JP3722865B2 - タイヤ加硫金型組立体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等に装着する空気タイヤの加硫設備に適用するタイヤ加硫金型組立体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のタイヤ加硫プレスでは、タイヤ金型を閉じた状態でタイヤ内方に加熱加圧媒体を導入して行う加硫の反応時間と、未加硫タイヤの搬入、整形(Shaping)、及び加硫済タイヤの取出しを行うための時間とを比べると、後者の方が非常に短かく、そのため、タイヤ搬出入等のために金型を開閉する金型開閉装置やタイヤ搬出入装置の稼働率が悪い。
【0003】
この稼働率を改善するために、複数の金型を跨いで金型開閉装置を走行させる等の改善策が既に提案されているが、加熱加圧媒体の圧力により生じる金型を開かせようとする力に抗して金型を開かないようにしておく対策の方が高価につきまた、金型開閉装置走行方式のものでは、加硫タイヤ仕様変更に伴なう金型交換作業時等に待時間を生じるとともに、危険が伴なうという問題があって、実用化されていない。
【0004】
本件出願人は、この問題点を改善するために、タイヤ加硫時、タイヤ内方に導入される高温高圧の加熱加圧媒体(蒸気、蒸気+イナートガス、または温水)の圧力により、タイヤ金型を開かせようとする力を金型内部で相殺して、加硫中、タイヤ金型を開かないように金型外から締付けておくことを必要としないタイヤ加硫用割金型装置とこれを適用する加硫設備とを既に提案した(特願平6−122661号明細書参照)。
【0005】
この加硫設備を図8〜図9により説明すると、加硫ステーション1(1a及び1b)は、複数のタイヤ加硫用金型M(Ma、Mb、Mc、・・・・)を載架する複数の金型台5(5a、5b、5c、・・・)からなり、各金型台5には、図示を省略した金型移動手段(例えばシリンダ駆動のプッシャ)、必要に応じて加熱加圧媒体補充手段並びに配管等が設けられている。
【0006】
金型開閉ステーション2(2a及び2b)は、公知のタイヤ加硫機に類似(差異は後記)の金型開閉装置6(6aと6b)と、タイヤ金型から加硫済タイヤを搬出する公知のアンローダ7(7aと7b)と、タイヤ加硫用金型に未加硫タイヤを搬入する公知のローダ8(8aと8b)とからなり、必要に応じて加硫済タイヤ搬送用コンベヤ9(9aと9b)、未加硫タイヤ用ラック10(10aと10b)等が設けられる。
【0007】
金型運搬台車は、床面に固定されたレール4と、同レール4により案内されて駆動装置(図示せず)により走行する台車3(3a、3b)とからなり、金型交換ステーションは、被加硫タイヤの仕様変更に伴なうタイヤ加硫用金型内のトレッド型、サイドウォール型等の交換や消耗品であるブラダの交換等を行う金型交換テーブル11と、これらの交換作業に必要な金型開閉手段とを具えている。
【0008】
次に図10〜図12によりタイヤ加硫機用割金型装置を説明すると、図10は、未加硫タイヤTが搬入されて、タイヤ加硫用金型が閉じて、ブラダBを介してタイヤTの内方に加熱加圧媒体が導入されて、加硫が開始された状態を示している。
101がタイヤ加硫用金型Mの基板で、同基板101は、金型開閉装置6aのフレーム6e上に水平方向への滑動を可能に載架されており、公知のロック装置(図示せず)によりフレーム6eに固定されている。
【0009】
103が硬質断熱材102を介して基板101に固定した下円板(本例では、加熱加圧媒体通路を設けて、熱板に兼用しているが、下円板103から独立した従来公知の熱板を下円板103の下側に取付けてもよい)、105が下円板103に固定した下サイドウォール型、106が下サイドウォール型105の円周円筒面を係合する外周面を持った下ビードリングで、円筒体120の中央外周部に形成したフランジ120aにクランパ108により着脱自在に組付けられており、下ビードリング106にボルト締めしたブラダ押え107と下ビードリング106との間にブラダBの下端部が挟持されている。
【0010】
前記円筒体120は、図示のように基板102に固定してもよいし、下円板103あるいは下円板下側の独立熱板に固定してもよい。
109が周方向に複数に分割されたトレッド型で、閉時には、外周面が実用上の円錐面を形成し、下円板103の外周部に形成したフランジ103b上に固定した受圧板104上を滑動自在なセグメント110の内周面にトレッド型109がボルト締めされている。
【0011】
111がセグメント110の外周面に係合する円錐面を内周部に形成したアウターリングで、同アウターリング111には、セグメント110の円錐外周面に上下方向に形成したT溝110aに係合して滑動可能なT棒111aがアウターリング111の内周円錐面に固定されている。
また上円板114の外周部に半径方向に伸びる複数のアーム114aに半径方向への滑動自在に組付けられたスライドガイド115がセグメント110の上面に固定されており、上円板114とアウターリング111とが軸芯方向に相対的に昇降すると、トレッド型109がセグメント110を介して半径方向に移動して、拡縮されるとともに、トレッド型109の閉時には、セグメント110の上端部及び下端部に形成した爪110b、110cが上円板114及び下円板103の外周部に形成した爪114b、103aに係合し、トレッド型109の開時には、上記爪110bと上記爪114b、110cと上記爪103aとの係合が解除される。
【0012】
113が上円板114(本例では、加熱加圧媒体通路を設けて、熱板に兼用しているが、上円板114から独立した公知の熱板を上円板114の上側に取付けてもよい)に固定した上サイドウォール型、116が上サイドウォール型113にボルト締めした上ビードリングである。
121が上記円筒体120に昇降(滑動)可能に嵌挿したセンターポスト、122がセンターポスト121の下端部に一体的に取付けて外周面が円筒体120の内周面を滑動するブッシュ、123が円筒体120の上端部に挿入して内周面がセンターポスト121を滑動するパッキン、124がパッキン123の抜け止めであり、センターポスト121の下端部に形成した凹部121aには、センターポスト昇降シリンダ(図示せず)のロッドの先端に組付けた自動連結手段が挿入され、センターポスト121の上端部には、キャップ125がピン126により固定されている。
【0013】
118がキャップ125にボルト締めしたフランジ、117がフランジ118にボルト締めしたブラダ押えで、フランジ118の外周部とブラダ押え117との間にブラダBの上端部が挟持されており、上記センターポスト昇降シリンダの作動によりブラダBの両端部が接近、離間する。
なお上記円筒体120には、ブラダBを介してタイヤTの内方に加熱加圧媒体を導入する複数のノズル127aを有するノズルリング127が固定され、ノズル127aに連通する加熱加圧媒体通路120c、加熱加圧媒体排出通路120dが形成されており、これらの通路120c、120dと金型装置外管路とを接続する逆止弁付クイックカプラ128、129がこれらの通路120c、120dの出口部に取付けられている。
【0014】
130がカバープレートで、同カバープレート130は、その外周部がスペーサリング112及び硬質断熱材131を介してアウターリング111にボルト締めされている。132が上円板114に固定したスペーサ、119a、119b、119cが軟質の保温材である。
上円板114とカバープレート130とのロック手段は、上円板114にボルト締めした内リング138と、カバープレート130の内周部にブッシュ133を介して回転可能に組付けた外リング134と、外リング134の内周と内リング138の外周とに形成され且つ外リング134の回転角度如何により係合または軸芯方向に通過可能な複数対の爪134a、138aと、後記揺動回転装置とにより構成されている。
