JPH1025518A - リングギアの誘導加熱焼入焼戻装置 - Google Patents

リングギアの誘導加熱焼入焼戻装置

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JPH1025518A
JPH1025518A JP8183800A JP18380096A JPH1025518A JP H1025518 A JPH1025518 A JP H1025518A JP 8183800 A JP8183800 A JP 8183800A JP 18380096 A JP18380096 A JP 18380096A JP H1025518 A JPH1025518 A JP H1025518A
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ring gear
induction heating
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cored bar
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隆志 河野
Shiro Umemura
司郎 梅村
Takashi Kikuchi
隆 菊池
Itaru Okamoto
格 岡本
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TOYO WATCH CASE Manufacturing
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Toyo Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、リングギアの誘導加熱による焼入
れ及び焼戻しにおいて、リングギアの変形を防止しつ
つ、芯金の引き抜きを容易にし、更にリングギアの全外
周面において、均一な焼入硬化層を得るリングギアの誘
導加熱焼入焼戻装置を提供することである。 【解決手段】 本実施の形態の誘導加熱焼入焼戻装置1
では、誘導加熱及び冷却後のリングギアWの抜き取りを
容易にするために芯金2を分割し、芯金2外周面に嵌合
した金属性リング部材6によりリングギアWに発生する
誘導電流量を全周に亘って平均化することができ、リン
グギアWの誘導加熱による内部保有熱を金属性リング部
材6に吸収発散させることにより、リングギアWの外周
面に均一な焼入硬化層を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リングギアの孔内
に芯金を挿通して、その変形を防止しつつ誘導加熱及び
冷却するリングギアの誘導加熱焼入焼戻装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リングギアの孔内に芯金を挿通し
て、その変形を防止しつつ、誘導加熱した後、冷媒で冷
却するリングギアの誘導加熱焼入焼戻装置では、誘導加
熱前にリングギアの孔内に、芯金をシリンダーなどで昇
降させることで挿通させてリングギアの内周面側から支
持して変形を防止して誘導加熱処理し、冷媒を導入して
誘導加熱したリングギアを冷却した後、芯金を降下させ
て引き抜くようにしている。
【0003】この時、焼入れ及び焼戻しされたリングギ
アは、熱膨張により、孔径が焼入れ及び焼戻し前に比べ
て、小さくなることがある。このため、芯金を引き抜く
とき抜く難かったり、リングギアの内周面に芯金引き抜
きによる傷が付くことがある。このため、リングギア内
径より小さい外径をもつ芯金を放射方向に複数分割させ
て、リングギアへの挿通及び引き抜き時には芯金の分割
片間の間隙を狭くすることにより、芯金外径を小さく
し、また、誘導加熱開始時から冷却終了時には芯金の外
径を拡大し、リングギアの内周面を支持固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のリングギアの誘導加熱焼入焼戻装置では、誘
導加熱及び冷却時に、芯金分割片間の間隙に対向するリ
ングギアの内周面と、分割片に当接するリングギア内周
面とでは、焼入硬化層深さにばらつきが発生する。すな
