JPH10261402A - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents
非水電解質二次電池およびその製造方法Info
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Abstract
クル特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 負極活物質担持体としての炭素質材料と
バインダー樹脂を含む負極合剤層を備える負極、正極活
物質とバインダー樹脂を含む正極、および非水電解質と
を具備する非水電解質二次電池において、負極、正極の
少なくとも一方におけるバインダー樹脂層が微細孔を有
する非水電解質二次電池。
Description
性に優れた非水電解質二次電池に関する。更に詳しく
は、炭素材料とバインダー樹脂からなる負極合剤層を備
える負極、正極および非水電解質とからなる非水電解質
二次電池に関し、特に電極集電体の製造方法に関するも
のである。
り、電子機器は小型、軽量化の方向に進み、それに伴っ
て電池も小型、軽量化、更に高エネルギー密度のものが
求められている。
池、ニッケル・カドミウム電池等の水溶液系の電池が主
流であった。これらの電池はサイクル特性は優れている
が、電池重量やエネルギー密度の点では十分満足できる
ものではなかった。
に替わる二次電池として、リチウムやリチウム合金を負
極に用いた非水電解液二次電池の研究開発が盛んに行わ
れている。この電池は高エネルギー密度を有し、自己放
電も少なく、軽量であるという特徴を有している。しか
し、この電池では充放電サイクルの進行に伴い、負極に
おいて充電時にリチウムがデンドライト状に結晶成長し
て、この結晶が正極に到達して内部短絡にいたる可能性
が高いという欠点があり、実用化への大きな障害となっ
ていた。
ての炭素材料を使用した非水電解液二次電池によれば、
化学的、物理的方法によって予め負極の炭素材料に担持
させたリチウム及び正極活物質の結晶構造中に含有させ
たリチウム及び電解液中に溶解したリチウムのそれぞれ
が、充放電時に負極において炭素層間にドープされ且つ
炭素層間から脱ドープされる。このため、充放電サイク
ルが進行しても充電時に負極におけるデンドライト状の
結晶の析出はみられずに内部短絡を起こしにくく、良好
な充放電サイクル特性を示す。また、エネルギー密度も
高くかつ軽量であることから、実用化に向けて開発が進
んでいる。
ては、ビデオカメラやラップトップパソコン等が挙げら
れる。このような電子機器は比較的消費電流が大きいた
め、電池は重負荷に耐えられることが必要である。
帯状の負極とを帯状のセパレータを介してその長さ方向
に巻回することによって構成される渦巻状の巻回電極体
構造が有効である。この巻回電極体構造の電池によれ
ば、電極面積が大きく取れるために重負荷による使用に
も耐えることができる。
きくし且つ活物質または活物質担持体を限られた空間内
にできるだけ多く充電するために、電極を薄くすること
が望ましい。そのため帯状の電極の製造方法としては、
従来バインダーと活物質または活物質担持体を含むペー
ストを集電体に塗布、乾燥する方法が行われてきた。こ
の方法によれば、帯状の電極における電極合剤層の厚み
は数ミクロンから数百ミクロン程度にすることが可能と
なるからである。
ンドメタルや穴が多数形成されているパンチングメタル
がよく使用されていたが、これらの電極集電体は重負荷
特性を得るために電極を薄くするには不向きである。し
たがって、電極集電体としては金属箔を用い、かつこの
金属箔はできるだけ薄い方が好ましい。
電池の電極の製造は、有機ポリマーからなるバインダー
と正極又は負極活物質とからなるペーストを集電体とし
ての金属箔に塗布、乾燥して正極又は負極合剤層を形成
していた。このために緻密な構造のバインダーに活物質
が覆われ、Liイオンの電極間の移動が妨げられ,電池
容量が低下する問題点を有していた。特に、バインダー
量が多くなるとこの傾向は著しい。また、硬いバインダ
ー樹脂が緻密な構造の層を形成するために、巻回作業時
に割れたり、剥離するという問題があった。
スト化や塗布の作業性に優れ、正極及び負極合剤層にク
ラックや剥離が生じないで、かつLiイオンの電極間の
移動が容易で放電容量が大きく、サイクル特性に優れた
非水電解質二次電池を提供することである。
た結果、負極活物質端持体としての炭素材料とバインダ
ー樹脂とを少なくとも含む負極合剤層を備える負極、正