【0015】
なお136は外リング134に固定した抜け止めである。
図11、図12の140が金型開閉装置6aの支柱部に昇降(滑動)可能に組付けたアーム6cに固定したボルスタープレートで、昇降シリンダ6dの作動により昇降する。
141がボルスタープレート140とカバープレート130とを着脱する公知の着脱装置、135がボルスタープレート140に固定したプッシャ、142が一端をボルスタープレート140に固定した複数のロッド、143がロッド142の他端にボルト締めした金型開閉シリンダ、144が金型開閉シリンダ143のロッド143aの先端に固定した延長ロッド、146が延長ロッド144に回転(滑動)可能に組付けたスリーブ、145がスリーブ146の上端内方にねじ込んだブッシュである。
【0016】
上記金型開閉シリンダ143と上記上円板114とを連結する連結手段は、延長ロッド144と、ブッシュ145と、スリーブ146と、内リング138に一体的に取付けた連結ロッド139と、連結ロッド139の外周上部とスリーブ146の内周下部とに形成してスリーブ146の回転角度如何により係合または軸芯方向に通過可能な複数対の爪139a、146bとにより構成されている。
【0017】
148がレバーで、同レバー148は、先端がフォーク状に形成され、ピン149を介してボルスタープレート140に回転可能に組付けられ、同レバー148の他端とボルスタープレート140との間には、シリンダ150が組付けられており、同シリンダ150の作動によりレバー148がピン149を中心に揺動する。
【0018】
147がスリーブ146から外方に伸びるアーム146cに固定したロッドで、同ロッド147は、スリーブ146と平行である。そして同ロッド147が上記レバー148の先端フォーク部に形成したU字溝に挿入され、スリーブ146の外周に軸芯と平行に形成したキー溝146aにアーム137の先端が挿入され、同アーム137が外リング134に固定されており、シリンダ150が作動して、レバー148が揺動することにより、スリーブ146が回転するとともに、スリーブ146とアーム137とを介して外リング134も回転する。
【0019】
この回転により、爪134a、138aの組が係合状態にあるときは、爪139a、146bの組が通過可能(解除状態)になり、爪134a、138aの組が通過可能(解除状態)にあるときは、爪139a、146bの組が係合状態になるようになっている。
また、前記プッシャ135はボルスタープレート140の着脱装置141とカバープレート130とが当接している状態では、前記プッシャ135がカバープレート130の内周部分を下方に押し下げて、弾性変形させ、前記上円板114に固定されたスペーサ132に当たって、変形量を規制するようになっている。
【0020】
そして外リング134が回転されるときには、外リング134の内周部の爪134aと内リング138の外周爪138aの高さ方向に隙間を有して容易に回転できる一方、回転させて、前記爪134aと爪138aとが係合状態になるようにして後、前記ボルスタープレート140を上昇させて、爪134aと爪138aとが当接したときには、前記カバープレート130の下方変位量の大半が残され、同カバープレート130がバネ体として作用して、アウターリング111、セグメント110、上円板114の相対移動を内部相殺するようになっている。
【0021】
即ち、タイヤ内部の内圧力がトレッド金型109、セグメント110の半径方向に力を発生し、この力がアウターリング111の傾斜面で上向きの力に変換され、アウターリング111がセグメント110に対して上方向へ移動しようとする動きを前記カバープレート130の下向きの弾性変形力が阻止するようになっている。
【0022】
前記図8〜図12に示したタイヤ加硫設備及びタイヤ加硫機用割金型装置の作用は、次の通りである。
図10及び図12は、加硫ステーション1aの金型台5aにあったタイヤ加硫用金型Ma内でタイヤの加硫が終了し、金型運搬台車3aにより、タイヤ加硫用金型Maが金型開閉ステーション2aの金型開閉装置6a内に搬入し終わった状態を示している。
【0023】
このとき、爪134a、138aの組は、係合状態にあり、爪139a、146bの組は、通過可能の状態にある。
この状態から、先ずシリンダ6dを作動させて、アーム6cを下降させ、着脱装置141により、カバープレート130とボルスタープレート140とを連結するとともに(図11参照)、プッシャ135がカバープレート130を下方に変形させ、爪134aと爪138aとの係合面間に隙間を作る。また加熱加圧媒体通路120c、120dをクイックカプラ128、129を介して金型外配管(図示せず)に接続する。
【0024】
次いで切換弁(図示せず)を作動させて、タイヤT内の加熱加圧媒体を排出し、タイヤT内の圧力が充分に降下したことを確認したら、シリンダ150を作動させ、爪139a、146bの組を係合させて、上円板114とシリンダ143のロッド143とを連結するとともに、爪134a、138aの組を通過可能の状態にして、ロックを解除する。
【0025】
次いで公知のようにシリンダ143を上円板114の押下げ方向に作動させるとともに、シリンダ6dをボルスタープレート140の上昇方向に作動させる。そうすると、トレッド型109がタイヤTから引き剥がされて、拡径するとともに、爪110bと爪114b、爪103aと爪110cとの係合が解除され、さらにボルスタープレート140が上昇して、シリンダ143がストロークエンドに達すると、爪139a、146bが係合しているので、上円板114が引き上げられて、タイヤ加硫用金型が開く。
【0026】
次いで加硫済タイヤTをタイヤ加硫用金型外へ搬出して、次に加硫されるべきタイヤを搬入し、次いでシリンダ6dを逆方向に作動させて、タイヤ加硫用金型を閉じる。そうすると、先ず上円板114に吊架されたセグメント110が受圧板104に当接し、それからはシリンダ143が押し戻されながら、ボルスタープレート140を介してアウターシリンダ110が下降して、トレッド型109が縮径して、タイヤ加硫用金型が閉じ、さらにプッシャ135がカバープレート130を下方に撓ませる。
【0027】
この間、タイヤTの内方には、整形用圧力気体が導入され、トレッド型109の縮径の最終段階では、爪110bと爪114b、爪103aと爪110cとが係合する。
かくしてタイヤ加硫用金型が閉じ終わり、シリンダ143の作動を停止させるとともに、シリンダ150を逆方向に作動させ、爪134a、138aの組みを係合状態にして、カバープレート130と上円板114とをロックするとともに、爪139a、146bの組を通過可能の状態にし、ボルスタープレート140が上昇し、前記爪134aと爪138aとが係合当接する。次いでタイヤの内方に加熱加圧媒体を導入して、加硫工程に入る。
【0028】
このとき、加熱加圧媒体の圧力によるサイドウォール型105、113を離間させようとする力が、上円板114、爪114b、110b、セグメント110、爪110c、103a、下円板103を介して金型装置内で相殺される。
またトレッド型109を拡径させようとする半径方向の力が、セグメント110を介してアウターリング111内で相殺されるとともに、セグメント110とアウターリング111との間に介在する滑動傾斜面により生じる上記半径方向力の垂直分力、即ち、アウターリング111を浮き上がらせようとする力が、スペーサリング112、硬質断熱材131、カバープレート130及びカバープレート130の弾性復帰力、外リング134、爪134a、138a、内リング138、上円板114、爪114b、110bを介して金型装置内で相殺される。
