JPH10260490A - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

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JPH10260490A
JPH10260490A JP6441497A JP6441497A JPH10260490A JP H10260490 A JPH10260490 A JP H10260490A JP 6441497 A JP6441497 A JP 6441497A JP 6441497 A JP6441497 A JP 6441497A JP H10260490 A JPH10260490 A JP H10260490A
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JP
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silver halide
group
grains
silver
hydrogen atom
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JP6441497A
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English (en)
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Masaaki Taguchi
雅昭 田口
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理液の補充量が少ない場合にも写真性能の
変動及び現像ムラが少なく、擦り傷耐性に優れたハロゲ
ン化銀写真感光材料及びその処理方法の提供。 【解決手段】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
該ハロゲン化銀乳剤層はホスト粒子が平板状ハロゲン化
銀粒子であるエピタキシャルハロゲン化銀粒子を含有す
るハロゲン化銀乳剤を含有しており、かつ該ハロゲン化
銀乳剤層及び/又はその他の親水性コロイド層に水溶性
ポリマーを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料。及び上記ハロゲン化銀写真感光材料を現像液
及び定着液の補充量が処理するハロゲン化銀写真感光材
料1m2当たり200ml以下である自動現像処理シス
テムで処理することを特徴とする処理方法により達成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料及びその処理方法に関し、詳しくは迅速処理
性、補充量低減処理適性(ランニング安定性)、擦り傷
耐性及び現像ムラの良好なハロゲン化銀写真感光材料及
びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1995年度より、写真処理廃液の海洋
投棄が禁止され、焼却処理が行われているが、処理廃液
の陸上処理はエネルギー及びコストの高騰を招き、処理
廃液の抑制のため補充量の低減が望まれていた。しかし
処理廃液の低減は、処理槽中の液の停滞時間を長くし処
理液の酸化疲労を起こし、処理する感光材料の濃度やガ
ンマの低下を招き処理安定性が劣化する欠点を有する。
【0003】また、救急医療という観点から、患者の状
態を速やかに把握し、迅速な処置をするために、画像情
報の迅速な提供が求められており、感光材料の迅速処理
に対する要望も又強い。
【0004】これらの要望に答える手段として、平均粒
子サイズを小さくする、高アスペクト比で粒子厚みの小
さい平板粒子を用いるなどの方法によって、現像銀のカ
バーリングパワーを上げることにより、塗布銀量を下げ
ることが知られている。但し粒子サイズを小さくすると
感度低下を伴うので、従来の感度を維持するためには増
感は必要である。今まで各種増感技術により、感光材料
の銀量を低減してきており、処理時間の迅速化及び処理
廃液の低減を進めてきたが、更なる迅速化及び/又は処
理廃液低減を進めるためにはなお一層の増感技術が必要
となる。
【0005】特開平8−171164号でエピタキシャ
ル粒子での増感技術が開示されている。この技術で小粒
径化できたが、ローラーマーク耐性が劣化することが判
り、また分光増感色素の供給法の違いによって、処理液
補充量を低減した処理で写真性能の変動が大きくなると
いった欠点を有しており、それらの改良が望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して、本発明の課題は、処理液の補充量が少ない場合に
も写真性能の変動及び現像ムラが少なく、擦り傷耐性に
優れたハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は下記
手段により達成される。
【0008】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該ハロゲン化銀乳剤層はホスト粒子が平板状ハロゲ
ン化銀粒子であるエピタキシャルハロゲン化銀粒子を含
有するハロゲン化銀乳剤を含有しており、かつ該ハロゲ
ン化銀乳剤層及び/又はその他の親水性コロイド層に下
記一般式〔1〕で表される繰り返し単位を有するポリマ
ーを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料。
【0009】
【化3】
【0010】〔式中、R1及びR2は同じでも異なっても
よく、それぞれ水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、
または−CH2COOM1を表し、M1は水素原子または
炭素数1〜8のアルキル基を表す。
【0011】Lは−CONH−、−NHCO−、−CO
O−、−OCO−、−CO−、−SO2−、−NHSO2
−、−SO2NH−または−O−を表す。
【0012】Jはアルキレン基、アリーレン基またはア
ラルキレン基を表す。
【0013】
【化4】
【0014】水素原子またはR3を表す。ここでM2は水
素原子又はカチオン基を表し、R9は炭素原子数1〜4
のアルキル基を表し、R3、R4、R5、R6、R7及びR8
は水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルケ
ニル基、フェニル基、アラルキル基を表し、Xはアニオ
ンを表し、また、p及びqはそれぞれ0または1を表
す。特にアクリルアミド又はメタクリルアミドを含有す
るポリマーが好ましい。
【0015】Yは水素原子または−(L)P−(J)q
−Qを表す。〕 エピタキシャル粒子が下記条件を満たすハロゲン化
銀粒子であることを特徴とする上記項記載のハロゲン
化銀写真感光材料。
【0016】条件1:ホスト粒子が(111)面を主平
面とする平板状粒子であり、円相当直径が0.5〜5.