極活物質とバインダー樹脂を含む正極、および非水電解
質とを具備する非水電解質二次電池において、負極、正
極の少なくとも一方におけるバインダー樹脂層に微細孔
を形成させることにより本発明の目的を達成できること
を見出し、本発明に到達した。
制限されないが、有機溶剤に溶解して、エチレンカーボ
ネートやプロピレンカーボネートなどの電解液に耐え、
好ましくは、フィルムにしたときの破断伸度が50%以
上のものがよい。
や凝固浴にも制限はないが,工業的には水を凝固浴に用
いるのが有利であるから、バインダー樹脂の溶剤はバイ
ンダー樹脂によっても異なるが、水に溶解する有機溶
剤、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコールなどの低級アルキルアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトンなどの低級アルキルケトン
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等の
エーテル類、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾ
リジノン等のアミド類、ジメチルスルホキサイド、スル
ホラン等のイオウ系溶剤などが挙げられるが、バインダ
ー樹脂及び水に対する溶解性、取扱い作業性などの点か
らジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドやN−
メチル−2−ピロリドンといったアミド系溶剤が好まし
い。
ことができ、更に溶解性,凝固性をよくするために上記
以外の炭化水素類等を併用することもできる。
明する。
つである。全芳香族ポリイミドは、通常溶剤に溶解しな
いためにその前駆体であるポリアミド酸の状態で使用さ
れるが、本発明の凝固浴に水を用いる場合はポリアミド
酸が分解されるので好ましくなく、予め閉環されたもの
が好ましく,そのためには、アルキレングリコールビス
アンヒドロトリメリテートのような芳香族の一部に脂肪
族基を導入したものや、ジフェニルスルホンテトラカル
ボン酸無水物、2、2’−ビス(4−アミノフェニル)
ヘキサフルオロプロパンのような極性基を導入し,閉環
後も溶剤に溶解するような構造のポリイミドが好まし
い。また、LARC−TPI(三井東圧社製)やウルテ
ム(GE社製)等も本発明のバインダーとして用いるこ
とができる。
−ピロリドンやジメチルホルムアミドのような水に混和
する有機溶剤に溶解し、耐薬品性に優れ、強靱な塗膜を
形成するため本発明のバインダー樹脂として好ましい。
ただし、従来の芳香族ポリアミドイミドは硬いために巻
回時にクラックが入りやすいのでアジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸、シクロヘキサンジカルボン酸やエチ
レンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロン
ジアミン等の脂肪族及び脂環族の酸成分及びアミン成分
が一部共重合されているものが好ましい。
として好適である。特に非晶性で溶解性と耐薬品性をバ
ランスさせたものがよく、例えばアジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸とエチレン
ジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン等の脂肪族ジアミン、ジアミノジフェニルエーテル、
ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン、イソホ
ロンジアミン、ジアミノジシクロヘキシルメタン等の脂
環族ジアミンまたはそれらのジイソシアネートを適宜共
重合したものが好ましい。
晶性で、溶剤溶解性に優れた共重合ポリエステルが特に
好ましい。
電池の電極バインダーとして用いられており、具体的に
はポリフッ化ビニリデンが挙げられる。
チルアクリレート、ブチルアクリレート等が共重合さ
れ、必要であれば、耐電解液性を向上させるためにグリ
シジルメタクリレートやアクリル酸、ヒドロキシエチル
メタクリレート、N−メチロールアクリルアミドのよう
な架橋性成分が共重合されていてもかまわない。
を含むゴム系樹脂は、柔軟で好ましい材料である。耐電
解液性を改良するためにアクリロニトリルやスチレンを
共重合したり、グリシジルメタクリレートのような架橋
