JPH10259251A - ポリイソブチレンシロキサンブロックコポリマーの調製方法 - Google Patents
ポリイソブチレンシロキサンブロックコポリマーの調製方法Info
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- JPH10259251A JPH10259251A JP10021905A JP2190598A JPH10259251A JP H10259251 A JPH10259251 A JP H10259251A JP 10021905 A JP10021905 A JP 10021905A JP 2190598 A JP2190598 A JP 2190598A JP H10259251 A JPH10259251 A JP H10259251A
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Abstract
ンブロックコポリマーの調製方法を提供すること。 【解決手段】 (I)(A)1個以上の末端シラノール基を有
するポリイソブチレンを(B) 有機リチウム化合物により
リチウム化してシラノラート官能ポリイソブチレンを生
成させる工程;(II)工程(I) から得たシラノラート官能
ポリイソブチレンを(C) 式:(R2SiO)3(式中R は一価
基)により表されるヘキサオルガノシクロトリシロキサ
ンと反応させシロキサノラート官能ブロックコポリマー
を形成させる工程;並びに(III) 工程(II)から得たシロ
キサノラート官能ブロックコポリマーを(D) 式:R'
(4-a) SiX a (式中R'は一価基、Xは加水分解性基、a
は1〜4の整数)により表されるシラン及び(E) 酸から
選ばれる化合物によりキャップする工程を含むポリイソ
ブチレンシロキサンブロックコポリマーの調製方法。
Description
(PIB)及びポリジオルガノシロキサンのブロックコ
ポリマーを提供する。より詳細には、本発明は、開始剤
としてシラノラート官能ポリイソブチレンを使用するジ
オルガノシクロトリシロキサンの非平衡アニオン重合に
より前記ブロックコポリマーを調製する方法を提供す
る。
チレンブロックコポリマーは、L. Wilczek et al. によ
るJ. Macromol. Sci.-Chem., A24(9), 1033-1049 (198
7) に記載されている。これらのコポリマーは、アルコ
ール系(−CH2 OH)末端基を有するテレケリックポ
リイソブチレンポリマーから調製される。テレケリック
アルコール官能PIBをまずブチルリチウムと反応させ
てアルコラート官能PIBジアニオンを形成させ、次い
でこのアルコラート官能PIBをヘキサメチルシクロト
リシロキサン(D3 )と反応させてリビングポリジメチ
ルシロキサン(「PDMS」)鎖をPIBの各末端に生
成させる。最終工程において、残存するアニオン末端を
トリメチルクロロシラン又はジメチルジクロロシランに
よりキャップし、それぞれPDMS−PIB−PDMS
トリブロックコポリマー又は−(PDMS−PIB−P
DMS)n −マルチブロックコポリマーとする。前記コ
ポリマーにおいて、「PDMS」はポリジメチルシロキ
サン鎖残基を表し、「PIB」はポリイソブチレン鎖残
基を表す。
記方法は2つの主な欠点を有する。第1の欠点は、得ら
れるブロックコポリマーが≡C−O−Si≡基を通じて
PIBセグメントに結合したPDMSセグメントを有す
ることである。ある場合にそれらのトリブロックコポリ
マーは十分な加水分解抵抗を示すが、そのような連結基
は湿気のある環境、特に酸性条件下及び/又は高温では
非常に不安定である。第2の欠点は、商業的に実行可能
な方法では前駆体ヒドロキシル官能PIBは容易に得ら
れないことである。例えば、特開平7−102017号
には、対応するヒドロキシル末端炭化水素ポリマーをハ
ロゲン化アリルのような化合物と反応させることによる
末端不飽和を有する種々のポリマーの調製法が開示され
ている。分子当たり少なくとも1.1個のヒドロキシル
基を含有していなくてはならない出発ポリマーは、典型
的には、炭化水素ポリマーをオゾンと反応させることに
よる炭化水素ポリマーの鎖の切断に続き、水素化アルミ
