JPH10259247A - 生分解性ポリマー及びその製法 - Google Patents

生分解性ポリマー及びその製法

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JPH10259247A
JPH10259247A JP6625597A JP6625597A JPH10259247A JP H10259247 A JPH10259247 A JP H10259247A JP 6625597 A JP6625597 A JP 6625597A JP 6625597 A JP6625597 A JP 6625597A JP H10259247 A JPH10259247 A JP H10259247A
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JP
Japan
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carbon atoms
block
biodegradable polymer
alkylene group
aliphatic
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JP6625597A
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English (en)
Inventor
Yutaka Tokiwa
豊 常盤
Hajime Inagaki
始 稲垣
Hideshi Hori
秀史 堀
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Mitsui Chemicals Inc
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドとの共
重合体からなる生分解性ポリマーの有するすぐれた物性
を保持しつつ、その生分解性を一層向上させた生分解性
ポリマーを提供することにある。 【解決手段】本発明による生分解性ポリマーは、脂肪族
ポリエステルブロックと脂肪族ポリアミドブロックとポ
リアルキレングリコールブロックとからなるポリエステ
ルアミド共重合体からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性ポリマー
及びその製法に関し、詳しくは、分子中に脂肪族ポリエ
ステルブロックと脂肪族ポリアミドブロックとポリアル
キレングリコールブロック(ポリエーテルブロック)と
を有するポリエステルアミド共重合体からなる生分解性
ポリマー及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック廃棄物の処理問題の
深刻化を背景として、生分解性を有するポリマーが種々
提案されている。その一つとして、例えば、生分解性を
有する脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドを共重合
させることによって、生分解性を有すると共に、物性面
にもすぐれるポリマーを得ることができることが特公昭
57−61286号公報に記載されている。しかし、こ
のポリマーは生分解性を有するものの、形状がなくなる
ほどにほぼ完全に分解するには、かなりの時間を要する
ものであり、尚、改善の余地がある。また、特開平6−
192417号公報にも、同様のポリエステルアミドに
関する記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドとの共
重合体からなる生分解性ポリマーの有するすぐれた物性
を保持しつつ、その生分解性を一層向上させるために、
ポリアルキレングリコールが光分解性を有する、即ち、
光によって酸化劣化することに着目して、既に、脂肪族
ポリエステルと脂肪族ポリアミドのエステル−アミド交
換反応時にポリアルキレングリコールを共存させて、共
に反応させることによって、生分解性が格段に向上した
ポリエステルアミドを得ることができることを見出して
いるが、更に、鋭意研究を進めた結果、上記ポリエステ
ルアミド共重合体におけるポリアルキレングリコールの
共重合割合を増やすことによって、光分解性を一層よく
制御することができることを見出して、本発明に至った
ものである。
【0004】従って、本発明は、すぐれた物性を保持し
つつ、生分解性を一層向上させたポリエステルアミド共
重合体からなる生分解性ポリマーとその製法を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による生分解性ポ
