JPH1026210A - 自走式作業機のトランスミッション - Google Patents

自走式作業機のトランスミッション

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JPH1026210A
JPH1026210A JP17766096A JP17766096A JPH1026210A JP H1026210 A JPH1026210 A JP H1026210A JP 17766096 A JP17766096 A JP 17766096A JP 17766096 A JP17766096 A JP 17766096A JP H1026210 A JPH1026210 A JP H1026210A
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JP
Japan
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shaft
transmission
case
pump
self
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Pending
Application number
JP17766096A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Okanishi
俊明 岡西
Shinya Sakakura
信也 坂倉
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Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミッションケース内にHST式変速装置を収
容して、エンジンからの動力を、PTO軸と、HST式
変速装置を介して走行装置に伝えるトランスミッション
をコンパクトに構成する。 【解決手段】 少なくとも二つのケース半部を互いに接
合することにより、その内部に伝動体収容部を形成して
なるミッションケースにおいて、前記一方のケース半部
の側壁にケース内方へ凹入した凹入部を形成すると共
に、該側壁にその凹入部を閉鎖する蓋体を取り付けて、
前記伝動体収容部内にHST収容部を形成し、GAIH
ST収容部内に、エンジン動力を受ける油圧ポンプと、
該油圧ポンプからの圧油を受けて車軸を駆動する油圧モ
ータとを収容させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミッションケース
内にHST式変速装置を収容して、エンジンからの動力
を、PTO軸と、HST式変速装置を介して車輪等の走
行装置に伝える自走式作業機、主に管理機のトランスミ
ッションの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、管理機のトランスミッションにお
いて、エンジンからの動力をHST式変速装置によって
変速して走行駆動する構成は公知となっている。例え
ば、特開平4−267801号の技術である。この技術
はミッションケースを左右半割りに構成して、その左右
のケースの間に入力軸やPTO軸や伝動軸や走行駆動軸
等を水平方向に平行に横架し、ミッションケースの外側
面にHST式変速装置を付設して、入力軸の一端に入力
プーリーを固設してエンジンからの動力を入力し、該入
力軸と同軸上にポンプ軸を配置してHST式変速装置の
油圧ポンプを駆動し、該油圧ポンプからの圧油を油圧モ
ーターに送油して、油圧モーターの出力軸の回転を走行
装置に伝えるようにし、また、入力軸から伝動装置を介
してPTO軸に動力を伝えて作業機を駆動できるように
していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のト
ランスミッションは、HST式変速装置をミッションケ
ースの側面に配置する構成となっていたために、側方へ
の出っ張りが大きくなり、ミッションケース自体が大き
くなり、該ミッションケース周辺に配置するリンクやワ
イヤー等の配置に制約が生じていた。また、HST式変
速装置を機体中心より外れた位置に配置され、ミッショ
ンケースの比較的上部に配置されるために、左右の重量
バランスが崩れ、他の機器との重量配分も考慮する必要
があった。更に、HST式変速装置がミッションケース
より露出する構成となるので、油漏れが生じることがあ
り、その周囲が汚れてしまうことにもなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。即
ち、請求項1においては、少なくとも二つのケース半部
を互いに接合することにより、その内部に伝動体収容部
を形成してなるミッションケースにおいて、前記一方の
ケース半部の側壁にケース内方へ凹入した凹入部を形成
すると共に、該側壁にその凹入部を閉鎖する蓋体を取り
付けて、前記伝動体収容部内にHST収容部を形成し、
該HST収容部内に、エンジン動力を受ける油圧ポンプ
と、該油圧ポンプからの圧油を受けて車軸を駆動する油
圧モータとを収容させた。
【0005】また請求項2においては、前記油圧ポンプ
及び油圧モータは夫々、複数のピストンを往復動自在に
収容して一対の油給排ポートを有するシリンダーブロッ
クと、ピストンの頭部が接当する斜板とを有し、各々の
シリンダーブロックは蓋体の内面に回転摺動自在に装着
されて、蓋体内の油路を通じてそれらの油給排ポートを
相互に連結する一方、前記凹入部には、各々の斜板を支
持する支持部分を備え、該支持部分より、油圧ポンプの
ポンプ軸と油圧モータのモータ軸を夫々伝動体収容部内
へ突出させてミッションケースに設けた入力軸、車軸に
夫々連動連結した。
【0006】また請求項3においては、前記一方のケー
ス半部の前記凹入部の凹入量を、その支持部分が前記一
方のケース半部の接合面を越えて他方のケース半部内に
位置するように設定した。
【0007】また請求項4においては、前記支持部分と
他方のケース半部との間のスペースに、前記入力軸の歯
車に噛み合って前記ポンプ軸と一体回転する歯車を配置
した。
【0008】また請求項5においては、ポンプ軸上の前
記歯車の外径を、入力軸上の歯車の外径よりも小さく設
定した。
