JP2019173245A - 不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡糸時の糸切れが生じにくく、かつ、親水性に優れる不織布を提供する。【解決手段】不織布は、融点(Tm)が125℃〜155℃の範囲にあるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部と、結晶化度が45%〜85%であるエチレン系重合体1質量部〜10質量部と、界面活性剤0.5質量部〜5質量部と、を含み、前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む、繊維を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、不織布に関する。
プロピレン系重合体を用いた不織布(ポリプロピレン不織布)は通気性、柔軟性及び軽量性に優れることから各種用途に幅広く用いられている。そのため、不織布には、その用途に応じた各種の特性が求められるとともに、その特性の向上が要求されている。
一方、ポリプロピレン不織布は、本質的に疎水性であるので、紙おむつ、生理用ナプキン等の衛生材料のトップシート、ワイパーなどに使用するには、親水処理することが必須である。
不織布の製造後短時間に親水性が発現する不織布として、例えば、特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と、特定の非イオン系界面活性剤と、を添加及び混合することにより得られる繊維からなる不織布が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
国際公開第2010/024147号 特開2010−150674号公報
しかしながら、従来のポリプロピレン不織布の表面を界面活性剤で処理する方法により得られた不織布では、親水性のさらなる向上が求められる場合があった。しかし、親水剤の添加量を単に増やすだけでは、親水性の向上に限界があり、また、紡糸時に糸切れが発生しやすくなる場合があった。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、紡糸時の糸切れが生じにくく、かつ、親水性に優れる不織布を提供することを課題とする。
発明者らが検討したところ、特定のプロピレン・エチレンランダム共重合体と、特定のエチレン系重合体と、特定の界面活性剤と、を含む繊維を含む不織布では、親水性に優れることを見出した。
上記課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 融点(Tm)が125℃〜155℃の範囲にあるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部と、
結晶化度が45%〜85%であるエチレン系重合体1質量部〜10質量部と、
界面活性剤0.5質量部〜5質量部と、を含み、
前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む、繊維を含む不織布。
<2> 前記エチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、(Mw/Mn)は、4.0以上である、<1>に記載の不織布。
<3> 重量平均分子量(Mw)が400〜15000であるエチレン系重合体ワックスを更に含む、<1>又は<2>に記載の不織布。
<4> 前記エチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)が、2g/10分〜25
g/10分である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の不織布。
<5> 前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルアミド及びグリセリンモノ脂肪酸エステルを更に含む、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の不織布。
<6> 前記界面活性剤の全質量に対して、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを30質量%〜60質量%、前記ポリオキシアルキレンアルキルアミドを20質量%〜50質量%、前記グリセリンモノ脂肪酸エステルを20質量%〜50質量%含む、<5>に記載の不織布。
<7> スパンボンド不織布である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の不織布。
本発明によれば、紡糸時の糸切れが生じにくく、かつ、親水性に優れる不織布を提供することができる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物中に存在する該複数の物質の合計量を意味する。
なお、本明細書において、プロピレン系共重合体とは、共重合体の全構成単位に対するプロピレンの含有率が50質量%以上である共重合体を意味する。
なお、本明細書において、エチレン系重合体とは、重合体の全構成単位に対するエチレンの含有率が50質量%以上である重合体を意味する。
《不織布》
本開示に係る不織布は、融点(Tm)が125℃〜155℃の範囲にあるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部と、結晶化度が45%〜85%であるエチレン系重合体1質量部〜10質量部と、界面活性剤0.5質量部〜5質量部と、を含み、前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む、繊維を含む。
