JPH08134206A - 共重合ポリアミド樹脂 - Google Patents

共重合ポリアミド樹脂

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JPH08134206A
JPH08134206A JP27360194A JP27360194A JPH08134206A JP H08134206 A JPH08134206 A JP H08134206A JP 27360194 A JP27360194 A JP 27360194A JP 27360194 A JP27360194 A JP 27360194A JP H08134206 A JPH08134206 A JP H08134206A
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JP
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acid
fatty acid
diamine
dimerized fatty
copolyamide
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JP27360194A
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Shinichi Sato
眞一 佐藤
Masaaki Miyamoto
正昭 宮本
Kenji Tsuruhara
謙二 鶴原
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性、柔軟性、抗ブロッキング性、抗吸水
性に優れた共重合ポリアミド樹脂を得る。 【構成】 ジアミン(a)と二量体化脂肪酸(b)と、
二量体化脂肪酸以外の二塩基酸(c)とから形成される
数平均分子量が2,000〜100,000の共重合ポ
リアミド樹脂であって、該共重合ポリアミド樹脂は原料
の二量体化脂肪酸以外の二塩基酸(c)とジアミン
(a)とから構成されるポリアミド結合が、〔−CH2
−〕/〔−NHCO−〕の値が6以上となる組み合せの
原料を基剤としており、かつ、共重合ポリアミド樹脂中
に占める二量体化脂肪酸に基づく構成単位の含有量は5
〜75重量%であることを特徴とする共重合ポリアミド
樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた柔軟性と抗吸水
性を有する共重合ポリアミド樹脂に関するものである。
特に、二量体化脂肪酸を含有し、該脂肪酸と相溶性のあ
るジアミンと二塩基酸とを組み合せることで結晶性をで
きるだけ維持したまま、柔軟性と抗吸水性を十分発揮さ
せることのできる共重合ポリアミド樹脂、例えばナイロ
ン69/636を提供するものである。この共重合ポリ
アミド樹脂は、モノフィラメント、フィルム材料として
有用である。
【0002】
【従来の技術】二量体化脂肪酸を含有した共重合ポリア
ミド樹脂は古くから検討され、得られる共重合ポリアミ
ド樹脂の特性に関しても論じられている。例えば、特公
昭44−22305号公報には、 (A)二量体酸の含量が95(重量)%以上の重合性脂
肪酸と、 (B)次の化合物: (a)R″OOC−COOR″ (b)R″−OOC−R′−COO−R″及び (c)これらの酸及びエステルのアミド形成誘導体 (d)H2 N(CH2 x COOR (e)NH(CH2 x CO 〔式中、R′は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭
素数6〜20の脂環族及び脂肪族置換脂環族炭化水素
基、及び炭素数6〜20の芳香族及び脂肪族置換芳香族
炭化水素基の中の一つで、R″は水素または炭素数1〜
8のアルキル基で、xは2〜15の整数である〕、の一
つと、 (C)構造式H2 N−R−NH2 、このRは炭素数4〜
20の脂肪族炭化水素基である、を有するジアミンと
を、使用するカルボキシル基とアミン基を等モル当量と
なるような割合で縮合せしめることからなる、すぐれた
抗吸水性と100%以上の伸びを有し、粘り強く可撓性
のある共重合ポリアミド組成物を製造する方法が提案さ
れている。また、特公昭63−17859号公報には、
アジピン酸、脂肪酸の二量体およびヘキサメチレンジア
ミンを基剤とする、一般式(I)
【0003】
【化1】
【0004】〔式中、Dは、式中隣り合うカルボキシル
基の結合した脂肪酸二量体の有機基を表わし、バーxお
よびバーyは、脂肪酸の二量体とアジピン酸とのモル割
合より決定されるアミド列系の平均長さを表わし、z
は、本コポリアミドの分子量を2,000〜100,0
00とする値である)のコポリアミドにして、二量体
が、重合せる、炭素原子8〜24個の飽和若しくは不飽
和脂肪族モノ酸の分別により得られ、この二量体が95
重量%より高い二量体分率、0.5重量%より低い単量
体分率を有し、また残り%が2より高い官能価の物質で
あり、そして酸全体に対するアジピン酸のモル比が0.
