JP3572618B2 - 転動部品の矯正テンパ方法及び装置 - Google Patents

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技術分野
本発明は、転動部品の焼入れ変形の矯正テンパ方法及び装置の改良に関する。
背景技術
従来、例えば転がり軸受の内外輪や保持器その他の転動部品の製造にあたり、熱処理時の焼入れ変形を焼もどし処理(テンパ)で矯正することが行われる。この従来の矯正テンパの技術には、つっぱりテンパと称される技術とプレステンパと呼ばれる技術とがある。前者は、対象とする部品の変形に対し、適当な治具を用いて突っ張っり逆変形を与えた状態でテンパ炉を用いて必要な温度に60〜120分保持するという通常のテンパを行って当該変形を矯正する方法である。一方、後者は、テンパ前に与め部品を型等で加圧しておき、その状態で上記通常のテンパを行って当該変形を矯正するものである。
しかしながら、従来の矯正テンパにあっては、矯正しようとする部品のサイズやそれらの変形量を考慮して予め治具や型等をセットして加圧し、その後炉中で60〜120分をかけて通常のテンパを行っており、部品の変形矯正に必要な処理時間が非常に長い。そのため、次ぎのような種々の問題点が生じている。
▲1▼多数個の部品を量産タクトで処理するには多数の治具や型を必要とする。したがって、生産能率の良くない従来技術では量産化に対応しきれない。
▲2▼また、テンパ炉は熱風加熱方式であることから、部品の昇温に通常20分以上の時間がかかり、これに律速されて処理時間の短縮には限界がある。
▲3▼さらに、処理時間を短縮するために雰囲気温度を高くすると、部品の硬さが低下する。
▲4▼また、熱処理した部品の寸法が、熱処理前の旋盤加工完了品での不均一性をそのまま維持した状態となり、その結果熱処理の研磨取代を多く設定しなければならず研磨工程でのコスト低減が制約される。
発明の開示
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、鋼製部品の低温焼もどしによる金属組織の変化の過程で現れる塑性を利用することにより、当該部品の熱処理変形を極めて短時間に矯正することができる転動部品の矯正テンパ方法及び装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、請求の範囲第1〜4項記載に発明は、転動部品の矯正テンパ方法に関するものであって、
焼入れ硬化後の円筒状又は環状の一つから選ばれる転動部品を所定の型に挿入した状態で所望のテンパ温度に加熱しながら、前記転動部品の外径面と内径面と両端面とのうちの少なくとも一つに前記型により加工を加え、前記転動部品を変形矯正する変形矯正テンパ方法において、前記転動部品を前記型に挿入した状態で加熱手段により加熱時間6分以内の時間で最高到達温度250℃〜500℃に加熱を行うことを特徴とする転動部品の矯正テンパ方法を提供するものである。
また、請求の範囲第5項記載の発明は、転動部品に矯正テンパ装置に関するものであって、
焼入れ硬化後の円筒状又は環状の転動部品を所望の温度に加熱する加熱源と、前記転動部品の外径面と内径面と両端面とのうちの少なくとも一つを拘束する型とを有する転動部品の矯正テンパ装置において、前記加熱源は誘導加熱装置であり、かつ前記型を温度調節する型温度調整手段を前記誘導加熱源の加熱コイルの半径方向の外方または軸方向外方のいずれか一方に配したことを特徴とする転動部品の矯正テンパ装置を提供するものである。
本発明の詳細を以下に説明する。
本発明者等は、上記従来の矯正テンパ技術の問題点を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、▲1▼矯正しようとする転動部品を予め伝熱加熱手段を用いて所定温度に加熱した型で加圧し、型の熱を伝導によって部品に伝えて高温で加熱・加圧処理するか、或いはまた、▲2▼矯正しようとする転動部品自体を電磁誘導加熱手段で直接に所定温度に加熱しつつ型で加圧して加熱・加圧処理することにより、極めて短時間(秒単位)での矯正テンパが可能となり、従来の炉を用いた矯正テンパ方法に比べて硬さの低下が少なく且つ短時間で変形の矯正ができることを見出してこの発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にあっては、いわゆる焼もどし処理(テンパ処理)で鋼製部品の焼入れ直後のマルテンサイト中の固溶炭素を、250〜500℃に加熱することによりε−炭化物として析出拡散させ、マルテンサイトを正方晶から立法晶にして靱性を付与する。そして、この過程で現れる塑性を利用して部品の反り等の熱処理変形並びに熱処理前の機械加工時の寸法不均一等を矯正するものである。
かくして、本発明の転動部品の矯正テンパ方法により、反り等の変形量や寸法等を規定の値以下に抑えると同時に、硬さを転動部品に必要な硬さHRC56未満に低下させることがないようにして、転がり疲れ寿命の維持を図る。
本発明の鋼製の転動部品の素材としては、C量0.5%以上の炭素鋼や、C量約1%の軸受鋼、あるいは浸炭前のC量が0.5%以下で、浸炭後の表面C量が0.6%以上である浸炭鋼が単独またはいずれかと組み合わせて用いられる。
