JP2000110024A - ポリプロピレン繊維及びそれよりなる不織布 - Google Patents

ポリプロピレン繊維及びそれよりなる不織布

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JP2000110024A
JP2000110024A JP29298098A JP29298098A JP2000110024A JP 2000110024 A JP2000110024 A JP 2000110024A JP 29298098 A JP29298098 A JP 29298098A JP 29298098 A JP29298098 A JP 29298098A JP 2000110024 A JP2000110024 A JP 2000110024A
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weight
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JP29298098A
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Toshikuni Hata
俊邦 畑
Toru Matsumura
徹 松村
Kenji Kobayashi
賢治 小林
Junichi Nishimura
淳一 西村
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紡糸性、延伸性に優れると同時に風合い(ソ
フト感)、低温ヒートシール性を具備したポリプロピレ
ン繊維及びそれよりなる不織布の提供。 【解決手段】 メルトフローレート4〜100g/10
分のプロピレンエチレンランダム共重合体100重量部
に対して、メルトフローレート4〜100g/10分、
密度0.92〜0.96g/cm3のポリエチレンを
0.5〜20重量部配合した樹脂組成物を溶融紡糸後、
延伸してなるポリプロピレン繊維。また、該ポリプロピ
レン繊維からなる不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紡糸性、延伸性に
優れたポリプロピレン繊維に関し、特に、風合い、ヒー
トシール性に優れたポリプロピレン繊維及びそれよりな
る不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリプロピレン系繊維は、溶融紡
糸工程の紡糸性や延伸性の向上を目的に加工時の紡糸温
度、冷却温度や延伸温度及び紡糸速度、延伸速度などの
製造条件を種々変更することにより改善が行われてきて
いる。また、樹脂面での改善策としては特開平4−22
0448号公報、同10−88459号公報等に低分子
量ポリプロピレンワックスやポリエチレンワックスなど
の添加による紡糸性、延伸性の向上などが手法として紹
介されている。しかしながら、これらの低分子量成分は
紡糸時の発煙や、熱劣化による目やにの発生及びプレー
トアウトによる装置の汚れなどの問題を含んでおり必ず
しも満足の行くものではなかった。
【0003】一方、高速紡糸が可能なブレンド構造体と
して線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とアイソタ
クチックポリプロピレンのブレンド構造体からなる繊維
及びその繊維を用いた不織布が特許2768461号公
報で紹介されているが、ブレンド比率においてポリプロ
ピレンの比率が50重量%を超えると紡糸性が低下する
こと、LLDPEの密度が0.940g/cm3を超え
ると風合い(ソフト感)が劣る等の問題がある。特にホ
モポリプロピレンに比べα−オレフィン、特にエチレン
とプロピレンとの共重合体の紡糸性、延伸性は悪くなる
ため、これらの問題のない延伸性の良い樹脂が強く望ま
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の観点から、紡糸性、延伸性に優れるプロピレンエチレ
ンランダム共重合体を主成分とするポリプロピレン繊維
を提供するものであり、同時に風合い(ソフト感)、低
温ヒートシール性を具備したポリプロピレン繊維及びそ
れよりなる不織布を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定のメルトフロ
ーレートを有するプロピレンエチレンランダム共重合体
100重量部に対して、特定のメルトフローレート及び
特定の密度を有するポリエチレン樹脂を0.5〜20重
量部配合した樹脂組成物を用いることで、紡糸、延伸工
程でのプレートアウトが無く、ヒートシール性に優れる
繊維を得ることことができることを見出し、本発明を完
成した。すなわち、本発明は、メルトフローレート4〜
100g/10分のプロピレンエチレンランダム共重合
体100重量部に対して、メルトフローレート4〜10
0g/10分、密度0.92〜0.96g/cm3のポ
リエチレンを0.5〜20重量部配合した樹脂組成物を
溶融紡糸後、延伸してなるポリプロピレン繊維であり、
また該ポリプロピレン繊維からなる不織布である。
【0006】
【発明の実施の形態】1.ポリプロピレン樹脂 本発明のポリプロピレンは、プロピレンエチレンランダ
ム共重合体であってプロピレンを90重量%以上含み、
エチレンを10重量%以下含むランダム共重合体が使用
できる。好ましくはプロピレンを95重量%以上含み、
エチレンを5重量%以下含むランダム共重合体が紡糸
性、延伸性の観点から良好である。上記プロピレンエチ
レンランダム共重合体は、230℃測定のメルトフロー
レート(MFR)が4〜100g/10分、好ましくは
8〜40g/10分である。MFRが4g/10分未満
であると紡糸性、延伸性が劣り、一方、MFRが100
g/10分を超えると紡糸性は良好であるが紡糸時の発
煙が多くなり、紡糸時の巻取装置及びガイド等に析出す
る白粉や延伸時の延伸ロールやプレートヒータに付着す
る汚れが多くなる。より高流動化を図るため、あらかじ
め過酸化物を適量添加し押出加工処理すると同時に分子
量分布を狭くしたプロピレンエチレンランダム共重合体
を用いることもできる。
【0007】2.ポリエチレン樹脂 本発明で使用するポリエチレンは、低密度ポリエチレン
(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられ
る。具体的にはエチレンを主成分とし、炭素数3〜12
のα−オレフィンを共重合成分とする共重合体又はこれ
らのコモノマーを含まないポリエチレンであって、19
0℃測定のメルトフローレート(MFR)が4〜100
g/10分、好ましくは8〜30g/10分であり、密
度が0.92〜0.96g/cm3、好ましくは0.9
4〜0.96g/cm3のポリエチレン樹脂である。M
FRが4g/10分未満のポリエチレン樹脂は、紡糸成
形時の粘度が高く紡糸延伸性が劣り、一方、100g/
10分を超えると紡糸性は良くなるが白粉発生や発煙成
分が多くなる。また、密度が0.92g/cm3未満で
あると紡糸成形性が悪く、一方、0.96g/cm3
超えると風合いが硬くなり、またそれ自体、重合に難が
あり経済的でない。本発明に使用するポリエチレン樹脂
は、プロピレンエチレンランダム共重合体の重合調製後
に直接混練りしても良いし、紡糸前に各々の樹脂をヘン
シェルミキサー又はリボンブレンダー等でドライブレン
ドして用いてもよい。
【0008】3.使用出来る安定剤及びその他添加剤 本発明に使用されるプロピレンエチレンランダム共重合
体及びポリエチレン樹脂との組成物に対し使用出来る酸
化防止剤及びその他添加剤は以下のものが挙げられる。 フェノール系酸化防止剤 2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,
6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2−t−
ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−t
−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−i
−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−シ
クロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチ
ルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、
2,6−ジ−オクタデシル−4−メチルフェノール、
2,4,6−トリ−シクロヘキシルフェノール、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、n
−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’
−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,5−
ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミ
ルハイドロキノン、2,2’−チオビス(6−t−ブチ
ル−2−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6
−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−チ
オビス(4−オクチルフェノール)、2,2’−チオビ
ス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,
4’−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−2−メチ
ルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル
−3−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス
(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’
−メチレン−ビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノ
ール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−
シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレン−ビ
ス{4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フ
ェノール}、2,2’メチレン−ビス(6−ノニル−4
−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス{6
−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール}、
2,2’−メチレン−ビス{6−(α,α’−ジメチル
ベンジル)−4−ノニルフェノール}、2,2’−メチ
レン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、
2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェノール−2,2’−エチリデン−ビス(6−t−ブ
チル−4−i−ブチルフェノール)、4,4’−メチレ
ン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,
4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−2−メチルフ
ェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブ
チル−2−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデン
−ビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
4,4’−ブチリデン−ビス(2,6−ジ−t−ブチル
フェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3,6−
ジ−t−ブチルフェノール)、1,1’−ビス(5−t
−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−ブ
タン、2,6−ジ(3−t−ブチル−5−メチル−2−
ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォ
ネート−ジエチルエステル、2,2’−チオ−ジエチレ
ンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート}、ビス{3,3−ビス
(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチ
リックアシッド}エチレングリコースエステル、ビス
{3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メチル−
5’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}エチ
レングリコールエステル、ビス{3,3−ビス(4’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ブ
チリックアシッド}エチレングリコールエステル、ビス
{3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−ブチルフェ
ニル)ブチリックアシッド}−2,2’−ビス(ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパンエステル、ビス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフ
ォン酸エチル)カルシウム、トコフェノール、2,6−
ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、2,4
−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリ
アジン、2,4,6−トリス(2’−ヒドロキシ−4’
−オクトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス{3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)エチル}−1,3,5
−トリアジン、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジルチオ)−1,
3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3’,5’
−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジルアセチ
ル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,1,
3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メ
チルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール−ビス
{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオー
ル−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート}、N,N’−ビス{3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル}−ヘキサメチレンジアミン、2−t
−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5
−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレー
ト、2−t−ブチル−6−{3−t−ブチル−2−ヒド
ロキシ−5−メチル(α−メチルベンジル)}−4−メ
チルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−
