JP2860481B2 - 環状体の外径矯正焼入装置 - Google Patents
環状体の外径矯正焼入装置Info
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Description
入れして最終製品とするについて、製品の外径寸法が特
に重要視される物品の焼入に適合した焼入装置、少し詳
しくは環状体がマルテンサイト変態膨張を起して外径寸
法、真円度、円筒度、反り等に比較的大きな誤差を生み
易い場合にその誤差を可及的に小として寸法精度を高め
且つ生産効率が良く装置コストも安く済む環状体の外形
矯正装置に関する。
伴なうので、これによる内外径の寸法誤差や焼入歪(真
円度、円筒度がそれぞれ低下し、さらに反りも発生す
る)が問題となる。製品寸法に高精度が要求される場
合、焼入后の加工代は全くないかあるいはあってもごく
僅かであるので焼入による寸法誤差や焼入歪は極めて重
要な問題となる。ベアリングの外レースの場合を例に採
ると外形寸法、真円度、円等度等に狂いが少ない焼入が
強く望まれる所であった。
時の外径膨張を所定寸法内に矯正するために製品の外径
をチャックで加圧拘束して膨張した塑性材料と同チャッ
クとの間に強い圧接関係を生起させて、それ以上の膨張
を抑制して寸法規制しながら焼入する装置を実公昭55−
13405、同58−31369及び同63−6204によって提供した。
歪は遥かに減少しており、それなりの効果を発揮してい
るが共通して指摘され得る問題点は環状体外径をそれ個
有の寸法のチャックそれ自体もしくはチャックと組み合
わせられた径方向に進退自在な拘束爪によって周方向に
非連続状に拘束するために第1に焼入后の環状体の外径
形状は第4図(ロ)に示す如く(チャックもしくは)拘
束爪の個数に相応した凹凸形状(花弁状)となり、これ
がため爾后の外径研削精度の阻害要因となること、第2
にチャックもしくは拘束爪は一個の環状体を一つの不動
の水平な処理面域内に於て焼入完了后静置状態で保持し
ていなければならず、つまりバッチ式処理のため生産効
率が悪いこと、更に第3にバッチ式処理並びに多数のチ
ャックもしくは拘束爪の適用による材料コスト高が相俟
って結局の所生産コスト増を余儀なくされることであ
る。
のである。
受ける環状体を周方向に非連続なチャックもしくは拘束
爪で拘束するのをやめて連続的な円周面にて実施するこ
と並びに個々の環状体の焼入を一つの不動の水平処理面
域内で行なう代りに或る長さの垂直移動面域内を間歇的
に降下せしめると共にこの降下を一個ならず複数の環状
体の上下段積状態でマス的に併行せしめること、外径拘
束下で焼入完了した環状体の排出を含めて環状体の間歇
的垂直移動をプッシャにて実施すること…以上を内容と
するが、これを具体化する手段を以下に実施例対応図を
採って説明するに、第1図は鋼の焼入における温度−長
さ変化線図、第2図は本発明装置の一実施例を示す縦断
面図、第3図は第2図III−III線端面図、第4図(イ)
は本発明装置を用いた場合の環状体の焼入直后の外径形
状を、(ロ)は実公昭63−6204を用いた場合の環状体の
焼入直后の外径形状を夫々示す模式図である。
状体の焼入后の外径寸法を所定のものに矯正しながら連
続焼入する装置であって、 焼入后の所定の外径寸法に合致した内径寸法d及び1
次冷却后の環状体1の複数個を上下に段積し得る高さh
を有する円筒腔所2を具備した1個の円筒型3と、当該
円筒腔所2内に段積された複数の環状体1…の最上位の
ものを上方より間歇的に押圧するプッシャ4と、上記円
筒型3の上方に配置されて、上記円筒腔所2内に搬入さ
れた1次冷却済の環状体1…に2次冷却液5を施与する
2次冷却用噴射ノズル6…とより成り、上記円筒腔所2
内に順次搬入され上下に段積された環状体1…が、前記
の噴射ノズル6…よりの2次冷却液5により2次冷却を
受けながら、当該円筒腔所2内を間歇的に降下する間に
マルテンサイト変態膨張を完了し、この際膨張環状体の
外周面10が、前記の円筒腔所2の内周面20によって所定
の寸法に外径拘束を受け、変態膨張完了后の環状体が、
前記プッシャ4の間歇押圧によって順次円筒型3外に排
出されるようにしたことを特徴とする環状体の外径矯正
焼入装置に係わる。図中7は型受台、8はプッシャ4の
油圧ピストン、9は施蓋である。
き、膨張、収縮の寸法変化を起こす。図中縦軸は寸法、
横軸は温度であり、Msはマルテンサイト変態点を示す。
体を図外の冷却油槽内でフリーの状態でMs点付近まで1
次焼入する(図中a→b)。この時、環状体1の寸法は
収縮のため最も小さくなっており、以後マルテンサイト
変態による膨張を開始しようとする状態である。次に環
状体1を所定の内径寸法dをもった円筒型3の円筒腔所
2に一定の短かいサイクルで挿入し、環状体1…が円筒
腔所2内に順次押し込まれて、円筒腔所2内を通過する
間に(図中b→d)、マルテンサイト変態膨張を利用し
て円筒腔所内周面20と膨張塑性材料、即ち環状体外周面
10とを強く圧接させて外径寸法精度を高め併せて焼入歪
を最小に抑えると共に高い生産効率で焼入を行なうもの
である。
温度に加熱された環状体(不図示)を1次焼入油槽内
(不図示)でMs点付近の温度まで安定的に冷却する。1
次油冷の焼入油は、従って耐高温性(約150〜200℃)に
すぐれたものを採用し、さらに酸化、重合による冷却性
能の劣化変動を防止するため、1次焼入油槽はN2ガス等
の不活性ガスで空気との接触を遮断しておく。Ms点付近
温度まで1次油冷された環状体1は、その後すみやかに
円筒型3の円筒腔所2の入口部まで図外の搬送手段で搬
送され、円筒腔所2の直上で、ほゞ同軸上に設置された
油圧シリンダー6に結合されたプッシャ4によって押し
下げられ、円筒腔所2内に挿入される。円筒型3は耐熱
性、耐摩耗性及び剛性の大きな材料でできており、環状