【0009】また請求項6においては、前記支持部分と
他方のケース半部との間のスペースに、前記車軸に連動
連結するカウンター軸上の歯車に噛み合って、前記モー
タ軸と一体回転する歯車を配置した。
【0010】また請求項7においては、前記凹入部を、
一方のケース半部の側壁の上部側でかつ機体後方側へ偏
位した箇所に形成した。
【0011】また請求項8においては、機体左右方向に
配置された入力軸と、該入力軸と同心に配置したPTO
軸と、入力軸とPTO軸との間に構成した入切自在なク
ラッチと、入力軸と略平行なポンプ軸を有する油圧ポン
プと、該入力軸とポンプ軸とを結合する伝動手段と、ポ
ンプ軸と略平行なモータ軸を有する油圧モータと、モー
タ軸に略平行なカウンター軸と、該モータ軸とカウンタ
ー軸とを結合する伝動手段と、カウンター軸に平行な車
軸と、該カウンター軸と車軸とを結合する伝動手段と
を、ミッションケース内に有するように構成した。
【0012】また請求項9においては、前記入力軸とポ
ンプ軸とを結合する伝動手段は増速歯車列により構成し
た。
【0013】また請求項10においては、前記モータ軸
とカウンター軸とを結合する伝動手段は減速歯車列によ
り構成した。
【0014】また請求項11においては、前記カウンタ
ー軸と車軸とを結合する伝動手段はカウンター軸によっ
て駆動される小径回転体と車軸上の大径回転体と両回転
体をつなぐ無端帯とを含むように構成した。
【0015】また請求項12においては、前記ポンプ軸
の軸心とモータ軸の軸心とを、前記入力軸の軸心と車軸
の軸心とを繋ぐ仮想線に対して、機体後方側に偏位して
配置した。
【0016】また請求項13においては、前記ポンプ軸
は前記入力軸よりも上位レベルに配し、前記モータ軸は
前記ポンプ軸よりも下位レベルに配した。
【0017】また請求項14においては、少なくとも二
つのケース半部を互いに接合することによりその内部に
伝動体収容部を形成してなるミッションケースにおい
て、前記伝動体収容部内にHST収容部を形成し、HS
T収容部内に、エンジン動力を受ける油圧ポンプのポン
プ軸と、該油圧ポンプからの圧油を受けて車軸を駆動す
る油圧モータを収容し、エンジン動力を入力して前記油
圧ポンプのポンプ軸へ伝達するために、ポンプ軸に略平
行となるよう前記一方のケース半部の側壁に軸受支持さ
れた入力軸と、前記入力軸のケース内軸端部にその一端
側が軸受支持されたPTO軸であって、該PTO軸の他
端部は他方のケース半部の側壁から外方へ突出させた。
【0018】また請求項15においては、前記PTO軸
の他端側は他方のケース半部の側壁に設けた軸受に支持
させた。
【0019】また請求項16においては、前記油圧ポン
プと油圧モータとを流体接続するための油路を備えた蓋
体を一方のケース半部の側壁に貼設する一方、前記軸受
をその側壁と前記蓋体とに跨がって嵌合させた。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の解決すべき課題及び手段
は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の
一実施例を説明する。図1は本発明を採用した管理機の
左側面図、図2は同じく平面図、図3は変速レバー及び
その周辺の側面図、図4はミッションケースの左側面
図、図5は同じく右側面図、図6はミッションケースの
上部の後面断面図、図7はミッションケースの下部の後
面断面図、図8はトランスミッションのスケルトン図、
図9は図5におけるA−A矢視断面図、図10は図5に
おけるB−B矢視断面図、図11は図5におけるC−C
矢視断面図、図12は図5におけるD−D矢視断面図、
図13は図6におけるF−F矢視断面図、図14はミッ
ションケース上部の右側面破断面図、図15はセンタセ
クションの平面断面図、図16はミッションケースとセ
ンタセクションの後面断面図、図17はHST式変速装
置のケース内の油を強制循環させる実施例を示す断面
図、図18は同じく他の実施例を示す断面図である。
【0021】図1、図2より、自走式作業機の一例とし
て、ロータリ式耕耘装置Tを装着する管理機Kの全体構
成から説明する。エンジンフレーム1の前方側にエンジ
ンEが搭載され、該エンジンEの上部に燃料タンク2が
載置されている。該エンジンEの側部より動力出力軸3
を突出し、該動力出力軸3上に出力プーリー4を固設し
ている。一方、前記エンジンフレーム1の後部側にはミ
ッションケース5を支持し、該ミッションケース5の一
側壁上方位置より入力軸21が突出され、該入力軸21
に入力プーリー7が固設され、該入力プーリー7と前記
出力プーリー4の間にベルト9が巻回され、該ベルト9
をテンションプーリー10によって緊張させることでエ
ンジンEからの動力をミッションケース5内に伝えるこ
とを可能としている。このプーリーとベルトによってベ
ルトテンション式の主クラッチ装置が構成され、テンシ
ョンプーリー10を枢支するアームはワイヤーを介して
ハンドル14上に設けた主クラッチレバー15と連結さ
れ、このプーリーやベルト等は伝動ケース11内に収納
されている。
【0022】前記ミッションケース5上部より上斜め後
方に向かって、ハンドル14が突出配置され、該ハンド
ル14の後部上の右側に主クラッチレバー15や変速レ
バー13やサイドクラッチレバー8Rが配置され、左側
に作業機の駆動を「入」「切」する作業クラッチレバー
16やアクセルレバー17やサイドクラッチレバー8L
が配設されている。図3に示すように、ハンドル14の
グリッブ14aの下方にサイドクラッチレバー8L・R
を配置、グリップ14aの側方に変速レバー13を配し
ている。グリップ14aの前方に固設された変速レバー
13の支持体90にワイヤー保持部91を設け、該ワイ
ヤー保持部91より変速レバー13を上方へ突出して、
グリップ14aを握ったまま該変速レバー13の上端が
親指だけで操作できる位置にレイアウトしている。前記
ワイヤー保持部91はバネの押しつけまたはラチェット
等を用いて、変速レバー13の前後回動の所望位置で維
持できるようにし、変速レバー13の前後回動操作で、
ワイヤーを巻き取り或いは巻き戻しすることにより、後
述するHST式変速装置の可動斜板35を傾倒して、正
転または逆転方向に増減速して、機体が所望のスピード