6−{3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ(α−
メチルベンジル)}フェニルアクリレート、2,4−ジ
−t−アミル−6−{2,5−ジ−t−アミル−2−ヒ
ドロキシ(α−メチルベンジル)}フェニルアクリレー
ト、ビス{3,3−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−メ
チル−5’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッ
ド}−2,2−ビス(ヒドロキシエトキシフェニル)プ
ロパンエステル、ビス{3,3−ビス(4’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ブチリック
アシッド}−2,2−ビス(ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパンエステル、ビス{2−(3’−t−ブチル
−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t
−ブチル−4−メチルフェニル}テレフタレート、3,
9−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、3,9−ビス{1,1−ジメチ
ル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)エチル}−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス[1,1−ジ
メチル−2−{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウ
ンデカン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{β
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−
ビス[1,1−ジメチル−2−{β−(3,5−ジフェ
ニル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、3,9−ビス[1,1−ジメチ
ル−2−{β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス(4−t−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌレート、トリス{3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエ
チル}イソシアヌレート、2,2−ビス[4−{2−
(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ルプロピオニルオキシ)エトキシ}フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−{2−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)エト
キシ}フェニル]プロパン、テトラキス{メチレン−3
−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート}メタン、テトラキス{メ
チレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート}メタン等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらは1
種でも、2種以上でも用いることができる。これらフェ
ノール系酸化防止剤は、上記組成物100重量部に対し
好ましくは、0.01〜1.5重量部、より好ましくは
0.01〜0.7重量部、更に好ましくは0.02〜
0.3重量部配合することができる。
【0009】硫黄系酸化防止剤 ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジ
プロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、
ジドコシルチオジプオピオネート等のジアルキルチオジ
プロピオネート類、ジステアリルジサルファイド等のジ
アルキルジサルファイド類、テトラキス[メチレン(ラ
ウリルチオプロピオネート)]メタン、テトラキス[メ
チレン(ステアリルチオプロピオネート)]メタン等の
アルキルチオプロピオオン酸と多価アルコールとのエス
テル等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらは、1種でも2種以上でも用いることができ
る。この硫黄酸化防止剤の配合量としては、上記のフ
ェノール系酸化防止剤の添加量の0.1倍から10倍、
特に1〜5倍量が好ましい。
【0010】リン系酸化防止剤 トリラウリルフォスファイト、トリデシルファスファイ
ト、オクチル・ジフェニルフォスファイト、トリフェニ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスフ
ァイト、トリス(モノ・ジ混合ノニルフェニル)フォス
ファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス
(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタンジフォスファイト、テトラ(C12-15混合ア
ルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジフ
ォスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−ブチ
リデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)
ジフォスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデ
ンジフェノールポリフォスファイト、ビス(オクチルフ
ェニル)・ビス[4,4’−ブチリデンビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)]・1,6−ヘキサン
ジオールジフォスファイト、フェニル・4,4’−イソ
プロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジフ
ォスファイト、ジステアリル−ペンタエリスリトール−
ジフォスファイト、2,4,6−トリ−t−ブチルフェ
ニル−2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ
ールフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォス
フォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5
−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フ
ォスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、ビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)−ペ
ンタエリスリトール−ジフォスファイト、ビス(2,
4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ール−ジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)フォスファイト、2,2’−メチレン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォ
スファイト、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェニル)フルオロフォスファイト等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
は、1種でも、2種以上でも用いることができる。この
リン系酸化防止剤の配合量としては、上記のフェノー
ル系酸化防止剤の添加量の0.1倍〜10倍、特に0.
