JPH1025525A - ロジウムの結晶化精製法 - Google Patents
ロジウムの結晶化精製法Info
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- JPH1025525A JPH1025525A JP17960396A JP17960396A JPH1025525A JP H1025525 A JPH1025525 A JP H1025525A JP 17960396 A JP17960396 A JP 17960396A JP 17960396 A JP17960396 A JP 17960396A JP H1025525 A JPH1025525 A JP H1025525A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶液中よ
りロジウムの結晶を効率良く回収するロジウムの結晶化
精製法を提供する。 【解決手段】 不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶液
中よりロジウムを結晶させて析出させるためのロジウム
の結晶化精製法において、不純物を含むロジウムの塩酸
酸性水溶液に、添加量が前記水溶液中に含まれるロジウ
ムに対して1.5〜3.0化学当量であるヒドラジニウ
ム塩またはヒドラジンを添加して精製処理する。
りロジウムの結晶を効率良く回収するロジウムの結晶化
精製法を提供する。 【解決手段】 不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶液
中よりロジウムを結晶させて析出させるためのロジウム
の結晶化精製法において、不純物を含むロジウムの塩酸
酸性水溶液に、添加量が前記水溶液中に含まれるロジウ
ムに対して1.5〜3.0化学当量であるヒドラジニウ
ム塩またはヒドラジンを添加して精製処理する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非鉄金属精練工程
または含白金廃触媒の処理工程で発生するロジウムの塩
酸酸性水溶液よりロジウムを分離精製するロジウムの結
晶化精製法に関する。
または含白金廃触媒の処理工程で発生するロジウムの塩
酸酸性水溶液よりロジウムを分離精製するロジウムの結
晶化精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロジウムの精製方法としては、結晶化
法、イオン交換法、溶媒抽出法が、一般的に知られてい
るが、その中でも、結晶化法は、ロジウムと共存する陰
イオン、陽イオンの大部分を同時に分離可能とするた
め、最も広く採用されている。
法、イオン交換法、溶媒抽出法が、一般的に知られてい
るが、その中でも、結晶化法は、ロジウムと共存する陰
イオン、陽イオンの大部分を同時に分離可能とするた
め、最も広く採用されている。
【0003】さらに、ロジウム結晶化法は、下記のよう
に、幾つかの処理方法が知られている。すなわち、 (イ)亜硝酸塩安定度の差を利用し、ロジウム以外の元
素を沈殿分離して溶液中のロジウムの濃度を高め、つい
で、結晶として、溶液中よりロジウムを分離する結晶化
法(「白金族と工業的利用」産業図書(株)参照)。し
かしながら、亜硝酸イオンの錯安定度差を利用して、ロ
ジウムを分離する結晶化法にては、比較的高いpH領
域、すなわちpH=6前後において、多くの不純物を加
水分解させる処理方法であるために、ロジウムのかなり
の量が沈殿物中に移行してしまい、結晶化のためにロジ
ウムの純度が十分に高くなるまでこの操作を繰り返す
と、溶液より回収されるロジウムは僅か20%程度の低
い実収率に止まる。
に、幾つかの処理方法が知られている。すなわち、 (イ)亜硝酸塩安定度の差を利用し、ロジウム以外の元
素を沈殿分離して溶液中のロジウムの濃度を高め、つい
で、結晶として、溶液中よりロジウムを分離する結晶化
法(「白金族と工業的利用」産業図書(株)参照)。し
かしながら、亜硝酸イオンの錯安定度差を利用して、ロ
ジウムを分離する結晶化法にては、比較的高いpH領
域、すなわちpH=6前後において、多くの不純物を加
水分解させる処理方法であるために、ロジウムのかなり
の量が沈殿物中に移行してしまい、結晶化のためにロジ
ウムの純度が十分に高くなるまでこの操作を繰り返す
と、溶液より回収されるロジウムは僅か20%程度の低
い実収率に止まる。
【0004】(ロ)ロジウムが塩化物水溶液中ではクロ
ロ錯イオンとして存在するため、塩化アンモニウムやエ
チレンジアミン等のアミン類を添加して、難溶性のクロ
ロ錯体を形成させ、ロジウムを沈澱させる結晶化方法。