リマーの第1は、脂肪族ポリエステルブロックと脂肪族
ポリアミドブロックとポリアルキレングリコールブロッ
クとからなるポリエステルアミド共重合体であって、脂
肪族ポリエステルブロックが一般式(A)
【0006】
【化10】
【0007】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキレ
ン基を示し、R2 は炭素数2〜6のアルキレン基又は側
鎖にアルキル基を有するアルキレン基を示し、aは平均
重合度であって、1以上の整数を示す。)で表わされる
ブロックからなり、脂肪族ポリアミドブロックが一般式
(B)
【0008】
【化11】
【0009】(式中、R3 は炭素数3〜11のアルキレ
ン基を示し、bは平均重合度であって、1〜30の整数
を示す。)で表わされるブロックか、又は一般式
(B’)
【0010】
【化12】
【0011】(式中、R4 は炭素数2〜10のアルキレ
ン基を示し、R5 は炭素数4〜12のアルキレン基を示
し、b’は平均重合度であって、1〜30の整数を示
す。)で表わされるブロックか、又は一般式(B)で表
わされるブロックと一般式(B’)で表わされるブロッ
クからなり、ポリアルキレングリコールブロックが一般
式(C)
【0012】
【化13】
【0013】(式中、R6 は炭素数2〜6のアルキレン
基又は側鎖にアルキル基を有するアルキレン基を示し、
cは平均重合度であって、10〜1500の整数を示
す。)で表わされるブロックからなるポリエステルアミ
ド共重合体からなることを特徴とする。本発明による生
分解性ポリマーの第2は、上記第1の生分解性ポリマー
において、脂肪族ポリエステルブロックが前記一般式
(A)で表わされるブロックと、一般式(A’)
【0014】
【化14】
【0015】(式中、R7 は炭素数1〜12の直鎖アル
キレン基又は側鎖にアルキル基を有するアルキレン基を
示し、eは平均重合度であって、1以上の整数を示
す。)で表わされるブロックとからなるものである。
【0016】本発明によるこのようなポリエステルアミ
ド共重合体は、脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミド
をエステル−アミド交換反応を行なわせる際に、ポリア
ルキレングリコールを共存させて、共に反応させること
によって得ることができ、ポリアルキレングリコールブ
ロックをも有している。
【0017】即ち、本発明による第1の生分解性ポリマ
ーは、本発明に従って、(a) 炭素数3〜12の脂肪族ジ
カルボン酸と炭素数2〜6の脂肪族ジオールを原料とす
るポリエステル又はそのオリゴマー、(b) 炭素数4〜1
2のラクタム若しくは炭素数4〜12のアミノカルボン
酸を原料とするポリアミド又はこれらのオリゴマーか、
又は(b')炭素数4〜12のジカルボン酸と炭素数4〜1
2のジアミンを原料とするポリアミド若しくはそのオリ
ゴマーか、又はこれらの混合物、及び(c) ポリアルキレ
ングリコールからなる原料混合物を触媒の存在下で加熱
溶融させて、反応させることによって得ることができ
る。
【0018】また、本発明による第2の生分解性ポリマ
ーは、本発明に従って、ポリエステルブロックを形成す
るための原料として、上記(a) 成分と共に、(a')炭素数
3〜12のラクトン化合物又は炭素数1〜12の脂肪族
ヒドロキシカルボン酸を原料とするポリエステル又はこ
れらのオリゴマーを用いることによって得ることができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明によるこのようなポリエス
テルアミド共重合体において、脂肪族ポリエステルブロ
ック(A)及び(A’)を形成するための脂肪族ポリエ
ステルは、本来、生分解性を有している。
【0020】上記脂肪族ポリエステルブロックのうち、
ブロック(A)としては、炭素数3〜12の脂肪族ジカ
ルボン酸と炭素数2〜6の脂肪族ジオールを原料とする
ポリエステル又はそのオリゴマーが用いられる。このよ
うな原料のなかでも、特に、ポリブチレンサクシネート
が好ましく用いられるが、しかし、これに限定されるも
のではない。ポリブチレンサクシネート以外に、例え
ば、ポリブチレンアジペートポリエチレンサクシネー
ト、ポリブチレンアジペートとポリエチレンサクシネー
トとの混合物等も好ましく用いられる。
【0021】また、上記脂肪族ポリエステルブロックの
うち、ブロック(A’)としては、炭素数3〜12のラ
