JPH08225851A - 環状体の焼入れ変形矯正方法 - Google Patents
環状体の焼入れ変形矯正方法Info
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- JPH08225851A JPH08225851A JP7328712A JP32871295A JPH08225851A JP H08225851 A JPH08225851 A JP H08225851A JP 7328712 A JP7328712 A JP 7328712A JP 32871295 A JP32871295 A JP 32871295A JP H08225851 A JPH08225851 A JP H08225851A
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Abstract
正して、歪や変形がない真円の環状体を得る環状体の焼
入れ変形矯正方法を提供する。 【解決手段】焼入れにおける冷却過程において、環状体
の組織がオーステナイ状態のうちに、当該環状体を金型
に圧入して外径から加工する場合は加工率0.05〜
1.0%とし、また環状体を内径から加工する場合は加
工率0.5〜3.0%とし、環状体を外径からと内径か
らとの少なくともいずれか一つから選び加工して変形矯
正する。
Description
の軌道輪などに使用される鋼製の環状体の焼入れ変形矯
正方法に関する。
状体は、熱処理時に変形が発生し、製造の品質やコスト
に大きく影響する。変形が発生する原因には次のような
ものがある。 (1)焼入れ前の状態で素材が有している変形。例えば
旋削,冷間鍛造などの前処理加工による加工歪や、浸炭
等の熱処理による残留歪などの如く既に素材に発生し、
残留している歪が、焼入れ冷却前の加熱時に解放されて
変形が発生する。
歪によるもの。不均一加熱や不均一冷却によって変形量
は増加する。例えば油焼入れ時の蒸気膜段階において、
どこか先にこの蒸気膜が切れて断熱効果が途切れ、その
結果早く冷却が始まる所と、蒸気膜がなかなか切れず冷
却が遅くなる所とが生じると、冷却が不均一になって変
形が発生する。
応力と熱応力の不均一により変形とともに内部に歪が残
留する。特にマルテンサイト変態中に変形矯正を行う場
合は、さらに変態に伴う外力が加わることで内部の歪が
増加する。この歪は、変形矯正完了後の冷却過程や、そ
の後の洗浄工程及び焼戻し工程などで残留オーステナイ
トが歪を解放する方向に変態膨張する。つまり変形力が
増加する。
されているが、変形量ばらつきの要因として(1),
(3)の変形も十分影響してくる。従来、この種の環状
体の焼入れ変形、特に前記(1)及び(2)が原因で発
生する変形を矯正するのに、焼入れ冷却時の収縮現象及
びマルテンサイト変態による膨張現象を利用している。
図1にマルテンサイト変態を伴う炭素鋼の加熱・冷却時
の寸法変化を示す。図の場合、鋼を常温から加熱すると
Aから次第に膨張し、変態点でBからCへの収縮がおこ
ってオーステナイトになる。さらに温度aまで加熱すれ
ばCDと膨張する。そのオーステナイ領域から焼入れし
て急速冷却すると収縮するが、冷却途中にMs点を通過
するとオーステナイトからマルテンサイトに変態し膨張
する。温度降下による収縮に対して変態による膨張が勝
る点Gで再び膨張に転ずる。さらに温度降下とともに変
態膨張が進み寸法が増大しつづけて、常温に冷やされた
ときには加熱開始前よりAH相当分寸法が増大してい
る。一般的な変形矯正方法では、図1中に示される型寸
法に対する焼入れ冷却時の収縮或いは膨張現象を利用し
て金型で環状体の真円度の矯正を行う。すなわち、環状
体の内径を矯正する場合は、Ms点より高い温度bに冷
却されたとき金型による内径拘束が開始され、以後のM
s点まで収縮する過程で内径の変形矯正が行われる。M
s点通過後は膨張に転じ、常温まで冷却されると型寸法
より大きくなり型から自然に抜ける。一方、外径拘束で
は、Ms点を通過して膨張に転じた後の温度cにおいて
金型による外径拘束が開始される。より低い温度まで外
径拘束は続き、型からの取り出しは無理抜きする。
平3−44421号,特開昭62−37315号,特開
昭58−31369号及び実公昭55−13405号の
各公報に開示されたものが知られている。
公報に開示されている従来例で、金型を焼入れの時に例
えば環状体の内径に挿入して、焼入れ開始から焼入れ完
了まで矯正し続ける場合は、通常の連続焼入れ法に比べ
て大幅に生産効率が低下してしまうし、また、マルテン
サイト変態による膨張時の型との食いつきが生じて拘束
爪の跡が残り、その後の仕上げ加工などに影響するとい
う問題点がある。
があるうちに矯正する場合もあるが、それでは焼入れ前
の環状体寸法(旋盤寸法または浸炭及び浸炭窒化処理後
の寸法)のバラツキによって矯正力が不足したり、逆に
矯正に必要な荷重が著しく高くなる場合が出てくる。こ
のため焼入れ前の環状体に研削工程を追加する場合が生
じて、生産効率およびコストの点で不利になるという問
題がある。
ら変態中に矯正するものであるが、変態した部分では著
しく強度が向上して弾性力が出てくるので、かなりの力
で矯正しなければならない。つまり、変態を完了しマル
テンサイトになった部分は強力な変形矯正によって弾性
変形させられてしまい、又残留オーステナイトは矯正応
力方向に変態して塑性変形していく。そのため、弾性変
形と塑性変形とが混合した歪が多く残った状態となって
しまうという問題もある。
楕円のワークを真円の金型で矯正しても、真円に近づく
だけで完全な矯正は難しく、焼入れ前の環状体の楕円量
によってはあまり矯正されないものも出てくる。結局、
マルテンサイト変態中の矯正では精度の高い真円度が得