このように、ロジウムのクロロ錯体をそのまま難溶性錯
塩として沈澱させる方法は、酸性で錯塩か形成されるた
めに、最も簡単であるが、結晶の成長速度が遅く、収率
が低い。従って、繰り返し物が増大し、仕掛り量が増大
してしまう。
ロ錯イオンとして存在するため、塩化アンモニウムやエ
チレンジアミン等のアミン類を添加して、難溶性のクロ
ロ錯体を形成させ、ロジウムを沈澱させる結晶化方法。
このように、ロジウムのクロロ錯体をそのまま難溶性錯
塩として沈澱させる方法は、酸性で錯塩か形成されるた
めに、最も簡単であるが、結晶の成長速度が遅く、収率
が低い。従って、繰り返し物が増大し、仕掛り量が増大
してしまう。
【0005】(ハ)貴金属吸着用キレート樹脂を用いて
Rhを分離精製する方法(特開平5−33071号公
報)。 (ニ)酸化剤を添加して加熱処理する錯体強化処理を施
し、次いで純水で溶液を希釈し、直ちにこの溶液を陰イ
オン交換樹脂に通液して白金族金属を樹脂に吸着せし
め、次いでロジウムのみを樹脂から選択的に分離する方
法(特開平8−13053号公報)。
Rhを分離精製する方法(特開平5−33071号公
報)。 (ニ)酸化剤を添加して加熱処理する錯体強化処理を施
し、次いで純水で溶液を希釈し、直ちにこの溶液を陰イ
オン交換樹脂に通液して白金族金属を樹脂に吸着せし
め、次いでロジウムのみを樹脂から選択的に分離する方
法(特開平8−13053号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みて提案されたものであって、不純物を含むロジ
ウムの塩酸酸性水溶液中よりロジウムの結晶を効率良く
回収するロジウムの結晶化精製法を提供することを課題
とする。
点に鑑みて提案されたものであって、不純物を含むロジ
ウムの塩酸酸性水溶液中よりロジウムの結晶を効率良く
回収するロジウムの結晶化精製法を提供することを課題
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶
液中よりロジウムを結晶させて析出させるためのロジウ
ムの結晶化精製法において、不純物を含むロジウムの塩
酸酸性水溶液に、添加量が前記水溶液中に含まれるロジ
ウムに対して1.5〜3.0化学当量であるヒドラジン
またはヒドラジニウム塩を添加し、難溶性のクロロ錯体
を形成させて精製処理するロジウムの結晶化精製法を特
徴とする。
めに、本発明は、不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶
液中よりロジウムを結晶させて析出させるためのロジウ
ムの結晶化精製法において、不純物を含むロジウムの塩
酸酸性水溶液に、添加量が前記水溶液中に含まれるロジ
ウムに対して1.5〜3.0化学当量であるヒドラジン
またはヒドラジニウム塩を添加し、難溶性のクロロ錯体
を形成させて精製処理するロジウムの結晶化精製法を特
徴とする。
【0008】また、不純物を含むロジウムの塩酸酸性水
溶液のpHを0〜3として処理することが好ましい。
溶液のpHを0〜3として処理することが好ましい。
【0009】さらに、ヒドラジニウム塩またはヒドラジ
ンを添加して静置した後に、アルコールを添加すること
が好ましい。
ンを添加して静置した後に、アルコールを添加すること
が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、不純物を含むロジウム
の塩酸酸性水溶液中よりロジウムを結晶させて析出させ
るためのロジウムの結晶化精製法において、不純物を含
むロジウムの塩酸酸性水溶液に、添加剤としてヒドラジ
ニウム塩またはヒドラジンを添加して処理し、前記添加
剤の添加量と溶液のpH濃度とを規制すると共に、添加
剤添加後に、アルコールを添加することにより、実収率
が高く、処理時間が短縮されたロジウムの結晶化精製法
を提供するものである。ヒドラジンまたはヒドラジウム
塩の添加により、ロジウムは、クロロ錯体からヒドラジ
ン錯体に転換される。
の塩酸酸性水溶液中よりロジウムを結晶させて析出させ
るためのロジウムの結晶化精製法において、不純物を含
むロジウムの塩酸酸性水溶液に、添加剤としてヒドラジ
ニウム塩またはヒドラジンを添加して処理し、前記添加
剤の添加量と溶液のpH濃度とを規制すると共に、添加
剤添加後に、アルコールを添加することにより、実収率
が高く、処理時間が短縮されたロジウムの結晶化精製法
を提供するものである。ヒドラジンまたはヒドラジウム
塩の添加により、ロジウムは、クロロ錯体からヒドラジ
ン錯体に転換される。
【0011】
[実施例1]溶液1リットル中に、Rhが40.4g、
Niが73mg、Crが37mg、Pbが27mg、T
eが2mg、Ptが1mg、Pd、Cu、Feが夫々1