ニウムリチウムによる還元を実施することにより調製さ
れる。ヒドロキシル官能前駆体ポリマーを調製するこの
方法は、特開平7−102017号の参考例に示されて
いるように、鎖の切断によってポリマーの分子量の望ま
しくない減少が引き起こされるため、欠点を有する。
ン上のアリル官能基がヒドロホウ素化−酸化シーケンス
によりヒドロキシルに転化される。この2段階法は、ジ
ボラン又は9−ボラビシクロ{3.3.1}ノナン(9
−BBN)によるポリマーの処理と、それに続いて過酸
化水素によりC=C基をアルコール含有基に転化させる
反応を用いる。ジボランによるヒドロホウ素化によっ
て、ある第2級ヒドロキシルの形成が起こるが、9−B
BNは非常に位置選択性が高いために9−BBNは第1
級アルコールのみを与える。従って、この技法は、式:
−CH2 CH2 CH2 −OHにより表される末端基を有
するポリイソブチレンポリマーを調製するために使用さ
れる。しかしながら、この技法でさえも、アリル官能ポ
リイソブチレンのヒドロホウ素化が困難であるという点
で明らかな欠点を有する。ボランは、高価であることに
加えて可燃性であり、水と激しく反応する。従って、ボ
ランは危険である。さらに、H2 O2 によるヒドロホウ
素化生成物の酸化はこの合成法を複雑にする。
リチウムと非常にゆっくりと反応し、PIBアニオンは
容易に生成しない。
れた調製方法が必要とされている。
−O−Si≡結合に対して非常に優れた加水分解安定性
を有する≡Si−C≡結合を通じてジオルガノポリシロ
キサンセグメントがPIBセグメントに結合するように
種々のジオルガノポリシロキサン−PIBブロックコポ
リマーを調製できることを見出した。さらに、本発明の
調製方法は、対応するビニルまたはアリル官能ポリマー
から容易に合成されるシラノール官能PIBを出発原料
として使用する。そのシラノール基はブチルリチウムと
速やかに反応し、そのためPIBアニオンの形成は実質
的に瞬時に起こる。
チレン(A)を有機リチウム化合物(B)によりリチウ
ム化し、シラノラート官能ポリイソブチレンを生成させ
る工程; (II)工程(I)から得たシラノラート官能ポリイソ
ブチレンを式:(R2SiO)3 (式中、Rは炭素原子
数1〜6のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール
基及び炭素原子数2〜6のハロゲン化アルキル基からな
る群から独立に選ばれる一価基である)により表される
ヘキサオルガノシクロトリシロキサン(C)と反応さ
せ、シロキサノラート官能ブロックコポリマーを形成さ
せる工程;並びに (III)工程(II)から得たシロキサノラート官能
ブロックコポリマーを、式:R’(4-a) SiXa (式
中、R’は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数
2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール
基、炭素原子数2〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原
子数4〜10のアクリルオキシアルキル基、炭素原子数
4〜10のメタクリルオキシアルキル基及び炭素原子数
8〜14のアルケニルアリール基から独立に選ばれる一
価基であり、Xは加水分解性基であり、aは1〜4の整
数である)により表されるシラン(D)又は酸(E)か
ら選ばれる化合物によりキャップする工程;を含むポリ
イソブチレン−シロキサンブロックコポリマーの調製方
法である。
(A)の主鎖は、その繰返し単位の少なくとも50モル
%、好ましくは少なくとも80モル%が下記構造式:
ある任意の線状又は分枝状ポリマー又はコポリマーであ
る。ブチレンの異性体、スチレン、スチレンの誘導体、
イソプレン及びブタジエンのような1種以上の炭化水素
モノマーをイソブチレンと共重合させてもよく、好まし
いコモノマーは1−ブテン、α−メチルスチレン、p−
メチルスチレン及びイソプレンから選ばれる。本明細書
において「ポリマー」なる用語は、イソブチレンのポリ
マー、オリゴマー及びコポリマーを包括するものであ
る。しかしながら、本発明のポリジオルガノシロキサン