【0029】
従ってもはやボルスタープレート140を介して金型装置を外力で押さえておく必要がなく、着脱装置141を解放し、シリンダ6dを作動させて、アーム6cを上昇させてから、前記と逆の手順で金型装置を加硫ステーションの所定位置に移動させて、加硫を続行する。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
(1)前記タイヤ加硫設備は、割金型装置(通称セクショナルモールドコンテナー或いはセグメンタルモールドコンテナー)の使用を前提としている。また本件出願人が既に提案した図10に例示するセルクロック形式の割金型装置の使用を前提としている。
【0031】
前記タイヤ加硫設備そのものは、省スペース、製造コストの低減、工場の自動化等に顕著な効果を有する。そして従来のタイヤ加硫金型(セクショナルモールドコンテナーに組み付けて使用するタイヤ加硫金型)をそのまま使用できるものの、割金型装置を新に準備する必要があり、より経済的な加硫設備という観点からは不都合がある。本件出願人は、前記の問題点に鑑み、特願平06−281630号明細書に記載したように新な割金型装置を準備しなくても従来のタイヤ加硫金型を使用できるタイヤ加硫金型組立体を提案した。
【0032】
しかしこのタイヤ加硫金型組立体も、複数の加硫ステーションのそれぞれに、或いは移動するタイヤ加硫金型組立体のそれぞれに、高価な高出力の油圧シリンダ及び制御機器を必要としている。
(2)また加硫するタイヤサイズが大きく変化すると、使用する割金型装置自体に背丈の高いものが必要になるが、前記特願平06−281630号明細書に記載のタイヤ加硫金型組立体では、割金型装置の高さが大きく変化する場合の対応が考慮されていない。
(3)またタイヤを加硫する際の金型外部加熱方式には、プラテン方式とドーム式とがあるが、前記特願平06−281630号明細書に記載のタイヤ加硫金型組立体は、ドーム式にする場合の対応が考慮されていない。
(4)またタイヤ加硫後のハミ出しゴムの仕上工程の簡略化及び外観品質向上等の理由から、タイヤ金型にガス抜孔のない所謂ベントレスモールドが使用されることがある。この場合、タイヤ金型と生タイヤの外表面との間を一時的に負圧状態とする方法が実施されているが、前記特願平06−281630号明細書に記載のタイヤ加硫金型組立体では、これに対する対応が考慮されていない。
【0033】
本発明は前記の問題点に鑑み提案するものであり、その目的とする処は、▲1▼タイヤ加硫作業中、タイヤ内圧力に抗して型開きを阻止でき、▲2▼高価な加圧力発生機構を複数組のタイヤ加硫金型組立体に共用でき、▲3▼タイヤ加硫金型組立体をタイヤサイズが大きく変化した場合のタイヤ金型に対して共用でき、▲4▼タイヤ加硫金型組立体をドーム式加硫用金型及び割金型装置としても使用でき、▲5▼タイヤ金型にガス抜き孔のないベントレスモールドを使用して金型外部空間を負圧状態にすることができるタイヤ加硫金型組立体を提供しようとする点にある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のタイヤ加硫金型組立体は、タイヤ加硫金型と、同金型の上部加圧板と、同金型の下部加圧板と、前記上部加圧板の外周部の孔に昇降可能に挿入されたハウジングと、該ハウジング内に回転可能に垂設された上部連結棒とよりなり前記ハウジングは前記上部連結棒の上端部にナットにより固定され、前記上部連結棒の下端には、前記下部加圧板の外周部に設けられた上端爪と嵌脱自在な下端爪が設けられており、前記ハウジングと前記上部加圧板との間には、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するばね体を備えたことを特徴としている(請求項1)。
【0035】
また本発明の加硫金型組立体は、タイヤ加硫金型と、同金型の第1上部加圧板と、同第1上部加圧板にその中心部のみで支持された第2上部加圧板と、該第2上部加圧板の外周部を上から加圧する加圧板と、同金型の下部加圧板と、前記第2上部加圧板の外周部に回転自在に垂設された上部連結棒と、該上部連結棒の下端には、前記下部加圧板の外周部に設けられた上端爪と嵌脱自在な下端爪が設けられており、前記第2上部加圧板は、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するものであることを特徴としている(請求項2)。
【0036】
前記請求項2に記載のタイヤ加硫金型組立体において、前記第1上部加圧板と、前記第2上部加圧板との間に高さ変更手段を設けてもよい(請求項3)。
また、本発明のタイヤ加硫金型組立体は、タイヤ加硫金型と、同金型の上部加圧板と、同金型の下部加圧板と、前記上部加圧板の外周部に昇降自在に取り付けられた軸と、該軸の下端部と連結された上部連結環と、前記下部加圧板の外周部の下部連結環と、前記下部加圧板の外周部に回転自在に支持されて前記上部連結環に嵌脱自在な回転連結環とよりなり、前記上部連結環の下端部及び前記回転連結環の上部にはそれぞれ爪が設けられ、前記軸の下部と前記上部連結環との間には、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するばね体を介装したことを特徴としている(請求項4)。
【0037】
また、本発明のタイヤ加硫金型組立体は、タイヤ加硫金型と、同金型の第1上部加圧板と、同第1上部加圧板にその中心部のみで支持された第2上部加圧板と、同第2上部加圧板の外周部に垂設された上部連結環と、前記第2上部加圧板の外周部を上から加圧する加圧板と、同金型の下部加圧板と同下部加圧板の外周部の下部連結環と、同下部加圧板の外周部に回転自在に支持されて前記上部連結環に嵌脱自在な回転連結環とよりなり、前記上部連結環の下端部及び前記回転連結環の上部にはそれぞれ爪が設けられ、前記第2上部加圧板は、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するものであることを特徴としている(請求項5)。
【0038】
前記請求項4に記載のタイヤ加硫金型組立体において、上部加圧板と上部連結環との間及び上部連結環下端部と下部連結環の上端部との間にシール用部材をそれぞれ設けてもよい(請求項6)。
前記請求項5に記載のタイヤ加硫金型組立体において、第1上部加圧板と上部連結環との間及び上部連結環下端部と下部連結環の上端部との間にシール用部材をそれぞれ設けてもよい(請求項7)。
【0039】
【作用】
複数組のタイヤ金型組立体に対して共通使用する金型開閉ステーションの金型開閉装置に加圧機構を設ける一方、タイヤ加硫金型組立体の閉鎖保持手段部分にばね体或いは可撓の加圧板を設け、金型開閉ステーションで金型閉鎖後、加圧機構で加硫金型組立体のばね体或いは可撓の加圧板を弾性変形させている間に閉鎖保持手段を連結状態にして、加圧機構による加圧力を除去した後も、ばね体或いは可撓の加圧板に残存する弾性復帰力がタイヤ内部の加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも充分に大きく、このことにより、タイヤ加硫金型組立体では、金型開閉ステーションで金型が閉じられて、金型運搬装置により所定の加硫ステーションに運ばれ、ここでの加硫作業が終了して、再び金型開閉ステーションに運ばれてくるまでの間中、タイヤ内反力に打ち勝つ型閉鎖保持力が得られて、各加硫ステーション或いは各タイヤ加硫金型組立体で必要としていた高価な加圧力発生機構が不要になる。即ち、
