JPH10264305A - 耐傷付き性、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板 - Google Patents
耐傷付き性、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板Info
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- JPH10264305A JPH10264305A JP9322997A JP9322997A JPH10264305A JP H10264305 A JPH10264305 A JP H10264305A JP 9322997 A JP9322997 A JP 9322997A JP 9322997 A JP9322997 A JP 9322997A JP H10264305 A JPH10264305 A JP H10264305A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼板表面に接着剤層を介してまたはこの接着
剤層の鋼板側に下塗り塗膜層を設けて、着色顔料配合の
フッ素樹脂フィルムを積層したラミネ−ト鋼板におい
て、高価なフッ素樹脂フィルムを厚くせずに加工時の耐
傷付き性と、屋外施工後の耐候性および耐食性を改善し
たものを提供する。 【解決手段】 前記フッ素樹脂フィルムの積層を、厚さ
30μm以上のエチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体のようなフッ素樹脂のフィルムと厚さ100μm以
上の可塑化ポリ塩化ビニル樹脂のフィルムとを紫外線吸
収剤およびヒンダ−ドアミン系光安定剤配合接着剤層の
介在により積層した複合フィルムを用いて、フッ素樹脂
フィルムが表面側になるようにラミネ−トする。
剤層の鋼板側に下塗り塗膜層を設けて、着色顔料配合の
フッ素樹脂フィルムを積層したラミネ−ト鋼板におい
て、高価なフッ素樹脂フィルムを厚くせずに加工時の耐
傷付き性と、屋外施工後の耐候性および耐食性を改善し
たものを提供する。 【解決手段】 前記フッ素樹脂フィルムの積層を、厚さ
30μm以上のエチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体のようなフッ素樹脂のフィルムと厚さ100μm以
上の可塑化ポリ塩化ビニル樹脂のフィルムとを紫外線吸
収剤およびヒンダ−ドアミン系光安定剤配合接着剤層の
介在により積層した複合フィルムを用いて、フッ素樹脂
フィルムが表面側になるようにラミネ−トする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板表面にフッ素樹脂
フィルムを積層したラミネ−ト鋼板において、高価なフ
ッ素樹脂フィルムを厚くせずに加工時の耐傷付き性と、
屋外施工後の耐候性および耐食性を改善したものに関す
る。
フィルムを積層したラミネ−ト鋼板において、高価なフ
ッ素樹脂フィルムを厚くせずに加工時の耐傷付き性と、
屋外施工後の耐候性および耐食性を改善したものに関す
る。
【0002】
【従来技術】フッ素樹脂被覆鋼板は、耐汚染性、耐候性
および耐食性に優れているが、フッ素樹脂は強度が劣る
ので、フッ素樹脂層が薄いと、加工時や施工時に鋼板素
地に達する傷が発生し、耐食性が低下してしまう。この
傷付きによる耐食性低下はフッ素樹脂層を厚くすれば、
防止できるが、フッ素樹脂被覆鋼板をロ−ルコ−タ−方
式の連続塗装ラインで製造する場合、1回の通板で塗装
できるのは高々25μm程度であり、それ以上厚くした
い場合には通板を2回以上繰り返さなければならない。
および耐食性に優れているが、フッ素樹脂は強度が劣る
ので、フッ素樹脂層が薄いと、加工時や施工時に鋼板素
地に達する傷が発生し、耐食性が低下してしまう。この
傷付きによる耐食性低下はフッ素樹脂層を厚くすれば、
防止できるが、フッ素樹脂被覆鋼板をロ−ルコ−タ−方
式の連続塗装ラインで製造する場合、1回の通板で塗装
できるのは高々25μm程度であり、それ以上厚くした
い場合には通板を2回以上繰り返さなければならない。
【0003】そこで、1回の通板でフッ素樹脂層が25
μmより厚いものを製造する場合には、フッ素樹脂フィ
ルムを鋼板に積層するラミネ−ト方式で行っている。こ
のラミネ−ト方式による製造は連続塗装ラインの出側に
ラミネ−ト装置を配置して、鋼板にクロメ−ト皮膜やリ
ン酸塩皮膜のような化成処理皮膜を形成して、その表面
に接着剤層を形成するか、あるいは接着剤層形成前に下
塗り塗膜層を形成した後、接着剤層が粘着状態にあるう