クトン化合物又は炭素数1〜12の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸を原料とするポリエステル又はこれらのオリゴ
マーが用いられる。これらの原料のなかでも、特に、ポ
リカプロラクトンが好ましく用いられるが、しかし、こ
れに限定されるものではない。ポリカプロラクトン以外
に、例えば、ポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ4−
ヒドロキシブチレート、ポリ3−ヒドロキシバリレー
ト、ポリ乳酸、ポリプロピオンラクトン、ポリブチロラ
クトン等も好ましく用いられる。
【0022】次に、本発明によるポリエステルアミド共
重合体において、脂肪族ポリアミドブロック(B)を形
成するための原料としては、炭素数4〜12のラクタム
若しくは炭素数4〜12のアミノカルボン酸を原料とす
るポリアミド又はこれらのオリゴマーが用いられる。具
体的には、例えば、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラ
クタム、カプリロラクタム等のラクタム類や、アミノ酪
酸、バレリアン酸、カプロン酸等のアミノカルボン酸類
から得られる脂肪族ポリアミドやそのオリゴマーが好ま
しく用いられる。これらのなかでは、特に、ナイロン6
やナイロン12が好ましく用いられるが、これらに限定
されるものではない。
【0023】他方、脂肪族ポリアミドブロック(B’)
を形成するための原料としては、炭素数4〜12のジカ
ルボン酸と炭素数4〜12のジアミンを原料とするポリ
アミドやそのオリゴマー、又はこれらの混合物が用いら
れる。具体的には、例えば、コハク酸、アジピン酸、水
添テレフタル酸等のジカルボン酸とテトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミ
ン等のジアミンから得られる脂肪族ポリアミドやそのオ
リゴマーが用いられる。これらのなかでは、特に、ナイ
ロン6,6が好ましく用いられるが、これに限定されるも
のではない。
【0024】ポリアルキレングリコールブロック(C)
を形成するためのポリアルキレングリコールとしては、
アルキレン基の炭素数が2〜6であるポリアルキレング
リコールが好ましく用いられるが、特に、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール又はポリブチレ
ングリコールが好ましく用いられる。これらのなかで
も、特に、数平均分子量が約400〜100000の範
囲にあるものが好ましく用いられるが、しかし、これら
に限定されるものではない。
【0025】本発明によれば、このような各ブロックか
らなるポリエステルアミド共重合体は、上記脂肪族ポリ
エステルブロック((A)(及び(A’))が1〜90
重量%、上記脂肪族ポリアミドブロック((B)及び
(B’))が10〜95重量%、上記ポリアルキレング
リコールブロック(C)が1〜90重量%からなること
が好ましい。特に、上記脂肪族ポリエステルブロックが
5〜50重量%、上記脂肪族ポリアミドブロックが50
〜90重量%、上記ポリアルキレングリコールブロック
が5〜50重量%からなることが好ましい。
【0026】本発明において、このようなポリアルキレ
ングリコールの共存下で、上述したような脂肪族ポリエ
ステルと脂肪族ポリアミドとの間でエステル−アミド交
換反応を行なうには、脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリ
アミドとポリアルキレングリコールとからなる混合物を
不活性ガス中において、それらの融点以上に加熱し、溶
融させて、反応させ、原料の脂肪族ポリアミドに比べ
て、明らかに融点が降下した反応生成物が得られるまで
反応を行なえばよい。
【0027】このエステル−アミド交換反応において、
得られる生分解性ポリマーを予め反応系に相溶化剤とし
て添加することによって、反応を円滑に行なわせること
ができる。また、触媒として、酢酸亜鉛やステアリン酸
亜鉛等のよく知られているエステル交換反応触媒を用
い、攪拌下に反応を行なうことによって、エステル交換
反応速度を高めることができる。更に、反応系内の圧力
を常圧から0.5mmHgの範囲で調整することによっ
て、得られる生分解性ポリマーの平均分子量を適宜に制
御することもできる。
【0028】更に、本発明によれば、反応系に、原料の
ほかに、水、好ましくは、蒸留水を添加することによっ
て、エステル交換反応を円滑に行なうことができる。こ
の場合、蒸留水の添加量は、共重合体中のエステル結合
の総数に対して、通常、1〜100モル%、好ましく
