JP2009001837A - 環状体の変形矯正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状体を熱処理するに際して容易かつ確実に真円形に矯正できる新規な環状体の変形矯正方法の提供。
【解決手段】炭素鋼からなる環状体10をAC1変態点以上に加熱した後、冷却過程で外径拘束型40内に取り付けてその形状を真円形に塑性変形した後、当該環状体10をその軸を中心として回転させながら冷却剤を吹き付けて冷却する。これによって、炭素含有量などに関わりなくあらゆる炭素鋼からなる環状体10を容易かつ確実に真円形に矯正できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、転がり軸受の内外輪などをはじめとした様々な機械部品に用いられる鋼製の環状体を熱処理する際に生ずる変形を矯正する方法に関するものである。
現在、鋼からなる金属部品の殆どは、機械的強度や耐摩耗性などを向上させるために所定の熱処理が施されているが、この熱処理に際しては素材の変形が問題となってくる。
このような熱処理に伴う鋼材の変形が発生する要因としては、例えば、旋削、鍛造などの前加工による歪みが熱によって顕在化する他、浸炭などの熱処理による歪みが加熱時に開放されて変形が発生したり、また、浸炭などで一次焼入れによって変形が発生する場合もある。また、熱処理時における不均一加熱や不均一冷却も局所的な内部応力が発生するため、変形を招く大きな要因となっている。
このような熱処理に伴う鋼材の変形に対しては、その使用される部品の種類や目的などの応じてその許容度には差があり、使用目的によっては殆ど問題がないケースもあるが、使用目的が精密機械用の部品、例えば、転がり軸受の内外輪などを構成する環状体として用いる場合にあっては、熱処理時の変形に伴う真円度の悪化や反りの発生が大きな問題となる。
そのため、このような環状体の熱処理時に発生する変形に対しては、従来から種々の技術が提案されており、以下に示すような、いわゆる「冷却矯正焼入れ方法」と「焼戻し矯正方法」とがある。
前者の方法としては、例えば、以下の特許文献1や2などには、軸受鋼において焼入れ冷却時に環状体の外径を矯正しながら焼き入れる変形矯正技術が開示されている。この技術によれば、オーステナイトの収縮やマルテンサイトの変態時に適切なタイミングで加工することで環状体を真円形に仕上げることができるとの記述がある。
また、以下の特許文献3には、中炭素鋼の膨張収縮特性を利用し、収縮時に内径を、膨張時に外径をそれぞれ矯正する技術が開示され、また、以下の特許文献4には、環状体を誘導加熱した後にその内径および外径を矯正して良好な真円度を得ようとする手法が開示されている。
一方、後者の方法としては、例えば、以下の特許文献5には、焼戻し時のマルテンサイトの分解を利用して環状体の矯正を行うようにした手法が開示されている。
また、以下の特許文献6には、熱間加工による矯正方法が開示されており、薄肉の環状体において、上下端面型加圧しながら誘導加熱することでその変形を防止するようにした手法が開示されている。
特許2860481号明細書 特開平5−33059号公報 特許3586888号明細書 特開2005−320609号公報 特開2001−11537号公報 特開2005−330543号公報
ところで、前記特許文献1,2などに開示されているような方法では、マルテンサイト変態膨張を利用するため、炭素含有量が多い鋼では膨張量が大きく容易に矯正できるが、炭素含有量が少ないと変形を矯正するのに必要な膨張量が得られなくなる。したがって従来方式では、限られた材質範囲のみでしか高い矯正効果が得られない。
また、前記特許文献3に開示されている方法では、冷却速度の遅い肉厚品には最適であるが、薄肉品となると瞬時のうちに矯正方式を変更する必要があるため、適用に限界がある。
また、前記特許文献4に開示されている方法では、同様に2回の矯正条件の管理を厳しく行う必要があり、適用に限界がある。
一方、前記特許文献5に開示されている方法では、変形能が小さく、矯正能力に限界があった。
また、前記特許文献6に開示されている方法では、反りを発生させないことは可能であるが、真円形に矯正することは不可能であった。
そこで、本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、その主な目的は、環状体を熱処理するに際して容易かつ確実に真円形に矯正できる新規な環状体の変形矯正方法を提供するものである。
前記課題を解決するために本発明は、
炭素鋼からなる環状体を熱処理する際に生ずる変形を矯正する方法であって、前記環状体をAC1変態点以上に加熱した後、冷却過程で当該環状体を外径拘束型内に取り付けてその形状を真円形に塑性変形した後、当該環状体をその軸を中心として回転させながら当該環状体に冷却剤を吹き付けて冷却することを特徴とする環状体の変形矯正方法である。