にくいという問題がある。更に、熱処理後に研削加工さ
れる転がり軸受の場合には、熱処理変形による加工能率
の低下の他に、研削取りしろ量の変動による加工能率の
変動(バラツキ)という問題がある。つまり、マルテン
サイト変態前後の収縮,膨張を利用する変形矯正によっ
て変形量を減らしても、変形矯正後の環状体の絶対寸法
に幅がある場合には、研削加工工程での取りしろを大幅
に削減することはできない。
する場合、変形量を減らしても、変形矯正後の環状体の
絶対寸法にバラツキがある場合には、大幅に研削取り代
を減らすことはできない。一方、環状体の絶対寸法のバ
ラツキの多くは前工程の旋盤加工の精度に依存する場合
が多く、寸法をそろえるために前記したように、前工程
に研削加工を追加するか、又は特開平6−83872に
示される冷間ローリング加工法が知られている。研削加
工を追加する場合は前記したとおり、生産効率およびコ
ストの点で不利になる。また、冷間ローリング加工を行
う場合は、冷間で強加工を行うため素材に歪みが多く残
留するため、その後の熱処理工程で寸法が変化したり、
大きな変形が発生する問題がある。
点に着目してなされたものであり、前処理加工や浸炭等
の熱処理が原因で発生する焼入れ加熱時の環状体の変形
を、当該環状体より若干小さい金型にオーステナイト状
態で圧入して塑性加工することにより矯正して、歪や変
形がない真円のかつ寸法がそろった環状体を高い生産効
率をもって得ることを目的としている。
環状体の焼入れ変形矯正方法であって、焼入れにおける
冷却過程において、環状体の組織がオーステナイ状態の
うちに、当該環状体を外径から加工する場合は加工率
0.05〜1.0%とし、また環状体を内径から加工す
る場合は加工率0.5〜3.0%とし、前記環状体を外
径からと内径からとの少なくともいずれか一つから選び
加工して変形矯正することを特徴とする。
焼入れ冷却開始直前において、加工率0.05〜1.0
%で環状体を外径から加工矯正し、その後焼入れ冷却す
ることを特徴とするものとすることができる。また、 3)鋼からなる環状体の焼入れ矯正装置として、オース
テナイト域に加熱されてある環状体と、該環状体の外径
寸法より加工率にして0.05〜1.0%となる内径寸
法を有する金型と、該金型に前記オーステナイト組織状
態の環状体を圧入し、同時もしくは圧入後のいずれか一
つの状態で焼入媒体中で前記環状体をMs点以下に焼入
れる挿入装置を有するものとすることができる。
等で強制的に拘束して矯正加工するいわゆるプレスクエ
ンチに関して、拘束の方法やタイミング、加圧方法など
種々の実験を行った結果、以下のことを見い出した。 マルテンサイト変態が開始した後で、特にワークであ
る環状体が熱収縮からマルテンサイト変態により膨張に
転ずる現象のみを利用して変形を矯正した場合は、矯正
後に歪が残り、その後の自然冷却や洗浄工程,焼戻し工
程およびその後の仕上げ加工などで歪が解放されたとき
に変形が再発する。
度,焼入れ媒体(水か、油か)など、鋼種や焼入れ条件
によって環状体の膨張収縮量は変化するが、変形矯正後
の環状体の絶対寸法は矯正前の寸法に依存する。つま
り、矯正前の環状体寸法のバラツキの大小は矯正後もそ
のまま維持され、絶対寸法は変化してもバラツキの大小
の関係は変わらない。
技術の課題を解決する環状体の焼入れ変形矯正方法を鋭
意検討した結果、全く新規な本発明の変形矯正方法を完
成させるに至ったものである。
を参照して説明する。先ず、本発明の環状体の焼入れ変
形矯正方法の原理,数値限定の臨界的意義等を詳しく説
明する。本発明の鋼からなる環状体の焼入れ変形矯正方
法では、鋼の組織がオーステナイト状態において、環状
体とは若干異なる寸法の金型にワークを圧入して塑性加
工による変形矯正を行い、歪や変形のない真円の環状体
を作り出す。これは、鋼はオーステナイト状態では、熱
間鍛造などで知られるように硬さや引張り強さが低下し
一方伸びや絞りは上昇するので、塑性加工が容易になる
ためである。
によって矯正能力が変わってくる。図2に、本発明のオ
ーステナイト状態における環状体の焼入れ変形矯正法に
おける加工率と変形率との関係を示す。同図(a)は環
状体の外径からの加工の場合(外径拘束)、同図(b)
は内径からの加工の場合(内径拘束)、同図(c)は外
径拘束で、矯正温度を変化させて行った結果を併せて示
したものである。
と、外径拘束の場合の加工率は、環状体の外径寸法Dに
対する金型内径寸法iの差を環状体の外径寸法で割った
値であり:次の式(1)で表される。 外径拘束加工率=〔(D−i)/D〕×100(%) ………… (1) 内径拘束の場合の加工率は、環状体の内径寸法dに対す
る金型外径寸法Iの差を環状体の内径寸法で割った値で
あり:次の式(2)で表される。
℃)で測定するものとする。環状体の加工矯正時の実寸
法は熱膨張で大きくなり、オーステナイト状態における
加工率は、外径拘束する場合は上記計算値より高くな
り、内径から拘束する場合は上記計算値より低くなる。
すなわち、外径拘束の場合では、常温(20〜30℃)
で測定された外径寸法を(1)式に適用して求められる
加工率の値に、次式(3)で表される補正値を加えたも
のを外径拘束率として用いた。但し、T(単位:℃)は
矯正温度である。
ら(3)式で表される補正値を引いたものを内径拘束加
工率とする。次に、変形率の測定方法について述べる
と、外径を基準とする場合、環状体の外径寸法Dに対し
てその最大径DMAX と最小径DMIN とを測定し、その差
(DMAX −DMIN )を真円度とする。そして、この真円
度(mm)を最小の外径寸法DMIN で割った値を%で表
し、環状体試料60個を測定して求めた平均値を変形率
(%)とした。
る。図2から、外径拘束の場合は加工率0.05%から
1.0%の範囲内で、一方内径拘束の場合は加工率0.
