JPH10262343A - 車両用発電装置 - Google Patents

車両用発電装置

Info

Publication number
JPH10262343A
JPH10262343A JP9062849A JP6284997A JPH10262343A JP H10262343 A JPH10262343 A JP H10262343A JP 9062849 A JP9062849 A JP 9062849A JP 6284997 A JP6284997 A JP 6284997A JP H10262343 A JPH10262343 A JP H10262343A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
mode
vehicle
phase
armature winding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9062849A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3605993B2 (ja
Inventor
Toshio Tsutsui
敏雄 筒井
Hirohide Sato
博英 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP06284997A priority Critical patent/JP3605993B2/ja
Publication of JPH10262343A publication Critical patent/JPH10262343A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3605993B2 publication Critical patent/JP3605993B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
  • Control Of Charge By Means Of Generators (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用交流発電機の発熱を利用してエンジン
始動直後のエンジン冷却水の温度を上げることができる
車両用発電装置を提供すること。 【解決手段】 車両用発電装置は、エンジン冷却水によ
って冷却されるステータコイル10とMOSFET20
a〜20fからなる3相全波整流回路2を含むオルタネ
ータ1と、各MOSFET20a等のオンオフタイミン
グを制御することにより進相電流制御を行う発電制御装
置3とを備えている。発電制御装置3内のコントローラ
34は、水温センサ7の出力に基づいてエンジン冷却水
の温度が低いと判断すると、各MOSFET20a等を
オンオフするタイミングを遅らせることにより取り出す
ことができる出力電流は変わらずにステータコイル10
による発熱量が増加する発熱優先モードで発電制御を行
う。これにより、エンジン冷却水の温度が速やかに上昇
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用交流発電機
に対して進相電流制御を行う車両用発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用エンジンの高効率化が進
み、少ない燃料消費で高出力を得ることができるエンジ
ンが開発され実用化されている。このようなエンジンで
は、それ以前のエンジンと同じ駆動力を発生させたとき
の発熱量を比べると、エンジンの運転効率が上昇した分
だけ発熱量が低く抑えられるため、始動直後のエンジン
冷却水の上昇が遅くなり、暖機運転に時間がかかること
になる。
【0003】また、エンジン冷却水は、車載用のヒータ
の熱源にもなっているため、エンジン冷却水の温度上昇
が遅くなるということは、それだけヒータの暖房能力も
低下するということであり、特に冬場の朝にエンジンを
始動してもヒータの吹き出し口から温風が出てくるまで
にかなりの時間を要していた。
【0004】このような暖房能力の低下を補う従来技術
としては、電気ヒータや燃焼式暖房装置を用いて直接温
風を吹き出させる方法が知られている。あるいは、従来
から特開平4−4736号公報に開示されているような
液冷式の車両用交流発電機が知られており、ステータコ
イル等を冷却する冷却液としてエンジン冷却水を用いる
ことにより、エンジン始動直後は車両用交流発電機の廃
熱によってエンジン冷却水を加熱することも考えられ
る。
【0005】また、特開昭57−178912号公報に
は、加熱用の発電機を設け、ステータ巻線を短絡するこ
とで多くの廃熱を発生させ、冷却水の加熱性能を上げる
技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに電気ヒータや燃焼式暖房装置を用いて直接温風を吹
き出させる方法では、暖房のためだけにこれらの機器を
取り付ける必要があり、コストの増大を招くとともに、
取り付けスペースが必要になって車両の小型化、軽量化
の妨げになるため、実用的ではない。また、車両用交流
発電機の発熱によってエンジン冷却水を加熱しようとし
ても、車両用交流発電機の発熱量は電気負荷の大小によ
って変動するため、電気負荷が小さいと発熱量が少なく
なって、エンジン冷却水の温度を上げるまでには至らな
いことになる。また、ステータ巻線を短絡する方法で
は、電気負荷への電力供給が停止されてしまうため、車
両一般電気負荷への電力供給を行う発電機に使用するこ
とはできない。
【0007】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は車両用交流発電機により電気
負荷に電力を供給するとともに、その発熱を利用してエ
ンジン始動直後のエンジン冷却水の温度を上げることが
できる車両用発電装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の車両用発電装置は、車両用交流発電機
の電機子巻線に誘起された交流電圧を直流電圧に変換す
るために、スイッチング手段を所定のタイミングで開閉
する交直電力変換手段を有しており、この開閉タイミン
グを発電制御装置によって切り替えることにより電機子
巻線による発熱量を増加させている。したがって、車両
用交流発電機の電気負荷が小さい場合であっても、電機
子巻線による発熱量を増やすことができ、電機子巻線の
冷却水としても使用されるエンジン冷却水の温度が低い
場合に、このエンジン冷却水を速やかに加熱することが
できる。
【0009】特に、上述したスイッチング手段の開閉タ
イミングを切り替えることにより、車両用交流発電機の
発電効率を下げることができ、電機子巻線による発熱を
増加させることができる。あるいは、上述したスイッチ
ング手段の開閉タイミングを切り替えることにより、電
機子巻線に誘起される起電力よりも電機子巻線に流れる
電流の位相を進めることができ、負荷角δが大きくなっ
て電機子巻線による発熱量を増加させることができる。
