JP2733420B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JP2733420B2
JP2733420B2 JP29353292A JP29353292A JP2733420B2 JP 2733420 B2 JP2733420 B2 JP 2733420B2 JP 29353292 A JP29353292 A JP 29353292A JP 29353292 A JP29353292 A JP 29353292A JP 2733420 B2 JP2733420 B2 JP 2733420B2
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滋樹 太田垣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車体の上下振動に応
じてサスペンションの減衰力やバネ定数、或はスタビラ
イザのねじれ力等を最適値に自動調整するサスペンショ
ン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用サスペンション制御装置と
しては、例えば特開平3−227711号公報および特
開昭61−18513号公報に記載されているものがあ
る。前者は、車両の上下方向の加速度検出値をフーリエ
変換して求めたスペクトル和演算値に応じて減衰力制御
手段が指令する減衰力のハード側の値を変更するもので
ある。後者は、車体の振動が所定のレベル以上でバネ上
共振またはバネ下共振付近であると判定された場合に
は、減衰力を適切な特性に制御するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両のバネ
上およびバネ下間の相対変位量を目標車高に対する変位
量に変換した後フーリエ変換して車体の上下振動のパワ
ースペクトルを演算し、そのパワースペクトル値を用い
て車体の上下振動の周波数を検出し、サスペンションの
減衰力を適切に制御することが考えられる。この場合、
車高選択スイッチ等で目標車高が切り換わったときに
は、目標車高に対する変位量が現れるため、実際は車体
が振動していなくてもパワースペクトル値が求められ、
そのパワースペクトル値に対応してサスペンションの減
衰力が切り換えられるおそれがある等の問題点があっ
た。
【0004】また、同様にパワースペクトルの値を用い
て車体の上下振動の周波数を検出してサスペンションの
バネ定数やスタビライザのねじれ力を適切に制御するこ
とが考えられるが、同様に目標車高が切り換わったとき
に実際に車体が振動していなくてもバネ定数やねじれ力
が切り換えられるおそれがある等の問題点があった。
【0005】この発明はこのような問題点を解決するた
めになされたもので、サスペンションの減衰力やバネ定
数、あるいはスタビライザのねじれ力が不要に切り換え
られるのを防止し得るサスペンション制御装置およびス
タビライザ制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係るサスペン
ション制御装置は、車両の各車輪と車体との間に設けら
れ、それぞれに対応する車輪に対し上記車体を支持する
複数個のサスペンションと、上記車両の車輪と車輪の間
に配置され、上記車体のねじれを防止するスタビライザ
と、上記サスペンションの減衰力又はバネ定数或は上記
スタビライザのねじれ力を変更する変更手段と、上記車
両の車高を変更する車高変更手段と、上記車両のバネ上
およびバネ下間の相対変位量を検出する相対変位量検出
手段と、上記車両の目標車高を選択する目標車高選択手
段と、上記相対変位量検出手段の検出値および上記目標
車高選択手段で選択された目標車高値に基づいて上記車
高変更手段を制御して上記車両の車高を目標値とする車
高制御手段と、上記相対変位量検出手段の検出値を目標
車高に対する相対変位量に変換する相対変位量演算手段
と、この相対変位量演算手段で変換された相対変位量に
基づいて車体の上下振動のパワースペクトルを演算する
パワースペクトル演算手段と、このパワースペクトル演
算手段で演算されたパワースペクトルからバネ上共振周
波数近傍のスペクトルの和およびバネ下共振周波数近傍
のスペクトルの和をそれぞれ演算するスペクトル和演算
手段と、このスペクトル和演算手段で演算された各スペ
クトル和に応じて上記サスペンションの減衰力又はバネ
定数或は上記スタビライザのねじれ力の少なくとも1つ
を切り換える制御手段とを備え、上記目標車高選択手段
によって目標車高が変更された時点から一定時間内は上