5%から3.0%の範囲内で、それぞれ変形率が安定し
ていることがわかる。
5%未満、内径拘束で0.5%未満では、いずれも変形
率が高くなり加工矯正効果が現れていない。そのため、
本発明の加工率の下限を外径拘束の場合は0.05%、
内径拘束の場合は0.5%とする。一方、加工率を大き
くすることは一種のエネルギーを被加工物である加工率
に与えることになり、加工誘起によるマルテンサイト変
態が促進されて剛性が出てくる結果、次第に変形矯正能
力が低下して変形率が不安定になる。また、より大きな
加圧力が必要となるので、環状体の大きさや肉厚によっ
ては通状のプレスクエンチ設備では矯正作業が困難にな
ってくる。そのため、本発明の加工率の上限を外径拘束
の場合は1.0%、内径拘束の場合は3.0%とする。
すると加工矯正される面が荒れてその後の加工に影響す
る場合があるので、望ましくは0.7%以下とする。本
発明の環状体の焼入れ変形矯正方法にあっては、マルテ
ンサイト変態が始まる前に加工矯正を完了させることを
原則とする。一方、従来の方法、すなわちマルテンサイ
ト変態により、膨張に転ずる現象のみを利用して変形を
矯正した場合は、矯正後に歪が残り、その後の冷却過程
や洗浄工程,焼戻し工程及びその後の仕上げ加工などで
歪が解放されると変形が再発する場合がある。
しく向上し、マルテンサイト変態中に起こる超塑性現象
(トリップ現象)だけでは塑性変形しきれず、塑性変形
せずに弾性変形する部分と、その他の塑性変形する部分
とが混在した状態になり、矯正後に内部歪が残留するか
らである。本発明では、組織がオーステナイト状態でマ
ルテンサイト変態する前に、変形矯正することで短時間
に真円度を作り出すことが可能であり、焼入れ後の内部
残留歪は殆どなくなる。このため、前記(3)が原因で
発生する変形はほとんどない。
率を示す。本発明法では焼入れ直後から焼戻し後までの
変化量が少ないことが分かる。
ては、矯正加工終了後のマルテンサイト変態中は、もは
や矯正することなく均一に冷却することが望ましいが、
本発明はオーステナイト状態でマルテンサイト変態する
前に変形矯正を行うが必ずしもマルテンサイト変態する
前に変形矯正を完了させなくてもよい。例えば変形矯正
開始から3秒後に矯正を完了することが多く(特に小物
の環状体では)、マルテンサイト変態前に変形矯正を完
了するという意味ではなく、原理的にオーステナイト域
で変形矯正を行うものである。そして望ましくは、マル
テンサイト変態前に変形矯正を完了するという意味であ
る。
矯正方法にあっては、マルテンサイト変態が始まる前に
加工矯正を必ずしも完了させなくてもよく、オーステナ
イト状態で一度加工矯正してしまえば、その後にマルテ
ンサイト変態が始まっても大きな加工矯正は行われず、
マルテンサイト変態中に起こる超塑性現象(トリップ現
象)を利用して微細な矯正を行うこともでき、残留歪み
が少なく、変形のない真円の環状体が得られるのでこれ
を利用しても良い。
炉で、ベルト搬送式の加熱炉から油槽内にランダムに落
下させて焼入れされる。いわゆる『落下焼入れ法』であ
る。このため、落下の状態や量及び環状体の形状いかん
では、不均一冷却が発生し易く、変形が大きくなる傾向
がある。これに対して、焼入れ時にバスケット等を用い
てワークの姿勢を一定に保ったまま焼入れする『姿勢制
御法』では不均一焼入れは発生しにくいのであるが、焼
入れ前の残留歪に起因して発生する変形とか、あるいは
焼入れ後の冷却工程や洗浄工程,焼戻し工程等で進行す
る変態に起因する変形などのような不均一冷却以外の原
因で発生する変形は防止できない。従来の矯正焼入れで
あるプレスクエンチの場合は、殆どが上記姿勢制御法を
採用している。しかし、自然落下法にしても、姿勢制御
法にしても、従来はマルテンサイト変態を利用するもの
であってオーステナイト領域での加工はなされない。
正焼入れ装置は、矯正治具を使用することで冷却能力が
低下することがないように冷却方法や治具に工夫がなさ
れている。具体的には、内径側の治具には冷却剤の通り
穴があいていて、環状体に冷却剤のジェットを吹き付け
て冷却する〔図7(3)参照〕。そして、外径側で拘束
する前に外側から冷却剤のジェットで冷却し、その後す
ぐに外径治具で矯正し〔同図(4)〕、その外径治具を
取り外し、再びジェット冷却をする〔同図(5)〕。こ
れにより不均一冷却の発生とその他の変形とを同時に減
少させることができる。
よる変形率及びその最大値と最少とを本発明方法の場合
と比較して示してある。
時の変形や洗浄,焼戻し工程での変形をも最小限に抑え
ることで、従来の矯正法より良好な変形率を確保でき、