5〜0.99であることを特徴とし、更に前記アジピン
酸のモル分率を横座標とし、10℃/minの温度変化
で示差マイクロ熱量法により測定したときのコポリアミ
ドの融点を縦座標としてプロットすることにより得られ
る点が添付図(図略)に記入した点E,F,G,H,I
のそれぞれ隣接する点を結ぶ直線に関し±2℃のばらつ
きによって規定される領域内にあることを特徴とする軟
質且つ均質な耐熱性コポリアミドが提案されている。
【0005】これらナイロン6/636、ナイロン66
/636等の共重合ポリアミド樹脂は、これを紡糸した
後、吸水し、収縮したり白濁する欠点がある。二量体化
脂肪酸を含有した共重合ポリアミド樹脂では、ジアミン
と二塩基酸(二量体化脂肪酸を除く)を基剤とするベー
スポリアミドに対し非晶化する方向に変性され、抗吸水
性が低下すると共にペレットがブロッキングし易い傾向
があると共に、白濁することがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明性、抗
吸水性、抗ブロッキング性、柔軟性に優れ、紡糸時の収
縮率が小さい共重合ポリアミド樹脂の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決できる手段を鋭意検討した結果、非晶化を極力防
止する為には共重合成分を縮合系モノマー(ジアミン
と二塩基酸)とし、かつ、その成分数を極力少なくする
こと、および、二量体化脂肪酸に相溶できるベースポ
リマーの組み合せとして、〔−CH2 −〕/〔−NHC
O−〕6のメチレン数を保有していることの二点が重
要であることを見い出し、本発明に到った。即ち、本発
明は、ジアミン(a)と二量体化脂肪酸(b)と、二量
体化脂肪酸以外の二塩基酸(c)とから形成される数平
均分子量が2,000〜100,000の共重合ポリア
ミド樹脂であって、該共重合ポリアミド樹脂は原料の二
量体化脂肪酸以外の二塩基酸(c)とジアミン(a)と
から構成されるポリアミド結合が、〔−CH2 −〕/
〔−NHCO−〕の値が6以上となる組み合せの原料を
基剤としており、かつ、共重合ポリアミド樹脂中に占め
る二量体化脂肪酸に基づく構成単位の含有量は5〜75
重量%であることを特徴とする共重合ポリアミド樹脂を
提供するものである。
【0008】
【作用】〔−CH2 −〕/〔−NHCO−〕の比の値を
6以上となる基剤を選択したことにより、ジアミンと二
塩基酸とから構成されるベースポリマーと二量体化脂肪
酸が相溶でき、相分離しないので白濁しないと共に非晶
化が進まず、抗ブロッキング性の優れた共重合ポリアミ
ドが得られる。 (発明の概要)ジアミン(a) 本発明で使用できるジアミンは、一般式(II)
【0009】
【化2】 H2 N−R−NH2 (II)
【0010】〔式中、Rは炭素数が2〜20の脂肪族炭
化水素基、炭素数が6〜12の脂環式炭化水素基、また
は炭素数が6〜12の芳香族炭化水素基である。〕で示
されるものである。具体的には、二量体化脂肪酸(b)
と共に用いられるジアミン(a)としては、エチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,
4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪
族ジアミン類;ビス−(4,4′−アミノシクロヘキシ
ル)メタン等の脂環族ジアミン類;メタキシリレンジア
ミン等の芳香族ジアミン類;のようなジアミン類があげ
られる。これらの中でも脂肪族ジアミンがより透明性に
