JPH10264173A - 伝動ベルトの加硫装置 - Google Patents

伝動ベルトの加硫装置

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JPH10264173A
JPH10264173A JP7342197A JP7342197A JPH10264173A JP H10264173 A JPH10264173 A JP H10264173A JP 7342197 A JP7342197 A JP 7342197A JP 7342197 A JP7342197 A JP 7342197A JP H10264173 A JPH10264173 A JP H10264173A
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JP
Japan
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vulcanizing
external pressure
unit
internal pressure
discharge
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Application number
JP7342197A
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English (en)
Inventor
Masahiko Hozoji
昌彦 宝蔵寺
Michihiro Takenaka
実千博 竹中
Masatoshi Umemiya
正稔 梅宮
Noboru Yoshijima
登 吉嶋
Katsunori Tanaka
克典 田中
Masahide Naya
政秀 納谷
Naohisa Harushige
直久 春重
Shoichi Nagai
正一 長井
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円筒状金型3に外嵌された半加橋状態のスラ
ブ16を、加圧したまま状態で次工程に移動することが
できる伝動ベルトの加硫装置を提供する。 【解決手段】 加硫ステージが、外圧導入部5及び外圧
排出部4を有する外圧調整手段と、内圧導入部11及び
内圧排出部10を有する内圧調整手段とを備え、加硫ユ
ニット1が、内圧導入口7と内圧排出口6とを有する円
筒状金型3と、その外周面を覆い外圧導入口33及び外
圧排出口34を有するガスケット2とを備え、その外圧
導入口33に一端を連結され他端部を外圧導入アダプタ
20に連結された流体導入管23に、前記外圧導入口3
3への流れのみ許容する逆止弁24を備え、前記外圧排
出口34に一端を連結され他端部を外圧排出アダプタ2
1に連結された流体排出管25に、開閉手段26を備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】例えばゴム伝動ベルトの製造
工程には、所定の未加硫ゴムシート、コード等を円筒状
金型に巻き付ける工程(成形工程という、又、この成形
された円筒状ゴムシートをスラブという)、この円筒状
金型にガスケットを外嵌する工程(ガスケット装着工程
という)、その円筒状金型の内外部より加圧蒸気等によ
り加圧し加熱して加硫する工程(加硫工程という)、加
硫完了後ガスケットより円筒状金型を分離する工程(金
型分離工程という)、スラブを円筒状金型と共に冷却す
る工程(冷却工程という)、冷却済みのスラブを円筒状
金型より引き抜く工程(脱型工程という)を有する。な
お、脱型工程の後、スラブは輪切りされて伝動ベルトに
仕上げられる。本発明は、この加硫工程及び冷却工程で
使用される加硫装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の加硫装置としては、従来、加硫
缶方式又はガスケット方式と称される装置が用いられて