で走行できるようにしている。
【0023】前記ミッションケース5の両側壁の下方に
左右の走行輪6を装着するための車軸23L・23Rが
横架され、該ミッションケース5の後壁側の上下中央部
にはヒッチ18を設けてロータリ耕耘装置Tの前部を固
定するようにしている。ミッションケース5の一側壁か
ら突出する前記入力軸21と反対側の側壁にはPTO軸
22が突出されている。一方、ロータリ耕耘装置Tの左
右中央の前部にチェーンケース25が配置され、該チェ
ーンケース25の上部に入力軸26が前記PTO軸22
と平行で同方向に突出され、該PTO軸22と入力軸2
6に対して伝動ケース27内のプーリー(又はスプロケ
ット)を係合して、該プーリー(又はスプロケット)よ
りベルト(またはチェーン)を介してチェーンケース2
5内に動力を伝えるようにしている。該チェーンケース
25下部には耕耘軸25aが横架され、該耕耘軸25a
上に耕耘爪19・19・・・が放射状に植設され、この
耕耘爪19・19・・・の回転軌跡上方及び上側方を耕
耘カバー20によって覆っている。
【0024】次に本発明のトランスミッションの構成を
説明する。ミッションケース5は図16に示すように、
前記車軸23L・23Rの軸心に対して、直角な平面上
で分離接合可能な、いわゆる左右半割り形の、左ケース
半部5Lと右ケース半部5Rから構成され、この二つの
左ケース半部5Lと右ケース半部5Rとを重合すること
により、後述する各種の伝動体を収容する空間部を形成
している。該右ケース半部5Rの側壁上部側にはケース
内方へ凹ませた凹入部5aが形成され、そのケース内方
に入り込んだ立壁部分を後述する斜板35・39の支持
部分5bに構成している。該凹入部5aの開放端面には
蓋体33を貼設して閉鎖し、この凹入部5aの支持部分
5bと蓋体33との間をHST収容部R1として、後述
するHST式変速装置を収納している。この凹入部5a
の支持部分5bは左ケース半部5Lと右ケース半部5R
の接合面Jの近傍に位置し、更に接合面Jよりも長さL
1だけ他側の左ケース半部5L内部に入り込む構成(図
16)とし、この凹入部5aの支持部分5bと左ケース
半部5Lの側壁内面との間隔L2は後述するポンプ軸4
0上の歯車42及びモータ軸41上の歯車43が回転自
在に収納できる間隔に設定して、両者の間隔を可及的に
狭くしている。そして、HST式変速装置ができるだけ
ケース内の左右方向中心に位置するようにHST収容部
R1内に収納され、更に、HST収容部R1を閉じる蓋
体33が側方へ突出しないようにして、ミッションケー
ス5の左右幅をできるだけ狭くし、コンパクトとなるよ
うに構成している。
【0025】そして、前記HST収容部R1を除くミッ
ションケース5内には伝動体収容部R2が形成されて、
入力軸21やカウンター軸66・67や歯車等を収容し
ている。伝動体収容部R2の一側方には図12に示すよ
うに、チェーン72を収納する部位に隣接して更に幅狭
な油溜り部R3を形成している。該油溜り部Rにおける
左右ケース半部5L・5Rの内壁面には磁性プレート3
7が接着剤等で貼設されている。該磁性プレート37
は、磁性部材がゴムや合成樹脂等の湾曲や切断容易な材
料で薄板状に成形されて、油溜り部R3の形状に合わせ
て出来るだけ吸着面積が広くなるようにカットされてお
り、本実施例では図4に示すように三角形状にカットさ
れている。この油溜り部R3はその左右幅が狭いために
油の流動速度が遅く、油中の鉄粉を磁性プレート37に
て確実に吸着して流れによって落とされないようにして
いる。
【0026】次に、動力伝達構成を説明する。図4〜図
10に示すように、前記入力軸21のケース内端に軸心
方向に軸穴を構成し、この軸穴に軸受を介して回転自在
にPTO軸22の一端が同一軸心上に位置するように遊
嵌支持されている。該入力軸21とPTO軸22とが左
右ケース半部5L・5Rの夫々の側壁に回転自在に横架
されている。該入力軸21のケース外端に入力プーリー
7が固設され、ミッションケース5内の入力軸21上に
大径歯車28を固設し、入力軸21の内端面の前記軸穴
の周囲に爪部21aを形成している。一方、前記入力軸
21の前記軸穴に挿入して回転自在に支持されたPTO
軸22上にはスプラインを形成してスライダー24を摺
動自在でかつ相対回転不能に設置している。該スライダ
ー24の端面には爪部24aを形成し、スライダー24
を摺動させることによって爪部24aが前記入力軸21
の爪部21aと噛合できるように構成して、ドッグ式の
PTOクラッチを構成している。前記PTO軸22の一
端側は入力軸21を介して左ケース半部5Lの側壁に支
持され、その他端側は右ケース半部5Rの側壁に嵌合し
た軸受22aによって支持されている。この軸受22a
は、その外輪の一部が右ケース半部5Rの側壁より外方
へ突出するようにして嵌合されており、これによって、
前記凹入部5aの壁部分の厚みを薄くしつつ、後述する
蓋体33の位置決めピンとして機能するようにしてい
る。
【0027】前記スライダー24は図9、図14に示す
ように、外周に溝部24bを形成し、該溝部24bにフ
ォーク29を嵌合し、該フォーク29はアーム30を介
してPTO操作軸31の一端に連結されている。該PT
O操作軸31は右ケース半部5Rの前壁に回転自在に支
持されて、他端を機体前方へ突出してリンクやワイヤー
等を介して前記ハンドル14に設けた作業クラッチレバ
ー16に連結している。該作業クラッチレバー16を
「クラッチ入り」位置へ回動することによりスライダー
24がPTO軸22上を摺動して、入力軸21とPTO
軸とを結合できるようにしている。前記PTO軸22の
他側は右ケース半部5Rの側壁より外方に突出し、ベル
トまたはチェーン等の伝動装置を介してチェーンケース
25内に動力を伝えてロータリ耕耘装置Tを駆動できる
ようにし、また、管理機Kに作業機を装着しないときに
は図6、図9に示すように、PTO軸22のケース外突
出部分はカバー32によって覆われる。なお、PTO軸
22と入力軸21との間には変速機構や逆転機構を設け
ることも可能である。
【0028】前記ミッションケース5内の上方後側に形
成したHST収容部内にはポンプ軸40とモーター軸4
1が配置され、夫々左ケース半部5Lと蓋体33によっ
