な不織布を製造することができる。
本発明は、ポリプロピレン樹脂にハイドロタルサイト類を配合した樹脂組成物であって、該樹脂組成物は、PI(多分散指数:Polydispersity Index)が2.5〜4.5であり、MFRが20〜150g/分である長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物である。以下に、本発明の樹脂組成物の構成成分、樹脂組成物の特性、樹脂組成物から得られる不織布について詳細に説明する。
1.ポリプロピレン樹脂組成物の構成成分
(1)ポリプロピレン樹脂
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物に用いるポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンおよび/もしくは炭素数4〜20のα−オレフィンとの結晶性ランダム共重合体もしくは結晶性ブロック共重合体などが挙げられる。
コモノマーとして用いられる具体的なα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができ、1種または2種以上の組み合わせでもよい。
これらのポリプロピレン樹脂は、単独、あるいは2種以上組み合わせて用いることもできる。また、ポリエチレン等の他のオレフィン樹脂を少量配合することもできる。
本発明で用いるポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは1〜30g/分、より好ましくは5〜20g/分である。この範囲であると長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物のメルトフローレートを20〜150g/10分の範囲に容易に調整できる。
ここで、MFRは、JIS−K6921−2付属書に準拠して230℃、荷重21.1Nで測定する値である。
また、本発明で用いるポリプロピレン樹脂のPI(多分散指数:Polydispersity Index)は、好ましくは2.5〜10、より好ましくは2.5〜6である。この範囲であると長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物のPIを2.5〜4.5の範囲に容易に調整できる。
ここで、PIは、Rheometrics社のARESを使用して、ストレイン10%、剪断速度0.3〜300rad/sec、170℃の条件下で貯蔵弾性率(G’)[Pa]、損失弾性率(G”)[Pa]を測定し、測定したG’、G”の交点(Gc)を求め、その値を以下の式(I)に代入して算出する値である。
分散指数(PI)=10/Gc …(I)
本発明で用いるポリプロピレン樹脂は、高立体規則性重合触媒を用いてプロピレンを重合することによって得ることができる。高立体規則性重合触媒としては、塩化チタン、アルコキシチタン等を出発材料として調製されたチタン化合物を用いた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン化合物を用いたカミンスキー型触媒を使用することができるが、ポリプロピレン樹脂のPIを2.5〜4.5の範囲に容易に調整できることからカミンスキー型触媒が望ましい。
上記のような触媒を用いたプロピレンの重合様式は、触媒成分とモノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるバルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を採用することができる。
また、連続重合、回分式重合にも適用される。スラリー重合の場合には、重合溶媒としてヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合物を用いることができる。
これらの重合法においてポリプロピレンのMFRの調整は、水素の導入によって行われるが、その場合、水素の導入量は重合開始から終了まで一定としてもよく、連続的に或いは段階的に変化させてもよい。
なお、この様なポリプロピレン樹脂は、市販品の中から選択入手することができる。
(2)ハイドロタルサイト類
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物に用いられるハイドロタルサイト類は、一般に、MgAl(OH)16・CO・4HO[商品名:DHT−4A(協和化学(株)製]、MgZnAl(OH)12CO・mHO[商品名:ZHT−4A(協和化学(株)製]、MgAl(OH)12・CO・3HO等の化学式で記載される複合無機化合物である。
ハイドロタルサイト類をポリプロピレン樹脂に添加すると、不織布を成形する際の開繊工程で繊維同士が反発しやすくなるため、不織布の地合いが良好となり、不織布の機械的強度を良好にかつ均一に保持することができるようになる。
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物におけるハイドロタルサイト類の含有量は、ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、0.005〜0.15重量部であり、好ましくは0.02〜0.06重量部である。ハイドロタルサイト類含有量が0.005重量部未満の樹脂はハイドロタルサイト類の添加効果がなくなるため、不織布の地合いが改善されない。逆に、ハイドロタルサイト類の含有量が0.15重量部を超えるとハイドロタルサイト類が分散不良となり、紡糸時、断糸が多発するため、不織布成形が不可能となる。
(3)その他の成分
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、過酸化物、中和剤、滑剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、エラストマー、石油樹脂、親水化剤などを配合することができる。特に、該ポリプロピレン樹脂組成物のPIやMFRの調整には、過酸化物が有効である。
