JP5441951B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、界磁回路部が搭載された界磁巻線型の回転電機に関し、電動機とパワー回路を含む制御部が一体化された特に自動車等に搭載される回転電機に関するものである。
この種の回転電機として特開2010−233402号公報(特許文献1)に示す技術が知られている。この特許文献1には、目的とする制動トルクを出力し、かつ、バッテリに回生される電力を抑制することのできるモータ制御装置および車両システムで、インバータに第1のキャリア周波数を供給する第1の回生運転モードと、発電量を抑える指示が入力された場合に適用され、第1のキャリア周波数より高い第2のキャリア周波数を供給する第2の回生運転モードとを切り替えるキャリア周波数選択部を備える。また、交流モータに入力した運動エネルギーと、出力発電量との比から、キャリア周波数を導出可能なマップを用いて、目標発電量が得られるようなキャリア周波数を選択する構成が記載されている。
また、自動車用の、整流ブリッジを有する交流発電機において、ロードダンプ時の対策としてMOSFETトランジスタ等のMOSトランジスタ形の複数のスイッチがアバランシェ効果により動作するか、又は線形に動作するように、定格電圧を定めた構成が特表2005−506028号公報(特許文献2)に記載されている。
特開2010−233402号公報 特表2005−506028号公報
回転電機の動作状態には、発電以外にも、始動、アシスト等の駆動や回生発電等の状態が有り、特に始動やアシスト等の駆動は短時間で、かつスイッチング素子の発熱が大きい。
始動、アシスト等の駆動時におけるスイッチング素子の発熱は、通電による発熱と電流遮断時に発生するスイッチングオフ時の損失による発熱があげられる。これらは電流が大きいほど増加する傾向にあるが、回転電機の回転速度が低回転ほど電流が大きくなるため、始動や駆動時では発熱量が大きくなる。そのため、スイッチング素子の温度が大幅に上昇し、最悪の場合素子が破損する恐れがある。
スイッチングオフ時の損失を低減させるため、駆動方式を矩形波駆動方式として、スイッチング回数をPWM方式に比べて大幅に低減し、通電位相を調整することでスイッチングオフ時の損失を低減可能である。
また、コンデンサを用いることでスイッチングオフ時の損失を吸収することは可能であるが、エンジンルームのような高温になる場所ではコンデンサの寿命が短くなるため、必要以上にサイズ、重量アップやコストアップにつながってしまう。また、自動車に用いる製品には小型軽量化が求められており、特にエンジンルームでは大型のコンデンサを搭載する場所の確保が困難である。
PWM方式でキャリア周波数を変えて調整する方法が上記特許文献1に記載されているが、スイッチング回数が多いため、スイッチングオフ時の損失に対するコンデンサの容量が必要な構成となっている。
また、スイッチング素子のアバランシェ領域を用いて過電圧を防止する構成が上記特許文献2に記載されているが、駆動中に使用する方法については記載されていない。
本発明は、コンデンサを用いない回転電機の構成において、スイッチング損失を最小限にできる矩形波駆動方式を用いるものを前提としており、このような構成の回転電機において、始動、アシスト等の駆動におけるスイッチング素子の温度低減を図ろうとするものである。すなわち、本発明は前述のような矩形波駆動で、かつフィルムや電解タイプの平滑コンデンサを用いない構成に関して、スイッチング素子の過熱防止対策をより高精度に行うことを目的としている。
この発明に係る回転電機は、パワー回路用半導体スイッチング素子を有し、電力の入出力端子であるB端子を介して蓄電池と接続されて、モータ・ジェネレータ部における電機子巻線および界磁巻線に電流を供給する電力変換部と、前記電力変換部による前記電機子巻線および界磁巻線に供給する電流を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記B端子と基準電位との間に発生するB端子電圧を検出するB端子電圧検出手段と、前記界磁巻線に流れる界磁電流を検出する界磁電流検出手段と、通電位相を制御するためのマップを記憶するマップ記憶手段と、検出した回転速度、B端子電圧、界磁電流と前記マップ記憶手段にあるマップから位相ずらし量、界磁電流指令値を決める演算手段と、前記演算手段から得られた前記界磁電流指令値になるように制御する界磁電流制御部と、前記演算手段から前記パワー回路用半導体スイッチング素子に矩形波電圧を印加するタイミングを制御する矩形波印加電圧指令部と、前記矩形波印加電圧指令部と前記界磁電流制御部からの信号を出力するゲート駆動部とを備え、前記パワー回路用半導体スイッチング素子のアバランシェ降伏を用いてスイッチングオフ時の電圧上昇を緩和するとともに、スイッチングオフ時に前記スイッチング素子に流れている電流が略最小となるように、前記マップ記憶手段に記憶されているマップから前記各検出手段により検出したB端子電圧、回転速度ごとに前記演算手段を用いて界磁電流、位相ずらし量を変更するようにしたものである。