て回転自在に平行に支持され、前記凹入部5aの支持部
分5bを貫通して該支持部分5bと左ケース半部5Lの
側壁内面との間の空間において、ポンプ軸40上には小
径の歯車42を固設し、前記入力軸21上の大径歯車2
8と噛合して増速歯車列を構成し、入力軸21を介して
エンジン回転を増速してポンプ軸40へ伝える伝動手段
としている。一方、モーター軸41上には小径の歯車4
3を固設している。
【0029】前記凹入部5a内に収納されるHST式変
速装置は油圧ポンプPと油圧モータMとを、蓋体33内
の閉回路を通じ流体接続してなり、蓋体33は右ケース
半部5Rの側壁外面に、前記凹入部5aの開口端を閉鎖
するように設置され、複数本のボルトを用いてその周縁
部分を右ケース半部5Rの側壁に締結して蓋体33の内
面を凹入部5aに臨ませている。油圧ポンプPは次のよ
うに構成されている。即ち、前記蓋体33の内面に形成
したポンプ付設面上にシリンダーブロック36を回転摺
動自在に設置し、該シリンダーブロック36内にバネで
付勢されたピストン34・34・・・を往復動自在に収
納して、シリンダーブロック36はポンプ軸40上にス
プライン嵌合されている。該ピストン34・34・・・
の頭部は可動斜板35のスラストベアリングに当接さ
れ、該可動斜板35の背面は凸円弧状に形成して、図6
に示すように、支持部分5bの立壁部内面に形成した凹
円弧面に摺動自在に案内支持して、ポンプ軸40と直角
方向の回転軸心まわりに傾転できるようにしている。
【0030】また、前記油圧モータMは次のように構成
されている。即ち、図6、図10に示すように、蓋体3
3の内面に形成したモータ付設面にシリンダーブロック
37を回転自在に設置し、該シリンダーブロック37内
にバネによって付勢されたピストン38・38・・・を
往復自在に収納して、該ピストン38・38・・・の頭
部は固定斜板39のスラストベアリングに当接され、前
記シリンダーブロック37は前記モーター軸41上にス
プライン嵌合されている。前記固定斜板39は支持部分
5bの立壁部内面に嵌合固定される。
【0031】前記可動斜板35の側面に形成した係合凹
部には、図14に示すようにコントロールアーム44よ
り突出したピンが挿入され、該コントロールアーム44
はコントロール軸45に固設され、該コントロール軸4
5は右ケース半部5Rの後壁に回転自在に支持され、こ
の後壁より外側へ突出して、変速アーム46を固設して
いる。該変速アーム46はリンクまたはワイヤー等を介
して前記変速レバー13と連結して、該変速レバー13
の前後の回動操作によって可動斜板35の角度を変更し
て油圧ポンプPの吐出量と吐出方向を変更して油圧モー
タMに無段の出力回転が得られるようにしている。
【0032】そして、蓋体33の周縁部分の一部には前
記PTO軸22へ向かって延びる延長部分33cが一体
形成され、該延長部分33cはPTO軸22を貫通突出
させるための孔33bを備えている。また、前記延長部
分33cに対向する蓋体33の周縁部分には1本の位置
決めピン33aが植設されている。そして、その孔33
bの開口端に、前記右ケース半部5Rの側壁と蓋体33
とにまたがって嵌合された軸受22aと前記位置決めピ
ン33aとで蓋体33を右ケース半部5Rの側壁外面に
取り付ける際の位置決めを施すようにしてある。前記蓋
体33の内部には図15に示すように、油圧ポンプPの
ポンプ設置面に開口したキドニーポート47・47と、
油圧モータMのモータ設置面に開口したキドニーポート
48・48の各々を互いに結合するために一対の油路5
0・51が平行に穿設され、油圧ポンプPと油圧モータ
Mとの間を流体接続するための閉回路を構成している。
つまり、油圧ポンプPから圧油を前記油路50(または
51)を介して油圧モータMへ送り、油圧モータMを駆
動した後の戻り油を油路51(または50)を介して油
圧ポンプPへ戻して循環させるようにしている。
【0033】前記蓋体33の下面には前記油路50・5
1の端部が開口してあり、それを閉鎖するようにして作
動油補給用のチェックバルブ52・53が設けられてい
る。また、油路50・51には検査用の圧力取出ポート
56・57が設けられ、油路50には予備の圧力取出ポ
ートとしての栓部材54が設けられ、油路51には、油
注入時に混入したエアを抜くための開閉弁55が設けら
れている。
【0034】前記チェックバルブ52・53のバルブケ
ース52a・53aはその外周にシール部を設け、ネジ
止めすることなく油路50・51内へ挿入するだけの構
成としている。つまり、図6に示すように、右ケース半
部5Rの蓋体33の取付部の下部に側方へ突出する突起
5cを設け、この突起5cの上面にバルブケース52a
・53aの下端面を当てている。よって、バルブケース
52a・53aは油路50・51内の圧力を受けても蓋
体33より下方へ抜け出ることがなく、ネジ部を形成す
る必要がなく、構成を簡単として加工及び組立工数を削
減してコスト低減化を図っている。図15に示すよう
に、該チェックバルブ52・53の入力ポートは互いに
連通孔33aによって連通し、該連通孔33aには更に
吸入口33bと連通している。該吸入口33bは図11
に示すように、油フィルター56の内部と連通され、閉
回路内の作動油が減少した場合に、低圧側のチェックバ
ルブ52又は53が負圧で開いて凹入部5a内の油を油
フィルター56でろ過し、閉回路内へ補給する自給型と
している。前記油フィルター56は凹入部5aの内部下
方の油溜まりに配置され、凹入部5aの内壁面と蓋体3
3との間に挟まれて固定されている。
【0035】そして、前記凹入部5aと蓋体33で囲ま
れたHST収容部R1とミッションケース5内の伝動体
収容部R2には同じ油を使用して互いに流通できるよう
に、図14に示すように、凹入部5aの側壁の上部と下
部にそれぞれ油孔5c・5dが開口されている。また、
57は、ミッションケース5内に所定量の油が充填した
かをみるために設けた検油口を閉じる栓である。そし
て、ミッションケース5内に動力が伝達されHST式変
速装置等が稼働されて油温が上昇するとミッションケー
ス5内の油は膨張するので、ミッションケース5の後部
上にリザーブタンク59を設け、該リザーブタンク59
内とミッションケース5内をパイピング60によって連