わち、芯金分割片間の間隙に対向するリングギア内周部
分においては、芯金分割片に接触するリングギア内周面
より焼入硬化層が深くなるといった問題が発生してい
た。
【0005】これは、芯金分割片間に間隙がある芯金に
内周面を支持固定されたリングギアの外周面を誘導加熱
した場合、リングギアに発生する誘導電流が不均一にな
るためである。すなわち、リングギアの内周面に芯金が
接触している部分と接触していない部分があり、接触し
ていない部分では誘導電流量か多くなるためである。ま
た、芯金分割片に接触するリングギアの部分では、誘導
加熱時にリングギアの内部保有熱が芯金分割片に熱伝導
により吸収発散されるが、芯金分割片の間隙に対向する
リングギアの部分では、この現象が発生しないため、焼
入れのための誘導加熱後の冷却時に焼入硬化層の深さに
ばらつきが生じるためである。
【0006】〔目的〕本発明の目的は、リングギアの誘
導加熱による焼入れ及び焼戻しにおいて、リングギアの
変形を防止しつつ、芯金の引き抜きを容易にし、更にリ
ングギアの全外周面において、均一な焼入硬化層を得る
リングギアの誘導加熱焼入焼戻装置を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のリングギアの誘導加熱焼入焼戻装置は、リ
ングギアの孔内に挿通する複数分割された芯金の外周面
に設けられた凹部に導電性かつ熱伝導性を有する環状部
材を嵌合し、該環状部材の上面にリングギアを載置し、
該リングギアの外周に設けられた誘導加熱コイルによっ
てリングギアを誘導加熱し、その直後に、該リングギア
を冷却することによって焼入れを行い、さらに、該冷却
の直後に焼入れ時と同じ誘導加熱コイルを用いて、焼入
れ時より低い周波数を適宜選定して誘導加熱を行い再び
冷却することによって焼戻しを行う。
【0008】前記芯金は、外周面に凹部を有し、かつ放
射方向に複数分割され、前記リングギアの孔内に挿通す
る時は、芯金の分割片間を中心方向に移動させて芯金外
径をリングギアの孔内径より小さくし、リングギア孔内
への芯金の挿通を容易にする。また、リングギアの誘導
加熱及び冷却時には、該分割片を放射方向に移動させる
ことにより芯金の径を拡大してリングギア内周面を支持
固定する。この時、各芯金分割片間には一定の間隙が形
成される。そして、冷却終了後の該芯金の引き抜き時に
は、再び分割片を中心方向に移動させることにより芯金
の外径を小さくし、リングギア内からの芯金の引き抜き
を容易にする。
【0009】前記導電性かつ熱伝導性環状部材は、リン
グギアを誘導加熱コイルにより誘導加熱した場合、一体
の電流路を形成する。また、該環状部材の上面にリング
ギアを載置して、誘導加熱した場合、リングギアの内部
保有熱を熱伝導により吸収する。したがって、該環状部
材の材質は、導電性で、かつ、熱伝導性が良好な銅等の
材質が好ましい。該環状部材の幅は、その上面にリング
ギアを載置した場合において、リングギアの所望の焼入
硬化層の深さが該環状部材に接触しないように設定す
る。すなわち、リングギアの下面全面が該環状部材に接
触すると、環状部材にリングギアの内部保有熱が吸収発
散されるため、リングギアの外周に所望の焼入硬化層が
得られないからである。
【0010】また、前記芯金分割片の移動が可能なよう
に、芯金の芯金分割片が中心方向に移動して芯金の外径
を小さくした場合において、芯金と前記環状部材の間に
は所定の隙間を形成する。
【0011】また、前記誘導加熱コイルは、リングギア
の外周に配設され、リングギアの外周を誘導加熱する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。
【0013】図1〜図5は、本発明を適用した誘導加熱
焼入焼戻装置の一実施の形態を示す図である。
【0014】まず、構成を説明する。
【0015】図1は、本実施の形態の誘導加熱焼入焼戻
装置1の要部構成を示す断面図である。この図1におい
て、誘導加熱焼入焼戻装置1は、分割された芯金2と、
この芯金2を図中の矢印方向に移動させる芯金移動機構
3と、芯金2により固定される被焼入部材であるリング
ギアWを誘導加熱する加熱コイル4と、被加熱部材の図