は、3〜30モル%程度の範囲である。反応系に蒸留水
を添加すれば、この蒸留水は、原料ポリエステルの加水
分解に用いられるので、その添加量が余りに多いとき
は、ポリマーをラクトン、ヒドロキシカルボン酸、ジカ
ルボン酸、ジオール等のモノマー単位まで分解し、反応
後の水分の留去の際に、原料の流出割合も多くなる。他
方、その添加量が余りに少ないときは、添加による効果
を有効に得ることができない。
【0029】特に、本発明によれば、脂肪族ポリアミド
として、融点の高いもの(例えば、通常、融点が180
℃以上のもの)を用いる場合に、上述したように、脂肪
族ポリエステルと脂肪族ポリアミドとポリアルキレング
リコールとからなる混合物を水の共存下に加熱して、反
応させ、次に、加熱下に水を除去して、反応を終了させ
ることによって、分子量の低下なしに、着色のない生分
解性ポリマーを得ることができる。
【0030】このようなエステル−アミド交換反応によ
って得られるポリエステルアミド共重合体に含まれる脂
肪族ポリエステルブロックと脂肪族ポリアミドブロック
の分子量は、いずれも、反応時間と共に低下し、かくし
て、それぞれ分子量の小さい脂肪族ポリエステルブロッ
クと脂肪族ポリアミドとがポリアルキレングリコールブ
ロックと共にランダムに結合した共重合体を得ることが
できる。
【0031】既に知られているように、一般に、脂肪族
ポリアミドは、高分子量のものは生分解性を有しない
が、数十量体の低分子量のものは生分解性を有する。従
って、本発明によるポリエステルアミド共重合体は、上
述したように、好ましくは、分子量の小さいポリエステ
ルブロックと共に、分子量の小さいポリアミドブロック
を有することによって、高い生分解性を有する。
【0032】更に、ポリアルキレングリコールは、光に
よって酸化劣化を起こして、分解することが知られてい
る。本発明によるポリエステルアミド共重合体は、ポリ
アルキレングリコールブロックを分子中に有することに
よって、光による分解性をも備えている。
【0033】本発明によるポリエステルアミド共重合体
は、土壌中等の自然環境下で高い生分解性を有し、活性
汚泥処理によっても、速やかに分解する。また、リパー
ゼやリパーゼ生産菌、リパーゼ含有物等によっても分解
する。また、コリネバクテリウム・オーランティカムや
アクロモバクター・グタータス、フラボバクテリウムs
p等のナイロンオリゴマー分解微生物や、それらの微生
物が生産するナイロンオリゴマー分解酵素等をポリエス
テルアミド共重合体に添加することによって、その生分
解性を一層高めることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によるポリアルキレングリコール
ブロックを有する脂肪族ポリエステルアミド共重合体
は、従来のポリアルキレングリコールブロックをもたな
いポリエステルアミド共重合体に比べて、一層改善され
た生分解性を有し、加えて、光による分解性をも有し、
そのうえ、ポリアルキレングリコールブロックの共重合
割合を制御することによって、生分解性を制御すること
もできる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。用いた原料は次のとおりである。 ポリブチレンサクシネート:昭和高分子製#1001 ポリカプロラクトン :ダイセル化学工業製プラクセルH−7 ナイロン12 :ダイセルヒュルス社製ダイアミドL1801 ナイロン6 :東レ製CM1016−K ポリエチレングリコール :特級試薬 酢酸亜鉛二水和物 :特級試薬
【0036】(生分解性ポリマーの製造) 実施例1 500ml容量のガラス製重合管中にポリブチレンサク
シネートを60g、ナイロン12を240g、ポリエチ
レングリコールを30g及び酢酸亜鉛二水和物を1.65
g仕込み、窒素で反応系内を置換した後、攪拌装置と加
熱浴とを備えた重合装置に取付けた。
【0037】これを270℃に加熱し、先ず、窒素流通
下で原料を溶融させ、次いで、300rpmの攪拌下に
4時間保持して反応させた。反応終了後、ガラス製重合
管の下部に予め形成した突起部を割って、そこから得ら
れた反応生成物をストランド状に抜き出し、これをスト
ランドカッターを用いてペレツト化した。
【0038】このようにして得られた反応生成物が共重
合体であることは、セイコー電子工業(株)製SSC5
200H型を用いて、昇温速度10℃/分、窒素流通下
で示差走査熱量測定(DSC)を行なって、DSCのT
m(融点)ピークが一つであることによって確認した。
また、ポリエチレングリコールが分子鎖中に結合してい
ることは、プロトンNMRを測定することによって確認
