JPH1025706A - アスファルト舗装廃材再生用ドライヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドラムの廃材供給部付近の内壁や送り羽根の
部分に廃材が付着堆積するのを極力阻止するようにした
アスファルト舗装廃材再生用ドライヤを提供する。 【解決手段】 ドライヤのホットホッパ８側に配設した
燃焼室７の前方にドラム２内に送り込む熱風の一部をド
ラムの内壁側に誘導する熱風分流体９を配設する。そし
て廃材供給部付近のドラムの内壁や送り羽根１３付近に
熱風の一部を通過させて適当に加熱し、供給する廃材が
ドラムの内壁や送り羽根１３に接触しても急速に冷却さ
れないうようにして廃材の付着を極力阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、道路舗装廃材を加
熱再生するアスファルト舗装廃材再生用ドライヤに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】道路工事等によって掘り起こされたアス
ファルト舗装廃材（以下「廃材」という）は新規なアス
ファルト合材に所定の割合にて混入し、その再生利用が
図られている。この廃材を加熱再生する再生用ドライヤ
は、回転自在に傾斜支持した円筒状のドラムの内周部に
多数の掻き上げ羽根を周設し、供給される廃材を掻き上
げ羽根によって掻き上げながらドラム内を転動流下させ
る間にバーナから送り込まれる熱風と接触させて所望の
温度まで加熱昇温している。

【０００３】この再生用ドライヤにて廃材を加熱する
際、供給される廃材がドライヤ内の高温雰囲気に晒され
ると、廃材表面に付着しているアスファルト分が溶融し
て廃材が粘着力を有するようになり、この粘着性廃材が
ドライヤの廃材供給部付近の比較的温度の低い内壁や送
り羽根に接触すると、アスファルト分が急速に冷却され
て粘着力が更に強化されて付着してしまい、この付着堆
積が進行すればついには掻き上げ羽根の機能を損なうこ
とになる。その防止策として、例えば、送り羽根に弛ま
せたチェーンを取り付けてみたり、可動式の掻き上げ羽
根にしてドラムの回転時に掻き上げ羽根やドラム内周壁
に衝撃を与えて付着を防止するようにしたものも見受け
られる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アスフ
ァルト分が溶融して付着しようとするときの廃材の粘着
力はかなり強いうえ、チェーン等による衝撃は特定の箇
所に加えられることが多く、直接投打されない箇所では
付着堆積が生ずることがある。そして一旦付着堆積する
とチェーン等の衝撃力だけでは剥離させることは難しく
なってくる。

【０００５】そこで、この付着堆積した廃材を除去する
には、作業員が狭いドラム内に入って削り作業を行うこ
ととなり、維持管理面において問題を有していた。

【０００６】本発明は上記の点に鑑み、ドライヤの廃材
供給部付近の内壁や送り羽根の部分に廃材が付着堆積す
るのを極力阻止するようにしたアスファルト舗装廃材再
生用ドライヤを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、本発明のアスファルト舗装廃材再生用ドラ
イヤは、回転自在に傾斜支持した円筒状のドラムの一端
部にホットホッパを、他端部にコールドホッパを配設
し、前記ホットホッパ側には燃焼室を備えたバーナを配
設すると共に、コールドホッパ側には排気煙道を配設し
たアスファルト舗装廃材再生用ドライヤにおいて、前記
燃焼室の前方にドラム内に導入する熱風の一部をドラム
の内壁側に誘導する熱風分流体を配設したことを特徴と
している。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明のアスファルト舗装廃材再
生用ドライヤによれば、燃焼室よりドラム内に送り込ま
れる熱風の一部を燃焼室の前方に配設した熱風分流体に
よってドラムの内壁側に分流させ、廃材供給部付近の内
壁や送り羽根を加熱する。この廃材供給部付近の内壁や
送り羽根を適当に加熱しておけば、供給された廃材が廃
材供給部付近の内壁や送り羽根を通過する際に接触して
も廃材中のアスファルト分が余り冷却されることがな
く、廃材の付着を最小限に抑えられる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１０】１は廃材を加熱再生する廃材再生用ドライ
ヤであって、円筒状のドラム２を機台３上の支持ローラ
４によって回転自在に傾斜支持し、駆動用モータ５によ
り所定の速度で回転させている。

【００１１】６はドラム２の一端部に配設した熱風発生
用のバーナであって、該バーナ６の前方には火炎を形成
する燃焼室７を配設しており、該燃焼室７はドラム２の
一端部に配設したホットホッパ８に開口してバーナ６に
より発生した熱風をドラム２内に送り込むようにしてい
る。

【００１２】燃焼室７の前方のホットホッパ８内には、
燃焼室７より導出する熱風の一部をドラム２の内壁側に
分流する熱風分流体９を配設しており、該熱風分流体９
は前方を末広がりとしたラッパ状としている。また、熱
風分流体９の下部は廃材の供給に邪魔にならないように
適宜切り欠いている。

【００１３】ドラム２内を通過した熱風はドラム２の他
端部に配設したコールドホッパ１０に連結した排気煙道
１１から導出させ、排気煙道１１の末端に配設した排風
機（図示せず）により吸引して集塵機を通過させてから
大気中に放出させる。

【００１４】また、ドラム２のホットホッパ８側には廃
材をドラム２内に供給する廃材供給コンベヤ１２を配設
してあり、該コンベヤにより供給される廃材は熱風分流
体９下部の切り欠き部分を通過してドラム２内に送り込
まれ、送り羽根１３、更には掻き上げ羽根１４により掻
き上げられながらコールドホッパ１０側に転動流下し、
その間に熱風と接触して所望の温度に昇温される。

【００１５】しかして、廃材再生用ドライヤにより廃材
を加熱再生する場合、バーナ６により燃焼室７内に火炎
を形成して熱風をドラム２内に向けて送り込むと、熱風
は燃焼室７の前方に配設した熱風分流体９を通過してそ
の大部分はドラム２の中央部に導入されるが、熱風の一
部はラッパ状の熱風分流体９によって流れを廃材供給部
付近のドラム内壁や送り羽根１３付近を通過するように
変更され、ドラム内壁や送り羽根１３を適当に加熱する
こととなる。

【００１６】そしてドラム２の廃材供給部付近の内壁や
送り羽根１３が適当に加熱されてからドラム２内に廃材
が供給されると、ドラム内の高温雰囲気に晒されて粘着
性を有するようになった廃材がドラムの内壁や送り羽根
１３に接触しても廃材の温度を急速に低下させられるこ
ともなく、ドラムの内壁や送り羽根１３に廃材が付着す
ることが少なくなるのである。

【００１７】なお、本発明の実施例においては、熱風分
流体９は前方末広がりのラッパ状としたが、何らこれに
限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明のアスファルト舗
装廃材再生用ドライヤによれば、ドライヤの燃焼室の前
方にドラム内に送り込む熱風の一部をドラムの内壁側に
誘導する熱風分流体を配設し、ドラム内に送り込む熱風
によって廃材供給部付近の内壁や送り羽根を適当に加熱
するようにしたので、供給される廃材が廃材供給部付近
の内壁や送り羽根を通過する際に接触しても廃材中のア
スファルト分が余り冷却されることがなくて廃材の付着
を極力阻止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す一部切り欠きした概略
説明図である。

【図２】図１の要部の拡大図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線一部省略拡大断面図である。

【符号の説明】

１…廃材再生用ドライヤ ２…ドラム ６…バーナ ７…燃焼室 ８…ホットホッパ ９…熱風分流体 １０…コールドホッパ １１…排気煙道

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転自在に傾斜支持した円筒状のドラムの
   一端部にホットホッパを、他端部にコールドホッパを配
   設し、前記ホットホッパ側には燃焼室を備えたバーナを
   配設すると共に、コールドホッパ側には排気煙道を配設
   したアスファルト舗装廃材再生用ドライヤにおいて、前
   記燃焼室の前方にドラム内に導入する熱風の一部をドラ
   ムの内壁側に誘導する熱風分流体を配設したことを特徴
   とするアスファルト舗装廃材再生用ドライヤ。