JPH10264632A - 減衰力発生装置のための制御装置 - Google Patents

減衰力発生装置のための制御装置

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Publication number
JPH10264632A
JPH10264632A JP9074085A JP7408597A JPH10264632A JP H10264632 A JPH10264632 A JP H10264632A JP 9074085 A JP9074085 A JP 9074085A JP 7408597 A JP7408597 A JP 7408597A JP H10264632 A JPH10264632 A JP H10264632A
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JP
Japan
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damping force
damping
damping coefficient
relative speed
coefficient
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Application number
JP9074085A
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English (en)
Inventor
Kazunari Kamimura
一整 上村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰係数可変のダンパにおいて、変位速度と
減衰力との変化特性に負減衰領域が生じないようにす
る。 【解決手段】 マイクロコンピュータ25は、プログラ
ム処理によりオリフィス15aの開度を制御してダンパ
15の減衰係数を可変制御する。同コンピュータ25
は、まず目標減衰係数を決定した後、ダンパ15の実減
衰係数を目標減衰係数側に近づけるための制御量を決定
する。次に、この制御量だけダンパ15の減衰係数を変
化させたときの状態を仮定して、ダンパ15にて発生さ
れる減衰力を推定する。そして、この推定された減衰力
の現在の減衰力に対する増減方向と、ダンパ15の変位
速度(ロアアーム13に対する車体11の相対速度)の
増減方向とが一致したときのみ、前記減衰係数の変更を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ばね上部材とばね下部
材との間に配設されて、ばね上部材のばね下部材に対す
る振動に対して減衰力を発生するとともに減衰係数を変
更可能に構成してなる減衰力発生装置を制御するための
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開平7
−96727号公報に示されているように、ばね上部材
の上下方向の絶対速度x’を検出するとともに、ばね上
部材のばね下部材に対する上下方向の相対速度y’を検
出して、前記検出された両速度x’,y’の比x’/
y’が大きくなるに従って減衰力発生装置の減衰係数を
大きく設定するようにし、かつ前記相対速度y’が零近
傍であるとき前記減衰係数の大きな変化を許容するとと
もにそれ以外のとき前記減衰係数の大きな変化を禁止す
るようにしている。これにより、この装置によれは、減
衰力発生装置の減衰係数がスカイフック制御されて車両
の乗り心地が良好になるとともに、減衰係数の切換え時
に乗員が大きなショックを受けないようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、相対速度y’が零近傍であるときには、
速度比x’/y’が大きくなり、しかも減衰係数の大き
な変化が許容されるので、相対速度y’が零近傍にて減
少している状態で、減衰係数が小さな値から大きな値に
急激に変化して、相対速度y’の減少中に減衰力Fが増
加するという負減衰領域(図6の太線)が生じることが
ある。また、相対速度y’が増加状態から減少状態に変
化する直前には、相対速度y’が大きいために速度比