2.長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物の特性
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、上記成分を公知の方法、例えば、ドライブレンドの状態あるいは溶融混練機を用いて、180〜300℃で加熱溶融混練する手法によって得られる。
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物のMFRは、20〜150g/10分であることが必要であり、好ましくは30〜70g/10分である。MFRが20g/10分未満では、不織布形成時に紡糸ノズル直下で断糸が多発し不織布成形が不可能となる。逆に、MFRが150g/10分を超える場合は、紡糸ノズルとエアーサッカーの間で繊維群が大きく揺れることにより繊維同士が接着するので不織布の地合いが悪化する。樹脂組成物におけるMFRの調整は、ペレット造粒時、原料パウダーに過酸化物を添加する方法で行なう。
ここで、MFRは、ポリプロピレン樹脂と同様の方法で測定する値である。
また、本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物のPIは、2.5〜4.5であることが必要であり、好ましくは2.7〜4.0であり、さらに好ましくは2.7〜3.3である。PIが2.5未満では、不織布成形時に、紡糸ノズルとエアーサッカーの間で繊維群が大きく揺れることにより繊維同士が接着するので不織布の地合いが悪化する。逆に、PIが4.5を超える場合は高速紡糸における断糸が顕著となり、不織布の地合いが悪化する。ポリプロピレン樹脂組成物においては、PIは分子量分布を表す指標であり、樹脂組成物におけるPIの調整は、ペレット造粒時、原料パウダーに過酸化物を添加する方法で行なう。
ここで、PIは、ポリプロピレン樹脂と同様の方法で測定する値である。
3.不織布の成形
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、スパンボンド不織布成形に好適に用いられる。スパンボンド不織布成形とは、ポリプロピレン樹脂組成物を押出機に投入し、紡糸口金を用いて溶融紡糸し、紡糸口金より吐出した繊維群をエアーサッカーに導入して牽引延伸し、長繊維群を得、続いて、エアーサッカーより排出された長繊維群を裏面に吸引装置を設けた捕集用無端ネット状コンベア上に長繊維フリースとして堆積する方法である。
この様にして得られるスパンボンド不織布を構成する長繊維の繊度は、0.5〜20dtex/fのものが好ましい。長繊維の繊度が0.5dtex/f未満であると、生産性を維持させるための高速紡糸による曳糸性の低下や、曳糸性を維持させるための生産性の低下が起こるので好ましくない。逆に、長繊維の繊度が20dtex/fを超えると、長繊維の剛性が高くなって、柔軟性に富むスパンボンド不織布が得られないので好ましくない。得られたスパンボンド不織布を吸収性物品の表面材等に使用する場合においては、繊度が0.5〜6dtex/fの長繊維であることが特に好ましい。
また、スパンボンド不織布の目付けは、使われる用途によって任意に選択できるが、手術用着衣、掛け布、ハップ材の基布等に使用する場合においては、5〜200g/mの範囲のものが好ましい。5g/m未満であると、目付が余りに小さ過ぎて、スパンボンド不織布の厚みが薄くなり過ぎ、長繊維フリースを固定化させる際や、固定化されたスパンボンド不織布を巻き取る際等において、取扱いが困難であったり、均質性が低下する様な問題が生じ易くなる。一方、200g/mを超えると目付が余りに大き過ぎて、スパンボンド不織布自体の剛性が高くなり、柔軟性が低下し易くなる。吸収性物品の表面材等に使用する場合においては、スパンボンド不織布の目付けは、5〜50g/mの範囲が特に好ましい。
本発明を構成している長繊維としては、単成分型長繊維でもよく、2成分以上から成る複合型長繊維であっても良い。
複合型長繊維とは、一般に高融点樹脂成分と低融点樹脂成分または低軟化点樹脂成分からなる複合繊維であって、低融点樹脂成分または低軟化点樹脂成分が繊維の長手方向に沿った表面の少なくとも一部に露出している二成分系以上の構造を有するものである。本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、低融点樹脂成分または低軟化点樹脂成分として用いることが望ましい。
複合型長繊維を構成する高融点成分と低融点成分または低軟化点成分との融点差または軟化点差は、15℃以上が好ましい。
これらの樹脂成分の融点または軟化点の測定は、融点については昇温速度10℃/分のDSC(示査走査熱量測定)による吸熱ピーク曲線の吸熱ピークの頂点の温度として測定できる。また、軟化点の測定はJIS−K7206「熱可塑性プラスチックのビカット軟化温度試験方法」に準拠する。
また、複合型長繊維は、鞘芯型、偏心鞘芯型、並列型、多層型、海島型、放射型の構造体のものを使用できる。特に鞘芯型、偏心鞘芯型の複合型長繊維が、熱融着性が良好で好ましい。また用途により長繊維は、着色剤、耐光剤、難燃剤、抗菌剤などが添加されていても良い。さらに、長繊維の断面形状は、円形であっても異形(非円形)であっても良く、これら断面形状を持った長繊維は、中空型であっても良い。
また、スパンボンド不織布は、単層での使用だけでなく、スパンボンド不織布とメルトブローン不織布との積層、あるいはフィルム、吸水紙との積層としても好適に使用できる。
本発明で得られる不織布は、上記のような特性を有するポリプロピレン樹脂組成物を用いているため、機械的性質および地合いが優れる特性を有する。
ここで、地合いの優れる不織布とは、強度と伸度の測定において、標準偏差が2以下であるものをいい、地合いが優れた不織布は、外観が良いので、オムツのバックシートの分野で好ましく用いられる。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り下記の実施例に限定されるものではない。物性等の測定は下記の通りである。また、実施例、比較例で用いたプロピレン重合体の製造方法を重合例に示した。