スイッチングオフ時のスイッチング損失は、遮断電流の影響が大きいことから駆動時はスイッチング損失が大きくなる。そこで、目標のトルクに対して界磁電流と位相ずらし量を最適化することで、目標トルクを出しつつスイッチングオフ時の遮断電流を使用範囲内で略最小にすることができ、駆動時のスイッチング素子に加わる損失低減となり温度低減につながる。
また、発熱量が低減されることでスイッチング素子の温度上昇が抑制されるため駆動時間を延長することや、同じ駆動時間でも温度上昇が低減されるため、雰囲気温度をより高温で使用可能である。
さらに、スイッチング素子自身でスイッチングオフ時のスイッチング損失を受け持つことで、コンデンサを不要に、あるいは容量を減らすことができ、コスト削減、サイズ、重量の低減につながる。
本発明に係る界磁巻線式同期発電電動機の制御装置を車輌に搭載した場合の概略構成図である。 図1に示す回転電機の回路構成図である。 図2に示す駆動制御部の詳細を示すブロック構成図である。 本発明の実施の形態1、2における位相ずらし量と駆動トルクのマップを示した図である。 本発明の実施の形態1、2における図4のマップに対する位相ずらし量とスイッチングオフ時の遮断電流の関係を示した図である。 本発明の実施の形態1、2における図4のマップに対する位相ずらし量とジュール発熱、スイッチング損失の1secあたりの時間平均の関係を示した図である。 本発明の実施の形態4における位相ずらし量とジュール発熱、スイッチング損失の1secあたりの時間平均の関係を示した図である。 本発明の実施の形態4における位相ずらし量と総発熱量の関係を示した図である。 本発明の実施の形態4における位相ずらし量と駆動トルクのマップを示した図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る回転電機の好適な実施の形態を詳細に説明する。まず、この実施の形態に係る回路遮断装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における回転電機の制御装置を車輌に搭載した場合の構成図である。
駆動源として、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関101と回転電機102を含んでいる。これらは、直接結合あるいはベルトやプーリーなどの結合手段104を介してお互いにトルクの授受可能な状態で配置されている。また、回転電機102は、蓄電池103と電気的に接続されている。この蓄電池103は、他の車両用負荷とともに共用する蓄電池でも、本回転電機102専用であっても良い。
次に回転電機102の構成図を図2に示す。図2に示す通り回転電機102は、モータ・ジェネレータ部200、電力変換部300、制御部400により構成されている。
モータ・ジェネレータ部200は、3相のY型もしくはΔ型結線された電機子巻線201と界磁巻線202により構成されている。なお、モータ・ジェネレータ部200は、3相以外の電機子巻線を用いてもよい。
電力変換部300は、いわゆる3相インバータであり、モータ・ジェネレータ部200の電機子巻線201の各相に接続された6個の電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cと、モータ・ジェネレータ部200の界磁巻線202に接続された界磁巻線電流用スイッチング素子301およびフライホイールダイオード302から構成される。また、電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304c及び界磁巻線電流用スイッチング素子301はMOSFETを使用する。また、電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cには素子温度測定用の検温ダイオードが素子上に設置されている。
制御部400は、電力変換部300の各スイッチング素子の駆動を行うゲート駆動部410と、回転電機102を駆動するときの電力変換用スイッチング素子のオン・オフを制御する駆動制御部420と、回転電機102の発電時に同期整流を行う場合の電力変換用スイッチング素子のオン・オフを制御する発電制御部430と、モータ・ジェネレータ部200の界磁巻線202に流す界磁電流を制御する界磁電流制御部440により構成されている。
ゲート駆動部410では、駆動制御部420から送られてくる各相両アーム及び界磁巻線202へのオン・オフ指令に基づいて,電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cおよび界磁巻線電流用スイッチング素子301を駆動し、モータ・ジェネレータ部200の駆動及び発電などの制御を行う構成となっている。
U相上アームスイッチング素子303a、V相上アームスイッチング素子303b、W相上アームスイッチング素子303cで上アームを、U相下アームスイッチング素子304a、V相下アームスイッチング素子304b、及びW相下アームスイッチング素子304cで下アームを構成している。
実施の形態1.
