JP2005016139A - アスファルト舗装廃材再生用ドライヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】掻き上げ羽根2を適宜長さの円筒体8により形成し、支持片9にて円筒体8とドラム3の内周壁との間に若干の隙間を持たせてドラム内周壁に取り付けるようにしている。また、隙間を持たせた複数の円筒体8aから形成する掻き上げ羽根2をドラム3の内周壁に取り付けるようにしている。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路工事等により発生するアスファルト舗装廃材を加熱再生するアスファルト舗装廃材再生用ドライヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
アスファルト舗装廃材(以下「廃材」という)を加熱再生するドライヤは、ドラムの内周面に周設した多数の掻き上げ羽根によって廃材の掻き上げ、落下を繰り返す間に、バーナより送り込む熱風と接触させて廃材を所定温度にまで加熱している。ドラム内にて廃材を加熱すると、廃材は粘着性を有するようになってドラム内の掻き上げ羽根等に徐々に付着していき、ついには掻き上げ羽根の機能を損なうほどになることがある。このため、掻き上げ羽根の機能を回復させるために定期的にはつり作業を行うなど、メンテナンス面にて厄介な問題があった。
【0003】
【先行技術文献】
出願人は、掻き上げ羽根への廃材の付着を防止するアスファルト舗装廃材再生用ドライヤについて調査したところ、実用新案登録2500587号、特開平11−131418号、特開平2002−227118号が検索された。
【0004】
実用新案登録2500587号は、先端に可動部材が取り付けられた索状体をドラムの内周面に取り付け、ドラムの回転時に可動部材をずれ落ちさせて板状の掻き上げ羽根をこすることで羽根表面の付着物をはがし、廃材付着物の発生、堆積を防止するものである。
【0005】
特開平11−131418号は、板状の掻き上げ羽根の基部を湾曲させてドラムに内周面に取り付け、廃材が円滑に流れるようにして掻き上げ羽根とドラムとの接続部に廃材が付着することを抑えるものである。
【0006】
特開平2002−227118号は、板状の掻き上げ羽根をドラム内周壁との間に隙間を持たせて取り付け、掻き上げ羽根とドラム内周壁との接続箇所で廃材を付着保持させないようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来のものはいずれも板状の掻き上げ羽根を使用しており、この板状の掻き上げ羽根では廃材を掻き上げながら持ち上げていくときに廃材が掻き上げ羽根上にて一時的に静止状態となることで廃材の付着が始まり、更に、板状の掻き上げ羽根では廃材との接触面積が大きいために一旦付着した廃材がはがれにくいのではないかと考えられる。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み、廃材の掻き上げ時に付着しにくく、かつ付着してもはがれやすいように工夫することによって掻き上げ羽根への廃材付着を極力抑えられるようにしたアスファルト舗装廃材再生用ドライヤを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1記載のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤは、回転自在に傾斜支持したドラムの内周壁に多数の掻き上げ羽根を周設したアスファルト舗装廃材再生用ドライヤにおいて、円筒体より成る掻き上げ羽根をドラム内周壁との間に隙間を持たせて取り付けたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤは、前記掻き上げ羽根の一部又は全部は、円筒体間に隙間を持たせた複数の円筒体より形成したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる請求項1記載のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤによれば、掻き上げ羽根を円筒体にて形成し、この円筒体をドラム内周壁との間に隙間を持たせて取り付けたので、掻き上げ羽根によって廃材を掻き上げると、廃材が持ち上げられるものの円筒体の掻き上げ羽根の表面は滑りやすく、ドラムの回転に伴って長く静止状態が続くことなく次々と滑り落ちていき、廃材の付着が起こりにくいものとなっている。また、廃材が掻き上げ羽根に付着しても付着部分が円筒体の曲面形状であるために、付着部分の面積が小さくて付着力も弱く、廃材の掻き上げや滑り落ち時の衝撃によってすぐにはがされていき、廃材の付着成長を極力抑えることができる。
【0012】