ここで、変形矯正温度を250℃以上、500℃以下とした理由は、以下の通りである。
すなわち、軸受鋼や浸炭鋼を用いる軸受部品の場合では特に、型の温度が250℃より低い場合は短時間(当該部品の量産を考慮すると、6分以内)での変形矯正が困難である。一方、伝熱加熱する場合の型の温度が500℃を越えると、変形矯正量は変わらないのにたいして硬さが軸受に必要なHRC56より低い値に低下してしまうと共に、型の耐久性が劣化するという問題が生じる。したがって、型の温度は250〜500℃が製品加熱温度制御の点で望ましいが、型温度は500℃を越えても(例えば700℃でも)、焼戻しされる転動部品自体の最高到達温度が250〜500℃で6分以内であれば許容される。
また、加熱時間は、生産において当該軸受部品の焼入れの処理速度に合わせるために、矯正テンパに要する時間は6分以内が望ましい。
本発明の請求の範囲第1〜4項にかかる矯正テンパ方法は、
円筒状または環状の転動部品を焼入れ後、これを温度調整した型に挿入して、その型で当該部品の外表面(外径面,内径面,両端面)の少なくとも一つを拘束した状態で加熱手段により短時間、250〜500℃の高温加熱することで焼戻し処理を行う。加熱手段としては伝熱加熱か高周波誘導加熱を用いる。
高周波誘導加熱を用いると、加熱時間は30秒以内であり焼戻し処理の迅速化に有利である。その場合の型の材質としては、高周波の影響を受けにくいものが望ましく、透磁率1.5以下の材質のものがよく、例えばセラミックスがよい。その理由は、高周波加熱コイルの磁力線による型温度の上昇を防止して、型温を高周波加熱源とは独立に制御可能にすることにより、転動部品の矯正テンパ処理を正確,迅速且つ高品質に行うことができるからである。
更には、型として必要な強度を有していなければならないが、これらの条件を満たし得るセラミックス以外の型材質としては、非磁性鋼,アルミニウム,黄銅,銅なども使用することができる。
セラミック型は膨張係数が鋼の1/5程度であり、従って高周波誘導加熱された型内の転動部品には熱膨張が生じてセラミック型に強く圧縮矯正される。同時に転動部品は焼戻し効果により焼入れ時のマルテンサイト組織からε炭化物として析出,拡散させて組織変化をおこし、焼戻し処理を終了する。
本発明の転動部品の矯正テンパ方法によれば、焼入れによる転動部品の硬い鋼組織を焼きもどしする過程で現れる塑性を利用して焼入れ時の変形を矯正することが可能となり、そのため極めて短時間で矯正できて、しかも転動部品の転がり疲れ寿命を維持するのに必要な最小の硬さHRC56を確保できると同時に製品精度を保証するに必要な反いまたは外径,内径の変形量を規定値以下に規制できる。且つまた、多数個の転動部品を量産するのに少数の治具や型で足りる。
また、本発明の矯正テンパ処理方法を行うことで転動部品の寸法が統一され、真円度、傾斜も向上する。更に、転動部品と型との圧入代を大きくすることで、転動部品の面粗さを向上させることもできる。具体的には、例えば、変形率60%以上、表面硬さHRC56以上、矯正面の表面粗さRa0.2μm以下、寸法統一率30%以上とすることが可能になる。
請求の範囲第5項にかかる矯正テンパ装置は、
転動部品の加熱源として誘導加熱装置を使用する。そして、型温度調整手段をその誘導加熱源の加熱コイルの外方に配置してあるので、型温を高周波誘導加熱源とは独立に制御することができ、転動部品の正確,迅速且つ高品質な矯正テンパ処理が達成される。
本発明の矯正テンパ装置における型温度調整手段である温度調整器は、温度センサと電熱ヒータ又は熱媒体液の循環路のいずれか一つあるいはこれと冷却水循環路等の冷却手段とを組合わせたものからなる温度調節源が埋めこまれた温度制御板で構成される。その温度制御板としては、例えば鋼板が用いられるが、鋼板以外にSiC等のセラミック或いは鋼,アルミニウム等の伝熱性に優れた金属でもよい。この温度制御板を矯正型に密着させて取り付け、温度センサと温度調節源とで所要の温度に矯正型の温度を調整するようにしている。矯正型がセラミックスの場合、透磁率が1.5以下のため、高周波誘導加熱源の高周波により加熱されることがないから、型温度調整手段を所定の温度に調整するのみで型温度を所要の温度に正確に維持できる。
型温度調整手段のこの機能を利用して、本発明の矯正テンパ装置による転動部品の正確,迅速且つ高品質な矯正テンパ処理が行われる。すなわち、
▲1▼高周波誘導加熱装置により加熱されたワークである転動部品が熱膨張で型に強く張りつかない程度の型温度に、予め型温度調整手段を温度設定しておけば、ワークを軽い圧入圧力で迅速に型にセットすることができる。
また、誘導加熱後のワークは直ちに、型温度調整手段で温度調整されたセラミック型への伝熱で冷却され、熱収縮して型から自然落下させることができるから、抜取りプレスで型から強制的に抜き取る必要がなくなる。かくして、型温度調整手段でセラミック型の温度を独立に制御するのみで、ワークの型脱着を極めて短時間で完了することが可能になり、連続処理に非常に効果がある。