ちにラミネ−ト装置でフッ素樹脂フィルムを積層する方
法で行っている。
μmより厚いものを製造する場合には、フッ素樹脂フィ
ルムを鋼板に積層するラミネ−ト方式で行っている。こ
のラミネ−ト方式による製造は連続塗装ラインの出側に
ラミネ−ト装置を配置して、鋼板にクロメ−ト皮膜やリ
ン酸塩皮膜のような化成処理皮膜を形成して、その表面
に接着剤層を形成するか、あるいは接着剤層形成前に下
塗り塗膜層を形成した後、接着剤層が粘着状態にあるう
ちにラミネ−ト装置でフッ素樹脂フィルムを積層する方
法で行っている。
【0004】ここで、積層するフッ素樹脂フィルムとし
ては、ポリフッ化ビニル樹脂やポリフッ化ビニリデン樹
脂のものを着色顔料で種々の色調に着色したものを使用
していたが、フッ素樹脂フィルムは高価なため、厚いも
のでも50μm程度にしていた。しかし、この程度の厚
みでは加工時や施工時に鋼板素地に達する傷の発生は避
けられないものであった。ラミネ−ト鋼板に傷が発生す
ると、傷を起点にして、腐食がフィルムと鋼板との間で
進行し、腐食生成物が蓄積されるため、フィルムが膨
れ、さらに著しい場合には剥離が生じる。
ては、ポリフッ化ビニル樹脂やポリフッ化ビニリデン樹
脂のものを着色顔料で種々の色調に着色したものを使用
していたが、フッ素樹脂フィルムは高価なため、厚いも
のでも50μm程度にしていた。しかし、この程度の厚
みでは加工時や施工時に鋼板素地に達する傷の発生は避
けられないものであった。ラミネ−ト鋼板に傷が発生す
ると、傷を起点にして、腐食がフィルムと鋼板との間で
進行し、腐食生成物が蓄積されるため、フィルムが膨
れ、さらに著しい場合には剥離が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フッ素樹脂
フィルムに傷が発生しても、傷が鋼板素地に達せず、し
かも、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板を提
供するものである。
フィルムに傷が発生しても、傷が鋼板素地に達せず、し
かも、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋼板表面に接
着剤層を介してまたはこの接着剤層の鋼板側に下塗り塗
膜層を設けて、着色顔料配合のフッ素樹脂フィルムを積
層したラミネ−ト鋼板において、前記フッ素樹脂フィル
ムの積層が厚さ30μm以上のフッ素樹脂フィルムと厚
さ100μm以上の可塑化ポリ塩化ビニル樹脂フィルム
とを紫外線吸収剤およびヒンダ−ドアミン系光安定剤配
合接着剤層の介在により積層した複合フィルムを用い
て、フッ素樹脂フィルムが表面側になるようにラミネ−
トされたものであることを特徴としている。
着剤層を介してまたはこの接着剤層の鋼板側に下塗り塗
膜層を設けて、着色顔料配合のフッ素樹脂フィルムを積
層したラミネ−ト鋼板において、前記フッ素樹脂フィル
ムの積層が厚さ30μm以上のフッ素樹脂フィルムと厚
さ100μm以上の可塑化ポリ塩化ビニル樹脂フィルム
とを紫外線吸収剤およびヒンダ−ドアミン系光安定剤配
合接着剤層の介在により積層した複合フィルムを用い
て、フッ素樹脂フィルムが表面側になるようにラミネ−
トされたものであることを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明のラミネ−ト鋼板は、フッ素樹脂フィル
ムの鋼板側に存在する厚さ100μm以上の可塑化ポリ
塩化ビニル樹脂フィルム(以下塩ビフィルムという)が
衝撃やしごきを緩和させるので、フッ素樹脂フィルムは
加工時や施工時に衝撃やしごきを受けても傷が発生しに
くい。また、塩ビフィルムは厚さが100μm以上であ
るので、フッ素樹脂フィルムに傷が発生したとしても、
その傷は塩ビフィルムの表面もしくは内部で止まり、鋼
板素地には達しない。
ムの鋼板側に存在する厚さ100μm以上の可塑化ポリ
塩化ビニル樹脂フィルム(以下塩ビフィルムという)が
衝撃やしごきを緩和させるので、フッ素樹脂フィルムは
加工時や施工時に衝撃やしごきを受けても傷が発生しに
くい。また、塩ビフィルムは厚さが100μm以上であ
るので、フッ素樹脂フィルムに傷が発生したとしても、
その傷は塩ビフィルムの表面もしくは内部で止まり、鋼
板素地には達しない。
【0008】複合フィルムを構成するフッ素樹脂フィル
ムには、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フ
ィルム(以下ETFEフィルムという)を使用すると、
ETFEフィルムが紫外線領域に吸収を持たないため、
耐候性が良好になる。しかし、ETFEフィルムが紫外
線を透過する程度の透明度を有するものであると、透過