0μm、厚みが0.07〜0.7μmである 条件2:エピタキシー接合部を形成する面心立方格子構
造のエピタキシャル付着したハロゲン化銀突起部を含
む。
【0017】条件3:上記ハロゲン化銀突起部は、ホス
ト平板粒子の周縁部に位置する。
【0018】 上記又は記載のハロゲン化銀写真
感光材料を現像液及び定着液の補充量が処理するハロゲ
ン化銀写真感光材料1m当たり200ml以下である
自動現像処理システムで処理することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】[ハロゲン化銀粒子(ハロゲン化銀突起部
を含めて)]本発明においてホスト粒子とは、エピタキ
シャル付着(エピタキシャル粒子が成長する)際に母体
となる粒子のことをいう。
【0021】本発明の感光材料に用いられるハロゲン化
銀粒子は、前記ホスト平板状ハロゲン化銀粒子を調製し
た後、エピタキシー成長を行い調製する。以後、ホスト
平板状ハロゲン化銀粒子を調製した時点でのハロゲン化
銀粒子を「ホスト平板粒子」と呼ぶことにする。
【0022】本発明のホスト平板粒子のハロゲン組成
は、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀のうちの
いずれかが好ましい。沃化銀を含む場合、沃化銀含有率
は0.1モル%〜10モル%が好ましく、0.2モル%
〜6モル%が更に好ましく、0.4モル%〜2モル%が
特に好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子に少量の塩化銀
を含有させることは可能であり、例えば米国特許第5,
372,927号には、塩化銀含有率が0.4〜20モ
ル%の塩臭化銀平板状粒子について記載している。
【0023】本発明における平板状ハロゲン化銀粒子
は、二つの対向する並行な主平面を有し、主平面は(1
11)面である。円相当直径は0.5〜5.0μmで、
好ましくは0.5〜2.0μmである。厚みは0.07
〜0.7μmで、好ましくは0.1〜0.7μmであ
る。
【0024】ここで円相当直径とは、平均投影面積径
(以下粒径と記す)のことで、該平板状ハロゲン化銀粒
子の投影面積の円相当直径(該ハロゲン化銀粒子と同じ
投影面積を有する円の直径)で示され、厚みとは平板状
ハロゲン化銀粒子を形成する2つの平行な主平面間の距
離を示す。
【0025】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は粒径分
布の狭い単分散乳剤が好ましく、具体的には (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0026】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は厚みの
分布が小さいことが好ましい。具体的には、 (厚みの標準偏差/平均厚さ)×100=厚み分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0027】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は結晶学
的には双晶に分類される。双晶とは、一つの粒子内に一
つ以上の双晶面を有するハロゲン化銀結晶であるが、双
晶の形態の分類はクラインとモイザーによる報文フォト
グラフィッシェ・コレスポンデンツ(Photogra
phishe Korrespondenz)99巻9
9頁、同100巻57頁に詳しく述べられている。
【0028】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子におい
て、ハロゲン化銀突起部はホスト平板粒子の主平面上に
形成しても周縁部に形成しても構わないが、周縁部に形
成するほうが好ましい。ここで、本発明において平板粒
子の周縁部とは、平板粒子の主平面の外周と、外周から
の距離が平板粒子の円相当径の10%である点の集合に
より示される線分とで囲まれる範囲を指すこととする。
【0029】本発明のハロゲン化銀突起部のハロゲン組
成は、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀のうち
のいずれかが好ましい。沃化銀を含む場合、沃化銀含有
率は0.1モル%〜13モル%が好ましく、0.1モル
%〜10モル%が更に好ましい。
【0030】ハロゲン化銀突起部をホスト平板粒子に析
出させる際、ハロゲン化物イオンを導入するが、複数の
ハロゲン化物イオンを導入する際は、銀との塩の溶解度
が高いものから添加することが好ましい。
【0031】沃化銀の溶解度は臭化銀のそれよりも低
く、また臭化銀の溶解度は塩化銀のそれよりも低いの
で、好ましい順序でハロゲン化物イオンを添加すると、
塩化物イオンが接合部付近に付着するチャンスが最も高
くなる。突起部が明確な層を形成し、塩化物イオン濃度
の高い領域と低い領域を検出できる場合もあるが、好ま
しい順序でハロゲン化物を添加した場合には検出できな
いこともある。というのは、臭化物イオンも沃化物イオ
ンも先に析出した塩化銀の塩化物をある程度置換する能
力を有するからである。
【0032】本発明において、ハロゲン化銀エピタキシ
ーを、ホスト平板粒子の周縁部に最も近くかつ平板状粒
子の(111)面の50%未満を、好ましくは平板状粒
子の(111)面のはるかに少ない割合、好ましくは2
5%未満、最も好ましくは10%未満、最適には5%未
満を占める部分に制限することが好ましい。平板状粒子
が沃化物濃度の低い中央領域と沃化物濃度の高い側部に
配置された領域とを含む場合には、ハロゲン化銀エピタ
キシーを、典型的には平板状粒子の縁部と角部を含む側
部に配置された領域によって形成される平板状粒子の部
分に制限することが好ましい。
【0033】本発明の実施には総銀(ホスト及びエピタ
キシーにおける銀を含む)に対して0.05モル%程度
のハロゲン化銀エピタキシーが有効である。ハロゲン化
銀エピタキシーを総銀の50%未満に限定することが好
ましい。一般的に、0.3〜25モル%のハロゲン化銀
エピタキシー濃度が好ましく、増感には濃度約0.5〜
15モル%が一般的に最適である。
【0034】ハロゲン化物イオンを導入するときの、ホ
スト平板粒子を含む乳剤液の温度は35℃〜70℃の任
意の温度で導入される。また、pAgは6〜8.5、p
Hは4〜9の範囲が好ましい。
【0035】ハロゲン化銀突起部をホスト平板粒子の周
縁部に形成させる際、ハロゲン化物イオンを導入する前
に、ハロゲン化銀突起部がエピタキシャル付着する際の
部位を限定する作用を有する化合物(以後サイトディレ
クターと呼ぶ)を添加することが必要である。サイトデ
ィレクターを添加しないと、ハロゲン化銀突起部がホス
ト平板粒子の周縁部のみならず、主平面状全体に析出す
る。
【0036】本発明に好ましく用いられるサイトディレ
クターは、ハロゲン化銀粒子の分光増感色素として当業
界で一般に知られる化合物で任意のものでよく、具体的
にはシアニン、メロシアニン、複合シアニン、複合メロ
シアニン、ホロポーラー、ヘミシアニン、スチリル、及
びヘミオキサノール色素等のうちハロゲン化銀とJ−凝
集体を形成する化合物が好ましい。特には、緑色及び赤
色吸収シアニン色素が好ましい。また、無機化合物のサ
イトディレクターとして、沃化物やチオシアン化物、セ
レノシアン化物なども用いることができる。、サイトデ
ィレクターを導入するときの、ホスト平板粒子を含む乳
剤液の温度は35℃〜70℃の任意の温度で導入され
る。好ましくは35℃〜60℃である。
【0037】サイトディレクターを導入するときの、ホ
スト平板粒子を含む乳剤液のpAgは6〜8.5、pH
は4〜9の範囲が好ましい。
【0038】本発明のハロゲン化粒子は転位を有してい
てもよい。該転位は例えばJ.F.Hamilton,
Phot.Sci.Eng,57(1967)や、T.