【0010】また、上述した発電制御装置は、整流素子
としてダイオードブリッジを用いた場合と等価的な発電
制御を行う第1の発電モードと、これより発熱量が多い
発熱優先の第2の発電モードとを選択的に切り替えて発
電制御を行うことが可能であり、所定の発熱量増加要求
があったときに第2の発電モードで発電制御を行ってい
る。したがって、例えばエンジン水温検出手段によって
エンジン冷却水の温度が所定値以下であることを検出し
たときに発熱量増加要求がなされるようにしておけば、
エンジン冷却水の温度が低いときだけ、発熱量が多い第
2の発電モードで発電制御を行うことができるため、そ
れ以外のときには不必要な発熱を抑えた無駄のない発電
制御を行うことができる。
【0011】また、発電制御装置は、上述した第1の発
電モードと第2の発電モードの他に、より多くの出力電
流が取り出せる出力優先の第3の発電モードを有してお
り、所定の出力増加要求があったときに第3の発電モー
ドで発電制御を行っている。したがって、例えば放電状
態検出手段によってバッテリが放電状態にあることを検
出したときに出力増加要求がなされるようにしておけ
ば、高出力が要求されるときだけ第3の発電モードで発
電制御を行うことができるため、それ以外のときには無
理のない余裕を持った発電制御を行うことができる。つ
まり、車両電気負荷の要求に合わせた電力供給を維持し
ながら、要求に応じた廃熱の発熱量制御が可能となる。
【0012】特に、発電制御装置は、車両用交流発電機
に含まれる界磁巻線に流す界磁電流を断続することによ
り、車両用交流発電機の出力をほぼ一定に維持する出力
電圧制御手段を備えているため、上述した放電状態検出
手段は、この出力電圧制御手段による界磁電流の導通率
を調べることにより、車載バッテリが放電状態であるか
否かを容易に検出することができる。
【0013】また、上述した交直電力変換手段は、電機
子巻線の各出力端子に接続されたハイサイドスイッチと
ローサイドスイッチ(3相全波整流を考えた場合にはそ
れぞれ3個ずつのスイッチが必要)を有しており、発電
制御装置の位相制御手段によってこれらの各スイッチを
オフにするタイミングを次第に遅らせることにより、出
力優先の第3のモード、さらには発熱優先の第2のモー
ドが実現でき、いずれのモードを選択するかをモード切
替手段によって設定するようにすれば、必要に応じて各
種の発電モードを使い分けることができる。
【0014】また、発電制御装置は交流発電機の回転数
を検出する回転数検出手段を備えており、位相制御手段
によって各スイッチをオフにするタイミングを回転数に
応じて設定することにより、より正確に第2あるいは第
3の発電モードの発電制御が可能となる。特に、各発電
モードごとに、回転数と各スイッチをオフに切り替える
タイミングを特定するために必要なタイミングデータと
の対応をテーブルの形でタイミングデータ記憶手段に記
憶しておくことにより、各発電モードに対応した発電制
御をリアルタイムに行うことができる。
【0015】また、上述したスイッチング手段をIGB
T、Si−MOSトランジスタなどと接合ダイオードの
組み合わせを利用することで上述した位相制御による発
電制御を行うことができるが、SiC−MOSトランジ
スタにより交直電力変換手段を構成することにより、高
温時に低損失を実現できるため交直電力変換手段での損
失が低減され出力電流を向上することで、上述した電機
子巻線の発熱量を増すことができ、エンジン冷却水を速
やかに加熱することができる。また、低損失が実現でき
るので従来のヒートシンクを小型化できることにより、
電機子巻線の冷却水経路の確保が容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明を適用した車両用発電装置
は、エンジン冷却水を用いて電機子巻線であるステータ
コイル等の冷却を行う液冷式の車両用交流発電機(以
後、「オルタネータ」と称する)の発熱量を制御するこ
とにより、エンジン冷却水の温度が低い場合にこれをオ
ルタネータの廃熱によって効率よく加熱することに特徴
がある。以下、本発明を適用した一の実施形態の車両用
発電装置について、図面を参照しながら具体的に説明す
る。
【0017】図1は、本発明を適用した一実施形態の車
両用発電装置の詳細構成を示す図である。同図に示す車
両用発電装置は、三相交流電圧を発生するとともにこれ
を整流して直流電流を出力するオルタネータ1と、この
オルタネータ1の界磁電流を制御するとともにオルタネ
ータ1に含まれる交直電力変換手段としての3相全波整
流回路2における整流動作のタイミングを制御する発電
制御装置3とを含んで構成される。
【0018】オルタネータ1は、固定子であるステータ
に含まれるX相、Y相、Z相からなる3相のステータコ
イル10と、回転子であるロータに含まれる界磁巻線で
あるフィールドコイル12と、ステータコイル10の出
力端子に誘起される3相交流電圧を全波整流する3相全
波整流回路2とを備えている。このオルタネータ1は、
少なくともステータコイル10がエンジン冷却水によっ
て冷却される液冷式の構造を有しており、図示しないハ
ウジング内に導入されたエンジン冷却水がステータコイ
ル10で発生した熱を奪って再度ハウジング外に回収さ
れる気密構造を有している。
【0019】3相全波整流回路2は、SiCで形成され
たスイッチング手段としての6個のMOSFET20a
〜20fを備えており、これらを3相ブリッジ接続した
構成を有している。例えば、各MOSFETはNチャネ
ルタイプであり、ソースからドレインに向かって電流が
流れる方向に寄生ダイオードが形成されている。具体的
には、正極側の3個のMOSFET20a、20b、2
0cのそれぞれのドレインがイグニッションスイッチ4
を介してバッテリ5の正極側端子および電気負荷6の一
方端に共通に接続され、MOSFET20a、20b、
20cのそれぞれのソースがステータコイル10のX
相、Y相、Z相の一方端に接続されている。また、負極
側の3個のMOSFET20d、20e、20fのそれ
ぞれのソースがバッテリ5の負極側端子および電気負荷
6の他方端に共通に接続され、MOSFET20d、2
0e、20fのそれぞれのドレインがステータコイル1
0のX相、Y相、Z相の一方端に接続されている。な
お、正極側の3個のMOSFET20a、20b、20
cのそれぞれが半導体スイッチング素子からなるハイサ
イドスイッチに対応しており、負極側の3個のMOSF
ET20d、20e、20fのそれぞれが半導体スイッ
チング素子からなるローサイドスイッチに対応してい
る。
【0020】発電制御装置3は、オルタネータ1に含ま
れるフィールドコイル12に並列接続されるフライホイ
ールダイオード30と、フィールドコイル12に流れる
界磁電流を断続するスイッチングトランジスタ32と、
このスイッチングトランジスタ32のオンオフ状態と上
述した3相全波整流回路2に含まれる6個のMOSFE
T20a〜20fのそれぞれのスイッチングのタイミン
グを制御するコントローラ34とを備えている。