いる。例えば加硫缶方式は、図7に示すように、円筒状
金型70の外周面に、未加硫ゴムシート、コード、帆布
などからなるゴムベルト素材(スラブという)を巻き付
けて成形した後、そのスラブCの周囲に弾性スリーブ7
1を被装する。そして、金型70をホイスト(図示せ
ず)等に吊り上げて加硫缶72内に搬入し、蓋72aを
閉めた後、蒸気を加硫缶72内に蒸気入口73から加硫
缶72内に導入して排出口74から排出するとともに、
加硫缶72の底部の蒸気入口75から金型70内に蒸気
を導入して排出口76から排出し、スラブCを加圧し加
熱することにより加硫する。
【0003】ガスケット方式による加硫装置は、図8に
示すように、上記のスラブCを外周面に成形した円筒状
金型70を、円筒状のガスケットハウジング81内にホ
イスト(図示せず)等で吊り上げ挿入し、ガスケットハ
ウジング81の内周面に装着されたガスケットスリーブ
82との間に、入口83から外圧蒸気を導入して弾性ス
リーブ82を膨張させ、スラブCを加圧する。この状態
で円筒状金型70の上端開口70aから円筒状金型70
内に内圧蒸気を導入して下端開口70bから排出し、ス
ラブCを加熱することにより加硫している。
【0004】なお、加硫缶方式、ガスケット方式のいず
れに於いても、加硫完了後、スラブを外嵌した円筒状金
型70を室温まで冷却するために、水槽(図示せず)に
浸積することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような伝動ベルトの加硫装置では、従来の一定の位置に
おいて加硫を完了する工程においては問題を生じない
が、工程分割方式(円筒状金型に外嵌されたスラブを工
程に従って移動しながら加硫する方式)であって、加硫
を予熱工程、半加橋工程、後加橋工程等に分けて段階的
に加硫する方式においては、スラブが半加橋の状態で工
程間移動することがあり、移動するためには、外部から
の蒸気等により加圧(外圧という)していた装置と分離
する必要を生じる。分離するためには、外圧を減圧する
必要があり、スラブが半加橋の状態で減圧すると反応中
のガスが膨らんでゴム層にスポンジ状を生じ、後加橋に
おいて加硫を完成してもスポンジ部分が残り品質的に問
題が残ることがある。
【0006】加硫缶方式では、スラブを外嵌した円筒状
金型を移動させるためには、加硫缶を解放する必要があ
り、内外圧ともにゼロとする必要がある。従って、加硫
缶の位置において1ステップで加硫を完了する必要があ
る。同様に従来のガスケット方式においても、ガスケッ
トの内外圧共に排除した後に円筒状金型を引き上げる必
要があり、半加橋の状態で移動することは困難である。
また、蒸気配管等の関係で、ガスケットとともに移動す
ることも困難であるという問題がある。
【0007】なお、加硫缶方式、ガスケット方式のいず
れに於いても、架橋完了後、円筒状金型を冷却するため
水槽に浸積するとき、周辺に水、水蒸気が飛散して周辺
機器を濡らすことが多い。
【0008】この発明は、上述の点に鑑みなされたもの
で、金型外周面の外嵌された半加橋のスラブに加圧した
状態で次工程に移動できる伝動ベルトの加硫装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明の伝動ベルトの加硫装置は、a)加硫ユニッ
トと加硫ステージを有する伝動ベルトの加硫装置であっ
て、b)前記加硫ステージが、外圧導入部及び外圧排出部
を有する外圧調整手段と、内圧導入部及び内圧排出部を
有する内圧調整手段とを備え、c)前記加硫ユニットが、
内圧導入口と内圧排出口とを有する円筒状金型と、そ
の円筒状金型の外周面を覆い外圧導入口及び外圧排出口
を有するガスケットとを備え、d)その外圧導入口に一端
を連結され他端部を外圧導入アダプタに連結された流体
導入管に、前記外圧導入口への流れのみ許容する逆止弁
を備え、e)前記外圧排出口に一端を連結され他端部を外