Shiozawa,J.Soc.Phot.Sci.J
apan,35,213(1972)に記載の低温での
透過型電子顕微鏡を用いた直接的な方法により観察する
ことができる。即ち、乳剤から粒子に転位が発生する程
の圧力をかけないよう注意して取りだしたハロゲン化銀
粒子を電子顕微鏡観察用のメッシュに載せ、電子線によ
る損傷(プリントアウト等)を防ぐように試料を冷却し
た状態で透過法により観察を行う。このとき、粒子の厚
みが厚いほど電子線が透過しにくくなるので、高圧型
(0.25μmの厚さの粒子に対して200kV以上)
の電子顕微鏡を用いた方がより鮮明に観察することがで
きる。
【0039】本発明の平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子
を形成する過程及び/または成長させる過程で、カドミ
ウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯
塩を含む)、ロジウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯
塩を含む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イ
オンを添加し、粒子内部及び/または粒子表面にこれら
の金属元素を含有させることができる。
【0040】(分光増感)本発明において、用いられる
分光増感色素としては、実質的に有機溶媒及び/又は界
面活性剤が存在しない水系中で27℃における溶解度が
2×10-4〜4×10-2モル/lであるものが好まし
く、以下の化合物が挙げられる。
【0041】
【化5】
【0042】
【化6】
【0043】
【化7】
【0044】これらの分光増感色素を水系溶媒中にて機
械的に粉砕、分散し、1μm以下の固体微粒子状にする
には種々の分散機が有効に用いられる。具体的には高速
撹拌機、ボールミル、サンドミル、コロイドミル、超音
波分散機等が用いられる。本発明においては高速撹拌機
が好ましい。
【0045】増感色素は単独又は組み合わせて用いても
よく、組み合わせは特に強色増感の目的でしばしば用い
られる。また、増感色素とともにそれ自身、分光増感性
を持たない色素或いは可視光を実質的に吸収しない物質
であって、強色増感作用を示す物質を乳剤層中に含有し
てもよい。例えば含窒素異節環核基であって置換された
アミノスチルベン化合物(例えば米国特許2,933,
390号、同3,635,721号記載のもの)、芳香
族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(例えば米国特許3,
743,510号記載のもの)、カドミウム塩、アザイ
ンデン化合物などを含有してもよい。
【0046】(化学増感)本発明の粒子の化学熟成の方
法は金増感、硫黄増感、還元増感、カルコゲン化合物に
よる増感やそれらの組み合わせが好ましく用いられる。
【0047】化学増感法としては、いわゆる硫黄増感、
金増感、周期律表VIII族の貴金属(例えばPd,Pt
等)による増感、及びこれらの組み合わせによる増感法
を用いることができる。中でも金増感と硫黄増感との組
み合わせ、あるいは金増感とセレン化合物による増感と
の組み合わせが好ましい。セレン化合物の添加量は任意
に設定できるが、好ましくは化学増感の際にチオ硫酸ナ
トリウムと併用することが好ましい。更に好ましくはセ
レン化合物とチオ硫酸ナトリウムのモル比が2:1以
下、更に好ましくは1:1以下のモル比で使用すること
が好ましい。また、還元増感と併用して行うことも好ま
しい。
【0048】セレン増感の場合、使用するセレン増感剤
は従来公知の広範な種類のセレン化合物を使用すること
が出来る。有用なセレン増感剤としては、コロイドセレ
ン金属、イソセレノシアネート類(例えばアリルイソセ
レノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−
ジメチルセレノ尿素、N,N,N′−トリエチルセレノ
尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオ
ロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′−トリ
メチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセレノ尿
素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セ
レノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例えば、セ
レノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミ
ド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例
えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブ
チレート等)、セレノフォスフォート類(例えば、トリ
−p−トリセレノフォスフォート等)、セレナイド類
(トリフェニルフォスフィンセレナイド、ジエチルセレ
ナイド、ジエチルジセレナイド等)が挙げられる。特に
好ましいセレン増感剤は、セレノ尿素類、セレノアミド
類、及びセレノケトン類、セレナイド類である。
【0049】セレン増感剤の使用量は、使用するセレン
化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件などにより変
わるが、一般にハロゲン化銀1molあたり10-8〜1
-4mol程度を用いる。添加方法は使用するセレン化
合物の性質に応じて水またはメタノール、エタノールな
どの有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する
方法でも良い。また、ゼラチン溶液とあらかじめ混合し
て添加する方法、あるいは特開平4−140739号に
開示されている方法で有機溶媒可溶性の重合体との混合
溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でも良い。
【0050】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は4
0〜90℃の範囲が好ましく、より好ましくは45〜8
0℃である。またpHは4〜9、pAgは6〜9.5の
範囲が好ましい。
【0051】化学増感時または終了時に沃素イオンを供
給することは感度や色素吸着の点から好ましい。特に沃
化銀の微粒子の形態で添加する方法が好ましい。
【0052】化学増感をハロゲン化銀に吸着性を持つ化
合物の存在下で行うことも好ましい。化合物として特に
アゾール類、ジアゾール類、トリアゾール類、テトラゾ
ール類、インダゾール類、チアゾール類、ピリミジン
類、アザインデン類、特にこれらのメルカプト基を有す
る化合物やベンゼン環を有する化合物が好ましい。
【0053】本発明にかかるハロゲン化銀写真感光材料
は還元処理を施しても良い。還元増感法としては、還元
性化合物を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg=1
〜7の銀イオン過剰状態を経過させる方法、高pH熟成
と呼ばれるpH=8〜11の高pH状態を経過させる方
法等によってハロゲン化銀乳剤に施しても良い。また、
これら2つ以上の方法を併用することもできる。
【0054】還元性化合物を添加する方法は、還元増感
の程度を微妙に調節出来る点で好ましい。還元性化合物
としては、無機又は有機化合物のいずれでもよく、二酸
化チオ尿素、第一錫塩、アミン及びポリアミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物、アスコルビン酸及びその誘導体、
亜硫酸塩などが挙げられる。これら還元性化合物の添加
量は、その化合物の還元性及びハロゲン化銀の種類、溶
解条件などの乳剤製造条件によって異なるが、ハロゲン
化銀1molあたり1×10-8〜1×10-2molの範
囲が適当である。
【0055】これらの還元性化合物は、水あるいはアル
コール類などの有機溶媒に溶解させ、ハロゲン化銀粒子
成長時から塗布直前までのいずれかの時期に添加され
る。
【0056】米国特許3,615,613号、同3,6
15,641号、同3,617,295号、同3,63
5,721号などに記載の組み合わせはとくに有用であ
る。なお増感色素は核形成、成長、脱塩、化学増感の各
工程中または工程の間、或いは化学増感後のいずれに添
加してもよい。
【0057】(一般式〔1〕で表されるポリマー)本発
明に用いられる水溶性ポリマーとして前記一般式〔1〕
の繰り返し単位を含むもの、特にポリマー中にこれを1
0〜100モル%含むものを挙げることができる。
【0058】
【化8】
【0059】式中、R1及びR2は同じでも異なってもよ
く、それぞれ水素原子、アルキル基、好ましくは炭素数
