JP2023089703A - スパンボンド不織布及び衛生材料 - Google Patents

スパンボンド不織布及び衛生材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2023089703A
JP2023089703A JP2021204377A JP2021204377A JP2023089703A JP 2023089703 A JP2023089703 A JP 2023089703A JP 2021204377 A JP2021204377 A JP 2021204377A JP 2021204377 A JP2021204377 A JP 2021204377A JP 2023089703 A JP2023089703 A JP 2023089703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
spunbond nonwoven
polymer
polyethylene
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021204377A
Other languages
English (en)
Inventor
泰一郎 市川
Taiichiro Ichikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2021204377A priority Critical patent/JP2023089703A/ja
Publication of JP2023089703A publication Critical patent/JP2023089703A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

【課題】柔軟性及び耐毛羽立ち性に優れるスパンボンド不織布を提供する。【解決手段】融点140℃以上のプロピレン単独重合体と、ポリエチレンと、を含む樹脂組成物で構成される繊維を含み、前記繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部を有するスパンボンド不織布。【選択図】なし

Description

本開示は、スパンボンド不織布及び衛生材料に関する。
近年、不織布は通気性及び柔軟性に優れることから各種用途に幅広く用いられている。不織布の代表的な用途としては、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品、衛生マスク、医療用ガーゼ、湿布材の基布等が挙げられる。このような不織布には、使用される箇所によって、二次加工のしやすさの観点から、伸長性を有すること等が求められている。
特許文献1では、低温でのヒートシール性及び延伸加工適性が良好なスパンボンド不織布が開示されている。具体的には、融点140℃以上のプロピレン単独重合体と、ポリエチレンと、特定の重合体(1)及び特定の重合体(2)からなる群より選択される少なくとも一種の重合体と、を含む組成物で構成され、特定の重合体(1)及び特定の重合体(2)の総含有量が、前記組成物の全量に対して、5質量%以上30質量%以下の範囲であるスパンボンド不織布が開示されている。
国際公開第2017/006972号
特許文献1に記載のスパンボンド不織布等では、その使用場面において、柔軟性及び耐毛羽立ち性が求められる場合がある。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性及び耐毛羽立ち性に優れるスパンボンド不織布、及びこのスパンボンド不織布を含む衛生材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 融点140℃以上のプロピレン単独重合体と、ポリエチレンと、を含む樹脂組成物で構成される繊維を含み、前記繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部を有するスパンボンド不織布。
<2> 前記ポリエチレンの密度が、0.941g/cm~0.970g/cmである<1>に記載のスパンボンド不織布。
<3> 前記プロピレン単独重合体の含有量は、前記繊維における前記プロピレン単独重合体及び前記ポリエチレンの全量に対して、50.0質量%~99.0質量%である<1>又は<2>に記載のスパンボンド不織布。
<4> 前記ポリエチレンの含有量は、前記繊維における前記プロピレン単独重合体及び前記ポリエチレンの全量に対して、1.0質量%~50.0質量%である<1>~<3>のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布。
<5> 開孔面における前記開孔部の面積は1mm~15mmである<1>~<4>のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布。
<6> 開孔面における前記開孔部の中心間距離は2.0mm~7.0mmである<1>~<5>のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布。
<7> 開孔面の合計面積に対する前記開孔面における前記開孔部の合計面積の比率である開孔部の合計面積/開孔面の合計面積は、5%~40%である<1>~<6>のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布。
<8> <1>~<7>のいずれか1つに記載のスパンボンド不織布を含む衛生材料。
本開示によれば、柔軟性及び耐毛羽立ち性に優れるスパンボンド不織布、及びこのスパンボンド不織布を含む衛生材料を提供することができる。
スパンボンド不織布製造装置の一例の概略図である。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物等に含まれる各成分の量は、各成分に該当する物質が複数存在する場合は、特に断らない限り、組成物に含まれる該複数の物質の合計量を意味する。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「スパンボンド不織布」とは、樹脂組成物の溶融又は溶解によって,紡糸口金から紡糸された連続繊維(フィラメント)群を移動捕集部材(例えば、ネットコンベア)上に積層し、一つ又は二つ以上の結合方法で作製された不織布を意味する。
<スパンボンド不織布>
本開示のスパンボンド不織布は、融点140℃以上のプロピレン単独重合体と、ポリエチレンと、を含む樹脂組成物で構成される繊維を含み、前記繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部を有する。本開示のスパンボンド不織布は、複数の開孔部を有することで開孔処理前のスパンボンド不織布に対して柔軟性が向上している。さらに、本開示のスパンボンド不織布は、開孔処理前のスパンボンド不織布に対して同等又はそれ以上の耐毛羽立ち性を有する。
本開示のスパンボンド不織布は、融点140℃以上のプロピレン単独重合体と、ポリエチレンと、を含む樹脂組成物で構成される繊維を含むことで、伸長性を有する。さらに、本開示のスパンボンド不織布は、開孔処理前のスパンボンド不織布に対する伸長性の低下が抑制されている。
本開示のスパンボンド不織布の物性の一つとして柔軟性が挙げられる。スパンボンド不織布の柔軟性は不織布の使用感に大きな影響を与える。柔軟性としては、手触りによる官能評価による柔軟性と、剛軟度が挙げられる。剛軟度は、実施例にて詳述するように、JIS L1096:2010の8.19.1[A法(45°カンチレバー法)]に準拠して測定することができる。
本開示のスパンボンド不織布の物性の一つとして耐毛羽立ち性が挙げられる。スパンボンド不織布は、耐毛羽立ち性により優れる観点から、表面の150mm×150mmの領域について、学振型摩擦堅牢度試験機を用い、JIS L 0849(2013)の摩擦堅牢度試験法に準拠して摩擦試験を行ったとき、以下の(1)及び(2)の少なくとも一方を満たすことが好ましい。