−PIBブロックコポリマーを調製するために、ポリイ
ソブチレン、すなわちポリマー(A)は炭素に結合した
シラノール基(すなわち、−C−SiOH)を1個以上
含まなくてはならないか又は含むように変性されたもの
でなくてはならない。
イソブチレン繰返し単位からなるホモポリマーである。
ただ1個の不飽和基を含有し、かつ、末端シラノール基
を含有するPIBに容易に転化され、その後にポリジオ
ルガノシロキサン−PIBブロックコポリマーに転化さ
れうる適切なポリイソブチレンは、Indopol (商標)の
名称でAmoco Chemical Company(イリノイ州シカゴ);
Glissopal (商標)の名称でBASF AG (ドイツ);及び
Ultravis(商標)の名称でBP Chemicals Ltd.(英国)
を含む幾つかの供給元から種々の分子量で市販入手可能
である。同様に、1個以上のそのような不飽和基を有す
る(すなわち官能価が約2.0である)テレケリックP
IBはテレケリックシラノール官能PIBに容易に転化
され、次に本発明のブロックコポリマーに転化される。
アリル末端基を有する幾つかのテレケリックPIBがEP
ION (商標)の名称で鐘淵化学工業株式会社から市販入
手可能である。
は、ポリマー鎖の末端の位置にシラノール基を有する。
これらのポリマーは、当該技術分野で周知である。例え
ば、特開平7−053882号の特許請求の範囲には、
SiH官能環状ポリシロキサンによるアリル官能PIB
のヒドロシリル化、それに続くパラジウム触媒の存在下
での加水分解が記載されている。さらに、アルコキシシ
ロキシ基のような加水分解基を含有するPIBは加水分
解してシラノール官能ポリマーを提供し得る。そのよう
なポリマーの他の合成方法に関しては、P. D. Lickiss
によるAdvance inInorganic Chemistry, v.42, p.142
(1995)を言及しておく。
するアリル−又はビニル官能ポリマーを式(i):HS
iR2 (Z)により表されるシランによりシリル化し、
続いて生成した加水分解性基官能ポリマーを加水分解す
ることにより調製される。式(i)において、Rは炭素
原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のハロゲ
ン化アルキル基、及び炭素原子数6〜18のアリール基
からなる群から独立に選ばれる。適切なR基の例には、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、ペンチル及びヘキシルのようなアルキル基;
フェニル、トリル、キシリル、ベンジル、α−メチルス
チリル及び2−フェニルエチルのようなアリール基;;
並びに3,3,3−トリフルオロプロピル又は3−クロ
ロプロピルのような塩素化炭化水素基が含まれる。好ま
しくは、Rは炭素原子数1〜6のアルキル基又はフェニ
ル基から選ばれ、最も好ましくはメチルである。Zはハ
ロゲン、アルコキシ、アシロキシ、アルケニルオキシ、
オキシム及びアミノキシのような加水分解性基である。
好ましくは、Zは塩素原子である。
IB」はポリイソブチレン鎖残基を表す。これらの式に
おいて、ポリマーとケイ素原子の間の連結基はエチレン
(すなわち、ビニル官能PIBから生成したエチレン)
であるが、この連結基が末端不飽和を有する基から生じ
たものであり、かつ、PIB鎖の片端に結合している限
りこの連結基は炭素原子数2〜10のいかなる二価炭化
水素基であってもよいことが予想される。最初の反応
は、典型的には、炭素上に担持された白金、クロロ白金
酸又は白金錯体のような当該技術分野で周知のヒドロシ
リル化触媒により触媒される。通常、この反応は、ニー
ト又は好ましくは有機溶剤溶液(例えば、トルエン)中
で0〜250℃、好ましくは20〜150℃、最も好ま
しくは40〜100℃で実施される。Zが塩素原子であ
る場合には、第2の反応(加水分解反応)は、発生する
塩酸を中和するために使用される好ましくは炭酸水素ナ
トリウムのような塩基の存在のもとで概して0〜60℃
で実施される。各末端にシラノール基を有するテレケリ
ックポリマーの調製に同様な式の組が適用されることが
理解される。
シラノール基を有する上記ポリイソブチレンが有機リチ