(1)MFR:JIS−K6921−2附属書に準拠し測定した。(条件:温度/230℃、荷重21.18N)
(2)PI:Rheometrics社のARESを使用して、ストレイン10%、剪断速度0.3〜300rad/sec、170℃の条件下で貯蔵弾性率(G’)[Pa]、損失弾性率(G”)[Pa]を測定する。測定したG’、G”の交点(Gc)を求め、その値を以下の式(I)に代入して算出した。
分散指数(PI)=10/Gc …(I)
(3)不織布の引張強度、伸度:JIS−L1096に準拠して、以下の条件で測定した。
測定器:(株)オリエンテック社製、RTC−1210A
試験片:50mm×100mm 縦方向(MD)の1方向
試験条件:チャック間距離;50mm、引張速度;50mm/分
(4)不織布の地合い:不織布の強度、伸度を1サンプルにつき10回測定し、その測定値の標準偏差を求める。標準偏差が2以下のものを不織布の地合い良好、2を超えるものを不織布の地合い不良と判定した。不織布の地合いが良好なサンプルは強度、伸度が振れないため、標準偏差が小さくなる。一方、不織布の地合いが悪いサンプルは強度、伸度が振れるため、標準偏差が大きくなる。
(重合例1)
(1)触媒の調整
還流冷却器をつけた1リットルの反応容器に、窒素ガス雰囲気下、チップ状の金属マグネシウム(純度99.5%、平均粒径1.6mm)8.3g及びn−ヘキサン250mlを入れ、68℃で1時間攪拌後、金属マグネシウムを取出し、65℃で減圧乾燥するという方法で予備活性化した金属マグネシウムを得た。次に、この金属マグネシウムに、n−ブチルエーテル140ml及びn−ブチルマグネシウムクロリドのn−ブチルエーテル溶液(1.75モル/リットル)を0.5ml加えた懸濁液を55℃に保ち、更にn−ブチルエーテル50mlにn−ブチルクロライド38.5mlを溶解した溶液を50分間で滴下した。攪拌下70℃で4時間反応を行った後、反応液を25℃に保持した。
次いで、この反応液にHC(OC 55.7mlを1時間で滴下した。滴下終了後、60℃で15分間反応を行い、反応生成固体をn−ヘキサン各300mlで6回洗浄し、室温で1時間減圧乾燥し、マグネシウムを19.0%、塩素を28.9%を含むマグネシウム含有固体31.6gを回収した。還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを取付けた300mlの反応容器に、窒素ガス雰囲気下マグネシウム含有固体6.3g及びn−ヘプタン50mlを入れ懸濁液とし、室温で攪拌しながら2,2,2−トリクロルエタノール20ml(0.02ミリモル)とn−ヘプタン11mlの混合溶液を滴下ロートから30分間で滴下し、更に80℃で1時間攪拌した。得られた固体を濾別し、室温のn−ヘキサン各100mlで4回洗浄し、更にトルエン各100mlで2回洗浄して固体成分を得た。
上記の固体成分にトルエン40mlを加え、更に四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2になるように四塩化チタンを加えて90℃に昇温した。攪拌下、フタル酸ジn−ブチル2mlとトルエン5mlの混合溶液を5分間で滴下した後、120℃で2時間攪拌した。得られた固体状物質を90℃で濾別し、トルエン各100mlで2回、90℃で洗浄した。更に、新たに四塩化チタン/トルエンの体積比が3/2になるように四塩化チタンを加え、120℃で2時間攪拌し室温の各100mlのn−ヘキサンにて7回洗浄して成分A5.5gを得た。
(2)予備重合
窒素置換して充分に乾燥させた500mlの反応器に、窒素ガス雰囲気下、上記で得られた成分A4.0gおよびn−ヘキサン200mlを入れ、攪拌しながら−5℃に冷却した。次にトリエチルアルミニウムおよびt−ブトキシシクロペンチルジメトキシシランをそれぞれ20ミリモル及び2ミリモル添加し、5分間攪拌した。次いで、系内を減圧した後、プロピレンガスを連続的に供給し、0℃でプロピレンを1時間重合させた。重合終了後、200mlのn−ヘキサンで3回、室温にて固体成分を洗浄した。更に、固体成分を室温で1時間減圧乾燥して、触媒成分16.2gを得た。予備重合量は成分A1g当り3.05gであった。
(3)プロピレン重合体の製造
内容積400Lの反応器に、液化プロピレン、水素、シクロヘキシルメチルジメトキシシランおよびトリエチルアルミニウムのヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を70℃に保持した。プロピレン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、トリエチルアルミニウムの供給量はそれぞれ167kg/H、0.005kg/H、および0.015kg/Hであった。水素は、気相の水素濃度が0.53モル%となるよう供給した。前記予備重合触媒を流動パラフィンによりスラリー状とし、固体成分Aで5.7g/Hでフィードした。反応の平均滞留時間は1.0Hとなるよう運転を行った結果、84kg/Hの生産レートでプロピレン重合体Iが得られた。このホモポリマーのMFRを測定したところ、1.6g/10分であった。
(重合例2)
内容積400Lの反応器に、液化プロピレン、水素、シクロヘキシルメチルジメトキシシランおよびトリエチルアルミニウムのヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を70℃に保持した。プロピレン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、トリエチルアルミニウムの供給量はそれぞれ166kg/H、0.005kg/H、および0.015kg/Hであった。水素は、気相の水素濃度が2.58モル%となるよう供給した。重合例1で使用した予備重合触媒を流動パラフィンによりスラリー状とし、固体成分Aで4.8g/Hでフィードした。反応の平均滞留時間は1.0Hとなるよう運転を行った結果、87kg/Hの生産レートでプロピレン重合体IIが得られた。このホモポリマーのMFRを測定したところ、10.5g/10分であった。
(重合例3)