通している。L0はHST式変速装置の稼働前の液面を
示し、L0’は膨張時の液面を示している。該リザーブ
タンク59の上部にはブリーザ機構付の注油栓49が設
けられている。
【0036】また、HST収容部R1内は特に油温が高
くなり自然の油流通だけでは循環量が少なく油温が上が
り易いので、強制的に循環できるようにするのが好まし
い。。即ち、その第一の実施例として図17に示す如
く、凹入部5aの支持部分5bを貫通するポンプ軸40
の外周面には螺旋溝(またはスパイラ)40aを設けて
いる。従って、ポンプ軸40を回転させると、その回転
に伴ない螺旋溝40に沿って油が誘導されて、矢印の如
く油がHST収容部R1外へ出てミッションケース5内
に流れるようにしている。また、他の実施例として、図
18に示すように、凹入部5aの支持部分5bを貫通す
るポンプ軸40上に円板体61を固定し、その貫通孔部
分を押さえ板62によって閉じるようにして円板体61
を押さえ、支持部分5bの肉厚部内に吐出孔5eを円板
体61に向かって開口する一方、吸込孔5fを開口して
設けている。これにより、ポンプ軸40を回転させるこ
とで、円板体61が回転され、その円板体61の外周に
作用する遠心力によって吸込孔5fから吸い込まれた油
が矢印の如くHST収容部R1外へ出るようにしてい
る。このように遠心ポンプ作用により強制的に油を循環
するようにしている。
【0037】前記凹入部5aの支持部分5bと左ケース
半部5Lの側壁内面との間に位置するモーター軸41上
に前記小径の歯車43が設けられ、左ケース半部5Lの
側壁から外方へ延伸したモーター軸41の軸端にはブレ
ーキドラム63が固設され、該ブレーキドラム63はカ
バー64によって覆われている。該カバー64にはブレ
ーキアーム65が取り付けられており、ハンドル14等
に設けた図示しない駐車レバーを回動操作することによ
って制動可能な駐車ブレーキを構成している。
【0038】また、ミッションケース5内において、図
4にも示すように、入力軸21の軸心と車軸23L・2
3Rの軸心とを結ぶ仮想線P−Pよりも機体後方側に向
かって順にポンプ軸40とモータ軸41とを配置してあ
る。管理機Kは、前述したようにミッションケース5の
前方にはエンジンEと燃料タンク2が、上方にはハンド
ル4が、左右両側方には伝動ケース11・27が配設さ
れ、その後方のみに比較的に余裕な空間部が残されてお
り、この空間部に向かうようにミッションケース5の後
部を膨らませて、この内部にHST式変速装置を内装す
ることにより、ミッションケース5の幅狭化を実現させ
ている。
【0039】そして更に、ミッションケース5内におい
てポンプ軸40は、入力軸の軸心を含む平面よりも上位
レベルに配し、また、モータ軸41は、入力軸21の軸
心を含む平面よりも下位レベル、言い換えれば、ポンプ
軸よりも下位レベルに配している。よって、この入力軸
21とポンプ軸40とモータ軸41とは、ポンプ軸40
の軸心を頂点として入力軸21の軸心とモータ軸41の
軸心とを結ぶと三角形を成すような配列にしてある。こ
れにより、ミッションケース5の後部に設ける膨らみの
程度を可及的に小さくでき、ミッションケース5の後方
のロータリ耕耘装置Tとの間隔を適正に保って機体の全
長を小さくすることができる。また、ミッションケース
5とロータリ耕耘装置Tとの間に空間部が広がり、ここ
に前記リザーブタンク59を配設している。
【0040】また、ミッションケース5内には前記モー
タ軸41に連動連結する第1カウンター軸66を設けて
あり、該第1カウンター軸66は、前記仮想線P−Pか
ら最も離れた位置にあるモータ軸41に対し仮想線P−
Pに近づく側で、モータ軸41と平行で、かつ、入力軸
21の軸心を含む平面よりも下位レベルに配している。
そして、この第1カウンター軸66と前記車軸23L・
23Rとの間に第2カウンター軸67を設けて、互いに
平行させて連動連結してある。このように、入力軸21
(PTO軸22)に対してミッションケース5内の全て
の軸を互いに平行に配していると、ミッションケースに
設ける軸受構成を、左右ケース半部5L・5Rのケース
型成形時に同時にその各々の側壁に構成することがで
き、軸受加工を簡単にすることができる。
【0041】この第2カウンター軸67は前記仮想線P
−Pより機体前方側で、入力軸21の軸心を含む平面よ
りも下位レベルで、かつ、第1カウンター軸66と略等
レベル上に配置している。これにより、第2カウンター
軸67と車軸23L・23Rに装着する走行輪の外形を
避けたミッションケースの上部位置に歯車伝動部を集中
して構成することができると共に、ミッションケース5
を上下方向に沿って細長く形成することができ、この上
下方向の中間部において、その前部を前記エンジンフレ
ーム1の後端1aの設置部に利用でき、その後部をヒッ
チ18の設置部に利用できる。
【0042】図6、図10、図14に示すように、第一
カウンター軸66上には大径の歯車68と小径の歯車6
9が設けられて、該歯車68は前記モーター軸41上の
歯車43と噛合して、減速歯車列を構成してモータ軸4
1と第1カウンター軸66とを結合する伝動手段として
いる。前記第一カウンター軸66上の歯車69は第二カ
ウンター軸67上に設けた歯車70と噛合し、モーター
軸41からの動力を減速して第二カウンター軸67に動
力を伝えている。
【0043】そして、第二カウンター軸67から前記ミ
ッションケース5下部に横架した車軸23L・23Rへ
動力を伝達する伝動手段として無端帯が用いられ、該無
端帯としてはベルトまたはチェーンが利用され、本実施
例ではチェーンを用いた伝動構成としている。即ち、前
記第二カウンター軸67上にはスプロケット71が固定
され、一方、車軸23L・23Rは図7に示すように、
各々の内端の突き合わせ部はピン74によって回転自在
に支持され、該ピン74上にスプロケット73が回転自
在に支持されている。該スプロケット73と前記スプロ
ケット71の間にチェーン72が巻回されて、動力を伝
達できるようにしている。なお、第2カウンター軸67
と車軸23L・23Rとを結合する伝動手段は、第2カ
ウンター軸67、及び、車軸23L・23R上のスプロ
ケット71・73、並びにチェーン72に代えて、第2
カウンター軸67、車軸23L・23R上にベベルピニ