した。
【0039】実施例2 実施例1で得られたペレットを屋外で5日間、日光に当
てて暴露した。
【0040】実施例3 実施例1において、ポリブチレンサクシネートを60
g、ナイロン12を240g、ポリエチレングリコール
を60g及び酢酸亜鉛二水和物を1.80gとして、同様
にして、反応生成物を得た。このようにして得た反応生
成物が共重合体であることは、実施例1と同様に、DS
CのTmピークが一つであることと、プロトンNMRを
測定することによって確認した。
【0041】実施例4 実施例2で得られたペレットを屋外で5日間、日光に当
てて暴露した。
【0042】実施例5 実施例1において、ポリブチレンサクシネートを60
g、ナイロン12を240g、ポリエチレングリコール
を15g及び酢酸亜鉛二水和物を1.58gとして、同様
にして、反応生成物を得た。このようにして得た反応生
成物が共重合体であることは、実施例1と同様に、DS
CのTmピークが一つであることと、プロトンNMRを
測定することとによって確認した。
【0043】実施例6 実施例5で得られたペレットを屋外で5日間、日光に当
てて暴露した。
【0044】実施例7 実施例1において、ポリブチレンサクシネートを60
g、ナイロン12を240g、ポリプロピレングリコー
ルを30g及び酢酸亜鉛二水和物を1.65gとして、同
様にして、反応生成物を得た。このようにして得た反応
生成物が共重合体であることは、実施例1と同様に、D
SCのTmピークが一つであることと、プロトンNMR
を測定することとによって確認した。
【0045】実施例8 実施例1において、ポリブチレンサクシネートを30
g、ポリカプロラクトンを30g、ナイロン12を24
0g、ポリエチレングリコールを30g及び酢酸亜鉛二
水和物を1.58gとして、同様にして、反応生成物を得
た。このようにして得た反応生成物が共重合体であるこ
とは、実施例1と同様に、DSCのTmピークが一つで
あることと、プロトンNMRを測定することとによって
確認した。
【0046】参考例1 500ml容量のガラス製重合管中にポリブチレンサク
シネートを60g、ナイロン6を240g、ポリエチレ
ングリコールを30g及び酢酸亜鉛二水和物を1.65g
仕込み、窒素で反応系内を置換した後、攪拌装置と加熱
浴とを備えた重合装置に取付けた。
【0047】これを270℃に加熱し、先ず、窒素流通
下で原料を溶融させ、次いで、300rpmの攪拌下に
4時間保持して反応させた。反応終了後、ガラス製重合
管の下部に予め形成した突起部を割って、そこから得ら
れた反応生成物をストランド状に抜き出そうと試みた
が、反応中に分子量が下がってしまったとみられ、抜き
出すことができず、従って、ペレット化することができ
なかった。また、得られた反応生成物の色相も濃い褐色
であり、更に、フィルムにすることができず、生分解性
の評価をすることができなかった。
【0048】実施例9 500ml容量のガラス製重合管中にポリブチレンサク
シネートを60g、ナイロン6を240g、ポリエチレ
ングリコールを30g及び酢酸亜鉛二水和物を1.65g
と共に、蒸留水16.5gを仕込んだ以外は、参考例1と
同様よして、反応を行なって、反応生成物を得た。この
ようにして得た反応生成物が共重合体であることは、実
施例1と同様に、DSCのTmピークが一つであること
と、プロトンNMRを測定することとによって確認し
た。
【0049】比較例1 500ml容量のガラス製重合管中にポリカプロラクト
ンを60g、ナイロン12を240g及び酢酸亜鉛二水
和物を1.50g仕込み、実施例1と同様にして反応させ
た後、得られた反応生成物をペレット化した。このよう
にして得られた反応生成物が共重合体であることは、実
施例1と同様にして、DSCのTmピークが一つである
ことから確認した。
【0050】比較例2 500ml容量のガラス製重合管中にポリブチレンサク
シネートを60g、ナイロン12を240g及び酢酸亜
鉛二水和物を1.50g仕込み、実施例1と同様にして反
応させた後、得られた反応生成物をペレット化した。こ
のようにして得られた反応生成物が共重合体であること
は、実施例1と同様にして、DSCのTmピークが一つ
であることから確認した。
【0051】(生分解性ポリマーの試験)以上のように
して得られた共重合体の生分解性試験は、共重合体10
0mgを薄いフィルムとして、これを試料とし、これを
0.2Mリン酸緩衝液(pH7.0)2.0ml、0.1%プラ
イサーフA210G(リン酸系の界面活性剤)0.5m
l、リパーゼps(10mg/ml)0.5ml及び水7.