圧排出アダプタに連結された流体排出管に、開閉手段を
備えている。
【0010】前記加硫ステージ(加硫工程に用いられる
装置の固定的部分をいう)の外圧導入部及び内圧導入部
は、それぞれ加圧流体供給源(加圧蒸気、加圧空気等の
供給源)に連結され、且つ、それぞれは後述の加硫ユニ
ット(加硫工程に用いられる装置の移動する部分をい
う)の外圧アダプタ及び内圧導入口に連結可能であっ
て、必要により加圧流体を供給し、スラブを加圧し、加
熱し、加硫する。外圧排出部及び内圧排出部は、それぞ
れ流体回収装置に連結され、後述の加硫ユニットの外圧
排出アダプタ及び内圧排出口に連結可能であって、使用
済みの加圧流体を流体回収装置に排出する。この様に加
硫ユニットは、加圧流体供給源及び流体回収装置と容易
に連結または連結を解放できるので、コンパクト化され
た加硫ユニットのみを工程間を移動することができる。
ここで内圧とは、円筒状金型の内部に導入する加圧流体
(加圧蒸気等)をいい、外圧とは、円筒状金型の外周面
のスラブを加圧するガスケットに導入する加圧流体(加
圧蒸気、加圧空気、加熱油等)をいう。
【0011】前記円筒状金型は、上部に内圧導入口を有
し、下部に内圧排出口を有する。別工程(成形工程)に
おいて未加硫ゴムシート、コード等を巻き付けてスラブ
を成形している。加硫作業時には前記の内圧導入口より
加圧蒸気を導入し、スラブを加熱し加硫する。加硫完了
後下部の内圧排出口より内圧排出部にその蒸気を排出し
て内圧をゼロとして、加硫ユニットを加硫ステージより
分離移動可能とする。
【0012】前記ガスケットは、前記円筒状金型の外周
面を覆う外筒とその内側に取り付けられた弾性スリーブ
との間に密閉空間を形成し、その外筒に設けられた外圧
導入口より加圧流体(加圧蒸気等)を導入してその内側
にある弾性スリーブを更に内側に膨張させ、その内側の
円筒状金型に外嵌されたスラブを加圧し加熱して加硫す
る。加硫を完成した後外圧排出口より外圧を排除して、
その内部のスラブを外嵌した円筒状金型を取り外し可能
とする。なお、外圧導入口及び外圧排出口は前記加硫ス
テージの外圧導入部及び外圧排出部に着脱される。前記
外圧導入口と外圧導入アダプタとの間に連結された流体
導入管に、上記ガスケット外圧導入口への流れのみを許
容する逆止弁を備えることにより、後述の外圧導入部よ
り圧入された加圧流体が逆流することを防止する。これ
によって加硫時間中に加圧流体源からの加圧流体の供給
が停止してもガスケット内の圧力をそのまま保持するこ
とができる。更に加硫完了後、前記外筒の外圧排出口と
外圧排出アダプタとの間に備えられた流体排出管に設け
られた開閉手段を開放し、その外筒と弾性スリーブ間の
加圧流体を排出して弾性スリーブの内径を拡張すること
により、スラブを外嵌した円筒状金型を加硫ユニットよ
り取り出し易くする。
【0013】請求項2に記載の加硫装置は、前記外圧導
入部として、導管開口部の外周にシール手段を有する導
入圧接部と、その導入圧接部を前記導入アダプタに圧接
し又離間可能とする圧接部移動手段とを有する。外圧導
入部は、通常加硫ステージの支持台に支持され、加圧流
体供給源に連結された流体供給管の先端部を前記外圧導
入アダプタに連結し、また離間する機能を有する。連結
することにより、加圧流体をガスケットに導入する。導
入圧接部は導管開口部の外周にシール手段を有するので
導入圧設部を前記外圧導入アダプタに圧接したとき、加
圧流体が漏れることがない。圧接部移動手段は、導入圧
接部を外圧導入アダプタに圧接し離間可能とする。外圧
導入アダプタは通常前記加硫ユニットの下部側端部に開
口部を外側に向けて固定され、加硫ユニットを加硫ステ
ージにセットしたとき、導入圧接部をこの導入アダプタ
に押しつけることにより両者を連結する。また、加硫ユ
ニットを移動するときは、これを離間する。なお、これ
らを離間するとき前述の逆止弁によりガスケットに圧入
された流体の圧力は、後述の開閉手段を解放するまでそ