本開示の不織布を構成する繊維は、特定のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と、特定のエチレン系重合体と、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む界面活性剤とを、それぞれ特定量含むので、紡糸時の糸切れが生じにくく、かつ、親水性に優れる。この理由は、明らかではないが以下のように推察される。
界面活性剤が不織布の表面に偏在すると親水性に優れると考えられている。本開示に係る不織布においては、ポリプロピレン系共重合体と特定の結晶化度のエチレン系重合体とを組み合わせることで、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが、ポリプロピレン系共重合体の非結晶質部分を通って繊維の表面に偏在しやすくなり、その結果、不織布は親水性により優れると推測される。
また、本開示に係る不織布は、結晶化度が特定の範囲内にあるエチレン系重合体と、特定量の界面活性剤と、を含有する繊維を含むので、紡糸時に糸切れが生じにくいと推察される。
以下、本開示に係る不織布を構成する繊維の各成分について説明する。
(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体)
本開示に係る不織布を構成する繊維は、融点(Tm)が125℃〜155℃の範囲にあるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を含む。
本開示に係る不織布を構成する繊維は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を含むことで、親水性に優れる。
プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、初期親水性に優れる不織布が得られる観点から、プロピレンを除く炭素数が2以上のα−オレフィンであることが好ましく、炭素数が2又は4〜8のα−オレフィンであることがより好ましく、炭素数2のα−オレフィン、すなわちエチレンであることが更に好ましい。
このようなα−オレフィンとして、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
α−オレフィンは、1種単独であってもよく、または2種以上を併用してもよい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の融点(Tm)は、125℃〜155℃の範囲である。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の融点(Tm)が125℃以上であると、糸切れが少なく、安定して紡糸することができる。また、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の融点(Tm)が155℃以下であると、親水性に優れる。
上記観点から、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の融点(Tm)は、125℃〜150℃の範囲であることが好ましく、130℃〜147℃の範囲であることがより好ましい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体のメルトフローレート(MFR)(ASTM D−1238、230℃、荷重2160g)は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を溶融紡糸し得る限り、特に限定はされないが、好ましくは1g/10分〜500g/10分、より好ましくは5g/10分〜200g/10分、更に好ましくは10g/10分〜100g/10分の範囲である。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
示差走査熱量計(DSC)で、昇温速度10℃/分で昇温したときの融解吸熱曲線の極値を与える温度より50℃程度高い温度まで昇温して、この温度で10分間保持した後、降温速度10℃/分で30℃まで冷却し、再度、昇温速度10℃/分で所定の温度まで昇温したときの融解曲線を測定し、かかる融解曲線から、ASTM D3418の方法にならい、融解吸熱曲線の極値を与える温度(Tp)を求め、かかるピーク温度の吸熱ピークを融点(Tm)として求めることができる。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5〜5.0であることが好ましい。紡糸性が良好であり、かつ繊維強度が特に優れる繊維が得られる点で、Mw/Mnは、1.5〜4.5の範囲がより好ましい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、後述のエチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定方法と同様にして、求めることができる。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の密度は、0.895g/cm〜0.915g/cmの範囲が好ましく、0.900g/cm〜0.915g/cmがより好ましく、0.905g/cm〜0.910g/cmが更に好ましい。