0mlからなる混合物に浸漬し、40℃で16時間反応
させた後、可溶化された全有機炭素量(TOC)を測定
することによって行なった。
【0052】ここに、TOCは、分解酵素を加えた試料
のTOCから分解酵素を加えなかった試料のTOCと分
解酵素のみによるTOCを差し引いたものの値とした。
結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1に示す結果から明らかなように、本発
明によるポリアルキレングリコールブロックを有するポ
リエステルアミド共重合体は、ポリアルキレングリコー
ルブロックをもたないポリエステルアミド共重合体に比
べて、生分解性が向上している。屋外にて暴露したもの
については、ポリアルキレングリコールの共重合割合の
増加と共に、分解性が向上していることが認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 始 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 堀 秀史 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族ポリエステルブロックと脂肪族ポリ
    アミドブロックとポリアルキレングリコールブロックと
    からなるポリエステルアミド共重合体であって、脂肪族
    ポリエステルブロックが一般式(A) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキレン基を示し、
    2 は炭素数2〜6のアルキレン基又は側鎖にアルキル
    基を有するアルキレン基を示し、aは平均重合度であっ
    て、1以上の整数を示す。)で表わされるブロックから
    なり、脂肪族ポリアミドブロックが一般式(B) 【化2】 (式中、R3 は炭素数3〜11のアルキレン基を示し、
    bは平均重合度であって、1〜30の整数を示す。)で
    表わされるブロックか、又は一般式(B’) 【化3】 (式中、R4 は炭素数2〜10のアルキレン基を示し、
    5 は炭素数4〜12のアルキレン基を示し、b’は平
    均重合度であって、1〜30の整数を示す。)で表わさ
    れるブロックか、又は一般式(B)で表わされるブロッ
    クと一般式(B’)で表わされるブロックからなり、ポ
    リアルキレングリコールブロックが一般式(C) 【化4】 (式中、R6 は炭素数2〜6のアルキレン基又は側鎖に
    アルキル基を有するアルキレン基を示し、cは平均重合
    度であって、10〜1500の整数を示す。)で表わさ
    れるブロックからなるポリエステルアミド共重合体から
    なることを特徴とする生分解性ポリマー。
  2. 【請求項2】ブロック(A)が1〜90重量%、ブロッ
    ク(B)及び(B’)が合計量にて10〜95重量%、
    及びブロック(C)が1〜90重量%からなる請求項1
    記載の生分解性ポリマー。
  3. 【請求項3】(a) 炭素数3〜12の脂肪族ジカルボン酸
    と炭素数2〜6の脂肪族ジオールを原料とするポリエス
    テル又はそのオリゴマー、 (b) 炭素数4〜12のラクタム若しくは炭素数4〜12
    のアミノカルボン酸を原料とするポリアミド又はこれら
    のオリゴマーか、又は (b')炭素数4〜12のジカルボン酸と炭素数4〜12の
    ジアミンを原料とするポリアミド若しくはそのオリゴマ
    ーか、又はこれらの混合物、及び (c) ポリアルキレングリコールからなる原料混合物を触
    媒の存在下で加熱溶融させて、反応させることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の生分解性ポリマーの製法。
  4. 【請求項4】原料混合物を請求項1に記載の生分解性ポ
    リマーの存在下に反応させることを特徴とする請求項3
    に記載の生分解性ポリマーの製法。
  5. 【請求項5】反応系内の圧力を常圧から0.5mmHgの
    範囲で調節することによって、生成する生分解性ポリマ
    ーの平均分子量を制御することを特徴とする請求項3又
    は4に記載の生分解性ポリマーの製法。
  6. 【請求項6】原料混合物を加熱溶融させて、反応させる
    際に、水の共存下に反応させ、反応終了時に水分を留去
    することによって、生成する生分解性ポリマーの平均分
    子量を制御することを特徴とする請求項3、4又は5に