優れ、柔軟性のある共重合ポリアミド樹脂を与えるので
好ましい。
【0011】また、二量体化脂肪酸以外の二塩基酸
(c)と共に用いるジアミン(a′)としては、ヘキサ
メチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメ
チレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4
(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン等の脂肪族ジアミン;ビス−(4,4′−アミノシ
クロヘキシル)メタン等の脂環族ジアミン類;メタキシ
リレンジアミン等の芳香族ジアミン類、が挙げられる。
二量体化脂肪酸と当量で使用されるジアミン(a)につ
いても、基剤として用いられる二塩基酸と反応させるジ
アミン(a′)と同様のものが好ましく、〔−CH
2 −〕/〔−NHCO−〕6を満たすものが好まし
い。従って、炭素数が6〜12の脂肪族炭ジアミンが好
ましい。具体的にはヘキサメチレンジアミン、デカメチ
レンジアミン、ドデカメチレンジアミンが好ましい。
【0012】二量体化脂肪酸(b) 本発明で使用する二量体化脂肪酸としては、不飽和脂肪
酸、例えば炭素数8〜24の、二重結合又は三重結合を
1個以上有する、天然油脂からの一塩基性脂肪酸又は合
成の一塩基性脂肪酸を重合して得た重合脂肪酸が用いら
れる。具体例としてはリノレン酸、リノール酸オレイン
酸の二量体等が挙げられる。市販されている重合脂肪酸
は通常二量体化脂肪酸を主成分とし、他に原料の脂肪酸
や三量体化脂肪酸を含有しているが、市販品は総称して
全てダイマー酸と呼ばれている。二量体化脂肪酸の市販
品は、1〜15重量%の一塩基酸、80〜98%の二塩
基酸および1〜25重量%の三塩基酸ないしそれ以上の
多塩基酸を含有するものである。また、市販されている
重合脂肪酸はこれを蒸留して二量体化脂肪酸含量を高め
て使用してもよいし、場合によっては水添して不飽和度
を下げて使用してもよい。好ましいものは、水添蒸留
し、ダイマー酸の含量を高めたものである。
【0013】二量体化脂肪酸以外の二塩基酸(c) 本発明で用いられるベースポリマーの基剤の二量体化脂
肪酸以外の二塩基酸(c)としては、アジピン酸、グル
タル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサ
デカジオン酸、ヘキサデセンジオン酸、エイコサンジオ
ン酸、エイコサジエンジオン酸、ジグリコール酸、2,
2,4−トリメチルアジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸
類;キシリレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族
ないし脂環族ジカルボン酸類が挙げられる。これらの中
でも脂肪族ジカルボン酸がより柔軟性のある共重合ポリ
アミド樹脂を与えるので好ましい。
【0014】
【化3】
【0015】ここで用いられるベースポリマーの原料の
ジアミン(a)と二塩基酸(c)の組み合せは、両者か
ら得られるベースのポリアミドのメチレン基(−CH2
−)の数とアミド基(−NH・CO−)の数の比が6以
上、好ましくは6〜10となるように選択する。かかる
ジアミンと二塩基酸の組み合せのベースポリマーの例と
して、ヘキサメチレンジアミン・セバンシ酸塩〔−CH
2 −/−NHCO−=7〕、ヘキサメチレンジアミン・
アゼライン酸塩〔−CH2 −/−NHCO−=6.