5〜5倍量が好ましい。これら酸化防止剤の配合量が上
記範囲未満では劣化防止効果が不十分となり、一方、上
記範囲を超過するとブリードや変色の欠点が起こり好ま
しくない。
【0011】ヒンダードアミン系光安定剤(HAL
S) 上記樹脂組成物に2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジル基を有するヒンダードアミン系光安定剤を併用する
ことが出来る。これらピペリジン骨格を有するヒンダー
ドアミンとしては、例えば、4−ベンゾイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス(1−オクチロキシ−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデ
シル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(ト
リデシル)ブタンテトラカルボキシレート、コハク酸ジ
メチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合
物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン縮合
物、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)ドデシルコハク酸イミド、3,9−ビス[1,1
−ジメチル−2−トリス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジルオキシカルボニル)ブチルカルボニ
ルオキシエチル]−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス[1,1−ジ
メチル−2−トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジルオキシカルニル)ブチルカルボニル
オキシエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5,5]ウンデカン、ポリ[{6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エ
チレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮
合物、ポリ[6−モリホリノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル][4−(2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン−[4−
(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミ
ノ]、ポリ[6−モリホリノ−1,3,5−トリアジン
−2,4−ジイル][4−(1,2,2,6,6−ペン
タメチルピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン−[4−
(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)イミ
ノ]、等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらは、1種でも、2種以上でも用いることが
できる。このヒンダードアミン系光安定剤酸化防止剤の
配合量としては、上記のフェノール系酸化防止剤の添
加量の0.1倍〜10倍、特に0.5〜8倍量が好まし
い。
【0012】中和剤 本発明で用いる組成物には必要に応じ触媒残渣の中和剤
(分散剤を兼ねる)として、金属石鹸、ハイドロタルサ
イト類、ケイ酸アルミニウムカルシウム、周期律表第I
I族の亜鉛、アルミニウム、錫、鉛等の金属の酸化物並
びに水酸化物等を使用することができ、特に、金属石
鹸、ハイドロタルサイト類を使用することが好ましい。
金属石鹸としては、高級脂肪酸若しくは脂肪酸オキシ酸
とマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミ
ニウム、錫、鉛等の金属との金属塩等が挙げられる。高
級脂肪酸としては、炭素数10〜22の鎖状モノカルボ
ン酸が挙げられ、ステアリン酸、ラウリン酸等が好まし
い。また、脂肪酸オキシ酸としては、脂肪族カルボン酸
の側鎖にアルコール性水酸基を有するものが挙げられ、
乳酸、クエン酸、ヒドロキシステアリン酸等が好まし
い。金属石鹸の好ましい例としては、ステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、
クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、12−ヒドロキ
システアリン酸カルシウム、ステアリル乳酸カルシウ
ム、ラウリル乳酸カルシウム等が挙げられる。ハイドロ
タルサイト類としては、マグネシウム、カルシウム、亜
鉛、アルミニウム、ビスマス等の含水塩基性炭酸塩また
は結晶水を含まないもので、天然物及び合成品が含まれ
る。天然物としては、Mg6Al2(OH)16CO3・4
2Oの構造のものが挙げられる。また、合成品として
は、Mg0.7Al0.3(CO30.15・0.54H2O、M
4.5Al2(OH)12CO3・3.5H2O、Mg4.2
2(OH)12.4CO3、Zn6Al2(OH)16CO3
4H2O、Ca6Al2(OH)16CO342O、Mg14
Bi2(OH)29.6・4.2H2O等が挙げられる。周期
