JP2012102364A - 高周波焼き入れ用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼入れ領域の近辺に焼入れ不要領域があるワークの高周波焼入れにおいて、焼入れ不要領域には焼きが入らないようにしながら焼入れ領域を均一に焼入れすることを可能となす高周波焼入れ用治具を提供することを課題としている。
【解決手段】高周波焼入れ用治具を、加熱用コイルと相似形の導電性材料で形成されたシールドリング2と、このシールドリングを電気絶縁状態で加熱用コイルに取付ける取付け具3とで構成し、取付け具3に、シールドリング2の加熱用コイルとの相対位置をコイル軸方向とコイル径方向にそれぞれ調整する、軸方向位置調整機構5と径方向位置調整機構6を含ませた。
【選択図】図1

Description

この発明は、焼入れを行う領域(以下、焼入れ領域と言う)と焼入れ不要領域が近接した位置にあるワークの高周波焼入れを、焼入れ不要領域が焼き入れされることを防止しながら焼入れ領域が良好に焼き入れされるように行うための高周波焼き入れ用治具に関する。
鉄系材料で形成される機械部品の中には、製造の過程で焼入れ工程を経るものがある。例えば、鉄系粉末で製造される焼結歯車などの機械部品については、焼結後に、また、機械加工して製造される鉄製機械部品については機械加工の前後に、必要領域を高周波焼入れして強化することがなされている。
その高周波焼入れは、例えば、下記特許文献1に開示された方法で行える。同文献に開示された方法は、誘導加熱用コイル(以下では単に加熱用コイルと言う)の内側にワークを配置する。そのワークは歯車であり、その歯車と加熱用コイルを相対回転させながら加熱用コイルに通電して歯車の歯部を所定の温度になるまで加熱し、その後、加熱用コイルの内側に配置した冷却ジャケットの噴射孔から冷却液を噴射して歯部を適切な速度で冷却する。
なお、一部に焼入れしたくない箇所(焼入れ不要領域)があるワークの高周波焼入れ用として、下記特許文献2に示される高周波加熱装置が提案されている。その特許文献2の加熱装置は、加熱用コイルの内部空間にワークを挿入し、そのワークの焼入れ不要領域と対応した位置に非鉄金属のシールドリングを配置する。
この状態で高周波コイルに通電すると、シールドリングに渦電流が誘起されてコイルによって発生させた磁束とは逆向きの磁束が発生する。これにより、ワークに誘起される渦電流が焼入れ不要領域で弱められ、当該領域が焼入れされることが防止される。
特開2006−9118号公報 特開2002−343550号公報
特許文献1に開示された方法では、焼入れ領域の近くに焼入れ不要領域があるワークの場合、焼入れ不要領域も同時に加熱されて焼入れされる。例えば、図11に示すように、歯部21の近くに鍔22を有するワーク(図のそれは歯車20)については、歯部21が万遍なく加熱されるように歯車をコイルの内側に配置すると、歯部だけなく、焼入れしたくない鍔22も同時に高温に加熱されて硬化し(焼きが入り)、鍔部の割れや加工性低下の問題が起こる。
特許文献2の高周波加熱装置は、上記の不具合を解消するために提案されたものであるが、同文献が示しているように、シールドリングをワークの焼入れ不要領域と対応した位置に配置すると、焼入れ領域の焼入れが不安定になることがある。
例えば、ワークが図11の歯車20の場合、歯部21の各域の均一加熱がなされず、焼入れにムラが出る。
加熱用コイルの位置を、鍔から離反する方向にずらして(歯部側に偏らせて)焼入れを行った歯車の歯底部の断面を図12に示す。同図のハッチングを入れた領域が焼入れされた領域であって変色している。この図からわかるように、加熱用コイルを歯部側に偏らせて配置すると鍔の焼入れは防止されるが、歯部21の焼入れの深さ(歯底での焼入れ深さ)が歯部の各部で不均一になり、歯車が要求品質を満たさないものになる。
特許文献2が開示している装置も、同文献が述べているように、シールドリングを歯車の焼入れ不要領域(鍔)と対応した位置に配置すると、歯部21の焼入れの深さが図12の状況と同様に歯部の各部で不均一になり(鍔に近い側が浅くなる)、歯車が要求品質を満たさないものになることを実験で確認した。