(1)前記領域において、円相当径が2.0mm以上の毛玉の個数が0個であり、かつ円相当径が0.8mm以上2.0mm未満の個数が1個以下である。
(2)前記領域において、円相当径が2.0mm以上の毛玉の個数が0個であり、かつ円相当径が0.1mm以上0.8mm未満の個数が9個以下である。
なお、摩擦試験の方法については、以下の実施例にて詳述する。
本開示のスパンボンド不織布の好ましい物性の一つとして、最大荷重伸度が挙げられる。
本開示のスパンボンド不織布は、少なくとも一方向の最大荷重伸度が45%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、100%以上であることがさらに好ましく、150%以上であることが特に好ましい。
本開示のスパンボンド不織布は、弾性回復が殆どない性質を有する不織布であることが好ましい。本開示のスパンボンド不織布は、少なくとも一方向の最大荷重伸度が600%以下であってもよく、500%以下であってもよい。
スパンボンド不織布の最大荷重伸度(%)は、以下の様に測定して求めた値とする。
スパンボンド不織布から、流れ方向(MD)が200mm、横方向(CD)が50mmの試験片を5枚採取する。この試験片について、定速伸長型引張試験機を用いて、チャック間100mm、引張速度100mm/分の条件で引張試験を行う。試験片に掛かる最大の荷重〔N/50mm〕を測定し、前記最大荷重における試験片の伸び率〔%〕を測定する。5枚の試験片の算術平均値を求め、これを最大荷重伸度とする。
本開示のスパンボンド不織布は、融点140℃以上のプロピレン単独重合体と、ポリエチレンと、を含む樹脂組成物で構成される繊維を含む。
スパンボンド不織布に含まれる繊維の繊維径は特に限定されず、例えば、1.0d~3.5dであってもよく、1.5d~3.0dであってもよく、2.0d~3.0dであってもよい。
繊維径の単位dは、9000m当りの繊維のグラム数を意味する。
(融点140℃以上のプロピレン単独重合体)
融点140℃以上のプロピレン単独重合体(以下、単に「特定プロピレン」ともいう。)は、プロピレンに由来する構成単位を含み、融点が140℃以上である重合体である。特定プロピレンの融点は、150℃以上であることが好ましい。
特定ポリプロピレンとしては、ポリプロピレンの名称で製造又は販売されている結晶性樹脂であって、融点(Tm)が140℃上の樹脂を使用することができる。市販品としては、例えば、融点が155℃以上、好ましくは157℃~165℃の範囲にあるプロピレンの単独重合体が挙げられる。
本開示において、特定ポリプロピレンの融点は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて以下のようにして測定できる。
示差走査型熱量計(DSC)としてパーキン・エルマー社製DSC Pyris1又はエスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC7020を用い、窒素雰囲気下(20mL/min)、試料(約5mg)を、230℃まで昇温し、その温度で3分間保持した後、10℃/分で30℃まで冷却して30℃で1分間保持し、10℃/分で上記到達温度まで昇温し、昇温過程における結晶溶融ピークのピークトップから融点(Tm)を算出する。なお、複数の結晶溶融ピークが観測された場合は、高温側ピークを融点(Tm)とする。
特定ポリプロピレンは、溶融紡糸し得る限り、メルトフローレート(MFR:ASTMD-1238、230℃、荷重2.16kg)は特に限定されない。例えば、特定ポリプロピレンのMFRは、1g/10分~1000g/10分であってもよく、5g/10分~500g/10分であってもよく、10g/10分~100g/10分であってもよい。
特定ポリプロピレンの密度は、溶融紡糸し得る限り特に限定されず、0.880g/cm~0.945g/cmであってもよく、0.890g/cm~0.940g/cmであってもよい。
本開示において、密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して測定することができる。
特定ポリプロピレンは、樹脂組成物に1種のみ用いられていてもよく、互いに異なる2種以上用いられていてもよい。
特定ポリプロピレンの含有量は、樹脂組成物又は繊維における特定ポリプロピレン及びポリエチレンの全量に対して、50質量%~99質量%であることが好ましく、60質量%~95質量%であることがより好ましい。
特定ポリプロピレンの含有量は、樹脂組成物全量又は繊維の全量に対して、45質量%~94質量%であることが好ましく、50質量%~95質量%であることがより好ましい。
(ポリエチレン)
ポリエチレンは、エチレンに由来する構成単位を含むポリエチレンであれば特に限定されない。ポリエチレンとしては、例えば、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン(所謂HDPE)などのエチレン単独重合体等が挙げられる。
ポリエチレンの密度は、スパンボンド不織布において伸長性、柔軟性、及び破断強度をより向上させる観点から、0.941g/cm~0.970g/cmであることが好ましく、0.945g/cm~0.960g/cmであることがより好ましい。
ポリエチレンは、樹脂組成物に1種のみ用いられていてもよく、融点、分子量、結晶構造などが互いに異なる2種以上用いられていてもよい。
ポリエチレンの含有量は、樹脂組成物又は繊維における特定ポリプロピレン及びポリエチレンの全量に対して、1質量%~50質量%であることが好ましく、5質量%~40質量%であることがより好ましい。
ポリエチレンの含有量は、樹脂組成物全量又は繊維の全量に対して、1質量%~10質量%であることが好ましく、2質量%~8質量%であることがより好ましい。
(その他の重合体)
樹脂組成物及び繊維は、特定ポリプロピレン又はポリエチレン以外のその他の重合体を含んでいてもよい。その他の重合体としては、特に限定されず、例えば、下記(I)に示す重合体、下記(II)に示す重合体、低分子量オレフィン系重合体等が挙げられる。
(I)プロピレンと、エチレン及び炭素数が4~20であるα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種と、のランダム共重合体
(II)下記(a)~(f)を満たす融点120℃未満のプロピレン単独重合体
(a)[mmmm]=20モル%~60モル%
(b)[rrrr]/(1-[mmmm])≦0.1
(c)[rmrm]>2.5モル%
(d)[mm]×[rr]/[mr]≦2.0
(e)重量平均分子量(Mw)=10,000~200,000
(f)分子量分布(Mw/Mn)<4
(a)~(d)中、[mmmm]はメソペンタッド分率であり、[rrrr]はラセミペンタッド分率であり、[rmrm]はラセミメソラセミメソペンタッド分率であり、[mm]、[rr]及び[mr]はそれぞれトリアッド分率である。
(I)で示す重合体(以下、重合体(I)と称することがある)は、プロピレンに由来する構成単位と、エチレン及び炭素数4~20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンに由来する構成単位とを含むランダム共重合体である。重合体(I)がランダム共重合体であることで、得られたスパンボンド不織布にべたつき感が発生せずに柔軟性が向上する傾向にある。
重合体(I)としては、上記構成単位を含むランダム共重合体であれば特に限定されない。
プロピレンと共重合し得る構成単位としては、エチレンに由来する構成単位;1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン等の炭素数4以上のα-オレフィンから選ばれるα-オレフィンに由来する構成単位等が挙げられる。なかでも、エチレンに由来する構成単位及び炭素数4~8のα-オレフィンから選ばれるα-オレフィンに由来する構成単位が好ましい。