のまま保持される。
【0014】請求項3に記載の加硫装置は、前記外圧排
出部として、排管開口部の外周に接し又離間可能とする
圧接部移動手段とを有する。外圧排出部は、通常前記加
硫ステージの支持台に支持され、流体回収装置に連結さ
れた流体排出管の先端部を前記排出アダプタに接合し、
また離間する機能を有する。これによって、加硫完成
後、不要となった加圧流体を、装置外に排出する。排出
圧接部は、排管開口部の外周にシール手段を有するの
で、その排出圧接部を前記排出アダプタに圧接したと
き、流体(蒸気等)が漏れることがない。圧接部移動手
段は、排出圧接部を排出アダプタに圧接し離間可能とす
る。外圧排出アダプタは通常加硫ユニットの下部側端部
に開口部を外側に向けて固定されているので、加硫ユニ
ットを移動させてその外圧排出アダプタを外圧排出部に
近接したとき、排出圧接部を外圧排出アダプタに押しつ
けることにより両者を連結する。また、加硫ユニットを
移動するときは、これを離間する。
【0015】請求項4に記載の加硫装置は、前記加硫ユ
ニットの下部にユニットベースを形成し、そのユニット
ベースの下方に、昇降可能な搬送コンベヤを有する。加
硫ユニットの下部にユニットベースを形成することによ
り、前記円筒状金型及びガスケットを支持し、また、外
圧導入アダプタ、外圧排出アダプタを取り付け、これら
を一体として搬送する支持板として機能する。このユニ
ットベースの下方に昇降可能に設けられた搬送コンベヤ
は、上昇して加硫ユニットを支持して、工程間(ステー
ジ間)を搬送し、下降したとき搬送した加硫ユニットを
所定のステージの支持台に載置する。一つの作業が完了
すると、この搬送コンベヤを再び上昇して加硫ユニット
を支持し次ステージに搬送する。
【0016】請求項5に記載の加硫装置は、加硫ステー
ジの後に続く前記冷却ステージが、円筒状金型を立設し
た金型ベースを搬送する搬送コンベヤと、その円筒状金
型の内圧排出口の下方に昇降可能に設けられた冷却水排
出ノズル、その冷却水排出ノズルに連結された排水処理
装置と、前記円筒状金型の上方に昇降可能に取り付けら
れた冷却水注入ノズルとを備えている。
【0017】前記加硫を完了したスラブを外嵌した円筒
状金型は、金型分離工程においてガスケットと分離さ
れ、冷却ステージに移されて常温に冷却されて脱型工程
に移送される。金型分離工程は、詳細は省略するが、加
硫を完了したスラブを外嵌した円筒状金型を加硫ユニッ
トのガスケットより分離する工程であり、ガスケットの
外圧を排除した後、円筒状金型を吊り上げて隣接する冷
却ステージに移動する。ガスケットは別のラインコンベ
ヤにより段替え工程(ガスケット貯留所)に移動され
る。
【0018】冷却ステージは、加硫を完了したスラブを
円筒状金型より分離するために、スラブを室温まで冷却
する工程に使用される。スラブは加硫後であっても、高
温(加硫時の温度)においては物性が弱く、金型と分離
するために必要な力を掛けたとき、スラブが破れること
がある。これを防止するために脱型工程の前にスラブを
室温まで冷却する必要があり、円筒状金型内部に冷却水
を注入して冷却する。このとき円筒状金型の内圧導入口
または内圧排出口より水滴、水蒸気が飛散し、周辺機器
を濡らすことがある。本発明の冷却ステージは、冷却水
注入ノズル及び冷却水排出ノズルをそれぞれ内圧導入口
及び内圧排出口に押しつけシールすることにより、水蒸
気の漏れのない冷却ステージを構成する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る伝動ベルトの
加硫装置について、実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図1はこの本実施例にかかる装置全体を示す正面図
を示し、一部断面で表している。図2(a)は図1の装置
の加硫ユニット1の拡大断面図を示し、図2(b)はその