x’/y’は小さくなって減衰係数が小さく切り換えら
れ、相対速度y’の増加中に減衰力Fが減少する負減衰
領域(図6の太線)が生じることがある。ただし、この
場合、相対速度y’及び減衰力Fは大きさのみを表して
いる。これらの負減衰領域は、ばね上部材及びばね下部
材の自励振動を誘発し易くするので、ばね上部材及びば
ね下部材の振動を抑制するためには好ましくない。
【0004】
【発明の概要】本発明は上記問題に対処するためになさ
れたもので、その目的は、負減衰領域が生じないように
して、ばね上部材及びばね下部材の振動を良好に抑制す
る減衰力発生装置のための制御装置を提供することにあ
る。
【0005】この目的を達成するために、本発明の構成
上の特徴は、目標減衰係数を逐次決定する目標減衰係数
決定手段(ステップ104)と、減衰力発生装置にて現
在設定されている実減衰係数を所定量だけ増減制御して
目標減衰係数決定手段により新たに決定された目標減衰
係数に近づける減衰係数変更手段(ステップ106〜1
12,128)とを備えた減衰力発生装置のための制御
装置において、ばね下部材に対するばね上部材の相対速
度を検出する相対速度検出手段(22,24)と、前記
検出された相対速度及び前記実減衰係数に基づいて減衰
力発生装置により現在発生されている実減衰力を導出す
る実減衰力導出手段(ステップ120)と、前記検出さ
れた相対速度、前記実減衰係数及び前記実減衰係数を増
減制御するための所定量に基づいて、減衰力発生装置の
減衰係数を減衰係数変更手段により変更した場合に同減
衰力発生装置により発生される推定減衰力を計算する減
衰力推定手段(ステップ114〜118,122)と、
前記検出された相対速度、前記導出された実減衰力、及
び前記推定された推定減衰力に基づいて、同実減衰力に
対する同推定減衰力の増減方向と同相対速度の増減方向
とが一致したとき減衰力変更手段による減衰係数の変更
を許容し、前記増減方向が一致しないとき減衰力変更手
段による減衰係数の変更を禁止する変更制御手段(ステ
ップ114〜118,126)とを設けたことにある。
【0006】上記のように構成した本発明においては、
相対速度検出手段がばね下部材に対するばね上部材の相
対速度を検出するとともに、実減衰力導出手段が減衰力
発生装置により現在発生されている実減衰力を導出し、
減衰力推定手段が、減衰力発生装置の実減衰係数を所定
量だけ増減制御して新たに決定された目標減衰係数に近
づけたものと仮定して同減衰力発生装置にて発生される
減衰力を推定する。そして、変更制御手段が、実減衰力
に対する推定減衰力の増減方向と相対速度の増減方向と
が一致したとき減衰係数変更手段による減衰係数の変更
を許容し、前記増減方向が一致しないとき前記減衰係数
の変更を禁止する。したがって、ばね下部材に対するば
ね上部材の相対速度の増加中に減衰力が減少したり、同
相対速度の減少中に減衰力が増加したりするような負減
衰領域が生じることがなくなるので、ばね上部材及びば
ね下部材の振動が良好に減衰する。
【0007】
【実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面を用い
て説明すると、図1は同実施形態に係る車両のサスペン
ション装置Aと、同装置A内の減衰力発生装置を電気的
に制御する電気制御装置Bとを一車輪のみを代表させて
概略的に示している。
【0008】サスペンション装置Aは、車体(ばね上部
材)11と、内側端にて車体11に接続されて外側端に
て車輪(ばね下部材)12を支持するロアアーム(ばね
下部材)13との間に並列的に配置されたスプリング1
4及び減衰力発生装置としてのダンパ15を備えてい
る。スプリング14は、車体11をロアアーム12に対
して弾性的に支持するものである。ダンパ15は、その
伸縮により車輪12及びロアアーム13に対する車体1
1の相対速度に比例した減衰力を発生して、車輪12及
びロアアーム13に対する車体11の上下振動を抑制す
るための減衰力を発生するものである。このダンパ15
は開度を可変に構成したオリフィス15a及び同オリフ
ィス15aの開度を変更するためのステップモータ(ア
クチュエータ)15bを内蔵しており、減衰係数が前記
開度に応じて複数段階又は連続的に変更可能に構成され