1〜4のアルキル基(置換基を有するものを含む、例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、及び
これらに置換基を付したもの等)、ハロゲン原子、また
は−CH2COOM1を表し、M1は水素原子または炭素
数1〜8のアルキル基を表す。
【0060】Lは−CONH−、−NHCO−、−CO
O−、−OCO−、−CO−、−SO2−、−NHSO2
−、−SO2NH−または−O−を表す。
【0061】Jはアルキレン基、好ましくは炭素原子数
1〜10のアルキレン基(置換基を有するものを含み、
例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメ
チレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等、及びこれらに
置換基を付したもの等)、アリーレン基(置換基を有す
るものを含み、例えばフェニレン基等、及びこれに置換
基を有するもの等)、アラルキレン基(置換基を有する
ものを含み、例えば、
【0062】
【化9】
【0063】水素原子またはR3を表す。ここでM2は水
素原子又はカチオン基を表し、Rは炭素原子数1〜4
のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等、またはこれらに置換基を付したもの)
を表し、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は水素原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基(例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル
基、ヘキサデシル基等、またはこれらに置換基を付した
もの)、アルケニル基(例えばビニル基、アリル基等、
またはこれらに置換基を付したもの)、フェニル基(例
えばフェニル基、メトキシフェニル基、クロロフェニル
基等、又はこれらに置換基を付したもの)、アラルキル
基(例えばベンジル基等、またはこれらに置換基を付し
たもの)を表し、Xはアニオンを表し、また、p及びq
はそれぞれ0または1を表す。特にアクリルアミド又は
メタクリルアミドを含有するポリマーが好ましい。
【0064】Yは水素原子または−(L)P−(J)q−
Qを表す。
【0065】一般式〔1〕で表される単位を構成する合
成水溶性ポリマーは、エチレン性不飽和ポリマーと共重
合させることができる。共重合可能なエチレン性モノマ
ーの例は、スチレン、アルキルスチレン、ヒドロキシア
ルキルスチレン(アルキル基は炭素数1〜4までのも
の、例えばメチル、エチル、ブチル等が好ましい)、ビ
ニルベンゼンスルホン酸及びその塩、α−メチルスチレ
ン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、脂肪
族酸のモノエチレン性不飽和エステル(例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等)、エチレン性不飽和モノカ
ルボン酸もしくはジカルボン酸及びその塩(例えばアク
リル酸、メタクリル酸)、無水マレイン酸、エチレン性
不飽和のモノカルボン酸もしくはジカルボン酸のエステ
ル(例えば、n−ブチルアクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート)、エチレン性不飽和のモノカ
ルボン酸もしくはカルボン酸のアミド(例えばアクリル
アミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ソーダ、N,N−ジメチル−N′−メタクリロイ
ルプロパンジアミンアセテートベタイン)などである。
【0066】次に、一般式〔1〕の繰り返し単位を有す
る合成水溶性ポリマーの具体的化合物を例示するが、勿
論これらに限定されるものではない。なお、カッコ書き
した数値は、数平均分子量Mnである。
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
【化13】
【0071】上記合成水溶性ポリマーを用いる場合、好
ましくはその分子量は1,000〜100,000より
好ましくは2,000〜50,000のものを使用す
る。
【0072】本発明にはまた、天然水溶性ポリマーを併
用することができる。天然水溶性ポリマーは、水溶解性
高分子水分散型樹脂総合技術資料集(経営開発センター
出版部)に詳しく記載されているものを挙げることがで
きる。特にリグニン、澱粉、ブルラン、セルロース、ア
ルギン酸、デキストラン、デキストリン、グアーガム、
アラビアゴム、ペクチン、カゼイン、寒天、キサンタン
ザム、シクロデキストリン、ローカストビーンガム、ト
ラガントガム、カラギーナン、グリコーゲン、ラミナラ
ン、リケニン、ニゲラン等、及びそれらの誘導体が好ま
しい。
【0073】天然水溶性ポリマーの誘導体としては、ス
ルホン化、カルボキシル化、リン酸化、スルホアルキル
化、又はカルボキシアルキレン化、アルキルリン酸化し
たもの、及びその塩、ポリオキシアルキレン化(例えば
エチレン、グリセリン、プロピレンなど)、アルキル化
(メチル、エチル、ベンジル化など)が好ましい。
【0074】天然水溶性ポリマーについても、2種以上
併用して用いてもよい。天然水溶性ポリマーの中では、
グルコース重合体、及びその誘導体が好ましく、グルコ
ース重合体、及びその誘導体のなかでも澱粉、グリコー
ゲン、セルロース、リケニン、デキストラン、ニゲラン
等が好ましく、特にデキストラン及びその誘導体が好ま
しい。
【0075】デキストランは、α−1,6結合したD−
グルコースの重合体であり、一般に糖類の存在下で、デ
キストラン生産菌を培養することによって得るが、ロイ
コノストック、メゼンテロイデス等のデキストラン生産
菌の培養液より分離したデキストランシュクラーゼを糖
類と作用させて得ることができる。また、これらのネイ
ティブデキストランを酸やアルカリ酵素による部分分解
重合法によって、所望の分子量まで低下させ、極限粘度
が0.03〜2.5の範囲であるものも得ることができ
る。
【0076】また、デキストラン変性物とは、デキスト
ラン硫酸エステル、カルボキシアルキルデキストラン、
ハイドロオキシアルキルデキストラン等が挙げられる。
これらの天然水溶性ポリマーの分子量は100〜10
0,000が好ましいが、特に好ましくは2,000〜
50,000である。
【0077】これらのデキストランとその誘導体の製造
方法については、特公昭35−11989号、米国特許
3,762,924号、特公昭45−12820号、同
45−18418号、同45−40149号、同46−
31192号に記載されている。
【0078】本発明において合成、或いは天然の水溶性
ポリマーの添加量は0.01〜3.0g/m2が好まし
く、より好ましくは0.05〜1.0g/m2である。
【0079】(バインダー)本発明の感光材料に用いら
れる親水性コロイドや結合剤としてはゼラチンを用いる
ことが好ましいが、それ以外の親水性コロイドも用いる
ことができる。例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の
高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等
のタンパク質ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、セルロース硫酸エステル類の如きセ
ルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、デキストラン、澱
粉誘導体などの糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピ
ロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリア
クリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピ
ラゾール等の単独もしくは共重合体の如き多種の合成親
水性高分子物質を用いることができる。特にゼラチンと
ともに平均分子量5,000から10万のデキストラン
やポリアクリルアミドを併用することが好ましい。
【0080】ゼラチンには石灰処理ゼラチン、酸処理ゼ
ラチン、Bull.Soc.Sci.Phot,Jap
an.No.16,30頁(1966)に記載されるよ
うな酵素処理ゼラチンの他、ゼラチン誘導体(ゼラチン
に例えば酸ハライド、酸無水物、イソシアナート類、ブ
ロモ酢酸、アルカンサルトン類、ビニルスルホンアミド
類、マレインイミド化合物類、ポリアルキレンオキシド
類、エポキシ化合物類等の種々の化合物を反応させて得
られるもの)が包含される。
【0081】(染料)本発明のハロゲン化銀乳剤層ない
し該乳剤層以外の構成層のいずれか任意の少なくとも1
層に現像処理中に脱色又は/及び流出可能な染料を含有
させると、高感度、高鮮鋭度で、かつ迅速処理適性を有
した感光材料が得られる。感光材料に用いられる染料と
しては、感光材料に応じて、所望の波長を吸収して該波