中上方への変形を押える押え機構5と、芯金の分割片2
の拡径方向移動時に芯金2の凹部に嵌合する金属性リン
グ部材6と、から構成されている。
【0016】図1の芯金2は、図2に示す平面図のよう
に放射方向に3分割して構成されるとともに、各芯金分
割片2bは同心円上に所定間隔を隔てて配置されてお
り、図1の芯金移動機構3により図1及び図2中に示す
矢印方向に移動され、芯金2の外径を大きくする方向に
移動された場合に、その外周にセットされる後述する被
焼入部材であるリングギアW(図示せず)の内周面を各
芯金分割片2bが支持固定して、誘導加熱及び冷却時の
リングギアWの変形を防止する。また、各芯金分割片2
bは、芯金移動機構3により芯金2の外径を小さくする
方向に移動された場合には、その外周面とリングギアW
内周面との間に充分な隙間を形成して、リングギアWか
らの芯金2の取り出しを容易にしている。また、各芯金
分割片2bの外周には金属性リング部材6が嵌合するよ
うに凹部2aが形成されている。
【0017】芯金移動機構3は、図1に示すように、ケ
ース3aと、このケース3a内に収納される移動部材3
b、この移動部材3bに芯金2を固定する固定部材3
c、移動部材3bを図中の中心軸方向に付勢して縮径方
向に移動させるスプリング3dと、図中の上方に上昇移
動されて、その先端部の円錐形状により移動部材3bを
図中の左右方向に押し拡げて拡径方向に移動させる移動
棒3eと、から構成されている。
【0018】移動部材3bは、図2の平面図に示すよう
に、固定部材3cとともに3分割された芯金2毎に固定
され、各移動部材3bの中心軸方向端部の形状は、移動
棒3eの先端部の円錐形状に沿って接するようにテーパ
ー状に形成されている。したがって、移動部材3bは、
移動棒3eの上昇移動により、その先端部円錐形状によ
りスプリング3dの付勢力に抗して押し拡げられて拡径
方向に均等に移動される。
【0019】スプリング3dは、ケース3a内で3つの
移動部材3b毎に設けられ、その一端部がケース内壁に
固定され、他端部が移動部材3bに当接して移動部材3
bを付勢する。スプリング3dは、移動棒3eが下降さ
れた場合は、伸張時には図中の中心軸方向に移動部材3
bを付勢して縮径方向に移動させ、移動棒3eが上昇移
動された場合は、移動部材3bの拡径方向への移動に伴
って収縮される。
【0020】固定部材3cは、3分割された芯金2毎
に、その芯金2と移動部材3bとの間に介在して図示し
ない固定ボルト等により芯金2と移動部材3bとを固定
し、移動部材3bの移動に伴って芯金2を移動させる。
【0021】移動棒3eは、その先端部が円錐状に形成
され、図示しない駆動機構により上昇及び下降駆動さ
れ、上昇時に先端部テーパー形状によりスプリング3d
の付勢力に抗した移動部材3bを図中左右方向に押し拡
げて、拡径方向に移動させる。
【0022】誘導加熱コイル4は、被焼入部材であるリ
ングギアW(例えば、歯車)の外周面を誘導加熱するた
めのものであり、図示しない高周波電源装置から供給さ
れる所定の高周波電流により交番磁束を発生して、リン
グギアWの外周面に誘導電流を発生させて誘導加熱し、
その後、リングギアWを冷却することにより、リングギ
アWの外周面に焼入硬化層を形成させる。
【0023】押え機構5は、図示しない駆動機構により
上昇及び下降駆動され、その下降移動により芯金2によ
り支持固定されるリングギアWの上面を全周にわたって
上方から押えて、誘導加熱及び冷却時のリングギアWの
上方への変形を押える。
【0024】金属性リング部材6は、芯金2の凹部2a
に嵌合され、かつ、芯金分割片2bの放射方向への移動
が可能なように、芯金2の外径が小さくなっている時、
すなわち、芯金分割片2bが中心方向に移動し終えた後
では、芯金2との間に所定の間隙を形成する。金属性リ
ング部材6の上面にはリングギアWが載置される。この
リングギアWの誘導加熱時には、リングギアWに誘導加
熱電流が発生すると同時に、各芯金分割片2bの外周部
及び各芯金2間の間隙部においても金属性リング部材6
により一体の電流路が形成される。すなわち、この金属
性リング部材6が補助的な電流路として作用し、リング
ギアWに発生する誘導電流量を全周にわたって平均化す