した紫外線により鋼板側に位置する接着剤層が劣化し
て、ETFEフィルムとの接着力が低下し、ETFEフ
ィルムに傷が発生した場合、傷を起点として、ETFE
フィルムに膨れや剥離が生じる。
ムには、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体フ
ィルム(以下ETFEフィルムという)を使用すると、
ETFEフィルムが紫外線領域に吸収を持たないため、
耐候性が良好になる。しかし、ETFEフィルムが紫外
線を透過する程度の透明度を有するものであると、透過
した紫外線により鋼板側に位置する接着剤層が劣化し
て、ETFEフィルムとの接着力が低下し、ETFEフ
ィルムに傷が発生した場合、傷を起点として、ETFE
フィルムに膨れや剥離が生じる。
【0009】そこで、ETFEフィルムには、紫外線遮
蔽性を有する顔料を配合し、紫外線が接着剤層に透過し
ないようにする。この顔料の配合はETFEフィルムに
入射した紫外線の95%以上を遮蔽して、接着剤層に到
達する紫外線透過率が5%以下になるように種類や配合
量を調整すると、接着剤層の劣化によるETFEフィル
ムの剥離は生じない。
蔽性を有する顔料を配合し、紫外線が接着剤層に透過し
ないようにする。この顔料の配合はETFEフィルムに
入射した紫外線の95%以上を遮蔽して、接着剤層に到
達する紫外線透過率が5%以下になるように種類や配合
量を調整すると、接着剤層の劣化によるETFEフィル
ムの剥離は生じない。
【0010】色調や加工性の関係で、顔料の配合で紫外
線透過率を5%以下にすることが困難な場合には、紫外
線吸収剤を添加する。この紫外線吸収剤には、ETFE
フィルムが波長300〜370nmの紫外線を透過させ
るので、この領域の紫外線を吸収するものを使用すれば
よい。例えば、フェニルサリシレ−トのようなサリチル
酸誘導体、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ンのようなベンゾフェノン誘導体、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベ
ンゾトリアゾ−ルのようなベンゾトリアゾ−ル誘導体な
どである。
線透過率を5%以下にすることが困難な場合には、紫外
線吸収剤を添加する。この紫外線吸収剤には、ETFE
フィルムが波長300〜370nmの紫外線を透過させ
るので、この領域の紫外線を吸収するものを使用すれば
よい。例えば、フェニルサリシレ−トのようなサリチル
酸誘導体、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ンのようなベンゾフェノン誘導体、2−(2′−ヒドロ
キシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベ
ンゾトリアゾ−ルのようなベンゾトリアゾ−ル誘導体な
どである。
【0011】ETFEフィルムの厚さは、塩ビフィルム
との複合フィルムにすると、従来の50μmから30μ
m程度まで薄くできる。しかし、ETFEフィルムは高
価であるので、100μm以下にするのが好ましい。ま
た、塩ビフィルムとの積層を考慮して、積層面すなわち
接着剤層との接触面にコロナ放電処理を施しておくこと
が好ましい。
との複合フィルムにすると、従来の50μmから30μ
m程度まで薄くできる。しかし、ETFEフィルムは高
価であるので、100μm以下にするのが好ましい。ま
た、塩ビフィルムとの積層を考慮して、積層面すなわち
接着剤層との接触面にコロナ放電処理を施しておくこと
が好ましい。
【0012】複合フィルムでETFEフィルムと塩ビフ
ィルムとを貼り付ける接着剤層は、合成樹脂を主成分と
するものであれば、特に制限はなく、エポキシ系、ポリ
ウレタン系、ポリエステル系などを使用できる。しか
し、この接着剤層が透明であると、ETFEフィルムか
ら入射した紫外線がそのまま塩ビフィルムに透過して、
塩ビフィルムを劣化させ、接着力が低下してしまう。こ
のため、接着剤層にも顔料を配合するのが好ましいが、
接着剤層は極めて薄いので、顔料を配合しても、遮蔽効
果をあまり期待できない。そこで、紫外線吸収剤とヒン
ダ−ドアミン系光安定剤を配合して、塩ビフィルムの劣
化を防止する。これらの添加剤は透過紫外線がETFE
フィルムに入射した紫外線の1%以下になるようにする
のが好ましい。
ィルムとを貼り付ける接着剤層は、合成樹脂を主成分と
するものであれば、特に制限はなく、エポキシ系、ポリ
ウレタン系、ポリエステル系などを使用できる。しか
し、この接着剤層が透明であると、ETFEフィルムか
ら入射した紫外線がそのまま塩ビフィルムに透過して、