【0021】図2は、発電制御装置3に含まれるコント
ローラ34の詳細な構成を示す図である。同図に示すよ
うに、コントローラ34は、オルタネータ1に含まれる
ステータコイル10のX、Y、Z相の各相電圧Va 、V
b 、Vc に応じた位相角信号Sa 、Sb 、Sc を生成す
る波形処理回路40と、いずれかの相電圧(例えばVc
)に基づいてオルタネータ1の回転数を検出する回転
数検出手段としての回転数検出回路42と、水温センサ
7の出力に基づいてエンジン冷却水の水温を検出する水
温検出手段としての水温検出回路44と、スイッチング
トランジスタ32および6個のMOSFET20a〜2
0fのそれぞれのオンオフ切り替えタイミングを各種の
発電モード(後述する)ごとに設定するタイミング処理
部46と、このタイミング処理部46からの指示に応じ
てMOSFET20a〜20fのそれぞれのゲートに駆
動電圧を印加するゲート駆動回路48とを備えている。
【0022】また、タイミング処理部46は、3相全波
整流回路2の出力端子(+B端子)とバッテリ5の正極
端子(S端子)の電圧に基づいてスイッチングトランジ
スタ32をオンオフすることによりPWM制御を行って
オルタネータ1の出力電圧をほぼ一定に維持する出力電
圧制御手段50と、スイッチングトランジスタ32のオ
ンオフ状態と水温検出回路44によって検出されたエン
ジン冷却水の水温とに基づいて発電モードをノーマルモ
ード、出力優先モード、発熱優先モードのいずれかに設
定するモード切替手段52と、これらの各発電モードに
対応させて各回転数毎に段階的に変化させるタイミング
データが予め記憶されたタイミングデータ記憶手段54
と、いずれかの発電モードが設定されたときに、回転数
検出回路42によって検出されたオルタネータ1の回転
数に対応するタイミングデータをタイミングデータ記憶
手段54から読み出し、波形処理回路40から出力され
る各位相角信号Sa 、Sb 、Sc をこのタイミングデー
タに応じて所定時間遅らせてゲート駆動回路48を駆動
する位相制御手段56とを含んでいる。例えば、このタ
イミング処理部46は、マイクロコンピュータによって
所定の制御プログラムを実行することにより実現される
ものであり、その詳細な動作手順については後述する。
また、タイミングデータ記憶手段54は、例えば半導体
メモリによって構成することができる。
【0023】本実施形態の車両用発電装置はこのような
構成を有しており、その動作を説明する前に、発電モー
ドとして設定されるノーマルモードと、出力優先モード
および発熱優先モードを含む進相制御モードについて説
明する。なお、ノーマルモードが第1の発電モードに、
出力優先モードが第3の発電モードに、発熱優先モード
が第2の発電モードにそれぞれ対応している。
【0024】図3は、波形処理回路40から出力される
位相角信号とゲート駆動回路48から出力されるゲート
信号の関係を示す図である。同図に示す「位相角Sa 、
Sb、Sc 」のそれぞれは、波形処理回路40から出力
される位相角信号であり、オルタネータ1のステータコ
イル10のX相、Y相、Z相のそれぞれに現れる相電圧
Va 、Vb 、Vc が正電位にあるときにHレベルが、負
電位にあるときにLレベルが対応している。
【0025】ノーマルモードとは、3相全波整流回路2
の各MOSFET20a〜20fをダイオードに置き換
えて動作させた場合の発電状態を実現するものである。
ダイオードブリッジを用いて整流を行う場合には、ダイ
オードの順方向電圧降下や配線による電圧降下を無視す
ると、ステータコイル10の各相電圧Va 、Vb 、Vc
の絶対値がバッテリ5の端子間電圧の絶対値を越えた場
合に、各ダイオードに順方向電流が流れる。したがっ
て、各相電圧Va 、Vb 、Vc の絶対値がバッテリ5の
端子間電圧の絶対値を越えた期間だけ、対応するMOS
FET20a〜20fをオン状態に制御することによ
り、ノーマルモードの発電制御が実現できる。
【0026】図3のノーマルモードの「ゲート信号Ga
〜Gf 」は、このようなタイミングで各MOSFET2
0a〜20fをオン状態に制御するためにゲート駆動回
路48から出力されるものである。例えば、ステータコ
イル10のX相に着目すると、この相電圧Va が正電位
になった後所定時間(所定角度Ta )だけ経過したとき
に、この相電圧Va がバッテリ電圧より高くなるものと
すると、この角度Taに相当する時間が経過したときに
MOSFET20aに送るゲート信号Ga をHレベルに
変化させる。また、この相電圧Va が負電位になるより
所定角度Ta だけ前にこの相電圧Va がバッテリ電圧よ
り低くなるため(オルタネータ1の出力波形に歪みがな
いものとする)、このタイミングでMOSFET20a
に送るゲート信号Ga をLレベルに変化させる。他のゲ
ート信号Gb 〜Gf についても同様であり、このような
ゲート信号をMOSFET20a〜20fに入力するこ
とにより、ダイオードブリッジを用いて整流を行う場合
と同様のノーマルモードの発電制御が可能となる。
【0027】ところで、上述したノーマルモードの発電
制御では、各MOSFET20a〜20fをダイオード
と置き換えた場合と同様にそのオンオフ状態を制御した
ため、各MOSFET20a〜20fに電流が逆流する
ことはなかったが、それぞれをオフ状態に切り替えるタ
イミングを遅らせることによりそれぞれに電流を逆流さ
せて各MOSFET20a〜20fとステータコイル1
0との間に循環電流を流し、これにより発電効率を改善
する進相電流制御を行うことができる。
【0028】すなわち、図3の進相制御モードの「ゲー
ト信号Ga 〜Gf 」に示すように、各位相角Sa 、Sb
、Sc の立ち上がりと立ち下がりをともに角度Tb だ
け遅らせたゲート信号Ga 〜Gf を用いた場合には、各
MOSFET20a〜20fのオン期間の後半に対応す
る相電圧の絶対値がバッテリ電圧の絶対値より小さくな
る期間やこれを越えて相電圧の極性が反転する期間も含
まれるため、MOSFET20a〜20fにオルタネー
タ1の出力電流が逆流してステータコイル10との間に
循環電流が流れる。
【0029】図4は、進相制御を行った際に流れる循環
電流を説明するための図である。図3に示すある時刻t
における発電状態を示す図である。時刻tにおいては、
ゲート信号Gb とGf がHレベルであるため、MOSF
ET20bと20fを通してバッテリ5および電気負荷
6に、図4に示す出力電流ia が流れる。また、このと
きステータコイル10のX相の相電圧Va は負電位にな
っているがMOSFET20aはオン状態のままである
ため、MOSFET20a、20bとステータコイル1
0のX相、Y相との間に、図4に示す循環電流ib が流
れる。この循環電流によって電流の位相を進ませること
ができ、その結果負荷角δが増加し、出力電流が増加す
る。このように、負荷角δは、MOSFET20a〜2
0fをオンオフするタイミングを遅らせることによって
制御することができる。
【0030】図5は、本実施形態の車両用発電装置の等