オンを設置し、両ベベルピニオン間を、その両端に傘歯
車を固着した伝動軸にて連動連結するように構成しても
良い。この場合には、他の軸に対して直角な向きになる
前記伝動軸は、例えば、左右ケース半部5L・5Rの接
合面Jにその軸受部を構成して支持させれば良い。
【0044】また、前記車軸23L・23Rとスプロケ
ット73の間には図7に示すように、ボールクラッチ式
のサイドクラッチ75L・75Rが構成され、該サイド
クラッチ75L・75Rはミッションケース5内に設け
たアーム76L・76Rを回動することにより断・接操
作することができ、該アーム76L・76Rはリンク7
7L・77Rを介して図7、図14に示すように、アー
ム78L・78Rに枢結され、該アーム78L・78R
は左右ケース半部5L・5Rの側壁に回動自在に枢支し
た枢支軸79L・79Rのケース内端に固設され、ケー
ス外端の枢支軸79L・79Rにはアーム80L・80
Rが固設され、該アーム80L・80Rにはワイヤー等
を介して前記ハンドル14に設けたサイドクラッチレバ
ー8L・8Rと連結されている。アーム80L・80R
はバネ81・81によって「接」方向に付勢されてい
る。なお、サイドクラッチ75L・75Rは湿式多板式
や乾式多板式に構成することもできるし、ガイドクラッ
チ75L・75Rに代えてデフ装置を用いてもよい。
【0045】このような構成において、エンジンEから
の動力は、出力軸3より出力プーリー4、ベルト9、入
力プーリー7を介して入力軸21に動力が伝えられて、
HST式変速装置が駆動される。そして、作業クラッチ
レバー16を「クラッチ入り」位置へ回動操作すると、
入力軸21の爪部がスライダー24の爪部24aと噛合
してPTO軸22にも動力が伝えられ、チェーンケース
25内の伝動装置に伝えられて、耕耘軸25aを駆動し
て耕耘爪19を回転させることができる。
【0046】一方、入力軸21の回転は大径の歯車28
よりポンプ軸40上の小径の歯車42に伝えられて油圧
ポンプPを増速して駆動し、ハンドル14の変速レバー
13を回動操作して可動斜板35を傾倒させることで、
油圧ポンプPの油吐出量が変更され、油圧モータMのモ
ータ軸41の回転数を無段に変更する。ここで、HS式
変速装置のシリンダブロック36・37の回転摺動面
や、ピストン34・38とシリンダブロック36・37
との摺動面にできた隙間からは必ず油が漏れてHST式
変速装置の容積効率を低下させるのであるが、入力軸2
1の回転に対してポンプ軸40の回転を増速させること
により油圧ポンプPの吐出油量が全体的にアップし、閉
回路内は、前述の油漏れが起きても常にそれを上回る油
量が循環することになりHST式変速装置を、容積効率
が高められた状態で稼働させることができる。また、油
圧ポンプPを増速駆動することは該油圧ポンプの容量の
小型化につながり、更に、モータ軸41以降から車軸2
3L・23Rに至る減速比を大きくしても最高速走行状
態が得られるのでモータ軸41に作用する軸トルクは小
さくなり、閉回路内の設定最高圧力も低く抑えることが
できるので油圧モータMの小型化にも寄与する。
【0047】このようにHST式変速装置によって無段
に変速された回転を、小径の歯車43より第一カウンタ
ー軸66上の大径の歯車68に伝えて減速し、更に、第
一カウンター軸66上の小径の歯車69から第二カウン
ター軸67上の大径の歯車70に伝えて減速し、その大
なる減速回転が、スプロケット71、チェーン72、ス
プロケット73及びサイドクラッチ75L・75Rを介
して車軸23に伝連されて走行輪6を駆動する。
【0048】なお、本実施例では、油圧ポンプPの容量
と油圧モータMの容量とは略等しく設定してあり、車軸
の回転数を所定値に減速させるために、モーター軸41
と第一カウンター軸66と第二カウンター軸67との間
に夫々減速歯車列を設けて減速し、更にスプロケット7
1・73とチェーン72によって減速する構成としてい
るが、油圧モータMの容積を油圧ポンプPの容積よりも
大きく設定しておくことで油圧的な減速を得ることがで
きる、第二カウンター軸67及び第一・第二カウンター
軸66・67間の減速歯車列69・70をなくすことが
可能となる。その場合は小径のスプロケット71を第一
カウンター軸66上に固着すればよい。また、第一・第
二カウンター軸66・67間にはギア式の副変速装置を
設けることも可能である。
【0049】
【発明の効果】本発明は、以上の如く構成したことによ
り、次のような効果が得られる。即ち、二つのケース半
部を重合したミッションケースの一方のケース半部の側
壁に、凹入部を形成してミッションケース内にHST収
容部を形成し、該HST収容部内にHST式変速装置を
収容したので、HST式変速装置が側方へ出っ張ること
がなくなり、ミッションケース周辺に配置するリンクや
ワイヤー等の配置が容易に行え、他の部品と干渉するこ
ともなくなり、ミッションケース全体を幅狭でコンパク
トな構成とできる。また、HST式変速装置が機体の略
中心位置に配置されるために、左右の重量バランスが向
上し、安定した走行や作業が行えるようになる。更に、
HST式変速装置がミッションケース内に収容されるの
で、油漏れが生じることがなく、その周囲を汚すことも
ない。
【0050】また、HST式変速装置を構成する油圧ポ
ンプ及び油圧モータをアキシャルピストンタイプとして
夫々のシリンダーブロックを蓋体の内面に回転摺動自在
に装着して、蓋体内の油路を通じてそれらの油給排ポー
トを相互に連結したので、蓋体がHST式変速装置の油
路板に兼用することができる。油圧ポンプ及び油圧モー
タの各々の斜板をケース内方の凹入部の支持部分に支持
したので、斜板を支持するための別部品を必要とせず、
一方のケース半部の製作時の凹入部成形時に同時形成す
ることができて加工及び組立の点でコスト低減化が図れ
る。そして、油圧ポンプのポンプ軸と油圧モータのモー
タ軸を夫々凹入部から伝動体収容部内へ突出させて入力
軸、車軸に夫々連動連結したので、HST式変速装置
が、歯車等を収納する伝動体収容部から分離して、ゴミ
や鉄粉等の異物がHST収容部内に入ることを防止でき
る。
【0051】また、一方のケース半部の凹入部の凹入量
を、斜板を支持する部分が前記一方のケース半部の接合