ている。なお、本実施形態において、前記開度は第1ス
テップ〜第16ステップまで順次小さくなる16段階に
変化する。
【0009】電気制御装置Bは、加速度センサ21及び
車高センサ22を備えている。加速度センサ21は車体
11に組み付けられて、車体11の上下方向の加速度を
検出し、絶対空間に対して上方向を正とするとともに下
方向を負とする絶対加速度x”を表す検出信号を出力す
る。加速度センサ21には積分器23が接続されてお
り、同積分器23は、絶対加速度x”を表す検出信号を
積分することにより、絶対空間に対して上方向を正とす
るとともに下方向を負とする絶対速度x’を表す信号を
出力する。車高センサ22は、車体11とロアアーム1
3との間に組み付けられて、車輪12及びロアアーム1
3に対する車体11の上下方向の相対位置(車高)を検
出して、基準値からの増加量(ダンパ15の伸び側)を
正とするとともに基準値からの減少量(ダンパ15の縮
み側)を負とする相対位置yを表す検出信号を出力す
る。車高センサ22には微分器24が接続されており、
同微分器24は、相対位置yを表す検出信号を微分する
ことにより、ダンパ15の伸び側を正とするとともに縮
み側を負として車輪12及びロアアーム13に対する車
体11の上下方向の相対速度y’を表す信号を出力す
る。なお、本明細書においては、これらの各物理量
x”,x’,y,y’の正負の符号は計算の便宜上定め
られたもので、各物理量x”,x’,y,y’の増減方
向について述べるときは、各物理量x”,x’,y,
y’の絶対値の大きさについて述べているものとする。
【0010】これらの積分器23及び微分器24には、
マイクロコンピュータ25が接続されている。マイクロ
コンピュータ25は、内蔵のタイマによる制御のもと
に、図2のフローチャートに対応したプログラムを所定
の短時間毎に繰り返し実行して、ステップモータ15b
の回転を制御するための制御信号を駆動回路26に出力
する。マイクロコンピュータ25内には、ステップテー
ブル及び減衰力テーブルが設けられている。ステップテ
ーブルは、図3に示すような特性で変化する速度比x’
/y’に対応した目標ステップ数Sreq(ダンパ15の
目標減衰係数に対応)を記憶している。減衰力テーブル
は、図4に示すように、ダンパ15の減衰力特性を表し
ていて、第1〜第16ステップ(各減衰係数)毎に相対
速度y’に対応した減衰力Fの値を記憶している。ただ
し、本明細書では、前記と同様に計算の便宜上、ダンパ
15の伸び状態における減衰力が正により表され、ダン
パ15の縮み状態における減衰力が負により表されてい
るが、この場合も減衰力の増減方向について述べている
ときにはその絶対値の大きさについて述べているものと
する。駆動回路26は、前記制御信号に基づいてステッ
プモータ15bを駆動制御することによりオリフィス1
5aの開度を変更して、ダンパ15の減衰係数を制御す
る。
【0011】次に、上記のように構成した実施形態の動
作をフローチャートに沿って説明すると、マイクロコン
ピュータ25は、図2のステップ100にてプログラム
の実行を開始し、ステップ102にて積分器23及び微
分器24から絶対速度x’及び相対速度y’を入力す
る。次に、ステップ104にて前記入力した絶対速度
x’を相対速度y’で除算することにより速度比x’/
y’を計算し、ステップテーブルを参照することにより
前記計算した速度比x’/y’に対応する目標ステップ
数Sreqを決定する。なお、この目標ステップ数Sreqは
スカイフック理論に基づいてダンパ12の減衰係数を決
定することに相当する。
【0012】次に、マイクロコンピュータ25は、ステ
ップ106,108にて目標ステップ数Sreqと現ステ
ップ数Scurとを比較する。現ステップ数Scurは、オリ
フィス15aにて現在設定されている開度(ダンパ15
にて現在設定されている減衰係数)を表しており、初期
においては図示しない初期設定処理によりオリフィス1
5aの開度の初期設定に対応させて所定値に設定されて
いる。目標ステップ数Sreqが現ステップ数Scurに一致
していれば、ステップ106,108における共に「N
O」との判定のもとにプログラムをステップ132に進
めて、同ステップ132にてプログラムの実行を終了す