価回路を示す図である。同図において、Eは無負荷起電
力(起電圧)、Zs は同期インピーダンス、Vは相電
圧、Iは同期インピーダンスZs に流れる電流である。
なお、E、Zs 、V、Iはそれぞれベクトル量である。
【0031】図6は、ノーマルモードに対応する円線図
である。電流ベクトルI0 は、相電圧ベクトルVに対し
て遅れ角度θ0 となり、出力は、V・I0 (=|V||
I0|cos θ0 )となる。このような、ノーマルモード
の状態における負荷角δ0 を次第に増加させると、電流
ベクトルIは半径apの円周上の軌跡を移動し、負荷角
δの変化に伴って増加する。そして、電流ベクトルI
は、d点において遅れ角度θが0となって力率1とな
り、このd点を越えると進み電流となる。
【0032】図7は、電流ベクトルIが進み電流となっ
た場合の円線図である。円周上のd点をすぎたe点にお
ける電流ベクトルI1 は増大し、ノーマルモードの電流
ベクトルI0 より大きくなって、出力V・I1 (=|V
||I1 |cos θ1 )も増加する。さらに、負荷角がδ
2 となるf点に達すると、電流ベクトルI2 はさらに増
大し、出力V・I2 (=|V||I2 |cos θ2 )は最
大となる。
【0033】図8は、出力最大点(f点)を越えた場合
の円線図である。円周上のf点を過ぎても電流ベクトル
Iは増加するが、出力V・Iは減少する。すなわち、ス
テータコイル10に流れる電流は増加するが、出力とし
て取り出すことができる電流は減少する。これは、電流
として取り出すことができない循環電流が増加すること
を示しており、これに伴って発熱量が増す。安定限界線
上のg点に達すると、負荷角δ3 となって、発熱量が最
大となる。
【0034】このように、進相制御を行って負荷角δを
大きくしていって出力最大になったときの発電状態を出
力優先モード、さらに負荷角δを大きくしていって発熱
量最大になったときの発電状態を発熱優先モードとい
う。ノーマルモード(負荷角δ0 )のときに取り出すこ
とができる電流をi0 、出力優先モード(負荷角δ2 )
のときに取り出すことができる電流をi2 、発熱優先モ
ード(負荷角δ3 )のときに取り出すことができる電流
をi3 とすると、i0 =i3 <i2 となる。したがっ
て、発熱優先モードにすることにより、電気負荷6に供
給する出力電流をノーマルモードと同じに保ちながら、
オルタネータ1のステータコイル10による発熱量を増
加させることができる。
【0035】図9は、進相制御を行って負荷角を大きく
していった場合の出力電流IALT と循環電流Is の関係
を示す図である。同図に示すように、ノーマルモードの
負荷角δ0 から次第に遅延角度T(図3に示す遅延角度
Tb )を増していったときに、出力IALT が最大となる
負荷角δ2 、および循環電流Is が増大していってステ
ータコイル10に流れる電流(IALT +Is )に比例し
て発熱量も最大となるδ3 を設定することができる。
【0036】次に、本実施形態の車両用発電装置の動作
を説明する。上述したように、本実施形態の車両用発電
装置は、3相全波整流回路2に含まれるMOSFET2
0a〜20fのオンオフ切り替えのタイミングを制御す
ることにより、同じ出力電流を取り出すことができるノ
ーマルモードと発熱優先モードの2種類の発電状態を有
しており、エンジン始動直後のエンジン冷却水の温度が
低い場合には発熱優先モードで発電を行い、エンジン冷
却水の温度が高くなった後はノーマルモードで発電を行
う。また、この車両用発電装置は、電気負荷6が大きく
なってバッテリ5が放電していると判断すると、ノーマ
ルモードと発熱優先モードのいずれの状態にあるかにか
かわらず出力優先モードで発電を行って、バッテリ上が
りを防止する。
【0037】図10は、本実施形態の車両用発電装置の
動作手順を示す流れ図であり、主に発電制御装置3内の
コントローラ34に含まれるタイミング処理部46によ
る発電制御の動作手順が示されている。イグニッション
スイッチ4がオン状態になって発電制御装置3が動作可
能な状態になると、まずタイミング処理部46のモード
切替手段52は、エンジン冷却水の温度が所定値より高
いか否かを判定し(ステップ100)、エンジン始動直
後であってエンジン冷却水の温度が所定値より低い場合
には発電モードを発熱優先モードに設定する(ステップ
101)。このようにして発熱優先モードに設定された
後、位相制御手段56による所定のタイミング制御およ
び出力電圧制御手段50による界磁電流制御が行われる
(ステップ103、104)。
【0038】具体的には、位相制御手段56は、タイミ
ングデータ記憶手段54に格納されているテーブルか
ら、回転数検出回路42によって検出されたその時点の
回転数Nに対応する発熱優先モードの遅延角度T3 を読
み出し、波形処理回路40から出力される位相角信号S
a 、Sb 、Sc をこの読み出した遅延角度T3 だけ遅延
させたゲート信号Ga 〜Gf を生成する。このようにし
て生成されたゲート信号Ga 〜Gf に基づいて、ゲート
駆動回路48によってMOSFET20a〜20fのオ
ンオフタイミングが制御される。
【0039】図11は、タイミングデータ記憶手段54
に格納されたテーブルの一例を示す図である。同図に示
すように、このテーブルには各回転数N毎にノーマルモ
ード、出力優先モード、発熱優先モードのそれぞれに対
応した遅延角度T0 、T2 、T3 がタイミングデータと
して格納されている。図6〜図8に示した各発電モード
の負荷角δ0 、δ2 、δ3 を実現するために必要な遅延
角度T0 、T2 、T3が、それぞれシミュレーション計
算によってあるいは実測によって求められ、これらの計
算結果あるいは実測結果が各回転数N毎に分類されて図
11に示すテーブルとして格納されている。したがっ
て、その時点におけるオルタネータ1の回転数Nとどの
モードに設定されているかが決まれば、ノーマルモード
の制御を行うために必要な角度T0 、あるいは発熱優先
モードや出力優先モードの制御を行うために必要な遅延
角度T3 、T2 が特定される。
【0040】このようにして、エンジン冷却水の温度が
低い場合には発熱優先モードに設定されてMOSFET
20a〜20fのオンオフタイミングを変更するタイミ
ング制御が行われる。また、この位相制御手段56によ
るタイミング制御と並行して、あるいはこのタイミング
制御の後に、出力電圧制御手段50は、所定の界磁電流
制御を行い、この界磁電流制御によって設定された所定
の導通率Fdutyを有するスイッチング信号がスイッチン
グトランジスタ32に送られてそのオンオフ制御がなさ
れて、オルタネータ1のフィールドコイル12に所定の
界磁電流が供給される。界磁電流制御の詳細については
後述する。
【0041】次に、モード切替手段52は、出力電圧制
御手段50からスイッチングトランジスタ32に送られ
るスイッチング信号の導通率Fdutyが所定の最大値(例
えば99%)以上であるか否かを判定し(ステップ10
5)、最大値未満である場合(オルタネータ1の発電状
態に余裕がある場合)には、上述したステップ100に