なお、上述したように、歯部の焼入れが不均一になることで、歯車の歪が増加することも懸念される。
この発明は、焼入れ領域の近辺に焼入れ不要領域がある歯車などのワークの高周波焼入れを、焼入れ不要領域に焼きが入らないようにしながら焼入れ領域の焼入れが均一になされるようにすることを可能となす焼入れ用治具を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、下記の方法、即ち、焼入れ領域とそれに近接した焼入れ不要領域を外周に有するワークを、加熱用コイルの内側に配置し、さらに、前記加熱用コイルの近傍に、その加熱用コイルが発生させる磁場に晒されて加熱用コイルが発生させた磁束とは反対向きの磁束を発生させ、前記焼入れ不要領域に流れる誘導電流を減衰させる導電性材料で形成されたシールドリングを配置し、この状態で前記加熱用コイルに通電して前記ワークの焼入れ領域を所定温度まで加熱し、その後に急冷を行う方法でワークの高周波焼き入れを行うときに優れた効果を期待できる高周波焼き入れ用治具を提供する。
その高周波焼入れ用治具は、導電性材料で形成されたシールドリングと、このシールドリングを電気絶縁状態で加熱用コイルに取付ける取付け具を有し、
前記取付け具に、シールドリングの加熱用コイルとの相対位置をコイル軸方向とコイル径方向にそれぞれ調整する、軸方向位置調整機構と径方向位置調整機構が含まれたものにしている。
シールドリングは、加熱用コイルと相似形とし、焼入れを行うワークよりも内径を大きくする。このシールドリングを形成する導電性材料は、銅、銅合金、アルミニウム、ニッケルなどが挙げられる。その導電性材料は、非磁性材が、シールドリングの発熱が抑えられて好ましい。
必要があれば、内部に冷媒を通す冷却パイプを設けて、シールドリングを強制冷却することができる。
前記取付け具は、シールドリングを保持する複数の支持アームと、その支持アームを加熱用コイルに固定するクランプねじとで構成されるものが、構造が簡素で好ましい。その好ましい形態の取付け具については、後に詳しく述べる。
この発明の治具は、前掲の特許文献2が開示している加熱装置と同じ原理で焼入れ不要領域が焼入れされることを防止する。この治具を使用すると、加熱用コイルが発生させる磁場にシールドリングが晒され、そのシールドリングに対して加熱用コイルに流れる誘導電流とは反対向きの電流が誘起される。そのために、加熱用コイルによって発生させた磁束とは逆向きの磁束が生じ、その磁束と加熱用コイルによって発生させた磁束が互いに打ち消しあう。その結果、ワークに誘起される電流が焼入れ不要領域で弱められ、当該領域が焼入れされることが防止される。
この治具は、加熱用コイルとシールドリングの相対位置を調整する軸方向位置調整機構と径方向位置調整機構を備えているので、シールドリングを適切な箇所に位置決めしてシールドリングによる磁束打消しの効果が焼入れ領域にまで及ぶことを回避することができる。そのために、ワークの高周波焼入れを、焼入れ不要領域には焼きが入らないようにしながら焼入れ領域の焼入れが均一になされるように行うことが可能になる。
この治具は、加熱用コイルに対するシールドリングの取付け位置をコイル軸方向に変化させることができるので、ワークの焼入れ領域と焼入れ不要領域間の距離の変動にも対応することができる。
この発明の高周波焼入れ用治具の一例を示す斜視図 図1のII−II線に沿った断面図 図1の高周波焼入れ用治具を加熱用コイルに装着した状態を示す断面図 この発明の高周波焼入れ用治具を加熱用コイルに装着する方法の解説図 図1の高周波焼入れ用治具を使用したときの加熱用コイルとシールドリングとワークの位置関係を簡略化して示す図 この発明の高周波焼入れ用治具の他の例を示す斜視図 図6の高周波焼入れ用治具の一部分の断面図 テストケース1での焼入れ状況を示す断面図 テストケース2での焼入れ状況を示す断面図 テストケース3での焼入れ状況を示す断面図 (a)はワークの一例である鍔付き歯車の端面図、(b)はその鍔付き歯車の断面図 歯車の歯部の焼入れ不良状態を示す断面図