実施の形態1における駆動制御部420の構成を図3に示す。
図3に示すように、駆動制御部420は、回転電機102の回転速度を検出する回転速度検出部421と、電力の入出力端子であるB端子と基準電位との間に発生するB端子電圧を検出するB端子電圧検出部422と、界磁巻線に流れる界磁電流を検出する界磁電流検出部423を備え、これらで検出した回転速度、B端子電圧、界磁電流及びトルク指令値427とが演算手段426に入力される。また、マップ記憶手段425に記憶されている位相ずらし量や界磁電流のマップを元に演算手段426の位相ずらし量演算部426a、界磁電流指令値演算部426bにより、必要なトルクに対しスイッチング時の遮断電流が最小となる位相ずらし量と界磁電流指令値とを決める。
位相ずらし量演算部426aで算出された位相ずらし量から、作成した矩形波電圧を印加するタイミングをゲート駆動部410に送る矩形波印加電圧指令部424を備え、この指令が電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cに与えられる。また、モータ・ジェネレータ部200の界磁巻線202に流す界磁電流を制御する界磁電流制御部440により、界磁電流が演算手段426から送られてきた界磁電流指令値となるようにゲート駆動部410に信号を送る。この信号が界磁巻線電流用スイッチング素子301に与えられる。
なお、ここでの回転速度検出部421は、レゾルバ、エンコーダ、ホール素子などのセンサにより位置情報を得るものでも、誘起電圧や相電流などのように電気特性から位置情報を推測するものでも良い。
マップ記憶手段425に記憶されるマップの一例は図4の通りである。図4は、B端子電圧、回転速度について界磁電流ごとに位相ずらし量と駆動トルクを示したものであり、これがB端子電圧及び回転速度等の条件ごとにマップが用意されている。
なお、図4において白四角は界磁電流が5Aの場合、白丸は10Aの場合、白三角は20Aの場合を示している。
駆動時に電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cに加わる発熱量は、電流が流れることによるジュール発熱とスイッチングオフ時に発生するスイッチング損失があることが知られている。
スイッチング損失は、電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304c(例えばMOSFET)のアバランシェ降伏を用いてスイッチングオフ時の電圧上昇を緩和することで、素子自身でスイッチング損失を受け持つことになり、コンデンサ等の容量を低減でき、サイズ、重量、コストを低減することができる。
スイッチングオフ時に発生するスイッチング損失Eは、次の式1で示される。
Figure 0005441951
損失が印加される時間Δtは、次の式2で示される。
Figure 0005441951
各数式中の記号は、Ioffはスイッチングオフ時に遮断する遮断電流、Lはインダクタンス、Vclはスイッチング素子のアバランシェクランプ電圧、VはB端子電圧である。
スイッチング損失Eは、遮断電流Ioffによる影響が大きいことから、駆動時はスイッチング損失が大きくなる。そこで、目標のトルクに対して界磁電流と位相ずらし量を最適化することで、目標トルクを出しつつ、スイッチングオフ時の遮断電流Ioffを使用範囲内で略最小にすることができ、駆動時のスイッチング素子に加わるスイッチング損失を低減でき、温度低減につながる。
図5は、図4のマップに対する位相ずらし量とスイッチングオフ時の遮断電流の関係を示した図であり、この図からも分るように界磁電流を大きくすることによって、遮断電流を小さくすることができる。なお、図中の白四角は界磁電流が5Aの場合、白丸は10Aの場合、白三角は20Aの場合を示している。
スイッチング損失が印加される時間Δtは、諸条件にもよるが数十μsecと極短時間である。一方、印加されるスイッチング損失は、ジュール発熱に比べて条件にもよるが数十倍と大幅に大きいため、電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cは急激に温度上昇する。しかし、極短時間の損失印加であり、チップ表面しか温度上昇しておらず、すぐに周囲に熱が広がり急激に温度が低下することになる。