変形の少ない安定した環状体の焼入れが可能である。本
発明の環状体の焼入れ変形矯正方法は、特に、熱処理後
に研削加工される転がり軸受に適用した場合、研削時間
を大幅に削減することができる。
必要とする転がり軸受の場合は、高い研削コストを削減
するために、軸受サイズや種類によっては変形矯正を行
うことで研削取りしろを少なくする方法が採用されてい
る。しかしながら、従来のマルテンサイト変態を利用し
た変形矯正方法では、変形量を減らすことはできるが変
形矯正後の転がり軸受の環状体の絶対寸法を一定に揃え
ることはできない。
の変形矯正法による矯正前後の寸法変化の一例を示す。
マルテンサイト変態開始後に(マルテンサイト変態によ
る膨張のみを利用して)矯正を施すことにより変形を矯
正する程度の塑性変形は起こるのであるが、絶対寸法を
変える程の塑性変形は起こらないので、矯正前の寸法の
違い(バラツキ)を矯正後に持ち越す。このように塑性
変形の程度が小さい理由は、マルテンサイト変態のみを
利用するものは弾性限が高くなり、同じ歪を与えても塑
性変形しにくく弾性回復してしまうことにあると解され
る。かくして、転がり軸受の軌道輪の矯正面真円度など
の変形矯正はできるが、前工程における旋削精度や鍛造
精度に起因する内外径などの寸法のバラツキは変形矯正
後もそのままバラツキとして残ってしまう。つまり、変
形矯正前に前記寸法のバラツキがあると、そのバラツキ
は矯正後に持ち越される。そのため、矯正により変形が
減少して真円度は向上しても、研削加工の取りしろを大
幅に削減することにはならないのである。
形矯正方法によれば、弾性が少ないオーステナイト状態
で矯正変形を行うので、小さな力で絶対寸法を変え得る
完全な塑性変形が可能である。図4に、転がり軸受の外
径に対する本発明の変形矯正法による矯正前後の寸法変
化の一例を、従来と対比して示している。このように、
本発明の方法によれば、矯正前の外径寸法に幅(バラツ
キ)があっても矯正後はほぼ一定寸法が得られる。
(変形率)を従来の変形矯正の場合より減らし、且つ矯
正後の変形率のバラツキも小さくでき、さらに旋盤精度
や旋盤チャージ毎の寸法のバラツキを修正して外径寸法
を一定にすることができ、その結果研削加工の取りしろ
を大幅に削減することが可能になった。一方、環状体の
絶対寸法のバラツキをなくすため、旋削加工後に研削加
工を追加する方法があるが、前記したように、研削加工
費の追加や連続生産性の低下などコストの点で不利にな
る。しかし近年では、旋削加工に代わる低コストな環状
体の加工法として、冷間ローリング加工法(以下、CR
F加工という)が知られている。CRF加工は、加工後
に仕上げ旋削加工を行う場合と、仕上げ形状までCRF
加工で行うものがある。前者の場合は仕上げ旋削加工を
行うことで絶対寸法のバラツキについては従来法と大差
はない。後者の場合、加工後の環状体の絶対寸法や、肉
厚の精度は旋削加工に比べかなり良いものが得られ、さ
らに加工コストも低減できる。しかしながら、CRF加
工は冷間加工のため環状体に旋削加工より大きな歪みが
残留し、矯正なしの焼入れでは、より大きな変形が発生
する。また、CRF加工は、その加工率によって熱処理
時に環状体が異常膨張する場合も出てくる。
削減しても、熱処理変形が大きくなるため逆にトータル
コストが上がってしまう。CRF加工した環状体に本発
明法による変形矯正を行うことで、良好な真円が得られ
るほか、更に仕上形状までのCRF加工した環状体は、
その機構上特に肉厚精度が高いので、直接矯正されてい
ない内径側の真円度も良好なものが得られ、その結果研
削加工の取り代を大幅に削減することが可能となる。
加工した環状体を焼入れした場合の内外径の変形率を示
す。
旋削加工した環状体より内外径共に変形率が高くなって
しまう。また、従来矯正法でも、CRF加工した環状体
は加熱時の変形が大きいため矯正能力が低下して外径の
変形率が高くなってしまう。本発明法では、CRF加工
した環状体でも十分に矯正されて外径の変形率は旋削加
工した環状体と同様良好である。また、旋削加工した環
状体の内径側の変形率は若干高くなる。これは外径を加
工矯正することで、旋削時の偏肉や寸法誤差等が全て内
径側にしわよせされるためである。一方、CRF加工し
た環状体では肉厚精度が高いので、外径を加工矯正すれ
ば内径も同様に良好な真円が得られる。
法=125mm,公称幅寸法=31mm) CRF加工条件: 加工機;共栄精工(株)CRF140 拡径率;1.4〜1.7倍 熱処理条件 : 熱処理 ;850℃にて30分保持 焼入れ油の温度;80℃ 焼戻し条件 ;170℃にて2時間 本発明の環状体の焼入れ変形矯正方法にあっては、ま
