JPH08267167A - 鋳鉄歯車の製造方法 - Google Patents

鋳鉄歯車の製造方法

Info

Publication number
JPH08267167A
JPH08267167A JP7071751A JP7175195A JPH08267167A JP H08267167 A JPH08267167 A JP H08267167A JP 7071751 A JP7071751 A JP 7071751A JP 7175195 A JP7175195 A JP 7175195A JP H08267167 A JPH08267167 A JP H08267167A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tooth
cast iron
heating
rolling
hot rolling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7071751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3093123B2 (ja
Inventor
Yasuyuki Fujiwara
康之 藤原
Izuru Yamamoto
出 山本
Masazumi Onishi
昌澄 大西
Toshiaki Tanaka
利秋 田中
Yoshinari Tsuchiya
能成 土屋
Atsushi Danno
敦 団野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP07071751A priority Critical patent/JP3093123B2/ja
Priority to US08/617,282 priority patent/US5690756A/en
Priority to DE69621866T priority patent/DE69621866T2/de
Priority to EP96104818A priority patent/EP0735150B1/en
Priority to KR1019960008763A priority patent/KR0183209B1/ko
Publication of JPH08267167A publication Critical patent/JPH08267167A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3093123B2 publication Critical patent/JP3093123B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/32Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for gear wheels, worm wheels, or the like
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21HMAKING PARTICULAR METAL OBJECTS BY ROLLING, e.g. SCREWS, WHEELS, RINGS, BARRELS, BALLS
    • B21H5/00Making gear wheels, racks, spline shafts or worms
    • B21H5/02Making gear wheels, racks, spline shafts or worms with cylindrical outline, e.g. by means of die rolls
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/005Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment of ferrous alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D5/00Heat treatments of cast-iron

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高精度で、かつ鋳鉄の黒鉛粒の露出による強度
低下や焼割れ及び転造割れがなく、したがって高強度
で、しかも生産性良く、低コストで鋳鉄歯車を製造す
る。 【構成】鋳鉄よりなる粗材の歯形成部が少なくともオー
ステナイト化領域となる温度に加熱する加熱工程と、加
熱された粗材の冷却過程中、オーステナイト化領域にあ
る熱間状態の粗材の歯形成部に転造型の突歯型部を強圧
することにより歯部を創成する熱間転造工程とを順に実
施する。塑性変形抵抗の少ない熱間転造加工を利用して
歯部を創成するので、転造割れを防止することができる
とともに黒鉛粒の歯面への露出がほとんどない。熱間転
造により旧γ粒が微細化されるので強靱化するとともに
焼割れ感受性が低下する。熱間転造では加工応力の残留