塩ビフィルムを劣化させ、接着力が低下してしまう。こ
のため、接着剤層にも顔料を配合するのが好ましいが、
接着剤層は極めて薄いので、顔料を配合しても、遮蔽効
果をあまり期待できない。そこで、紫外線吸収剤とヒン
ダ−ドアミン系光安定剤を配合して、塩ビフィルムの劣
化を防止する。これらの添加剤は透過紫外線がETFE
フィルムに入射した紫外線の1%以下になるようにする
のが好ましい。
【0013】紫外線吸収剤、ヒンダ−ドアミン系光安定
剤には、特に制限はなく、前者としては、ETFEフィ
ルムに添加したものと同一のものを、後者としては、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セパケ−ト、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメ
チル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ
[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、2−(3,5
−ジ・tertブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2
−n−ブチルマロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペルジル)などを使用すればよい。
剤には、特に制限はなく、前者としては、ETFEフィ
ルムに添加したものと同一のものを、後者としては、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セパケ−ト、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメ
チル−3−オクチル−1,2,3−トリアザスピロ
[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、2−(3,5
−ジ・tertブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2
−n−ブチルマロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペルジル)などを使用すればよい。
【0014】塩ビフィルムは、配合軟質塩化ビニル樹脂
を加工したものであれば、特に制限はなく、例えば、組
成が塩化ビニル樹脂100重量部に対して、顔料5〜3
0重量部、可塑剤15〜100重量部、安定剤1〜5重
量部のようなものをフィルム化したものを使用すればよ
い。
を加工したものであれば、特に制限はなく、例えば、組
成が塩化ビニル樹脂100重量部に対して、顔料5〜3
0重量部、可塑剤15〜100重量部、安定剤1〜5重
量部のようなものをフィルム化したものを使用すればよ
い。
【0015】本発明のラミネ−ト鋼板は、接着剤層を介
してフッ素樹脂フィルムと塩ビフィルムとを貼り合わせ
た複合フィルムを予め製造しておいて、これを鋼板にラ
ミネ−トする。鋼板には通常脱脂処理、化成処理を施す
が、これは鋼板の表面状態により省略することができ
る。また、鋼板には特に制限がなく、従来より一般に使
用されている亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼
板、亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板、ステンレス
鋼板などを使用すればよい。
してフッ素樹脂フィルムと塩ビフィルムとを貼り合わせ
た複合フィルムを予め製造しておいて、これを鋼板にラ
ミネ−トする。鋼板には通常脱脂処理、化成処理を施す
が、これは鋼板の表面状態により省略することができ
る。また、鋼板には特に制限がなく、従来より一般に使
用されている亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼
板、亜鉛−アルミニウム系合金めっき鋼板、ステンレス
鋼板などを使用すればよい。
【0016】複合フィルムのラミネ−トは、従来のごと
く鋼板表面に接着剤層を設けた後、複合フィルムをラミ
ネ−トする。接着剤層としては特に制限はなく、複合フ
ィルム製造に使用したエポキシ系、ポリウレタン系、ポ
リエステル系などの樹脂を使用すればよい。この接着剤
層には、必要に応じて、防錆顔料、着色顔料、体質顔料
などを添加してもよい。
く鋼板表面に接着剤層を設けた後、複合フィルムをラミ
ネ−トする。接着剤層としては特に制限はなく、複合フ
ィルム製造に使用したエポキシ系、ポリウレタン系、ポ