る。
【0025】また、リングギアWの冷却後には、芯金分
割片2b間の間隙の有無に拘らず、リングギアWの外周
面に均一な焼入硬化層を形成する。従って、リングギア
Wの所望の焼入硬化層の幅には金属性リング部材6を接
触させることは好ましくない。すなわち、金属性リング
部材6に接触するリングギアWの部分は、前述のように
脱熱されるため、焼入硬化層が形成されない恐れがある
ためである。
【0026】次に、本実施の形態の動作を説明する。
【0027】図1の誘導加熱焼入焼戻装置1によるリン
グギアWの誘導加熱処理の際の芯金2及び芯金移動機構
3の動作について図3〜図5を参照して説明する。
【0028】まず、図3は、誘導加熱焼入焼戻装置1に
被焼入部材であるリングギアWが3分割された芯金2に
挿通され、かつ金属性リング部材6上に載置されセット
された状態を示しており、この時、リングギアWの焼入
硬化層を所望する部分Waには金属性リング部材6が接
触しないようにする。また、芯金2の分割片2bは図中
の矢印方向に移動しているため芯金2の外径はリングギ
アWの内径より小さくなっている。
【0029】また、この時、芯金移動機構3の移動棒3
eは図中の下方に固定され、移動部材3bはスプリング
3dの付勢力により図中の中心軸方向に付勢されて外径
が小さい状態にされている。この芯金2の縮径状態でリ
ングギアWは、加熱コイル4と芯金2の間の所定位置に
セットされる。
【0030】次いで、図4は、誘導加熱焼入焼戻装置1
にセットされたリングギアWの誘導加熱及び冷却中の状
態を示している。この時、予め、芯金2の分割片2bは
図中の矢印方向に移動することにより芯金2の外径が拡
大され、リングギアWの内周面を支持固定して誘導加熱
及び冷却による変形を防止している。芯金2の移動は、
先端がテーパ状の移動軸3eの上昇により移動部材3b
が図中の矢印方向に移動し、これに伴い移動部材3b上
にボルト等で固定されている固定部材3cを介して移動
部材3bと移動部材3bにボルト止めされた芯金2が矢
印方向に移動する。
【0031】そして、押え機構5は、芯金2の移動とほ
ぼ同時に、リングギアWの上方から下降し、リングギア
Wの上面を全周に亘って押圧しつつ支持固定し、リング
ギアWの誘導加熱及び冷却時における上方への変形を防
止する。金属性リング部材6は、芯金2の外周面に設け
られた凹部2aに嵌合される。また、図2に示すように
芯金分割片2b間には間隙2cが形成される。
【0032】誘導加熱コイル4は、リングギアWの外周
に所定の間隔を隔てて配置され、リングギアWの外周面
を誘導加熱し、その直後に図示しない冷却液噴射ジャケ
ットから噴射される冷却液によりリングギアWの被加熱
部を冷却し、焼入硬化層を形成する。焼入れ終了後は、
芯金2及び押え機構5を移動させることなく再び焼入れ
時と同じ誘導加熱コイル4により誘導加熱を行う。この
時、誘導加熱を行う誘導電流をリングギアWに発生させ
る図示しない高周波電源装置から供給される所定の高周
波電流の周波数は、上記焼入れ時より低い周波数を適宜
設定する。
【0033】そして、この誘導加熱終了後は、再び焼入
れ時と同じ方法により冷却を行い、リングギアWを焼戻
しする。この焼戻し終了後は図5に示す状態になる。
【0034】すなわち、芯金分割片2bを再び中心方向
に移動させることにより、芯金2の外径をリングギアW
の内径より小さくし、芯金2の引き抜きを容易にする。
芯金分割片2bの移動は、移動軸3eを下降させること
により、移動部材3bが固定部材3c及び芯金2を伴っ
て図中の矢印方向に移動する。この時、移動部材3bは
圧縮コイルばね3dの伸張により付勢されているため、
移動軸3eの下降のみで芯金2の移動は可能となる。
【0035】以上のように、本実施の形態の誘導加熱焼
入焼戻装置1では、冷却処理時のリングギアWの変形を
防止する芯金2を3分割して分割片2bを構成して、こ
の芯金分割片2b間に隙間2cを形成し、この3分割し
た芯金2を芯金移動機構3により外径が小さくなる方向
及び外径が拡大する方向に均等に移動可能としたため、
誘導加熱時及び冷却処時には、芯金2の外径を拡大する
方向に移動させることにより、リングギアWの変形を防