(1)タイヤ加硫金型装置(割金型装置或いは上下2分割型を問わない)と、同金型の上部金型を取付ける上部加圧板と、同金型の下部金型を取付ける下部加圧板と、上部加圧板の外周縁部分に回転自在に且つ昇降自在(後述のばね体の撓み変形による)に垂設した複数本の上部連結棒と、下部加圧板の外周縁部分に上記連結棒に対向するように配設した下部連結棒と、上部連結棒の下端部及び下部連結棒の上端部に設けた通称バヨネットロックと称される嵌脱自在な連結爪と、前記上部板に設けられた孔に昇降可能に挿入されてその下端部をナットにより前記上部連結棒の上端部に固定されたハウジングとを具え、前記ハウジングと上部加圧板との間に皿ばね組立体を介装しており、金型組立体の閉鎖開始前に、上部連結棒の爪が下部連結棒の爪の間を通過できる位相にしておいてから、金型組立体を閉じ、次いで金型開閉ステーションの加圧機構により皿ばね組立体を圧縮変形させ、上部連結棒の下端爪を下部連結棒の上端爪の下に入り込ませるように上部連結棒を回転し、次いで加圧機構による加圧力を解除して、上部連結棒及び下部連結棒の爪を当接させる。このとき、ばねの弾性復帰力は、最大加圧時よりも少し減少した復帰力になるが、タイヤ内圧反力には充分にバランスする復帰力、即ち、金型閉鎖保持力が発生する。
(2)タイヤサイズ、加硫内圧力等の理由から皿ばね組立体では不都合がある場合、第1の加圧板の上に第2の加圧板を配置し、この第2加圧板をばね体として作用させる。
(3)第1上部加圧板と、第2上部加圧板との連結を中央部のねじで行い、このねじの回転により上部加圧板と上部加圧板との距離を変化させる。即ち、閉鎖保持状態のときの第1上部加圧板と下部加圧板との間のタイヤ加硫金型装置の収容間隔を変化させる。
(4)上部加圧板と上部連結環との間に摺動可能なシール部材を介装するとともに、下部連結環と上部連結環との間にシール部材を介装しており、主として上部加圧板、上部連結環、下部加圧板、下部連結環等により構成される空間内に蒸気を供給すれば、ドーム式加熱を行うことができて、従来型のドーム式加硫機で使用している金型が使用可能になるし、金型がプラテン式加熱型の場合には、上記空間が負圧になるようにバキュームを使用することができて、従来型のベントレスモールドが使用可能になる。
【0040】
【実施例】
次に本発明のタイヤ加硫金型組立体を図面に示す各実施例により説明する。
図1は本発明のタイヤ加硫金型組立体を使用するタイヤ加硫設備の全体を示す平面図、図2は図1の矢視a−a線に沿う正面図で、左半分は金型リフト、台車リフト装置が作用していない状態、右半分はこれらの装置が作用して加圧力が付与されている状態を示している。また図3はタイヤ加硫金型組立体の第1実施例を示す縦断側面図、図4は第2実施例を示す縦断側面図、図5は第3実施例を示す縦断側面図、図6は第4実施例を示す縦断側面図、図7は第5実施例を示す縦断側面図である。
【0041】
先ずタイヤ加硫設備の全体を図1、図2により説明すると、加硫ステーション1(1a及び1b)は、複数のタイヤ加硫金型組立体M(Ma、Mb、Mc、・・・)を載架する複数の金型台5(5a、5b、5c、・・・)からなり、各金型台5には、必要に応じて加熱加圧媒体補充手段並びに配管等(図示せず)が設けられている。
【0042】
金型開閉ステーション2(2a及び2b)は、公知のタイヤ加硫機に類似の金型開閉装置6(6a及び6b)と、タイヤ金型から加硫済タイヤを搬出する公知のアンローダ7(7a及び7b)と、タイヤ金型に未加硫タイヤを搬入する公知のローダ8(8a及び8b)とからなり、必要に応じて加硫済タイヤ搬送用コンベヤ9(9a及び9b)、未加硫タイヤ用ラック10(10a及び10b)等が設けられている。
【0043】
タイヤ金型運搬装置は、コモンベースに固定された軌道4と、同軌道4に案内されて駆動装置(図示せず)により走行する金型運搬台車3(3a及び3b)とからなる。
金型交換ステーションは、被加硫タイヤの仕様変更に伴なうタイヤ加硫金型組立体内の割金型装置の交換や消耗品であるブラダの交換等を行う金型交換テーブル11であって、これらの交換作業に必要な金型開閉手段を具えている。なお必要に応じてタイヤ金型予熱室12を付属させてもよい。また金型交換テーブル11で取り外された割金型装置は、フォークリフト等により他の場所に搬送して、割金型装置内のトレッド金型、サイドウォール金型等の金型部品の交換を行うようになっている。
【0044】
図1は、金型運搬台車3aがタイヤ加硫金型組立体Maを受取って、金型開閉装置6aの所定位置まで搬送した状態、及び金型運搬台車3bが受取るべきタイヤ加硫金型組立体の前方に待機している状態を示している。
図2の左半分は、タイヤ加硫金型組立体Maを積載した金型運搬台車3aが金型開閉装置6aに進入した直後或いは退出しようとする直前の状態を示し、右半分は、金型リフト装置及び台車リフト装置によりタイヤ加硫金型組立体及び金型運搬台車が上昇して、各走行用ローラから浮き上がり、加圧されている状態を示している。
【0045】
図2により、金型開閉装置及び金型運搬台車を具体的に説明する。
200は開閉装置のフレームで、同フレーム200の柱部分200aの適所に直線軌道201が設けられ、軌道201上を滑走するガイドブラケット202がボルスタープレート(加圧板)203に固定され、昇降シリンダ203aの一端が同ガイドブラケット202の適所に固定され、同昇降シリンダ203aの他端がフレーム200のビーム部分200bに固定されており、ボルスタープレート203が昇降シリンダ203により昇降する。
【0046】
前記ボルスタープレート203の上面中央部には、加圧コラム204が立設されており、ボルスタープレート203が下降して、加圧コラム204の頂部とフレームのビーム部分200bとの間に出入可能な加圧シリンダ205の加圧力が、加圧コラム204とボルスタープレート203とを介してボルスタープレート203の下部に設置されたタイヤ加硫金型組立体Maに伝えられる。
【0047】
前記加圧コラム204の内部には、図13に示すような割金型操作装置(142〜150)が内装されている。
またボルスタープレート203の上面には、公知の複数組の金型連結装置206(図11、図12では141)が設けられており、これにより、タイヤ加硫金型組立体Maとボルスタープレート203との連結が可能になっている。
【0048】
またボルスタープレート203の外周縁部分には、複数組の回転駆動装置207が設けられている。この回転駆動装置207は、タイヤ加硫金型組立体Maの第1〜第3実施例でのみ使用するものなので、タイヤ加硫金型組立体の説明のところで詳細に説明する。
フレーム200のベース部分200cの中央部には、図10に示すブラダ操作機構のセンターポスト121、加熱加圧媒体用逆止弁付クイックカプラ128、129、クランパ108等を駆動する駆動装置208が設けられている。またベース部分200c上部には、図1の軌道4の延長線上に荷重受ローラ209と案内ローラ210とが設けられており、それぞれが支持台211に組み付けられている。
【0049】
前記荷重受ローラ209、案内ローラ210は、金型運搬台車3aの下部のスキッドレール212の下面及び側面に接するようになっており、ベース部分200c部に設けられた複数本の台車リフトシリンダ213が作動すると、図2の左半分に示す状態から右半分に示す状態になり、スキッドレール212が荷重受ローラ209から浮上して、加圧シリンダ205による加圧力が荷重受ローラ209に作用しないようになっている。
【0050】
金型運搬台車3aの上部には、図1に示す加硫ステーション5と金型運搬台車3aとの間にタイヤ加硫金型組立体Mを往復滑走させる荷重受ローラ214と案内ローラ210に類似のローラ(図示せず)とが設けられている。