律表第II族の金属等の酸化物及び水酸化物としては、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、水酸化
カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム
等が特に好ましい。その他中和剤としては、化学式Li
2Al4(OH)12CO3・nH2Oで示される炭酸リチウ
ムと水酸化アルミニウムのリチウムアルミニウム複合水
酸化物塩を使用することが出来る。代表的化合物として
は、Li2Al4(OH)12CO3・nH2Oが挙げられ、
単独または上記の金属石鹸、ハイドロタルサイト類等と
併用して使用することが出来る。これらの中和剤の添加
量は、樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは
0.01〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5
重量部である。
【0013】その他の添加剤 本発明に係わるポリプロピレン系樹脂延伸繊維には、使
用目的に応じて適宜従来公知のポリオレフィン用改質剤
を併用することができる。例えば酸化防止剤(アミン系
酸化防止剤、ベンゾフラン類やビタミン類等)、紫外線
吸収剤、光安定剤、有機カルボン酸、帯電防止剤(界面
活性剤含む)、エポキシ安定剤、可塑剤、滑剤、抗菌
剤、難燃剤、充填剤、発泡剤、発泡助剤、架橋剤、架橋
助剤、造核剤、(透明化剤を含む)、顔料等である。こ
れらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用
することができる。
【0014】3.ポリプロピレン繊維 本発明のポリプロピレン繊維の成形は、前記の樹脂組成
物をペレット状又はパウダー状の繊維用ポリプロピレン
原料として用い、マルチフィラメント溶融紡糸装置やモ
ノフィラメント溶融紡糸装置を用い、先ず溶融成形で未
延伸糸を紡糸した後、次いで、延伸装置で延伸すること
により行うことが出来る。紡糸温度は、190℃〜30
0℃の成形温度範囲が良く、190℃未満ではMFRの
低い樹脂(例えば10g/10分以下)を紡糸する時の
溶融粘度が高くなりすぎ紡糸性が劣り、一方、300℃
を超えると溶融粘度は低くなり紡糸性は向上するが、紡
糸時の発煙が多くなり成形上好ましくない。紡糸と延伸
は、一段階で行うことが出来るが、紡糸と延伸工程を分
離し二段又は二段以上で行ってもよい。延伸操作は、1
段あるいは2段以上の多段で行うことができる。延伸温
度は、通常60〜120℃、好ましくは70〜120℃
の範囲で、オーブン内、熱板、湿熱、遠赤外線などを熱
源として行うのが好ましい。本発明のポリプロピレン繊
維は、好ましくは繊度が0.5デニール以上であり、延
伸性が改善され、紡糸性に優れ、ヒートシール性に優れ
るため、繊維分野では低温ヒートシール性の改良材(バ
インダー)として用いることができる。繊度が0.5デ
ニール未満であると紡糸時の糸切れ頻度が多くなり、紡
糸工程の安全性に劣り操業上好ましくない。
【0015】4.不織布 本発明の不織布は、前記のポリプロピレン繊維からなる
不織布であり、並列複合繊維や芯鞘複合繊維(例えば芯
材にホモポリプロピレンやポリエステル等の高融点樹脂
を用い鞘材には芯材より融点の低い樹脂を使用した複合
繊維)等の低融点樹脂としても本発明のポリプロピレン
繊維が使用可能である。例えば、前記のプロピレン−エ
チレンランダム共重合体とポリエチレンの樹脂組成物を
鞘成分とし、ホモポリプロピレンを芯成分として用い、
芯鞘型複合紡糸口金を用い、溶融紡糸を行い、その後エ
アサッカーにて延伸し、複合型長繊維を得、この複合型
長繊維をエアサッカー下方にあるコンベアーに集積した
後、鞘成分を溶融固化させ繊維同士を結合させて不織布
を製造する。本発明の不織布は、引張強度に優れ、風合
いがよく、衛生材料、例えば紙おむつ等に使用するのに
好ましい。
【0016】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
より具体的に説明する。なお、実施例および比較例にお
ける評価方法は以下の通りである。 (1)MFR:ポリプロピレンは、JIS K7210
に準拠して、230℃、2.16kgf荷重にて測定し
た。ポリエチレンは、JIS K7210に準拠して、
190℃、2.16kgf荷重にて測定した。 (2)紡糸性の評価方法:ギアポンプ付き30mmφ単
軸押出機を用いC1/C2/C3/Dの成形温度を20
0℃/200℃/200℃/220℃に設定し、紡糸ノ
ズル直下冷却温度を20℃に設定、紡糸巻取速度500
m/分で約10デニールの未延伸糸を得る時に生じる糸
切れ頻度を測定した。この紡糸時に使用した紡糸油剤は
約3%の非イオン系界面活性剤を使用した。紡糸性の評
価は1時間の紡糸での糸切れ回数で比較し、1時間紡糸
する際に糸切れがないものを◎、1〜2回糸切れが生じ
たものを△、3回以上糸切れが生じたものを×とした。
【0017】(3)延伸性の評価方法:延伸装置のフィ
ードロール/プレート/ドローロールの温度設定をプロ
ピレンエチレンランダム共重合ポリマーでは70℃/1
00℃/80℃に設定し延伸し、ホモポリプロピレンポ
リマーでは90℃/130℃/110℃で設定し延伸し
た。延伸性の評価は紡糸評価で得られた約10デニール
の未延伸糸を用いてフィードロール速度50m/分で行
い、ドローロール速度を徐々にアップして行き、糸切れ
が生じる時の速度をフィードロール速度で割った値を最
高延伸倍率(MDR)とした。
【0018】(4)ヒートシール性の評価方法:CPP
フィルム成形装置を用いて25ミクロン厚みのCPPフ