が少ないので再加熱時において残留応力の開放により精
度が低下することが少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋳鉄歯車の製造方法に関
し、詳しくは熱間転造を利用した鋳鉄歯車の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鋳鉄歯車として、(1)球状
黒鉛鋳鉄よりなる円板状の基部の外周面に、切削加工に
より歯切りをして歯部を創成した後、高周波焼入れ、焼
もどしをして歯面の耐摩耗性及び靱性を確保したもの、
(2)減圧造型法等の精密鋳造法で形成した鋳型のキャ
ビティに球状黒鉛鋳鉄の溶湯を注湯し、固化させ、これ
により基部とともに歯部を創成、鋳造し、その後に転造
ダイスを歯部に押しつけて冷間転造により仕上加工し、
歯部を高精度に仕上げ、さらに高周波焼入れにより歯面
を硬化させたもの(特開昭64−26046号公報参
照)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の鋳
鉄歯車は以下に示すような問題点があった。 (1)歯部を切削加工による歯切りにより形成する場
合、生産性や製造コスト等の面で十分に満足できるもの
ではなく、また鋳鉄の黒鉛粒が歯面に露出し、これが切
欠きとなって応力集中により歯面の強度が低下する。さ
らに、鋳鉄を高周波焼入れする場合、鋳鉄は炭素や珪素
の含有量が鋼に比べて多いため、これらの元素の影響に
より焼割れを生じ易い。
【0004】(2)減圧造型法等の精密鋳造法により歯
部を創成する場合、鋳造コストが高い。また、冷間転造
により表面に塑性変形を生じさせて歯部を仕上加工する
場合、冷間域の鋳鉄(ダクタイルを含む)の変形能は小
さいため転造割れを生じ易く、また冷間転造時に鋳鉄の
黒鉛粒が潰されて歯面に露出するため歯面の強度が低下
する。さらに、このような冷間転造により仕上加工した
製品を高周波焼入れする場合、冷間転造時の残留加工応
力が高周波焼入れ時に開放されるため精度が低下する。
【0005】なお、特開平5−93225号公報には、
球状黒鉛鋳鉄よりなり、基部の外周面に歯部が形成され
た歯車粗形体をオーステナイト化温度領域に加熱し、次
にベイナイト化温度領域に冷却し、この温度に保持して
いる間に転造加工を施して、歯部を温間転造により仕上
げる鋳鉄歯車の製造方法が開示されている。この方法に
よれば、上記(1)及び(2)の問題点を解決できるも
のの、等温変態と温間仕上転造を利用しているため、処
理時間が長く、生産性及びコスト面で不利となる。
【0006】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、高精度で、かつ、鋳鉄の黒鉛粒の露出による強度
低下や焼割れ及び転造割れがなく、したがって高強度
で、しかも生産性良く、低コストで鋳鉄歯車を製造する
ことを解決すべき技術課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の鋳鉄歯車の製造方法は、鋳鉄からなり歯部となる歯
形成部を備えた粗材と、突歯型部を備えた転造型とを用
い、少なくとも該粗材の該歯形成部が少なくともオース
テナイト化領域となる温度に該粗材を加熱する加熱工程
と、加熱された該粗材の冷却過程中、オーステナイト化
領域にある熱間状態の該粗材の歯形成部に該転造型の該
突歯型部を強圧して該歯形成部を転造することにより、
該粗材の該歯形成部に歯部を創成する熱間転造工程とを
順に実施することを特徴とするものである。
【0008】上記熱間転造工程は、歯形成部がオーステ
ナイト・フェライト相の領域である時に転造する形態、
歯形成部が安定オーステナイトの領域である時に転造す
る形態、歯形成部が過冷または準安定オーステナイトの
領域である時に転造する形態、歯形成部がパーライト変
態中において転造を終了する形態のいずれでも良い。な
お、サイジング工程など加工度が小さい場合は、熱間転
造工程は歯形成部がパーライト変態中において転造する
形態が好適である。
【0009】好適な態様において、上記加熱工程では、
上記粗材を粗材の溶融開始温度より10〜160℃低い
温度範囲で保持する。好適な態様において、上記加熱工
程では、上記粗材の歯形成部は、形成する歯部の歯丈の
1.5〜1.8倍に相当する深さまでの範囲がオーステ
イナイト化領域とされるように加熱され、この状態で熱
間転造が行われるとともに、熱間転造工程において、上
記歯形成部に上記歯部の歯丈の90%以上を形成する温
度域を750℃以上とする。
【0010】好適な態様において、加熱工程における加
熱後の冷却過程において、1000〜600℃での冷却
速度を25℃/秒以上とし、次いで600〜400℃で
の冷却速度を10℃/秒以上として、上記歯部の組織を
マルテンサイト主体の組織又はマルテンサイトと微細パ
ーライトとの混合組織とする。好適な態様において、加
熱工程における加熱後の冷却過程において、1000〜
600℃での冷却速度を25℃/秒以上とし、次いで6
00〜400℃での冷却速度を1℃/秒以上、かつ10
℃/秒未満とするか、又は1000〜600℃での冷却