図4の場合について、スイッチング損失を1secあたりに発生する回転速度と極数から求められるスイッチングの回数から1secあたりのスイッチング損失の時間平均の算出結果と、ジュール発熱を示したものが図6である。この両方を足し合わせたものが電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cにかかることになるが、全体の損失に占めるスイッチング損失の1secあたりの時間平均が大きいことから、スイッチング損失を低減、すなわち遮断電流を小さくすることで全体の損失を低減できる。
なお、図6(a)は界磁電流をそれぞれ黒四角は5A、黒丸は10A、黒三角は20Aとしたときの位相ずらし量とジュール発熱との関係を示す図で、図6(b)は界磁電流をそれぞれ白四角は5A、白丸は10A、白三角は20Aとしたときの位相ずらし量とスイッチング損失の1secあたりの時間平均の関係を示す図である。
以上のように、実施の形態1によれば、位相ずらし量と駆動トルクを界磁電流ごとにマップ化することで、トルク指令値に対してスイッチングオフ時の遮断電流が最小となるように界磁電流、位相ずらし量を算出することができ、電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cに印加される損失を低減でき、発熱量を低減することができる。
また、発熱量が低減されることでスイッチング素子の温度上昇が抑制されるため、駆動時間を延長することや、同じ駆動時間でも温度上昇が低減されるため、より高温の雰囲気中で使用可能である。
さらに、電力変換用スイッチング素子の冷却に必要な冷却手段の小型軽量化が可能となり、ひいては回転電機全体の小型軽量化が可能となる。
また、スイッチング損失を素子のアバランシェ電圧を用いて素子自身で受け持つことで、コンデンサの容量の低減可能もしくは、コンデンサ無しも可能であり、全体のサイズ、重量、コスト低減につながる。
好ましくは例えば小容量のセラミックコンデンサを用いることで、全体サイズの小型化が可能である。
実施の形態2.
実施の形態1では、マップ記憶手段425のマップは、駆動トルクと位相ずらし量の関係を界磁電流ごとに設けており、演算手段426内の位相ずらし量演算部426aと界磁電流指令値演算部426bで、位相ずらし量、界磁電流指令値を決めていたが、界磁電流を最大とすることで、位相ずらし量に対する遮断電流が、他の界磁電流と比べてどの位相ずらし量でも最小となる。また、位相ずらし量を調整することで遮断電流をマップ内の最小とすることができる。
マップ記憶手段425に記憶されている図4のマップ条件では、界磁電流を最大とすることで、駆動トルクは最大出力の条件となるが、図5の通り界磁電流を最大とすることで遮断電流を最小とすることができるため、スイッチング損失を低減でき、電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cに加わる損失低減につながる。
また、スイッチング損失を低減することで、駆動中の温度上昇を低減できることから、検温ダイオードで検知可能な駆動開始前の素子温度において使用可能な温度範囲をより高く設定することや、同じ駆動開始前の素子温度でも温度上昇幅が小さくなるため寿命を延ばすことができる。
実施の形態2によれば、界磁電流を最大とすることで、他の界磁電流条件と比べると位相ずらし量が同じ場合では遮断電流を最小とできる。また、位相ずらし量を調整することで、マップの全範囲内で遮断電流を最小とすることができ、スイッチング損失を低減できるため、駆動時の電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cの温度上昇を低減できる。
実施の形態3.
モータが多相(3相以上)であり、対応する電力変換用スイッチング素子303a〜303c、304a〜304cのうち少なくとも2相のスイッチング素子でアバランシェ電圧を揃えることで、スイッチング損失を2相で受け持つことができ1相だけが集中的に温度上昇するのを防ぐことが可能である。
少なくとも2相に用いられるスイッチング素子のアバランシェ電圧が他の相よりも小さくなっており、かつ2相のアバランシェ電圧がばらついていない(例えばプラスマイナス1V)ようにすることで、駆動中に発生するスイッチング損失が2相のうちどちらかに集中せず、2相で分配することができる。
実施の形態3によれば、スイッチング損失が1相に集中するのを防ぐことで、スイッチング素子の急激な温度上昇を防ぐことが可能である。
実施の形態4.