なお、本開示において、密度は、JIS K7112(1999)の密度勾配法に従って測定して得られた値である。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体におけるα−オレフィンの含有量は、プロピレン・エチレンランダム共重合体の融点(Tm)が上記範囲内である限り、特に制限はなく、0.5モル%〜10モル%であることが好ましく、3モル%〜8モル%であることがより好ましく、4モル%〜7モル%であることが更に好ましい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体の含有量は、紡糸性をより向上させる観点から、樹脂組成物の全質量に対して、85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、90質量%〜99質量%であることが更に好ましい。
(エチレン系重合体)
本開示に係る不織布を構成する繊維は、結晶化度が45%〜85%であるエチレン系重合体を含有する。エチレン系重合体は、エチレンの単独重合体、又は、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であり、エチレンの含有率が全構成単位の50質量%以上である。
エチレンと共重合される他のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数3〜20のα−オレフィン等が挙げられる。これらエチレン系重合体は1種単独であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
本開示に係る不織布を構成する繊維が含むエチレン系重合体の結晶化度は、45%〜85%である。エチレン系重合体の結晶化度が45%〜85%であると、界面活性剤に含まれるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが繊維表面に偏在しやすくなり、親水性に優れると推測される。
エチレン系重合体の結晶化度は、重合反応における触媒の種類、圧力等を変更することで所望の結晶化度に調整することができる。
親水性により優れる不織布が得られる観点から、エチレン系重合体の結晶化度は、60%〜85%であることが好ましく、65%〜85%であることがより好ましい。これは、エチレン系重合体の結晶化度が60%以上、好ましくは65%以上であることにより、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの繊維表面への偏在がより促進されると推測される。
エチレン系重合体の結晶化度は、X線回折により求められ、得られた結晶質のピーク面積を、エチレン系重合体の全ピーク面積で除して求めることができる。
エチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)(ASTM D 1238、190℃、荷重2160g)は、エチレン系重合体を上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と混合して溶融紡糸し得る限り、特に限定はされない。エチレン系重合体のMFRとしては、繊維の紡糸性、繊維径及び強度の点から、1g/10分〜50g/10分の範囲であることが好ましく、2g/10分〜25g/10分の範囲であることより好ましく、2g/10分〜10g/10分の範囲であることが更に好ましい。
エチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)が上記範囲にあると、樹脂組成物の紡糸性が良好であり、得られる不織布は更に強度が優れる。
エチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、親水性がより向上する観点から、4以上であることが好ましく、5〜15であることがより好ましく、6〜13であることが更に好ましい。
エチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法から求めた値であり、以下の条件で測定した値である。
なお、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求める。
装置:HLC8321 GPC/HT(東ソー(株)製)
溶剤:O−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgel GMH6−HT2本、TSKgel GMH6−HTLカラム2本(東ソー(株)製)
流速:1.0ml/分
試料:O−ジクロロベンゼン溶液0.10mg/mL
温度:140℃
分子量換算:ポリプロピレン(PP)換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数:KPS=1.38×10−4,aPS=0.70
ポリプロピレン(PP)の係数:KPP=2.42×10−4,aPP=0.707
エチレン系重合体の含有量は、親水性により優れる不織布が得られる観点から、上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部に対して、1質量部〜10質量部であることが好ましく、2質量部〜8質量部であることがより好ましく、2質量部〜6質量部であることが更に好ましく、2.5質量部〜5質量部であることが特に好ましい。
エチレン系重合体は、種々公知の製造方法、例えば、高圧法、チーグラー触媒又はメタロセン触媒を用いて得られる中低圧法によって得られる重合体を用いてもよい。
これらの中でも、メタロセン系触媒による重合で得られるエチレン系重合体を用いた場合には、樹脂組成物の紡糸性がより良好なものとなり、不織布の強度等が良好となる点で好ましい。