▲2▼本発明の矯正テンパ装置にあっては、被熱処理品のワークとセラミック型との体積比は、強度上の問題から1:100程度とされるが、型温度調整手段を使用せずに高周波誘導加熱だけで熱処理を行うと、誘導加熱されたワークから誘導加熱されないセラミック型への熱伝導量が大きくて高周波誘導加熱効率を低下させる。更には、ワークの型に接した部分と型から遠い部分との温度分布が不均等になって製品品質の不均一性が問題になる。これに対して、型温度調整手段でセラミック型の温度を独立に制御すれば、高周波誘導加熱を効率良く均等に行うことができる。特に、厚肉の環状体は型温度と加熱時のワーク温度との差が大きいほど焼戻しの品質ムラが生じやすいが、そのようなときは型温度調整手段で型温度を高温に保持して型からの熱伝導加熱を主体とした加熱を行うことにより、品質ムラを極力抑えることが可能になる。即ち、誘導加熱と熱伝導加熱との比率を調整することで、ワークの形状や処理タクトに応じた最適の熱処理条件を選定することができるのである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の加熱加圧方法の態様を説明する一実施例の断面図である。
図2は、本発明の矯正テンパ方法の一実施例における製品の温度と反り変形矯正量と加圧加熱時間との関係を表した図である。
図3は、本発明の矯正テンパ方法の一実施例における製品の温度と部品硬さと加圧加熱時間との関係を表したグラフである。
図4は、本発明の加熱加圧の態様を説明する他の実施例の断面図である。
図5は、本発明の加熱加圧の態様を説明する更に他の実施例の断面図である。
図6は、本発明の加熱加圧の態様を説明する更に他の実施例の断面図である。
図7は、本発明の加熱加圧の態様を説明する更に他の実施例の断面図である。
図8は、転動部品の反り量の測定方式を説明する図で、(a)はドーナツ板状の転動部品の場合、(b)は円環状の転動部品の場合の断面図である。
図9は、本発明の矯正テンパ装置の一実施例の断面図である。
図10は、本発明の矯正テンパ装置の他の実施例の要部の断面図である。
図11は、本発明の矯正テンパ装置の他の実施例の要部の断面図である。
図12は、本発明の矯正テンパ装置の他の実施例の要部の断面図である。
図13は、本発明の矯正テンパ装置の他の実施例の要部の断面図である。
図14は、本発明の矯正テンパ装置の他の実施例の要部の断面図である。
図15は、本発明の矯正テンパ装置の他の実施例の要部の断面図である。
図16は、本発明の矯正テンパ装置の他の実施例の要部の断面図である。
図17は、矯正テンパ試験で得られた、ワーク最高到達温度と変形矯正率及びワーク表面硬さとの関係を示す図である。
図18は、矯正テンパ試験で得られた、ワーク最高到達温度と寸法統一率との関係を示す図である。
図19は、矯正テンパ試験で得られた、加工率と矯正型による変形矯正面(この場合、外径面)の表面粗さRa(μm)との関係を示す図である。
図20は、矯正テンパ試験で得られた、加工率と変形矯正率との関係を示す図である。
図21は、矯正テンパ試験で得られた、ワーク最高到達温度と加工率との関係から本発明の矯正テンパ処理条件の適切な範囲(斜線部分)を示した図である。
図22は、矯正テンパ試験で得られた、ワーク形状が矯正テンパ処理条件に及ぼす影響を示した図である。
図23は、玉軸受の外輪をワークとした他の変形矯正試験に使用した矯正型の図である。
図24は、図23の型を使用した変形矯正試験で得られた、矯正エネルギーと製品の温度との関係をS/V比をパラメータとして示した図である。
符号の説明:1A〜1C...転動部品,2〜11...型,20...矯正テンパ装置,22...型,23...誘導加熱装置(高周波誘導加熱コイル),246...型温度調整手段
発明を実施するための最良の形態
本発明にかかる実施例について説明する。
先ず、転動部品の矯正テンパ方法について説明する。
図1において、この実施例の転動部品1Aは、外径40mm,内径18mm,厚さ1.2mmのドーナツ板状を有し、C量0.95〜1.10%と高炭素の軸受鋼(SUJ2)からなるもので、焼入れ硬化後の硬さはHRC66である。焼入れを行ったその転動部品1を、加熱した上型2と下型3との間に挟持し、上下方向から1トンの加圧力Pを加えて所定時間加圧することにより、焼入れ持に発生した反り変形を矯正した。
図2は、上記軸受鋼製の転動部品1Aを加圧矯正テンパしたときの変形矯正温度、すなわち転動部品1Aの最高到達温度(以下、製品の温度という)及び加熱・加圧時間と転動部品1Aの反り量との関係を加熱・加圧時間をパラメータとして測定し、その結果を示したものである。矯正前の初期の反り変形量はおよそ0.43±0.09mmである。図から明らかなように、製品の温度を250℃以上にすることにより、加熱・加圧時間が6分以内で且つ製品として必要な反り変形量0.2mm(反り限界)以下という十分な変形矯正が達成された。
図3は、このときの製品の温度および加熱・加圧時間と転動部品1Aの硬さとの関係を加熱・加圧時間をパラメータとして測定し、その結果を示したものである。図から明らかなように、型の温度が高いほど、また加熱・加圧の時間が長いほど硬さは低下する。しかして図中の囲みAの範囲内は、6分以内という短時間の加圧保持により部品の硬さがHRC56以上であって、十分な変形矯正が得られる領域である。