る。
【0013】目標ステップ数Sreqが現ステップ数Scur
よりも大きければ、ステップ106における「YES」
との判定のもとに、ステップ110にて変数iを「+
1」に設定してプログラムをステップ114に進める。
一方、目標ステップ数Sreqが現ステップ数Scurよりも
小さければ、ステップ108における「YES」との判
定のもとに、ステップ112にて変数iを「−1」に設
定してプログラムをステップ114に進める。
【0014】ステップ114においては、現在の相対速
度y’を表す今回相対速度V(n)を前記ステップ102
にて入力した相対速度y’に設定する。次に、ステップ
116にて、今回相対速度V(n)から前回のプログラム
実行時における相対速度y’を表す前回相対速度V(n
−1)を減算して、同減算結果V(n)−V(n−1)を相
対速度y’の変化量(加速度)a(n)として設定する。
この前回相対速度V(n−1)は、最初図示しない初期設
定処理により設定された「0」を表し、その後には、次
のステップ118の処理により前回のプログラムの実行
時に今回相対速度V(n)によって更新された値を表して
いる。前記ステップ114〜118の処理後、マイクロ
コンピュータ25は、ステップ120にて減衰力テーブ
ルを参照することにより、オリフィス15aの現在の開
度(ダンパ15の現在の減衰係数)を表す現ステップ数
Scurと今回相対速度V(n)とにより定まる減衰力Fmap
(V(n),Scur)を導出して、同減衰力Fmapを現在の
実減衰力F(n)として設定する。
【0015】次に、マイクロコンピュータ25は、ステ
ップ122にて、現在のオリフィス15aの開度を表す
現ステップ数Scurを目標ステップSreq側に1ステップ
だけ近づけたステップ数Scur+iに変更した場合を想
定して、同場合におけるダンパ15の減衰力F(n+1)
を推定する。まず、今回相対速度V(n)、速度変化量a
(n)及び微小時間Δtを用いた演算V(n)+a(n)・Δ
tの実行により、微小時間Δt後における相対速度y’
を計算する。微小時間Δtは、マイクロコンピュータ2
5による指示時からステップモータ15bの作動により
オリフィス15aの開度が変更されるまでの時間に対応
して予め定められており、前記演算の実行により、同オ
リフィス15aの開度が変更さる時点における相対速度
y’が推定される。次に、減衰力テーブルを参照するこ
とにより、前記ステップ数Scur+i及び前記推定した
相対速度y’に対応した減衰力Fmap(V(n)+a(n)
・Δt,Scur+i)を導出し、前記導出した減衰力Fm
ap(V(n)+a(n)・Δt,Scur+i)を推定減衰力
F(n+1)として設定する。
【0016】前記ステップ122の処理後、マイクロコ
ンピュータ25は、ステップ124にて推定減衰力F
(n+1)から現在の実減衰力F(n)を減算して、オリフ
ィス15aの開度を現在のステップ数Scurから目標ス
テップ数Sreq側に1ステップだけ近づけたステップ数
Scur+iに設定した場合におけるダンパ15の減衰力
Fの変化量ΔF=F(n+1)−F(n)を計算する。そし
て、ステップ126にて、この減衰力Fの変化量ΔFに
相対速度y’の変化量a(n)を乗算して、同乗算結果a
(n)・ΔFが正であるか否かを判定する。この判定は、
オリフィス15aの開度をステップScur+iに変更し
た場合に、ダンパ15の減衰力Fの増減方向と相対速度
y’の増減方向が一致しているか否かを判定する処理で
ある。
【0017】ダンパ15が伸び側へ変化している状態で
は、相対速度y’及び減衰力Fは共に正であり、相対速
度y’及び減衰力Fが共に増加している場合(a(n)>
0ANDΔF>0)、又は共に減少している場合(a(n)
<0ANDΔF<0)にのみ、前記乗算結果a(n)・ΔF
が正になってステップ126における「YES」との判
定のもとにプログラムをステップ128に進める。一
方、ダンパ15が縮み側へ変化している状態では、相対
速度y’及び減衰力Fは共に負であり、相対速度y’及
び減衰力Fが共に増加している場合(a(n)<0ANDΔ
F<0)、又は共に減少している場合(a(n)>0AND
ΔF>0)にのみ、前記乗算結果a(n)・ΔFが正にな