以下、添付図面の図1〜図7に基づいてこの発明の高周波焼入れ用治具の実施の形態を説明する。図1及び図2に示す高周波焼入れ用治具1は、シールドリング2と、このシールドリングを電気絶縁状態で加熱用コイルC(図3参照)に取付ける取付け具3とからなる。
取付け具3には、治具1を加熱用コイルCに取付ける複数個の支持アーム4と、シールドリング2の加熱用コイルとの相対位置をコイル軸方向とコイル径方向にそれぞれ調整する軸方向位置調整機構5及び径方向位置調整機構6が含まれている。
図示の治具のシールドリング2は、銅で形成されている。このシールドリング2の材料は、導電性材料であればよく、銅以外に、銅合金、アルミニウム、ニッケルと言ったものも考えられる。これ等は、いずれも非磁性材であり、発熱が抑制される。
取付け具3の支持アーム4は、径方向外側に延びだす延出部4a、その延出部の外端に連設した垂下部4b、および垂下部の下端からコイル径方向内側に向わせた曲げ戻し部4cを備える。
側面視が略コの字状になったその支持アーム4を、周方向に少なくとも3個配置し、各支持アームの延出部4aの内端でシールドリング2を保持する。その保持は、図のようにシールドリング2を支持アーム4の内端に直接固定して行なってもよいし、何らかの介在物を介して間接的に固定することでも行える。
延出部4aには第1のクランプねじ7を、曲げ戻し部4cには第2のクランプねじ8をそれぞれコイル軸方向に向けてねじ込んでおり、先端を加熱用コイルCの上下面に突き当てるその第1のクランプねじ7と第2のクランプねじ8で固定具を兼用した軸方向位置調整機構5を構成している。
また、支持アームの垂下部4bに第3のクランプねじ9を径方向内側に向けてねじ込み、先端を加熱用コイルCの外周に突き当てるその第3のクランプねじ9で固定具を兼用した径方向位置調整機構6を構成している。
軸方向位置調整機構5は、第1のクランプねじ7と第2のクランプねじ8で加熱用コイルCを上下から挟む。このとき、第1のクランプねじ7と第2のクランプねじ8の支持アーム4に対するねじ込み量を調整することで、定位置にセットされる加熱用コイルCに対してシールドリング2の位置を軸方向に変化させることができる。
第2のクランプねじ8とそれをねじ込む支持アームの曲げ戻し部4cは、必須の要素ではないが、焼入れによって治具が加熱されると、第3のクランプねじ9による締め付けが緩む可能性がある。第2のクランプねじ8と曲げ戻し部4cがあればそのときにも焼入れ用治具1と加熱用コイルCの軸方向相対位置を安定して維持することができる。
また、各支持アーム4に螺合させた第3のクランプねじ9のねじ込み量を調整することで、シールドリング2の位置を径方向に変化させてシールドリング2を加熱用コイルCと同心位置に位置決めすることができる。
各クランプねじ7,8,9は、電気絶縁性を有するもの、電気絶縁処理を施したもの、先端に電気絶縁材を装着したもののいずれかを用いる。ここでは、セラミックなどの絶縁材で形成された絶縁キャップ10をクランプねじの先端に装着して加熱用コイルCとの間を電気的に絶縁したが、表面に絶縁被膜を施したねじや絶縁性樹脂で形成されたねじなどであってもよい。これ等のクランプねじの支持アーム1個当たりの設置本数は、各1本に限定されない。
支持アーム4は、これを3個以上設けることで、シールドリング2を加熱用コイルCと同心上に保持することができる。この支持アームの曲げ戻し部4cの内端に内接する円の直径は加熱用コイルCの外径よりも小さい。従って、この発明の焼入れ用治具1は、以下のような手順で加熱用コイルCに装着する。
まず、第3のクランプねじ9を十分に緩めておき、この状態で加熱用コイルCに対して図4に示すように治具1を傾け、2個の支持アーム4の内側に加熱用コイルCの一部を挿入する(手順1)。その挿入を、コイルの反対側が他の1個の支持アーム4に干渉しなくなるところまで行い、その後に治具1を傾きのない姿勢に戻し(手順2)、さらに、図4において図中右方に必要量引き戻す(手順3)ことで、他の1個の支持アーム4の内側へも加熱用コイルCを挿入することができる。