図4に、他の実施例を示す。
この実施例は、形状が円環状の転動部品1B(例えば転がり軸受外輪)を予め所定温度に加熱した矯正用の割型5を用いて横方向(部品の軸に対し直交方向)から加圧力Pを加えて加熱・加圧する例である。この場合、転動部品1Bの外径面を拘束して外径の変形を矯正する。なお、割型を用いた変形矯正は、第1の実施例のドーナツ板状の転動部品1Aにも適用することができる。
図5に、更に他の実施例を示す。
この実施例は、円環状の転動部品1Bを矯正用型としての所定寸法のダイス6の孔7内へ圧入して変形を矯正する例である。転動部品1Bは予め加熱されているダイス孔7のテーパ部8内を通過する際に、横方向から加圧されて外径の変形を矯正される。
図6に、更に他の実施例を示す。
この実施例は、転動部品である玉軸受外輪1C(または内輪)の焼入れによる変形を矯正する例である。この場合は、玉軸受外輪1Cの端面の両側から予め加熱した円筒状の押さえ型10,10により加圧力Pを加えて押圧すると共に、玉軸受外輪1Cのセンタ孔にテーパ軸もしくはストレート軸からなる予め加熱した型11を押しこんで変形を矯正している。これにより、玉軸受外輪(または内輪)1Cの端面の反りと内径の変形とを同時に矯正できる。
また、端面の反りがあまり問題とならない場合等は、予め加熱した前記押さえ型10,10により両側から加圧する代わりに、一方の押さえ型10を、片側から玉軸受外輪1Cを予め加熱した前記型11に押し込むために使用するようにしても良い。その場合、他方の押さえ型10は、例えばばね等を介して玉軸受外輪1Cの一端面に当接され、玉軸受外輪1Cの加熱のためのみに使用されるのであるが、必ずしも使用しなくても良い。
図7に、更に他の実施例を示す。
この実施例は、前記転動部品1Bをセラミックス製(例えばアルミナ,SiC,Si3N4,ダイヤモンド等)の加圧型16に挿入し、その後加圧型16の外側に配置した高周波コイル19により転動部品1Bを加熱し、圧入力および転動部品1Bの熱膨張によって加圧型16との間で発生する加圧力により外径の変形を矯正する。
以上のいずれの実施例の場合においても、短時間の処理で反り等の変形量をそれぞれのサイズに応じた規定値以下に抑えることができると同時に、硬さをHRC56以上に保つことができる。
なお、上記反り変形量の測定方法の例を図8に示す。
図8(a)が、ドーナツ板状の転動部品1Aの変形量を測定する場合で、当該部品1Aを定盤12上に載せ、外径面を位置決めヤトイ13で保持して横ずれを防いだ状態で、部品1Aの一端面の面を指先で断続的に押圧したときの反対端側の面の上下移動量をダイヤルゲージ14で計測する。
図8(b)は、円環状の転動部品1Bの変形量を測定する場合で、当該部品1Bを定盤12上に置き、その外径面の一端側の二箇所を定盤12上に固定されたVブロック15にに当接させ、他端側の外径面の一点をダイヤルゲージ14に当接させた状態で、前記部品1Bを図示するように回転させて外径の変動をダイヤルゲージ14で計測する。
なお、上記各実施例の加熱・加圧型の加熱方式は特に限定されず、熱容量の大きな金型を予め炉で加熱する方式、金型内に熱源を内蔵しておく方式、高周波加熱方式その他任意に選定することが可能である。
また、予め所定温度に加熱した型を所定時間(6分間以内)保温した状態に保つ必要があり、そのため、加熱した型を加熱雰囲気中の入れてそこで加圧矯正を行うようにすることもできる。
またさらに、加圧型としてセラミックスを用い、加圧型外側から高周波加熱により転動部品を加熱することにより加圧矯正を行うこともできる。
続いて、本発明の転動部品の矯正テンパ装置の実施例について説明する。
図9は、転動部品の矯正テンパ装置の一実施例の概要を示す断面図で、矯正テンパ装置20の装置本体21の内部に、透磁率1.5以下の円筒状のセラミック型22が装着されている。この型22の内径面に、環状の転動部品であるワークWが外径面を拘束した状態で挿入される。型22の上下には、ワーク加熱手段としての高周波誘導加熱コイル23が型端面に接近させて配設してある。この場合、高周波誘導加熱コイル23をできるだけ被加熱物であるワークWに近づけるために、型22をできるだけ薄型にし、かつワークWの両端から均等に誘導加熱できるようにコイル形状を二巻きにしてある。各コイル23の内径は、型22の内径より若干大きくしている。
そして、セラミック型22の上端面に密着させて、当該型22を温度調節する型温度調整手段としての型温度調整器24が誘導加熱源である加熱コイル23の半径方向の外方に配設されている。この実施例の型温度調整器24は良く熱を伝導させる伝熱材として鋼材(SC材)板25が使用され、これに電熱ヒータ又は熱媒体液等の温度調節源26と図示しない熱電対のような温度センサ27とが内蔵されて上面が断熱材28で覆われたドーナツ板形状に形成されており、その鋼材板25の平面を型22の平坦面に密着させるようになっている。