内容積400Lの反応器に、液化プロピレン、水素、シクロヘキシルメチルジメトキシシランおよびトリエチルアルミニウムのヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を70℃に保持した。プロピレン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、トリエチルアルミニウムの供給量はそれぞれ175kg/H、0.005kg/H、および0.015kg/Hであった。水素は、気相の水素濃度が3.4モル%となるよう供給した。重合例1で使用した予備重合触媒を流動パラフィンによりスラリー状とし、固体成分Aで3.3g/Hでフィードした。反応の平均滞留時間は1.0Hとなるよう運転を行った結果、87kg/Hの生産レートでプロピレン重合体IIIが得られた。このホモポリマーのMFRを測定したところ、16.0g/10分であった。
(重合例4)
内容積400Lの反応器に、液化プロピレン、水素、シクロヘキシルメチルジメトキシシランおよびトリエチルアルミニウムのヘキサン希釈溶液を連続的に供給し、内温を70℃に保持した。プロピレン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、トリエチルアルミニウムの供給量はそれぞれ173kg/H、0.005kg/H、および0.015kg/Hであった。水素は、気相の水素濃度が4.0モル%となるよう供給した。重合例1で使用した予備重合触媒を流動パラフィンによりスラリー状とし、固体成分Aで5.3g/Hでフィードした。反応の平均滞留時間は1.0Hとなるよう運転を行った結果、87kg/Hの生産レートでプロピレン重合体IVが得られた。このホモポリマーのMFRを測定したところ、22.0g/10分であった。
(実施例1)
重合体IIのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.03重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.03重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.03重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは40g/10分、PIは3.3であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度1.8デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定し、さらに、それぞれの標準偏差を求め地合いを判断した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
重合体IIのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.03重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.065重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは63g/10分、PIは2.8であった。次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度1.8デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例3)
重合体Iのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.05重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.075重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは31g/10分、PIは3.0であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度1.8デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例4)
重合体IIIのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.03重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.025重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のプロピレン重合体組成物を調整した。得られたペレットのMFRは38g/10分、PIは3.8であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度2.2デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例1)
重合体IVのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.03重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.018重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは38g/10分、PIは4.6であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度1.8デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例2)
重合体Iのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.03重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.03重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.15重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは90g/10分、PIは2.3であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度1.8デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