体1が挿入される円筒腔所2の入口部21は、挿入を容易
とするため上開状のゆるやかなテーパーになっている。
が環状体1との間で軽度の摩擦抵抗をもって、しかも環
状体1が焼入後(円筒型3より排出後)において目標と
する外径寸法に仕上がるように設定してある。円筒型3
内に挿入された環状体1は、円筒型3の上部の2次冷却
用噴射ノズル6からシャワー状に供給される2次冷却液
5によって均一な冷却がなされる。
筒腔所2の内面にラセン状あるいはスプライン状の溝
(不図示)を設けて、上部から液体冷却剤を供給するこ
とが出来る。
挿入を一定の短かいサイクルで繰返し実施することによ
り、環状体1…は円筒型3の上部から下部へと順次押し
込まれ、環状体1…が円筒型3の上から下へと垂直移動
していく間にマルテンサイト変態を完了させる。この時
の膨張塑性を利用して環状体1…の外周面10を円筒腔所
内面20で拘束しながら焼入を行うことにより外径寸法の
誤差小、焼入歪(真円度、円筒度、反り等)は最小限ま
で矯正され、高い寸法精度で、しかも高い生産性で焼入
ができる。また、段積された環状体1…相互の厚み幅寸
法拘束により幅反りも小とされる。
正して焼入した実施例を数値をあげて示す。
採った。
ベアー上での滞油時間調整にて実施。
度が比較例のものに較べて遥かに高く且つ真円度、円筒
度の狂いが少ないことが伴る。
外径形状(外周面10)は第4図(イ)に示す如く部分的
に僅かな収縮膨張をあるものの全体として真円度が良い
ことが判明し先行考案(ロ)のものに対して良き対照を
なしている。
り、次のような効果が得られる。
筒型内に短かいサイクルで上下段積状態で環状体を順次
挿入することにより、複数個の環状体が同時に外径矯正
焼入ができ、焼入生産性が飛躍的に向上する。
み幅寸法拘束により、環状体の真円度、円筒度及び幅反
り等の歪が最小限まで抑制でき、正確な寸法に焼入でき
る。また、周方向に連続した円筒腔所内面による拘束焼
入により製品の外径形状に凹凸形状(所謂花弁状)がな
くなる。
削減が図れ、研削加工時間の短縮による研削生産性の向
上も保証できる。
は本発明装置の一実施例を示す縦断面図、第3図、は第
2図III−III線端面図、第4図(イ)は本発明装置を用
いた場合の環状体の焼入直后の外径形状を、(ロ)は実
公昭63−6204を用いた場合の環状体の焼入直后の外径形
状を夫々示す模式図である。 (符号の説明) 1……(1次焼入后の)環状体、10……環状体外周面、
2……円筒腔所、20……円筒腔所内周面、21……入口
部、22……ストレート部、3……円筒型、4……プッシ
ャ、5……2次焼入液、6……2次冷却用噴射ノズル、
7……型受台、8……油圧ピストン、9……施蓋、d…
…内径寸法、h……高さ、Ms……マルテンサイト変態
点。
Claims (1)
- 【請求項1】マルテンサイト変態膨張を伴なう環状体の
焼入后の外径寸法を所定のものに矯正しながら連続焼入
する装置であって、 焼入后の所定の外径寸法に合致した内径寸法及び1次焼
入后の環状体の複数個を上下に段積し得る高さを有する
円筒腔所を具備した1個の円筒型と、当該円筒腔所内に
段積された複数の環状体の最上位のものを間歇的に押圧
するプッシャと、上記円筒型の上方に配置されて、上記
円筒腔所内に搬入された1次冷却済の環状体に2次冷却
液を施与する2次冷却用噴射ノズルとより成り、上記円
筒腔所内に順次搬入され上下に段積された環状体が、前
記の噴射ノズルよりの2次冷却液により2次冷却を受け
ながら、当該円筒腔所内を間歇的に降下する間にマルテ
ンサイト変態膨張を完了し、この際膨張環状体の外周面
が、前記の円筒腔所内周面によって所定の寸法に外径拘
束を受け、変態膨張完了后の環状体が、前記プッシャの
間歇押圧によって順次円筒型外に排出されるようにした
ことを特徴とする環状体の外径矯正焼入装置。
Priority Applications (1)
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JP17939189A JP2860481B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 環状体の外径矯正焼入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17939189A JP2860481B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 環状体の外径矯正焼入装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0344421A JPH0344421A (ja) | 1991-02-26 |
JP2860481B2 true JP2860481B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=16065045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17939189A Expired - Lifetime JP2860481B2 (ja) | 1989-07-12 | 1989-07-12 | 環状体の外径矯正焼入装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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1989
- 1989-07-12 JP JP17939189A patent/JP2860481B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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