重合体(I)に含まれるα-オレフィンに由来する構成単位は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。
重合体(I)としては、具体的には、プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・1-ブテンランダム共重合体などが好ましい例として挙げられる。
重合体(I)に含まれる全構成単位中のプロピレンに由来する構成単位及びエチレンなどのプロピレン以外の前記α-オレフィンに由来する構成単位の合計の割合は80モル%以上であることが好ましく、85モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。
重合体(I)は、融点が100℃以上であることが好ましく、130℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることがさらに好ましい。
重合体(I)の融点は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下-40℃で5分間保持した後10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される。
具体的には、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC-7)を用い、試料5mgを窒素雰囲気下-40℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして求めることができる。
重合体(I)の結晶化度は、15%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下がさらに好ましい。
重合体(I)の結晶化度は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下-40℃で5分間保持した後10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブのうち主成分の融解に由来する融解熱カーブより算出される。
具体的には、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC-7)を用い、試料5mgを窒素雰囲気下-40℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブのうち主成分の融解に由来する融解熱カーブより下記の式を用いて算出することができる。
結晶化度=(ΔH/ΔH0)×100(%)
式中、ΔHは重合体(I)の主成分の融解に由来する融解熱カーブより求めた融解熱量(J/g)であり、ΔH0は主成分の完全結晶の融解熱量(J/g)である。つまり、主成分がエチレンの場合、ΔH0は293J/gであり、主成分がプロピレンの場合、ΔH0は210J/gである。
重合体(I)は、JIS K 7161(JIS K 7161-1:2014に移行、ISO 527-1:2012に対応)に準拠した方法で測定される引張弾性率が、100MPa以下であることが好ましく、40MPa以下であることがより好ましく、25MPa以下であることがさらに好ましい。
重合体(I)のメルトフローレート(MFR:ASTM D 1238、230℃、荷重2.16kg)は、良好な紡糸性及び優れた延伸加工適性を得る観点から、1g/10分~100g/10分であることが好ましく、5g/10分~100g/10分であることがより好ましく、30g/10分~70g/10分であることがさらに好ましい。
重合体(I)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比:Mw/Mn(分子量分布)は、通常1.5~5.0である。紡糸性がより良好で、かつ繊維強度が特に優れる繊維が得られる点で、重合体(I)の分子量分布(Mw/Mn)は、1.5~3.0であることが好ましい。
重合体(I)のMw及びMnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、後述の方法で測定することができる。
(II)で示す重合体(以下、重合体(II)と称することがある)は、以下の(a)~(f)を満たす融点120℃未満のプロピレン単独重合体である。
(a)[mmmm]=20モル%~60モル%:
重合体(II)のメソペンタッド分率[mmmm]が20モル%以上であると、べたつきの発生が抑制され、60モル%以下であると、結晶化度が高くなりすぎないため、弾性回復性が良好となる。このメソペンタッド分率[mmmm]は、30モル%~50モル%であることが好ましく、40モル%~50モル%であることがより好ましい。
メソペンタッド分率[mmmm]、後述するラセミペンタッド分率[rrrr]及びラセミメソラセミメソペンタッド分率[rmrm]は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,6,925(1973)」で提案された方法に準拠し、13C-NMRスペクトルのメチル基のシグナルにより測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのメソ分率、ラセミ分率、及びラセミメソラセミメソ分率である。メソペンタッド分率[mmmm]が大きくなると、立体規則性が高くなる。また、後述するトリアッド分率[mm]、[rr]及び[mr]も上記方法により算出される。
なお、13C-NMRスペクトルの測定は、エイ・ザンベリ(A.Zambelli)等により「Macromolecules,8,687(1975)」で提案されたピークの帰属に従い、下記の装置及び条件にて行うことができる。
装置:日本電子(株)製JNM-EX400型13C-NMR装置
方法:プロトン完全デカップリング法
濃度:220mg/mL
溶媒:1,2,4-トリクロロベンゼンと重ベンゼンの90:10(容量比)混合溶媒
温度:130℃
パルス幅:45°
パルス繰り返し時間:4秒
積算:10000回
[計算式]
M=m/S×100
R=γ/S×100
S=Pββ+Pαβ+Pαγ
S:全プロピレン単位の側鎖メチル炭素原子のシグナル強度
Pββ:19.8ppm~22.5ppm
Pαβ:18.0ppm~17.5ppm
Pαγ:17.5ppm~17.1ppm
γ:ラセミペンタッド連鎖:20.7ppm~20.3ppm
m:メソペンタッド連鎖:21.7ppm~22.5ppm
(b)[rrrr]/(1-[mmmm])≦0.1
[rrrr]/[1-mmmm]の値は、上記のペンタッド単位の分率から求められ、重合体(II)におけるプロピレン由来の構成単位の規則性分布の均一さを示す指標である。この値が大きくなると、既存触媒系を用いて製造される従来のポリプロピレンのように高規則性ポリプロピレンとアタクチックポリプロピレンの混合物となり、べたつきの原因となる。
重合体(II)において、[rrrr]/(1-[mmmm])が0.1以下であると、得られるスパンボンド不織布におけるべたつきが抑制される。このような観点から、[rrrr]/(1-[mmmm])は、0.05以下であることが好ましく、0.04以下であることがより好ましい。
(c)[rmrm]>2.5モル%
重合体(II)のラセミメソラセミメソ分率[rmrm]が2.5モル%を超える値であると、該重合体(II)のランダム性が増加し、スパンボンド不織布の弾性回復性がさらに向上する。[rmrm]は、2.6モル%以上であることが好ましく、2.7モル%以上であることがより好ましい。その上限は、10モル%以下であってもよい。
(d)[mm]×[rr]/[mr]≦2.0
[mm]×[rr]/[mr]は、重合体(II)のランダム性の指標を示し、この値が2.0以下であると、十分な弾性回復性を有するスパンボンド不織布が得られ、かつ、べたつきも抑制される。[mm]×[rr]/[mr]は、0.25に近いほどランダム性が高くなる。上記十分な弾性回復性を得る観点から、[mm]×[rr]/[mr]は、0.25を超え1.8以下であることが好ましく、0.5~1.5であることがより好ましい。