重合体IIIのパウダー100重量部に対して、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.15重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.025重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは39g/10分、PIは3.8であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度1.8デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定した。その結果を表1に示す。
(比較例4)
重合体IIIのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.3重量部酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウム(日東化成工業製、商品名Ca−St)を0.15重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.025重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは39g/10分、PIは3.8であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行ったが断糸が多発し、繊維を採取できなかった。
(比較例5)
重合体Iのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.03重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.045重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは15g/10分、PIは3.0であった。
次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行ったが断糸が多発し、繊維を採取できなかった。
(比較例6)
重合体IVのパウダー100重量部に対して、ハイドロタルサイト類としてMgAl(OH)16・CO・4HO(協和化学社、商品名DHT−4A)を0.03重量部、酸化防止剤としてペンタエリストールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガノックス1010)を0.05重量部、トリス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社、商品名イルガフォス168)を0.1重量部、及び過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチル−パーオキシ)ヘキサン(日本油脂社、商品名パーヘキサ25B)を0.1重量部配合し、ヘンシェルミキサーで500rpm、3分間高速混合した後、φ50mm単軸押出機(ユニオンプラスチック社製)を使用し、押出温度230℃の条件で、溶融、混練、冷却、カットしてペレット状のポリプロピレン樹脂組成物を調整した。得られたペレットのMFRは170g/10分、PIは2.9であった。次に、得られた組成物を原料として使用し、ホール数24個のノズルを用いて溶融紡糸を行った。溶融紡糸条件は、紡糸温度230℃、吐出量0.8g/min・孔で行い、その後エアーサッカーにて延伸し、繊度1.8デシテックスの繊維を得た。この繊維をエアーサッカー下方にあるコンベアーに集積させた後、140℃に設定したエンボスロールにより繊維同士を融着させ、目付量40g/mの不織布を得た。得られた不織布の強度、伸度を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004690131
表1から明らかなように、上記に示した各実施例によれば、いずれも機械的強度および地合いの良好な不織布が得られる(実施例1〜4)。一方、PIの値が大き過ぎまたは小さ過ぎるポリプロピレン樹脂組成物からの不織布は強度及び伸度に劣り、地合いも劣る(比較例1、2)。また、ハイドロタルサイト類の配合を行なわないポリプロピレン樹脂組成物からの不織布は強度、伸度に劣り、地合いも劣り(比較例3)、ハイドロタルサイト類の配合が多過ぎるポリプロピレン樹脂組成物からは不織布を成形できなかった(比較例4)。さらに、MFRの値が小さ過ぎるポリプロピレン樹脂組成物からは不織布を成形できず(比較例5)、MFRの値が大きすぎるポリプロピレン樹脂組成物からの不織布は強度及び伸度に劣り、地合いも劣った(比較例6)。
本発明の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物は、MFR、PIを調整し、ハイドロタルサイト類を適量添加しているので機械的強度および地合いが良好な不織布を製造することができ、得られる不織布は衛材の分野で好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. ポリプロピレン樹脂100重量部に対し、ハイドロタルサイト類が0.005〜0.15重量部含有された、PI(多分散指数:Polydispersity Index)が2.5〜4.5の範囲にあり、メルトフローレートが20〜150g/10分の範囲にあることを特徴とする長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物を用いて成形してなることを特徴とするスパンボンド不織布。
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