実施の形態1では、位相ずらし量の大きさに関わらず、(ジュール発熱)<(スイッチング損失の1secあたりの時間平均)となるマップを用いていたが、図7のようにマップを部分的に(ジュール発熱)>(スイッチング損失の1secあたりの時間平均)とすることで、位相ずらし量に対するトルク変動を抑えることができる。なお、図7に示す実施例では、(ジュール発熱)>(スイッチング損失の1secあたりの時間平均)となる位相ずらし量は60〜100degとなっている。
図8は、図7における(スイッチング損失の1secあたりの時間平均)と(ジュール発熱)との合計、すなわち総発熱量を示した図で、この図8から分るように、(ジュール発熱)>(スイッチング損失の1secあたりの時間平均)となる範囲内に総発熱量が最小となる位相ずらし量が入っている。
図9は、実施の形態4における位相ずらし量と、駆動トルクの関係を示した図であり、この図9より(ジュール発熱)>(スイッチング損失の1secあたりの時間平均)となる範囲内に駆動トルクの最大を含んでおり、また、位相ずらし量に対する駆動トルクの変化が小さい領域であることが分る。
実施の形態4によれば、(ジュール発熱)>(スイッチング損失の1secあたりの時間平均)となる界磁電流、位相ずらし量を用いることで、総発熱量を抑えつつ、位相ずらし量に対するトルク変動を抑えることができる。
101 内燃機関、 102 回転電機、 103 蓄電池、 104 結合手段、 200 モータ・ジェネレータ部、 201 電機子巻線、 202 界磁巻線、 300 電力変換部、 301 界磁巻線電流用スイッチング素子、 302 フライホイールダイオード、 303a U相上アームスイッチング素子、 303b V相上アームスイッチング素子、 303c W相上アームスイッチング素子、 304a U相下アームスイッチング素子、 304b V相下アームスイッチング素子、 304c W相下アームスイッチング素子、 400 制御部、 410 ゲート駆動部、 420 駆動制御部、 421 回転速度検出部、 422 B端子電圧検出部、 423 界磁電流検出部、 424 矩形波印加電圧指令部、 425 マップ記憶手段、 426 演算手段、 426a 位相ずらし量演算部、 426b 界磁電流指令値演算部、 427 トルク指令値、 430 発電制御部、 440 界磁電流制御部。

Claims (5)

  1. パワー回路用半導体スイッチング素子を有し、電力の入出力端子であるB端子を介して蓄電池と接続されて、モータ・ジェネレータ部における電機子巻線および界磁巻線に電流を供給する電力変換部と、前記電力変換部による前記電機子巻線および界磁巻線に供給する電流を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記B端子と基準電位との間に発生するB端子電圧を検出するB端子電圧検出手段と、前記界磁巻線に流れる界磁電流を検出する界磁電流検出手段と、通電位相を制御するためのマップを記憶するマップ記憶手段と、検出した回転速度、B端子電圧、界磁電流と前記マップ記憶手段にあるマップから位相ずらし量、界磁電流指令値を決める演算手段と、前記演算手段から得られた前記界磁電流指令値になるように制御する界磁電流制御部と、前記演算手段から前記パワー回路用半導体スイッチング素子に矩形波電圧を印加するタイミングを制御する矩形波印加電圧指令部と、前記矩形波印加電圧指令部と前記界磁電流制御部からの信号を出力するゲート駆動部とを備え、前記パワー回路用半導体スイッチング素子のアバランシェ降伏を用いてスイッチングオフ時の電圧上昇を緩和するとともに、スイッチングオフ時に前記スイッチング素子に流れている電流が略最小となるように、前記マップ記憶手段に記憶されているマップから前記各検出手段により検出したB端子電圧、回転速度ごとに前記演算手段を用いて界磁電流、位相ずらし量を変更するようにしたことを特徴とする回転電機。
  2. 前記界磁巻線に流れる界磁電流が最大となるよう制御することで遮断電流を最小としてスイッチング損失を低減するようにしたことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  3. 電機子巻線が3相以上の回転電機において、対応するスイッチング素子のうち少なくとも2相のスイッチング素子のアバランシェ電圧を揃えて、スイッチング損失を少なくとも2相で受け持つようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転電機。
  4. スイッチングオフ時の損失のジュール発熱が、スイッチング損失の1secあたりの時間平均より大となるように、前記マップ記憶手段に記憶されているマップから前記演算手段により界磁電流及び位相ずらし量を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の回転電機。
  5. 前記パワー回路用半導体スイッチング素子自体でスイッチング損失を受け持つことで、スイッチングオフ時の損失を吸収するコンデンサを不要あるいは容量を小さくしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機。
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