また金型運搬台車3aの上部には、複数本のタイヤ加硫金型組立体用リフトシリンダ215が設けられており、前記リフトシリンダ213と同様に加圧シリンダ205の加圧力が荷重受ローラ214に作用しないようになっている。またタイヤ加硫金型組立体Maの下面には、第1実施例〜第5実施例のいずれでもスキッドレールが設けられている。
【0051】
(第1実施例)
次にタイヤ加硫金型組立体Mを図3に示す第1実施例により説明する。
図3は、図2の右半分の状態、即ち、リフトシリンダ213、215が作用して、荷重受ローラ209、214から浮上しているときの状態を示している。
またボルスタープレート203は、加圧コラム204から加圧力が未だ与えられず、昇降シリンダ203aにより軽く閉じられている状態を示している。
【0052】
タイヤ加硫金型組立体は、公知の割金型装置と公知のブラダ操作機構とを有している。このブラダ操作機構は、図10で詳述したので、具体的な説明は省略する。
割金型装置についても公知なので、構成部品の名称を明らかにするだけに留める。即ち、800は分割されたトレッド金型、801は上サイドウォール金型、802は下サイドウォール金型、803は分割されたセグメント、804はセグメント803を開閉駆動するアウターリング、805は上サイドウォール金型801を取付けるトッププレート、806は下サイドウォール金型を取付けるボトムプレートである。トッププレート805の中央部には、前記加圧コラム204に内装されている割金型操作シリンダ143との連結金具を具えているが、図示を省略している。Tはタイヤ、Bはブラダである。
【0053】
300は上部加熱板、301は断熱材、302は上部加圧板で、上部加熱板300はボルト(図示せず)により上部加圧板302に取り付けられ、前記アウターリング805はボルト(図示せず)により上部加熱板300或いは上部加圧板302に取付けられている。
加圧板(ボルスタープレート)203の適所には、公知の複数組の金型連結装置206が設けられ、垂設された連結棒206aの先端のT字型爪206bが前記加圧板302のT字孔302aに差し込まれ、前記棒206aの回転により、T字爪206bとT字孔302aとの嵌脱が可能になっている。上部加圧板302の外周部分には、上部連結軸303、ハウジング304、皿ばね305、ナット306が設けられている。
【0054】
前記ハウジング304は、上部加圧板302の孔302bに昇降可能に挿入されてナット306により上部連結棒303に固定され、前記皿ばね305は、前記上部加圧板302と前記ハウジング304との間に介装されており、同皿ばね305がこれらの上部加圧板302とハウジング304とを若干のプリロードを与えた状態で組み込んでいる。前記上部連結棒303は、前記ハウジング304内を回転可能である。
【0055】
前記上部連結棒303の頭部303aのハウジング304に対する当接面と、前記ナット306のハウジング304に対する当接面との間の寸法は、ハウジング304の当接面間の寸法よりも僅かに大きくなっており、前記ボルスタープレート203が前記ハウジング304に当接して、皿ばね305が押し潰された状態のとき、前記上部連結棒303が押し潰し力に無関係に回転できるようになっている。
【0056】
前記加圧板(ボルスタープレート)203の外周部には、公知の回転駆動装置207が設けられ、その出力軸207aが上部連結棒303の頭部303aに対向するように配置されている。
前記出力軸207aと前記棒頭部303aとは、公知の爪クラッチ或いは永久磁石(図示せず)により連結されて、回転駆動力が伝えられるようになっている。また前記上部連結棒303の下端には、公知のバヨネットロック爪の雄爪303bが設けられて、後記下部加圧板の雌爪309aに嵌脱自在になっている。
【0057】
以上の300〜306部分が上部加圧板組立体に相当している。
307は下部加熱板、308は断熱材、309は下部加圧板で、下部加熱板307はボルト(図示せず)により下部加圧板309に取り付けられ、前記ボトムプレート806はボルト(図示せず)により下部加熱板307或いは下部加圧板309に取り付けられている。
【0058】
下部加圧板309の外周部分には、前記上部連結棒303の下端爪303bに嵌合する雌爪309aが設けられている。また下部加圧板309の下面には、スキッドレール310が設けられている。
前記スキッドレール310は、前記台車装置3aの上部の荷重受ローラ214に支持されていて、加圧コラム204を介して加圧力を付与するときは、リフトシリンダ215の上昇作動により、前記レール310が荷重受ローラ214から浮上するようになっている。
【0059】
以上307〜310の部分が下部加圧板組立体に相当している。
次に前記図3に示す第1実施例の作用を具体的に説明する。
(a−1)〔タイヤを連続生産する場合〕
(1)タイヤ加硫金型組立体Maが金型運搬台車3により加硫ステーション1から金型開閉ステーション2に運ばれて、その所定位置に停止する。
(2)金型開閉ステーション2の台車リフト装置が作動するとともに金型運搬台車3上の金型リフト装置が作動して、金型運搬台車3及びタイヤ加硫金型組立体Mがそれぞれの荷重受ローラから浮上する。浮上後、台車リフト装置は、ロックされて、後記加圧作用が行なわれても金型は下降しない。
(3)上記(1)(2)の作用の間に金型開閉装置の加圧体(ボルスタプレート)203は都合の良い高さまで下降してきて待機している。その後、加圧体(ボルスタプレート)203が下降し、同加圧板(ボルスタプレート)203の外周部がハウジング304の頭部に当接して、停止後、加圧機構が作動して、上部連結棒303部分のばね体305が撓んで、上部連結棒303が下降する。
(4)ばね体305の撓み作用により、上部連結棒303の下端爪303bの上面が加圧板309の上端爪309aの下面よりも低い位置に移動する。この状態になったら、加圧板(ボルスタープレート)203上の回転装置207が作動して、上部連結棒303が回転し、上部連結棒303の下端爪303bが下部加圧板309の上端爪309aの位相からずれて、爪303bが通過できるようになる。
【0060】
この作用を実施している間に加圧板(ボルスタープレート)203上の金型連結装置206が作動して、加圧板(ボルスタープレート)203とタイヤ加硫金型組立体Mの上部加圧板302とが連結される。
(5)加圧板(ボルスタープレート)203の加圧機構による加圧力が解除され、加圧シリンダが退避し、次いで加圧コラム内の割金型操作シリンダを作動させながら昇降シリンダを上昇方向に作動すると、タイヤ加硫金型組立体Maの上部型が上昇して、タイヤ加硫金型800〜806が開かれる。
(6)金型が開かれた適当な時期にアンローダにより加硫済タイヤが搬出される。そして加硫済タイヤが搬出されたタイヤ加硫金型800〜806には、ローダにより次に加硫される未加硫タイヤが搬入される。
(7)タイヤ加硫金型800〜806の閉行程中に、同タイヤの整形が行われ、タイヤ加硫金型800〜806が閉じた後、加圧シリンダがフレームと加圧コラムとの間に入り込んで、加圧力が発生する。
(8)加圧力により加圧板(ボルスタープレート)203がタイヤ加硫金型組立体Maのばね体305を撓ませて、上部連結棒303の下端爪303bの上面が下部加圧板309の上端爪309aの下面よりも低い位置に移動する。この状態になったら、加圧板(ボルスタープレート)203上の回転装置が作動して、上部連結棒303が回転し、上部連結棒303の下端爪303bが下部加圧板309の上端爪309aの下に入り込む。その後、加圧力が解除され、ばね体305の復帰力により上部連結棒303が上昇して、上部連結棒303の下端爪303bの上面と下部加圧板309の上端爪309aの下面とが当接する。これらの爪が当接を完了したとき、ばね体305には、後にタイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力によりも充分に大きな力が残されるようになっている。