前記型温度調整器24は、型温度が300℃位迄は、調整器24の内部に形成されたコイル状溝に熱媒体油を循環させるか又は型温度調整器24内に埋設された電熱ヒータによる加熱方式とし、型温度が300℃を越えるような高温の場合には、熱媒体油の熱劣化の問題が生じるので埋設電熱ヒータによる加熱方式とするのが良い。また、型温度を一定に維持するために冷却を要する時は、型温度調整器24内に形成したコイル状溝に水または油を循環させて冷却を行うようにする。また、温度の制御は、型温度調整器24に埋設した温度センサ27の検出信号に基づいて、上記加熱源,冷却源を切り換えることにより行われる。
型22は高周波誘導加熱コイル23に接近しているが、透磁率1.5以下のセラミック製であるから高周波誘導加熱コイル23の磁力線により温度加熱されて温度上昇をきたすことはない。したがって、型22の温度は型温度調整器24で単独に調整可能である。
装置本体21の中心軸上には、上方にワーク圧入治具30とその昇降駆動用のメインシリンダ31とが配設されると共に、下方にワーク支え治具32とその昇降駆動用のサブシリンダ33とが配設されている。
また、装置本体21の上方側面にはワークWの挿入口36と挿入用シュート37が設けられ、装置本体21の下方側面にはワーク取出しシリンダ38及び処理完了ワーク取出し口39と取出しシュート40が設けられている。
次に、上記矯正テンパ装置20の作動について説明する。
初め、ワーク圧入治具30及びワーク支え治具32はいずれも上下の後退位置にある。
先ず装置下方のサブシリンダ33の作動で、ワーク支え治具32を装置上方のワーク挿入口36まで上昇させる。次に、挿入用シュート37からワーク挿入口36を経てワーク支え治具32上に投入される。投入されたワークWは自動的に型22との心が決まるようにしてある。
ワークWがワーク支え治具32上に投入されたら、メインシリンダ31の作動でワーク圧入治具30を下降させ、両治具30,32でワークWを挟む。こうしてワークWを水平に挟持した状態のまま下降させ、上方の高周波誘導加熱コイル23を通り抜けて、セラミック型22の内径面の上部テーパ部から型22の中心部に圧入する。圧入後、ワーク圧入治具30は上昇し、一方ワーク支え治具32は下降してワークWから離れる。この状態で、高周波誘導加熱コイル23を作動させてワークWの高周波誘導加熱を行う。ワークWの最高到達温度は250〜500℃、この最高到達温度にワークWを保持する誘導加熱時間は30秒以下が好ましい。30秒を越えて加熱しても焼戻し効果及び変形矯正能力は向上しないから無駄になる。
加熱が終了したら、メインシリンダ31を作動させてワーク圧入治具30を大きく下降させることによりワークWを型22の下方へ押し出し、これを上昇させたワーク支え治具32で受けて下方のワーク取出し口39の位置へ下降させる。そして、ワーク取出しシリンダ38を作動させてワーク支え治具32上のワークWをワーク取出し口39へ突き出して取出し用シュート40へ送り出して、動作のワンサイクルが完了する。
なお、高周波誘導加熱の効率をより上昇させたい場合、或いはワークに対して小容量の高周波電源を使用する場合には、ワーク圧入治具30及びワーク支え治具32の両治具とワークWとの接触面の間にそれぞれ高透磁率部材を介挿して、ワークを挟持したままの状態で高周波誘導加熱を行うと良い。これは、高透磁率材が先ず高温に誘導加熱され、その伝熱効果を利用してワークWを効率良く加熱するものである。
また、この矯正テンパ装置20によれば、ワークWの外径面の面粗さ向上のために、加熱時にワークWにセラミック型22内でしごき加工を施すことも可能である。
図10〜図16に、本装置の変形例、特に矯正用の型22と高周波誘導加熱コイル23と型温度調整器24との配置態様についての種々の実施例を示した。なお、同一または相当部品は同一記号で表している。
図10は、内径加熱方式で誘導加熱してワークWを外径矯正する場合で、高周波誘導加熱コイルの半径方向外方に型22、その型外径面に密着して型温度調整器24を配している。
図11は、外径加熱方式で誘導加熱してワークWを外径矯正する場合で、ワーク嵌入した型22の径方向外方に高周波誘導加熱コイル23を配し、型温度調整器24は高周波の影響を受けにくいように前記コイル23からはコイル軸方向に離して型22の上下に密着させて配設している。
図12は、ワークWを内径矯正するする場合で、矯正型22にはコレット型を用いている。その型22をワークWの内径面に嵌入させコレットを圧入してワーク内径を拡張矯正する。高周波誘導加熱コイル23をワークWの外方に配し、型温度調整器24はそのコイル23の軸方向外方に配している。
図13も、ワークWを内径矯正するする場合であるが、型22は線膨張係数がワークWより大きい材料で形成してある。ワークWの外径面外方に配した高周波誘導加熱コイル23で加熱された型22が熱膨張してワーク内径面に密着し、ワーク内径面を加熱加圧する。
図14は、ワークWの内外径を矯正する場合である。内径面はコレット型22A、外径面は円筒状型22Bを用いて内・外径を同時に矯正する例で、高周波誘導加熱コイル23を両型の上下端面側に配し、型温度調整器24をそのコイル23の型方向外方に配している。