ィルムを作成し、ヒートシール温度130℃に於ける融
着強度が100gf/15mm幅以上のシール強度を示
す物を◎、それ以下の強度を示す物を×とした。
【0019】(5)プレートアウトの評価方法:紡糸、
延伸時の巻き取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や
汚れを目視で観察し判定した。紡糸時の白粉、汚れの発
生のないものを◎、多少発生するものを△、多い物を×
とした。
【0020】実施例1 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の3重量%エチレン濃度のプロピレンエチレンラン
ダムコポリマー100重量部に酸化防止剤として、Go
odrite3114(グッドリッチ製)を0.05重
量部、Ir168(チバガイキー製)を0.10重量
部、中和剤としてカルシウムステアレート0.05重量
部を配合し、スーパーミキサーを用いてブレンドした
後、50mmφの押出成形機にて230℃、75rpm
のスクリュー回転数で溶融混練し、ペレット状のポリプ
ロピレンを得た。このペレット95重量%にGPC測定
による分子量分布が6のHDPE(密度0.955g/
cm3、MFR20g/10分)を5重量%加え、スー
パーミキサーを用いてブレンドした後、これをギアポン
プ付きマルチフィラメント紡糸機(ダイス:0.8mm
φ×30穴)を用いて、紡糸温度220℃、巻取速度5
00m/分、冷却温度20℃で溶融紡糸し、約10デニ
ールの未延伸糸を得た(紡糸油剤は、約3%の非イオン
系界面活性剤を使用した)。次いで、フィードロールス
ピード50m/分、フィードロール温度70℃、延伸点
のヒーター温度100℃、ドローロール温度80℃の条
件下で延伸を行った。最高延伸倍率は、4.1倍であっ
た。紡糸性は、1時間紡糸で糸切れは無く良好で、3.
5倍延伸条件で約30分間延伸を行ったが、延伸切れも
なく風合いもソフトで良好な延伸糸(約3デニール)が
得られた。紡糸、延伸時の巻き取り装置及び延伸ロール
に析出する白粉や汚れも無く良好であった。結果を表1
に示す。
【0021】実施例2 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の3.6重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマーとした以外は、実施例1と同様にし
て紡糸性、延伸性を評価した。最高延伸倍率は、4.1
倍であった。紡糸性は、1時間紡糸で糸切れは無く良好
で、3.5倍延伸条件で約30分間延伸を行ったが、延
伸切れもなく風合いもソフトで良好な延伸糸(約3デニ
ール)が得られた。紡糸、延伸時の巻き取り装置及び延
伸ロールに折出する白粉や汚れも無く良好であった。結
果を表1に示す。
【0022】実施例3 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の3.6重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー90重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のHDPE(密度0.955g/cm3
MFR20g/10分)を10重量%加えた以外は、実
施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延
伸倍率は、4.0倍であった。紡糸性は、1時間紡糸で
糸切れは無く良好で、3.5倍延伸条件で約30分間延
伸を行ったが、延伸切れもなく風合いもソフトで良好な
延伸糸(約3デニール)が得られた。紡糸、延伸時の巻
き取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れも無く
良好であった。結果を表1に示す。
【0023】実施例4 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー98重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のHDPE(密度0.955g/cm3
MFR20g/10分)を2重量%加えた以外は、実施
例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延伸
倍率は、4.0倍であった。紡糸性は、1時間紡糸で糸
切れは無く良好で、3.5倍延伸条件で約30分間延伸
を行ったが、延伸切れもなく風合いもソフトで良好な延
伸糸(約3デニール)が得られた。紡糸、延伸時の巻き
取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れも無く良
好であった。結果を表1に示す。
【0024】実施例5 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー95重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のHDPE(密度0.955g/cm3
MFR20g/10分)を5重量%加えた以外は、実施
例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延伸
倍率は、4.1倍であった。紡糸性は、1時間紡糸で糸
切れは無く良好で、3.5倍延伸条件で約30分間延伸
を行ったが、延伸切れもなく風合いもソフトで良好な延
伸糸(約3デニール)が得られた。紡糸、延伸時の巻き
取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れも無く良