ってステップ126における「YES」との判定のもと
にプログラムをステップ128に進める。
【0018】ステップ128においては、オリフィス1
5aの開度を現在のステップ数Scurから目標ステップ
数Sreq側に1ステップだけ近づけるために、変数i
(現ステップ数Scurを増加させる場合には「+1」、
減少させる場合には「−1」)を表す制御信号を駆動回
路26に出力する。駆動回路26は、前記制御信号に応
答してステップモータ15bを前記1ステップ分だけ回
転させる。なお、この場合、ステップモータ15bの回
転は変数iの正負の符号により決定される。したがっ
て、オリフィス15aの開度は目標ステップ数Sreq側
に変更されて、ダンパ15の減衰係数が目標減衰係数側
に変更される。前記ステップ128の処理後、ステップ
130にてオリフィス15aの現在の開度を表す現ステ
ップ数Scurを前記変更後のステップ数Scur+iに変更
して、ステップ132にてプログラムの実行を終了す
る。そして、次にプログラムが再び実行された場合に
は、前記更新した現ステップ数Scurがオリフィス15
aの現在の開度を表すものとして利用される。
【0019】また、ダンパ15の減衰力Fの増減方向と
相対速度y’の増減方向が一致しない場合には、ステッ
プ126にて「NO」と判定される。この点に関して
も、ダンパ15の伸び側への変化状態と縮み側への変化
状態に分けて説明しておく。ダンパ15が伸び側へ変化
している状態では、相対速度y’及び減衰力Fは共に正
であり、相対速度y’の増加中に減衰力Fが減少する場
合(a(n)>0ANDΔF<0)、又は相対速度y’の減
少中に減衰力Fが増加する場合(a(n)<0ANDΔF>
0)には、前記乗算結果a(n)・ΔFが負となる。一
方、ダンパ15が縮み側へ変化している状態では、相対
速度y’及び減衰力Fは共に負であり、相対速度y’の
増加中に減衰力Fが減少する場合(a(n)<0ANDΔF
>0)、又は相対速度y’の減少中に減衰力Fが増加す
る場合(a(n)>0ANDΔF<0)には、前記乗算結果
a(n)・ΔFが負となる。したがって、このような場合
には、オリフィス15aの開度すなわちダンパ15の減
衰係数の変更が禁止されて、ステップ132にてプログ
ラムの実行が終了される。
【0020】上記作動説明からも理解できるとおり、上
記実施形態によれば、ステップ126の判定処理によ
り、ダンパ15の実減衰力F(n)に対する推定減衰力F
(n+1)の増減方向と相対速度y’の増減方向とが一致
したときダンパ15における減衰係数の変更が許容さ
れ、前記増減方向が一致しないとき前記減衰係数の変更
が禁止される。したがって、相対速度y’と減衰力Fの
変化特性は図5に示すようになり、相対速度y’の増加
中に減衰力Fが減少したり、同相対速度y’の減少中に
減衰力Fが増加したりするような負減衰領域が生じるこ
とがなくなるので、車体11、車輪12及びロアアーム
13の振動は良好に減衰する。
【0021】なお、上記実施形態においては、加速度セ
ンサ21及び車高センサ22により検出した加速度x”
及び相対位置yを積分器23及び微分器24によりそれ
ぞれ積分及び微分して絶対速度x’及び相対速度y’を
算出するようにしたが、同積分及び微分をマイクロコン
ピュータ25のプログラム処理によって行うようにした
り、前記絶対速度x’及び相対速度y’を直接センサに
より検出するようにしてもよい。また、前記絶対速度
x’及び相対速度y’のうちの一方に関係した物理量を
検出し、前記検出した物理量に基づいてカルマンフィル
タなどの現代制御理論を用いて前記絶対速度x’及び相
対速度y’のうちの他方を推定することにより、前記両
速度x’,y’を検出するようにしてもよい。
【0022】また、上記実施形態においては、ステップ
106〜112,128の処理によりオリフィス15a
の開度を1ステップずつ目標ステップ数側に制御するよ
うにしたが、変数iを「+1」又は「−1」以外の「+
2」又は「−2」などの正負の所定数に設定することに
より、オリフィス15aの開度を任意のステップ数ずつ
変更するようにしてもよい。
【0023】さらに、上記実施形態においては、目標ス
テップ数Sreqすなわちダンパ15の減衰係数をスカイ