性モノマーを共重合したり、イオウ、過酸化物等を加え
て架橋させるのがより好ましい。
ン系のゴム状樹脂も柔軟で、耐電解液性にも優れ、好ま
しい樹脂に挙げられる。
等の水混和性溶剤に溶解し、柔軟な皮膜を形成するた
め、本発明のバインダーとして好適である。特にポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコールやポリテ
トラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール
とジフェニルメタンジイソシアネートから合成される弾
性繊維用或いは熱成型用のポリウレタンは好ましい。
ニチカ社製)やエルメック(鐘淵化学社製)等が挙げら
れる。
場合、活物質担持体としての炭素材料と上記バインダー
樹脂との混合割合は97:3〜80:20の範囲が好ま
しい。炭素材料が97重量%より多いと電極集電体を巻
回するときに負極合剤層が割れたり、剥離し易くなり、
また80重量%より少ないと充放電特性が低下して好ま
しくない。
素材料としてはピッチコークス、ニードルコークス等の
コークス類、ポリマー類、カーボンファイバー、黒鉛材
料などを挙げることができる。
700〜1500℃程度で焼成することで炭素化して製
造することができる。
ン樹脂などのポリマーが用いられるが、炭素化する際
に、リン化合物やホウ素化合物を添加することによっ
て、リチウムに対するドープ量の大きい炭素材料を得る
ことができて好ましい。
二酸化マンガンや五酸化バナジウムのような遷移金属酸
化物、硫化鉄や硫化チタンのような遷移金属カルコゲン
化物、またはこれらとリチウムとの複合化合物、例えば
一般式LiMO2 (但し、MはCo,Niの少なくとも
一種を示す。)で表される複合金属酸化物などを用いる
ことができる。特に、高電圧、高エネルギー密度が得ら
れ、サイクル特性にも優れることから、LiCoO2 、
LiCo0.8 Ni0.2 O2 などのリチウム・コバルト複
合酸化物、リチウム・コバルト・ニッケル複合酸化物が
好ましい。
の電解質を非水有機溶剤に溶解した非水電解液を用いる
ことができる。
ものではないが、例えばエチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2
−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒド
ロフラン、1,3ージオキソラン、4−メチル−1,3
−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチ
ルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等を
単独または二種以上を混合して使用できる。
O4 、LiAsF6 、LiPF6 、LiBF4 、LiB
(C6 H5 )4 、LiCl、LiBr、CH3 SO3 L
i、CF3 SO3 Li等の公知のものがいずれも使用で
きる。
く、例えば高分子個体電解質などが挙げられる。
ー樹脂層が微細孔を有することにあり、この特徴は金属
箔に活物質担持体を形成させる製造方法にある。微細孔
の孔径は、リチウムイオンの透過性の点から数オングス
トームないし数ミクロンの範囲が好ましい。本発明の非
水電解質二次電池の製造方法は、バインダー樹脂とこれ
を溶解する溶剤、好ましくは、ジメチルホルムアミドや
N−メチル−2−ピロリドンのような水と混和する溶剤
と活物質担持体をボールミルやサンドミル,デイゾルバ
ー等で攪拌混練り下ペーストをアルミニウムや銅などの
金属箔に塗布したあと上記バインダーの非溶剤で上記溶
剤に混和する凝固浴、好ましくは水中に入れて脱溶剤
し、乾燥するものである。
トが凝固浴中で脱溶剤されて固化する際、凝固剤とバイ
ンダー樹脂の溶剤の置換が起こり、バインダー樹脂層に
微細な貫通孔が生じ、活物質の移動を容易にするため充
放電ロスの少ない電池ができる。
明する。なお、本発明はこれらの実施例によって特に制
限されるものではない。
する酸素架橋をした後、この酸素架橋された前駆体を不
活性ガスの気流中にて1000℃で焼成することによっ
て、ガラス状炭素に近い性質を有する炭素質材料を得
た。
カルボン酸無水物とジアミノジフェニルエーテルとから
合成されたポリイミドの30%ジメチルホルムアミド溶
液33.3重量部を混合して、ジメチルホルムアミドで
固形分濃度が50重量部となるように希釈して、ボール
ミルで分散、混練りしたペーストを10μmの銅箔の両