長の影響を除くことにより、鮮鋭性を向上させ得るよう
な染料から適宜に選択して使用することが出来る。該染
料は感光材料の現像処理中に脱色若しくは流出し、画像
完成時には着色が視認出来ない状態となっていることが
好ましい。
【0082】染料を固体微粒子状分散物として添加する
ことも好ましい。染料の固体微粒子状分散物を製造する
方法としては、具体的には、界面活性剤を使用して例え
ばボールミル、振動ミル、遊星ミル、サンドミル、ロー
ラミル、ジェットミル、ディスクインペラーミル等の微
分散機を用いて調製することができる。また、染料を弱
アルカリ性水溶液に溶解した後、pHを下げて弱酸性と
することによって微粒子状固体を析出させる方法や染料
の弱アルカリ性溶解液と酸性水溶液を、pHを調整しな
がら同時に混合して微粒子状固体を作製する方法によっ
て染料の分散物を得ることができる。染料は単独で用い
てもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。2
種以上を混合して用いる場合には、それぞれ単独に分散
した後混合してもよく、また、同時に分散することもで
きる。
【0083】染料を添加含有せしめる構成層は、ハロゲ
ン化銀乳剤層若しくはそれより支持体に近い層又はその
両方であることが好ましく、更に好ましくは、透明支持
体に隣接した塗設層中に添加するのが効果的である。染
料は支持体に近い側でその濃度が高いことが好ましい。
【0084】上記染料の添加量は、鮮鋭性の目標に応じ
て、変えることが出来る。好ましくは、0.2〜50m
g/m2、より好ましくは、1.0〜40mg/m2であ
る。
【0085】本発明の感光材料において、ハロゲン化銀
乳剤層を着色する場合には、塗布前のハロゲン化銀乳剤
液中に、また親水性コロイドの水溶液に染料を加えて、
これらの液を支持体上に直接或いは他の親水性コロイド
層を介して種々の方法で塗布すれば良い。
【0086】前記した如く染料は支持体に近い側でその
濃度が高いことが好ましいのであるが、このように染料
を支持体に近い側に固定しておくためにモルダント剤を
用いることが出来る。例えば、前記した染料の少なくと
も1種と結合させるものとして、非拡散性モルダント剤
を用いることが出来る。
【0087】非拡散性モルダントと染料を結合させる方
法は、当業界で知られている種々の方法にて行われる
が、特に、ゼラチンバインダー中にて結合させる方法が
好ましく適用される。その他、適当なバインダー中にて
結合せしめ、ゼラチン水溶液中に超音波等にて分散させ
る方法も適用出来る。
【0088】また、結合比は化合物により一様ではない
が、通常水溶性染料1部に対して、非拡散性モルダント
を0.1部から10部にて結合させる。そして、水溶性
染料として添加する量は、非拡散性モルダントと結合さ
せているため、該染料を単独で用いるよりも多量に用い
ることが出来る。
【0089】感光材料中に含有せしめる場合、構成層と
して染料と非拡散性モルダントとの結合物を含有する構
成層を新設してもよく、その位置は、任意に選択出来る
が、好ましくは、透明支持体に隣接した塗設層として用
いるのが効果的である。
【0090】固体微粒子状分散物を作成する際の界面活
性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性
剤、カチオン界面活性剤および両性界面活性剤のいずれ
でも使用できるが、好ましくは、例えばアルキルスルホ
ン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、スルホ
琥珀酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、N−アシル−N−アルキ
ルタウリン類などのアニオン界面活性剤および例えばサ
ポニン、アルキレンオキサイド誘導体、糖のアルキルエ
ステル類などのノニオン界面活性剤である。
【0091】アニオン界面活性剤および/またはノニオ
ン界面活性剤の使用量は、界面活性剤の種類あるいは前
記染料の分散液条件などによって一様ではないが、通
常、染料1g当たり0.1〜2000mgでよく、好ま
しくは0.5〜1000mgがよく、さらに好ましくは
1から500mgがよい。染料の分散液での濃度として
は、0.01〜10重量%となるように使用され、好ま
しくは0.1〜5重量%である。界面活性剤の添加位置
は、染料の分散開始前に添加するのがよくまた、必要に
よっては分散終了後にさらに染料分散液に添加してもよ
い。これらアニオン界面活性剤および/またはノニオン
界面活性剤は、それぞれ単独で使用してもよく、またそ
れぞれ2種以上を組合わせてもよく、さらに両者の界面
活性剤を組合わせて用いてもよい。
【0092】本発明のハロゲン化銀乳剤を支持体の片面
のみに塗布する場合は、通常アンチハレーション染料含
有層を設けることが一般的である。アンチハレーション
染料含有層は、乳剤と支持体の間であっても、支持体を
挟んで乳剤層の反対側であっても良いが、染料の選択の
幅が広がることから乳剤層の反対側にバック層として設
けるのが好ましい。染料含有層の露光光源の波長におけ
る透過濃度は0.4〜1.5、好ましくは0.45〜
1.2である。染料の添加方法はその性質により水溶液
添加、ミセル分散添加、固体分散添加などがある。
【0093】(添加剤)本発明のハロゲン化銀写真感光
材料に用いられる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の
工程で、各種の写真用添加剤を用いることができる。こ
のような工程で使用される化合物としては例えば、リサ
ーチ・ディスクロージャー(RD)No.17643、
(RD)No.18716及び(RD)No.3081
19(1989年12月)に記載されている各種の化合
物を用いることができる。
【0094】これら3つのリサーチ・ディスクロージャ
ー(RD)に記載されている化合物種類と記載箇所を下
記に掲載した。
【0095】
【表1】
【0096】本発明のハロゲン化銀写真感光材料のバイ
ンダー量は、片面当たり4.0g/m2以下が好まし
く、3.0g/m2以下がより好ましく、2.5g/m2
以下が最も好ましい。
【0097】(支持体)本発明のハロゲン化銀写真感光
材料に用いられる支持体としては、上記のRDに記載さ
れているものが挙げられ、適当な支持体としてはポリエ
チレンテレフタレートフィルムなどで支持体表面は塗布
層の接着性をよくするために下引き層を設けコロナ放電
や紫外線照射などが施されてもよい。
【0098】(処理)本発明のハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法において、用いられる現像液は実質的にジ
ヒドロキシベンゼン化合物を含有せず、下記一般式
(A)で表される化合物が含有される。
【0099】
【化14】
【0100】式中、R1、R2は各々、独立して置換また
は無置換のアルキル基、置換または無置換のアミノ基、
置換または無置換のアルキルチオ基を表し、R1、R2
互いに結合して環を形成してもよい。kは0または1を
表し、kが1のときXは−CO−または−CS−基を表
す。M1、M2は各々水素原子またはアルカリ金属原子を
表す。
【0101】なお本発明においては上記式中のR1とR2
が互いに結合して環を形成した下記一般式(A−a)で
表される化合物が好ましい。
【0102】
【化15】
【0103】式中、R3は水素原子、置換又は無置換の
アルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無
置換のアミノ基、置換または無置換のアルコキシ基、ス
ルホ基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基
を表し、Y1はO又はSを表し、Y2はO、SまたはNR
4を表す。R4は置換又は無置換のアルキル基、置換又は
無置換のアリール基を表す。
【0104】前記一般式(A)又は一般式(A−a)に
おけるアルキル基としては、低級アルキル基が好まし
く、例えば炭素数1〜5のアルキル基であり、アミノ基
としては無置換のアミノ基あるいは低級アルキル基で置
換されたアミノ基が好ましく、アルコキシ基としては低
級アルコキシ基が好ましく、アリール基としては好まし
くはフェニル基あるいはナフチル基等であり、これらの
基は置換基を有していてもよく、置換しうる基としては
ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホ
基、カルボキシル基、アミド基、スルホンアミド基等が
好ましい置換基として挙げられる。
【0105】本発明に係る前記一般式(A)又は一般式
(A−a)で表される具体的化合物例を以下に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0106】
【化16】
【0107】
【化17】
【0108】これらの化合物は、代表的にはアスコルビ
ン酸或いはエリソルビン酸又はそれらから誘導される誘
導体であり、市販品として入手できるか或いは容易に公
知の合成法により合成することができる。