ウム化合物(B)によりリチウム化され、シラノラート
官能ポリイソブチレンが提供される。本発明に対して
「シラノラート官能ポリイソブチレン」なる用語は、≡
C−SiR2 O- (式中、Rは上記の通りである。)型
の末端基を有するPIBを表す。このリチウム化工程は
下記式:
ーとケイ素原子の間の連結基は上記の通りの基R''であ
る。前記式において、PIBはポリマー残基を表し、
R''' は炭素原子数1〜6のアルキル基、メシチル基及
びフェニルからなる群から選ばれ、Rは上記の通りであ
る。
−ブチルリチウム、sec −ブチルリチウム、tert−ブチ
ルリチウム又はメチルリチウムである。使用される有機
リチウム化合物の量は、ポリマー(A)のSiOH含有
量に基づく化学量論的量であってよいが、化学量論的量
より少ない量が使用されることが好ましい。従って、
0.05〜1.0の≡SiOHに対するLiのモル比が
通常用いられるが、0.05〜0.95の比が好まし
く、0.3〜0.95の比が最も好ましい。この比が1
よりも大きい場合に、シロキサンホモポリマーは副生成
物として形成される。上記反応は窒素又はアルゴンのよ
うな乾燥不活性雰囲気のもとにある溶液中で実施され
る。適切な溶剤には、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル、ベンゼン及びトルエンが含まれる。典型的に
は、このリチウム化工程は、通常の周囲条件で実施され
るが、−78〜50℃の温度でも進行し得る。
レンを式(ii):(R2 SiO) 3 (式中、Rは上記
定義の通りである。)により表されるヘキサオルガノシ
クロトリシロキサン(C)と反応させ、シロキサノラー
ト官能ブロックコポリマーを形成させる。好ましくは、
成分(C)はヘキサメチルシクロトリシロキサンであ
る。本発明に対し、「シロキサノラート官能ポリイソブ
チレン」なる用語は、式:≡C−(R2 )SiO(R2
SiO)n (R2 )SiO- (式中、Rは上記の通りで
あり、nは好ましくは少なくとも1であるシロキサンセ
グメントの重合度である。)により表される型の末端基
を有するPIBを表す。この反応は下記式:
義の通りである。)により表される。
合物(D)が使用される場合には、T. Suzuki によるPo
lymer, 30, 333 (1989) に記載されているように、リチ
ウムシラノラートはシラノール基による容易な交換反応
をうける。このアニオン重合反応は、乾燥不活性条件下
でニートで実施するこができるが、溶剤の存在下で実施
されることが好ましい。適切な溶剤には、シラノラート
官能ポリイソブチレンの形成に関して上記したものが含
まれる。この反応は、通常、周囲条件で実施されるが、
−20〜100℃の温度で実施されてもよい。さらに、
通常、ヘキサオルガノシクロトリシロキサンの重合を促
進するために特定の促進剤が添加される。そのような促
進剤は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド及びヘキサメチルリン酸アミドにより
例示される。
ノシクロトリシロキサン(C)ごとに1〜10重量部の
少なくとも1種の促進剤が使用される。前記アニオン重
合は、狭い分子量分布のシロキサン鎖が望ましい場合に
は、ヘキサオルガノシクロトリシロキサンの全てが消費
される前に以下で説明するように停止されることが好ま
しい。シロキサンの分子量は、ヘキサオルガノシクロト
リシロキサンに対するシラノラート官能PIBの比を調
節することによっても制御することができる。
ロキサノラート官能ブロックコポリマーは、式(iii) :
R’(4-a) SiXa (式中、R’は炭素原子数1〜6の
アルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原
子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜6のハロゲ
ン化アルキル基、炭素原子数4〜10のアクリルオキシ
アルキル基、炭素原子数4〜10のメタクリルオキシア
ルキル基及び炭素原子数8〜14のアルケニルアリール
基から独立に選ばれる一価基である。)により表される
シラン(D)によりキャップ(停止)される。前記アル