戻って処理を繰り返す。このようにして、エンジン冷却
水の温度が上昇して所定値を越えるまで発熱優先モード
で発電制御が行われる。なお、上述したステップ105
における判定処理を行うモード切替手段52が放電状態
検出手段に対応している。
【0042】また、エンジン始動後ある程度時間が経過
して、エンジン冷却水の温度が所定値を越えると、ステ
ップ100において肯定判断が行われ、次にモード切替
手段52は、発電モードをノーマルモードに設定する
(ステップ102)。上述した発熱優先モードの場合と
同様に、位相制御手段56は、タイミングデータ記憶手
段54に格納されている図11に示すテーブルから、そ
の時点の回転数に対応するノーマルモードの角度T0 を
読み出し、波形処理回路40から出力される位相角信号
Sa 、Sb 、Sc とこの読み出した角度T0 とに基づい
てノーマルモード用のゲート信号Ga 〜Gf を生成す
る。このようにして生成されたゲート信号Ga 〜Gf に
基づいて、ゲート駆動回路48によってMOSFET2
0a〜20fのオンオフタイミングが制御される(ステ
ップ103)。このようにして、エンジン冷却水の温度
が上昇して所定値を越えた後はノーマルモードで発電制
御が行われる。
【0043】上述したように、エンジン冷却水の温度に
応じてノーマルモードあるいは発熱優先モードに設定さ
れて発電制御が行われるが、界磁電流を制御するスイッ
チングトランジスタ32の導通率であるFdutyが所定の
最大値以上であるとき(ステップ105で肯定判断)に
は、モード切替手段52は、バッテリ5が放電している
と判断し、バッテリ上がりを防止するために、発電モー
ドを出力優先モードに設定する(ステップ106)。以
後、上述した発熱優先モードやノーマルモードの場合と
同様に、位相制御手段56は、タイミングデータ記憶手
段54に格納されているテーブルから、その時点の回転
数に対応する出力優先モードの遅延角度T2 を読み出
し、波形処理回路40から出力される位相角信号Sa 、
Sb 、Scをこの読み出した遅延角度δ2 だけ遅延させ
たゲート信号Ga 〜Gf を生成する。このようにして生
成されたゲート信号Ga 〜Gf に基づいて、ゲート駆動
回路48によってMOSFET20a〜20fのオンオ
フタイミングが制御される。このようにして、Fdutyが
所定の最大値以上になると出力優先モードで発電制御が
行われ、Fdutyが所定の最大値未満に戻ると再び発熱優
先モードあるいはノーマルモードによる発電制御が行わ
れる。
【0044】図12は、上述したステップ104におい
て実行される界磁電流制御の具体的な動作手順を示す流
れ図である。出力電圧制御手段50は、S端子を介して
印加されるバッテリ5の端子電圧Vs が所定の設定電圧
Vreg 以上であるか否かを判定し(ステップ200)、
設定電圧Vreg 以上である場合にはスイッチングトラン
ジスタ32の導通率であるFdutyを所定値分低下させ
(ステップ201)、反対に設定電圧Vreg 未満である
場合にはFdutyを所定値分上昇させる(ステップ20
2)。このようなFdutyの調整はステップ104におけ
る界磁電流制御処理が実行されるたびに行われる。した
がって、バッテリ電圧Vs が所定の設定値Vreg 以上で
ある場合にはFdutyが徐々に低下するため、3相全波整
流回路2の出力電圧+Bが次第に低くなり、反対にバッ
テリ電圧Vs が所定の設定値Vreg 未満である場合には
Fdutyが徐々に上昇するため、3相全波整流回路2の出
力電圧+Bが次第に高くなり、結局バッテリ電圧Vs が
所定の設定値Vreg に等しくなるように制御される。
【0045】このように、エンジン始動直後においてエ
ンジン冷却水の温度が低い場合には、発熱優先モードに
設定されて効率を下げた状態で発電制御が行われ、オル
タネータ1のステータコイル10に流れる循環電流が増
大して発熱量が増すため、エンジン冷却水の温度を速や
かに上昇させることができる。このため、エンジン冷却
水の熱を利用したヒータから吹き出される温風の温度も
速やかに上昇し、補助的に電気ヒータや燃焼式暖房器具
を使用する必要がなくなる。
【0046】また、エンジン冷却水の温度が高くなった
後は、ノーマルモードに設定されて効率を上げた状態で
発電制御が行われるため、オルタネータ1の各部の温度
が下がってこれら各部の耐久性向上に奏することがで
き、同じ出力を得るために必要な駆動力も発熱優先モー
ドに比べると少なくて済むためエンジンにかかる負担を
減らすことができる。
【0047】また、電気負荷6が増えてバッテリ5から
放電された状態になった場合には、出力優先モードに設
定され、効率をさらに上げて取り出すことができる出力
電流が最大となる状態で発電制御が行われるため、バッ
テリ上がりを防止することができる。
【0048】特に、上述したノーマルモード、発熱優先
モード、出力優先モードのそれぞれの発電制御を行うた
めに必要な回転数毎のタイミングデータがタイミングデ
ータ記憶手段54にテーブルの形で格納されているた
め、その時点での回転数に応じてこのテーブルから必要
なデータを読み出すだけで、所望の発電モードの制御を
リアルタイムに行うことができる。
【0049】図13は、発熱優先モードで発電制御を行
う場合に、ステータコイル10に流れる循環電流を徐々
に増やすことにより、ステータコイル10の急激な温度
上昇を抑えた場合の動作手順を示す流れ図である。図1
0に示した発電制御動作に対して、ステップ101の発
熱優先モードの設定処理を以下に示すステップ101
a、101b、101cの各処理に置き換えた点が異な
っている。
【0050】エンジン冷却水の温度が所定値以下である
場合にはステップ100において否定判断が行わ、次に
モード切替手段52は、進相電流制御を行うための遅延
角度Tが発熱優先モードの遅延角度T3 と同じか否かを
判定する(ステップ101a)。例えば最初は遅延角度
Tが0に設定されており、次にモード切替手段52は、
タイマを起動してあるいは既にタイマが起動されている
場合にはそのタイマを監視することにより、一定時間が
経過したか否かを判定し(ステップ101b)、一定時
間を経過したときには現時点における遅延角度Tに所定
値を加算して遅延角度Tを増加させる(ステップ101
c)。
【0051】また、遅延角度Tが発熱優先モードの遅延
角度T3 に等しい場合(現時点の遅延角度Tに所定値を
繰り返し加算していった結果T3 に等しくなった場合)
にはステップ101aで肯定判断が行われ、あるいはタ
イマを起動してから一定時間が経過しない間はステップ
101bで否定判断が行われ、その時点の遅延角度Tを
維持した状態で、所定のタイミング制御および界磁電流
制御が行われる(ステップ103)。
【0052】このように、エンジン冷却水の温度が低い
場合であっても最初から発熱優先モードに設定して発電
制御を行うのではなく、遅延角度Tを徐々に増やしてい
って負荷角δを次第に増加させており、ステータコイル
10に流れる循環電流が少しずつ増えるため、ステータ