また、本発明方法は、前記環状体の冷却は、当該環状体を前記外径拘束型に取り付けた状態で複数の冷却剤噴射ノズルを用いて行うことが望ましい。
また、本発明方法は、前記外径拘束型による環状体の矯正開始温度は、少なくとも550℃以上とすることが望ましい。
本発明によれば、先ず、炭素鋼からなる環状体をAC1変態点以上、望ましくはオーステナイト組織になるまで加熱した後、冷却過程でこの環状体を外径拘束型に取り付けることで、その形状を容易かつ確実に真円形に塑性変形することができる。
そして、本発明はさらにその後、この環状体をその軸を中心として回転させながら当該環状体に対して、前述したような複数の冷却剤噴射ノズルから冷却剤を吹き付けて外径拘束型内に取り付けたままで冷却するようにしたことから、環状体全体を均一に冷却することが可能となるため、冷却ムラなどに起因する変形や膨張時の変形も確実に解消することができる。
すなわち、本発明は環状体を高温域においてその形状を真円形に塑性変形した後、均一に冷却して焼入れを行うようにしたため、炭素含有量などに関わりなくあらゆる炭素鋼からなる環状体について良好な真円度を得ることができる。
また、環状体に対する矯正は、原則として塑性変形が容易なMs点(マルテンサイト変態開始点より)高温域(好ましくは550℃以上の高温域)での1回のみで済むため、熱処理工程も簡略化され、熱処理に要するコストも安価となる。
次に、本発明に係る環状体の変形矯正方法の実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(1)〜(4)は、本発明方法を実施するための熱処理装置100の実施の一形態を示したものである。
図において符号10は、素材の炭素(C)含有量が約0.1〜1.2%の炭素鋼からなる断面矩形状の環状体(ワークリング)であり、昇降自在な回転テーブル20上に、この回転テーブル20と共に回転自在に載置された状態で全体の熱処理が行われるようになっている。なお、この回転テーブル20の上面には環状体10の内側に嵌め込まれる円柱状の突起21が設けられており、熱処理時などにおいてこの環状体10が回転テーブル20から脱落するのを防止するようになっている。また、回転テーブル20には、冷却剤を下方に排出する為の冷却剤排出穴20aが設けられている。
また、この環状体10の外側には、誘導加熱コイル30が一定の隙間を隔ててこれを囲繞するように設けられており、この環状体10を少なくともその全体がフェライト+セメンタイト組織からオーステナイト組織に変態する温度になるまで誘導加熱できるようになっている。
また、この誘導加熱コイル30の下部には、少なくともその内周面が真円形をした高強度な外径拘束型(矯正型)40が設けられており、加熱冷却過程後の環状体10をその外径側から真円形に矯正(塑性変形)するようになっている。
そして、この外径拘束型40の内径は、環状体10が目的とする外径(例えば、100mm)とほぼ等しくなっていると共に、その真円度、すなわち内径の最長径と最短径との差は、100μm以下(より好ましくは50μm以下、理想的には10μm以下)となっている。
また、この外径拘束型40の内周面の上端はテーパー41状に広がっており、その上方に位置する環状体10をその内側に容易かつ確実に案内できるようになっている。なお、この外径拘束型40は、図示しない型支持部材によって誘導加熱コイル30の直下にこれと同軸上に支持・固定されている。
また、この誘導加熱コイル30の上方には、上下方向に出没自在なピストン50が設けられており、この回転テーブル20上に載置された環状体10をその上端面側から押さえ付けると共に、前記外径拘束型40の内側に強制的に押し込んで嵌め込むことができるようになっている。なお、このピストン50の下面にも回転テーブル20と同様に環状体10の内側に嵌め込まれる円柱状の突起51が設けられており、外径拘束型40への環状体10の嵌め込み時などにおいて環状体10の位置がずれるのを防止するようになっている。
また、この円柱状の突起51には、この外径拘束型40で真円形に矯正された環状体10を冷却(焼入れ)する複数の冷却剤噴射ノズル52,冷却剤排出穴53が設けられている。
この複数の冷却剤噴射ノズル52は、同図(3)に示すようにこれら各ノズルから所定量の冷却剤(冷却液)を噴射してその回転テーブル20上の環状体10を好ましくは臨界冷却速度以上の速度で冷却して焼入れ処理をするようになっている。
