JP4122091B2 - 振動低減デバイスの制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のエンジンマウント構造やサスペンション支持構造における車体振動に及ぼす影響を低減するのに適する振動低減デバイスの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、Karnoppにより提唱されたスカイフック方式に準じた制御を行って車体の振動を減じさせるものとして、任意の力を発生するアクチュエータ機能を備えたエンジンマウント装置や、任意または段階的な減衰力特性を有する制御を行うエンジンマウント装置や、任意の力を発生するアクチュエータ機能を備えたサスペンション支持構造や、任意または段階的な減衰力特性を有する制御を行うダンパを有するサスペンション支持構造などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えばエンジンマウント装置の場合には、上記したようにスカイフック制御を基調とし、エンジンの上下方向絶対速度に対する制御系のパラメータに車体上下方向絶対速度のみを用い、かつその制御量の目標値を0とする単純なフィードバック制御とするものであった。
【0004】
そのため、車体上下方向絶対速度が発生して初めて制振制御を行う制御ループに入るため、制御系の応答時間による遅れが生じるという問題がある。さらに、通常制御系の制御量と操作量及びその操作量の実現とに要する時間は比例するので、制御量の変化が大きい程、時間遅れが大きくなり、制御量の変化周期が短い程、制御ループ時間との比率が開き、制御の効果が小さくなるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、制御の時間遅れを極力無くすようにすると共に制振効果の大きな制御を実現するために、本発明に於いては、車体の振動に影響を及ぼすエンジン(3)と当該車体(1)との間に振動低減デバイス(2)を設けた車両における振動低減デバイスの制御方法であって、ばね下部材(6・7)の上下方向加速度を検出し(ST1)、前記ばね下部材(6・7)の上下方向加速度が所定のしきい値以上である場合には、前記振動低減デバイス(2)に高減衰力を発生させ(ST7)、その後、前記ばね下部材(6・7)の上下方向加速度が所定のしきい値を下回った場合には、前記車体(1)の上下方向速度と前記エンジン(3)の上下方向速度とを検出し(ST3)、前記車体(1)の上下方向速度と前記エンジン(3)の上下方向速度とに基づいて大きさを切り替えた減衰力を前記振動低減デバイス(2)に発生させる(ST5・ST6)ものとした。
【0006】
このようにすることにより、車体振動に影響を及ぼすエンジンの上下方向速度を検出する前にバネ下部材の上下方向加速度を検出して、その検出値から車体振動が大きくなると予測された場合にはその振動を低減するように振動低減デバイスを制御するため、車体振動に影響を及ぼすエンジンから車体に振動が伝達するまでの間に制振のための制御ループを実行して終了させることができ、応答遅れのない制振制御を行うことができ、車体取付部材の中でも振動に特に大きな影響を及ぼすものを制御することから、振動低減制御を効率的に行い得る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明が適用された車両としての自動車を正面から見た場合の一部を模式的に示す要部レイアウト図である。図において、車体の一部であるフロントサイドビーム1に固着されたブラケットに、本発明に基づく振動低減デバイス2を介して車体取付部材としての1つであるエンジン3の一部が支持されている。エンジン3は横置き型エンジンであって良く、図における右端側においても同様に車体に振動低減デバイス2を介して支持されている。
【0009】
なお、振動低減デバイス2は、ダンパ装置における粘性流体を通すオリフィス径を選択的に変化させることにより、例えば高・通常・最小の各減衰力を発生し得るものである。また、そのオリフィス径を変化させるには、オリフィスを設けた例えばロータリバルブを、モータにより回動して所定の角度で停止させることであって良い。
【0010】
また、車体の一部をなすタイヤハウスを形成するボディパネル4に、ストラット5の上端部が連結されており、そのストラット5の下端部に車輪6が取り付けられている。また、車輪6は、ロアアーム7を介してサイドビーム1にも連結されている。これらストラット5の軸線方向可動部分及び車輪6も、車体取付部材になる。
【0011】
さらに、ボディパネル4には車体の上下方向加速度を検出するための車体上下加速度センサ8が取り付けられ、エンジン3と一体をなして振動低減デバイス2に結合されたエンジンブラケットにはエンジン3の上下方向加速度を検出するためのエンジン上下加速度センサ9が取り付けられ、ストラット5の下端部近傍には車輪6の上下方向加速度を検出するための車輪上下加速度センサ10が取り付けられている。それら各加速度センサ8・9・10により検出された各加速度信号はコントロールユニット11に入力するようにされており、そのコントロールユニット11により振動低減デバイス2の上記したモータが駆動制御されるようになっている。
【0012】
次に、コントロールユニット11における本発明に基づく振動低減デバイス制御方法について図2のフロー図を参照して以下に示す。図2の第1ステップST1で上記した各部(車体・エンジン・車輪)の上下方向加速度の検出を行う。