mg未満含まれ、前記溶液1リットル中の遊離の塩酸濃
度が2.0モルに調整されたロジウムの塩酸酸性水溶液
を300cc分取し、分取溶液に対して重炭酸ナトリウ
ム(NaHCO3 )を添加してpHを0に調整し、pH
が0に調整された溶液に、さらに、ロジウムに対して
1.5化学当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を
添加して、室温で24時間静置した。24時間静置した
状態の溶液について、溶液中に含まれるRhを分析し、
ロジウムの実収率を逆算した場合、その数値は48%を
示した。
Niが73mg、Crが37mg、Pbが27mg、T
eが2mg、Ptが1mg、Pd、Cu、Feが夫々1
mg未満含まれ、前記溶液1リットル中の遊離の塩酸濃
度が2.0モルに調整されたロジウムの塩酸酸性水溶液
を300cc分取し、分取溶液に対して重炭酸ナトリウ
ム(NaHCO3 )を添加してpHを0に調整し、pH
が0に調整された溶液に、さらに、ロジウムに対して
1.5化学当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を
添加して、室温で24時間静置した。24時間静置した
状態の溶液について、溶液中に含まれるRhを分析し、
ロジウムの実収率を逆算した場合、その数値は48%を
示した。
【0012】[実施例2]ロジウムに対して2.0化学
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は58%を示した。
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は58%を示した。
【0013】[実施例3]ロジウムに対して2.5化学
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は49%を示した。
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は49%を示した。
【0014】[実施例4]ロジウムに対して3.0化学
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は42%を示した。
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は42%を示した。
【0015】[実施例5]pHを1とした以外は、実施
例2と同様にして算出したロジウムの実収率は54%を
示した。
例2と同様にして算出したロジウムの実収率は54%を
示した。
【0016】[実施例6]pHを3とした以外は、実施
例2と同様にして算出したロジウムの実収率は52%を
示した。
例2と同様にして算出したロジウムの実収率は52%を
示した。
【0017】[実施例7]時間を96時間とした以外
は、実施例2と同様にして算出したロジウムの実収率は
68%を示した。
は、実施例2と同様にして算出したロジウムの実収率は
68%を示した。
【0018】[実施例8]静置時間を168時間とした
以外は、実施例2と同様にして算出したロジウムの実収
率は80%を示した。
以外は、実施例2と同様にして算出したロジウムの実収
率は80%を示した。
【0019】[実施例9]溶液を96時間静置後、メタ
ノールを100cc添加し、その後15分間撹拌し、さ
らに、24時間静置し、当初の添加剤添加から120時
間静置した以外は、実施例2と同様にして算出したロジ
ウムの実収率は92%を示した。
ノールを100cc添加し、その後15分間撹拌し、さ
らに、24時間静置し、当初の添加剤添加から120時
間静置した以外は、実施例2と同様にして算出したロジ
ウムの実収率は92%を示した。
【0020】[実施例10]ヒドラジニウム塩(N2H6
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
2と同様にして算出したロジウムの実収率は57%を示
した。
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
2と同様にして算出したロジウムの実収率は57%を示
した。
【0021】[実施例11]ヒドラジニウム塩(N2H6
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
3と同様にして算出したロジウムの実収率は50%を示
した。
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
3と同様にして算出したロジウムの実収率は50%を示
した。
【0022】[実施例12]ヒドラジニウム塩(N2H6