ケニルアリール基の例には、ビニルフェニル、アリルフ
ェニル及びビニルベンジルが含まれる。好ましくはR’
はメチル、フェニル、ビニル、アリル、メタクリルオキ
シプロピル及びアクリルオキシプロピルからなる群から
選ばれる。
って、Zに関して上記したものと同じ基から選ばれる。
好ましくはZはアセトキシのようなアシルオキシ又は塩
素のようなハロゲンである。下付き文字aは1〜4の整
数であり、その値は得られるブロックコポリマーの特定
の型を決定する。従って、例えば、a=1である場合
に、下記式:
であり、そしてBがPIBブロックであるAB型のジブ
ロックコポリマーが形成される。ただし、前記式中、P
IB、R、R’、R''、X及びnは上記定義の通りであ
り、≡SOHに対するLiのモル比は1.0である。
合に、2つのポリジオルガノシロキサンセグメントがシ
ロキサン結合を通じて結合したBA−AB型のトリブロ
ックコポリマーが形成される。さらに、aが3又は4で
ある場合に、それぞれ下記構造式:
ポリジオルガノシロキサンブロックを表す。)により表
される分枝状及び星形のブロックコポリマーが調製され
る。≡SiOHに対するLiのモル比が1.0未満であ
る場合に、キャッピング反応を促進するために酸受容体
(例えば、トリエチルアミン又はトリブチルアミンのよ
うなアミン)が使用されることが好ましい。
8〜200℃の温度でも実施され、通常形成される塩副
生成物(例えば、LiCl)が濾過により除去される。
次いで、最終的なブロックコポリマーは、例えば残留ヘ
キサオルガノシクロトリシロキサン(C)、溶剤及び任
意の他の揮発性成分をストリッピングすることにより単
離されても又は周知の方法(例えば、溶液からの沈殿)
により精製されてもよい。
ックコポリマーは、酸(E)によりクエンチされてもよ
い。適切な酸には、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸及び
アクリル酸のような有機酸;並びに希HCl、H2 SO
4 、HNO3 及びHCO3 のような無機酸が含まれる。
好ましい酸は、典型的なストリッピング条件(例えば、
加熱及び減圧条件)により容易に除去される酢酸及び炭
酸のような揮発性酸である。この場合に、反応によっ
て、下記式:
の通りであり、Qは酸対イオンである。)により表され
るシラノール末端ブロックコポリマーが生成する。
るLiのモル比が1.0未満である場合には、生長末端
の全てが容易にシラノールに転化されるために本発明の
第1態様のこの変形が好ましい。このスキームによる
と、Aがポリジオルガノシロキサンであり、BがPIB
であるAB型のコポリマーが調製される。このクエンチ
ング反応は上記シラン(D)によるキャッピングと同じ
温度条件下で実施される。
は式(iv):HOSi(R2 )−R''−(PIB)−
R''−SiR2 OH(式中、PIB、R及びR''は上記
定義の通りである。)により表されるテレケリックシラ
ノール末端PIBである。このシラノール末端PIBを
有機リチウム化合物(B)によりリチウム化し、次いで
前記第1態様におけるようにヘキサオルガノシクロトリ
シロキサン(C)と反応させ、下記式(v):
義の通りである。)により表されるテレケリックシロキ
サノラート官能PIBを形成させる。次に、これを上記
のような下付き文字aが1若しくは2であるシラン
(D)又は酸(E)によりキャップする。
クコポリマーを調製することができることを認識するで
あろう。例えば、a=1であるシラン(D)(又は酸)
をキャッピング剤として使用するとトリブロックABA
系が生成する。シラン(D)が2個の加水分解性基を含
む場合(すなわち、式(iii) においてaが2である場
合)に、mが2以上の整数である(−AB−)m 型のマ
ルチブロック系が形成される。ここで前記概略的な表記
においてもAはポリジオルガノシロキサンブロックであ
り、BはPIBブロックである。
ング及びエラストマーの調製における中間体としての用
途がある。また、本発明のブロックコポリマーは、界面
活性剤、添加剤及び相溶化剤としての用途がある。
の実施例を示す。他に記載がない限り、この実施例にお
いて全ての部及び百分率は重量に基づくものであり、全
ての測定値は25℃±2℃で得たものである。