止することができ、この誘導加熱及び冷却時の前後に
は、芯金2の外径を小さくする方向に移動させることに
より、被加熱部材であるリングギアWのセット及びリン
グギアWからの芯金2の抜き取りを容易にしている。
【0036】このため、誘導加熱焼入焼戻装置1におい
ては、リングギアWの誘導加熱及び冷却後にリングギア
Wから芯金2が抜けにくくなったり、芯金2を抜き取る
時にリングギアWの内周面に傷を付けてしまうといった
事態の発生を防止することができ、リングギアWを誘導
加熱する誘導加熱焼入焼戻装置1の信頼性を向上させる
ことができる。
【0037】また、各芯金分割片2bに設けた凹部2a
に嵌合する金属性リング部材6を設置し、この金属性リ
ング部材6は、芯金2の凹部2aに嵌合され、かつ、芯
金分割片2bの放射方向への移動が可能なように、芯金
2の外径が小さくなっている時、すなわち、芯金分割片
2bが中心方向に移動し終えた後では、芯金2との間に
所定の間隙を形成する。金属性リング部材6の上面には
リングギアWが載置される。このリングギアWの誘導加
熱時には、リングギアWに誘導加熱電流が発生すると同
時に、各芯金分割片2bの外周部及び各芯金2間の間隙
部においても金属性リング部材6により一体の電流路が
形成される。すなわち、この金属性リング部材6が補助
的な電流路として作用し、リングギアWに発生する誘導
電流量を全周にわたって平均化するとともに、リングギ
アWの誘導加熱による内部保有熱を吸収発散せさること
ができ、リングギアWの外周面に均一な焼入硬化層を得
ることができる。
【0038】ここで、加熱処理時に、上記各芯金2に金
属性リング部材6を適用しない場合と、上記各芯金分割
片2bに金属性リング部材6を適用した場合とで、リン
グギアWに形成される焼入層の一例を、図6及び図7に
示す。この図6及び図7では、リングギアWとして歯車
を誘導加熱した例を示す。
【0039】図6は、上記各芯金分割片2bに金属性リ
ング部材6を適用しないで誘導加熱した場合に、リング
ギアWとしての歯車の一部に形成された焼入硬化層の一
例を示している。この場合、その歯車の芯金分割片2b
間との間隙部に対向する部分の焼入硬化層が深くなって
“焼き抜け”状態が発生している。これは、金属性リン
グ部材6による補助電流路が形成されないため、リング
ギアWの芯金分割片2bの間隙2cに対向する部分に、
誘導加熱コイル4により発生される誘導電流量が多くな
ることにより発生するものである。
【0040】そして、図7は、上記各芯金分割片2bに
金属性リング部材6を適用して誘導加熱した場合に、リ
ングギアWとしての歯車の一部に形成された焼入硬化層
の一例を示している。この場合、その歯車の芯金分割片
2b間の間隙2cに対向する部分の焼入硬化層の深さ
は、他の間隙2cに対向しない部分に形成された焼入硬
化層の深さと同様である。これは、金属性リング部材6
による補助電流路が形成されため、リングギアWの芯金
分割片2b間の間隙2cに対向する部分と、他の間隙2
cに対向しない部分でも、誘導加熱コイル4により発生
される誘導電流量が平均化されて、図6に示した様な
“焼き抜け”状態の発生が防止されているからである。
【0041】また、この誘導加熱及び冷却に際して、環
状ワークWは、その内周壁側を芯金分割片2bにより支
持固定されることにより、その放射方向への変形が防止
されるとともに、押え機構5により上方から押えられる
ことにより、その上方への変形が防止される。
【0042】次いで、図5は、誘導加熱焼入焼戻装置1
にセットされた環状ワークWの誘導加熱後の芯金2及び
芯金移動機構3の状態を示しており、この時、芯金移動
機構3の移動棒3eは駆動機構により図中の下方に下降
移動され、移動部材3bはスプリング3dの付勢力によ
り図中の中心軸方向に付勢されて縮径状態にされる。こ
の芯金2の縮径状態で、芯金2と環状ワークWの間には
充分な隙間が形成され、環状ワークWの取り出し、ある
いは芯金2の環状ワークWからの抜き取りが容易に行わ
れる。
【0043】また、本実施の形態の誘導加熱焼入焼戻装
置1では、焼入れ後のリングギアWを芯金2及び押え機
構5により支持固定したままの状態で、誘導加熱時の周
波数を適宜設定し、再び誘導加熱及び冷却を実行するこ