記制御手段による上記サスペンションの減衰力又はバネ
定数或は上記スタビライザのねじれ力の切り換え制御を
行なわないようにしたものである。
【0007】
【作用】この発明においては、目標車高選択手段によっ
て目標車高が変更された時点から一定時間内は制御手段
によるサスペンションの減衰力又はバネ定数或はスタビ
ライザのねじれ力の切り換え制御を行わないので、目標
車高が切り換わったときにサスペンションの減衰力又は
バネ定数或はスタビライザのねじれ力が不要に切り換え
られるのを防止することが可能となる。
【0008】
【実施例】
実施例1.図1は、この発明に係るサスペンション制御
装置の一実施例を示すブロック図である。本例は、車体
1の目標車高を選択する目標車高選択手段としてのセレ
クトスイッチ3と、車体1のバネ上とバネ下間の相対変
位量を検出する相対変位量検出手段としての車高センサ
4、車体1と車輪2との間に配置されたサスペンション
の減衰力を変更する減衰力変更手段5、サスペンション
のバネ定数を変更するバネ定数変更手段6、車輪2と車
輪2との間に配置されたスタビライザのねじれ力を変更
するねじれ力変更手段7、車体1を設定された車高に制
御する車高変更手段8、サスペンションおよびスタビラ
イザの全体を制御する制御装置9で構成する。
【0009】制御装置9は、車高センサ4の検出値を目
標車高に対する相対変位量に変換する相対変位量演算手
段9aと、この相対変位量演算手段9aで変換された相
対変位量をフーリエ変換して車体の上下振動のパワース
ペクトルを演算するパワースペクトル演算手段9bと、
このパワースペクトル演算手段9bで演算されたパワー
スペクトルからバネ上共振周波数近傍のスペクトルの和
およびバネ下共振周波数近傍のスペクトルの和をそれぞ
れ演算するスペクトル和演算手段9cと、このスペクト
ル和演算手段9cで演算された各スペクトル和に応じて
サスペンションの減衰力、バネ定数およびスタビライザ
のねじれ力を判定する判定手段9dと、この減衰力判定
手段9dの判定結果に基づいて減衰力変更手段5、バネ
定数変更手段6およびねじれ力変更手段7を制御してサ
スペンションの減衰力やバネ定数またはスタビライザの
ねじれ力を切り換える制御手段9eと、目標車高となる
ように車高変更手段8を制御する車高制御手段9fとを
有している。
【0010】本例では、セレクトスイッチ3によって目
標車高が変更された時点から一定時間内は、減衰力変更
手段5、バネ定数変更手段6、ねじれ力変更手段7によ
り、サスペンションの減衰力やバネ定数およびスタビラ
イザのねじれ力の切り換えを行わないように制御する。
【0011】図2は、サスペンション制御装置の具体的
実施例を示しており、上述した各構成要素を車両に搭載
した状態の透視図である。また、図3はその構成を示す
ブロック図である。図2および図3において、図1と対
応する部分には同一符号を付して示している。図におい
て、10は車速検出手段としての車速センサ、11はハ
ンドルの操作状況を検出するステアリング角速度セン
サ、12は車体の横方向の加速度を検出する横Gセン
サ、13は車体1の加減速の操作を検出するアクセル開
度センサ、14はインジケータである。なお、8a〜8
fは車高変更手段を示している。
【0012】セレクトスイッチ3、車高センサ4、車速
センサ10、ステアリング角速度センサ11、横Gセン
サ12、アクセル開度センサ13の出力は制御装置9に
入力され、この制御装置9によって減衰力変更手段5、
車高変更手段8およびインジケータ14が制御される。
車高センサ4は車体1のバネ上とバネ下間の相対変位量
に応じてアナログ電圧値を出力する。この車高センサ4
より出力されるアナログ電圧値をA/D変換して(A/
D変換器は図示せず)、マイクロコンピュータで構成さ
れた制御装置9に入力する。
【0013】次に、制御装置9の操作手順を図4、図5
のフローチャートおよび図6〜図9に従って説明する。
図4は、所定サンプリング時間ΔT(例えば6msec)毎
に実行され、目標車高と目標車高に対する相対変位量か
ら求めた車体振動の周波数および大きさから適切な減衰
力を判定する処理を示している。また、図5も、所定サ
ンプリング時間ΔT毎に実行され、サスペンションの減
衰力を図4で求めた適切な減衰力に制御すると共に、車
高を目標車高に制御する処理を示している。
【0014】図4において、ステップ101でセレクト
スイッチ3の状態によって目標車高を設定し、ステップ
102で目標車高が切り換わったかどうか判定し、目標
車高が切り換わったならステップ103で減衰力判定禁
止時間T1を所定値にセットし、切り換わらなかったな