    記載の生分解性ポリマーの製法。
  7. 【請求項7】脂肪族ポリエステルブロックと脂肪族ポリ
    アミドブロックとポリアルキレングリコールブロックと
    からなるポリエステルアミド共重合体であって、脂肪族
    ポリエステルブロックが一般式(A) 【化5】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキレン基を示し、
    2 は炭素数2〜6のアルキレン基又は側鎖にアルキル
    基を有するアルキレン基を示し、aは平均重合度であっ
    て、1以上の整数を示す。)で表わされるブロックと、
    一般式(A’) 【化6】 (式中、R7 は炭素数1〜12の直鎖アルキレン基又は
    側鎖にアルキル基を有するアルキレン基を示し、eは平
    均重合度であって、1以上の整数を示す。)で表わされ
    るブロックとからなり、脂肪族ポリアミドブロックが一
    般式(B) 【化7】 (式中、R3 は炭素数3〜11のアルキレン基を示し、
    bは平均重合度であって、1〜30の整数を示す。)で
    表わされるブロックか、又は一般式(B’) 【化8】 (式中、R4 は炭素数2〜10のアルキレン基を示し、
    5 は炭素数4〜12のアルキレン基を示し、b’は平
    均重合度であって、1〜30の整数を示す。)で表わさ
    れるブロックか、又は一般式(B)で表わされるブロッ
    クと一般式(B’)で表わされるブロックからなり、ポ
    リアルキレングリコールブロックが一般式(C) 【化9】 (式中、R6 は炭素数2〜6のアルキレン基又は側鎖に
    アルキル基を有するアルキレン基を示し、cは平均重合
    度であって、10〜1500の整数を示す。)で表わさ
    れるブロックからなるポリエステルアミド共重合体から
    なることを特徴とする生分解性ポリマー。
  8. 【請求項8】ブロック(A)及び(A’)が合計量にて
    1〜90重量%、ブロック(B)及び(B’)が合計量
    にて10〜95重量%、及びブロック(C)が1〜90
    重量%からなる請求項7記載の生分解性ポリマー。
  9. 【請求項9】(a) 炭素数3〜12の脂肪族ジカルボン酸
    と炭素数2〜6の脂肪族ジオールを原料とするポリエス
    テル若しくはそのオリゴマー、 (a')炭素数3〜12のラクトン化合物又は炭素数1〜1
    2の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を原料とするポリエス
    テル又はこれらのオリゴマー、 (b) 炭素数4〜12のラクタム又は炭素数4〜12のア
    ミノカルボン酸を原料とするポリアミド若しくはこれら
    のオリゴマーか、又は (b')炭素数4〜12のジカルボン酸と炭素数4〜12の
    ジアミンを原料とするポリアミド若しくはそのオリゴマ
    ーか、又はこれらの混合物、及び (c) ポリアルキレングリコールからなる原料混合物を触
    媒の存在下で加熱溶融させて、反応させることを特徴と
    する請求項7又は8に記載の生分解性ポリマーの製法。
  10. 【請求項10】原料混合物を請求項7に記載の生分解性
    ポリマーの存在下に反応させることを特徴とする請求項
    9に記載の生分解性ポリマーの製法。
  11. 【請求項11】反応系内の圧力を常圧から0.5mmHg
    の範囲で調節することによって、生成する生分解性ポリ
    マーの平均分子量を制御することを特徴とする請求項9
    又は10に記載の生分解性ポリマーの製法。
  12. 【請求項12】原料混合物を加熱溶融させて、反応させ
    る際に、水の共存下に反応させ、反応終了時に水分を留
    去することによって、生成する生分解性ポリマーの平均
    分子量を制御することを特徴とする請求項9、10又は
    11に記載の生分解性ポリマーの製法。
  13. 【請求項13】請求項1又は7に記載の生分解性ポリマ
    ーからなるフィルム、成形品、繊維又は不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010511766A (ja) * 2006-12-08 2010-04-15 アルケマ フランス ポリアミド、ポリエステルおよびポリエーテルのブロックを有するコポリマー

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