このような方法で焼入れ用治具1を加熱用コイルCに装着するので、支持アーム4は、その数を多くても4,5個程度に制限するのがよい。その数が多過ぎると、図4の方法での装着に支障をきたす。
図示の焼入れ治具1は、第1、第2のクランプねじ7、8を軸方向位置調整機構5として働かせ、さらに、第3のクランプねじ9を径方向位置調整機構6として働かせるようにしており、シールドリング2と、加熱用コイルCと、ワークの位置関係を適切に設定してワークの焼入れ不要領域が焼入れされることを確実に防止しながら、焼入れ領域を均一に加熱することができる。
焼入れ領域の加熱は、焼入れ用治具1を装着した加熱用コイルCの内側に図5に示すようにワーク(図のそれは歯車20)を配置する。焼入れ用治具1のシールドリング2は、ワークの焼入れ領域と焼入れ不要領域に対して最良の設置点を求めて予めそこに位置決めしておく。
加熱用コイルCの内側にワークを配置したら加熱用コイルCに通電してワークの焼入れ領域を所定の温度に加熱する。このとき、ワークは、前掲の特許文献1が開示している回転テーブルなどで支えて所定の速度で回転させても構わない。なお、加熱後のワークの冷却は、油槽や水槽にワークを浸漬し、場合によっては処理槽から取出したワークにさらに油などの冷媒を噴射する方法でなされる。
図6、図7はこの発明の高周波焼入れ用治具の他の実施の形態を表している。この高周波焼入れ用治具1は、シールドリング2の上部にほぼ全周にわたって冷却パイプ11を固定し、支持アーム4の延出部4aの内端近くの下面を冷却パイプ11に接合し、その冷却パイプ11にシールドリング2を取付けたものであって、延出部4aの内端に冷却パイプ11を介して間接的にシールドリング2が固定された構造になっている。その他の構造は、図1の高周波焼入れ用治具1と同一であるので説明を省く。
冷却パイプ11の一端には冷却水の供給管(図示せず)に接続され、他端には排水管(これも図示せず)が接続される。この冷却パイプ11を設けた治具は、シールドリング2の強制冷却が行なえる。高周波焼入れでは一般的にワークが900〜1000℃程度に加熱されるので、量産品を連続的に処理する場合には特に、シールドリング2も高温になりやすい。従って、冷却パイプ11の設置が設備の耐久性向上や安全性確保の面で有効になることがある。
冷却パイプ11は、シールドリング2の下部や外周に取付けてもよい。図7の12は第3のクランプねじ9に螺合させたロックナットである。このロックナット12は、第1、第2のクランプねじ7,8にも備えさせることができる。
外径:φ91mm、内径:φ87mm、コイル径方向厚み:2.0mm、コイル軸方向高さ:5mmのシールドリング2を有する図1の焼入れ用治具1を試作し、この焼入れ用治具1を加熱用コイルCの上部に装着した。このときの加熱用コイルCとシールドリング2とワークの位置関係を図5に示す。
加熱用コイルCは、外径:φ126mm、内径:φ87.5mm、軸方向高さ:8.0mmである。また、ワークは、鍔径:φ83mm、歯先円径:φ83mm、歯底円径:φ75mm、軸方向寸法L:17.75mm、歯幅w:8.4mm、鍔厚みt:3.75mmの図5に示した鉄系焼結合金製の鍔付き歯車20である。
焼入れの条件は、コイル出力:920W、印加電流:172A、加熱時間:2.1秒、
冷却時間:3.0秒とした。加熱後の冷却はワークを油槽に浸漬し、さらに、油槽からの取出し後に油を噴射する方法で行った。
その結果、図5において歯車20の歯部中心から加熱用コイルCの高さ方向中心までの距離Lc/wを3.0mm、加熱用コイルCの上面からシールドリング2までの距離Lc/sを8.0mmにしたとき(テストケース1)に最良の結果が得られた。
焼き入れ後の鍔付き焼結歯車を切断して焼きのはいり具合を観察した。その結果、図8に示すように、鍔22の部分には全く焼きが入っておらず、歯部21は、全域がほぼ均一深さに焼入れされていた。なお、焼きが入っているか否かは、断面の組織の色の違いで判断した。