また、請求項2記載のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤによれば、隙間を持たせた複数の円筒体より形成した掻き上げ羽根を取り付けたので、円筒体の掻き上げ羽根間に廃材を一時的に保持しながら持ち上げることができ、より多くの廃材を掻き上げれるとともに、ドラム上位まで持ち上げて落下させることができ、熱風との接触機会を増やしてドライヤの加熱効率を向上させることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施例であって、1は廃材を加熱再生するドライヤで、内部に多数の掻き上げ羽根2を周設した円筒状のドラム3を機台4上に回転自在に傾斜支持し、駆動用モータ(図示せず)により回転駆動させている。
【0015】
ドラム3の一端部にはバーナ5を備え、該バーナ5を燃焼させて燃焼室6内に火炎を形成しながらドラム3内に熱風を供給する一方、ベルトコンベヤ7によって廃材を供給し、掻き上げ羽根2によって廃材を掻き上げながらドラム3内を転動流下させる間に廃材を所定温度まで加熱している。
【0016】
図2は図1のA−A断面図を示すもので、掻き上げ羽根2は、適宜長さの円筒体8としてその両端部を支持片9に固着し、該支持片9をドラム3の内周壁に固着するとともに、ドラム3の内周壁との間は若干の隙間を設けている。掻き上げ羽根2は、40〜150mm径の円筒体8とすることができ、この掻き上げ羽根2とドラム3の内周壁との隙間は、円筒体8の掻き上げ羽根2とドラム内周壁間に廃材を付着保持させにくく、かつ円筒体8によって所望の掻き上げ機能を有するように適宜決定する。たとえば、20〜40mmとすることができる。
【0017】
また、図3は図1のB−B断面図を示すもので、一本の円筒体8で形成した掻き上げ羽根2の中間位置に二本の小径の円筒体8aに10〜30mm位の若干の隙間を設けて形成した掻き上げ羽根2を配設している。この二本の円筒体8aにて形成した掻き上げ羽根2は、円筒体8a間に廃材を一時的に保持しながら持ち上げることができ、より多くの廃材をドラム上位まで持ち上げて熱風との接触機会を高めてドライヤの加熱効率を向上させることができる。なお、このような少なくとも二本以上の円筒体8aで形成される掻き上げ羽根は、掻き上げ効果を高めることができ、必要に応じてドラム3内の掻き上げ羽根2の全部又は所望の位置に適宜取り付けることができる。
【0018】
上記構成のドライヤ1に廃材を投入すると、ドラム3とともに回転する掻き上げ羽根2によって廃材が次々と掻き上げられていくが、掻き上げ羽根2が円筒体8、8aにて形成されているために、掻き上げ羽根2に廃材が長く静止することなく次々と滑り落ちていき、廃材の付着が起こりにくい。また、廃材が掻き上げ羽根2に付着しても付着部分が曲面形状であるために、付着部分の面積が小さくて付着力も弱く、廃材の掻き上げや滑り落ち時の衝撃によってすぐにはがされ、廃材の付着を極力抑えることができる。
【0019】
なお、上記実施例では、掻き上げ羽根2を全て軽量化がはかれる円筒体にて形成したが、円柱体で形成することも可能であり、またドラム3内の廃材の付着しやすい部分のみに取り付け、廃材の付着しにくい部分には従来の板状の羽根を取り付けるようにしても良い。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る請求項1記載のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤによれば、円筒体より成る掻き上げ羽根をドラム内周壁との間に隙間を持たせて取り付けたので、廃材の付着が起こりにくく、また付着しても廃材の掻き上げや滑り落ち時の衝撃によってすぐにはがされ、廃材の付着を極力抑えることができる。
【0021】
また、請求項2記載のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤによれば、前記掻き上げ羽根の一部又は全部は円筒体間に隙間を持たせた複数の円筒体より形成したので、円筒体間に廃材を一時的に保持しながら持ち上げることができ、より多くの廃材を掻き上げれて熱風との接触機会を増やしてドライヤの加熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアスファルト舗装廃材再生用ドライヤの一実施例を示す説明図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【符号の説明】
1…ドライヤ 2…掻き上げ羽根 3…ドラム
5…バーナ 8、8A…円筒体 9…支持片
Claims (2)
- 回転自在に傾斜支持したドラムの内周壁に多数の掻き上げ羽根を周設したアスファルト舗装廃材再生用ドライヤにおいて、円筒体より成る掻き上げ羽根をドラム内周壁との間に隙間を持たせて取り付けたことを特徴とするアスファルト舗装廃材再生用ドライヤ。
- 前記掻き上げ羽根の一部又は全部は、円筒体間に隙間を持たせた複数の円筒体より形成したことを特徴とする請求項1記載のアスファルト舗装廃材再生用ドライヤ。
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