速度を1℃/秒以上、かつ25℃/秒未満として、上記
歯部の組織を微細なパーライト主体の組織又はフェライ
トとパーライトとの混合組織とする。
【0011】好適な態様において、熱間転造工程後に、
オーステナイト生成温度以下で行われる窒化処理、軟窒
化処理及び浸硫窒化処理のうち少なくとも1つの処理を
実施する。
【0012】
【作用】本発明の鋳鉄歯車の製造方法では、少なくとも
粗材の歯形成部が少なくともオーステナイト化領域とな
る温度に該粗材を加熱した後、加熱された粗材の冷却過
程中、オーステナイト化領域にある熱間状態の該粗材の
歯形成部に転造型の突歯型部を強圧して該歯形成部を転
造することにより、該粗材の該歯形成部に歯部を創成す
る。
【0013】このように熱間転造により歯部を創成する
ので、変形能が大きい状態で転造加工を施すことがで
き、転造割れを防止することができるとともに、黒鉛粒
の歯面への露出を極めて小さくでき、黒鉛粒露出の切欠
による強度低下を防止することができる。また、変態点
近傍の温度で塑性変形を利用して歯部を創成するので、
歯面における旧γ粒が微細化される。特に、加工度が大
きく、強度面で重要な歯底面における旧γ粒が一層微細
化される。このように旧γ粒が微細化された表面に焼入
れを施すと、比較的低温でオーステナイト化され、微細
なマルテンサイトの金属組織を得ることができ、高い強
度を有する部品を製造できる。すなわち、本発明方法の
ように熱間転造により歯部を創成すれば、炭素や珪素の
含有量が多く焼割れが生じ易い鋳鉄材に対して、組織の
微細化等により焼割れ感受性を低下させて焼割れの発生
を抑制することができる。
【0014】さらに、熱間転造により歯部を創成するの
で、加工応力が残留することがほとんどない。したがっ
て、再加熱(焼入れ、焼もどし、窒化処理等)時におい
て、残留応力の開放により精度が低下することがほとん
どない。なお、転造加工により歯部を創成するので、切
削加工により歯切りをして歯部を創成する場合と比較し
て、生産性及びコスト面で有利となることは勿論であ
る。
【0015】本発明の鋳鉄歯車の製造方法の加熱工程に
おいて、上記粗材を粗材の溶融開始温度より10〜16
0℃低い温度範囲で保持した場合、温度が高いほどマト
リックスCの拡散速度が速くなることから、粗材の歯形
成部を構成するマトリックスへのC拡散を短時間で行う
ことができる。このため、生産性を向上させることがで
きるとともに、加熱保持時間が長くなって粗材全体に熱
が広がることによる精度低下を抑えることができる。ま
た、粗材の歯形成部を構成するマトリックス中のC%を
所定濃度以上とすることにより、冷却後の硬度を向上さ
せることが可能となる。
【0016】本発明の鋳鉄歯車の製造方法において、上
記加熱工程で、上記粗材の歯形成部は、形成する歯部の
歯丈の1.5〜1.8倍に相当する深さまでの範囲がオ
ーステナイト化領域とされるように加熱され、この状態
で熱間転造が行われるとともに、熱間転造工程におい
て、上記歯形成部に上記歯部の歯丈の90%以上を形成
する温度域を750℃以上とした場合、熱間転造後の歯
面における傷の発生を良好に抑えることができる。オー
ステナイト化領域とする加熱深さHを歯部の歯丈hの
1.5倍より浅くすると、転造歯車歯元部の材料流れが
悪くなって、まくれ込み欠陥が生じ易くなり、歯面にお
ける傷の発生を良好に抑えることができない。一方、上
記加熱深さHを歯部の歯丈hの1.8倍より深くする
と、加熱時間が長くなり生産性が低下するとともに、歯
車精度も低下し易くなる。また、歯形成部に歯部の歯丈
の90%以上を形成する温度域を750℃より低くする
と、材料の変形抵抗が大きく、材料流れも悪くなり、歯
面における傷の発生を良好に抑えることができない。
【0017】本発明の鋳鉄歯車の製造方法において、加
熱工程後の冷却速度については、特に限定されるもので
はないが、以下のような組織となるように冷却速度を設
定することにより特有の作用、効果を奏する。すなわ
ち、加熱工程における加熱後の冷却過程において、10
00〜600℃での冷却速度を25℃/秒以上として、
フェライトやパーライト変態を抑制し、次いで600〜
400℃での冷却速度を10℃/秒以上とする場合、パ
ーライトやベイナイト相の生成を抑制することにより、
後に高周波焼入れ等の焼入れを加えることなく、マルテ
ンサイト主体の組織又はマルテンサイトに微細パーライ
トが一部混合した組織とすることができ、高強度の金属
組織を得ることができる。したがって、鋳鉄に多い焼割
れを回避することができるとともに、生産性及びコスト
面で有利となる。なおこの場合、その後に必要に応じて
適当な温度で焼もどしを施すことにより硬度を調整する
ことができる。なお、鋳鉄の組成や、上記冷却条件の範
囲内でのさらなる細かい冷却条件の調整に応じて、マル
テンサイト主体の組織になるか、あるいはマルテンサイ
トと微細パーライトとの混合組織になるかが決定され
る。そして、マルテンサイトと微細パーライトとの混合
組織とされた場合、この混合組織はマルテンサイト主体
の組織よりも靱性向上を図ることができる。