図15は、ワークWをテーパ矯正により変形矯正する場合であるが、テーパ矯正のみならず、円錐軸受の外・内輪を作るときの例である。型22の内径面はテーパとされ、これに挿入したワークWを軸方向に加圧する押え治具41を有し、高周波誘導加熱コイル23をテーパ型22の上下端面側に配し、型温度調整器24をそのコイル23の径方向外方に配している。
図16は、複数個のワークWを一個の型で一度に処理するものである。型22は縦長の円筒状であり、その内径部にワークWを軸方向に重ねて挿入して加熱拘束して外径矯正テンパを施し、その後冷却によるワークWの収縮を利用して離型させることにより連続的に処理する。高周波誘導加熱コイル23は円筒状型22の外径面を囲んで複数列に配し、型温度調整器24をそのコイル23の軸方向外方に配した例である。
なお、上述の本装置及びその変形例においては、型温度調整器24を矯正用型22と隣接して設けているが、型の内部に設けるようにしてもよい。
以下、上記の矯正テンパ装置20を使用して行った矯正テンパの比較実験について説明する。
ワークWとして鋼製の薄肉環状の転動部品を用い、鋼種はSUJ2,SCR420,SUS440Cを採り上げた。このワークWを、840℃に昇温して30分間その温度に保持した後、60℃の焼入れ油にて焼入れ処理を施し焼入れ硬化させて試験片とした。
矯正テンパ用のセラミック型22は内径47.000mm,50.150mm,65.150mm,61.700mm,62.20mmの5種類を使用した。
型温度調整器24による型温度は55℃,200℃,400℃,500℃の4種類とした。
高周波誘導加熱コイル23によるワークWの最高到達温度は、200℃,250℃,300℃,400℃,500℃,600℃の6種類とした。
表1に、この比較試験の評価項目とその項目別の評価基準及び判定記号を示す。
【表1】
Figure 0003572618
ここに、ワークWの内・外径の(変形)矯正率は次式で算出する。
Figure 0003572618
また、寸法統一率は次式で算出される。
Figure 0003572618
本実施例の矯正テンパでは、処理後のワークWが次の条件を満たし得ることを目標とする。
内外径の変形の矯正率は60%以上
内外径の寸法統一率は30%以上
矯正面の表面粗さはRa0.2μm未満
急速処理時間は360秒(6分)内
表面硬さはHRC56以上
表2は、各試験条件及び試験結果の一覧表である。
Figure 0003572618
表2中の加工率(%)の欄は、加工率δを示し、次式で算出される。
δ={(D/d)・(1+α・T)−1}×100 ……(1)
但し、
D:矯正テンパ前のワーク外径(mm)
d:矯正型の内径(mm)
α:鋼種別の線膨脹係数(例えばSUJ2では0.000012)
T:ワーク最高到達温度(℃)
ちなみに、本実験における型矯正のワーク加工率は
Figure 0003572618
で求められる。その加工率の下限はワーク変形の矯正が可能な最小加工率であり、これを下回る型寸法では矯正不能になる。これに対して、上記の加工率の上限は型へのワーク圧入が可能な最大加工率である。これを上回る型寸法の場合には、型の内径寸法に対しワーク(常温)の外径寸法が大きすぎるために圧入不能になる。
この加工率δの上限は以下のように定まる。
今、矯正型の内径dを一定とした場合に、矯正テンパ前のワークの圧入可能な最大の外径をD0とする。一方、上記加工率δを表す(1)式は
δ={(D/d)/d+DαT/d}×100
=K1+K2T ……(2)
(但し、K1=100×(D−d)/d,K2=100Dα/d)
と変形できるので、上記K1,K2にD=D0を代入して得られるK1=K10,K2=K20により定まる曲線が圧入可能なδmax(%)を表すことになる。すなわち、
δmax=K10+K20T ……(3)
により、加工率上限が規制される。
本実施例の場合では、A6の外径寸法が圧入可能な限界であったので、表2よりワーク加熱温度250℃及び500℃の場合の加工率上限δ即ち(3)式のδmax(%)を試算すると
鋼種SUJ2の線膨脹係数αは0.000012であるから、
250℃では
Figure 0003572618
500℃では
Figure 0003572618
となる。
また、上記K10,K20はそれぞれ
K10=100×(47.20−47.0)/47.0≒0.43
K20=100×47.2×α/47.0≒100.4α
となる。なお、K20はα=0.000012を代入すると、1.21×10-3となる。
上記K10,K20は上記のようにd=47.00等の場合に実験的に得られた結果であるが、焼入後のワークの真円度のバラツキや、ワーク及び矯正型のサイズを変えた場合等を考慮しても、
K10=0.43±0.03
K20=(100.4±0.2)α
と定めることができる。
なお、上記(1)式〜(3)式等では、室温と0℃での相違、矯正型のαの温度による変動を無視しているが、何れも微小な値であり、ワークの弾性変形能等を考慮すれば、上記各式で近似して実質上全く問題ない。
本発明に係るワーク外径と型内径の組合わせでは全て上記上限δ(=δmax)と下限δ(=0.20)との間の範囲内に収まることが確認され、比較例の一部では範囲外となる(J3は上限δを上回り圧入不可、J1,J2は下限δを下回り矯正不可)ことが確認された。