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
5と同様にして算出したロジウムの実収率は54%を示
した。
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
5と同様にして算出したロジウムの実収率は54%を示
した。
【0023】[実施例13]ヒドラジニウム塩(N2H6
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
6と同様にして算出したロジウムの実収率は51%を示
した。
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
6と同様にして算出したロジウムの実収率は51%を示
した。
【0024】[実施例14]ヒドラジニウム塩(N2H6
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
9と同様にして算出したロジウムの実収率は93%を示
した。
Cl2 )に代えてヒドラジンを添加した以外は、実施例
9と同様にして算出したロジウムの実収率は93%を示
した。
【0025】[比較例1]ロジウムに対して1.0化学
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は20%を示すに過ぎなかった。
当量のヒドラジニウム塩(N2H6Cl2 )を添加した以
外は、実施例1と同様にして算出したロジウムの実収率
は20%を示すに過ぎなかった。
【0026】[比較例2]pHを7として処理した以外
は、実施例1と同様にして処理した場合、加水分解が生
じて、錯体であるロジウムのクロロ錯体が破壊されて、
処理は不可能であった。
は、実施例1と同様にして処理した場合、加水分解が生
じて、錯体であるロジウムのクロロ錯体が破壊されて、
処理は不可能であった。
【0027】[比較例3]pHを10として処理した以
外は、実施例1と同様にして処理した場合、ヒドラジニ
ウムイオンにより、ロジウムは金属にまで還元されてし
まい目的を達し得なかった。
外は、実施例1と同様にして処理した場合、ヒドラジニ
ウムイオンにより、ロジウムは金属にまで還元されてし
まい目的を達し得なかった。
【0028】本発明において、ヒドラジンまたはヒドラ
ジニウム塩(N2H6Cl2 )を用いたことにより、生成
する結晶に白金族不純物が混入するのを防止できた。す
なわち、従来技術で説明したようにアンモニウム塩また
はアミン塩を添加した場合には、4価で存在する白金族
の不純物が難溶性のクロロ錯体を形成してロジウムと共
沈してしまい、ロジウムの実収率を低めてしまうが、こ
れが本発明では避け得た。
ジニウム塩(N2H6Cl2 )を用いたことにより、生成
する結晶に白金族不純物が混入するのを防止できた。す
なわち、従来技術で説明したようにアンモニウム塩また
はアミン塩を添加した場合には、4価で存在する白金族
の不純物が難溶性のクロロ錯体を形成してロジウムと共
沈してしまい、ロジウムの実収率を低めてしまうが、こ
れが本発明では避け得た。
【0029】また、溶液に対するヒドラジンまたはヒド
ラジニウム塩(N2H6Cl2 )の添加量を、溶液中に含
まれるロジウムに対して1.5〜3.0化学当量と規定
したが、これは、上記の添加量が1.5化学当量未満で
あったり、3.0化学当量を超えると、実収率が低下し
て効果が少なくなるためである。
ラジニウム塩(N2H6Cl2 )の添加量を、溶液中に含
まれるロジウムに対して1.5〜3.0化学当量と規定
したが、これは、上記の添加量が1.5化学当量未満で
あったり、3.0化学当量を超えると、実収率が低下し
て効果が少なくなるためである。
【0030】一方、ヒドラジンまたはヒドラジニウム塩
(N2H6Cl2 )を添加する場合の、溶液のpHを0〜
3と規定したが、この場合、pHを3以上とすると、ロ
ジウムのクロロ錯体が加水分解を起こして水酸化ロジウ
ムとなってしまい、目的とするヒドラジン錯体が得られ
ない。また、pHが0未満であると、ヒドラジン錯体が
遊離酸とヒドラジニウム塩に分解したり、溶液中のロジ
ウムのヒドラジンの錯体の溶解度が増加し、収率が低く
なる。
(N2H6Cl2 )を添加する場合の、溶液のpHを0〜
3と規定したが、この場合、pHを3以上とすると、ロ
ジウムのクロロ錯体が加水分解を起こして水酸化ロジウ
ムとなってしまい、目的とするヒドラジン錯体が得られ
ない。また、pHが0未満であると、ヒドラジン錯体が
遊離酸とヒドラジニウム塩に分解したり、溶液中のロジ
ウムのヒドラジンの錯体の溶解度が増加し、収率が低く
なる。