とによりリングギアWを焼戻しすることも可能である。
【0044】以上本発明者によってなされた発明を実施
の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例
えば、上記実施の形態では、芯金2を3分割で構成した
場合を示したが、その分割数は限定されるものではな
く、芯金移動機構3の構造がより複雑にならない程度に
分割数を増やしてもよい。
【0045】また、上記実施の形態の芯金移動機構3の
構成は限定されるものではなく、上記芯金2を移動させ
る目的が達成可能なものであれば、種々の構成に変更可
能である。
【0046】
【発明の効果】本発明のリングギアの誘導加熱焼入焼戻
装置は、誘導加熱及び冷却後のリングギアの抜き取りを
容易にするために芯金を分割し、芯金外周面に嵌合した
金属性リング部材によりリングギアに発生する誘導電流
量を全周に亘って平均化することができ、リングギアの
誘導加熱による内部保有熱を金属性リング部材に吸収発
散させることにより、リングギアの外周面に均一な焼入
硬化層を得ることができる。
【0047】また、本発明のリングギアの誘導加熱焼入
焼戻装置は、焼入れ後のリングギアを芯金及び押え機構
により支持固定したままの状態で、誘導加熱時の周波数
を適宜設定し、再び誘導加熱及び冷却を実行することに
よりリングギアを焼戻しすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した誘導加熱焼入焼戻装置の要部
構成を示す断面図。
【図2】図1の芯金を上方から見た平面図。
【図3】図1の誘導加熱焼入焼戻装置へのリングギアの
セット時の芯金及び芯金移動機構の状態を示す図。
【図4】図1の誘導加熱焼入焼戻装置においてリングギ
アを誘導加熱中の芯金及び芯金移動機構の状態を示す
図。
【図5】図1の誘導加熱焼入焼戻装置においてリングギ
アを誘導加熱後の芯金及び芯金移動機構の状態を示す
図。
【図6】図1の芯金に嵌合部材を適用しないで加熱処理
された環状ワークの焼入層の一例を示す図。
【図7】図1の芯金に嵌合部材を適用して加熱処理され
た環状ワークの焼入層の一例を示す図。
【符号の説明】
1 誘導加熱焼入焼戻装置 2 芯金 2a 凹部 2b 芯金分割片 2c 間隙 3 芯金移動機構 3a ケース 3b 移動部材 3c 固定部材 3d スプリング 3e 移動棒 4 加熱コイル 5 押え機構 6 金属性リング部材 W リングギア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 1/18 C21D 1/18 N 1/42 1/42 G M 1/62 1/62 (72)発明者 梅村 司郎 愛知県豊明市沓掛町八幡前77−41 高周波 熱錬株式会社名古屋工場内 (72)発明者 菊池 隆 愛知県豊明市沓掛町八幡前77−41 高周波 熱錬株式会社名古屋工場内 (72)発明者 岡本 格 愛知県豊田市高岡本町秋葉137番地1 東 陽精機株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リングギアの孔内に放射方向に複数分割さ
    れた芯金を挿通し、該芯金の分割片間の間隙を拡げるこ
    とにより該芯金の外径を拡径し、該リングギアの内周面
    を該各分割片により支持固定し、該リングギアの外周に
    設けられた誘導加熱コイルにより該リングギアの外周面
    を誘導加熱を行った後、冷媒により冷却して前記リング
    ギアを焼入れし、その後直ちに、焼入れ時より低い周波
    数で誘導加熱を行った後、冷媒により冷却するリングギ
    アの誘導加熱焼入焼戻装置において、 前記リングギアの上方から降下させる支持部材により該
    リングギアの上面を押圧しつつ支持固定し、前記複数分
    割された芯金の外周面に凹部を設け、該凹部に導電性か
    つ熱伝導性を有する環状部材を嵌合させ、該環状部材上
    に被焼入部材である前記リングギアを載置することを特
    徴とするリングギアの誘導加熱焼入焼戻装置。
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