リエステル系などの樹脂を使用すればよい。この接着剤
層には、必要に応じて、防錆顔料、着色顔料、体質顔料
などを添加してもよい。
【0017】複合フィルムのラミネ−トは、接着剤層を
設ける前に下塗り塗膜層を設け、その上に接着剤層を設
けるようにしてもよい。下塗り塗膜層にはポリエステル
系、エポキシ系、フェノキシ系樹脂などの塗料を使用す
ればよい。また、必要に応じて、防錆顔料、着色顔料、
体質顔料などを添加してもよい。
設ける前に下塗り塗膜層を設け、その上に接着剤層を設
けるようにしてもよい。下塗り塗膜層にはポリエステル
系、エポキシ系、フェノキシ系樹脂などの塗料を使用す
ればよい。また、必要に応じて、防錆顔料、着色顔料、
体質顔料などを添加してもよい。
【0018】
(1)複合フィルムの調製 種々の厚さの塩ビフィルムの表面に紫外線吸収剤とヒン
ダ−ドアミン系光安定剤とを添加した接着剤を乾燥厚さ
で3μmになるように塗布して、乾燥した後、着色顔料
と紫外線吸収剤とで紫外線透過率を変化させた種々の厚
さのETFEフィルムを貼り合わせて、複合フィルムを
製造した。表1にこの複合フィルムのETFEフィルム
と塩ビフィルムの厚さ、紫外線透過率を示す。
ダ−ドアミン系光安定剤とを添加した接着剤を乾燥厚さ
で3μmになるように塗布して、乾燥した後、着色顔料
と紫外線吸収剤とで紫外線透過率を変化させた種々の厚
さのETFEフィルムを貼り合わせて、複合フィルムを
製造した。表1にこの複合フィルムのETFEフィルム
と塩ビフィルムの厚さ、紫外線透過率を示す。
【0019】
【表1】 (注)最大紫外線透過率は波長300〜370nmにお
ける値である。
ける値である。
【0020】(2)ラミネ−ト鋼板の製造 出側にラミネ−ト装置が配置された連続塗装ラインに
て、溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.5mm、目付量13
0g/m2)に塗布型クロメ−ト処理を施して、フェノ
キシ樹脂系下塗り塗料を乾燥塗膜厚で5μmになるよう
に塗装し、乾燥後、2液型ポリウレタン樹脂系接着剤を
乾燥厚さで5μmになるように塗布して、最高到達板温
200℃に加熱し、直ちにラミネ−ト装置のシリコンゴ
ムロ−ルで表1に示した複合フィルムをETFEフィル
ムが表側になるように積層した。次に、このようにして
製造したラミネ−ト鋼板に対して、次の試験を実施し
た。表2にこの結果を示す。
て、溶融亜鉛めっき鋼板(板厚0.5mm、目付量13
0g/m2)に塗布型クロメ−ト処理を施して、フェノ
キシ樹脂系下塗り塗料を乾燥塗膜厚で5μmになるよう
に塗装し、乾燥後、2液型ポリウレタン樹脂系接着剤を
乾燥厚さで5μmになるように塗布して、最高到達板温
200℃に加熱し、直ちにラミネ−ト装置のシリコンゴ
ムロ−ルで表1に示した複合フィルムをETFEフィル
ムが表側になるように積層した。次に、このようにして
製造したラミネ−ト鋼板に対して、次の試験を実施し
た。表2にこの結果を示す。
【0021】(A)耐傷付き性試験 キザミのない10円銅貨を手で保持した状態でラミネ−
ト鋼板に対して45゜の角度で密着させて、フィルムを
強く引っ掻き、鋼板素地が露出しないものを記号○で、
露出したものを記号×で評価した。 (B)耐候性試験 JIS K 2246による促進耐候性試験機により促
進試験を黒板温度計による温度が80℃の条件で400
0時間実施した後、色差(ΔE)が4以下のものを記号
○で、4以上のものを記号×で評価した。 (C)耐食性試験 JIS Z 2371による塩水噴霧試験機をJIS
K 5400 7.8に規定する条件に設定して、塩水
噴霧を2000時間実施した後、フィルム面の膨れ発生
状態を肉眼観察し、膨れの発生していないものを記号○
で、発生していたものを記号×で評価した。
ト鋼板に対して45゜の角度で密着させて、フィルムを
強く引っ掻き、鋼板素地が露出しないものを記号○で、
露出したものを記号×で評価した。 (B)耐候性試験 JIS K 2246による促進耐候性試験機により促
進試験を黒板温度計による温度が80℃の条件で400
0時間実施した後、色差(ΔE)が4以下のものを記号
○で、4以上のものを記号×で評価した。 (C)耐食性試験 JIS Z 2371による塩水噴霧試験機をJIS
K 5400 7.8に規定する条件に設定して、塩水
噴霧を2000時間実施した後、フィルム面の膨れ発生
状態を肉眼観察し、膨れの発生していないものを記号○
で、発生していたものを記号×で評価した。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明のラミネ−ト鋼板
は、フッ素樹脂フィルムの積層を、厚さ30μm以上の