5〕、ヘキサメチレンジアミン・ドデカジカルボン酸塩
〔−CH2 −/−NHCO−=8〕である。ここで−C
2 −/−NHCO−の比の計算をヘキサメチレンジア
ミン・セバシン酸塩(比の値は7)を例に挙げて説明す
る。ヘキサメチレンジアミンはH2 N・(CH2 6
NH2 で表され、メチレン基は6個であり、アミノ基
(−NH2 )は2個である。セバシン酸は、次式
【0016】
【化4】HOOC−(CH2 8 −COOH
【0017】で示され、メチレン基は8個、カルボキシ
ル基は2個である。ヘキサメチレンジアミン・セバシン
酸塩の繰り返し単位は次式
【0018】
【化5】 −HN−(CH2 6 ・NH・CO−(CH2 8 −CO−
【0019】で示される。従って、−CH2 −/−NH
・CO−の比は(6+8)÷2=7である。共重合ポリアミド樹脂の製造 本発明の共重合ポリアミド樹脂を製造するには、二量体
化脂肪酸(b)とジアミン(a)及び上記ポリアミド原
料の二塩基酸(c)とジアミン(a′)を一緒に混合
し、これを共重合しても良いし、二量体化脂肪酸とジア
ミンからプレポリマーを製造後、上記ポリアミド原料を
加え、これらを共重合しても良く、いずれも通常のポリ
アミドの製造法に従って重合を行えばよい。好ましく
は、透明性の優れた共重合ポリアミド樹脂を得るという
観点からは、二量体化脂肪酸(b)とジアミン(a)及
び基剤となるジアミン(a′)と二塩基酸(c)の相方
共に原料の時点で混合し、これを共縮合反応する方法が
好ましく、特に両者の塩が互いに相溶できる程度まで濃
縮した後に両者を混合し、これを共縮合するのが最も好
ましい。
【0020】共重合ポリアミド樹脂中、二量体化脂肪酸
(b)に基づく構成単位の含有量は、5〜75重量%、
好ましくは、10〜50重量%、より好ましくは、20
〜50重量%である。75重量%を越えるとエンジニア
リングプラスチックとしての性質である耐熱性が大きく
損われ、一方、5重量%に満たないと柔軟性、抗吸水性
の向上が見受けられない。またベースポリマーの〔−C
2 −〕/〔−NHCO−〕比が6に満たない場合、二
量体化脂肪酸(b)と相溶できず、得られる共重合ポリ
アミド樹脂はマクロな相溶分離状態を呈し、二量体化脂
肪酸による改質効果が認められず白濁する。〔−CH2
−〕/〔−NHCO−〕の値を6以上とすることにより
二量体化脂肪酸とベースポリマーが十分相溶し、ベース
ポリマーの改質効果(柔軟性および抗吸水性)を十分発
揮させることができる。
【0021】本発明の共重合ポリアミド樹脂は、射出成
形、押出成形(溶融紡糸成形も含む)、等の溶融成形加
工ができるに十分な数平均分子量(Mn)を有している
もので、その値は、2,000〜100,000、好ま
しくは、10,000〜50,000より好ましくは、
20,000〜40,000である。数平均分子量の測
定−末端基定量法は次のとおりである。末端基定量法に
おける末端基のうち、アミノ基は、共重合ポリアミド樹
脂をフェノールに溶解し、0.05N(5×101 モル
/m3 )塩酸で滴定することにより、また、カルボキシ
ル基は、共重合ポリアミドをベンジルアルコールに溶解
し、0.1N(1×102 モル/m3 )苛性ソーダで滴
定することによって測定し、両者の総和を全末端基とす
る。この全末端基より、次式に従い、数平均分子量(M
n)を求める。
【0022】
【数1】
【0023】成形方法 本発明の共重合ポリアミド樹脂は、射出成形、押出成
形、ブロー成形、圧縮成形、粉末成形、回転成形等の各
種成形法によって成形することができる。特に、押出成
形または射出成形によって得られるヒューエルチュー
ブ、ブレーキ配管、排ガス系統部品のようなチューブ、
パイプ類、シート類、コネクターのような電気系統部
品、ギヤ、バルブ、オイルパン、クーリングファン、ラ
ジェータータンク、シリンダーヘッド、キャニスター等
は極めて有用である。なお、このようにして得られた成
形部品にアルミニウム、酸化硅素、酸化ジルコニウム等
の蒸着等の二次加工を施すこともできる。
【0024】成形に当っては、所望する物性の向上や成
形性を高めるためにポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル;ナ