また、距離Lc/wとLc/sを逐次変化させて上記の焼入れ条件で焼入れを行ったところ、以下の結果が得られた。
Lc/s:8.0mm、Lc/w:2.7mm・・・テストケース2
Lc/s:8.0mm、Lc/w:3.2mm・・・テストケース3
Lc/s:7.0mm、Lc/w:2.7mm・・・テストケース4
Lc/s:7.0mm、Lc/w:3.2mm・・・テストケース5
Lc/s:7.0mm、Lc/w:3.7mm・・・テストケース6
Lc/s:6.0mm、Lc/w:2.7mm・・・テストケース7
総評
テストケース1:鍔22の焼入れなしで、歯部21が図8のように良好に焼入れされた。
テストケース2:鍔22は焼入れされず。ただし、歯部21の焼入れ深さが鍔22に近い側でやや深くなる傾向が見られた(図9参照)。
テストケース3:鍔22は焼入れされず。ただし、歯部21の焼入れ深さに勾配が生じ、鍔22に近い側の焼入れ深さが浅くなった(図10参照)。
テストケース4:鍔22は焼入れされず。歯部21の焼入れ深さが全体的に浅かった。
テストケース5:テストケース3の結果とほぼ同様。
テストケース6:歯部21の焼入れ深さに勾配が生じ、その勾配がテストケース3よりもきつかった。
テストケース7:歯部21の焼入れ深さが全体的に浅かった。
このように、シールドリングと加熱用コイルとワークの位置関係が適切でないと歯部の焼入れ状態が悪くなって品質面で満足できる製品が得られない。
この発明の焼入れ用治具は、シールドリングの位置設定に自由度があるため、ワークの形状、寸法などに応じた最適位置にシールドリングを配置して焼入れ不要領域が焼き入れされるのを確実に防止しながら焼入れ領域を均一に焼入れすることが可能になる。
1 高周波焼入れ用治具
2 シールドリング
3 取付け具
4 支持アーム
5 軸方向位置調整機構
6 径方向位置調整機構
7 第1のクランプねじ
8 第2のクランプねじ
9 第3のクランプねじ
10 絶縁キャップ
11 冷却パイプ
12 ロックナット
C 加熱用コイル
20 鍔付き歯車
21 歯部
22 鍔

Claims (3)

  1. 焼入れ領域とそれに近接した焼入れ不要領域を外周に有するワークを、加熱用コイル(C)の内側に配置し、この状態で前記加熱用コイル(C)に通電し、加熱用コイル(C)が発生させる磁束とは逆向きの磁束を導電性材料で形成されたシールドリングに生じさせてワークの焼入れ不要領域に流れる誘導電流を減衰させながらワークの焼入れ領域を誘導電流で所定温度まで加熱する高周波焼入れ用治具であって、
    加熱用コイルと相似形の前記シールドリング(2)と、このシールドリング(2)を電気絶縁状態で加熱用コイル(C)に取付ける取付け具(3)を有し、
    前記取付け具(3)に、シールドリング(2)と加熱用コイル(C)との相対位置をコイル軸方向とコイル径方向にそれぞれ調整する、軸方向位置調整機構(5)と径方向位置調整機構(6)が含まれた高周波焼入れ用治具。
  2. 前記取付け具(3)を、周方向に定ピッチで3個以上設ける支持アーム(4)と、その支持アーム(4)の径方向外側への延出部(4a)にコイル軸方向に向けてねじ込む第1のクランプねじ(7)と、前記支持アーム(4)の前記延出部(4a)の外端に連ならせた垂下部(4b)にコイル径方向内側に向けてねじ込む第3のクランプねじ(9)と、前記支持アーム(4)の前記垂下部(4b)の下端からコイル径方向内側に向わせた曲げ戻し部(4c)にコイル軸方向に向けてねじ込む第2のクランプねじ(8)とで構成し、
    前記第1のクランプねじ(7)と第2のクランプねじ(8)で前記軸方向位置調整機構(5)を構成し、前記第3のクランプねじ(9)で前記径方向位置調整機構(6)を構成した請求項1に記載の高周波焼入れ用治具。
  3. 前記シールドリング(2)に、ほぼ全周にわたって内部に冷媒が通される冷却パイプ(11)を取付けた請求項1又は2に記載の高周波焼入れ用治具。
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