コイル10および他の構成部品の急激な温度上昇を緩和
することができる。したがって、オルタネータ1の各部
品、特にエンジン冷却水を密閉するためのシール部の寿
命を向上させることができる。
【0053】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施
が可能である。例えば、上述した実施形態では、発熱優
先モードに対応させてステータコイル10の発熱量が最
大となる安定限界線近傍の負荷角δ3 を、出力優先モー
ドに対応させて外部に取り出すことができる出力が最大
となる負荷角δ2 をそれぞれ実現するようにしたが、必
ずしも発熱量あるいは出力が最大となる必要はなく、そ
れらの負荷角δ3 、δ2 の近傍の負荷角δ3 ′、δ2 ′
のときを発熱優先モード、出力優先モードとして発電制
御を行うようにしてもよい。
【0054】また、上述した実施形態では、ノーマルモ
ードと発熱優先モードの他に、バッテリ上がりを防止す
るために出力優先モードを設けたが、従来のダイオード
ブリッジによる全波整流回路を有する発電機にエンジン
冷却水の加熱機構を追加するだけでよい場合には、必ず
しも出力優先モードを設ける必要はなく、ノーマルモー
ドの他に発熱優先モードのみを設けるようにしてもよ
い。
【0055】また、図13に示した動作手順において
は、エンジン冷却水の温度が低い場合に、遅延角度Tを
一定時間に所定量ずつ増やしていって最終的に発熱量最
大の負荷角δ3 を実現するようにしたが、制御開始時
(加熱開始時)のエンジン冷却水の温度の高低によっ
て、この一定時間毎に増やす所定量を変えてもよい。す
なわち、エンジン冷却水の温度が極端に低い場合には増
加量ΔTを大きく設定し、エンジン冷却水の温度がそれ
ほど低くない場合には増加量ΔTを小さく設定すること
により、エンジン冷却水の温度が高くなるまでの時間を
加熱開始時の温度によらず、ある程度近づけることがで
きる。具体的には、図14に示すように、エンジン冷却
水の温度tmpと、これに対応する遅延角度Tの増加量
ΔTとの関係をテーブルの形でメモリに記憶しておい
て、加熱開始時のエンジン冷却水の温度に対応した増加
量ΔTを読み出すようにすればよい。あるいは、増加量
ΔTをエンジン冷却水の温度に応じて変える代わりに、
増加量ΔTを一定にして次にこの増加量を加算するまで
の時間間隔を、エンジン冷却水の温度が低い場合には短
く、ある程度高い場合には長く設定するようにしてもよ
い。
【0056】また、上述した実施形態では、3相全波整
流回路2としてMOSFET20a〜20fを用いた
が、従来からあるダイオードブリッジによる3相全波整
流回路とスイッチング素子による短絡回路を組み合わせ
て用いるようにしてもよい。短絡回路としては、図15
(A)に示すようなスイッチング素子をブリッジ構造に
接続したもの、図15(B)に示すようなΔ結線を行っ
たもの、図15(C)に示すようにY結線を行ったもの
が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の車両用発電装置
の詳細構成を示す図である。
【図2】発電制御装置に含まれるコントローラの詳細な
構成を示す図である。
【図3】波形処理回路から出力される位相角信号とゲー
ト駆動回路から出力されるゲート信号の関係を示す図で
ある。
【図4】進相制御を行った際に流れる循環電流を説明す
るための図である。
【図5】本実施形態の車両用発電装置の等価回路を示す
図である。
【図6】ノーマルモードに対応する円線図である。
【図7】電流ベクトルIが進み電流となった場合の円線
図である。
【図8】出力最大点を越えた場合の円線図である。
【図9】進相制御を行って負荷角を大きくしていった場
合の出力電流と循環電流の関係を示す図である。
【図10】本実施形態の車両用発電装置の動作手順を示
す流れ図である。
【図11】タイミングデータ記憶手段に格納されたテー
ブルの一例を示す図である。
【図12】界磁電流制御の具体的な動作手順を示す流れ
図である。
【図13】発熱優先モードで発電制御を行う場合にステ
ータコイルの循環電流を徐々に増やす場合の動作手順を
示す流れ図である。
【図14】エンジン冷却水の温度と遅延角度の増分との
関係を示す図である。
【図15】ダイオードブリッジによる整流回路と短絡回
路とを組み合わせた場合の変形例の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 オルタネータ 2 3相全波整流回路 3 発電制御装置 5 バッテリ 6 電気負荷 7 水温センサ 32 スイッチングトランジスタ 34 コントローラ 40 波形処理回路 42 回転数検出回路 44 水温検出回路 46 タイミング処理部 48 ゲート駆動回路 50 出力電圧制御手段 52 モード切替手段 54 タイミングデータ記憶手段 56 位相制御手段

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン冷却水によって冷却される電機
    子巻線と、スイッチング手段を所定のタイミングで開閉
    することにより前記電機子巻線に誘起された交流電圧を
    整流して直流電圧に変換する交直電力変換手段とを有す
    る車両用交流発電機と、 前記スイッチング手段を開閉するタイミングを切り替え
    ることにより、前記電機子巻線による発熱量を増加させ
    る制御を行う発電制御装置と、 を備えることを特徴とする車両用発電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記発電制御装置は、前記スイッチング手段を開閉する
    タイミングを切り替えて、前記車両用交流発電機の発電
    効率を下げることにより、前記電機子巻線の発熱量を増
    加させることを特徴とする車両用発電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記発電制御装置は、前記スイッチング手段を開閉する
    タイミングを遅らせて、前記電機子巻線に誘起される起
    電力よりも前記電機子巻線に流れる電流の位相を進める
    ことにより、前記電機子巻線による発熱量を増加させる
    ことを特徴とする車両用発電装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記発電制御装置は、整流素子としてダイオードブリッ
    ジを用いた場合と等価的な発電制御を行う第1の発電モ
    ードと、前記第1の発電モードと同等の出力電流が取り
    出せるとともに前記電機子巻線の発熱量が増加するよう
    に発電制御を行う第2の発電モードとを有しており、所
    定の発熱量増加要求があったときに、前記第2の発電モ
    ードで発電制御を行うことを特徴とする車両用発電装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記エンジン冷却水の温度を検出する水温検出手段をさ
    らに備えており、 前記発電制御装置は、前記水温検出手段によって検出し