ポリイソブチレン(PIB)及びポリジメチルシロキサ
ン(PDMS)}の分子量は、屈折率(RI)検出器を
使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により
決定した。これらの測定は、それぞれ標準PIB試料又
はPDMS試料を分子量較正のために使用してテトラヒ
ドロフラン(PIB出発原料)又はトルエン(PDMS
出発原料)中で実施した。前記出発原料及びコポリマー
を、IR、 1H、13C及び29Si核磁気共鳴(NMR)
分光分析法によりさらに特性評価し、分子構造を確認し
た。
によりテレケリックアリル官能ポリイソブチレン(PI
B)を調製した。このアリル官能ポリイソブチレンは
5,050の数平均分子量(Mn )及び6,600の重
量平均分子量(M w )を有していた。アリル末端のキャ
ッピング度は13C−NMR分析により1.9±0.1で
あると決定された。次に下記のように、前記アリル官能
PIBをジメチルクロロシランを用いるヒドロシリル化
によりテレケリックジメチルクロロシリル官能ポリイソ
ブチレンに転化させた。
gのトルエンに溶解させ、次いで磁気攪拌棒、コンデン
サー及び滴下漏斗を備えた三つ口フラスコに加えた。ク
ロロ白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの反応
生成物(米国特許第3,419,593号に記載の方法
により調製される白金含有率4.22%の触媒錯体17
0μl)を加え、窒素中に2体積%の酸素を含む雰囲気
のもとで溶液を70℃に加熱した。次にジメチルクロロ
シランを滴下添加した。1mlのシランを導入した後、
溶液の色は金色に変化し、加熱を停止した。次にシラン
の添加速度を調節し、65〜70℃の反応温度を保った
(添加した全シランは50.6ml、添加時間は30分
間)。溶液を70〜75℃で一晩攪拌し、次いで回転式
蒸発器内で85〜90℃/0.27〜0.67kPa
(2〜5torr)で溶剤及び過剰のシランを3時間ス
トリッピングした。淡黄色ポリマーが得られた。NMR
分析によって、アリル官能基が式:−Si(Me2 )C
l(式中、Meはメチル基を表し、以下同様とする。)
により表される末端基に定量的に転化されたテレケリッ
クPIBポリマーの形成が確認された。
おいて調製されたテレケリックジメチルクロロシリル官
能ポリイソブチレン450g及びテトラヒドロフラン
(THF)300gを加えた。内容物を45〜50℃に
温め、300gの水中に34gの炭酸水素ナトリウムを
含む溶液を攪拌しながら滴下添加した。この混合物を1
時間攪拌した。次に、有機層及び水層を分離し、水層を
50ml×2のTHFで2回洗浄し、洗浄後のTHFの
それぞれを有機層と組み合わせた。その後、この溶液を
Na2 SO4 上で一晩乾燥させ、濾過し、次いで回転式
蒸発器を使用して70℃で溶剤を除去し、410gの淡
黄色からオフホワイトのポリマー物質を得た。29Si−
NMRにより分析によって、式:−Si(Me2 )OH
により表される末端基を有するテレケリックジメチルシ
ラノール官能ポリイソブチレンの存在が確認された。得
られたシラノール官能PIBは、Mn が6,440であ
り、Mw が9,080であった(THF中でのGP
C)。
H)2 により表されるα,ω−ジメチルシラノール官能
ポリイソブチレン(4.87g、7.56×10-4モ
ル;1.51×10-3モルSiOH)をTHF(30m
l)に溶解させ、0.3nm(3Å)分子篩上で一晩貯
蔵した。この溶液を窒素雰囲気下で0.8mlのn−ブ
チルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液(n−B
uLiを1.28×10-3モル含む)により処理し、リ
チウム化されたポリイソブチレン溶液を形成させた。
(D3 )(44.2g)を窒素雰囲気下で60.7gの
o−キシレンと共に攪拌した。この混合物を共沸蒸留
し、2mlのD3 /キシレン混合物を廃棄した。アセト
ニトリル(3.2g)、ジメチルホルムアミド(3.2
g)及び上記リチウム化PIB溶液をD3 溶液に加える
と、淡黄色に変色した。混合物を3時間攪拌し、GC分
析を実施することによりD3 の15%が残留しているこ