らステップ104で時間T1をデクリメントする。次
に、ステップ105で車高センサ4から検出した車体1
と車輪2の相対変位量x1を検出する。
【0015】次に、ステップ106でステップ101で
設定した目標車高に対する車体の相対変位量x2を求め
る。そして、ステップ107でΔT時間毎に読み込まれ
た目標車高に対する相対変位量x2を高速フーリエ変換
する。このステップ107の処理を行うことにより、図
6に示すような相対変位量のデータから、図7に示すよ
うなパワースペクトルデータが得られる。次に、ステッ
プ108でステップ107で得られたパワースペクトル
データの中から車両のバネ上共振周波数(本実施例では
1Hz)を中心に±1Hzの幅でパワースペクトルを加
算し、その値をP1とする。ステップ109でも、ステ
ップ107で得られたパワースペクトルのデータの中か
ら車両のバネ下共振周波数(本実施例では10Hz)を
中心に±1Hzの幅でパワースペクトルを加算し、その
値をP2とする。
【0016】次に、ステップ110で目標車高が切り換
わってからの時間がT1以上経過しているか判定し、経
過していたらステップ111に進む。ステップ111で
はステップ108,109で演算したP1およびP2の
値と、図8のマップを基に車体の振動を抑制するために
最適な減衰力を設定する。すなわち、バネ上共振周波数
付近のパワースペクトルP1が増加した場合は減衰力を
固め(HARD)に設定し、バネ下共振周波数付近のパ
ワースペクトルP2が増加した場合は減衰力を柔らかめ
(SOFT)に設定する。
【0017】次に、図5において、ステップ201〜2
06でステップ111で設定した減衰力に応じて減衰力
変更手段5に指令を出して目標の減衰力に切り換える。
そして、ステップ206で目標車高に対する変位量x2
が所定値以上なら車高変更手段8に指令を出して車高調
整を開始し(ステップ207)、目標車高に対する変位
量x2が所定値より小さくなったら車高調整を終了する
(ステップ208)。
【0018】ここで、上述の図4および図5のフローチ
ャートで示す処理を図9に従って説明する。目標車高が
切り換わらないうちは(時点t0参照)、目標車高に対す
る相対変位量x2はほぼ0であるため、P1およびP2
は検出されない。時点t1において目標車高が切り換わる
と実際の車高x1が目標車高までに制御される時点t3ま
で目標車高に対する相対変位量x2が検出される。この
とき、検出された相対変位量x2の値によってP1およ
びP2が演算され、通常なら目標減衰力はSOFTの領
域であっても、図8のマップに従えばMEDIUMまた
はHARDの領域に入ることになる。そこで、目標車高
が切り換わった直後からP1,P2のスペクトル値が落
ち着くまで減衰力判定禁止時間T1(t2−t1)を設
け、不要な切り換えが行われないようにする。
【0019】
【発明の効果】この発明によれば、車両の各車輪と車体
との間に設けられ、それぞれに対応する車輪に対し上記
車体を支持する複数個のサスペンションと、上記車両の
車輪と車輪の間に配置され、上記車体のねじれを防止す
るスタビライザと、上記サスペンションの減衰力又はバ
ネ定数或は上記スタビライザのねじれ力を変更する変更
手段と、上記車両の車高を変更する車高変更手段と、上
記車両のバネ上およびバネ下間の相対変位量を検出する
相対変位量検出手段と、上記車両の目標車高を選択する
目標車高選択手段と、上記相対変位量検出手段の検出値
および上記目標車高選択手段で選択された目標車高値に
基づいて上記車高変更手段を制御して上記車両の車高を
目標値とする車高制御手段と、上記相対変位量検出手段
の検出値を目標車高に対する相対変位量に変換する相対
変位量演算手段と、この相対変位量演算手段で変換され
た相対変位量に基づいて車体の上下振動のパワースペク
トルを演算するパワースペクトル演算手段と、このパワ
ースペクトル演算手段で演算されたパワースペクトルか
らバネ上共振周波数近傍のスペクトルの和およびバネ下
共振周波数近傍のスペクトルの和をそれぞれ演算するス
ペクトル和演算手段と、このスペクトル和演算手段で演
算された各スペクトル和に応じて上記サスペンションの
減衰力又はバネ定数或は上記スタビライザのねじれ力の
少なくとも1つを切り換える制御手段とを備え、上記目
標車高選択手段によって目標車高が変更された時点から
一定時間内は上記制御手段による上記サスペンションの
減衰力又はバネ定数或は上記スタビライザのねじれ力の
切り換え制御を行なわないようにしたので、目標車高が
切り換わったときにサスペンションの減衰力又はバネ定
数或はスタビライザのねじれ力が不要に切り換えられる