た、環状体の生産効率を従来に比して大幅に向上させる
ことができる。
ストが上昇する。矯正のための設備や環状体のサイズ毎
に金型治具が必要である。さらに、焼入れ変形矯正方法
では焼入れ開始から完了まで矯正しているので、環状体
の一個一個が単品処理となり、連続処理ができずに生産
効率が著しく低下してしまう。しかしながら、環状体が
熱処理後に研削加工などの仕上げ加工される転がり軸受
の軌道輪などの場合は、変形矯正した方が研削加工の取
りしろ減少によってトータル的にコストが下がる場合も
ある。
は、鋼がオーステナイト状態のうちに塑性加工による変
形矯正を行い、その完了後にはもはや矯正する必要はな
いので、矯正に要する時間は極めて短くなる。図5は、
本発明方法による場合の矯正時間と変形率との関係を示
したもので、矯正時間3秒未満では矯正不足により変形
率が上がっているが、3秒以上ではそれ以上長く矯正し
ても変形率は変化しないことがわかる。すなわち、矯正
に必要な最短処理時間は僅か3秒である。このことは矯
正温度を変えた場合でも同様である(同図(b))。
における矯正サイクルと本発明のそれとを比較して示し
た概念図である。同図(a)の従来の矯正方法では、矯
正所要時間が長いため環状体1の連続的な処理はできな
い。環状体1は加熱炉2内を一個づつロールコンベア3
で搬送されながら加熱された後、炉出口側の焼入れ冷却
槽4で焼入れされるが、その焼入れの間中、変形矯正装
置5によって時間をかけて矯正される。したがって、そ
の後ベルトコンベア6で搬出されるまでの矯正サイクル
が長く生産効率が低い。これに対して同図(b)の本発
明の焼入れ変形矯正方法では、矯正所要時間が極めて短
く、連続的処理が可能である。環状体1は加熱炉2内を
連続的につながってロールコンベア3で搬送されながら
加熱された後、焼入れ冷却槽4に投入される。そして冷
却開始直後の鋼がオーステナイト状態のうちに変形矯正
装置5によって3秒間程の矯正を行った後は矯正を解除
して冷却槽4内を移動しつつ冷却を続ける。続いて次の
環状体1の変形矯正が行われる。焼入れを終了したもの
は順に冷却槽4から取り出してベルトコンベア6で搬出
する。したがって、従来の環状体の焼入れ変形矯正方法
に対して生産効率を大幅に上げることができる。
を参照して説明する。この実施例の環状体は、円筒ころ
軸受及び球面ころ軸受の外輪に相当するものである。初
めに、本実施例の環状体の焼入れ変形矯正装置につい
て、図7を参照して説明する。
架台18上に設置された焼入れ槽17と、焼入れ槽17
の上方に配設され且つ図示しないフレームに固定された
加圧シリンダ10と、加圧シリンダ10のピストンロッ
ド13に移動可能に配設された外径拘束冶具14と、ピ
ストンロッド13の下端に固定された平面押さえ治具1
5とを有して構成されている。外径拘束治具14の内径
は、矯正直前の環状体1の外径より若干小さく、環状体
1を圧入することで変形矯正(外径拘束)を行い得る大
きさに仕上げられている。
能な環状体載置部24を備えている。この環状体載置部
24には、形状矯正が行われる環状体1が載置される。
本実施例においては、焼入れ冷却剤としては焼入れ油が
使用されている。環状体載置部24の中央部には、図示
されない冷却剤吹き出し穴が開口されており、その穴に
下方から伸びる焼入れ油配管20が連通している。な
お、焼入れ油配管20には、図示しない焼入れ油供給装
置が接続されており、ここから焼入れ油配管に焼入れ油
が供給されて、必要な時にのみ、環状体載置部24の穴
から焼入れ油を放出するようにコントロールされてい
る。
管昇降用シリンダ装置21が設置され、そのピストンロ
ッド22に接続された焼入れ油配管20を環状体載置部
24と共に昇降させるようになっている。また、焼入れ
槽17には、図示しない焼入れ油供給装置から供給され
る焼入れ油を槽内に供給するための焼入れ油噴出口30
が複数設けられている。19は焼入れ油である。
と、その下方に配設されたサブシリンダ12とを備えて
いる。この加圧シリンダ10のピストンロッド13は、
メインシリンダ11とサブシリンダ12とに共通であ
り、サブシリンダ12はピストンロッド13に対して独
立及び一体的に上下動可能に構成されている。外径拘束
冶具14および平面押さえ治具15の形状は、環状体1
の形状に応じて決定すればよい。
正装置5は次のように作動する。先ず、図7(1)で
は、環状体載置部24に、加熱炉で加熱された環状体1
(ここでは、円筒ころ軸受の外輪)を載置する。この
時、シリンダ装置21は作動状態であって、環状体載置
部24は最上部すなわち焼入れ槽17の上部に位置し、