排出アダプタ21の部分拡大図(平面図)を示す。図3
(a)は図1に示す外圧導入部5を拡大した断面図(側面
図)であり、図3(b)はその平面図を表す。図4は冷却
ステージの正面図を示し、図5は、その側面図を示す。
「金型ベースに立設されたスラブを外嵌する円筒状金型
は、図示しないほぼ井字型に組み込まれたベース移動用
レールの上を、ガスケット装着工程、加硫工程、金型分
離工程等を経て巡回される。加硫済みのスラブは抜き取
られ、輪切りされて伝動ベルトとなる。前記金型ベース
96は、図6にその断面を表すように、搬送コンベヤ8
6に支持され上部に金型立設部99(開口部)を有し、
それに円筒状金型3の内圧排出口6を嵌合して円筒状金
型3を立設する。加硫工程においては、金型ベース96
に立設された円筒状金型3は図示しない積替え装置によ
りユニットベース22に積み替えられる。
【0020】本実施例における伝動ベルトの加硫装置
は、図1に示すように加硫ユニット1と、外圧調整手段
としての外圧排出部4及び外圧導入部5と、内圧調整手
段としての内圧導入部11及び内圧排出部10と、加硫
ユニット1を搬送するユニット移動手段15とを備え
る。
【0021】加硫ユニット1は、図2(a)にその一部断
面図を示すように、後述のユニット移動手段15により
搬送されるユニットベース22と、そのユニットベース
22に鉛直に立設された円筒状のガスケット2と、その
ガスケット2の内側面に着脱可能に挿入され、上部に内
圧導入口7を有し下部に内圧排出口6を有する円筒状金
型3とを備える。また、ガスケット2の下部外側であっ
てユニットベース22の上面に、後述の外圧導入部5及
び外圧排出部4にそれぞれ連接可能な導入アダプタ20
及び排出アダプタ21とを取り付けている。なお、ガス
ケット2は、円筒状であって、外圧導入口33及び外圧
排出口34を有する外筒17と、その外筒17の内側に
密閉空間19を形成して取り付けられた弾性スリーブ1
8(円筒状の弾性シートよりなる)とを有する。円筒状
金型3は、その外周面にスラブ16を外嵌している。ス
ラブ16は、詳細は省略するが、円筒状ゴムシートであ
って抗張体及びゴムシートが積層され、本発明の加硫装
置により加硫された後、輪切りされて、伝動ベルトとな
る。
【0022】導入アダプタ20は、後述の外圧導入部5
(図1参照)に当接可能にユニットベース22に取り付
けられ、逆止弁24を有し一端を外筒17の外圧導入口
33を通して密閉空間19に通じる流体導入管23を連
結している。外圧導入部5より導入された加圧流体は、
密閉空間19に導入されてスラブ16を加圧する。導入
された加圧流体は、逆止弁24により逆流せず、外圧導
入部5との連結を外しても密閉空間19の圧力はそのま
ま保持できる。
【0023】排出アダプタ21は、図2(b)にその平面
図を示すように、外筒17の下部外側にあって後述の外
圧排出部4(図1参照)に当接可能にユニットベース2
2に取り付けられ、開閉手段26を有して一端部を外筒
17の外圧排出口34に通じている流体排出管25を連
結している。加硫作業が終了した後、開閉手段26を解
放してスラブ16を加圧していた加圧流体を装置外に排
出して、弾性スリーブ18の内径を拡大して円筒状金型
3をガスケット2より分離可能とする。
【0024】図1に示すように、外圧導入部5及び外圧
排出部4は、支持台8の上部にあって、加硫ユニット1
を載置したとき、前者は導入アダプタ20に、後者は排
出アダプタ21に近接する位置に取り付けられている。
外圧導入部5は図3(a)に一部拡大側面図(一部断面)
を示すように、支持台8の上部に取り付けられた支持板
44に、ロッド45が水平に伸縮可能となるように油圧
シリンダ28を取り付け、そのロッド45の先端部に、
流体供給管31を連結した導入圧接部27を取り付けて
いる。その導入圧接部27には、流体供給管31に連続
する導管46が設けられ、その導管開口部47を導入ア