<界面活性剤>
本開示に係る不織布を構成する繊維は、界面活性剤を含有し、界面活性剤はポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのポリオキシアルキレン部は、親水性により優れる不織布が得られる観点から、オキシエチレンであることが好ましい。
同様の観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物であることが好ましく、より好ましくは、下記式(1)で表される化合物である。
式中Rは、炭素数12〜30の炭化水素基を表し、xは平均付加モル数を表し、1〜20の整数を表す。)
炭素数12〜30の炭化水素基としては、直鎖であってもよく、分岐鎖状であってもよく、飽和又は不飽和の炭化水素基であってもよい。
これらの中でも、親水性により優れる不織布が得られる観点から、直鎖の炭化水素基であることが好ましく、直鎖の飽和炭化水素基であることがより好ましく、炭素数14〜20の直鎖の飽和炭化水素基であることが更に好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの含有量は、本開示に係る不織布を構成する繊維に含まれる界面活性剤の全質量に対して、30質量%〜60質量%であることが好ましく、40質量%〜55質量%であることがより好ましい。
界面活性剤は、親水性により優れる不織布が得られる観点から、ポリオキシアルキレンアルキルアミド及びグリセリンモノ脂肪酸エステルの少なくとも一方を更に含むことが好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルアミド及びグリセリンモノ脂肪酸エステルを含むことがより好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルアミドとしては、親水性により優れる不織布が得られる観点から、好ましくは、下記式(2)で表される化合物である。
式中、Rは、炭素数16〜18の炭化水素基を表し、y及びzは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、y+zは、5以上10以下の整数を表す。
炭素数16〜18の炭化水素基としては、直鎖であってもよく、分岐鎖状であってもよく、飽和又は不飽和の炭化水素基であってもよい。
炭素数16〜18の炭化水素基としては、親水性により優れる不織布が得られる観点から、直鎖の炭化水素基であることが好ましく、直鎖の飽和炭化水素基であることがより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルアミドの含有量としては、繊維に含まれる界面活性剤の全質量に対して、20質量%〜50質量%であることが好ましく、20質量%〜40質量%であることがより好ましい。
グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、直鎖又は分岐鎖脂肪酸のグリセリンモノ脂肪酸エステルであってもよく、飽和又は不飽和脂肪酸のグリセリンモノ脂肪酸エステルであってもよい。
親水性により優れる不織布が得られる観点から、グリセリンモノ脂肪酸エステルとしては、直鎖飽和脂肪酸のグリセリンモノ脂肪酸エステルであることが好ましく、直鎖飽和脂肪酸の炭素数が16〜18のグリセリンモノ脂肪酸エステルであることがより好ましい。
親水性により優れる不織布が得られる観点から、グリセリンモノ脂肪酸エステルの含有量としては、繊維に含まれる界面活性剤の全質量に対して、20質量%〜50質量%であることが好ましく、20質量%〜40質量%であることがより好ましい。
界面活性剤の含有量は、上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部に対して、界面活性剤0.5質量部〜5質量部である。
界面活性剤の含有量が、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部に対して、0.5質量部以上であると、親水性により優れた不織布が得られる。また、界面活性剤の含有量が、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部に対して、5質量部以下であると、紡糸時の糸切れが生じにくい。
上記観点から、界面活性剤の含有量としては、1質量部〜4質量部であることが好ましく、1質量部〜3質量部であることがより好ましい。
親水性により優れた不織布が得られる観点から、本開示に係る不織布を構成する繊維は、界面活性剤の全質量に対して、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを30質量%〜60質量%、ポリオキシアルキレンアルキルアミドを20質量%〜50質量%、グリセリンモノ脂肪酸エステルを20質量%〜50質量%を含むことが好ましい。
界面活性剤は、繊維の内部に取り込まれていてもよく、繊維の表面に付着していてもよい。繰り返しの使用に対しても親水性を維持する観点から、界面活性剤は繊維の内部に取り込まれつつ、親水性を示す部分が繊維の表面に偏在していることが好ましい。
界面活性剤を繊維の内部に取り込ませる方法としては、例えば、上述のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と、上述のエチレン系重合体と、を含む樹脂組成物中に界面活性剤を添加し、溶融及び紡糸して繊維を形成する方法が挙げられる。