    た前記エンジン冷却水の温度が所定値以下であるとき
    に、前記第2の発電モードで発電制御を行うことを特徴
    とする車両用発電装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、 前記発電制御装置は、前記第1の発電モードと前記第2
    の発電モードの他に、前記スイッチング手段を開閉する
    タイミングを切り替えることにより前記第1および第2
    の発電モードよりも多くの出力電流が取り出せる第3の
    発電モードを有しており、所定の出力増加要求があった
    ときに、前記第3の発電モードで発電制御を行うことを
    特徴とする車両用発電装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 車載バッテリが放電状態にあることを検出する放電状態
    検出手段をさらに備えており、 前記発電制御装置は、前記放電状態検出手段によって前
    記車載用バッテリが放電状態にあると判断されたとき
    に、前記第3の発電モードで発電制御を行うことを特徴
    とする車両用発電装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記発電制御装置は、前記車両用交流発電機に含まれる
    界磁巻線に流す界磁電流を断続することにより、前記車
    両用交流発電機の出力をほぼ一定に維持する出力電圧制
    御手段をさらに備えており、 前記放電状態検出手段は、前記出力電圧制御手段による
    界磁電流の導通率が所定値以上であるときに、前記車載
    バッテリが放電状態であることを検出することを特徴と
    する車両用発電装置。
  9. 【請求項9】 請求項5において、 前記交直電力変換手段に含まれるスイッチング手段は、 前記電機子巻線の各相の出力端と正極側出力端子との間
    に個別に接続された半導体スイッチング素子からなるハ
    イサイドスイッチと、 前記電機子巻線の各相の出力端と負極側出力端子との間
    に個別に接続された半導体スイッチング素子からなるロ
    ーサイドスイッチとを有し、 前記発電制御装置は、 前記水温検出手段によって検出した前記エンジン冷却水
    の温度が所定値以下であるときに前記第2の発電モード
    に設定するモード切替手段と、 前記電機子巻線の出力端の電位が所定電位以下になって
    から所定期間経過後に前記ハイサイドスイッチをオフ
    し、前記電機子巻線の出力端の電位が所定電位以上にな
    ってから所定期間経過後に前記ローサイドスイッチをオ
    フする位相制御手段とを有し、 前記モード切替手段によって前記第2の発電モードに設
    定されたときに、位相制御手段によって前記第2の発電
    モードで発電制御を行うことを特徴とする車両用発電装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項8において、 前記交直電力変換手段に含まれるスイッチング手段は、 前記電機子巻線の各相の出力端と正極側出力端子との間
    に個別に接続された半導体スイッチング素子からなるハ
    イサイドスイッチと、 前記電機子巻線の各相の出力端と負極側出力端子との間
    に個別に接続された半導体スイッチング素子からなるロ
    ーサイドスイッチとを有し、 前記発電制御装置は、 前記水温検出手段によって前記エンジン冷却水の温度が
    所定値以下であることを検出したときに前記第2の発電
    モードに設定し、前記放電状態検出手段によって前記車
    載バッテリが放電状態であることを検出したときに前記
    第3の発電モードに設定するモード切替手段と、 前記電機子巻線の出力端の電位が所定電位以下になって
    から所定期間経過後に前記ハイサイドスイッチをオフ
    し、前記電機子巻線の出力端の電位が所定電位以上にな
    ってから所定期間経過後に前記ローサイドスイッチをオ
    フする位相制御手段とを有し、 前記モード切替手段によって前記第2の発電モードある
    いは第3の発電モードに設定されたときに、位相制御手
    段によって前記第2の発電モードおよび第3の発電モー
    ドのそれぞれに対応した前記所定期間を設定して発電制
    御を行うことを特徴とする車両用発電装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10において、 前記発電制御装置は、前記車両用交流発電機の回転数を
    検出する回転数検出手段をさらに備えており、 前記位相制御手段は、前記ハイサイドスイッチと前記ロ
    ーサイドスイッチをオフするまでの前記所定期間を、前
    記回転数検出手段によって検出された回転数に応じて設
    定することを特徴とする車両用発電装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、 前記発電制御装置は、前記ハイサイドスイッチと前記ロ
    ーサイドスイッチをオフするまでの前記所定期間に関す
    るタイミングデータを前記車両用交流発電機の回転数に
    対応させたテーブルとして記憶するタイミングデータ記
    憶手段をさらに有しており、 前記位相制御手段は、前記回転数検出手段によって検出
    された前記車両用交流発電機の回転数に応じて、対応す
    る前記タイミングデータを読み出して所定の制御を行う
    ことを特徴とする車両用発電装置。
  13. 【請求項13】 請求項1において、 前記スイッチング手段としてSiC−MOSトランジス
    タを用いることにより前記交直電力変換手段を構成する
    ことを特徴とする車両用発電装置。
JP06284997A 1997-03-17 1997-03-17 車両用発電装置 Expired - Fee Related JP3605993B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06284997A JP3605993B2 (ja) 1997-03-17 1997-03-17 車両用発電装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06284997A JP3605993B2 (ja) 1997-03-17 1997-03-17 車両用発電装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10262343A true JPH10262343A (ja) 1998-09-29