(9)加圧力が解除されるとともに、加圧板(ボルスタープレート)203とタイヤ加硫金型組立体Maの上部加圧板302との連結が解除され、さらに金型リフト装置の作動が解除されて、タイヤ加硫金型組立体Maが金型運搬台車3上の支持ローラの上に下降するとともに、金型運搬台車3が台車下の支持ローラの上に下降する。
(10)加圧板(ボルスタープレート)203がタイヤ加硫金型組立体Maの移動の阻げにならない位置まで上昇したら、金型運搬台車3aが移動して、タイヤ加硫金型組立体Maが加硫ステーション1の元の位置へ戻る。加硫ステーション1に戻されたタイヤ加硫金型組立体Maには、金型外部加熱用及びタイヤ内部加熱用の加熱・加圧媒体供給装置が連結されて、加硫が継続される。
(11)タイヤ加硫金型組立体Maを加硫ステーションに戻した金型運搬台車3aは、次に運搬すべきタイヤ加硫金型組立体M(Mb、Mc、・・・)の位置へ移動して、待機する。
(a−2)〔タイヤ金型を交換する場合〕
(1)〜(5)の作用は、前記(a−1)〔タイヤを連続生産する場合〕の(1)〜(5)の作用と同じである。
(6)タイヤ加硫金型800〜806が開かれた適当な時期にアンローダにより加硫済タイヤが搬出される。加硫済タイヤを搬出したタイヤ加硫金型800〜806は、次に加硫すべきタイヤを供給されることなく、この金型800〜806が閉じられる。このとき、金型800〜806には、加圧力を与えず、単に閉じるだけなので、上部連結棒303の下端爪303bと下部加圧板309の上端爪309aとは連結されていない状態にある。
(7)加圧板(ボルスタープレート)203とタイヤ加硫金型組立体Mの上部加圧板302との連結が解除され、さらに金型リフト装置の作動が解除されて、タイヤ加硫金型組立体Mが金型運搬台車3の支持ローラの上に下降するとともに、金型運搬台車3が台車下の支持ローラの上に下降する。
(8)加圧板(ボルスタープレート)203がタイヤ加硫金型組立体Mの移動の阻げにならない位置まで上昇したら、金型運搬台車3が移動して、タイヤ加硫金型組立体Mが金型交換テーブルへ移される。
(9)移し替えを終えた金型運搬台車3は、次に運搬すべきタイヤ加硫金型組立体Mの位置へ移動して、待機する。金型交換テーブルに移し替えられたタイヤ加硫金型組立体Mでは、上部加圧板組立体300〜306とタイヤ加硫金型800〜806との連結ボルトが取り外される。またタイヤ加硫金型組立体Mの下部加圧板組立体307〜310とタイヤ加硫金型800〜806との連結ボルトが取り外される。
(10)金型交換テーブルの上部可動板が下降して、上部加圧板組立体300〜306と連結し、上昇すると、タイヤ加硫金型800〜806が下部加圧板組立体307〜310の上に残される。
(11)次いでフォークリフト等の吊り上げ装置によりタイヤ金型が吊り出されて、新しいタイヤ金型が吊り込まれる。
【0061】
このとき、吊り込まれる金型の高さは、吊り出された金型の高さと実質的に同じであることが必要になる。そうしないと、ばね体により加圧保持する型締め保持力が大きく狂うからである。
(12)次いで上部可動板とともに上部加圧板組立体300〜306が下降し、タイヤ加硫金型800〜806の上に上部加圧板組立体300〜306を残して、上部可動板が上昇する。
(13)タイヤ加硫金型800〜806と上部加圧板組立体300〜306との連結ボルト及びタイヤ加硫金型800〜806と下部加圧板組立体307〜310との連結ボルトを取り付ける。
(14)タイヤ金型の入れ替えが終わったタイヤ加硫金型組立体では、所定の加熱準備が行われ、適当な時期に金型運搬台車により金型開閉ステーションへ運ばれ、未加硫タイヤの供給が行われて、タイヤ生産に使用されれる。
【0062】
以上のようにタイヤ加硫金型組立体Mが金型開閉装置に搬入されて後、リフトシリンダ213、215が作動して、金型運搬台車3a及びタイヤ加硫金型組立体Mがそれぞれの荷重受ローラから浮上して、ロック状態(例えばリフトシリンダの油圧回路をチェック弁等でブロックする)にし、金型開閉装置のボルスタープレート203がハウジング304に当接し、次いで加圧シリンダ205と加圧コラム204とによりボルスタープレート203に加圧力を付与すると、ばね305が撓み、上部連結棒303が下降し、当接していた爪303bと爪309aとの間に隙間が生じ、さらに加圧板(ボルスタープレート)203上の回転駆動装置207を作動させれば、爪303bが爪309a部分を通過できる位相になる。
【0063】
その後、加圧力が解除されて、加圧シリンダ205が退避し、昇降シリンダ203が上昇方向に作動して、割金型装置のうち、下サイドウォール金型802、ボトムプレート806が金型を下部加圧組立体307〜310の上に残して開くことになる。タイヤ加硫金型を閉じる工程は、上記の逆であるので省略する。
(第2実施例)
次にタイヤ加硫金型組立体Mを図4に示す第2実施例により説明する。
【0064】
第2実施例は、第1実施例の上部連結棒303が各連結軸毎に設けられたばね305により昇降可能に支持されているのに対して、上部加圧板302の上の第2の加圧板302Aに支持され、同第2の加圧板302Aの外周部の撓みにより昇降させるとともに、型開き阻止力を付与させようにしており、この点で第1実施例と異なっている。
【0065】
前記第2の加圧板302Aは、加圧板302に対して別部品にしても、一体型にしてもよい。またこの実施例では、加圧板(ボルスタープレート)203により第2加圧板302Aを直接押圧するようにするのがよい。
他の部分については、第1実施例と同じであるので、詳細な説明は省略する。またタイヤ加硫金型組立体の下部支持も第1実施例と同じなので、詳細な説明は省略する。
【0066】
次に前記図4に示す第2実施例の作用を具体的に説明する。
(a−1)〔タイヤを連続生産する場合〕
(1)タイヤ加硫金型組立体Mが金型運搬台車3により加硫ステーション1から金型開閉ステーション2に運ばれて、所定位置に停止する。
(2)金型開閉ステーション2の台車リフト装置が作動するとともに、金型運搬台車3上の金型リフト装置が作動して、金型運搬台車3及びタイヤ加硫金型組立体Mがそれぞれの荷重受ローラから浮上する。浮上後、台車リフト装置は、ロックされて、後記加圧作用が行なわれても金型は下降しない。
(3)上記(1)(2)の作用の間に金型開閉装置の加圧板(ボルスタプレート)203は都合の良い高さまで下降してきて待機している。その後、加圧板(ボルスタプレート)203が下降し、同加圧板(ボルスタプレート)203の外周部が第2上部加圧板302Aに当接して、停止後、加圧機構が作動して、第2上部加圧板302Aが撓んで、上部連結棒303が下降する。
(4)第2上部加圧板302Aの撓み作用により、上部連結棒303の下端爪303bの上面が下部加圧板309の上端爪309aの下面よりも低い位置に移動する。この状態になったら、加圧板(ボルスタープレート)203上の回転装置207が作動して、上部連結棒303が回転し、上部連結棒303の下端爪303bが下部加圧板309の上端爪309aの位相からずれて、爪303bが通過できるようになる。この作用を実施している間に加圧板(ボルスタープレート)203上の金型連結装置が作動して、加圧板(ボルスタープレート)203とタイヤ加硫金型組立体Mの第1上部加圧板302とが連結される。
(5)加圧板(ボルスタープレート)203の加圧機構による加圧力が解除され、加圧シリンダが退避し、次いで加圧コラム内の割金型操作シリンダを作動させながら昇降シリンダを上昇方向に作動すると、タイヤ加硫金型組立体Mの上部型が上昇して、タイヤ加硫金型800〜806が開かれる。