焼入れ油19の油面より上にある。
1の作動でピストンロッド13を下降させ、環状体1を
載せた環状体載置部24に平面押さえ治具15を押し当
てて下方に押圧する。この時、ピストンロッド13の下
降に伴って、サブシリンダ12および外径拘束冶具14
も同時に下降する。引き続いて図7(3)では、下方の
シリンダ装置21は上昇方向に作動状態を保ってはいる
が、メインシリンダ11の下向きの力の方がより強いた
め、平面押さえ治具15で押圧されたまま環状体載置部
24はピストンロッド22および焼入れ油供給配管20
と共に下降を続ける。そして、環状体載置部24は焼入
れ槽17の底面に到達して停止し、これに載置された環
状体1が焼入れ槽17内の焼入れ油19に浸漬される。
このとき、焼入れ油供給配管20及び焼入れ油噴出口1
8から焼入れ油を噴出させて環状体1の内外周面に吹き
付け急速に強制冷却させる。
を作動させて外径拘束冶具14を下降させ、環状体1の
外径面に外径拘束冶具14をセットし外径拘束を開始す
る。(1)〜(4)の工程は10秒程度で行われ、
(4)の外径拘束は、環状体1がオーステナイト状態に
あるうちに3〜5秒という短時間で行い変形矯正を終了
させる。
ダ12を逆作動させて外径拘束冶具14を引き上げ、環
状体1の外径拘束を解放する。次いで、メインシリンダ
11の逆作動でピストンロッド13を上昇させてサブシ
リンダ12および外径拘束冶具14も同時に上方に引き
上げサイクルを終了する。その後、焼入れが完了するま
で、環状体1は焼入れ槽17内の焼入れ油19に浸漬さ
れるが、その場で冷却する必要はなく、移動しながら行
うことで場所を空けて、次サイクルの環状体の矯正が可
能になる。
いて、平面押さえ治具15の代わりに内径拘束治具を装
着することにより、内径拘束による焼入れ変形矯正が可
能となる。次に、上述の環状体の焼入れ変形矯正装置5
を使用して行った環状体の焼入れ変形矯正実験について
説明する。
は次の通りである。 材 料 :SUJ2 熱処理 :850℃にて30分 焼入れ油の温度:80℃ 焼戻し条件 :170℃にて2時間 環状体 :円筒ころ軸受NU312の外輪 (リングTP)(外径公称寸法=130mm、公称幅寸
法=31mm) 表4,5,6に、加工率及び矯正時間および矯正開始温
度を変化させて外径拘束で加工した場合の変形率を示
す。
度が比較的安定する300℃で行ったものである。比較
例8,9である加工率が負のものは矯正時に大きな変形
がないかぎり、ほとんど矯正効果はない。また、加工率
が0.05%未満のものは若干の加工矯正を受けるが、
矯正後の変形率は高く、矯正能力がないことがわかる。
一方、加工率が1.0%を越える比較例13,14,1
5は強加工の影響で変形率が上昇してくる。
変形率に大きく影響はないが、3秒未満の比較例15の
場合は変形率が高くなり矯正能力が低下している。
温度を高く設定した場合の実施例を示す。300℃で行
った場合と同様に加工率が0.05%未満の場合や、
1.0%を越える場合は変形率が高くなる。また同様に
矯正時間が3秒未満の場合は変形率が高くなる。
意味するもので、以下同様である。矯正温度は、予め冷
却時間と焼入れする環状体の温度との関係を求めておく
ことにより、管理するものである。図2(c)に、前述
の図2(a)(表4),表5,表6のデータを併せた結
果を示す。矯正温度が上がっても、同様の傾向を示すこ
とがわかる。
り焼入れ変形矯正を施した時の焼入れ矯正前後の寸法変
化を、従来の焼入れ変形矯正方法と本発明の焼入れ変形
矯正方法との比較で示した。
外径拘束治具14の内径寸法である。また、表中の数字
は、試料環状体の外径寸法である。表7の結果から、マ
ルテンサイト変態を利用する従来矯正法では、同じ歪を
与えても塑性変形しにくく弾性回復してしまうことか
ら、前工程での外径寸法のバラツキは変形矯正後も持ち
越されることがわかる。一方、オーステナイト状態で矯
正変形を行う本発明の矯正法では、完全な塑性変形が生
じるため、矯正前の外径寸法にバラツキがあっても矯正
後はほぼ一定寸法が得られている。
焼入れ変形矯正を施す実験を行った。この実験に使用し
た焼入れ変形矯正装置5における内径拘束治具(内径金
型)40と平面押さえ41を、図8に示す。この場合の
試料環状体1Aは円錐ころ軸受である。
果を、実施例と比較例について表8に示した。
し、実験に用いた環状体は円筒ころ軸受NU218の内
輪で、その内径公称寸法は90mmである。また、これ
に対して使用した金型(内径拘束治具)の外径公称寸法
は89.7mmである。
%から3.0%の範囲内にある実施例21〜27のもの
では、変形率が非常に安定している。これに対して、内