【0031】さらに、pHが、7を超えて、さらに高く
なると、ヒドラジニウム・イオンにより、ロジウムは金
属にまで還元されてしまい、所期の目的を達し得なくな
るためである。
なると、ヒドラジニウム・イオンにより、ロジウムは金
属にまで還元されてしまい、所期の目的を達し得なくな
るためである。
【0032】ここで、アルコール添加を行うのは、ロジ
ウムのヒドラジン錯体の溶解度を下げ、実収率の増加を
図るためである。すなわち、当初、アルコール添加を行
なわなかった実施例2と実施例7との間で、静置時間が
72時間経過して、実収率は10%増加しており、静置
時間10時間当り1.4%の実収率増加を示している。
同様に、アルコール添加を行なわなかった実施例7と実
施例8との間で、静置時間が72時間経過して、実収率
は12%増加しており、静置時間10時間当り1.7%
の実収率増加を示している。
ウムのヒドラジン錯体の溶解度を下げ、実収率の増加を
図るためである。すなわち、当初、アルコール添加を行
なわなかった実施例2と実施例7との間で、静置時間が
72時間経過して、実収率は10%増加しており、静置
時間10時間当り1.4%の実収率増加を示している。
同様に、アルコール添加を行なわなかった実施例7と実
施例8との間で、静置時間が72時間経過して、実収率
は12%増加しており、静置時間10時間当り1.7%
の実収率増加を示している。
【0033】これに対して、アルコール添加を行った実
施例7と実施例9との間で、静置時間が24時間経過し
て、実収率は24%増加しており、静置時間10時間当
り10%の実収率増加を示している。この様に、アルコ
ールを添加した場合に、単位時間における実収率の増加
割合は著しくなっている。静置時間を設けたのはアルコ
ール添加の効果を見たためである。
施例7と実施例9との間で、静置時間が24時間経過し
て、実収率は24%増加しており、静置時間10時間当
り10%の実収率増加を示している。この様に、アルコ
ールを添加した場合に、単位時間における実収率の増加
割合は著しくなっている。静置時間を設けたのはアルコ
ール添加の効果を見たためである。
【0034】上記のように、本発明を実施するときは、
ロジウムの実収率を大幅に向上し、さらに、その処理時
間当たりの実収率をも高め得たことにより、作業効率も
高められ、繰返し処理の減少に伴って仕掛量の減少を可
能にした。また、回転材の滞留時間を短縮したことによ
り、原料の処理量を増大し得た。なお、上記のようにし
て得られた結晶は、通常のろ過操作で溶液から分離した
後、不活性ガスまたは水蒸気中での加熱分解、さらに
は、水中に懸濁して水素または蟻酸などの還元剤と接触
させることにより金属ロジウムとすることが出来る。
ロジウムの実収率を大幅に向上し、さらに、その処理時
間当たりの実収率をも高め得たことにより、作業効率も
高められ、繰返し処理の減少に伴って仕掛量の減少を可
能にした。また、回転材の滞留時間を短縮したことによ
り、原料の処理量を増大し得た。なお、上記のようにし
て得られた結晶は、通常のろ過操作で溶液から分離した
後、不活性ガスまたは水蒸気中での加熱分解、さらに
は、水中に懸濁して水素または蟻酸などの還元剤と接触
させることにより金属ロジウムとすることが出来る。
【0035】本明細書に提示したロジウムの実収率は以
下に示される式によるものである。 Rh実収率=[(元液中のRh量−塩酸溶出液中のRh量)/
元液中のRh量]×100
下に示される式によるものである。 Rh実収率=[(元液中のRh量−塩酸溶出液中のRh量)/
元液中のRh量]×100
【0036】参考のために、上記の実施例および比較例
の結果を表1および図1〜3にまとめて示す。
の結果を表1および図1〜3にまとめて示す。
【0037】
【表1】 注:*A=N2H6Cl2 B=N2H4
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、非鉄金属精練工程や白
金廃触媒等の処理工程で発生するロジウム含有廃液か
ら、ロジウムを分離精製する場合に、ロジウムの実収率
を容易に高められ、効率の良い、しかも、安易な方法に
てロジウムの精製作業を進めることを可能にした。
金廃触媒等の処理工程で発生するロジウム含有廃液か
ら、ロジウムを分離精製する場合に、ロジウムの実収率
を容易に高められ、効率の良い、しかも、安易な方法に
てロジウムの精製作業を進めることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロジウムの結晶化精製におけるN2H6Cl2添
加当量とロジウム実収率との関係を示すグラフである。
加当量とロジウム実収率との関係を示すグラフである。