また、繊維の表面に界面活性剤を付着させる方法としては、例えば、上述のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体と、上述のエチレン系重合体と、を含む樹脂組成物を溶融及び紡糸して繊維を形成した後に、界面活性剤を繊維の表面に塗布して、界面活性剤が表面に付着した繊維を形成する方法が挙げられる。
界面活性剤を繊維の表面に塗布する方法としては、特に制限はなく、界面活性剤を含む溶液に繊維を浸漬する方法、界面活性剤を含む溶液を繊維に塗布する方法等の公知公用の方法により繊維の表面に付着させることができる。
(エチレン系重合体ワックス)
本開示に係る不織布を構成する繊維は、別の態様として、必要に応じて、エチレン系重合体ワックスを含有していてもよい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体とエチレン系重合体との分散性を向上する効果が得られて、紡糸性がより向上しやすくなる観点から、本開示に係る不織布を構成する繊維は、エチレン系重合体ワックスを更に含有することが好ましい。
なお、本明細書において、エチレン系重合体ワックスとは、上記エチレン系重合体に比べて分子量が低い、ワックス状の重合体を示す。
エチレン系重合体ワックスは、エチレンの単独重合体、又は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体のいずれであってもよい。
エチレン系重合体ワックスとして、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を用いた場合、エチレンと共重合させるα−オレフィンの炭素数としては3〜8がより好ましく、炭素数3又は4がより好ましく、炭素数3が更に好ましい。
エチレンと共重合させるα−オレフィンの炭素数が上記範囲にあると、紡糸性が良好となり、不織布の強度等の特性を高めることができる。
エチレン系重合体ワックスとしてエチレン単独重合体を用いた場合、エチレン系重合体との混練性に優れ、且つ、紡糸性に優れる。
また、エチレン系重合体ワックスは単独でも、その2種以上の混合物であってもよい。
エチレン系重合体ワックスの重量平均分子量(Mw)は、15000以下の範囲であることが好ましい。15000未満の範囲であることが好ましく、9000以下の範囲であることがより好ましく、6000以下の範囲であることが更に好ましく、6000未満であることが特に好ましく、5000以下の範囲であることが最も好ましい。
下限値としては、400以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。
エチレン系重合体ワックスの重量平均分子量(Mw)が上記範囲内にある場合には、樹脂組成物の紡糸性を改善しやすく、繊維径が細くなりやすく、更に、経時的な安定性が得られやすくなる。
また、本開示に係る不織布を、例えば、エチレン系重合体等から形成されたメルトブローン不織布と、積層して不織布積層体を形成した場合、層間の接着性に優れたものとなりやすくなる点で好ましい。
上記エチレン系重合体ワックスの重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法から求めた値であり、以下の条件で測定した値である。
なお、重量平均分子量は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求める。
装置:ゲル浸透クロマトグラフAllianceGPC2000型(Waters社製)
溶剤:o−ジクロロベンゼン
カラム:TSKgelカラム(東ソ−社製)×4
流速:1.0ml/分
試料:0.15mg/mLo−ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算:PE換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数:KPS=1.38×10−4,aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数:KPE=5.06×10−4,aPE=0.70
エチレン系重合体ワックスは、JIS K2207(2006)に従って測定した軟化点が90℃〜145℃の範囲であることが好ましく、90℃〜130℃の範囲であることがより好ましい。
繊維をより細くし、又、繊維の強度を向上させる観点から、エチレン系重合体ワックスの含有量としては、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部であることが好ましく、0.5質量部〜5質量部であることがより好ましい。
エチレン系重合体ワックスの製造方法は、特に制限されず、通常用いられる低分子量重合体の重合による製造方法、又は、高分子量のエチレン系重合体を加熱減成によって分子量を低減させる方法等のいずれの製造方法であってもよい。
また、エチレン系重合体ワックスは、溶媒に対する溶解度の差で分別する溶媒分別、又は、蒸留などの方法で精製されていてもよい。
エチレン系重合体ワックスが、通常用いられる低分子量重合体の重合による製造方法で得られる場合、種々公知の製造方法、例えば、チーグラー/ナッタ触媒、及び、特開平08−239414号公報、国際公開第2007/114102号等に記載された、メタロセン系触媒等により重合する製造方法等により製造し得る。
エチレン系重合体ワックスの密度は、特に限定されず、0.890g/cm〜0.980g/cmであることが好ましく、0.910g/cm以上であることがより好ましく、0.920g/cm以上であることが更に好ましい。