イロン6、ナイロン66、ナイロン6/10、ナイロン
12等のポリアミド;ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン等のポリ
オレフィン;ポリカーボネート;EPR,EPDM,ア
クリル系樹脂エラストマー、ポリウレタン系エラストマ
ー、水添スチレン・ブタジエンブロック共重合体、水添
スチレン・イソプレンブロック共重合体等のエラストマ
ーを50重量%未満の割合で配合してもよい。又、焼成
クレイ、シリカアルミナ、シリカマグネシア、グラファ
イト、酸化チタン、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラ
ス繊維、炭素繊維等の充填剤や顔料を45重量%まで配
合し、剛性を高めてもよい。その他、難燃剤、分散剤、
UV剤、熱安定剤等を5重量%以下配合してもよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 撹拌器を備える内容積が200リットルのオートクレー
ブ内に、二量体化脂肪酸(b)としてヘンケル(Hen
kel)社製Empol 1010〔商品名;単量体を
0.05重量%、二量体95.55重量%、重合度2を
越えるポリマーを約4.4重量%含有し、二量体の主成
分は、
【0026】
【化6】
【0027】〔式中、R1 とR2 とR3 とR4 の和は炭
素数が31である。〕を41.55重量部およびヘキサ
メチレンジアミン8.45重量部及び該二量体化脂肪酸
とヘキサメチレンジアミンの塩が90重量%水溶液とな
る量の水を仕込み、ついでオートクレーブ内を窒素ガス
で置換後、封じ込み、撹拌下に加熱し、140℃まで昇
温し、ヘキサメチレンジアミン・ダイマー酸塩の90%
濃度水溶液(I液)を調製した。
【0028】一方、撹拌器を備える内容積が200リッ
トルの別のオートクレーブ内にベースポリマー原料基剤
のヘキサメチレンジアミン19.08重量部と、二塩基
酸(c)としてアゼライン酸30.92重量部から構成
されるヘキサメチレン・アゼライン酸塩の25重量%水
溶液を加え、これを2kg/cm2 G(約0.3MP
a)の圧力下で水を蒸留させ、90重量%の濃度のヘキ
サメチレン・アゼライン酸塩の水溶液(II液)を調製し
た。上記I液およびII液の両塩水溶液は共に透明で均一
なものであった。ついで、Iの水溶液をIIの水溶液に封
じ込め状態で混合し、均一透明な溶液であることを確認
した。ついで、窒素ガスでオートクレーブ内を16kg
/cm2 G(約1.7MPa)の圧力となるまで加圧
後、加熱して260℃まで120分かけて昇温させた。
この間、水は加圧下で蒸留され、圧力は約16kg/c
2 Gの一定圧に保持された。ついで、温度を260℃
に保ちながらオートクレーブ内の圧力を60分かけて3
00トール(約4×104 Pa)まて減圧し、重縮合反
応を行った。オートクレーブ内の温度を260℃に保ち
ながら窒素ガスをオートクレーブ内に導入して大気圧ま
で戻した後、窒素ガスを導入し、16kg/cm2 Gに
戻してオートクレーブ内よりストランド状に押し出し、
これを5℃の水槽(長さ10m)につけて冷却し、カッ
ティングしてペレットを得、これを120℃、1トール
の減圧下に2時間、減圧乾燥して数平均分子量が27,
000の共重合ポリアミド樹脂“ナイロン69/63
6”を得た。
【0029】(評価)この共重合ポリアミド樹脂ペレッ
トを250℃で射出成形し、ASTMD−790に従っ
て曲げ試験を実施し、柔軟性の評価を行った。得た試験
片の5〜10mgをセイコー社製示差熱走査計を用い、
昇温速度20℃/分で300℃まで昇温してDSC曲線
を描き、得た吸熱ピーク面積より熱量を計算し、結晶性
の評価とした。この結晶性は、例えばオートクレーブ内
より共重合ポリアミド樹脂をストランド状に抜き出して
ペレット化する際、ペレット同志がくっつき融着(ブロ
ッキング)する程度をみる判断基準となるもので非晶性
なもの程、ブロッキングを生じやすい傾向にある。結晶
性が高いものはブロッキングを生じない。抗吸水性は、
80℃の温水中に共重合ポリアミド樹脂を24時間浸漬
させ、これを取り出し、平衡吸水率を規定することで評
価した。
【0030】ベースポリマーとダイマー酸との相溶性の