径拘束の加工率が0.5%未満及び3.0%を越えた比
較例28〜32のものでは、変形率が高く加工矯正効果
が認められなかった。続いて、試料環状体の鋼材質を種
々に変えて、外径拘束により本発明の焼入れ変形矯正を
施す実験を行った。
の通りである。 材 料 :S17C,SCr420,SCr44
0,SAE1060 熱処理 :通常浸炭処理を12時間行い、常温ま
で放冷後、850℃にて30分加熱処理を行う 焼入れ油の温度:80℃ 焼戻し条件 :170℃にて2時間 環状体 :円筒ころ軸受NU312の外輪 (リングTP)(外径公称寸法=130mm、公称幅寸
法=31mm) 表9に、加工率を変化させて(矯正時間一定)外径拘束
で加工した場合の変形率を示す。
果が著しく低下してしまう。心部の炭素含有量が低い材
料のもの、特に浸炭鋼では、心部のマルテンサイト変態
が開始される温度(Ms点)が高くなるので、矯正タイ
ミング次第では矯正前にマルテンサイト変態が始まる場
合もあり得る。つまり、低炭素の浸炭鋼(表9の比較例
45〜47)では、矯正開始温度に対して、心部のMs
点が高くなってしまう場合があり、矯正前にマルテンサ
イト変態が始まってしまい矯正能力が低下するおそれが
ある。素材がS17Cからなる比較例45〜47では変
形率が明らかに大きく、矯正効果が認められない。
素材のMs点がいずれも450℃以下であって顕著な矯
正効果が認められる。ここで、実施例48〜50では、
矯正開始温度を高くすることで、S17C材のような素
材のMs点が高い材料でも、十分矯正が可能となる。但
し、焼入れ冷却中に高温で矯正を開始する場合は、後述
の図12に示すように環状体の温度が急激に変化してい
る状態なので加工率の調整が難しく、矯正効果の安定性
が低下するおそれがある。
換算式は「鉄鋼材料」111〜112頁,コロナ社,1
963年4月発行の(2)式を使用した。〕 図9及び図10に本発明の他の実施例を示す。
を焼入れ油(冷却剤)に浸漬して焼入れしつつ変形矯正
を行っているのに対して、この実施例の場合は、焼入れ
直前に矯正しその後ただちに焼入れを行う点が異なって
いる。具体的には、図9に示すように、焼入れ槽17の
最上部に位置している環状体載置部24に加熱炉2から
出た直後の環状体1を載置し、そのままの状態で、つま
り焼入れ槽17の外部で変形矯正装置の環状体押さえ治
具15Aで押さえながら外径拘束治具14Aで変形矯正
加工を行う。この加工時の雰囲気は窒素ガスなどの酸化
防止雰囲気とする方がよりよい。内径拘束治具を用いた
場合も同様に行う。
入れ冷却中に矯正する図6,7の装置による方法でも可
能であるが、安定した効果を得るのにやや困難を伴うの
に対し、この実施例の変形矯正方法によれば、Ms点が
高い材料を使用した環状体であっても容易に変形矯正効
果を出すことができる。次に、焼入れ冷却開始直前で環
状体を加工矯正し、その後は油槽で冷却する方法で、図
9による方法にさらに改良を加えたものを図10に示
す。高温域で安定した矯正効果が得られるのは勿論図9
の場合と同様である。
槽17の最上部に位置している環状体搭載部24は外径
矯正治具14Aの内径より若干小さく、加熱炉2から出
た直後の環状体1を搭載し、そのままの状態で、つまり
焼入れ槽17の外部で変形矯正装置の環状体抑え治具1
5Aで上から荷重をかけて押さえることで、矯正時の環
状体寸法より若干小さい寸法の14A内径に圧入され加
工矯正される。この時、載置部24がガイド役となるた
め、金型14Aに斜めに入ってかじりを起こしたりしな
いような機構になっている。環状体1は外径矯正治具1
4Aを通過することで加工矯正され、通過時間が矯正時
間となる。環状体1が外径矯正治具14Aを完全に通過
した後は、環状体抑え治具15Aは元の位置に上昇し、
環状体搭載部24は環状体1を搭載したまま、焼入れ槽
17の底まで静かに下降する。
却されながら静かに移動し、環状体搭載部24は元の位
置に上昇し、次の環状体を搭載する。次に、上述の図1
0の装置を用いた矯正効果を確認するために行った実験
について述べる。この実験の材料鋼種及び熱処理条件は
次のとおりである。
SCr440,SAE1060 SUJ2 熱 処 理 :通常浸炭処理を12時間行い、常温まで
放冷後、850℃にて30分加熱処理を行う。ただし、
SUJ2は浸炭処理は行わず、850℃にて30分加熱
熱処理を行う。
法=31mm) 表10及び図11に、(1),(3)式で求めた加工率
を変化させて(矯正時間一定,3〜5秒)外径拘束で加
工した場合の変形率を示す。
%以下の範囲のものは変形率が低く、更にいずれの鋼種
でも安定した変形率が得られる。ただし、加工率が0.