【0018】また、加熱工程における加熱後の冷却過程
において、1000〜600℃での冷却速度を25℃/
秒以上とし、次いで600〜400℃での冷却速度を1
℃/秒以上、かつ10℃/秒未満とするか、又は100
0〜600℃での冷却速度を1℃/秒以上、かつ25℃
/秒未満として、上記歯部の組織を微細なパーライト主
体の組織又はフェライトとパーライトとの混合組織とし
た場合、マンテンサイト主体の組織よりも高い靱性を有
する歯車が得られるという作用効果を奏する。なお、こ
の場合、熱間転造工程後に高密度エネルギーにより再加
熱後、放冷する焼入工程を実施して高強度化を図ること
が好ましく、高密度エネルギーを用いて再加熱すること
により、短時間で、比較的低い温度でオーステナイトと
なり、これを冷却することによりマルテンサイト組織が
均一に生成されるマルテンパー効果により低歪化と更な
る焼割れ防止を図ることができ、さらに硬さや耐摩耗性
を向上させることができる。また、その後に必要に応じ
て適当な温度で焼もどしを施すことにより硬度を調整す
ることができる。さらに、鋳鉄の組成や、上記冷却条件
の範囲内でのさらなる細かい冷却条件の調整に応じて、
微細なパーライト主体の組織になるか、あるいはフェラ
イトとパーライトとの混合組織になるかが決定される。
そして、微細なパーライト主体の組織と、フェライト及
びパーライトの混合組織とを比較した場合、引張り強度
や耐摩耗性、硬さの点で微細なパーライト主体の組織の
方が有利となる。
【0019】本発明の鋳鉄歯車の製造方法において、熱
間転造工程後に、オーステナイト生成温度以下で行われ
る窒化処理、軟窒化処理及び浸硫窒化処理のうち少なく
とも1つの処理を実施する場合、これらの処理により歯
部の表面に硬化層を形成することができ、耐摩耗性と衝
撃特性を向上させることができる。すなわち、鋳鉄は珪
素を含むため、通常窒化が困難であるが、熱間転造工程
により歯部の表面に酸化膜が形成されており、この酸化
膜の存在により窒化を促進できるので、上記各種の窒化
処理を効果的に施すことが可能となる。なお、窒化処
理、軟窒化処理及び浸硫窒化処理のうち少なくとも1つ
の処理を施す場合、同時に焼もどしの効果も兼ねるた
め、別途焼もどし処理を施す必要がない。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本実施例は、『円筒はすば歯車』を製造する例であ
る。 (実施例1)球状黒鉛鋳鉄(FCD450)を機械加工
して図1に示すような粗材1を準備した。粗材1は中央
孔1aを有する略円筒状をなし、その外周縁付近に上方
に突出するリング状の突部11と、突部11から半径方
向外方に突出する外径φD=270.35mm、幅b=
11mmの歯形成部10とを有している。なお、図1の
斜線で示す歯形成部10の部位が転造部位となる。
【0021】次に、図2に示す誘導加熱コイル装置4を
用い、常温の粗材1を誘導加熱コイル装置4にセットし
た。即ち、図2に示す様に粗材1の中央孔1aにワーク
アーバー41を配置すると共に、加熱コイル40と粗材
1とを同軸的に配置して加熱コイル40の内周部と粗材
1の歯形成部10の外周部とを同軸的に対面させた。そ
して、ワークアーバー41により粗材1を矢印A1方向
に回転させつつ、加熱コイル40に高周波電流を通電し
て、粗材1の外周部である歯形成部10を高周波誘導加
熱した。これにより粗材1の歯形成部10(図2におい
て斜線で示される領域)は、約8.3mmの深さH(こ
の深さHは、製造する歯車の歯丈hの1.5倍に相当す
る)までが約1100℃程度に加熱され、オーステナイ
ト化される。なお誘導加熱条件は適宜選択できるが、電
力:60kW、周波数:10kHz、加熱時間:80秒
とした。この際、粗材1の突部11の内面温度は200
〜400℃程度である。
【0022】次に、図示しないチャック装置のワークア
ーバー51を粗材1の中央孔1aにセットして粗材1を
油圧押し込み式の転造盤6に移した。転造盤6には、図
3に示すように、扇型の補助加熱コイル60が装備され
ており、この補助加熱コイル60と粗材1の歯形成部1
0とを対面させ、転造盤6において転造直前に高周波誘
導加熱により盤内加熱した。この盤内加熱は、主とし
て、粗材1の着脱移動時の温度低下を補充して、粗材1
を上記高周波誘導加熱後と同様の加熱状態とするもので
ある。また、転造盤6は、多数個の突歯型部64a、6
5aを外周部にそって備えた構造のピニオン型の鋼製の
一対のローラーダイス64、65を有している。ローラ
ーダイス64、65は駆動機構により回転駆動される様
になっている。そして、粗材1の冷却過程中、一対のロ
ーラーダイス64、65を矢印E1方向に駆動回転させ
つつ、そのローラーダイス64、65をそれぞれの油圧
シリンダにより矢印F1方向に移動させて互いに接近さ
せた。これによりローラーダイス64、65の突歯型部
64a、65aを粗材1の歯形成部10に押し込んで熱
間転造加工した。この際、粗材1は従動して回る。
【0023】なお、熱間転造開始温度は1000℃、熱
間転造終了温度は600℃程度であり、転造時間は約7