(6)タイヤ加硫金型800〜806が開かれた適当な時期にアンローダにより加硫済タイヤが搬出される。そして加硫済タイヤが搬出されたタイヤ加硫金型800〜806には、ローダにより次に加硫される未加硫タイヤが搬入される。
(7)タイヤ加硫金型800〜806の閉行程中に、同タイヤの整形が行われ、タイヤ金型800〜806が閉じた後、加圧シリンダがフレームと加圧コラムとの間に入り込んで、加圧力が発生する。
(8)加圧力により加圧板(ボルスタープレート)203がタイヤ加硫金型組立体Mの第2上部加圧板302Aを撓ませて、上部連結棒303の下端爪303bの上面が下部加圧板309の上端爪309aの下面よりも低い位置に移動する。この状態になったら、加圧板(ボルスタープレート)203上の回転装置が作動して、上部連結棒303が回転し、上部連結棒303の下端爪303bが下部加圧板309の上端爪309aの下に入り込む。その後、加圧力が解除され、第2上部加圧板302Aの復帰力により上部連結棒303が上昇して、上部連結棒303の下端爪303bの上面と下部加圧板309の上端爪309aの下面とが当接する。これらの爪が当接を完了したとき、第2上部加圧板302Aには、後にタイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力によりも充分に大きな力が残されるようになっている。
(9)加圧力が解除されるとともに、加圧板(ボルスタープレート)203とタイヤ加硫金型組立体Mの第1上部加圧板302との連結が解除され、さらに金型リフト装置の作動が解除されて、タイヤ加硫金型組立体Mが金型運搬台車3上の支持ローラの上に下降するとともに、金型運搬台車3が台車下の支持ローラの上に下降する。
(10)加圧板(ボルスタープレート)203がタイヤ加硫金型組立体Mの移動の阻げにならない位置まで上昇したら、金型運搬台車3が移動して、タイヤ加硫金型組立体Mが加硫ステーション1の元の位置へ戻る。加硫ステーション1に戻されたタイヤ加硫金型組立体Mには、金型外部加熱用及びタイヤ内部加熱用の加熱・加圧媒体供給装置が連結されて、加硫が継続される。
(11)タイヤ加硫金型組立体Mを加硫ステーション1に戻した金型運搬台車3は、次に運搬すべきタイヤ加硫金型組立体Mの位置へ移動して、待機する。
(a−2)〔タイヤ金型を交換する場合〕(1)〜(5)の作用は、前記(a−1)〔タイヤを連続生産する場合〕の(1)〜(5)の作用と同じである。
(6)タイヤ加硫金型800〜806が開かれた適当な時期にアンローダにより加硫済タイヤが搬出される。加硫済タイヤを搬出したタイヤ加硫金型800〜806は、次に加硫すべきタイヤを供給されることなく、金型が閉じられる。このとき、金型には、加圧力を与えず、単に閉じるだけであり、従って上部連結棒303の下端爪303bと下部加圧板309の上端爪309aとは連結されていない状態にある。
(7)加圧板(ボルスタープレート)203とタイヤ加硫金型組立体Mの上部加圧板302との連結が解除され、さらに金型リフト装置の作動が解除されて、タイヤ加硫金型組立体Mが金型運搬台車3の支持ローラの上に下降するとともに、金型運搬台車3が台車下の支持ローラの上に下降する。
(8)加圧板(ボルスタープレート)203がタイヤ加硫金型組立体Mの移動の阻げにならない位置まで上昇したら、金型運搬台車3が移動して、タイヤ加硫金型組立体Mが金型交換テーブルへ移される。
(9)移し替えを終えた金型運搬台車3は、次に運搬すべきタイヤ加硫金型組立体Mの位置へ移動して、待機する。金型交換テーブルに移し替えられたタイヤ加硫金型組立体Mでは、上部加圧板組立体300〜306とタイヤ加硫金型800〜806との連結ボルトが取り外される。またタイヤ加硫金型組立体Mの下部加圧板組立体307〜310とタイヤ加硫金型800〜806との連結ボルトが取り外される。
(10)金型交換テーブルの上部可動板が下降して、上部加圧板組立体300〜306と連結し、上昇すると、タイヤ加硫金型800〜806が下部加圧板組立体307〜310の上に残される。
(11)次いでフォークリフト等の吊り上げ装置によりタイヤ加硫金型800〜806が吊り出されて、新しいタイヤ金型が吊り込まれる。
【0067】
なおここで後記第3実施例を理解して貰うために補足説明すると、吊り込まれる金型の高さは、吊り出された金型の高さと実質的に同じであることが必要になる。そうしないと、ばね体により加圧保持する型締め保持力が大きく狂うからである。
(12)次いで上部可動板とともに上部加圧板組立体300〜306が下降し、タイヤ加硫金型800〜806の上に上部加圧板組立体300〜306を残して、上部可動板が上昇する。
(13)タイヤ加硫金型800〜806と上部加圧板組立体300〜306との連結ボルト及びタイヤ加硫金型800〜806と下部加圧板組立体307〜310との連結ボルトを取り付ける。
(14)タイヤ金型の入れ替えが終わったタイヤ加硫金型組立体Mでは、所定の加熱準備が行われ、適当な時期に金型運搬台車3により金型開閉ステーションへ運ばれ、未加硫タイヤの供給が行われて、タイヤ生産に使用されれる。
【0068】
(第3実施例)
次にタイヤ加硫金型組立体Mを図5に示す第3実施例により説明する。第1実施例、第2実施例では、割金型装置(800〜806)の背丈が大きく変化する場合、上部連結棒303の長さが違う上部加圧板組立体を割金型装置毎に準備する必要がある。
【0069】
第3実施例は、第2実施例をベースにして上記必要性を充足するようにしている。
上部加圧板302の中央部と、第2加圧板302Aの中央部とにねじ込まれた大歯車付スクリュー302Bと、同スクリュー302Bの大歯車に噛合する小歯車302Cとが第2加圧板302Aに設けられている。
【0070】
スクリュー302Bは、小歯車302Cを例えばエヤーレンチ等により回転させる。スクリュー302Bの上部と下部とは、逆ねじになっている。このような構造によれば、金型交換時の上部加熱板300と下部加熱板307との面間寸法の変更、即ち、割金型装置の背丈変更に対応することができる。
【0071】
次に前記図5に示す第3実施例の作用を具体的に説明する。
(a−1)〔タイヤを連続生産する場合〕
タイヤを連続生産する場合の作用は、第2実施例と同じなので、省略する。
(a−2)〔タイヤ金型を交換する場合〕
タイヤ金型を交換する場合の作用のうち、第2実施例の(1)〜(10)及び(13)(14)の作用は同じなので、省略する。
(11)フォークリフト等の吊り上げ装置によりタイヤ加硫金型800〜806が吊り出され、新しいタイヤ加硫金型800〜806が吊り込まれる。
(12)次いで上部可動板とともに上部加圧板組立体300〜306が下降して、タイヤ加硫金型800〜806の上に上部加圧板組立体300〜306を残して、上部可動板が上昇する。
【0072】
(12−1)入れ替えたタイヤ加硫金型の方が取り外したタイヤ加硫金型よりも背が高い場合には、上部加圧板組立体300〜306のピニオンギアがエヤートルクレンチ等の回転駆動装置で回転され、上部連結棒303が下降して、上部連結棒303の下端爪303bの上面と下部加圧板309の上端爪309aの下面との高さが所定の関係になるように調節される。
【0073】
(12−2)入れ替えたタイヤ加硫金型の方が取り外したタイヤ加硫金型よりも背が低い場合には、同様にピニオンギアを回転して、上部加圧板組立体302をタイヤ加硫金型に当接させるようにする。そしてさらに回転することにより、今度は、上部連結棒309が上昇し始めるが、このときにも、前記と同様に上部連結棒303の下端爪303bの上面と下部加圧板309の上端爪309aの下面との高さが所定の関係になるように調節される。
【0074】
(第4実施例)