面に乾燥膜厚が80μmとなるように塗布した後、攪拌
している40℃の温水中に10分間浸漬した後100℃
で20分乾燥し、200℃の熱ロールでプレスし、幅4
1mm,長さ280mmの帯状体にスリットした。
ファイト5重量部、で用いたポリイミド樹脂溶液1
6.7重量部、ジメチルホルムアミド88.3重量部を
混合、ボールミルで分散、混練りしたペーストを20μ
mのアルミニウム箔の両面に乾燥膜厚が80μmとなる
ように塗布した後、アセトン溶液に20分間浸漬し、乾
燥後200℃の熱ロールでプレスして幅39mm、長さ2
30mmにスリットした。
けたものと、で作成した正極集電体にアルミニウム製
のリードを取り付けたものを厚さ25μm、幅44mmの
多孔質ポリプロピレンフィルムを介して交互に重ねた4
層積層体を作成した。この積層体を長さ方向に、負極集
電体を内側にした巻回電極体を作成した。この渦巻状巻
回電極体をニッケルめっきした鉄製の電池缶に収容し、
電極体の上下に絶縁体を配設し、この電池缶にプロピレ
ンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの等容量混
合溶剤にLiPF4 を1モル/lの濃度に溶解した非水
電解液を注入した。
設定し、500mAで2時間の定電流充電をした後、18
Ωの定負荷で終止電圧2.75Vまで放電させる充放電
サイクルテストを繰り返した。この充放電サイクルテス
トの10サイクル時の容量で、100サイクル時の放電
容量を除した値を容量維持率とした。
作成するに際し、上記ペーストを金属箔に塗布した後、
凝固浴に浸漬せずに180℃で10分乾燥し、200℃
の熱ロールでプレスしたものを用いて非水電解質二次電
池を作成した。特性は表1に示す通りである。
電体のバインダー樹脂層に微細な貫通孔が多数存在する
ため、かつ物質の移動が容易で充放電容量が大きくな
る。また多孔質であるために電極集電体が柔軟になり、
巻回作業性が改善される。
Claims (8)
- 【請求項1】 負極活物質担持体としての炭素材料とバ
インダー樹脂とを少なくとも含む負極合剤層を備える負
極、正極活物質とバインダー樹脂を含む正極、および非
水電解質とを具備する非水電解質二次電池において、負
極、正極の少なくとも一方におけるバインダー樹脂層が
微細孔を有することを特徴とする非水電解質二次電池。 - 【請求項2】 負極、正極の少なくとも一方におけるバ
インダー樹脂がポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイ
ミドよりなる群から選ばれた請求項1記載の非水電解質
二次電池。 - 【請求項3】 負極、正極の少なくとも一方におけるバ
インダー樹脂がフッ素樹脂である請求項1記載の非水電
解質二次電池。 - 【請求項4】 負極、正極の少なくとも一方におけるバ
インダー樹脂がブタジエン、イソプレン、クロロプレン
の少なくとも一種を含むゴム系樹脂である請求項1記載
の非水電解質二次電池。 - 【請求項5】 負極、正極の少なくとも一方におけるバ
インダー樹脂がアクリル系樹脂である請求項1記載の非
水電解質二次電池。 - 【請求項6】 負極、正極の少なくとも一方におけるバ
インダー樹脂がエチレン、プロピレン残基を含むオレフ
ィン系樹脂である請求項1記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項7】 負極、正極の少なくとも一方におけるバ
インダー樹脂がポリエステル、ポリウレタン、ポリアリ
レートよりなる群から選ばれた請求項1記載の非水電解
質二次電池。 - 【請求項8】 負極活物質としての炭素材料または正極
活物質とバインダー樹脂が有機溶剤中に混合、分散され
たペーストを金属箔に塗布後、前記有機溶剤と混和し、
バインダーの非溶剤となる溶液に浸漬して脱溶剤した
後、乾燥して電極合剤層を形成することを特徴とする、
請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解質二次電池の
製造方法。
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JP06418897A JP3770351B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 非水電解質二次電池およびその製造方法 |
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