のを良好に防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサスペンション制御装置の一実施
例を示すブロック図である。
【図2】この発明に係るサスペンション制御装置の具体
的実施例の部材を車両に搭載した場合の配置関係を示す
透視図である。
【図3】図2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】図2の実施例における制御装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図5】図2の実施例における制御装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図6】うねり路走行中で目標車高が一定のときの目標
車高に対する車体の相対変位量の変動を示す図である。
【図7】図4の相対変位量を高速フーリエ変換して求め
たパワースペクトルを示す図である。
【図8】バネ上共振周波数領域のパワースペクトルP1
およびバネ下共振周波数領域のパワースペクトルP2に
対する適切な減衰力マップを示す図である。
【図9】図2の実施例を説明するための目標車高、バネ
上とバネ下間の相対変位量x1、目標車高に対する相対
変位量x2、バネ上共振周波数領域のパワースペクトル
P1、バネ下共振周波数領域のパワースペクトルP2等
を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 車体 2 車輪 3 セレクトスイッチ 4 車高センサ 5 減衰力変更手段 6 バネ定数変更手段 7 ねじれ力変更手段 8 車高変更手段 9 制御装置 10 車速センサ 11 ススアリング角速度センサ 12 横Gセンサ 13 アクセル開度センサ 14 インジケータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−227711(JP,A) 特開 昭62−181907(JP,A) 特開 昭63−49512(JP,A) 特開 平3−148317(JP,A) 実開 昭61−10212(JP,U) 実開 平1−58304(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の各車輪と車体との間に設けられ、
    それぞれに対応する車輪に対し上記車体を支持する複数
    個のサスペンションと、 上記車両の車輪と車輪の間に配置され、上記車体のねじ
    れを防止するスタビライザと、 上記サスペンションの減衰力又はバネ定数或は上記スタ
    ビライザのねじれ力を変更する変更手段と、 上記車両の車高を変更する車高変更手段と、 上記車両のバネ上およびバネ下間の相対変位量を検出す
    る相対変位量検出手段と、 上記車両の目標車高を選択する目標車高選択手段と、 上記相対変位量検出手段の検出値および上記目標車高選
    択手段で選択された目標車高値に基づいて上記車高変更
    手段を制御して上記車両の車高を目標値とする車高制御
    手段と、 上記相対変位量検出手段の検出値を目標車高に対する相
    対変位量に変換する相対変位量演算手段と、 この相対変位量演算手段で変換された相対変位量に基づ
    いて車体の上下振動のパワースペクトルを演算するパワ
    ースペクトル演算手段と、 このパワースペクトル演算手段で演算されたパワースペ
    クトルからバネ上共振周波数近傍のスペクトルの和およ
    びバネ下共振周波数近傍のスペクトルの和をそれぞれ演
    算するスペクトル和演算手段と、 このスペクトル和演算手段で演算された各スペクトル和
    に応じて上記サスペンションの減衰力又はバネ定数或は
    上記スタビライザのねじれ力の少なくとも1つを切り換
    える制御手段とを備え、 上記目標車高選択手段によって目標車高が変更された時
    点から一定時間内は上記制御手段による上記サスペンシ
    ョンの減衰力又はバネ定数或は上記スタビライザのねじ
    れ力の切り換え制御を行なわないようにしたことを特徴
    とするサスペンション制御装置。
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US9102209B2 (en) * 2012-06-27 2015-08-11 Bose Corporation Anti-causal vehicle suspension
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