(e)重量平均分子量(Mw)=10,000~200,000
プロピレン単独重合体である重合体(II)において重量平均分子量が10,000以上であると、当該重合体(II)の粘度が低すぎず適度のものとなるため、樹脂組成物により得られるスパンボンド不織布の製造時の糸切れが抑制される。また、重量平均分子量が200,000以下であると、当該重合体(II)の粘度が高すぎず、紡糸性が向上する。この重量平均分子量は、30,000~150,000であることが好ましく、50,000~150,000であることがより好ましい。重合体(II)の重量平均分子量の測定法については後述する。
(f)分子量分布(Mw/Mn)<4
重合体(II)において、分子量分布(Mw/Mn)が4未満であると、得られるスパンボンド不織布におけるべたつきの発生が抑制される。この分子量分布は、3以下であることが好ましい。
重合体(I)及び重合体(II)において、上記重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。上記分子量分布(Mw/Mn)は、同様にして測定した数平均分子量(Mn)及び上記重量平均分子量(Mw)より算出した値である。[測定条件]
カラム :TOSO GMHHR-H(S)HT
検出器 :液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS 150C
溶媒 :1,2,4-トリクロロベンゼン
測定温度 :145℃
流速 :1.0mL/分
試料濃度 :2.2mg/mL
注入量 :160μL
検量線 :Universal Calibration
解析プログラム:HT-GPC(Ver.1.0)
重合体(II)は、さらに、以下の(g)の要件を満たすことが好ましい。
(g)融点(Tm-D)=0℃~120℃
重合体(II)の融点(Tm-D)は、(g)示差走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして定義される融点(Tm-D)である。
重合体(II)の融点(Tm-D)が0℃以上であると、組成物により形成されるスパンボンド不織布のべたつきの発生が抑制され、120℃以下であると、十分な弾性回復性が得られる。このような観点から、融点(Tm-D)は、0℃~100℃であることが好ましく、30℃~100℃であることがより好ましい。
なお、上記融点(Tm-D)は、示差走査型熱量計(パーキン・エルマー社製、DSC-7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下-10℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温させることにより得られた融解吸熱カーブの最も高温側に観測されるピークのピークトップとして求めることができる。
重合体(II)は、メルトフローレート(MFR:ASTM D 1238、230℃、荷重2.16kg)が、良好な紡糸性及び優れた延伸加工適性を得る観点から、1g/10分~100g/10分であることが好ましく、5g/10分~100g/10分であることがより好ましく、30g/10分~70g/10分であることがさらに好ましい。
重合体(II)は、例えば、国際公開第2003/087172号に記載されているような、いわゆるメタロセン触媒と呼ばれる均一系の触媒を用いて合成することができる。
樹脂組成物及び繊維が重合体(I)及び重合体(II)の少なくとも一方を含む場合、重合体(I)及び重合体(II)の含有量は、樹脂組成物全量又は繊維の全量に対して、5質量%~30質量%であってもよく、10質量%~25質量%であってもよい。
低分子量オレフィン系重合体は、重量平均分子量が500~30000であるオレフィン系重合体であり、前述の特定ポリプロピレン、ポリエチレン、重合体(I)及び重合体(II)のいずれにも該当しない重合体である。
低分子量オレフィン系重合体は、1種のみであってもよく、融点、分子量、結晶構造などが互いに異なる2種以上であってもよい。
低分子量オレフィン系重合体を含む樹脂組成物を用いることで、特定ポリプロピレン及びポリエチレンの分散性が向上する。その結果、スパンボンド不織布の伸長性及び紡糸性が向上する傾向にある。
樹脂組成物及び繊維が低分子量オレフィン系重合体を含有する場合、低分子量オレフィン系重合体の含有量は、樹脂組成物全量又は繊維の全量に対して、0.1質量%~5.0質量%であることが好ましい。
低分子量オレフィン系重合体の含有量の下限は、特定ポリプロピレン及びポリエチレンの分散性を向上させるために十分な量の低分子量オレフィン系重合体を海相と島相の界面に存在させる観点から、樹脂組成物全量又は繊維の全量に対して、0.2質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましく、1.5質量%以上であることが特に好ましい。
低分子量オレフィン系重合体の含有量の上限は、繊維の強度低下を抑制する観点から、樹脂組成物全量又は繊維の全量に対して、4.0質量%以下であることがより好ましく、3.0質量%以下であることがさらに好ましく、2.5質量%以下であることが特に好ましい。
低分子量オレフィン系重合体は、1種類のオレフィンに由来する構成単位、又は2種類以上のオレフィンに由来する構成単位を含んでもよい。
低分子量オレフィン系重合体は、ワックス状の重合体である。低分子量オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、特定ポリプロピレン及びポリエチレンよりも低いことが好ましい。
低分子量オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、500~30000である。
低分子量オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)が上記範囲であれば、特定ポリプロピレン及びポリエチレンの分散性はより向上する。その結果、スパンボンド不織布の伸長性及び紡糸性はより優れる。
低分子量オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)の上限は、30000以下であり、15000未満であることが好ましく、10000以下であることがより好ましく、6000以下であることがさらに好ましく、6000未満であることが特に好ましく、5000以下であることが一層好ましく、3000以下であることが一層好ましく、2000以下であることが一層好ましく、1500以下であることが一層好ましい。
低分子量オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)の下限は、500以上であり、700以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましい。
低分子量オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)の測定には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)が用いられる。GPCの測定条件は、下記の示す測定条件が好ましい。低分子量オレフィン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、例えば、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて測定される。
[測定条件]
カラム:TSKgel GMH6-HT×2(東ソー社製)、TSKgel GMH6-HTLカラム×2(東ソー社製)
装置:ゲル浸透クロマトグラフAllianceGPC2000型(Waters社製)
溶剤:o-ジクロロベンゼン
流速:1.0mL/分
試料:0.15mg/mL、o-ジクロロベンゼン溶液
温度:140℃
分子量換算:ポリエチレン(PE)換算/汎用較正法