ダプタ20に向けて解放している。その導管開口部47
の周囲にはリング状のパッキン(シール手段)32を備
える。これによって導入圧接部27と導入アダプタ20
とを連結したとき、それらの間の加圧流体の漏れを防止
する。なお、流体供給管31の他の端部には図示しない
加圧流体源(加圧蒸気源、加圧空気源等)に連結されて
いる。さらに、支持台8には位置決めベアリング30を
備え、ユニットベース22に支持された導入アダプタ2
0を、導入圧接部27の先端部に近接するように位置決
めする。
【0025】加硫工程における加圧流体導入作業は、先
ず、ユニット移動手段15により加硫ユニット1を、そ
のユニットベース22が位置決めベアリング30に当接
するように載置する。油圧シリンダ28を矢印xの方向
に作動させて、導入圧接部27の先端部を、導入アダプ
タ20に強く押しつけた状態で加圧流体を送り込む。導
入アダプタ20には,それに続く逆止弁24を有する流
体導入管23が連結され(図2参照(a))、導入圧接部
27を後退させた後でも流れ込んだ加圧流体は逆流しな
い。なお、導管46の端部に残る流体の流出を回収する
ために、想像線で示す受け皿29を備える。
【0026】外圧排出部4も図3(a)に示す外圧導入部
5と同様な構造を有し、流体供給管31が流体排出管に
替わり、逆止弁を有する流体流入管23が、開閉手段2
6を有する流体排出管25に置き換えられる(図2(b)
参照)。なお、開閉手段26は、加硫中は閉鎖しガスケ
ット内の圧力を保持し、加硫作業終了時に解放してガス
ケット内の加圧流体を装置外に排出する。
【0027】図1に示すように、スラブ16(図2(a)
参照)を外嵌している円筒状金型3を、内部より加熱す
るために、円筒状金型3は上部に内圧導入口7を、下部
に内圧排出口6を備えて、内部に加圧蒸気などを導入
し、スラブ16を加硫した後その蒸気等を排出できる。
内圧導入部11は、内圧導入口7の上方に、ノズル支持
フレーム13に取り付けられた昇降手段43により昇降
可能に支持され、加硫作業時には下降して内圧導入口7
に当接され、内圧導入管42より加圧蒸気等を導入し
て、円筒状金型3を加熱する。図1では内圧導入部11
は上昇、離間して、加硫作業開始前の状態を表す。内圧
排出部10は、内圧排出口6の下方にあって、基台14
に、昇降手段50を介して昇降可能に取り付けられ、加
硫作業時には上昇させてこれらを当接し連結する。内圧
排出部10は、図示しない開閉手段を備え、加硫作業中
は閉鎖した状態とし内圧を保持し、加硫終了時に解放し
て、内圧を排出した後下降する(図1の状態)。なお、
排出手段(配管パイプ等)は図示しない。
【0028】図1に示すように加硫ユニット1の下方に
は、搬送モータ40により搬送プーリ41を介して駆動
される搬送コンベヤ9を有するユニット移動手段15を
備えている。このユニット移動手段15は昇降手段(ア
クチュエータ等)49により昇降可能であって、上昇し
たとき加硫ユニット1を押し上げて支持台8より浮き上
がらせ、工程間(ステージ間)を移動させ、下降したと
き加硫ユニット1を支持台8の所定の位置に載置する。
図1は、加硫ユニット1を支持台8に載置した状態を表
す。
【0029】請求項5に記載の伝動ベルトの加硫装置の
冷却ステージは、図4にその正面図を示し、図5にその
側面図を示すように、上部に冷却水注入ノズル81を、
下部に冷却水排出ノズル88、排水処理装置95及び搬
送コンベヤ86を備えている。想像線で示す金型ベース
80に立設されスラブ16を外嵌した円筒状金型3は、
搬送コンベヤ86に載置されている(金型ベース80
は、前述図6(b)を参照)。冷却水注入ノズル81は、
円筒状金型3を冷却するために、その内部に冷却水を注
入してする機能を有する。冷却水ノズル81は、冷却水
フレーム85に支持された昇降手段(エアシリンダ等)
84に昇降可能に支持され、冷却すべき円筒状金型3が
冷却ステージに装着されたとき下降し、その内圧導入口