とが示された。0.2gの酢酸を添加することにより反
応を停止させ、2時間攪拌した。溶剤及び未反応D3 を
回転式蒸発器により85〜90℃/0.13kPa(1
mmHg)で2時間を要して除去した。得られたHOS
iMe2 O−ABA−SiMe2 OHブロックコポリマ
ー(A=ポリジメチルシロキサン残基;B=PIB残
基)をGPC(トルエン中)により分析すると、Mn =
11540及びMw =13450であった。
−ジメチルシラノールポリイソブチレン(PIB(Si
Me2 OH)2 )を実施例1及び2に記載の方法により
調製し、GPC(THF中)により分析した結果、Mn
=5900及びMw /Mn =1.3であった。このα,
ω−ジメチルシラノールポリイソブチレン(5.9g;
1×10-3モル;2×10-3モルSiOH)をTHF
(20ml)に溶解させ、0.3nm(3Å)分子篩上
で一晩貯蔵した。この溶液を窒素雰囲気下でn−BuL
i(0.6ml、9.6×10-4モル)により処理し、
リチウム化された溶液を形成させた。
1.8gのo−キシレンと共に攪拌し、共沸蒸留し、6
mlのD3 /キシレン混合物を廃棄した。アセトニトリ
ル(3.2g)、ジメチルホルムアミド(3.2g)及
び上記リチウム化された溶液をD3 に加えると、淡黄色
に変色した。混合物を3時間15分攪拌し、GC分析を
実施するとD3 の5%が残留していることが示された。
トリメチルクロロシラン(0.32g、3×10-3モ
ル)の添加により反応を停止させ、2時間攪拌し、次に
加圧フィルターを通して濾過した。透明溶液が得られ、
溶剤及び未反応D3を回転式蒸発器により85〜90℃
/0.13kPa(1mmHg)で2時間を要して除去
した。得られたMe3 SiO−ABA−SiMe3 ブロ
ックコポリマー(A=ポリジメチルシロキサン残基;B
=PIB残基)をGPC(トルエン中)により分析する
と、Mn =8722及びMw =12000であった。
(商標)1000を加水分解した。 Glissopal(商標)1000
は、その分子の片端に二重結合が位置する割合が高く、
数平均分子量が1180であるポリイソブチレンであ
る。 Glissopal(商標)1000はBASF AG (ドイツ)の製
品である。 Glissopal(商標)1000(300g)を、磁
気攪拌棒、コンデンサー及び滴下漏斗を備えた三つ口フ
ラスコに加えた。白金錯体のトルエン溶液を米国特許第
5,175,325号に記載されているように塩化白金
及びジビニルテトラメチルジシロキサンから調製した。
次に、250μlの4.2%Pt溶液を加え、この混合
物を窒素雰囲気下で70℃に加熱した。反応温度が65
〜70℃に保たれるように添加速度を調節しながらジメ
チルクロロシランを滴下添加した(添加したシランの合
計量は60gであった)。溶液を70〜75℃で一晩攪
拌し、溶剤及び過剰のシランを回転式蒸発器により85
〜90℃/0.27〜0.67kPa(2〜5tor
r)で3時間ストリッピングし、淡黄色ポリマーを得
た。NMR分析によって、ビニル官能基が式:−Si
(Me2 )Clにより表される末端基に定量的に添加さ
れたPIBポリマーであることが確認された。
HF中に溶解させた。トリエチルアミン(42ml)を
THF溶液に導入し、次いで蒸留水(7g)をゆっくり
加えた。混合物を30分間激しく攪拌し、加圧フィルタ
ーを使用して塩副生成物を濾過により除去した。水層及
び有機層を分離し、有機層をNa2 SO4 上で貯蔵し
た。揮発性物質を減圧蒸留により除去し、IR及び29S
i−NMR分析により調べた場合にSiOH官能基を含
有することが示された単官能シラノール末端ポリイソブ
チレン(PIB−SiMe2 OH)を得た。GPC(T
HF中)によって、Mw =1888及びMn =1317
が示された。
上で貯蔵された単官能シラノール末端ポリイソブチレン
(10g;7.59×10-3モル)をまずTHF(20
g)に溶解させ、次いでこれに窒素雰囲気下でn−Bu
Li(4ml、6.4×10-3モル)を加え、シラノラ
ート官能ポリイソブチレン溶液を調製した。
gのo−キシレンと共に攪拌し、共沸蒸留し、6mlの
D3 /キシレン溶液を廃棄した。アセトニトリル(6.