なお、この複数の冷却剤噴射ノズル52には図示しない冷却剤ポンプなどが付設されており、ピストン50の内部に付設した冷却剤導入穴54を経由して所定の時期に任意量の冷却材を任意の時間供給できるようになっている。また、前記ピストン50は、図示しない油圧シリンダなどによって制御されるようになっている。さらに、前記誘導加熱コイル30にも図示しない制御回路が付設されており、任意のタイミングでこの誘導加熱コイル30を制御するようになっている。また、回転テーブル20下面中央部から下方に延びるシャフト22には、図示しない昇降機構および回転機構が設けられており、このシャフト22を介して回転テーブル20を昇降移動および回転駆動するようになっている。また、外径拘束型40にも図示しない回転機構が設けられており、外径拘束型40は、シャフト22と同じ回転数で回転駆動される。
次に、このような構成をした熱処理装置100を用いた本発明方法の一例を説明する。
先ず、図1(1)に示すように、熱処理対象となる環状体(ワークリング)10を回転テーブル20上に載置して誘導加熱コイル30に位置させた後、その誘導加熱コイル30に通電してその環状体10を誘導加熱する。
すると、この環状体10の素材温度が上昇し始め、その昇温に伴ってその全体が径方向外方および軸方向に熱膨張するが、この時点では、その外径は何ら拘束されていないため、そのまま熱膨張変形することによって切削加工や浸炭処理の際に生じた内在する加熱前の歪みが全て取り除かれる。
ここで、この環状体10の加熱温度としては、焼入れ効果を得るために少なくともその環状体10を構成する鋼素材のAC1変態点(約730℃)以上に加熱する必要があり、より好ましくはその環状体10の全面がオーステナイト組織(固溶体)になる温度まで加熱する。すなわち、Fe−C系平行状態図などからも明らかなように、炭素鋼はその炭素含有量によってオーステナイト組織化温度が異なってくるため、環状体10の全面がオーステナイト組織にするには、少なくとも約800℃以上、より好ましくは850℃以上の温度まで昇温加熱することが望ましいからである。また、オーステナイト組織では、変形抵抗が小さくなって矯正効果が大きくなるため、全体がオーステナイト組織になるまでさらに加熱することがより望ましい。
なお、この誘導加熱に際しては、この回転テーブル20をそのシャフト22を軸として適度な速度で回転させれば、より均一で良好な加熱処理を行うことができる。
そして、この環状体10を所定の温度に加熱したならば、ピストン50を環状体10の位置まで下げ、冷却剤を複数の冷却剤噴出ノズル52から環状体10に吹き付け、Ms点より高温に冷却した後、同図(2)に示すように、ピストン50を強く押し下げてその誘導加熱コイル30内の環状体10をその回転テーブル20と共に、外径拘束型40内に強制的に嵌め込んでその環状体10の形状を真円形に矯正する。このとき、環状体(炭素鋼)10は、常温時に比べて変形抵抗が小さいため、少ない力で塑性変形するため、比較的容易に外径拘束型40内に嵌め込むことができ、これによって容易に真円形に矯正することができる。
さらに環状体10の全面がオーステナイト組織になるまで加熱すれば、環状体10の素材の延性がさらに高くなって変形抵抗がより低くなるため、より確実に真円形に近い環状体10に矯正することが可能となる。
ここで、後の実施例で実証するように、この外径拘束型40による塑性変形開始温度は、炭素鋼の塑性変形性能の都合からできるだけ高い方が望ましいが、最低温度としては少なくともMs点より高温、好ましくは550℃以上にすることが重要である。すなわち、炭素鋼の温度がMs点や、550℃を下回った状態で塑性変形するには極めて大きな力を要するだけでなく、その変形歪みが母材内に残ってしまい、熱処理後にその歪みにより環状体10が変形してしまうことがあるからである。
次に、このようにして外径拘束型40による環状体10の塑性変形が行われたならば、同図(3)に示すように、ピストン50を環状体10に接触しない程度に上げる。
そして、図示するように、この回転テーブル20と外径拘束型40と環状体10をそのシャフト22を中心として所定の速度で回転させながら冷却剤噴射ノズル52から冷却剤を噴射して回転テーブル20の環状体10に吹き付けてその環状体10の全体を好ましくはその臨界冷却速度以上の冷却速度で冷却する。
これによって環状体10の焼入れ効果が得られると共に、その環状体10の全体が均一に冷却されて冷却ムラなどを招くことがなくなるため、冷却過程における変形などを生ずることがない。
また、このように環状体10を外径拘束型40内に取り付け真円形を保ったまま冷却されていることから、環状体10の素材がMs点に達してマルテンサイト変態膨張に転じた場合でも同じく真円形を保ったまま膨張するため、いびつな形状に変形するようなこともなくなる。
そして、その後同図(4)に示すようにこの回転テーブル20をさらに降下させて環状体10を外径拘束型40から取り出すことで変形矯正処理を伴う一連の熱処理が終了する。