好であった。結果を表1に示す。
【0025】実施例6 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー90重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のHDPE(密度0.955g/cm3
MFR20g/10分)を10重量%加えた以外は、実
施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延
伸倍率は、4.1倍であった。紡糸性は、1時間紡糸で
糸切れは無く良好で、3.5倍延伸条件で約30分間延
伸を行ったが、延伸切れもなく風合いもソフトで良好な
延伸糸(約3デニール)が得られた。紡糸、延伸時の巻
き取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れも無く
良好であった。結果を表1に示す。
【0026】実施例7 MFRが15g/10分,GPC測定による分子量分布
が4の3.6重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー95重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のHDPE(密度0.955g/c
3、、MFR20g/10分)を5重量%加えた以外
は、実施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。
最高延伸倍率は、4.1倍であった。紡糸性は、1時間
紡糸で糸切れは無く良好で、3.5倍延伸条件で約30
分間延伸を行ったが、延伸切れもなく風合いもソフトで
良好な延伸糸(約3デニール)が得られた。紡糸、延伸
時の巻き取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れ
も無く良好であった。結果を表1に示す。
【0027】比較例1 樹脂として、MFRが25g/10分、GPC測定によ
る分子量分布が4のホモポリプロピレンのみを用いる以
外は、実施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価し
た。最高延伸倍率は、5.5倍であった。紡糸性は、1
時間紡糸で糸切れは無く良好で、3.5倍延伸条件で約
30分間延伸を行ったが、延伸切れもなく良好である
が、風合いは、硬い延伸糸(約3デニール)となり、ま
たヒートシール温度130℃に於けるヒートシール性
(25ミクロンフィルム成形品で評価)も100gf/
15mm幅以上のヒートシール強度物性は得られず、ヒ
ートシール性は、劣るものであった。紡糸、延伸時の巻
き取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れは無く
良好であった。結果を表1に示す。
【0028】比較例2 樹脂として、MFRが25g/10分、GPC測定によ
る分子量分布が4の3重量%エチレン濃度のプロピレン
エチレンランダムコポリマーのみを使用したこと以外
は、実施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。
最高延伸倍率は、3.3倍であった。紡糸性は、1時間
紡糸で糸切れは無く良好であるが、3.5倍延伸は出来
ず延伸性は劣るものであった。結果を表1に示す。
【0029】比較例3 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の3.6重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー70重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のHDPE(密度0.955g/cm3
MFR20g/10分)を30重量%加えた以外は、実
施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。紡糸性
は、短時間紡糸で糸切れが発生し、紡糸速度500m/
分での紡糸評価が不可能な状態であった。結果を表1に
示す。
【0030】比較例4 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー99.5重量%にHDPEに代えて
EBS(エチレンビスステアリン酸アマイド、日本化成
製スリパックスE)0.5重量%を添加した以外は、実
施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延
伸倍率は、3.6倍であった。紡糸性は、1時間紡糸で
糸切れはなく良好であるが、延伸性は、3.6倍延伸条
件が限界であり延伸性は劣る。また、紡糸、延伸時の巻
き取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れが見ら
れ、紡糸時の発煙もやや多い結果であった。結果を表1
に示す。
【0031】比較例5 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー98重量%にHDPEに代えてEB
S(エチレンビスステアリン酸アマイド、日本化成製ス
リパックスE)2重量%を添加した以外は、実施例1と
同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延伸倍率
は、3.8倍であった。紡糸性は1時間紡糸で糸切れは
1〜2回発生、糸切れは糸の融着によって生じるものも
含まれる。EBSの添加で延伸性はやや良くなるが3.