次にタイヤ加硫金型組立体Mを図6に示す第4実施例により説明する。
第4実施例は、金型外部空間を気密室として、ベントレスモールドを使用することを可能にしたり、外部空間に蒸気を導入してドーム式加硫で使用する金型に適用したりするためのものである。
【0075】
上部加圧板302の外周部には、複数本の軸400が昇降可能に取付けられ、軸400と上部加圧板との間には、第1実施例と同様に皿ばね401が介装されている。
軸400の下端には、円筒型の上部連結環402が垂設され、同連結環402の上部円周部と上部加圧板の円筒部302Dとの間には、シール部材403が介装されている。
【0076】
下部加圧板404の外周部には、円筒型の下部連結環404aがある。また上部には、シール部材405がある。回転連結環406は、下部加圧板404の適所に設けられたたローラ407により支持されて、外部駆動装置(図示せず)により回転されるようになっている。前記上部連結環402の下端には、通称バヨネットロックと呼ばれる爪402aが設けられ、前記回転連結環406の上部に設けた爪406aとにより回転して、連結状態及び解除状態にされるようになっている。
【0077】
(第5実施例)
次にタイヤ加硫金型組立体Mを図7に示す第5実施例により説明する。
第5実施例は、第2実施例のタイヤ加硫金型組立体Mを第4実施例のタイヤ加硫金型組立体Mと同様に気密室にする場合を示しているが、第5実施例の構造は、第4実施例の説明で理解されるので、図示するに止めて、具体的的な説明は省略する。
【0078】
なお第3実施例のタイヤ加硫金型組立体Mでも、第4、第5実施例と同様に気密室構造にすることが可能である。また第1実施例〜第5実施例は、その全てが割金型装置の場合であるが、上下2分割型の金型の場合にも適用できることはいうまでもない。
【0079】
【発明の効果】
本発明のタイヤ加硫金型組立体によれば、次の効果を達成できる。即ち、
(1)金型開閉ステーションでの金型閉鎖直後から、運搬、加硫ステーションでの加硫、及び再度金型開閉ステーションへ戻して、金型を開くまでの間、タイヤ内圧力に抗して型開きを阻止できる。
(2)高価な加圧力発生機構を複数組のタイヤ加硫金型組立体に共用できる。
(3)タイヤサイズが大きく変化した場合のタイヤ金型に対してタイヤ加硫金型組立体を共用できる。
(4)タイヤ加硫金型組立体を、タイヤ金型外部を直接蒸気雰囲気として使用するドーム式加硫用金型及び割金型装置としても使用できる。
(5)タイヤ金型にガス抜き孔のないベントレスモールドを使用して、金型外部空間を負圧状態にすることができる。
等の効果があり、経済的な上に、実用範囲が広い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例〜第5実施例のタイヤタイヤ加硫金型組立体を使用するタイヤ加硫設備の全体を示す平面図である。
【図2】図1の矢視a−a線に沿う正面図で、金型開閉ステーションの金型開閉装置にタイヤ加硫金型組立体及び金型運搬台車装置をセットした状態であって、左半分は、金型リフト、台車装置リフト装置が作動していない状態、右半分は同上装置が作動して加圧力が付与されている状態を示している。
【図3】本発明のタイヤ加硫金型組立体の第1実施例を示す縦断側面図である。
【図4】本発明のタイヤ加硫金型組立体の第2実施例を示す縦断側面図である。
【図5】本発明のタイヤ加硫金型組立体の第3実施例を示す縦断側面図である。
【図6】本発明のタイヤ加硫金型組立体の第4実施例を示す縦断側面図である。
【図7】本発明のタイヤ加硫金型組立体の第5実施例を示す縦断側面図である。
【図8】従来のタイヤ加硫設備を示す平面図である。
【図9】同タイヤ加硫設備を示す側面図である。
【図10】同タイヤ加硫設備に適用するタイヤ金型を示す縦断側面図である。
【図11】同タイヤ金型と金型開閉装置との1態様を図9の矢視d−dに沿って示す縦断正面図である。
【図12】同タイヤ金型と金型開閉装置との他の態様を図9の矢視d−dに沿って示す縦断正面図である。
【符号の説明】
302 上部加圧板または第1上部加圧板
302A 第2上部加圧板
302B 大歯車付スクリュー(高さ変更手段)
302C 小歯車(高さ変更手段)
303 上部連結棒
305 ばね体
309 下部加圧板
309a 上端爪
401 ばね体
402 上部連結環
403 シール部材
404 下部加圧板
404a 下部連結環
405 シール部材
406 回転連結環
800〜806 タイヤ加硫金型

Claims (7)

  1. タイヤ加硫金型と、同金型の上部加圧板と、同金型の下部加圧板と、前記上部加圧板の外周部の孔に昇降可能に挿入されたハウジングと、該ハウジング内に回転可能に垂設された上部連結棒とよりなり前記ハウジングは前記上部連結棒の上端部にナットにより固定され、前記上部連結棒の下端には、前記下部加圧板の外周部に設けられた上端爪と嵌脱自在な下端爪が設けられており、前記ハウジングと前記上部加圧板との間には、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するばね体を備えたことを特徴とするタイヤ加硫金型組立体。
  2. タイヤ加硫金型と、同金型の第1上部加圧板と、同第1上部加圧板にその中心部のみで支持された第2上部加圧板と、該第2上部加圧板の外周部を上から加圧する加圧板と、同金型の下部加圧板と、前記第2上部加圧板の外周部に回転自在に垂設された上部連結棒と、該上部連結棒の下端には、前記下部加圧板の外周部に設けられた上端爪と嵌脱自在な下端爪が設けられており、前記第2上部加圧板は、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するものであることを特徴とするタイヤ加硫金型組立体。
  3. 前記第1上部加圧板と、前記第2上部加圧板との間に高さ変更手段を設けた請求項2記載のタイヤ加硫金型組立体。
  4. タイヤ加硫金型と、同金型の上部加圧板と、同金型の下部加圧板と、前記上部加圧板の外周部に昇降自在に取り付けられた軸と、該軸の下端部と連結された上部連結環と、前記下部加圧板の外周部の下部連結環と、前記下部加圧板の外周部に回転自在に支持されて前記上部連結環に嵌脱自在な回転連結環とよりなり、前記上部連結環の下端部及び前記回転連結環の上部にはそれぞれ爪が設けられ、前記軸の下部と前記上部連結環との間には、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するばね体を介装したことを特徴とするタイヤ加硫金型組立体。
  5. タイヤ加硫金型と、同金型の第1上部加圧板と、同第1上部加圧板にその中心部のみで支持された第2上部加圧板と、同第2上部加圧板の外周部に垂設された上部連結環と、前記第2上部加圧板の外周部を上から加圧する加圧板と、同金型の下部加圧板と同下部加圧板の外周部の下部連結環と、同下部加圧板の外周部に回転自在に支持されて前記上部連結環に嵌脱自在な回転連結環とよりなり、前記上部連結環の下端部及び前記回転連結環の上部にはそれぞれ爪が設けられ、前記第2上部加圧板は、タイヤ内に導入される加熱加圧媒体により発生する型開き力よりも大きな力で前記金型を型締め保持するものであることを特徴とするタイヤ加硫金型組立体。
  6. 前記上部加圧板と前記上部連結環との間及び前記上部連結環下端部と前記下部連結環の上端部との間にシール用部材をそれぞれ設けた請求項4記載のタイヤ加硫金型組立体。
  7. 前記第1上部加圧板と前記上部連結環との間及び前記上部連結環下端部と前記下部連結環の上端部との間にシール用部材をそれぞれ設けた請求項5記載のタイヤ加硫金型組立体。
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