このように本発明方法は、炭素鋼からなる環状体10をAC1変態点以上、望ましくはオーステナイト組織になるまで加熱してからこの環状体10を外径拘束型40に取り付けてその形状を真円形に塑性変形した後、この環状体10をその軸を中心として回転させながらその環状体10に対して前述したような構成をした冷却剤噴射ノズル52から冷却剤を吹き付けて冷却するようにしたことから、加熱処理後の環状体10を容易に真円形に矯正できると共に、その環状体10全体を均一に冷却することが可能となるため、冷却ムラなどに起因する変形も確実に解消することができる。
すなわち、本発明は環状体を高温域においてその形状を真円形に塑性変形した後、均一に冷却して焼入れを行うようにしたため、炭素含有量などに関わりなくあらゆる炭素鋼からなる環状体10について良好な真円度を得ることができる。
また、この環状体10に対する矯正は、原則として塑性変形が容易なMs点より高温域(好ましくは550℃以上の高温域)での1回のみで済むため、熱処理工程も簡略化され、熱処理に要するコストも安価となる。
なお、本実施の形態では、環状体10の矯正として外径拘束型40による塑性域での1回のみの矯正を行った例で示したが、さらに、その後マルテンサイト変態膨張を利用した2回目の矯正を加えるようにしても良い。
すなわち、例えば図2(1)に示すように、環状体10を均一冷却を行うための噴射ジャケット60の直下にさらに第2の外径拘束型(内周真円形)70(好ましくは第1の外径拘束型40より小さい内径)を設け、冷却処理された環状体10がマルテンサイト変態膨張に転ずる直前にこの回転テーブル20とピストン50をさらに降下させて同図(2)に示すように、この環状体10をこの第2の外径拘束型70に嵌め込んで冷却する。
これによって、仮に第1の外径拘束型40による形状矯正が不十分であったり、その冷却過程において環状体10に変形が生じた場合でもその第2の外径拘束型70におけるマルテンサイト変態膨張を利用することによってその環状体10を確実に真円形に矯正することが可能となる。
なお、前記各実施の形態では、環状体10の加熱手段として誘導加熱コイル30を用いたが、電気炉などの汎用の加熱装置を用いて加熱するようにしても良い。
また、本発明方法の処理対象となる環状体10のサイズは、特に限定されるものではないが、肉厚(径方向)と幅(軸方向)との関係は、肉厚/幅が「1.0」以下であることが好ましい。
また、本発明方法の処理対象となる環状体10は、前述したように転がり軸受(玉軸受)の内外輪やその軌道面、軌道を有する軸、複雑形状を有する円錐ころ軸受の内外輪などに加え、あらゆる機械部品などに適用することができる。
次に、本発明方法に係る具体的実施例を説明する。
試料として外径100mm×肉厚5mm×幅12mmの軸受鋼(SUJ2)の低〜中炭素鋼からなる複数の環状体を用い、それぞれの試料を前述した装置100および方法による熱処理ならびに矯正処理を施して各試料の真円度を調べた。
ここで、真円度は熱処理前後における直径の最大最小値の差であり、図3に示す比較例8の真円度を基準(1.0)とした真円度比を求めた。
また、形状矯正方式としては、図1に示すような外径拘束型40による外径矯正方式を用い、また、熱処理条件として炉加熱方式を用いた場合は、850〜880℃で30分保持した。また、冷却方式として浸漬冷却方式を用いた場合は、焼入れ油を用い、回転噴射冷却方式を用いた場合は、水溶性冷却剤(5%PAG、25℃)を使用した。
この結果、図3からもわかるように、本発明方法に係る実施例1〜5は、いずれも真円度比が比較例よりも低く優れた矯正能を発揮することができた。
これに対し、冷却方式として浸漬冷却を用いたり、矯正開始温度が本実施例よりも低い比較例6〜8は、いずれも矯正能が本実施例に比べて著しく低かった。
本発明方法を実施するための熱処理装置100の実施の一形態を示す概念図である。 本発明方法の他の実施の形態を示す概念図である。 本実施例の結果を示す表図である。
符号の説明
100…熱処理装置
10…環状体
20…回転テーブル
21…円柱状の突起
30…誘導加熱コイル
40…外径拘束型
50…ピストン
52…冷却剤噴射ノズル
70…第2の外径拘束型

Claims (3)

  1. 炭素鋼からなる環状体を熱処理する際に生ずる変形を矯正する方法であって、
    前記環状体をAC1変態点以上に加熱した後、冷却過程で当該環状体を外径拘束型内に取り付けてその形状を真円形に塑性変形した後、当該環状体をその軸を中心として回転させながら当該環状体に冷却剤を吹き付けて冷却することを特徴とする環状体の変形矯正方法。
  2. 請求項1に記載の環状体の変形矯正方法において、
    前記環状体の冷却は、当該環状体を前記外径拘束型内に取り付けた状態で複数の冷却剤噴射ノズルを用いて行うことを特徴とする環状体の変形矯正方法。
  3. 請求項1または2に記載の環状体の変形矯正方法において、
    前記外径拘束型による環状体の矯正開始温度は、少なくとも550℃以上とすることを特徴とする環状体の変形矯正方法。
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