8倍延伸条件が限界であった。また、紡糸、延伸時の巻
き取り装置及び延伸ロールに析出する白粉や汚れが見ら
れ、紡糸時の発煙も多い結果であった。結果を表1に示
す。
【0032】比較例6 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー98重量%に、HDPEに代えてポ
リエチレンワックス(分子量2000、三井化学製ハイ
ワックス200P)2重量%を添加した以外は、実施例
1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延伸倍
率は、3.7倍であった。紡糸性は1時間紡糸で糸切れ
は1〜2回発生、ポリエチレンワックスの添加で延伸性
は、やや良くなるが3.7倍延伸条件が限界であった。
また、紡糸、延伸時の巻き取り装置及び延伸ロールに析
出する白粉や汚れが見られ、紡糸時の発煙も多い結果で
あった。結果を表1に示す。
【0033】比較例7 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー95重量%に、HDPEに代えてポ
リエチレンワックス(分子量2000、三井化学製ハイ
ワックス200P)5重量%を添加した以外は、実施例
1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高延伸倍
率は、3.9倍であった。紡糸性は、1時間紡糸で糸切
れは2〜3回発生した。ポリエチレンワックスの添加で
延伸性は、やや良くなるが3.9倍延伸条件が限界であ
った。また、紡糸、延伸時の巻き取り装置及び延伸ロー
ルに析出する白粉や汚れが見られ、紡糸時の発煙も多く
紡糸性は、劣る結果であった。結果を表1に示す。
【0034】比較例8 樹脂として、MFRが25g/10分、GPC測定によ
る分子量分布が4の6.0重量%エチレン濃度のプロピ
レンエチレンランダムコポリマーのみを用いた以外は、
実施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。最高
延伸倍率は、3.0倍であった。紡糸性は1時間紡糸で
糸切れは3〜5回発生し、糸切れは糸の融着によって生
じているものが多く含まれる。3倍延伸条件が限界であ
り延伸性はかなり劣る。また、紡糸時の発煙も多い結果
であった。結果を表1に示す。
【0035】比較例9 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー90重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のLDPE(密度0.918g/cm3
MFR18g/10分)を10重量%加えた以外は、実
施例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。紡糸性
は、短時間紡糸で糸切れが発生し、紡糸速度500m/
分での紡糸評価が不可能な状態であった。結果を表1に
示す。
【0036】比較例10 MFRが25g/10分、GPC測定による分子量分布
が4の4.2重量%エチレン濃度のプロピレンエチレン
ランダムコポリマー90重量%に、GPC測定による分
子量分布が6のHDPE(密度0.964g/cm3
MFR8g/10分)を10重量%加えた以外は、実施
例1と同様にして紡糸性、延伸性を評価した。紡糸性
は、短時間紡糸で糸切れが発生し、紡糸速度500m/
分での紡糸評価が不可能な状態であった。結果を表1に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン繊維は、延伸性
が改善され、紡糸性に優れ、ヒートシール性に優れるた
め、フィルム分野や繊維分野では低温ヒートシール性の
改良材(バインダー)として用いることができる。ま
た、本発明の不織布は、引張強度に優れ、風合いがよ
く、衛生材料、例えば紙おむつ等に使用するのに好まし
い。
フロントページの続き (72)発明者 小林 賢治 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 日 本ポリケム株式会社川崎技術センター内 (72)発明者 西村 淳一 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 日 本ポリケム株式会社川崎技術センター内 Fターム(参考) 4L035 BB32 BB89 BB91 DD13 EE01 FF05 HH04 HH05 HH10 LA01 4L041 BD11 CA38 CA42 EE01 4L047 AA14 AA29 AB03 CB09 CB10 CC01 EA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレート4〜100g/10
    分のプロピレンエチレンランダム共重合体100重量部
    に対して、メルトフローレート4〜100g/10分、
    密度0.92〜0.96g/cm3のポリエチレンを
    0.5〜20重量部配合した樹脂組成物を溶融紡糸後、
    延伸してなるポリプロピレン繊維。
  2. 【請求項2】 紡糸温度が190℃〜300℃、延伸温
    度が60℃〜120℃である請求項1記載のポリプロピ
    レン繊維。
  3. 【請求項3】 繊度が0.5デニール以上である請求項
    1又は2記載のポリプロピレン繊維。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のポリプロピレン繊
    維よりなる不織布。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007023398A (ja) * 2005-07-13 2007-02-01 Japan Polypropylene Corp 長繊維不織布用ポリプロピレン樹脂組成物
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