05%未満の場合や、1.0%を越える場合は変形率が
高くなる。ここでの矯正時間は環状体が金型14Aを通
過する時間で3秒以上であれば矯正は十分である。ま
た、軸受のサイズによっては、長い通過時間で環状体の
温度が下がり過ぎ、焼入れが不十分になるおそれがある
ので、通常5秒程度で通過させる。
材料は、当然Ms点より高い温度で矯正を行うため、前
述の焼入れ冷却中に矯正を行う場合は、かなり早いタイ
ミングで矯正を行う必要がでてくる。先の表5,表6の
実施例で示したように、高温での矯正は可能である。し
かし高温の矯正では環状体の温度が急激に変化する。図
12に環状体の焼入れ冷却過程の温度変化の一例を示
す。300℃前後までは急激に変化しているのがわか
る。一方、焼入れ直前に矯正する本装置では、環状体が
加熱炉から搬出されて金型14Aで矯正されるまでの温
度管理を、冷却剤中での環状体の温度管理に比べて格段
に安定して行うことができる。
s点が高い材料を矯正する場合等には、焼入れ直前に矯
正する本装置で行うことで、残留歪みが少なく変形のな
い真円の環状体が、高い安定性のもと高い生産性で得ら
れる。また、冷却剤に溶融塩を用い、塩浴焼入れを応用
して、環状体(浸炭鋼で作られた場合はその心部で)の
Ms点直上またはそれ以上の温度で保持された塩浴槽に
て焼入れ温度から一旦冷却し、すぐに本装置で焼入れ矯
正を行う(いわゆるマルクエンチ)ことで、同様にMs
点の高い素材でマルテンサイト変態前に加工矯正を行い
矯正効果を安定して出すことができる。
法に係る矯正治具について述べる。本発明の方法を有効
に実施するには、環状体の焼入れ直前の寸法に対して、
若干小さい内径寸法を持つ一体金型の矯正治具を用い
る。従来のマルテンサイト変態による寸法膨張のみを利
用する外形からの矯正方法では、一般に割型やコレット
チャックのように外形寸法が変化できる金型を用いてい
る。この場合、図1に示すように、金型寸法に対して環
状体寸法が小さくなる時間帯が短く、変形量によっては
その時間帯がさらに短くなるため、金型寸法を大きい寸
法に広げてから早めに環状体にセットし、矯正は行わず
環状体の収縮に合わせて金型を調整し、環状体が膨張し
てきた時点で矯正を開始する。したがって、これらの一
般的な治具ではオーステナイト域での矯正は困難であ
る。
前記したように真円度の矯正はある程度できても、環状
体の寸法までは変化しないので、一定の寸法に加工矯正
することはできない。図13に本発明矯正治具の一例を
示す。図13a,13bは焼入れ直前で矯正する方法で
使用する金型14Aの一例であり、図13c,13dは
冷却冷却中に矯正する方法で使用する金型の一例であ
る。いずれも金型の矯正部分が一体化した円筒形になっ
ているのが特徴である。環状体はオーステナイト状態で
の加工でのみ、前記本発明の加工率範囲であれば、短時
間に容易に圧入が可能である。そのため、図13a,1
3bに示すように、矯正加工する部分が肉薄でコンパク
トな金型が可能となる。マルテンサイト変態後の加工で
は前記本発明の加工率範囲で行うことは殆ど不可能に近
く、仮に行う場合は、環状体の熱処理前寸法を精密に管
理し、さらに肉厚が十分な金型に大規模な装置のもと莫
大な荷重で圧入することが必要となることは、簡単に予
想できる。 また、従来の割型タイプの金型で矯正を行
う場合、矯正条件によっては、割型の形状が環状体矯正
面に花びら型のような模様をつけてしまい、その後の加
工に大きな影響を与える可能性が大きい。一体金型では
加工後の矯正面に凹凸はなく、更に、矯正された外輪の
寸法は一定となるので、その後の加工にとっても良好で
ある。
当然、装置も単純化し、矯正時間も3〜5秒程度でも可
能なので、矯正焼入れとしては非常に高い連続性が確保
される。なお、一般に鋼の加工と熱処理を併用する加工
熱処理として、加工してから焼入れを行う加工焼入れ処
理や、焼入れ過程で加工を行うオースフォーミング処理
などが知られている(「鋼の熱処理」,72頁、日本鉄
鋼協会編、昭和44年10月1日発行)。しかしこれら
の加工熱処理法は、主に鋼の焼入れ後の機械的性質(強
度,靭性等)を向上させることが目的であって、その加
工度も30%前後から高いものでは95%程度まで及
び、本発明の焼入れ変形矯正方法とは目的も方法も大き
く異なるものである。
焼入れ変形矯正方法によれば、環状体の鋼組織がオース
テナイ状態のうちに、当該環状体を金型に圧入して所定
の加工率で矯正加工するため、硬さや引張り強さが低下
し伸びや絞りは上昇する状態下での塑性変形により容易
に変形加工することができて、その結果、歪や変形のな
い真円の且つ寸法がそろった環状体が短時間で得られる
という効果を奏する。
時の寸法変化を示すグラフである。
工率と変形率との関係を示すグラフで、(a)は環状体
の外径からの加工の場合(外径拘束)、(b)は内径か
らの加工の場合(内径拘束)、(c)は外径拘束で矯正
温度を変化させて行った結果を併せて示したものであ
る。
最少とを本発明方法の場合と比較して示すグラフであ
る。
矯正前後の寸法変化を、従来および本発明の場合につい
て示すグラフである。
関係を示したグラフである。
クルを説明する概念図で、(a)は従来の場合、(b)
は本発明の場合である。
正装置の作動を説明する断面図である。
の焼入れ変形矯正装置の部分拡大図である。
形矯正方法を説明する部分拡大断面図である。
れ変形矯正方法を示す断面図である。
施例における、加工率と変形率との関係を示すグラフで
ある。
示す図である。
正装置で使用される矯正用の治具で、(a)は焼入れ直
前で矯正する場合の治具の平面図、(b)はそのB−B
線断面図、(c)は焼入れ冷却中に矯正する場合の治具
の断面図、(d)はその環状体矯正中の断面図を示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼からなる環状体の焼入れ変形矯正方法
であって、焼入れにおける冷却過程において、環状体の
組織がオーステナイト状態のうちに、前記環状体を外径
から加工する場合は加工率0.05〜1.0%とし、前
記環状体を内径から加工する場合は加工率0.5〜3.
0%とし、前記環状体を外径からと内径からとの少なく
ともいずれか一つから選び加工することを特徴とする環
状体の焼入れ変形矯正方法。
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