【0013】
次の第2ステップST2では、車輪上下加速度センサ10で検出された車輪6の上下方向加速度αが所定のしきい値αd以上か否かを判別し、しきい値αdより小さい場合には第3ステップST3に進む。第3ステップST3では、車体上下方向加速度とエンジン上下方向加速度とをそれぞれ積分処理して、車体(ボディパネル4)の上下方向絶対速度XBとエンジン3の上下方向絶対速度XEとをそれぞれ算出し、第4ステップST4に進む。
【0014】
第4ステップST4では、車体上下方向絶対速度XBからエンジン上下方向絶対速度XEを減算した値に車体上下方向絶対速度XBを乗算した判別値「XB(XB−XE)」を用いて、振動低減デバイス2による制御方法の判別を行う。上記判別値が負の場合には第5ステップST5に進み、0以上の場合には第6ステップST6に進む。
【0015】
第5ステップST5に進んだ場合には、そこで通常減衰力を発生させるようにコントロールユニット11により振動低減デバイス2を制御して、第1ステップST1に戻る。また第6ステップST6に進んだ場合には、そこでは最小減衰力を発生させるようにコントロールユニット11により振動低減デバイス2を制御して、第1ステップST1に戻る。なお、この第6ステップST6での処理にあっては、減衰力低減をアクティブに行うようにしても良く、その場合には振動低減デバイス2に加振力を発生し得るアクチュエータを加えれば良い。この場合の加振力発生アクチュエータの構造としては、種々の構造があり、例えば特開平7−12172号公報に記載されているものであって良い。
【0016】
また、前記第2ステップST2で車輪6の上下方向加速度αが所定のしきい値αd以上であると判別された場合には第7ステップST7に進み、そこでは高減衰力を発生させるようにコントロールユニット11により振動低減デバイス2を制御して、第1ステップST1に戻る。
【0017】
このように本制御によれば、振動発生源として最も影響の大きな車輪6の運動状態量をまず確認し、その値が大きい(影響大)場合には即座に高減衰力を発生させると共に、エンジン3による振動に対する影響を運動状態量としての上下方向絶対速度を用いた車体との比較で判別している。これにより、車体取付部材の運動による力が車体に伝達されて振動し始めるまでの伝達時間に対して、制御フローにおける処理時間は極めて短く、車体が上記振動の影響を受ける前に振動低減デバイス2の減衰力を制振に好適な値に設定することができる。
【0018】
なお、上記実施の形態にあってはエンジン3の支持部にのみ振動低減デバイス2を設けた例について示したが、本発明によれば対象となる車体取付部材を1つに限るものではない。例えばエンジン支持部の他に前輪サスペンション取付部や前後輪の各サスペンション取付部にも振動低減デバイスを設けて、互いに受け持つ周波数領域を分担すると良い。また、同一の車体取付部材(振動発生源が共通)であっても振動伝達に時間差がある場合には、先行する振動情報を元に制御を開始させたりして、対応する周波数領域を広げることにより制御の遅れを補うことができるという効果を奏し得る。
【0019】
【発明の効果】
このように本発明によれば、車体取付部材の運動状態量を検出して車体振動に与える影響を予測し、車体振動に影響を及ぼすと判断された場合には車体振動を低減するように、車体と車体取付部材との間に設けた振動低減デバイスを制御することから、振動が車体に伝達して車体振動が発生するまでに上記制御処理を終了させることができ、振動低減におけるアクティブ制御を行うことができ、車体振動の発生を好適に抑制して、乗り心地性を向上し得る。また、車体取付部材をエンジン及びばね下部材として良く、この場合には、車体取付部材の中でも振動に特に大きな影響を及ぼすものを制御することから、振動低減制御を効率的に行い得るため、装置を低廉化し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両としての自動車を正面から見た場合の一部を模式的に示す要部レイアウト図。
【図2】振動低減デバイス制御方法を示すフロー図。
【符号の説明】
1 フロントサイドビーム
2 振動低減デバイス
3 エンジン
4 ボディパネル
5 ストラット
6 車輪
7 ロアアーム
8 車体上下加速度センサ
9 エンジン上下加速度センサ
10 車輪上下加速度センサ
11 コントロールユニット
Claims (1)
- 車体(1)の振動に影響を及ぼすエンジン(3)と当該車体(1)との間に振動低減デバイス(2)を設けた車両における振動低減デバイスの制御方法であって、
ばね下部材(6・7)の上下方向加速度を検出し(ST1)、
前記ばね下部材(6・7)の上下方向加速度が所定のしきい値以上である場合には、前記振動低減デバイス(2)に高減衰力を発生させ(ST7)、
その後、前記ばね下部材(6・7)の上下方向加速度が所定のしきい値を下回った場合には、前記車体(1)の上下方向速度と前記エンジン(3)の上下方向速度とを検出し(ST3)、前記車体(1)の上下方向速度と前記エンジン(3)の上下方向速度とに基づいて大きさを切り替えた減衰力を前記振動低減デバイス(2)に発生させる(ST5・SST6)ことを特徴とする振動低減デバイスの制御方法。
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