秒である。また、最高加熱温度である1100℃での保
持時間は10秒とした。さらに、熱間転造工程における
加工荷重は40kNである。さらに、1000〜600
℃での冷却速度は50℃/秒、600〜400℃での冷
却速度は平均で2℃/秒となるように設定した。
【0024】上記熱間転造後、粗材1を高周波焼入れし
た。これは、高周波焼入コイルを用い、40kHz、2
00kWの条件で歯部を950〜1100℃(本実施例
では1050℃)の温度に8秒で加熱し、直ちに放冷す
ることにより行った。なお、放冷したのは、自己冷却の
みで充分に所定の硬さが得られるためであり、放冷する
代わりに冷却剤を噴射等することにより冷却してもよ
い。また、加熱温度から500℃までの冷却時間は20
秒以内とし、かつMs点から室温までの冷却時間は30
秒以上とすることにより、焼き割れをより確実に防止す
ることができるので好ましい。
【0025】上記高周波焼入れ後、粗材1を160〜5
60℃程度の温度で3600秒間保持して焼もどしを施
して、本実施例1に係る鋳鉄歯車を製造した。なお、こ
の歯車の諸元は、モジュール:2.5、ねじれ角:0
°、歯数:106枚、歯幅:13mmである。 (評価)上記実施例1の鋳鉄歯車について、静的曲げ試
験、アイゾット衝撃試験及び曲げ疲労試験を行った。静
的曲げ試験は、圧子及びアムスラー型万能機を用いて、
一つの歯が折れるまで圧下することにより行った。ま
た、アイゾット衝撃試験は一つの歯のみを削り出して片
持ちで支持した後、歯先を打撃することにより行った。
また疲労試験は、試験歯を固定し、相手ギアと噛み合わ
せて脈動トルクを付加することにより行った。
【0026】静的曲げ試験の結果を図4に、アイゾット
衝撃試験の結果を図5に、疲労試験の結果を図6にそれ
ぞれ示す。なお、図4〜図6中、○印は実施例1に係る
鋳鉄歯車についての結果を示し、×印は比較のために従
来の鋼を用いて高周波焼入れ・焼もどしを施した同一諸
元(但し、歯幅:9mm)の歯車についての結果を示
す。
【0027】図4〜図6から明らかなように、本実施例
1に係る鋳鉄歯車は、円筒歯車として、静的曲げ試験、
アイゾット衝撃試験及び疲労試験の評価結果がいずれも
満足できるものであった。また、本実施例において、粗
材1の歯形成部10の金属組織を示す写真(50倍、ノ
ーエッチ)を図7に、熱間転造終了後の歯底の金属組織
を示す写真(50倍、ノーエッチ)を図8に、同じく熱
間転造終了後の歯底近傍の金属組織を示す写真(400
倍、ナイタル)を図9にそれぞれ示す。
【0028】図7〜図9から明らかなように、熱間転造
することにより、歯底表面においては球状の黒鉛粒が偏
平状に潰されており、また1000〜600℃での冷却
速度を25℃/秒以上(本実施例1では50℃/秒)と
するとともに、600〜400℃での冷却速度を10℃
/秒未満、かつ1℃/秒以上(本実施例では平均2℃/
秒)とすることにより、熱間転造終了後の歯底近傍の金
属組織は微細なパーライト主体の組織となっていた。な
お、1000℃〜600℃での冷却速度を1℃/秒以上
かつ25℃/秒未満とするとともに、600℃〜400
℃での冷却速度を10℃/秒未満とした場合には、熱間
転造後の歯部組織はフェライトとパーライトとの混合組
織となっていた。
【0029】さらに、上記実施例1において、熱間転造
後の歯部を観察したところ、いずれも転造割れは発生し
ていなかった。また、高周波焼入れ後の歯部を観察した
ところ、焼割れは発生していなかった。さらに、上記実
施例1に係る鋳鉄歯車について、歯車精度を評価した結
果、JIS等級で6級に納まっていた。
【0030】(実施例2)上記実施例1と同様の粗材1
及び同一諸元の転造型を用い、加熱工程の加熱条件を実
施例1と同様にして熱間転造を行った。但し、本実施例
2では、1000〜600℃での冷却速度は50℃/秒
と実施例1と同様であるが、600〜400℃での冷却
速度は自己冷却のみでは10℃/秒未満のため水噴射を
加味することにより25℃/秒となるように設定し、転
造、冷却後で充分マルテンサイト主体の焼入組織となる
ようにした。
【0031】その後、実施例1と同様に焼もどしを施し
て、本実施例2に係る鋳鉄歯車を製造した。なお、この
歯車について、強度評価を行ったところ、実施例1と同
様の結果が得られた。また、熱間転造終了後の歯底の金
属組織を示す写真(400倍、ナイタル)を図10に示
す。図10から明らかなように、1000〜600℃で
の冷却速度を25℃/秒以上(本実施例2では50℃/
秒)、600〜400℃での冷却速度を10℃/秒以上
(本実施例2では25℃/秒)とすることにより、熱間
転造後終了後の歯底の金属組織はマルテンサイト主体の
組織となっていた。
【0032】(実施例3)上記実施例1と同様の粗材1
を用い、加熱工程における誘導加熱条件を電力:50k
W、周波数:10kHz、加熱時間:100秒とし、粗
材1の歯形成部10の約9.5mmの深さH(この深さ
Hは、製造する歯車の歯丈hの1.7倍に相当する)ま
でを約1100℃程度に加熱後、熱間転造加工を施し
た。
【0033】なお、熱間転造開始温度は1000℃、熱