JP3605993B2 JP3605993B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=13212179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06284997A Expired - Fee Related JP3605993B2 (ja) 1997-03-17 1997-03-17 車両用発電装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3605993B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008061403A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Daikin Ind Ltd 同期整流装置
JP2008067547A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Ntn Corp 車両用発電装置
JP2009220753A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Mazda Motor Corp 車両用誘導加熱装置
US7723933B2 (en) 2006-01-12 2010-05-25 Mitsubishi Electric Corporation Vehicular generator-motor control apparatus
EP2237402A1 (en) 2008-01-31 2010-10-06 Daikin Industries, Ltd. Power transformer
JP2012029498A (ja) * 2010-07-26 2012-02-09 Denso Corp 車両用発電機
WO2014080882A1 (ja) 2012-11-22 2014-05-30 株式会社デンソー 電力変換を伴う交流発電システム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101806738B1 (ko) * 2016-09-21 2018-01-10 현대자동차주식회사 효율 맵 기반 지능형 발전제어 방법 및 차량

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7723933B2 (en) 2006-01-12 2010-05-25 Mitsubishi Electric Corporation Vehicular generator-motor control apparatus
JP2008061403A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Daikin Ind Ltd 同期整流装置
JP2008067547A (ja) * 2006-09-08 2008-03-21 Ntn Corp 車両用発電装置
EP2237402A1 (en) 2008-01-31 2010-10-06 Daikin Industries, Ltd. Power transformer
JP2009220753A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Mazda Motor Corp 車両用誘導加熱装置
JP2012029498A (ja) * 2010-07-26 2012-02-09 Denso Corp 車両用発電機
WO2014080882A1 (ja) 2012-11-22 2014-05-30 株式会社デンソー 電力変換を伴う交流発電システム
US9685893B2 (en) 2012-11-22 2017-06-20 Denso Corporation Alternating current generation system accompanying power conversion

Also Published As

Publication number Publication date
JP3605993B2 (ja) 2004-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5719484A (en) Vehicle power generating system and method for controlling the same
JP3724026B2 (ja) 車両用同期発電装置及びその励磁制御方法
JP3465454B2 (ja) 発電装置
US5726557A (en) Vehicular electric power system
JP4910369B2 (ja) 電源制御装置
JP4023353B2 (ja) 車両用三相回転電機用インバータ回路装置
KR960039537A (ko) 차량용 발전장치
WO2002065628A1 (fr) Dispositif de production de puissance et dispositif d'entrainement, vehicule sur lequel lesdits dispositifs sont montes, et procedes de commande, supports de stockage et programmes desdits dispositifs
JPWO2010007771A1 (ja) 電源装置
KR20020020174A (ko) 차량용 전원시스템
JP3605993B2 (ja) 車両用発電装置
JP5303295B2 (ja) 車両用電力変換装置および電動車両
JP3138596B2 (ja) 車両用電源装置
JPH11324934A (ja) 空気調和機の圧縮機駆動装置
JP2010104123A (ja) 車両用電源装置
CN113890396A (zh) 一种发电调压系统及其输出电压控制方法、设备及介质
JP4131146B2 (ja) 車両用冷却ファンモータの電力回生装置
JP2002335688A (ja) 電源回路
JP6838169B2 (ja) バッテリ充電装置
JP5441951B2 (ja) 回転電機
JP4487736B2 (ja) バッテリ充電装置
JP2003199391A (ja) モータ駆動装置
JP2005117872A (ja) 車両用電力回生装置
JP2003033038A (ja) 車両用発電機の整流装置
JP4186791B2 (ja) 内燃機関用スタータジェネレータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040927

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101015

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111015

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121015

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121015

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees