JPH093816A - アスファルト舗装廃材再生用ドライヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドラム内、特に送り羽根の部分に廃材が付着
堆積するのを極力阻止する。 【構成】 ドラム２の内周部に加熱用ヒータ１３を内装
した逆止羽根１１または掻き上げ羽根１２を配設する。
またドラム２の外部にはトロリーワイヤ１４や給電トロ
リー１６等よりなる給電手段を配設し、この給電手段に
逆止羽根１１や掻き上げ羽根１２に内装した前記加熱用
ヒータ１３を接続する。そして加熱用ヒータ１３に給電
して逆止羽根１１または掻き上げ羽根１２を適宜温度に
加熱しておく。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は道路舗装廃材を加熱再生
するアスファルト舗装廃材再生用ドライヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】道路工事等によって掘り起こされたアス
ファルト舗装廃材（以下「廃材」という）の再生にはア
スファルトプラントの新規骨材加熱用ドライヤとほぼ同
構造のドライヤが採用されている。この再生用ドライヤ
は円筒状ドラムを回転自在に傾斜支持し、ドラムの内周
部に周設した多数の掻き上げ羽根によって廃材を掻き上
げながらドラム内を転動流下させる間にバーナから送り
込まれる熱風と接触させ、所望の温度まで加熱昇温して
廃材の再生を行っている。

【０００３】このドライヤによる廃材の加熱再生におい
ては、廃材が加熱されながらドラム内を転動流下する間
に廃材表面に付着しているアスファルト分が溶融して廃
材が粘着力を有するようになり、この粘着性廃材が掻き
上げ羽根に徐々に付着成長し、ついには掻き上げ羽根の
機能を損なうことがあり、その防止策として、例えば、
掻き上げ羽根に弛ませたチェーンを取り付けてみたり、
可動式の掻き上げ羽根にしてドラムの回転時に掻き上げ
羽根やドラム内周壁に衝撃を与えて付着を防止するよう
にしたものも見受けられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アスフ
ァルト分が溶融して付着しようとする時の廃材の粘着力
はかなり強いうえ、チェーン等による衝撃は特定の箇所
に加えられことが多く、直接投打されない箇所では付着
堆積が生ずることがある。そして一旦付着堆積するとチ
ェーン等の衝撃力だけで剥離させることは難しくなって
くる。

【０００５】そこで、この付着堆積した廃材を除去する
には作業員が狭いドラム内に入って削り作業を行うこと
となり、維持管理面において問題を有していた。

【０００６】本発明は上記の点に鑑み、ドラム内、特に
送り羽根の部分に廃材が付着堆積するのを極力阻止する
ようにしたアスファルト舗装廃材再生用ドライヤを提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持
し、ドラム内に熱風と共にアスファルト舗装廃材を供給
し、該廃材を加熱再生するアスファルト舗装廃材再生用
ドライヤにおいて、前記ドラムの内周部に加熱用ヒータ
を内装した送り羽根を配設すると共に、ドラム外部に前
記加熱用ヒータに電力を供給する給電手段を配設したこ
とを特徴としている。

【０００８】

【作用】本発明のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤ
によれば、廃材の加熱再生時にドラム外部の給電手段を
介してドラム内周部の送り羽根に内装した加熱用ヒータ
に給電して送り羽根を加熱しておく。これによって粘着
性を有した廃材が送り羽根に接触しても廃材に被覆する
アスファルトの温度が余り低下させられることがなく、
送り羽根への廃材付着を最小限に抑えられる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１０】１は廃材を加熱再生する廃材再生用ドライ
ヤであって、円筒状のドラム２を機台３上の支持ローラ
４によって回転自在に傾斜支持し、駆動装置（図示せ
ず）により所定の速度で回転させている。

【００１１】５はドラム２の下位に配設した熱風発生用
のバーナであって、該バーナ５の前方には火炎を形成す
る燃焼室６を配設している。燃焼室６には熱風用通路７
を接続し、該熱風用通路７は上方に立ち上げると共に、
ドラム２の一端部に配設したホットホッパ８にその先端
部を開口させ、バーナ５により発生させた熱風をドラム
２内に送り込むようにしている。

【００１２】ドラム２内を通過した熱風はドラム２の他
端部に配設したコールドホッパ９に連結した排気煙道１
０より導出させ、該排気煙道１０の末端に配設した排風
機（図示せず）により排ガスを吸引してドラム２内を通
過するガス流を維持すると共に、ドラム２より導出する
排ガスはドラム２の下流に配設した図示しない集塵機を
通過して大気に放出される。

【００１３】また、ドラム２内のドラム端部には投入さ
れた廃材をドラム２内に送り込む逆止羽根１１や廃材を
掻き上げながら下流へ順次移送する掻き上げ羽根１２等
の送り羽根を配設しており、ドラム２の材料供給側の廃
材の付着堆積の生じ易い領域にあるこれらの逆止羽根１
１や掻き上げ羽根１２には図３、図４に示すように加熱
用ヒータ１３を内装している。

【００１４】この加熱用ヒータ１３の内装方法は図３に
示すように羽根を形成する二枚の板の間にシーズヒータ
を埋め込んだり、図４に示すように板状ヒータを挟み込
んだりする方法が採用される。

【００１５】そしてドラム外部には給電手段であるトロ
リーワイヤ１４とトロリーワイヤ１４に摺動しながら電
源より電力を供給する摺動部１５を有する給電トロリー
１６を配設し、給電トロリー１６には電力制御器１７を
介装した給電線１８を接続すると共に、トロリーワイヤ
１４には前記加熱用ヒータ１３を接続している。

【００１６】本実施例ではトロリーワイヤ１４をドラム
２側に配設し、給電トロリー１６をドラム２側部に固定
した例をあげて説明したが、もちろんこの逆のトロリー
ワイヤ１４をドラム２側部に固定し、給電トロリー１６
をドラム２側に取り付けるようにしても良い。

【００１７】１９はドラム２内に廃材を投入するための
廃材投入シュートであって、該廃材投入シュート１９か
らドラム２に投入された廃材はドラム２内を転動流下す
る間にドラム２を通過する熱風と接触し、所望の温度に
まで加熱昇温されてコールドホッパ９下部の廃材排出口
２０から排出される。

【００１８】しかして、廃材再生用ドライヤにより廃材
を加熱再生する場合、ドラム２を回転させてバーナ５に
よりドラム２内に熱風を送り込むと共に、前記電力制御
器１７を作動させて給電トロリー１６に通電する。給電
トロリー１６にはドラム２の外部に配設したトロリーワ
イヤ１４が当接して回転しており、給電トロリー１６を
通してトロリーワイヤ１４に電力が供給されると、それ
に接続されている加熱用ヒータ１３にも給電され、ドラ
ム２の内周部に配設した逆止羽根１１や掻き上げ羽根１
２が加熱される。

【００１９】そして、ドラム２内に廃材の供給を開始す
ると、廃材はドラム２内の逆止羽根１１や掻き上げ羽根
１２によって掻き上げられながらドラム２内を転動流下
するのであるが、その途中、特に材料投入部の付近で
は、廃材中のアスファルト分の溶融が始まり、アスファ
ルト分の粘着力はかなり強くなる。この領域において廃
材が少し温度の低い逆止羽根１１や掻き上げ羽根１２に
接触すると、廃材を被覆するアスファルトの温度が低下
して羽根に付着しやすくなるのであるが、前記したよう
にこの領域にある逆止羽根１１や掻き上げ羽根１２の加
熱用ヒータ１３に予め通電して加熱しており、これによ
って廃材が羽根に接触してもその付着を極力抑えること
ができる。

【００２０】なお、運転開始前のみに加熱用ヒータ１３
に給電して逆止羽根１１や掻き上げ羽根１２の温度を予
め上げておいたり、また逆止羽根１１や掻き上げ羽根１
２の付着状況を観察して運転状況に合わせて適宜給電す
るようにしても良いし、また給電方式はトロリ−給電方
式でなくても良い。

【００２１】

【発明の効果】以上のように本発明に係るアスファルト
舗装廃材再生用ドライヤにあっては、ドラム２の内周部
に加熱用ヒータを内装した送り羽根である逆止羽根１１
や掻き上げ羽根１２を配設し、ドラム２外部に前記加熱
用ヒータ１３に電力を供給する給電手段を配設し、ドラ
ム２の逆止羽根１１や掻き上げ羽根１２を適宜加熱でき
るようにしたので、廃材がドラム内、特に羽根部分に付
着して堆積することを最小限に抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のドライヤの一実施例を示す説明図であ
る。

【図２】図１の一部を省略したＡ−Ａ断面図である。

【図３】送り羽根の一実施例を示す斜視図である。

【図４】送り羽根の別の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…廃材再生用ドライヤ ２…ドラム １１…逆止羽根（送り羽根） １２…掻き上げ
羽根（送り羽根） １３…加熱用ヒータ １４…トロリーワイヤ（給電手段） １６…給電トロ
リー（給電手段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、
   ドラム内に熱風と共にアスファルト舗装廃材を供給し、
   該廃材を加熱再生するアスファルト舗装廃材再生用ドラ
   イヤにおいて、前記ドラムの内周部に加熱用ヒータを内
   装した送り羽根を配設すると共に、ドラム外部に前記加
   熱用ヒータに電力を供給する給電手段を配設したことを
   特徴とするアスファルト舗装廃材再生用ドライヤ。