【0109】本発明に係るアスコルビン酸或いはエリソ
ルビン酸又はそれらの誘導体の使用量は、現像液1リッ
トル当たり0.05〜120g、好ましくは10〜60
g、更に好ましくは40〜50gであることが好まし
い。
【0110】前記一般式(A)で示される現像剤と超加
成性を示す補助現像剤としては3−ピラゾリドン誘導体
およびp−アミノフェノール誘導体が挙げられる。以
下、補助現像剤の具体的化合物例を挙げるが、これらに
限定されるものではない。
【0111】1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フ
ェニル−4−メチル−4′−ヒドロキシメチル−3−ピ
ラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリ
ドン、1−p−アミノフェニル−4,4′−ジメチル−
3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4′−ジメチ
ル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4−メチル−
4′−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、N−メチ
ル−p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチ
ル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフ
ェニル)グリシン、2−メチル−p−アミノフェノー
ル、p−ベンジルアミノフェノールなど。
【0112】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法においては下記のジヒドロキシベンゼン系現像剤を
併用しても構わない。
【0113】
【化18】
【0114】式中、R5、R6、R7およびR8は各々独立
して水素原子、アルキル基、アリール基、カルボキシル
基、ハロゲン原子、あるいはスルホ基を表す。
【0115】具体的化合物としては例えばハイドロキノ
ン、クロロハイドロキノン、ブロモハイドロキノン、イ
ソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、
2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロロハ
イドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、2,
5−ジメチルハイドロキノン等が挙げられるが最も一般
的に用いられてきたものはハイドロキノンである。
【0116】本発明の処理方法において現像液、定着液
ともに補充液を用いて処理してもよい。補充量はとくに
制限はないが感光材料四つ切り1枚当たり6cc〜90
ccの補充量でよく、好ましくは現像液、定着液ともに
10cc〜40ccの補充量でよい。
【0117】又、現像剤には保恒剤として特開平6−1
38591号に記載の亜硫酸塩の他、有機還元剤を用い
ることができ、その他特開平6−138591号に記載
のキレート剤や硬膜剤の重亜硫酸塩付加物を用いること
ができる。また特願平4−92947号、同5−961
18号に記載の銀スラッジ防止剤、特開平1−1248
53号に記載のシクロデキストリン化合物、米国特許第
4,269,929号に記載のアミン化合物を添加する
のも好ましい。
【0118】現像剤には緩衝剤を用いることが必要で、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重
炭酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸3カリウ
ム、リン酸2カリウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウ
ム、4硼酸ナトリウム(硼酸)、4硼酸カリウム、o−
ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウ
ム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−
2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチ
ル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香
酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げ
ることができる。
【0119】現像促進剤としては、チオエーテル系化合
物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウ
ム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合物、ポ
リアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピ
ラゾリドン類、ヒドロジン類、メソイオン型化合物、イ
オン型化合物、イミダゾール類等を必要に応じて添加す
ることができる。
【0120】カブリ防止剤としては、沃化カリウムの如
きアルカリ金属ハロゲン化物及びベンゾトリアゾール、
6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソインダ
ゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニトロベ
ンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、
2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チアゾリル
メチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒドロキ
シアザインドリジン、アデニン等の有機カブリ防止剤が
使用できる。
【0121】更に現像剤組成物には、メチルセロソル
ブ、メタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、シ
クロデキストリン化合物、特公昭47−33378号、
同44−9509号に記載の化合物を現像主薬の溶解度
を上げるための有機溶剤として使用することができ、そ
の他ステイン防止剤、スラッジ防止剤、重層効果促進剤
も用いることができる。
【0122】定着液には定着主薬やキレート剤、pH緩
衝剤、保恒剤等公知の化合物を用いることができ、例え
ば特開平4−242246号或は同5−113632号
に記載のものが使用できる。
【0123】定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩等が用いられ、更に保恒剤、pH調整剤、硬水軟化剤
等を含んでいてもよい。
【0124】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を処理
するのに有利な方法としては処理槽に固体処理剤を供給
する機構を有する自動現像機で処理することである。
【0125】処理剤供給手段としては、固体処理剤が錠
剤である場合、実開昭63−137783号、同63−
97522号、実開平1−85732号等の記載を参照
でき、また顆粒や粉末である場合は、実開昭62−81
964号、同63−84151号、特開平1−2923
75号等に記載の重力落下方式や実開昭63−1051
59号、同63−195345号等に記載のスクリュー
又はネジによる方式を参照できる。固体処理剤を投入す
る箇所は処理槽中であるが、好ましくは、感光材料を処
理する処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流動
しているところであり、更には処理部との間に一定の処
理液循環量があり溶解した成分が処理部に移動する構造
が好ましい。又、固体処理剤は温調されている処理液中
に投入されることが好ましい。
【0126】自動現像機を用いて全処理時間(Dry
to Dry)は特に限定されないが、10〜90秒で
処理されるのが好ましく、15〜45秒が更に好まし
く、15〜30秒が最も好ましい。
【0127】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらによって限定されるものではない。
【0128】実施例1 (種乳剤の調製)下記のようにして種乳剤−1を調製し
た。
【0129】 A1 オセインゼラチン 24.2g 水 9657ml ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ−ジサクシネート ナトリウム塩(10%エタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 114ml B1 2.5N 硝酸銀水溶液 2825ml C1 臭化カリウム 841g 水で 2825ml D1 1.75N 臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 42℃で特公昭58−58288号、同58−5828