1g)、ジメチルホルムアミド(6.7g)及びシラノ
ラート官能ポリイソブチレン溶液をD3 溶液に加えた。
混合物は即座に温かくなり、淡黄色に変色した。混合物
を2時間攪拌すると、D3 の14%が残留していること
が示された。酢酸(0.4g、6×10-3モル)の添加
により反応を停止させ、混合物を2時間攪拌し続けた。
溶剤及び未反応D3 を回転式蒸発器により85〜90℃
/0.13kPa(1mmHg)で2時間を要して除去
し、生成物を加圧フィルターを通じて濾過し、式:B−
A−SiMe2 OH(式中、Bはポリイソブチレン残基
を表し、Aはポリジメチルシロキサン残基を表す)によ
り表されるブロックコポリマーを得た。GPC分析(ト
ルエン中)によって、Mn =8385及びMw =955
2が示された。
Claims (6)
- 【請求項1】 (I)1個以上の末端シラノール基を有
するポリイソブチレン(A)を有機リチウム化合物
(B)によりリチウム化し、シラノラート官能ポリイソ
ブチレンを生成させる工程; (II)工程(I)から得たシラノラート官能ポリイソ
ブチレンを式:(R2SiO)3 (式中、Rは炭素原子
数1〜6のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール
基及び炭素原子数2〜6のハロゲン化アルキル基からな
る群から独立に選ばれる一価基である)により表される
ヘキサオルガノシクロトリシロキサン(C)と反応さ
せ、シロキサノラート官能ブロックコポリマーを形成さ
せる工程;並びに (III)工程(II)から得たシロキサノラート官能
ブロックコポリマーを、式:R’(4-a) SiXa (式
中、R’は炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数
2〜6のアルケニル基、炭素原子数6〜10のアリール
基、炭素原子数2〜6のハロゲン化アルキル基、炭素原
子数4〜10のアクリルオキシアルキル基、炭素原子数
4〜10のメタクリルオキシアルキル基及び炭素原子数
8〜14のアルケニルアリール基から独立に選ばれる一
価基であり、Xは加水分解性基であり、aは1〜4の整
数である)により表されるシラン(D)又は酸(E)か
ら選ばれる化合物によりキャップする工程;を含むポリ
イソブチレンシロキサンブロックコポリマーの調製方
法。 - 【請求項2】 前記成分(A)が本質的にイソブチレン
単位からなり、かつ、1個の末端シラノール基を有する
ホモポリマーである請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記成分(C)がヘキサメチルシクロト
リシロキサンであり、前記有機リチウム化合物に対する
前記シラノール基のモル比が0.05〜1.00である
請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 Xが塩素原子であり、R’がメチルであ
り、前記酸が有機酸及び無機酸から選ばれる請求項3記
載の方法。 - 【請求項5】 前記ポリイソブチレン(A)がテレケリ
ックシラノール官能ポリイソブチレンである請求項1〜
4のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
法により得られるブロックコポリマー。
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