7に挿入される。その冷却水注入ノズル81に取り付け
られたフランジ82にはシール83が取り付けられてお
り、フランジ82を内圧導入口7の縁部に押しつけるこ
とにより、冷却水を注入する際発生する蒸気(金型が高
温である)が漏れるのを防止する。
【0030】冷却水排出ノズル88は、冷却水注入ノズ
ル81の下方にあって、基板に支持された昇降手段(エ
アシリンダ等)90により昇降可能に支持されている。
冷却水排出ノズル88は、冷却すべき円筒状金型3が冷
却ステージに装着されたとき上昇し、その上部の開口部
(周辺にシール89を有する)を円筒状金型3の内圧排
出口6の下端部に当接する。冷却水排出ノズル88には
フレキシブルな排出管91が連結され、その他端は排水
タンク93に連結されている。排水タンク93にはフィ
ルタ92が設けられ異物を除去し、底部に貯留された冷
却水を排水ポンプ94により装置外に排出する。冷却水
排出ノズル88と内圧排出口6はシール89により密閉
状態になり、排水処理装置95も密閉状態であるので、
円筒状金型3を冷却する際に冷却水が水滴、水蒸気とな
って装置外に漏れることがない。
【0031】なお、図5は、冷却ステージの側面図であ
って、円筒状金型3を冷却ステージより搬出する状態を
表す。冷却すべき円筒状金型3は金型ベース80に立接
され、プーリ87に駆動される搬送コンベヤ86に載置
されて冷却される。冷却完了後、冷却水注入ノズル81
を上昇させ、冷却水排出ノズル88を下降させて、円筒
状金型3を冷却ステージより解放する(図5の状態)。
解放した後、搬送コンベヤ86を駆動させて円筒状金型
3を矢印Yの方向に移動して次の搬送コンベヤ86’に
移される。円筒状金型3’は、つづけて図示しない脱型
ステージに移動されスラブ16’を円筒状金型3’より
分離する。分離されたスラブ16’はその後輪切りされ
て、伝動ベルトを完成する。
【0032】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の伝動ベルトの加硫装置には、次のような優れた
効果がある。
【0033】いわゆる工程分割方式においては、スラブ
が半加橋の状態であっても工程間移動することがあり、
移動のために加圧流体源と加硫ユニットとを分離する必
要がある。半加橋状態で外圧を減圧すると、反応中のガ
スが膨らんでゴム層がスポンジ状になり、良品が得られ
ない問題があった。本発明の伝動ベルトの加硫装置は、
流体導入管に逆止弁を取り付け、流体排出管に開閉手段
を取り付ける等により外圧を保持したまま加圧流体源
(加硫ステージの外圧導入部5、外圧排出部4等)と分
離できるので、サイクルタイムに従って加硫を中断して
加硫ステージ間を移動させることができる。
【0034】請求項2に記載の加硫装置においては、外
圧導入部の導入圧接部を、加硫ユニットの導入アダプタ
に一つの操作で圧接・離間できるので前記加硫ユニット
を加圧流体源との連結、分離が容易になる。
【0035】請求項3に記載の加硫装置においては、外
圧排出部の排出圧接部を、加硫ユニットの排出アダプタ
に一つの操作で圧接・離間できるので前記加硫ユニット
をガスケットに圧入された加圧流体を、容易に流体回収
装置に回収できる。
【0036】請求項4に記載の加硫装置によれば、加硫
ユニットはユニット移動手段により搬送されるので、工
程間の移動が極めて容易になる。
【0037】請求項5に記載の加硫装置は、冷却ステー
ジにおいて円筒状金型を冷却するにあたり、冷却水の注
入、排出を密閉状態で行われるので、周辺に水滴、水蒸
気を飛散させることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる加硫装置全体の正面図
を示し、一部断面で表す。
【図2】図2(a)は図1の装置の加硫ユニット1の拡大
断面図を示し、図2(b)はその排出アダプタ21の部分
拡大図(平面図)で表す。