また、エチレン系重合体ワックスの密度は、0.960g/cm以下であることが好ましく、0.950g/cm以下であることがより好ましい。
密度の範囲が上記範囲内にあるエチレン系重合体ワックスを用いると、樹脂組成物の紡糸性が優れたものとなりやすい。また、本開示に係る不織布を、例えば、エチレン系重合体などによるメルトブローン不織布と積層して不織布積層体を形成した場合、層間の接着性に優れたものとなりやすい点でも好ましい。
プロピレン・αオレフィン共重合体の密度と、エチレン系重合体ワックスの密度と、の差は、特に限定されるものではなく、0.35g/cmより小さいことが好ましく、0.20g/cmより小さいことがより好ましく、0.15g/cm未満であることが更に好ましい。
密度差が上記範囲にあると、紡糸性が良好となり、不織布の強度等の特性を高めることができる。
本開示に係る不織布を構成する繊維に用いられるプロピレン系共重合体組成物の製造には、従来公知の触媒、例えば特開昭57−63310号公報、特開昭58−83006号公報、特開平3−706号公報、特許3476793号公報、特開平4−218508号公報、特開2003−105022号公報等に記載されているマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第2001/53369号、国際公開第2001/27124号、特開平3−193796号公報あるいは特開平02−41303号公報中に記載のメタロセン触媒などを好適に用い得る。
本開示に係る不織布を構成する繊維は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン系重合体、上記界面活性剤、及び、エチレン系重合体ワックスの他に、さらに、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて用いることができる任意の他の成分を含有することができる。これらの各成分は、種々公知の方法を用いて混合することができる。
必要に応じて用いることができる任意の他の成分としては、他の重合体、着色剤、リン系やフェノール系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系などの耐候安定剤、ヒンダードアミン系等の耐光安定剤、ブロッキング防止剤、ステアリン酸カルシウム等の分散剤、滑剤、核剤、顔料、柔軟剤、上記界面活性剤以外の親水剤、撥水剤、助剤、撥水剤、充填剤、抗菌剤、農薬、防虫剤、薬剤、天然油、合成油等の種々公知の添加剤が挙げられる。
本開示に係る不織布としては、特に制限はなく、例えば、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式不織布、スパンレース不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、エアレイド不織布、ウォータージェット不織布、フラッシュ紡糸不織布、開繊不織布、ニードルパンチ不織布等、種々公知の短繊維不織布及び長繊維不織布(例えば長繊維セルロース不織布)が挙げられる。
これらの中でも、不織布の強度の観点から、不織布としては、スパンボンド不織布であることが好ましい。
また、不織布は、単層構造であってもよいし、2層以上の積層構造であってもよい。
さらに、本開示に係る不織布を構成する繊維は、上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン系重合体及び上記特定の界面活性剤を少なくとも含む樹脂組成物を含む単一の繊維であってもよく、本発明の目的を損なわない範囲で、上記樹脂組成物を含むサイドバイサイド、芯鞘構造を有する複合繊維であってもよい。
本開示に係る不織布を構成する繊維の断面形状は、丸型、星型、又は三角型、四角型、五角型等の多角型、楕円型、又は、中空型などの形状を採り得る。
本開示に係る不織布は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、エチレン系重合体及び上記特定の界面活性剤を少なくとも含む繊維に加え、他の繊維、例えば、樹脂組成が異なるその他のオレフィン系重合体、ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどから得られる繊維を混合してなる混合繊維を含む不織布であってもよい。
<不織布の物性>
本開示に係る不織布は、JIS L 1096(2010)に準じたフラジール通気度測定機による圧力差125Paでの流量の条件で測定した通気度が500cm/cm/s以下であることが好ましく、450cm/cm/s以下がより好ましく、400cm/cm/s以下が更に好ましい。また、通気度の下限値は特に限定されないが、50cm/cm/s以上が挙げられる。通気度が100cm/cm/s以上が好ましく、200cm/cm/s以上がより好ましい。
不織布の通気度が上記範囲であると、適度な通気性及びバリア性が得られる。また、得られたスパンボンド不織布は強度に優れる。
本開示に係る不織布は、目付が5g/m〜50g/mの範囲であることが好ましく、10g/m〜25g/mの範囲であることがより好ましい。
本開示に係る不織布を構成する繊維の平均繊維径は、5μm〜30μmの範囲であることが好ましい。平均繊維径の上限としては、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下である。特に、平均繊維径が20μm以下であると、不織布を構成する繊維は十分に細いものとなる。また、平均繊維径の下限としては、特に限定されないが、10μm以上であると、強度に優れたものが得られる。