評価は、共重合ポリアミドをオートクレーブ内よりスト
ランド状に抜き出し、ペレット化する際のオートクレー
ブ内の溶融している共重合ポリアミド樹脂(融体)の色
調で判定した。非相溶な場合、融体は白濁し、ストラン
ドも白濁のままである(相溶性×)。反対に相溶してい
る場合、融体およびストランド共、完全に透明である
(相溶性○)。境界にある状態では融体は若干白濁状態
にあるものの、ストランド化すると透明となり、ペレッ
トも透明となる(相溶性△)。抗ブロッキング性は、上
記ストランド状に抜き出し、これをペレット化して得た
ペレット同志がブロッキングして塊となるペレットの温
度を基準とした。 40℃を越える−抗ブロッキング性良好(○); 20℃〜40℃−抗ブロッキング性普通(△); 10〜20℃未満−抗ブロッキング性不良(×); 結果を表1に示す。
【0031】実施例2〜5、比較例1 ジアミン、二量体化脂肪酸、二塩基酸として表1に示す
化合物を同表に示す量用いる他は実施例1と同様にして
表1に示す物性の共重合ポリアミド樹脂(ナイロン69
/636、ナイロン610/636、ナイロン612/
636、ナイロン66/636)を得た。 比較例2〜3 ポリアミド原料(基剤)として、ε−カプロラクタム
(比較例2)及びアゼラン酸とヘキサメチレンジアミン
とε−カプロラクタム(比較例3)を用いる以外は実施
例1と同様に実施して表1に示す物性の共重合ポリアミ
ド樹脂を得た。
【0032】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアミン(a)と二量体化脂肪酸(b)
    と、二量体化脂肪酸以外の二塩基酸(c)とから形成さ
    れる数平均分子量が2,000〜100,000の共重
    合ポリアミド樹脂であって、該共重合ポリアミド樹脂は
    原料の二量体化脂肪酸以外の二塩基酸(c)とジアミン
    (a)とから構成されるポリアミド結合が、〔−CH2
    −〕/〔−NHCO−〕の値が6以上となる組み合せの
    原料を基剤としており、かつ、共重合ポリアミド樹脂中
    に占める二量体化脂肪酸に基づく構成単位の含有量は5
    〜75重量%であることを特徴とする共重合ポリアミド
    樹脂。
  2. 【請求項2】 ジアミンとしてヘキサメチレンジアミン
    を、二塩基酸としてアゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
    ジカルボン酸より選ばれた酸を用いた請求項1の共重合
    ポリアミド樹脂。
  3. 【請求項3】 ナイロン69/636、ナイロン610
    /636またはナイロン612/636である請求項2
    記載の共重合ポリアミド樹脂。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015518909A (ja) * 2012-05-25 2015-07-06 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 高い融解温度を有する溶融加工性ポリアミド
JP2016124876A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 大日精化工業株式会社 樹脂組成物及びリチウムイオン電池用外装体
JP2018030913A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 トヨタ紡織株式会社 ポリアミド化合物
JP2019137788A (ja) * 2018-02-13 2019-08-22 トヨタ紡織株式会社 ポリアミド化合物、及びポリアミド化合物の製造方法
JP2020513047A (ja) * 2017-04-05 2020-04-30 アドバンシックス・レジンズ・アンド・ケミカルズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーAdvansix Resins & Chemicals Llc 分岐末端停止ポリアミド組成物

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