面を越えて他方のケース半部内に突入するように設定す
ると、凹入部を大きく構成することができ、HST式変
速装置を外側へ突出することなく幅狭のミッションケー
ス内に合理的に収容できる。
【0052】また、支持部分と他方のケース半部との間
のスペースに、前記入力軸の歯車に噛み合って前記ポン
プ軸と一体回転する歯車、及び、車軸に連動連結するカ
ウンター軸上の歯車に噛み合って、前記モータ軸と一体
回転する歯車を配置すると、支持部分と他方のケース半
部との間を一列の歯車列を収納するだけの幅狭の空間に
形成できる。
【0053】また、ポンプ軸上の前記歯車の径を、入力
軸上の歯車の径よりも小さく設定すると、ポンプ軸を増
速して回転させることができ、これにより油圧ポンプの
吐出量が増大して、油圧ポンプと油圧モータとの間を流
体接続する閉回路内が常に作動油で満たされ、HST式
変速装置を高効率の状態で移動させる。また、油圧ポン
プ、油圧モータを小型化することができる。
【0054】また、凹入部を、一方のケース半部の側壁
の上部側でかつ機体後方側へ偏位した箇所に形成する
と、自走作業機のレイアウト上、ミッションケース後方
のみに比較的に余裕ある空間部が残されており、この空
間部に向かうようにミッションケースの後部を膨らませ
て、この内部にHST式変速装置を内装することがで
き、HST式変速装置を内装しつつミッションケースの
幅狭化を実現させている。また、HST式変速装置の操
作軸を後方に配置することができて、後方に位置するハ
ンドルに近づき、ハンドル上の変速レバーとの連係を容
易に行うことができる。
【0055】また、前記ポンプ軸を前記入力軸よりも上
位レベルに配し、前記モータ軸を前記ポンプ軸よりも下
位レベルに配することにより、この入力軸とポンプ軸と
モータ軸とは、ポンプ軸の軸心を頂点として入力軸の軸
心とモータ軸の軸心とを結んで三角形を成すレイアウト
にでき、ミッションケースの後部に設ける膨らみの程度
を可及的に小さくすることができる。
【0056】機体左右方向に配置された入力軸と、該入
力軸と同心に配置したPTO軸と、入力軸とPTO軸と
の間に構成した入切自在なクラッチと、入力軸と略平行
なポンプ軸を有する油圧ポンプと、該入力軸とポンプ軸
とを結合する伝動手段と、ポンプ軸と略平行なモータ軸
を有する油圧モータと、モータ軸に略平行なカウンター
軸と、該モータ軸とカウンター軸とを結合する伝動手段
と、カウンター軸に平行な車軸と、該カウンター軸と車
軸とを結合する伝動手段とを、ミッションケース内に設
けたので、入力軸とPTO軸が同心上に配置されて、そ
の間に簡単にPTOクラッチを設けて、コンパクトな構
成とすることができる。そして、入力軸、ポンプ軸、モ
ーター軸、カウンター軸及び車軸がミッションケース内
に互いに平行に配置されているので、ミッションケース
に設ける軸受構成を、左右ケース半部5L・5Rの各々
の側壁においてケース型成形時に同時加工により構成す
ることができ、ケースの軸受加工を簡単にすることがで
きる。
【0057】また、カウンター軸と車軸とを結合する伝
動手段が、カウンター軸によって駆動される小径回転体
と車軸上の大回転体と、両回転体をつなぐ無端帯を含ん
でいると、簡単な構成でカウンター軸と車軸との間を大
きく離すことができ、ミッションケースの上部の、車軸
に装着する走行輪の外形を避けた位置に歯車伝動部を集
中して構成することができると共に、ミッションケース
を上下方向に沿って細長く形成することができ、この上
下方向の中間後部を機体構成部品の設置場所として利用
できる。
【0058】また、凹入部に収納したHST式変速装置
のポンプ軸へエンジン動力を伝達するために、ポンプ軸
に略平行となるよう前記一方のケース半部の側壁に軸受
支持された入力軸に対して、前記入力軸のケース内軸端
部にその一端側が軸受支持してPTO軸を設けるとPT
O軸クラッチが簡単に構成でき、他方のケース半部の側
壁から外方へ突出した前記PTO軸の他端側は他方のケ
ース半部の側壁に設けた軸受によって支持してもよく、
また、前記油圧ポンプと油圧モータとを流体接続するた
めの油路を備えた蓋体を一方のケース半部の側壁に貼設
する一方、前記軸受けをその側壁と前記蓋体とにまたが
って嵌合させたことにより、この軸受が蓋体を一方のケ
ース半部の側壁に取り付ける際の位置決めピンとして機
能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を採用した管理機の左側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】変速レバー及びその周辺の側面図である。
【図4】ミッションケースの左側面図である。
【図5】同じく右側面図である。
【図6】ミッションケースの上部の後面断面図である。
【図7】ミッションケースの下部の後面断面図である。
【図8】トランスミッションのスケルトン図である。
【図9】図5におけるA−A矢視断面図である。
【図10】図5におけるB−B矢視断面図である。
【図11】図5におけるC−C矢視断面図である。
【図12】図5におけるD−D矢視断面図である。
【図13】図6におけるF−F矢視断面図である。
【図14】ミッションケース上部の右側面破断面図であ
る。
【図15】センタセクションの平面断面図である。
【図16】ミッションケースとセンタセクションの後面
断面図である。
【図17】HST式変速装置のケース内の油を強制循環
させる実施例を示す断面図である。
【図18】同じく他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
K 管理機 R ロータリ耕耘装置 E エンジン P 油圧ポンプ M 油圧モーター R1 HST収容部 R2 伝動体収容部 5 ミッションケース 5L 左ケース半部 5R 右ケース半部 5a 凹入部 21 入力軸 22 PTO軸 23L・23R 車軸 33 蓋体 66 第一カウンター軸 67 第二カウンター軸 28・42・43・68・69・70 歯車 72 チェーン

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二つのケース半部を互いに接
    合することにより、その内部に伝動体収容部を形成して