間転造終了温度は700℃程度であり、転造時間は約8
秒である。また、熱間転造工程における加工荷重は30
kNである。さらに、最高加熱温度である1100℃で
の保持時間は20秒とした。さらに、1000〜700
℃での冷却速度は、自己冷却とローラーダイス64、6
5による冷却によって40℃/秒となるように設定し
た。続いて、700〜600℃での冷却速度は30℃/
秒、続く600〜400℃での冷却速度は8℃/秒とな
るように水噴射を行い、その後水の噴射を中止して40
0℃〜室温での冷却速度を平均で1.5℃/秒とするこ
とにより、マルテンサイトと微細パーライトとが混在し
た平均硬さHv(20kgf)400の混合組織組織の
歯車を得た。
【0034】なお、この歯車は、焼もどし工程なしでも
高い強度を示し、500℃で焼もどしを施す実施例1の
ものと同一水準であった。また、熱間転造終了後の歯底
の金属組織を示す写真(400倍、ナイタル)を図11
に示す。図11から明らかなように、1000〜600
℃での冷却速度を25℃/秒以上(本実施例3では40
℃/秒、30℃/秒)、600〜400℃での冷却速度
を1℃/秒以上10℃/秒未満(本実施例3では8℃/
秒)とすることにより、熱間転造後終了後の歯底の金属
組織はマルテンサイトと微細パーライトとの混合組織と
なっていた。
【0035】(実施例4)球状黒鉛鋳鉄(FCD50
0)を機械加工して実施例1と同様の粗材1を準備し
た。なお、この粗材1の溶融開始温度は1160℃であ
る。そして実施例1と同様の誘導加熱コイル装置4を用
い、図12に示すように、30〜35秒(本実施例では
30秒)かけて粗材1の歯形成部10の約11mmの深
さH(この深さHは、製造する歯車の歯丈hの1.6倍
に相当する)までが1000〜1150℃(本実施例で
は1070℃)に加熱されるように粗材1を加熱し、こ
の温度で10秒間保持した。なお誘導加熱条件は適宜選
択できるが、電力:70kW、周波数:10kHzとし
た。これにより、粗材1の歯形成部10を構成するマト
リックスのC%を0.8%とした。
【0036】次に、実施例1と同様の転造盤6を用い、
粗材1の冷却過程中、粗材1の歯形成部10を熱間転造
加工して、本実施例に係る鋳鉄歯車を製造した。なお、
熱間転造開始温度は900〜1100℃(本実施例では
950℃)、歯丈の90%を成形するローラ押し込み終
了温度は800℃、サイジング終了となる転造終了温度
は380〜430℃(本実施例では400℃)であり、
転造時間は約15秒である。また、熱間転造工程におけ
る加工荷重は40kNである。このとき、950〜60
0℃での冷却速度は40℃/秒、600〜400℃での
冷却速度は10℃/秒、400℃〜室温での冷却速度は
2℃/秒とした。さらに、この歯車の諸元は、外径:φ
183.6、はす歯ねじれ角:30°、モジュール:
2.4、全歯丈:6.713とした。
【0037】上記歯車の硬度を測定したところ、歯部全
体はHv450であり、またその組織を観察したとこ
ろ、マルテンサイトと微細パーライトとの混合組織であ
った。したがって、熱間転造後に再加熱して別途焼入れ
処理を施すことなく、十分な硬度を得ることができた。 (加熱保持温度とC拡散量及び冷却後の硬さとの関係)
加熱工程時の加熱温度及びその温度における保持時間
は、マトリックス中のC%、ひいては冷却後の硬度に影
響し、マトリックス中のC%ができるだけ短時間で0.
4%以上となるように加熱温度及び加熱保持時間を設定
することが好ましい。なお、マトリックス中のC%が
0.4%未満では冷却中のパーライト変態やフェライト
変態が生じ易く、焼入れ硬さも高いものが得られにく
い。加熱工程時におけるCのマトリックス中への拡散速
度は、温度が高い方が速い。また、加熱工程時における
温度が低過ぎると、加熱時間が長くなり生産性が低下す
るとともに粗材1全体に熱が広がり精度低下につなが
る。このため、できる限り加熱保持時間を60秒以内の
短時間とすることができるように、加熱温度を設定する
が好ましい。実験により、加熱保持温度を1000℃以
上とすることにより、60秒以下の保持時間でマトリッ
クス中のC%を0.4%以上とすることができることを
確認している。とくに、加熱保持温度を1050℃以上
とした場合には、数秒〜30秒の保持時間でマトリック
ス中のC%を0.4%以上とすることができ、また溶融
開始温度である1160℃より10℃低い1150℃と
した場合には、保持時間0秒でもマトリックス中のC%
を0.4%以上とすることができる。さらに、加熱保持
温度を1100℃以上とすれば、数秒〜15秒でマトリ
ックス中のC%を0.4%以上とすることができ、そし
て1000〜600℃での冷却速度が25℃/秒でも加
工度によっては充分マルテンサイト主体の組織として所
定の硬さを得ることができるので、好ましい。なお、加
熱保持温度を粗材1の溶融開始温度より10度低い温度
より高くすると、粗材1の溶融が起こるおそれがあり、
望ましくない。さらに、上記の加熱温度と、その温度に
応じた保持時間を越えると、粗材1に局部的な溶融が開
始するので好ましくない。また、高温加熱のため、強度