汎用較正の計算には、以下に示すMark-Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数:KPS=1.38×10-4、aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数:KPE=5.06×10-4、aPE=0.70
低分子量オレフィン系重合体の軟化点は、好ましくは90℃~145℃、より好ましくは90℃~135℃、さらに好ましくは100℃~125℃である。
低分子量オレフィン系重合体の軟化点は、JIS K2207に従って測定される。
低分子量オレフィン系重合体の密度は、特に限定されず、好ましくは0.890g/cm~0.980g/cmである。
低分子量オレフィン系重合体の密度が上記範囲内であれば、スパンボンド不織布の伸長性がより優れる。
低分子量オレフィン系重合体の密度の下限は、より好ましくは0.910g/cm以上、さらに好ましくは0.920g/cm以上である。
低分子量オレフィン系重合体の密度の上限は、より好ましくは0.960g/cm以下、さらに好ましくは0.940g/cm以下である。
低分子量オレフィン系重合体の密度と、特定ポリプロピレンの密度との差は、特に限定されず、好ましくは0.35g/cm未満、より好ましくは0.20g/cm未満、さらに好ましくは0.15g/cm未満である。
低分子量オレフィン系重合体の密度と、特定ポリプロピレンの密度との差が上記範囲であれば、スパンボンド不織布の伸長性はより優れる。
その理由は明らかではないが、次のように考えられる。低分子量オレフィン系重合体の密度と特定ポリプロピレンの密度とが上記範囲にあると、例えば、特定ポリプロピレン中に、低分子量オレフィン系重合体を介して、ポリエチレンが分散し易くなると考えられる。すなわち、低分子量オレフィン系重合体が、特定ポリプロピレン及びポリエチレンの相溶化剤として効果的に作用する。そのため、特定ポリプロピレン及びポリエチレンの分散性は向上する。その結果、スパンボンド不織布の伸長性は向上すると考えられる。
低分子量オレフィン系重合体は、オレフィンの単独重合体又は2種以上のオレフィンからなるオレフィン系共重合体である。
中でも、低分子量オレフィン系重合体は、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。
α-オレフィンの炭素数は、好ましくは3~8、より好ましくは3又は4である。
α-オレフィンの炭素数が上述範囲にあれば、スパンボンド不織布の伸長性及び紡糸性はより向上する。その理由は明らかではないが、次のように考えられる。
α-オレフィンの炭素数が上述範囲内であると、例えば、特定ポリプロピレン中に、低分子量オレフィン系重合体を介して、ポリエチレンが分散し易くなると考えられる。すなわち、低分子量オレフィン系重合体が、特定ポリプロピレン及びポリエチレンの相溶化剤として作用する。そのため、特定ポリプロピレン及びポリエチレンの均一性は向上する。その結果、スパンボンド不織布の伸度等の特性が向上すると考えられる。
低分子量オレフィン系重合体は、単独でも、その2種以上の混合物であってもよい。
低分子量オレフィン系重合体の製造方法は、特に限定されず、例えば、第1製造方法、第2製造方法等が挙げられる、第1製造方法は、通常用いられる低分子量重合体の重合による製造方法を示す。第2製造方法は、高分子量のエチレン系重合体を熱減成によって分子量を低減させる方法を示す。
低分子量オレフィン系重合体は、溶媒に対する溶解度の差で分別する溶媒分別、又は蒸留などの方法で精製されていてもよい。
第1製造方法としては、例えば、チーグラー/ナッタ触媒、又はメタロセン系触媒等を用いる製造方法等が挙げられる。メタロセン系触媒等を用いる製造方法としては、特開平08-239414号公報、国際公開第2007/114102号等に記載された製造方法が挙げられる。
低分子量オレフィン系重合体は、市販品であってもよい。低分子量オレフィン系重合体の市販品としては、三井化学(株)製の「ハイワックス(登録商標)320P」、「エクセレックス(登録商標)30200B」、「ハイワックス(登録商標)100P」、「ハイワックス(登録商標)110P」等が挙げられる。
樹脂組成物及び本開示のスパンボンド不織布は、本発明の効果を奏する範囲で、酸化防止剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、親水剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、アミド化合物等の添加剤を含んでいてもよい。本開示のスパンボンド不織布を製造する際に、前述の1種又は2種以上の添加剤を必要に応じて配合した樹脂組成物を用いてもよい。
例えば、樹脂組成物及び本開示のスパンボンド不織布は、アミド化合物を含んでいてもよい。アミド化合物は滑材として機能し得る。アミド化合物としては、脂肪酸アミドが挙げられ、例えば、炭素数15~22の脂肪酸アミドが挙げられる。スパンボンド不織布の繊維表面に、炭素数15~22の脂肪酸アミドが吸着することで、繊維表面が改質されて柔軟性、触感、耐ブロッキング性等がより向上し、エンボス工程等で使用される装置内の各種回転機器等の部材への繊維の付着がより効果的に抑制されると考えられる。
本開示における脂肪酸アミドの炭素数とは、分子中に含まれる炭素数を意味し、アミド結合を構成する炭素原子も上記炭素数に含まれるものとする。
脂肪酸アミドの炭素数としては、18~22であってもよい。
脂肪酸アミドとしては、脂肪酸モノアミド化合物、脂肪酸ジアミド化合物、飽和脂肪酸モノアミド化合物、及び不飽和脂肪酸ジアミド化合物が挙げられる。具体的には、パルミチン酸アミド(炭素数16)、ステアリン酸アミド(炭素数18)、オレイン酸アミド(炭素数18)、エルカ酸アミド(炭素数22)等が挙げられる。
樹脂組成物及び本開示のスパンボンド不織布がアミド化合物を含む場合、アミド化合物の含有量は、樹脂組成物又はスパンボンド不織布の全量に対し、0.1質量%~5.0質量%であることが好ましく、0.1質量%~3.0質量%であることがより好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがさらに好ましい。
アミド化合物は、スパンボンド不織布に1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
本開示のスパンボンド不織布は、繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部を有する。複数の開孔部は、繊維を含む領域の一方の主面から他方の主面に向かって一定の方向、例えば、厚み方向に沿った方向に貫通していることが好ましい。
平面視での開孔部の形状は特に限定されず、例えば、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形等の多角形、星形、くさび形、L字形などが挙げられる。複数の開孔部の形状は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
平面視での開孔部の配置は特に限定されず、規則的に設けられていてもよく、不規則に設けられていてもよい。例えば、開孔部は格子状に設けられていてもよく、縦方向及び横方向においてそれぞれ一定の間隔を開けて設けられていてもよい。縦方向における開孔部の間隔及び横方向における開孔部の間隔は同じであってもよく、異なっていてもよい。
開孔面(開孔部が形成された表面)における開孔部の面積は、スパンボンド不織布の柔軟性と耐毛羽立ち性の観点から、1mm~15mmであることが好ましく、1.5mm~14mmであることがより好ましく、1.5mm~13mmであることがさらに好ましい。
開孔面における開孔部の中心間距離は、スパンボンド不織布の柔軟性と耐毛羽立ち性の観点から、2.0mm~7.0mmであることが好ましく、2.0mm~6.0mmであることが好ましく、2.0mm~5.0mmであることがさらに好ましい。
開孔面の合計面積に対する開孔面における開孔部の合計面積の比率である開孔部の合計面積/開孔面の合計面積は、スパンボンド不織布の柔軟性と耐毛羽立ち性の観点から、5%~40%であることが好ましく、5%~37%であることがより好ましく、5%~35%であることがさらに好ましい。