図17に、表2の実施例A1〜A6と比較例M1,M2及びn1,N2との矯正テンパ比較試験結果のグラフを示す。横軸はワーク最高到達温度、縦軸は変形矯正率及びワーク表面硬さ(HRC)である。
矯正率は各加熱時間で異なり、いずれもワーク最高到達温度の上昇と共に向上しているが、500℃を越えると矯正率の向上は認められなくなる。図の矯正率60%が合格ラインの下限であり、好ましくは80%以上である。
この結果から、加熱時間30秒以下において、表面硬さHRC56以上の合格ラインを満たし、且つ矯正率60%以上を満足するワーク最高到達温度の範囲は250℃〜500℃であることがわかる。
図18は、表2の実施例A1〜A6の試験結果から、ワーク最高到達温度と(外径)寸法統一率との関係を採り上げてプロットしたものである。この寸法統一率が大きいほど、テンパ後の寸法バラツキがテンパ前のバラツキに比べて小さくなっており、寸法を一定にする矯正効果が著しい。この図から、矯正効果はワーク最高到達温度が250〜500℃の範囲で良好であるが、好ましくは300℃〜500℃、更に好ましくは380〜500℃であることがわかる。
図19は、表2の実施例A1〜A6の試験結果から、加工率と矯正型による変形矯正面(この場合、外径面)の表面粗さRa(μm)との関係を採り上げてプロットしたものである。
矯正が可能で、且つ最低限必要な表面粗さRaを0.2μm以下とするためには、加工率が0.2%以上であればよいこと、そして実施例A1〜A6ともこの条件を満たしていることがわかる。さらに、好ましくは加工率を0.6%以上(Ra0.1μm以下)にする必要があることが図19からわかる。
図20は、表2の実施例A1〜A6及び比較例J1,J2の試験結果から、加工率(横軸)と変形矯正率との関係を採り上げてプロットしたものである。
この結果からも、加工率が0.2%以上ないと変形矯正率60%以上が得られないこと、換言すればワークWに対する加工率の下限値は0.2%であることが明らかである。
図21は、表2の実施例A1〜A6及び比較例J1〜J3の試験結果から、ワーク最高到達温度(横軸)と加工率との関係を採り上げてプロットしたものである。図において、加工率が0.2%の水平の線は加工率の下限即ちワークの矯正可能な最小加工率を表している。また、各実施例A1〜A6,比較例J1〜J3の各試料別にプロットされた加工率線を示したが加工率の上限即ちワークWを型に圧入することが可能な加工率の限度は上述のように本実施例ではA6の場合の加工率線で規定されることがわかった。すなわち、前記(3)式でK10=0.43±0.03,K20=(100.4±0.2)αの範囲内として得られる曲線で決まる。
即ちワーク最高到達温度250〜500℃の範囲で、加工率を最低限0.20%,最高限で上記のように定まる加工率上限δまで上げることが可能である。この図21で中央部の斜線を施した範囲が、ワークWの型への圧入が可能であって、しかも表面硬さHRC56以上、変形矯正率60%以上、寸法統一率30%以上を満足し、かつ変形矯正面の表面粗さRaが0.2μm未満という本発明の効果を全て満たし得るワーク最高到達温度および加工率の範囲である。
図22は、ワークWの形状が矯正テンパ処理に及ぼす影響を検討したものである。
表2に各記号で示す実施例,比較例の複数種の試験片を用いて、型温度を型温度調整器24で55〜500℃の各段階に設定し、当該試験片のワークWは型22からの伝熱加熱と高周波誘導加熱コイル23による誘導加熱とを単独又は組み合わせて行い、その時のワークWの表面硬さ(HV)の最高値と最低値との差ΔHV(表面硬さムラ)を横軸に、型22とワークWとの接触面積SとワークWの体積Vとの比(S/V比)を縦軸にしてプロットした。なお、ワークWの温度は400℃,表面硬さ平均HRC58〜60である。表面硬さムラΔHVの上限は30であるが、好ましくは16以下である。また、S/V値は誘導加熱を用いる場合には0.27以上、伝熱加熱のみの場合には0.1以上が必要である。
S/V値が大きいほど、高周波誘導加熱を主体とした加熱方法で硬さムラΔHVが少なく、且つ急速処理が可能になる。その場合、型が低温でありワークWが熱膨脹せずに容易に型にセットできるし、処理後はワークが急激に冷却されて自然落下するので、抜き取りプレスが不要で型寿命が長くなるという利点がある。
一方、S/V値が小さくなるほど、伝熱を主体とした加熱方法を用いることになり、大型ワークでも硬さムラが少ない処理ができるという利点がある。しかし、反面、処理時間は長く必要であり、ワークの型への脱着が困難になり、型寿命低下のおそれが生じる。
以上の実験とは別途に、玉軸受の外輪をワークWとしてその変形矯正を実施し、矯正エネルギーと型温度との関係を検討した他の実施例を説明する。
図23は、これに用いた矯正テンパ装置の型の図で、(a)平面図、(b)はそのb−b線断面図である。
ここで用いたワークWは玉軸受の外輪である。SUJ2製の6808,6212,6312の各型式の玉軸受のもので、体積(Vmm3)と型との接触表面積(Smm2)との比S/V値はそれぞれ1.0,0.5,0.25,0.17の4種類とした。