低下が考えられるが、実験の結果、図4〜図6に示す如
く強度低下は認められなかった。これは、熱間転造加工
により、γ粒がつぶされて変態後の粒が微細であるため
と考えられる。
【0038】上記実施例4において、加熱保持温度を1
100〜1140℃の範囲で変更し、かつ、加熱保持時
間を0〜60秒の範囲で局部的な溶融が生じない条件下
で変更して、マトリックス中のC%と冷却中に施した加
工の加工度を変化させて成形した場合について、それぞ
れ硬度を測定した。なお、加熱工程後の冷却過程中の、
冷却速度を1000〜600℃では20℃/秒とし、6
00〜400℃でも20℃/秒とした。その結果を図1
3に示す。
【0039】図13から明らかなように、加工度により
硬度は異なるが、加熱温度と保持時間をコントロールす
ることにより、冷却後の硬さをHv250〜600の範
囲で制御可能である。また、1000〜600℃での冷
却速度を25℃/秒に上げることにより、加工度60%
においても、さらに硬度がHv400まで上昇すること
を確認している。
【0040】(実施例5)上記実施例1において、熱間
転造工程後、焼入れ、焼もどしをする代わりに窒化処理
を施して、本実施例の鋳鉄歯車とした。窒化処理の条件
は適宜選択できるが、例えば、イオン窒化で、温度:5
20〜580℃、時間が:80〜240分、減圧度:
0.01〜10torr、雰囲気:窒素とアンモニアガ
スの混合、プラズマ電流:6〜10A、化合物層の厚み
が:0〜35μm、表面硬さ:Hv450〜950であ
る。
【0041】本実施例では、イオン窒化で温度:560
℃、時間:180分、減圧度:0.1torr、雰囲
気:窒素とアンモニアガスの混合、プラズマ電流:8A
として、厚み:18μmの化合物層を形成し、表面硬
さ:Hv860とした。 (実施例6)上記実施例1において、熱間転造工程後、
焼入れ、焼もどしをする代わりに軟窒化処理を施して、
本実施例の鋳鉄歯車とした。
【0042】軟窒化処理の条件は適宜選択できるが、例
えば、連続処理炉を用いるガス軟窒化で、温度:560
〜580℃、時間:180〜240分、雰囲気:窒素と
アンモニアとプロパンガスの混合、露点:−5〜+15
℃、化合物層の厚み:15〜40μm、表面硬さ:Hv
550〜1000である。本実施例では、ガス軟窒化
で、温度:580℃、時間:180分、雰囲気:窒素と
アンモニアとプロパンガスの混合、露点:+5℃とし
て、厚み:22μmの化合物層を形成し、表面硬さ:H
v735とした。
【0043】(実施例7)上記実施例1において、熱間
転造工程後、焼入れ、焼もどしをする代わりにショット
ピーニング処理を施して、本実施例の鋳鉄歯車とした。
ショットピーニング処理の条件は適宜選択できるが、エ
アノズルタイプの場合には、ノズル径:φ7〜9mm、
ショット回数:1〜2回、ショット粒径:φ0.3〜
0.8mm、ショット粒の硬さ:Hv500〜720、
エア圧:2〜5kg/cm2 、ショット時間:15〜3
0秒、アークハイト:0.4〜0.7mmであり、これ
により圧縮残留応力は50〜140kgf/mm2 にで
きる。本実施例では、ノズル径:φ8mm、ショット回
数:1回、ショット粒径:φ0.3mm、ショット粒の
硬さ:Hv700、エア圧:4kg/cm2 、ショット
時間:30秒、アークハイト:0.6mmとし、これに
より圧縮残留応力を90kgf/mm2 とした。
【0044】(実施例8)上記実施例1において、熱間
転造工程後、焼入れ、焼もどしをする代わりに浸硫窒化
処理を施して、本実施例の鋳鉄歯車とした。浸硫窒化処
理の条件は適宜選択できるが、例えば、温度が550〜
580℃、時間が180〜480分、雰囲気:窒素とア
ンモニアと硫化水素の混合、化合物層の厚み:10〜2
0μm、窒素の拡散層の深さ:0.2〜0.4mm、表
面硬さ:Hv650〜900である。
【0045】本実施例では、温度:580℃、時間:2
40分、雰囲気:窒素とアンモニアと硫化水素の混合と
し、化合物層の厚み:15μm、窒素の拡散層の深さ:
0.2mmとして表面硬さ:Hv750とした。なお、
上記実施例6〜8の各処理は、実施例3において、熱間
転造工程後に焼もどしをする代わりに、また実施例2に
おいて熱間転造工程後に焼もどしを兼ねた処理として、
それぞれの処理を施すことが可能である。
【0046】(実施例9)上記実施例1において、熱間
転造工程後、焼入れ、焼もどしをする代わりに、適当な
温度範囲で歯部に仕上転造処理を施して、本実施例の鋳
鉄歯車とした。この仕上げ転造処理の条件は適宜選択で
きるが、例えば、処理温度:600〜300℃、転造時
間:2〜20秒、転造時の加工荷重:10〜40kNと
することができる。
【0047】本実施例では、500〜350℃まで10
秒間、転造時の加工荷重:25kNとして、仕上げ転造
(歯面に30μmの圧下)を施した。これにより、歯面
精度をJIS等級で1級向上させることができた。な
お、この仕上げ転造処理は、冷間で行うことも勿論可能
である。 (実施例10)上記実施例1において、加熱工程時の誘
導加熱条件を電力:60kW、周波数:10kHzとし