本開示に係る不織布がスパンボンド不織布である場合、スパンボンド不織布は公知のスパンボンド不織布の製造方法、すなわちスパンボンド法により製造し得る。
具体的には、例えば、予め、不織布を構成する繊維が含む樹脂組成物を紡糸ノズルから紡糸し、紡出された長繊維フィラメントを冷却流体などにより冷却し、延伸空気によってフィラメントに張力を加えて所定の繊度とし、得られたフィラメントを移動する捕集ベルト上に集めて、所定の厚さに堆積させたスパンボンド不織布とすることにより製造し得る。
また、必要に応じて、堆積したウェブを交絡処理することができる。交絡方法としては、例えば、エンボスロールを用いて熱エンボス加工処理する方法、超音波により融着する方法、ウォータージェットを用いて繊維を交絡させる方法、ホットエアースルーにより融着する方法、ニードルパンチを用いる方法などの各種の方法を、適宜、使用することができる。
なお、本開示に係る不織布は、エンボス加工等により部分的に熱圧着すると、得られる不織布の強度等が向上し、更に、柔軟性、通気性のバランスを保つ点でも好ましい。熱エンボス加工により熱圧着する場合は、エンボス面積率(熱圧着部)が5%〜30%が好ましく、より好ましくは5%〜20%の範囲である。刻印形状は、例えば、円、楕円、長円、正方、菱、長方、四角、キルト、格子、亀甲及びそれら形状を基本とする連続した形が例示される。
本開示に係る不織布は、本発明の目的を損なわない範囲で、ギア加工、印刷、塗布、ラミネート、熱処理、賦型加工、プレス加工などの二次加工を施して用いてもよい。なお、二次加工は、本発明のスパンボンド不織布を含む不織布積層体とした場合にも適用できる。
本開示に係る不織布は、制電性を付与してもよい。制電性の付与方法としては、適当な制電性付与剤、たとえば、脂肪酸エステル、第4級アンモニウム塩等を塗布する方法又は添加剤として樹脂原料に混ぜ合わせて不織布を成形することなどが挙げられる。
制電性の程度としては、20℃、40%RHの雰囲気でJIS L1094C法(2014)に示す方法で1000V以下(摩擦布は綿布とする。)であることが好ましい。
制電性の程度としては、20℃、40%RHの雰囲気でJIS L 1094C法(2014)に示す方法で1000V以下(摩擦布は綿布とする。)が好ましい。
本開示に係る不織布は、例えば、衛生材料、生活資材、工業資材全般等の各資材に適用することができる。本開示に係る不織布は、親水性に優れるので、使い捨ておむつ、生理用品等の吸収性物品のトップシート、セカンドシート又は吸収体を包むシート(コア・ラップ)として特に有用であり、衛生材用、包装材、産業資材等の用途に好適に用いることができる。
また、本開示に係る不織布は、単独で用いてもよいが、他の機能を付与するために、他の材料と積層して用いることが好ましい。本開示に係る不織布は、更にヒートシール性等の後加工性が良好であるため、脱酸素剤、カイロ、温シップ、マスク、CD(コンパクトディスク)袋、食品包装材、衣服カバーなどに生活資材全般に適用可能である。同様の理由で、本開示に係る不織布は、自動車内装材及び各種バッキング材としても好適に使用できる。また、細繊維で構成されることから、液体フィルター、エアフィルター資材としても広く適用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしてポリオキシエチレン(5モル)ステアリルエーテルを50質量部と、ポリオキシアルキレンアルキルアミドとしてポリオキシエチレン(10モル)ステアリルアミドを25質量部と、グリセリンモノ脂肪酸エステルとしてグリセリンモノステアレートを25質量部と、を混合して、界面活性剤混合物を得た。
次いで、プロピレン・エチレンランダム共重合体(融点(Tm):142℃、MFR:60g/10分)100質量部と、結晶化度が74.4%であるポリエチレン(MFR:16g/10分、分子量分布:11.9)4質量部と、エチレン系重合体ワックス(密度:0.922g/cm、重量平均分子量(Mw):1200、軟化点:113℃)2質量部と、上記で調製した界面活性剤混合物8質量部(界面活性剤の総質量は1.6質量部)とを用いて、230℃にて溶融混練し、スパンボンド法にて紡糸を行い、得られた繊維を補集面上に堆積させた後、熱エンボスにより、繊維径が18μm、目付が20g/mのスパンボンド不織布(SB)を得た。
[評価]
<親水性>
得られたスパンボンド不織布を250mm×200mmのサイズにカットし、試料とした。水平方向に対して45度に傾斜させて固定した板上に、濾紙(No.2、アドバンテック社製)を5枚重ねて置き、濾紙の上に試料を置いて、試料の長手方向の両端を濾紙と一緒に板上に固定した。25℃の環境下で、試料面に対して垂直方向に約10mmの高さから、スポイトにて人工尿を5.0ml落下させ、液滴の落下点から液滴が完全に吸収された点までの距離を計測し、液流れ距離(mm)とした。
液流れ距離は、下記の評価基準に基づき評価した。結果を表1に示す。
なお、上記人工尿は、表面張力が70±2mN/mである塩化ナトリウムの水溶液(9g/リットル)を用いた。
―評価基準―
A:液流れ距離が50mm未満であり、親水性に優れている。
B:液流れ距離が50mm以上80mm未満であり、親水性にやや優れている。
C:液流れ距離が80mm以上であり、親水性に劣る。
<紡糸性>
紡糸性は、上記の紡糸時に10分間の糸切れ回数を測定し、以下の分類により評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
A:糸切れ回数0回〜1回
B:糸切れ回数2回〜6回