これらの外輪(ワークW)を840℃で20分間保持した後、油中に投入して焼入れを施し、その後所定温度に加熱された割型50(円周3等分)に挿入した。この割型50を外型51に押し込むことにより、ワークWを所定時間加熱・加圧した後、型50から取りだして真円度と硬さの測定を行い、焼入れ後であって矯正テンパ処理の加圧・加熱前の真円度と比較した。
図24にその結果を示した。
横軸は型温度調整器による型温度である。縦軸は矯正エネルギーである。矯正エネルギーは型温度(℃)×加圧・加熱時間(秒)×10-3で算出した。図24は、ワークWの加熱エネルギーがS/V比の増大と共に減少することを表しており、伝熱加熱されるワークWのS/V比が変形矯正率60%以上、表面硬さHRC56以上の両方を満たし得る範囲を示している。すなわち、良好な矯正結果が得られるS/V比の範囲は、0.17〜1.0の範囲である。
産業上の利用可能性
以上説明してきたように、本発明の請求の範囲第1項〜第4項にかかる転動部品の矯正テンパ方法は、硬化熱処理した鋼製転動部品を、加圧しつつ250〜500℃に加熱し6分間以内という範囲でテンパ加熱するという方法で、焼入れによる転動部品の硬い鋼組織を焼きもどしする過程で現れる塑性を利用して焼入れ時の変形を矯正する。このため、短時間で矯正できて、しかも転動部品の転がり疲れ寿命を維持するのに必要な最小の硬さHRC56を確保できると同時に製品精度を保証するに必要な反りまたは外径,内径の変形量を規定値以下に規制できる。とくに、請求の範囲第3項の方法は、上記転動部品の加熱を誘導加熱方式とし、加熱時間30秒以内、加工率0.2〜上限δで処理して変形を矯正する。かくして、本発明の矯正テンパ方法によれば、内外径の変形の矯正率60%以上、内外径の寸法統一率30%以上、矯正面の表面粗さはRa0.2μm未満、表面硬さHRC56以上を達成できる矯正テンパ処理を最大でも6分以内という極めて短時間で完了することができ、且つまた、多数個の転動部品を量産するのに少数の治具や型で足りるという効果が得られるから、寿命が長く且つ精度の良い転がり軸受の内外輪や保持器等の転動部品を高効率で量産するのに好適に利用できる。そして、請求の範囲第5項にかかる転動部品の矯正テンパ装置の発明は、焼入れ硬化した転動部品を所望の温度に加熱する加熱源として誘導加熱装置を備え、かつ転動部品を拘束する型の温度を調節する型温度調整手段を備えている。このため、転動部品を直接に誘導加熱して30秒以内という極く短時間に処理することができる。しかも、型温度調整手段で型温度を自在に制御して型と転動部品との嵌合寸法を調整できるから、型への転動部品の脱着を容易に且つ迅速に行うことができる。かくして、本発明の矯正テンパ装置によれば、内外径の変形の矯正率60%以上、内外径の寸法統一率30%以上、矯正面の表面粗さはRa0.2μm未満、表面硬さHRC56以上を達成できる矯正テンパ処理を30秒以内という極めて短時間で完了することができ、且つまた、多数個の転動部品を量産するのに少数の治具や型で足りるという効果が得られるから、寿命が長く且つ精度の良い転がり軸受の内外輪や保持器等の転動部品を高効率で量産するのに好適に利用できる。

Claims (5)

  1. 焼入れ硬化後の円筒状又は環状の一つから選ばれる転動部品を所定の型に挿入した状態で所望のテンパ温度に加熱しながら、前記転動部品の外径面と内径面と両端面とのうちの少なくとも一つに前記型により加工を加え、前記転動部品を変形矯正する変形矯正テンパ方法において、前記転動部品を前記型に挿入した状態で加熱手段により加熱時間6分以内の時間で最高到達温度250℃〜500℃に加熱を行うことを特徴とする転動部品の矯正テンパ方法。
  2. 前記加熱手段が伝熱加熱手段であり、S/V比(転動部品と型との接触面積S及び前記転動部品の体積Vの比)を0.1〜1.0とした請求の範囲第1項に記載の転動部品の矯正テンパ方法。
  3. 前記加熱手段が誘導加熱手段であり、前記 加熱時間である誘導加熱時間を30秒以下とし前記転動 部品に与えられる加工率範囲の下限値を0.2%とし、前 記加工率の上限値δmax(%)を下記の式で定めたこと を特徴とした請求の範囲第1項に記載の転動部品の矯正テンパ方法。
    δmax (%)=K10+K20
    式中、K100.43、K20100.4・αとする。但し、Tは転動部品の最高到達温度(℃)、αは線膨張係数であ る。
  4. 前記S/V比を0.27〜1.0とした請求の範囲第3項に記載の動部品の矯正テンパ方法。
  5. 焼入れ硬化後の円筒状又は環状の転動部品を所望の温度に加熱する加熱源と、前記転動部品の外径面と内径面と両端面とのうちの少なくとも一つを拘束する型とを有する転動部品の矯正テンパ装置において、前記加熱源は誘導加熱装置であり、かつ前記型を温度調節する型温度調整手段を前記誘導加熱装置の加熱コイルの半径方向の外方または軸方向外方のいずれか一方に配したことを特徴とする転動部品の矯正テンパ装置。
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