フッ素樹脂フィルムと厚さ100μm以上の可塑化ポリ
塩化ビニル樹脂フィルムとを紫外線吸収剤およびヒンダ
−ドアミン系光安定剤配合接着剤層の介在により積層し
た複合フィルムを用いて、フッ素樹脂フィルムが表面側
になるようにラミネ−トすると、フッ素樹脂フィルムは
加工時や施工時に衝撃やしごきを受けても、塩ビフィル
ムにより緩和されて、傷が発生しにくい。また、フッ素
樹脂フィルムをETFEフィルムにすると、紫外線を吸
収しないので、耐候性が向上し、さらに、複合フィルム
の入射紫外線に対して、ETFEフィルムおよび接着剤
層の紫外線透過率がそれぞれ5%以下および1%以下に
すると、ETFEフィルムや接着剤層からの剥離を防止
できる。
は、フッ素樹脂フィルムの積層を、厚さ30μm以上の
フッ素樹脂フィルムと厚さ100μm以上の可塑化ポリ
塩化ビニル樹脂フィルムとを紫外線吸収剤およびヒンダ
−ドアミン系光安定剤配合接着剤層の介在により積層し
た複合フィルムを用いて、フッ素樹脂フィルムが表面側
になるようにラミネ−トすると、フッ素樹脂フィルムは
加工時や施工時に衝撃やしごきを受けても、塩ビフィル
ムにより緩和されて、傷が発生しにくい。また、フッ素
樹脂フィルムをETFEフィルムにすると、紫外線を吸
収しないので、耐候性が向上し、さらに、複合フィルム
の入射紫外線に対して、ETFEフィルムおよび接着剤
層の紫外線透過率がそれぞれ5%以下および1%以下に
すると、ETFEフィルムや接着剤層からの剥離を防止
できる。
フロントページの続き (72)発明者 輿石 謙二 千葉県市川市高谷新町7番地の1 日新製 鋼株式会社技術研究所塗装複合材料研究部 内
Claims (3)
- 【請求項1】 鋼板表面に接着剤層を介してまたはこ
の接着剤層の鋼板側に下塗り塗膜層を設けて、着色顔料
配合のフッ素樹脂フィルムを積層したラミネ−ト鋼板に
おいて、前記フッ素樹脂フィルムの積層が厚さ30μm
以上のフッ素樹脂フィルムと厚さ100μm以上の可塑
化ポリ塩化ビニル樹脂フィルムとを紫外線吸収剤および
ヒンダ−ドアミン系光安定剤配合接着剤層の介在により
積層した複合フィルムを用いて、フッ素樹脂フィルムが
表面側になるようにラミネ−トされたものであることを
特徴とする耐傷付き性、耐候性および耐食性に優れたラ
ミネ−ト鋼板。 - 【請求項2】 フッ素樹脂フィルムがエチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体フィルムであることを特徴
とする請求項1に記載の耐傷付き性、耐候性および耐食
性に優れたラミネ−ト鋼板。 - 【請求項3】 複合フィルムの入射紫外線に対して、エ
チレン−テトラフルオロエチレン共重合体フィルムおよ
び接着剤層の紫外線透過率がそれぞれ5%以下および1
%以下であることを特徴とする請求項1に記載の耐傷付
き性、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9322997A JPH10264305A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 耐傷付き性、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9322997A JPH10264305A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 耐傷付き性、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10264305A true JPH10264305A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=14076723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9322997A Withdrawn JPH10264305A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 耐傷付き性、耐候性および耐食性に優れたラミネ−ト鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10264305A (ja) |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP9322997A patent/JPH10264305A/ja not_active Withdrawn
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