フック理論に基づく速度比x’/y’に応じて決定する
ようにしたが、本発明は相対速度y’と減衰力Fとの変
化特性において負減衰領域が生じないようにすることを
目的とするもので、他の方法、例えば車体11、ロアア
ーム13の振動を表す各信号に応じて目標ステップ数S
reqを決定したり、車両の姿勢、走行状態、運転状態な
どに応じて目標ステップ数Sreqを決定する減衰力発生
装置のための制御装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る車両のサスペンシ
ョン装置と同装置を制御するための電気制御装置の概略
図である。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムのフローチャートである。
【図3】 速度比x’/y’と目標ステップ数Sreqの
関係を示すグラフである。
【図4】 相対速度y’とダンパにて発生される減衰力
Fとの関係をオリフィスの開度毎に示すグラフである。
【図5】 本発明の制御による相対速度y’と減衰力F
の変化特性を示すグラフである。
【図6】 従来装置による相対速度y’と減衰力Fの変
化特性を示すグラフである。
【符号の説明】
A…サスペンション装置、B…電気制御装置、11…車
体、12…車輪、13…ロアアーム、14…スプリン
グ、15…ダンパ、15a…オリフィス、15b…ステ
ップモータ、21…加速度センサ、22…車高センサ、
23…積分器、24…微分器、25…マイクロコンピュ
ータ、26…駆動回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばね上部材とばね下部材との間に配設され
    てばね上部材のばね下部材に対する振動に対して減衰力
    を発生するとともに減衰係数を変更可能に構成してなる
    減衰力発生装置を制御するためのものであって、目標減
    衰係数を逐次決定する目標減衰係数決定手段と、前記減
    衰力発生装置にて現在設定されている実減衰係数を所定
    量だけ増減制御して前記目標減衰係数決定手段により新
    たに決定された目標減衰係数に近づける減衰係数変更手
    段とを備えた減衰力発生装置のための制御装置におい
    て、 ばね下部材に対するばね上部材の相対速度を検出する相
    対速度検出手段と、 前記検出された相対速度及び前記実減衰係数に基づいて
    前記減衰力発生装置により現在発生されている実減衰力
    を導出する実減衰力導出手段と、 前記検出された相対速度、前記実減衰係数及び前記実減
    衰係数を増減制御するための所定量に基づいて、前記減
    衰力発生装置の減衰係数を前記減衰係数変更手段により
    変更した場合に同減衰力発生装置により発生される推定
    減衰力を計算する減衰力推定手段と、 前記検出された相対速度、前記導出された実減衰力、及
    び前記推定された推定減衰力に基づいて、同実減衰力に
    対する同推定減衰力の増減方向と同相対速度の増減方向
    とが一致したとき前記減衰力変更手段による減衰係数の
    変更を許容し、前記増減方向が一致しないとき前記減衰
    力変更手段による減衰係数の変更を禁止する変更制御手
    段とを設けたことを特徴とする減衰力発生装置のための
    制御装置。
JP9074085A 1997-03-26 1997-03-26 減衰力発生装置のための制御装置 Pending JPH10264632A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8321087B2 (en) 2009-03-31 2012-11-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Damping force control apparatus

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JP5195908B2 (ja) * 2009-03-31 2013-05-15 トヨタ自動車株式会社 減衰力制御装置

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