9号に示される混合撹拌機を用いて溶液A1に溶液B1
及び溶液C1の各々464.3mlを同時混合法により
1.5分を要して添加し、核形成を行った。
【0130】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した
後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上
昇させ、3%KOHでpHを5.0に合わせた後、再び
溶液B1と溶液C1を同時混合法により、各々55.4
ml/minの流量で42分間添加した。この42℃か
ら60℃への昇温及び溶液B1、C1による再同時混合
の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀
イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いてそれぞれ+
8mV及び+16mVになるよう制御した。
【0131】添加終了後3%KOHによってpHを6に
合わせ直ちに脱塩、水洗を行った。この種乳剤はハロゲ
ン化銀粒子の全投影面積の90%以上が最大隣接辺比が
1.0〜2.0の六角平板粒子よりなり、六角平板粒子
の平均厚さは0.064μm、平均粒径(円直径換算)
は0.595μmであることを電子顕微鏡にて確認し
た。又、厚さの変動係数は40%、双晶面間距離の変動
係数は42%であった。
【0132】(粒子−1の調製)種乳剤−1と以下に示
す4種の溶液を用い、平板状ハロゲン化銀乳剤[粒子−
1]を調製した。
【0133】 A2 オセインゼラチン 34.03g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ −ジサクシネートナトリウム塩(10%エタノール水溶液)2.25ml 種乳剤−1 1.722モル相当 水で 3150mlに仕上げる B2 臭化カリウム 1734g 水で 3644mlに仕上げる C2 硝酸銀 2478g 水で 4165mlに仕上げる D2 3重量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μ) から成る微粒子乳剤(*) 0.080モル相当 *0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%のゼラチン水溶液6.64リ ットルに、7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液 それぞれ2リットルを、10分間かけて添加した。微粒子形成中のpHは硝酸を 用いて2.0に、温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶 液を用いてpHを6.0調整した。
【0134】反応容器内で溶液A2を60℃に保ちなが
ら激しく撹拌し、そこに溶液B2の一部と溶液C2の一
部及び溶液D2の半分量を5分かけて同時混合法にて添
加し、その後引き続き溶液B2と溶液C2の残量の半分
量を37分かけて添加し、また引き続き溶液B2の一部
と溶液C2の一部及び溶液D2の残り全量を15分かけ
て添加し、最後に溶液B2とC2の残り全量を33分か
けて添加した。この間、pHは5.8に、pAgは、
8.8に終始保った。ここで、溶液B2と溶液C2の添
加速度は臨界成長速度に見合ったように時間に対して関
数様に変化させた。
【0135】添加終了後この乳剤を40℃に冷却し、公
知の方法で限外濾過脱塩を行った後、10%ゼラチン溶
液を加え50℃で30分間撹拌し、再分散した。再分散
後40℃にてpHを5.80、pAgを8.06に調整
した。
【0136】得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡観
察したところ、平均粒径0.984μ、平均厚さ0.2
2μ、平均アスペクト比約4.5、粒径分布の広さ1
8.1%の平板状ハロゲン化銀粒子であった。また、双
晶面間距離の平均は0.020μであり、双晶面間距離
と厚さの比が5以上の粒子が全平板状ハロゲン化銀粒子
の97%(個数)、10以上の粒子が49%、15以上
の粒子が17%を占めていた。
【0137】(粒子−2の調製)上記[粒子−1]を4
0℃にて溶融し、硝酸銀溶液と沃化カリウム溶液を同時
添加することによりpAgを7.5に調整した。このと
き硝酸銀溶液と沃化カリウム溶液は、この調整中に少量
沈殿するハロゲン化銀の沃化銀含有率が12モル%とな
るような比で添加した。
【0138】次に最初の[粒子−1]の量に対し、2モ
ル%の塩化ナトリウム溶液を添加後、塩化カルシウム、
臭化ナトリウム、沃化銀微粒子乳剤[粒子−1]の調製
で用いたのと同じもの、及び硝酸銀溶液をこの順番で添
加した。硝酸銀の添加量はハロゲン化銀粒子の全銀量に
対し6モル%になるような量を添加した。結局このEm
−2の調整で添加したハロゲン化物の組成比(モル%)
はCl:Br:I=42:42:16になるよう添加し
た。
【0139】得られた[粒子−2]を電子顕微鏡観察し
たところ、周縁部のみならず主平面[(111)面]上
の全面にエピタキシャル付着した多数のハロゲン化銀突
起物が観察された。
【0140】(粒子−3の調製)[粒子−2]の調製に
おいて、塩化ナトリウムの添加と塩化カルシウムの添加
の間に、銀1モルあたり例示増感色素D−3を0.6m
mol、増感色素D−4を0.006mmol(いずれ
も銀1モルあたりの量)をメタノール溶液として添加し
た以外は[粒子−2]の調製と同様にして、[粒子−
3]を調製した。
【0141】(粒子−4の調製)[粒子−3]の調製に
おいて、増感色素を固体微粒子状の分散物として添加し
た以外は[粒子−3]の調製と同様にして、[粒子−
4]を調製した。
【0142】分光増感色素の固体微粒子状分散物は特開
平5−297496号に記載の方法に準じた方法によっ
て調製した。即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に
調温した水に加え高速撹拌機(ディゾルバー)で3.5
00rpmにて30〜120分間にわたって撹拌するこ
とによって得た。
【0143】得られた[粒子−3]及び[粒子−4]を
電子顕微鏡観察したところ、主平面((1,1,1)
面)の周縁部にエピタキシャル付着したハロゲン化銀突
起物が観察された。
【0144】([粒子−1]の化学増感)得られた[粒
子−1]のハロゲン化銀1モル当たりの容積が300m
lになるよう純水を加えてから50℃にし、ベンジルア
デニンを20mg添加し、10分後に増感色素(A)、
(B)を固体微粒子状の分散物として各々0.6mo
l、0.006molを添加し、更に10分後にチオシ
アン酸アンモニウム塩を3×10−3モル加えてさらに
適当量の塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを添加した。
【0145】増感色素(A):5,5′−ジクロロ−9
−エチル−3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキ
サカルボシアニン−ナトリウム塩無水物 増感色素(B):5,5′−ジ−(ブドキシカルボニ
ル)−1,1′−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スル
ホブチル)ベンゾイミダソロカルボシアニン−ナトリウ
ム塩無水物 化学増感終了60分前に沃化銀微粒子4g及びトリフェ
ニルホスフィンセレナイド分散物2gを添加し、その後
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン(TAI)の適量を添加し化学増感を終了
した。得られた乳剤を[Em−1]とした。
【0146】上記のトリフェニルホスフィンセレナイド
の分散液は次のように調製した。即ち、トリフェニルフ
ォスフィンセレナイド120gを50℃の酢酸エチル3
0kg中に添加、撹拌し、完全に溶解した。他方で写真
用ゼラチン3.8kgを純水38kgに溶解し、これに
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム25wt%水
溶液93gを添加した。次いでこれらの2液を混合して
直径10cmのディゾルバーを有する高速撹拌型分散機
により50℃下において分散翼周速40m/秒で30分
間分散を行った。その後速やかに減圧下で、酢酸エチル
の残留濃度が0.3wt%以下になるまで撹拌を行いつ
つ、酢酸エチルを除去した。その後、この分散液を純水
で希釈して80kgに仕上げた。このようにして得られ
た分散液の一部を分取して上記実験に使用した。
【0147】([粒子−2]の化学増感)[粒子−1]
の化学増感と同様にして、[粒子−2]の化学増感を行
い、得られた乳剤を[Em−2]とした。
【0148】また増感色素(A)、(B)をメタノール
溶液として添加したこと以外は[粒子−1]の化学増感