本開示のスパンボンド不織布の目付は特に限定されない。スパンボンド不織布は、柔軟性と強度とを両立する観点から、目付が30g/m以下であることが好ましく、28g/m以下であることがより好ましく、25g/m以下であることがさらに好ましく、20g/m~5g/mであることが特に好ましい。本開示のスパンボンド不織布を後述する衛生材料等に適用する場合、スパンボンド不織布の目付は、19g/m~5g/mであることが好ましい。
なお、本開示においてスパンボンド不織布の目付は、「不織布積層体の目付」と読み替えてもよい。
スパンボンド不織布は、圧着部と非圧着部とを有していてもよい。圧着部の面積率は、5%~20%であることが好ましく、6%~19%であることがより好ましい。圧着部の面積率は、スパンボンド不織布から10mm×10mmの大きさの試験片を採取し、試験片のエンボスロールとの接触面を、電子顕微鏡(倍率:100倍)で観察し、観察したスパンボンド不織布の面積に対し、熱圧着された部分の面積の割合とする。また、圧着部を形成し得るエンボスロールに形成された凸部の面積率を「エンボス面積率」ともいう。
本開示のスパンボンド不織布は、単独で用いてもよい。また、目的に応じて本開示のスパンボンド不織布と他の層とを積層した不織布積層体とすることができる。不織布積層体は、スパンボンド不織布以外の他の層を1又は2以上有していてもよい。
他の層として具体的には、編布、織布、本開示のスパンボンド不織布以外の不織布、フィルム、コットン、フェルト等が挙げられる。本開示のスパンボンド不織布に他の層をさらに積層する(貼り合せる)方法は特に限定されず、熱エンボス加工、超音波融着等の熱融着法、ニードルパンチ、ウォータージェット等の機械的交絡法、ホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤等の接着剤を用いる方法、押出しラミネート等の種々の方法を採り得る。
本開示のスパンボンド不織布と積層して不織布積層体を形成し得る他の不織布としては、本開示のスパンボンド不織布以外のスパンボンド不織布、メルトブローン不織布、湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、フラッシュ紡糸不織布、開繊不織布等の、種々公知の不織布が挙げられる。これらの不織布は伸縮性不織布であっても、非伸縮性不織布であってもよい。ここで非伸縮性不織布とは、MD(不織布の流れ方向、縦方向)又はCD(不織布の流れ方向に直角の方向、横方向)に伸長後、戻り応力を発生させないものをいう。
本開示のスパンボンド不織布と積層して不織布積層体を形成し得るフィルムとしては、不織布積層体が通気性を必要とする場合には、通気性フィルム、透湿性フィルムが好ましい。通気性フィルムとしては、透湿性を有するポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーからなるフィルム、無機微粒子又は有機微粒子を含む熱可塑性樹脂からなるフィルムを延伸して多孔化してなる多孔フィルム等の、種々の公知の通気性フィルムが挙げられる。多孔フィルムに用いる熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、これらの組み合わせ等のポリオレフィンが好ましい。
また、不織布積層体が通気性を必要としない場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン等から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂のフィルムを用いることができる。
(スパンボンド不織布の製造方法)
スパンボンド不織布は、特開昭60-155765号、特許3442896号、及び特許3883818号、国際公開第2019/146656号、国際公開第2020/158875号などに示される密閉型のスパンボンドプロセス、国際公開第2017/006972号などに示される開放型のスパンボンドプロセスなどによって製造することができる。
スパンボンド不織布は、例えば図1に示すスパンボンド不織布製造装置により製造される。図1に示すスパンボンド不織布製造装置は、押出機1と、紡糸口金2と、ディフューザー5と、捕集ベルト6と、吸引装置7とを備える。押出機1内にて溶融混練された樹脂組成物は、紡糸口金2の複数のノズルから冷却室内に吐出される。紡糸口金2から紡糸された繊維3は、密閉型の冷却室中の冷却風4により冷却される。繊維3が冷却された後、冷却室の下流側に冷却に用いた冷却風を延伸風に用いる為の隘路(延伸部)を通して、当該延伸風により長繊維を延伸(牽引)し、下流側に設置したディフューザー5にて繊維が分散され、捕集ベルト6上に堆積され、スパンボンド不織布8が得られる。
樹脂組成物の溶融温度は、樹脂組成物の軟化温度あるいは融解温度以上かつ熱分解温度未満であれば特に限定はされず、用いる樹脂組成物の物性等により適宜決定すればよい。紡糸口金の温度は、用いる樹脂組成物に依存し、例えば、180℃~240℃であってもよく、190℃~230℃であってもよく、200℃~225℃であってもよい。
冷却風の温度は樹脂組成物が固化する温度であれば特に限定されず、好ましくは5℃~50℃、より好ましくは10℃~40℃、さらに好ましくは15℃~30℃であり、特に好ましくは20℃~30℃である。冷却風はディフューザー内に到達したときには繊維を充分に分散させるための分散媒として作用するため、均一性を確保する観点では、風量は通常30Nm/分/m~100Nm/分/mである。延伸風の風速は、通常100m/分~10,000m/分であり、好ましくは500m/分~10,000m/分である。
スパンボンド不織布の繊維は、一部を熱融着させてもよい。また、熱融着する前に、ニップロールを用いて、押し固めておいてもよい。
スパンボンド不織布は、5%強度をスパンボンド不織布の目付で割った値が0.2N/25mm/(g/m)以上であり、かつ、50%延伸時の応力積分値の積算値が70N/(g/m)以下であることが好ましい。5%強度をスパンボンド不織布の目付で割った値ならびに50%延伸時の応力積分値は、国際公開第2017/006972号に記載の方法によって測定することができる。
前述に示す方法により得られたスパンボンド不織布では、例えば、孔開け加工が施されることによって、スパンボンド不織布に繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部が設けられる。孔開け加工を施す方法としては、特に限定されず、熱針穴加工、ウォータージェットによる細孔形成加工等が挙げられる。熱針穴加工は、従来公知の方法、例えば特開平11-239587号公報等に記載されている方法を採用して行うことができる。
熱針穴加工では、針部が複数配置された針ロールに対応する雄ロールと、針部と対向する穴が開いた雌ロールとを用い、スパンボンド不織布に雄ロールと雌ロールとの間を通過させて針部に対応する複数の開孔部を設けてもよい。針部の形状、配置等を変更することで、設けられる複数の開孔部の形状、配置等を調整することができる。
針部の温度としては、例えば、60℃~200℃であってもよく、70℃~150℃であってもよい。ライン速度としては、例えば、3m/分~200m/分であってもよく、5m/分~100m/分であってもよい。
上記ウォータージェットによる細孔形成加工は、従来公知の方法、例えば特開平3-19950号公報、特開平2-26970号公報(US-第170193号明細書、1988年3月18日出願)等に記載されている方法を採用して行うことができる。