【図2】 ロジウムの結晶化のための静置時間とロジウ
ム実収率との関係を示すグラフである。
ム実収率との関係を示すグラフである。
【図3】 ロジウムの結晶化のための静置時間およびメ
タノール添加とロジウム実収率との関係を示すグラフで
ある。
タノール添加とロジウム実収率との関係を示すグラフで
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶液
中よりロジウムの結晶を析出させるロジウムの結晶化精
製法において、不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶液
に、前記水溶液中に含まれるロジウムに対して1.5〜
3.0化学当量のヒドラジンまたはヒドラジニウム塩を
添加して精製することを特徴とするロジウムの結晶化精
製法。 - 【請求項2】 不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶液
のpHを0〜3として精製することを特徴とする請求項
1に記載のロジウムの結晶化精製法。 - 【請求項3】 ヒドラジニウム塩またはヒドラジンを添
加して静置した後にアルコールを添加することを特徴と
する請求項1〜2の何れかに記載のロジウムの結晶化精
製法。 - 【請求項4】 不純物を含むロジウムの塩酸酸性水溶液
中に含まれるロジウムに対して1.5より大きく2.5
より小さい当量のヒドラジンまたはヒドラニウム塩を添
加する請求項1記載のロジウムの結晶化精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17960396A JPH1025525A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | ロジウムの結晶化精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17960396A JPH1025525A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | ロジウムの結晶化精製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025525A true JPH1025525A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16068639
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17960396A Pending JPH1025525A (ja) | 1996-07-09 | 1996-07-09 | ロジウムの結晶化精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1025525A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6706914B2 (en) | 2000-05-18 | 2004-03-16 | Haldor Topsoe A/S | Rhodium containing solutions |
KR100881595B1 (ko) | 2007-05-08 | 2009-02-03 | 주식회사 지엠에스 21 | Mg(혹은 Ca)금속과의 합금생성에 의한 로듐금속 정제및 회수 방법 |
JP2016517796A (ja) * | 2013-04-11 | 2016-06-20 | シダンスク ウニベルシテート | 触媒構造体から白金族金属をリサイクルする方法 |
-
1996
- 1996-07-09 JP JP17960396A patent/JPH1025525A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6706914B2 (en) | 2000-05-18 | 2004-03-16 | Haldor Topsoe A/S | Rhodium containing solutions |
KR100881595B1 (ko) | 2007-05-08 | 2009-02-03 | 주식회사 지엠에스 21 | Mg(혹은 Ca)금속과의 합금생성에 의한 로듐금속 정제및 회수 방법 |
JP2016517796A (ja) * | 2013-04-11 | 2016-06-20 | シダンスク ウニベルシテート | 触媒構造体から白金族金属をリサイクルする方法 |
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