と同様にして、[粒子−2]の化学増感を行い得られた
乳剤を[Em−3]とした。
【0149】([粒子−3]及び[粒子−4]の化学増
感)増感色素(A),(B)を添加しないこと以外は
[粒子−1]の化学増感と同様にして、[粒子−3]及
び[粒子−4]の化学増感を行った。得られた乳剤をそ
れぞれ[Em−4]、[Em−5]とした。
【0150】得られた乳剤に後掲の乳剤用添加剤を加え
て調製液とした。なお、写真乳剤塗布液調製後のpHは
6.20、銀電位は80mV(35℃)となるように炭
酸ナトリウムと臭化カリウム液を用いて調整した。
【0151】この乳剤塗布液を用いて、次のように試料
を調製した。即ち、写真乳剤層は金属銀換算片面当たり
1.8g/m2となるように、かつゼラチン量として片
面当たり1.7g/m2となるようにした。
【0152】又、後掲の添加物を用いて保護層液を調製
した。該保護層は片面当たりゼラチン付量0.7g/m
2となるように前記に調製した乳剤層と共に2台のスラ
イドホッパー型コーターを用い毎分80mのスピードで
支持体上に両面同時塗布を行い、2分20秒で乾燥し試
料を得た。
【0153】また乳剤に用いた添加剤は次のとおりであ
る。添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示す。
【0154】 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン 10mg t−ブチル−カテコール 70mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.0g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 5.0mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 2.0g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 1.5mg C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1.5g 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 15mg メタクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 18g
【0155】
【化19】
【0156】次に保護層液に用いた添加物を示す。記載
されている重量は塗布液1l当たりの量で示す。
【0157】 石灰処理イナートゼラチン 58g 酸処理ゼラチン 2g ナトリウム−i−アミル−n−デシルスルホサクシネート 1.0g ポリメチルメタクリレート、面積平均粒径3.5μmのマット剤 0.4g 二酸化ケイ素粒子、面積平均粒径1.2μmのマット剤 0.7g ルドックスAM (デュポン社製) (コロイドシリカ) 3.0g 下記界面活性剤(a)、(b)、(c)及び硬膜剤添加
【0158】
【化20】
【0159】 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 0.4g なお、ハロゲン化銀乳剤層及び/又は保護層に表1記載
のポリマーを表1記載量添加する。
【0160】
【表1】
【0161】感光材料の現像処理は、自動現像機TCX
−201(コニカ(株)製)をDry to Dry時
間が40秒になるよう改造し、現像液及び定着液はTC
−DF(コニカ(株)製)を使用した。現像・定着液温
度は35℃であり、水洗水は20℃であった。また、現
像液・定着液の補充量は感光材料1m2当たり160m
lとした。
【0162】これらの試料について下記評価を行った。
【0163】(ランニング安定性の評価)作成した感光
材料を大角サイズに断裁し、現像処理後の光学濃度が
1.0となるように全面均一な露光を施し、ランニング
処理を行った。ランニングは1日当たり150枚処理を
行い、初日(スタート液の状態)・750枚(5日)・
1500枚(10日)時点での下記の方法でセンシトメ
トリー性能を求め結果を表1に示した。
【0164】(センシトメトリー)得られた感光材料を
蛍光増感紙SRO−250(コニカ(株)製)で挟み、
管電圧90kVp、電流100mA、時間0.05秒の
条件でX線照射を行い距離法にてセンシトメトリーカー
ブを作成し感度を求めた。感度の値は「カブリ+1.
0」を得るのに必要なX線量の逆数として求めた。γ値
として「カブリ+0.25〜カブリ+2.0」の濃度範
囲において濃度差を得るのに必要な露光量の対数値差で
割った値である傾きとして求めた。
【0165】(擦り傷の評価)現像処理後の光学濃度が
1.0となるように全面均一な露光を施した感光材料を
現像処理して目視観察し、以下の基準で5段階評価し
た。なお、現像槽内の搬送ローラーは表面が劣化し凹凸
のついた搬送ローラーを用いて現像処理した。
【0166】5:プレッシャー斑点が認められない 4:注視するとフィルム辺縁部に淡い斑点が点在する
が、実用上問題ないレベルである 3:フィルム中央部に淡い斑点が点在するが、実用上問
題ないレベルである 2:フィルム辺縁部に濃い斑点が点在し実用上支障があ
る 1:フィルム中央部及び辺縁部に濃い斑点が点在し、実
用不可能である (濃度ムラの評価)各々の試料を大角サイズに断裁し、
処理後の光学濃度が約1.0になるように全面に均一露
光を施し、前記処理方法にて現像処理した試料をシャー
カステン上で目視観察し、下記基準で評価した。
【0167】3:濃度ムラが認められない 2:僅かに濃度ムラが認められる。(実用可) 1:はっきりと濃度ムラが認められる。(実用不可) 以上の結果を表2に示す。
【0168】
【表2】
【0169】表2の結果から本発明の試料は擦り傷、濃
度ムラが少なく、かつランニング安定性に優れているこ
とがわかる。
【0170】
【発明の効果】本発明により、処理液の補充量が少ない
場合にも写真性能の変動及び現像ムラが少なく、擦り傷
耐性に優れたハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方
法を提供することができた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層はホスト粒子が平板状ハロゲン化
    銀粒子であるエピタキシャルハロゲン化銀粒子を含有す
    るハロゲン化銀乳剤を含有しており、かつ該ハロゲン化
    銀乳剤層及び/又はその他の親水性コロイド層に下記一
    般式〔1〕で表される繰り返し単位を有するポリマーを
    含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 【化1】 〔式中、R1及びR2は同じでも異なってもよく、それぞ
    れ水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、または−CH
    2COOM1を表し、M1は水素原子または炭素数1〜8
    のアルキル基を表す。Lは−CONH−、−NHCO
    −、−COO−、−OCO−、−CO−、−SO2−、
    −NHSO2−、−SO2NH−または−O−を表す。J
    はアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基を
    表す。 【化2】 水素原子またはR3を表す。ここでM2は水素原子又はカ
    チオン基を表し、R9は炭素原子数1〜4のアルキル基
    を表し、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は水素原子、
    炭素原子数1〜20のアルキル基、アルケニル基、フェ
    ニル基、アラルキル基を表し、Xはアニオンを表し、ま
    た、p及びqはそれぞれ0または1を表す。Yは水素原
    子または−(L)P−(J)q−Qを表す。〕
  2. 【請求項2】 エピタキシャル粒子が下記条件を満たす
    ハロゲン化銀粒子であることを特徴とする請求項1記載
    のハロゲン化銀写真感光材料。 条件1:ホスト粒子が(111)面を主平面とする平板
    状粒子であり、円相当直径が0.5〜5.0μm、厚み
    が0.07〜0.7μmである 条件2:エピタキシー接合部を形成する面心立方格子構
    造のエピタキシャル付着したハロゲン化銀突起部を含
    む。 条件3:上記ハロゲン化銀突起部は、ホスト平板粒子の
    周縁部に位置する。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真
    感光材料を、現像液及び定着液の補充量が処理するハロ
    ゲン化銀写真感光材料1m2当たり200ml以下であ
    る自動現像処理システムで処理することを特徴とするハ
    ロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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