【図3】図3(a)は図1の装置の外圧導入手段の部分を
拡大した断面図を示し、図3(b)はその平面図を表す。
【図4】本発明の実施例にかかる加硫装置の冷却ステー
ジの正面図を示す。
【図5】図4の冷却ステージの側面図を示す。
【図6】円筒状金型を立設してステージ間を巡回する金
型ベースの断面図を表す。
【図7】従来の加硫缶方式を説明する概念図を示す。
【図8】従来のガスケット方式を説明する概念図を示
す。
【符号の説明】
1:加硫ユニット 2:ガスケット 3:円筒状金型 4:外圧排出部 5:外圧導入部 6:内圧排出口 7:内圧導入口 8:支持台 10:内圧排出部 11:内圧導入部 15:ユニット移動手段 20:導入アダプタ 21:排出アダプタ 22:ユニットベース 27:導入圧接部( 30:位置決めベアリング 81:冷却水注入ノズル 88:冷却水排出ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 29:00 (72)発明者 吉嶋 登 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 田中 克典 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 納谷 政秀 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 春重 直久 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内 (72)発明者 長井 正一 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫ユニットと加硫ステージを有する伝
    動ベルトの加硫装置であって、 前記加硫ステージが、外圧導入部及び外圧排出部を有す
    る外圧調整手段と、内圧導入部及び内圧排出部を有する
    内圧調整手段とを備え、 前記加硫ユニットが、内圧導入口と内圧排出口とを有す
    る円筒状金型と、その円筒状金型の外周面を覆い外圧導
    入口及び外圧排出口を有するガスケットとを備え、 その外圧導入口に一端を連結され他端部を外圧導入アダ
    プタに連結された流体導入管に、前記外圧導入口への流
    れのみ許容する逆止弁を備え、 前記外圧排出口に一端を連結され他端部を外圧排出アダ
    プタに連結された流体排出管に、開閉手段を備えている
    ことを特徴とする伝動ベルトの加硫装置。
  2. 【請求項2】 前記外圧導入部が、導管開口部の外周に
    シール手段を有する導入圧接部と、その導入圧接部を前
    記導入アダプタに圧接し又離間可能とする圧接部移動手
    段とを有する請求項1に記載の伝動ベルトの加硫装置。
  3. 【請求項3】 前記外圧排出部が、排管開口部の外周に
    シール手段を有する排出圧接部と、その排出圧接部を前
    記排出アダプタに圧接し又離間可能とする圧接部移動手
    段とを有する請求項1または2に記載の伝動ベルトの加
    硫装置。
  4. 【請求項4】 前記加硫ユニットの下部にユニットベー
    スを形成し、そのユニットベースの下方に、昇降可能な
    搬送コンベヤを有する請求項1〜3のいずれかに記載の
    伝動ベルトの加硫装置。
  5. 【請求項5】 さらに、加硫ステージの後に設けられた
    冷却ステージが、円筒状金型を立設した金型ベースを搬
    送する搬送コンベヤと、その円筒状金型の内圧排出口の
    下方に昇降可能に設けられた冷却水排出ノズル、その冷
    却水排出ノズルに連結された排水処理装置と、前記円筒
    状金型の上方に昇降可能に取り付けられた冷却水注入ノ
    ズルとを備えた請求項1〜4のいずれかに記載の伝動ベ
    ルトの加硫装置。
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