本開示のスパンボンド不織布が不織布積層体の形態である場合、積層前に孔開け加工が施されることによって、繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部が設けられてもよく、積層後に孔開け加工が施されることによって、繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部が設けられてもよい。本開示のスパンボンド不織布が積層される前に孔開け加工が施されている場合、前述の不織布層以外の各層については、複数の開孔部が設けられていてもよく、設けられていなくてもよい。本開示のスパンボンド不織布が積層された後に孔開け加工が施されている場合、不織布積層体の両面を貫通する複数の開孔部が設けられていてもよい。
<衛生材料>
本開示の衛生材料は、前述の本開示のスパンボンド不織布を含む。本開示の衛生材料としては、衛生材料分野、医療材料分野、包装材料分野などにおいて好適に用いられる物品が挙げられ、具体的には、おむつ、生理用品、尿取りパッド、ペット用シート等の吸収性物品、包帯、医療用ガーゼ、タオル、医療用ガウン、サージカルドレープ、創傷被覆材等の医療用衛生材、衛生マスク等が挙げられる。吸収性物品は、例えば、トップシート、セカンドシート、コアラップ等の部材を構成するものとして用いられてもよい。本開示のスパンボンド不織布が含まれる衛生材料はこれらに限定されず、柔軟性、耐毛羽立ち性等が求められる各種の衛生材料用途のいずれにも好適に使用し得る。
本開示のスパンボンド不織布は、前述した用途以外に用いられてもよい。
例えば、美容用フェイスマスク、化粧用パフ等の美容用材料に好適に用いることができる。
また、本開示のスパンボンド不織布は、例えば、フィルター、吸音材、油吸着材等の産業資材に好適に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明の実施形態についてさらに具体的に説明するが、本発明は、本発明の一実施形態であるこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例における物性値等は、以下の方法により測定した。
なお、表1中、「-」は、未測定であることを意味する。
(1)目付〔g/m
スパンボンド不織布から100mm(流れ方向:MD)×100mm(流れ方向と直交する方向:CD)の試験片を10点採取した。試験片の採取場所は、CD方向にわたって10箇所とした。次いで、20℃、相対湿度50%RH環境下で、採取した各試験片に対して上皿電子天秤(研精工業社製)を用いて、それぞれ質量〔g〕を測定した。各試験片の質量の平均値を求めた。求めた平均値から1m当たりの質量〔g〕に換算し、小数点第1位を四捨五入して各サンプルの目付〔g/m〕とした。
(2)強度及び伸度
スパンボンド不織布から、JIS L 1906の6.12.1[A法](JIS L 1913:2010へ移行、ISO 9073-3:1989に対応)に準拠して、JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で、流れ方向(MD)に25cm、横方向(CD)に5cmの試験片を5枚採取した。得られた試験片を、チャック間100mm、引張速度300mm/分の条件で引張り試験機(インストロンジャパンカンパニイリミテッド製、インストロン5564型)を用いて引張試験を行い、5枚の試験片についてMD方向の引張荷重を測定し、それらの最大値の平均値を最大強度(MD)〔N/50mm〕とした。
MD方向における最大強度(MD)における伸度を最大伸度(MD)〔%〕とした。さらに、流れ方向(MD)に5cm、横方向(CD)に25cmの試験片を5枚採取し、前記と同様にしてCD方向における最大強度(CD)〔N/50mm〕及び最大伸度(CD)を求めた。
(3)剛軟性(カンチレバーMD値及び柔軟性向上率)
以下の方法によりカンチレバー試験を実施し、スパンボンド不織布の剛軟性〔mm〕を測定した。具体的にはJIS-L1096:2010の8.19.1[A法(45°カンチレバー法)]に準拠した。
スパンボンド不織布から、2cm×15cmの試験片を流れ方向(MD)5枚採取した。
一端が45度の斜面をもつ表面の滑らかな水平台の上に、得られた試験片の短辺をスケール基線に合わせて置いた。次に、適当な方法によって試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて、試験片の一端の中央点が斜面と接したときの、試験片の他端の位置をスケールによって読んだ。
剛軟度は、試験片が移動した長さ(mm)で示され、5枚を測り、その平均値をカンチレバーMD値とした。
さらに、各実施例にて開孔処理前と開孔処理後の柔軟性の変化を以下の式に基づいて評価した。柔軟性向上率の数値が高いほど開孔処理により柔軟性が向上したことを意味する。
柔軟性向上率(%)=(開孔処理前の剛軟度-開孔処理後の剛軟度/開孔処理前の剛軟度)×100
(4)繊維径〔d:9000m当りの繊維のグラム数〕
スパンボンド不織布から、流れ方向(MD)が10mm、横方向(CD)が10mm(10mm(MD)×10mm(CD))の試験片を10枚採取した。採取場所は、MD方向に対しては任意の場所とし、CD方向に対しては、スパンボンド不織布の両端20cmを除き、直線上に均一間隔で10箇所とした。Nikon社製 ECLIPSE E400顕微鏡を用い、倍率20倍で、繊維の直径をμm単位で小数点第1位まで読み取った。1つの試験片毎に任意の20箇所の径を測定し、合計200箇所の径を測定した。各測定点毎に、9000m当りの繊維のグラム数を求めた。各実施例では、ポリプロピレン系重合体の密度を0.910g/cmとして計算した。各測定点毎の9000m当りの繊維のグラム数の平均値を求め、その平均値の小数点第2位を四捨五入してスパンボンド不織布の繊維径とした。
(5)毛羽立ちの評価
スパンボンド不織布から150mm(MD)×150mm(CD)のCD試験片を各2点採取した。なお、採取場所は任意の2箇所とした。次いで、採取した各試験片を学振型摩擦堅牢度試験機(大栄科学精器製作所社製、新型NR-100)を用い、JIS L 0849の摩擦堅牢度試験法に準拠して摩擦試験を行った。なお、摩擦子側には布テープ(寺岡製作所社製、No.1532)を貼付し、荷重300gをかけた状態で、非エンボス面をMD方向に100回往復させて擦り、各試験片における被摩擦面の毛羽立ち状態を以下の基準で等級づけ、等級の悪い方を各スパンボンド不織布サンプルの毛羽立ち〔評価点〕とした。
結果を表2に示す。
毛羽立ちの評価基準は以下の通りである。なお、評価点3以上(3級以上)であれば、耐毛羽立ち性に優れる。
-毛羽立ちの評価-
1級 :試験片が破損するほど繊維が剥ぎ取られ穴が開いている。
2級 :試験片が積層体であれば表層が剥離して裏層が見えるほど薄くなるか、単層体であれば甚だしく繊維が剥ぎ取られている。
2.5級:毛玉(直径:2mm以上)が大きくはっきり見られ、複数箇所で繊維が浮き上がりはじめる。
3級 :はっきりとした毛玉(直径:0.8mm以上)ができはじめ、又は小さな毛玉(直径:0.8mm未満)が複数見られる。
3.5級:一カ所に小さな毛玉(直径:0.1mm以上0.8mm未満)ができはじめる程度に毛羽立っている。
4級 :毛羽立ちがない
[実施例1]
MFR(ASTM D1238に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgで測定)60g/10分、密度0.910g/cm、融点160℃のプロピレン単独重合体(1)93.7質量%と、MFR(ASTM D1238に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgで測定)5g/10分、密度0.950g/cm、融点134℃の高密度ポリエチレン(以下、「ポリエチレン」と記載する。)6質量%と、エルカ酸アミド0.3質量%との混合物を、75mmφの押出機を用い溶融させた。溶融させた混合物を孔径0.6mm及び孔数257ホールの紡糸口金を有するスパンボンド不織布製造装置を用いて、樹脂温度とダイ温度がともに220℃、冷却風温度20℃(流量:33Nm/分/m))、混合物の単孔吐出量:2.2g/分、糸速度:3973m/分、延伸エア風速5233m/分の条件で上記混合物を紡糸し、捕集ベルト上にスパンボンド不織布ウェブを堆積させた。