    なるミッションケースにおいて、前記一方のケース半部
    の側壁にケース内方へ凹入した凹入部を形成すると共
    に、該側壁にその凹入部を閉鎖する蓋体を取り付けて、
    前記伝動体収容部内にHST収容部を形成し、該HST
    収容部内に、エンジン動力を受ける油圧ポンプと、該油
    圧ポンプからの圧油を受けて車軸を駆動する油圧モータ
    とを収容させたことを特徴とする自走式作業機のトラン
    スミッション。
  2. 【請求項2】 前記油圧ポンプ及び油圧モータは夫々、
    複数のピストンを往復動自在に収容して一対の油給排ポ
    ートを有するシリンダーブロックと、ピストンの頭部が
    接当する斜板とを有し、各々のシリンダーブロックは蓋
    体の内面に回転摺動自在に装着されて、蓋体内の油路を
    通じてそれらの油給排ポートを相互に連結する一方、前
    記凹入部には、各々の斜板を支持する支持部分を備え、
    該支持部分より、油圧ポンプのポンプ軸と油圧モータの
    モータ軸を夫々伝動体収容部内へ突出させてミッション
    ケースに設けた入力軸、車軸に夫々連動連結したことを
    特徴とする請求項1記載の自走式作業機のトランスミッ
    ション。
  3. 【請求項3】 前記一方のケース半部の前記凹入部の凹
    入量を、その支持部分が前記一方のケース半部の接合面
    を越えて他方のケース半部内に位置するように設定して
    あることを特徴とする請求項2記載の自走式作業機のト
    ランスミッション。
  4. 【請求項4】 前記支持部分と他方のケース半部との間
    のスペースに、前記入力軸の歯車に噛み合って前記ポン
    プ軸と一体回転する歯車を配置したことを特徴とする請
    求項2または請求項3記載の自走式作業機のトランスミ
    ッション。
  5. 【請求項5】 ポンプ軸上の前記歯車の外径を、入力軸
    上の歯車の外径よりも小さく設定してあることを特徴と
    する請求項4に記載の自走式作業機のトランスミッショ
    ン。
  6. 【請求項6】 前記支持部分と他方のケース半部との間
    のスペースに、前記車軸に連動連結するカウンター軸上
    の歯車に噛み合って、前記モータ軸と一体回転する歯車
    を配置したことを特徴とする請求項2または請求項3記
    載の自走式作業機のトランスミッション。
  7. 【請求項7】 前記凹入部を、一方のケース半部の側壁
    の上部側でかつ機体後方側へ偏位した箇所に形成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の自走式作業機のトラン
    スミッション。
  8. 【請求項8】 機体左右方向に配置された入力軸と、該
    入力軸と同心に配置したPTO軸と、入力軸とPTO軸
    との間に構成した入切自在なクラッチと、入力軸と略平
    行なポンプ軸を有する油圧ポンプと、該入力軸とポンプ
    軸とを結合する伝動手段と、ポンプ軸と略平行なモータ
    軸を有する油圧モータと、モータ軸に略平行なカウンタ
    ー軸と、該モータ軸とカウンター軸とを結合する伝動手
    段と、カウンター軸に平行な車軸と、該カウンター軸と
    車軸とを結合する伝動手段とを、ミッションケース内に
    有する自走式作業機のトランスミッション。
  9. 【請求項9】 前記入力軸とポンプ軸とを結合する伝動
    手段は増速歯車列により構成したことを特徴とする請求
    項8に記載の自走式作業機のトランスミッション。
  10. 【請求項10】 前記モータ軸とカウンター軸とを結合
    する伝動手段は減速歯車列により構成したことを特徴と
    する請求項8に記載の自走式作業機のトランスミッショ
    ン。
  11. 【請求項11】 前記カウンター軸と車軸とを結合する
    伝動手段はカウンター軸によって駆動される小径回転体
    と車軸上の大径回転体と両回転体をつなぐ無端帯とを含
    むことを特徴とする請求項8に記載の自走式作業機のト
    ランスミッション。
  12. 【請求項12】 前記ポンプ軸の軸心とモータ軸の軸心
    とを、前記入力軸の軸心と車軸の軸心とを繋ぐ仮想線に
    対して、機体後方側に偏位して配置したことを特徴とす
    る請求項8に記載の自走式作業機のトランスミッショ
    ン。
  13. 【請求項13】 前記ポンプ軸は前記入力軸よりも上位
    レベルに配し、前記モータ軸は前記ポンプ軸よりも下位
    レベルに配してあることを特徴とする請求項12記載の
    自走式作業機のトランスミッション。
  14. 【請求項14】 少なくとも二つのケース半部を互いに
    接合することによりその内部に伝動体収容部を形成して
    なるミッションケースにおいて、前記伝動体収容部内に
    HST収容部を形成し、HST収容部内に、エンジン動
    力を受ける油圧ポンプのポンプ軸と、該油圧ポンプから
    の圧油を受けて車軸を駆動する油圧モータを収容し、エ
    ンジン動力を入力して前記油圧ポンプのポンプ軸へ伝達
    するために、ポンプ軸に略平行となるよう前記一方のケ
    ース半部の側壁に軸受支持された入力軸と、前記入力軸
    のケース内軸端部にその一端側が軸受支持されたPTO
    軸であって、該PTO軸の他端部は他方のケース半部の
    側壁から外方へ突出していることを特徴とする自走式作
    業機のトランスミッション。
  15. 【請求項15】 前記PTO軸の他端側は他方のケース
    半部の側壁に設けた軸受に支持されていることを特徴と
    する請求項14に記載の自走式作業機のトランスミッシ
    ョン。
  16. 【請求項16】 前記油圧ポンプと油圧モータとを流体
    接続するための油路を備えた蓋体を一方のケース半部の
    側壁に貼設する一方、前記軸受をその側壁と前記蓋体と
    に跨がって嵌合させてあることを特徴とする請求項15
    に記載の自走式作業機のトランスミッション。
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