C:糸切れ回数7回以上
(実施例2〜実施例12及び比較例1〜比較例8)
組成を表1及び表2に示す配合量に変更した以外は、実施例1と同様にして、スパンボンド不織布(SB)を得た。得られたスパンボンド不織布を用いて、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す略語又は各成分の詳細は以下のとおりである。下記結晶化度、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及びメルトフローレート(MFR)は、既述の測定方法により求めた値を示す。
なお、表1及び表2において、「−」は、該当する成分が含有されていないことを示す。
・プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体1:プロピレン・エチレンランダム共重合体(融点:142℃、MFR:60g/10分)
・プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体2:プロピレン・エチレンランダム共重合体(融点:120℃、MFR:20g/10分)
・プロピレン単独重合体:融点:162℃、MFR:60g/10分
・PE1:結晶化度が76.0%であるポリエチレン(MFR:16g/10分、Mw/Mn:11.9)
・PE2:結晶化度が56.8%であるポリエチレン(MFR:38g/10分、Mw/Mn:4.8)
・PE3:結晶化度が69.0%であるポリエチレン(MFR:40、結晶化度:69.0%、Mw/Mn:9.8)
・PE4:結晶化度が47.9%であるポリエチレンMFR:25、分子量分布6.4
・PE5:結晶化度が35.6%であるポリエチレン(MFR:3.8、Mw/Mn:2.6)
・エチレン系重合体ワックス:三井化学(株)製、製品名「ハイワックス110P」、密度:0.922g/cm、重量平均分子量(Mw):1200、軟化点:113℃
・ポリオキシエチレンステアリルエーテル:ポリオキシエチレン(5モル)ステアリルエーテル(式(1)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル)
・ポリオキシエチレンステアリルアミド:ポリオキシエチレン(10モル)ステアリルアミド(式(2)で表されるポリオキシアルキレンアルキルアミド)
・グリセリンモノステアレート:グリセリンモノ脂肪酸エステル
・ポリオキシエチレン,ポリオキシプロピレン共重合体:ポリオキシエチレンとポリオキシプロプレンの共重合体
表1及び表2から、融点(Tm)が125℃〜155℃の範囲にあるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部と、結晶化度が45%〜85%であるエチレン系重合体1質量部〜10質量部と、界面活性剤0.5質量部〜5質量部と、を含み、前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む繊維を含む不織布では、比較例の不織布と比べて、紡糸時の糸切れが生じにくく、かつ、親水性に優れていた。
これに対して、比較例の不織布は、紡糸時の糸切れの生じ難さ及び親水性の両方を満たすものではなかった。
以上より、本開示に係る不織布は、紡糸時の糸切れが生じにくく、かつ、親水性に優れるので、使い捨ておむつ、生理用品等の吸収性物品のトップシート、セカンドシート又は吸収体を包むシートなどとして好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 融点(Tm)が125℃〜155℃の範囲にあるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体100質量部と、
    結晶化度が45%〜85%であるエチレン系重合体1質量部〜10質量部と、
    界面活性剤0.5質量部〜5質量部と、を含み、
    前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む、繊維を含む不織布。
  2. 前記エチレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比、(Mw/Mn)は、4.0以上である、請求項1に記載の不織布。
  3. 重量平均分子量(Mw)が400〜15000であるエチレン系重合体ワックスを更に含む、請求項1又は請求項2に記載の不織布。
  4. 前記エチレン系重合体のメルトフローレート(MFR)が、2g/10分〜25g/10分である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の不織布。
  5. 前記界面活性剤は、ポリオキシアルキレンアルキルアミド及びグリセリンモノ脂肪酸エステルを更に含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の不織布。
  6. 前記界面活性剤の全質量に対して、前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを30質量%〜60質量%、前記ポリオキシアルキレンアルキルアミドを20質量%〜50質量%、前記グリセリンモノ脂肪酸エステルを20質量%〜50質量%含む、請求項5に記載の不織布。
  7. スパンボンド不織布である、請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の不織布。
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