次いで、エンボスロールを用いてエンボス面積率:18%、エンボス温度:91℃の条件下でスパンボンド不織布ウェブを加熱加圧処理し、目付が18.0g/mであるスパンボンド不織布を得た。
なお、実施例1~5では、図1に示すようなスパンボンド不織布製造装置を用いて密閉型のスパンボンドプロセスによりスパンボンド不織布を製造した。
前述のようにして得られたスパンボンド不織布から幅300mmのスパンボンド不織布を得た。次に、針ロールにおいて針の中心間距離3mm、針高さ3mmの雄ロールと、穴が開いた雌ロールとを準備した。電気加熱式エンボス機(由利ロール社製)の上側が雄ロール、下側が雌ロールとなるようにこれらのロールを取り付けた。針ロールの高さ方向と直交する断面形状はおおよそ円形であり、開孔面における開孔部の面積に対応する針ロールの断面積は3mmであり、針ロールの配置パターンは千鳥状であり、開孔面における開孔部の中心間距離に対応する針ロールのピッチは、MD方向及びCD方向にて5mmであり、開孔部の合計面積/開孔面の合計面積に対応する開孔面積率は24%であった。取り付けられた雄ロール及び雌ロールを80℃に加温し、針部の温度80℃、線圧1MPaG及びライン速度5m/分の条件にてスパンボンド不織布に対して開孔処理を行い、開孔部を有するスパンボンド不織布を得た。
[実施例2]
スパンボンド不織布の目付を18.0g/mから15.0g/mに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、開孔部を有するスパンボンド不織布を作製した。
[実施例3]
スパンボンド不織布ウェブにおけるエンボスロールでの加熱加圧処理に際し、エンボス温度を91℃から116℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、開孔部を有するスパンボンド不織布を作製した。
[実施例4]
スパンボンド不織布の製造に用いる混合物について、ポリエチレンの組成比を6質量%から8質量%に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法により、開孔部を有するスパンボンド不織布を作製した。
[実施例5]
スパンボンド不織布の製造に用いる混合物について、プロピレン単独重合体(1)73.7質量%と、ポリエチレン6質量%と、MFR(ASTM D1238に準拠して、温度230℃、荷重2.16kgで測定)60g/10分、密度0.910g/cm、融点142℃のプロピレンランダム共重合体(プロピレンとエチレンとの共重合体、重合モル比 プロピレン:エチレン=97:3)20質量%と、エルカ酸アミド0.3質量%との混合物を用いた以外は実施例1と同様の方法により、開孔部を有するスパンボンド不織布を作製した。
開孔処理前のスパンボンド不織布及び開孔部を有するスパンボンド不織布の各種物性について、既述の方法により測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023089703000001
表1の結果より、各実施例にて得られた開孔部を有するスパンボンド不織布では、開孔各実施例における開孔処理前のスパンボンド不織布と比較して柔軟性が向上しており、かつ毛羽立ちの評価も同等以上であった。
1・・・押出機
2・・・紡糸口金
3・・・繊維
4・・・冷却風
5・・・ディフューザー
6・・・捕集ベルト
7・・・吸引装置
8・・・スパンボンド不織布

Claims (8)

  1. 融点140℃以上のプロピレン単独重合体と、ポリエチレンと、を含む樹脂組成物で構成される繊維を含み、前記繊維を含む領域を貫通する複数の開孔部を有するスパンボンド不織布。
  2. 前記ポリエチレンの密度が、0.941g/cm~0.970g/cmである請求項1に記載のスパンボンド不織布。
  3. 前記プロピレン単独重合体の含有量は、前記繊維における前記プロピレン単独重合体及び前記ポリエチレンの全量に対して、50.0質量%~99.0質量%である請求項1又は請求項2に記載のスパンボンド不織布。
  4. 前記ポリエチレンの含有量は、前記繊維における前記プロピレン単独重合体及び前記ポリエチレンの全量に対して、1.0質量%~50.0質量%である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
  5. 開孔面における前記開孔部の面積は1mm~15mmである請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
  6. 開孔面における前記開孔部の中心間距離は2.0mm~7.0mmである請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
  7. 開孔面の合計面積に対する前記開孔面における前記開孔部の合計面積の比率である開孔部の合計面積/開孔面の合計面積は、5%~40%である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布。
  8. 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のスパンボンド不織布を含む衛生材料。
JP2021204377A 2021-12-16 2021-12-16 スパンボンド不織布及び衛生材料 Pending JP2023089703A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021204377A JP2023089703A (ja) 2021-12-16 2021-12-16 スパンボンド不織布及び衛生材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021204377A JP2023089703A (ja) 2021-12-16 2021-12-16 スパンボンド不織布及び衛生材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023089703A true JP2023089703A (ja) 2023-06-28

Family

ID=86936565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021204377A Pending JP2023089703A (ja) 2021-12-16 2021-12-16 スパンボンド不織布及び衛生材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023089703A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6346372B2 (ja) 不織布積層体、伸縮性不織布積層体、繊維製品、吸収性物品及び衛生マスク
JP6615202B2 (ja) スパンボンド不織布及び衛生材料
TWI569965B (zh) 紡黏不織布積層體、伸縮性紡黏不織布積層體、纖維製品、吸收性物品以及衛生口罩
JP6715056B2 (ja) スパンボンド不織布および衛生材料
JP2023126282A (ja) 不織布積層体、並びに、伸縮性不織布積層体、繊維製品、吸収性物品及び衛生マスク
JP7138197B2 (ja) スパンボンド不織布、衛生材料、及びスパンボンド不織布の製造方法
JP7013486B2 (ja) スパンボンド不織布、衛生材料、及びスパンボンド不織布の製造方法
JP2023089703A (ja) スパンボンド不織布及び衛生材料
JP7461460B2 (ja) 不織布積層体、被覆シート及び吸収性物品
JP2022135776A (ja) 不織布、不織布積層体及び吸収性物品
JP2021161564A (ja) スパンボンド不織布、衛生材料、及びスパンボンド不織布の延伸方法
KR20230150993A (ko) 스펀본드 부직포 및 위생 재료

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20231130