て、粗材1の溶融開始温度直下(1050〜1140
℃、本実施例では1070℃)の温度域まで高周波加熱
した後、その温度で0秒(保持なし)〜30秒保持する
ことにより、その加熱深さの変化が転造欠陥に及ぼす影
響を調べた。
【0048】すなわち、図14に示すように、ブランク
外径(図1に示す外径φDのこと)からのオーステナイ
ト化域(図14に斜線で示す部分)にある深さを加熱深
さHとして、(加熱深さH)/(歯丈h)の値を1.2
〜2.0の範囲で種々変更し、また歯丈の90%成形終
了時の温度を600〜900℃の範囲で種々変更して、
熱間転造後の歯面の傷の程度を調べた。その結果を図1
5に示す。
【0049】図15から明らかなように、H/hの値が
1.5〜1.8の範囲にあり、かつ、歯丈の90%成形
終了時の温度が750〜900℃の範囲にある場合に、
歯面の傷の深さKが0.05mm以下となり良好であっ
た。このような結果となったのは、図15に示す如く従
来の鋼の場合の適正条件に比べて、鋳鉄の成形性が劣っ
たためと考えられる。なお、H/hの値が1.8を越え
る場合は、加熱時間が2.5分以上と長く、歯車精度の
低下も大きくなるため好ましくない。また、H/hの値
が2.0を越えると精度が極端に低下する。
【0050】(実施例11)鋳鉄材料と加工度との関係
を調べるために、下記のような実験を行った。長さ:9
5mm、幅:10mm、厚さT:15mmのFC230
(片状黒鉛鋳鉄)よりなる試験片No.1と、同一形状
寸法のFCD500(球状黒鉛鋳鉄)よりなる試験片N
o.2とを準備した。図16に示すように、歯車の歯元
形状を模擬した高さ1.8mmの突起71を有するプレ
ス型7を用い、高周波加熱温度:1150℃(昇温時間
40秒で保持は0秒)、加工時の温度:900℃とし、
加工度を種々変更しながら、各試験片をプレス加工し
た。このとき、1000〜600℃での冷却速度は10
℃/秒とした。
【0051】下式で示される加工度と割れの発生状況と
の関係を調べた。その結果を図17に示す。なお、tは
加工後の試験片の厚さである。また、図17中、○印は
割れが発生しなかったこと、△印は割れが少し発生した
こと、×印は多くの割れが発生したことを示す。 (加工度)={(T−t)/T}×100(%) T:加工前の試験片の厚さ、t:加工後の試験片の厚さ 図17から明らかなように、片状黒鉛鋳鉄においては、
球状黒鉛鋳鉄と比べて熱間加工時の割れの発生を生じな
い加工度は低いが、ある程度の加工は可能なことがわか
る。この結果から、黒鉛形状が芋虫状であるバーミキュ
ラー黒鉛鋳鉄についても、適正な加工度を選択すれば当
然適用可能であると判断される。
【0052】(実施例12)FCD500(球状黒鉛鋳
鉄)素材を1150℃に高周波加熱(昇温時間40秒で
保持は0秒)した後、1000〜600℃での冷却速度
を10℃/秒とし、次いで600℃〜室温での冷却速度
を2℃/秒として室温まで冷却して、微細なパーライト
主体の組織でHv250とした試験片を製作した。そし
て、上記実施例11と同様に熱間プレス加工することに
より、歯形の歯元を模擬したVノッチ溝を設け、加工度
が30%と50%(これは平行部での値で、Vノッチ底
では45%と65%となる)の2種類の強度評価用切欠
試験片とした。なお、Vノッチ溝の深さは4.3mm
(平行部は5.2mm)、幅は10mmとした。また、
比較のために加工度0%の試験片(切削でVノッチ溝を
削り出したもの)も準備した。
【0053】これらの強度評価用切欠試験片を高周波誘
導加熱により1050℃まで30秒で昇温後、900℃
で油入れし、300〜600℃の範囲で焼もどしを行っ
て硬さを約Hv300〜550の範囲に変化させたもの
について、Vノッチ底部を破壊起点とする曲げ試験、衝
撃試験及び曲げ疲労試験を行った。曲げ強度を図18
に、衝撃値を図19に、曲げ疲労強度を図20にそれぞ
れ示す。なお、図18〜図20において、○印は加工度
0%の結果を、□印は加工度30%の結果を、△印は加
工度50%の結果をそれぞれ示す。
【0054】図18〜図20から明らかなように、加工
度が50%の試験片は、曲げ強度の低下が見られるが、
強度上重要な衝撃値と曲げ疲労強度に及ぼす加工度の影
響は見られなかった。このことは、鋳鉄の熱間加工・熱
処理条件を選択すれば、熱間鍛造等の塑性加工において
も、歯車状部品やその他の部品の製造が可能となること
を示すものである。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の鋳鉄歯車の
製造方法は、転造時の塑性抵抗が小さい熱間転造を利用
して歯部を創成するものであるから、高精度で、かつ、
鋳鉄の黒鉛粒の露出による強度低下や焼割れ及び転造割
れがなく、したがって高強度で、しかも生産性良く、低
コストで鋳鉄歯車を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例で用いた粗材の部分側面図である。
【図2】加熱工程において粗材の歯形成部を誘導加熱し
ている状態の構成図である。
【図3】一対のダイスを備えた転造盤を概略して示す構
成図である。
【図4】本実施例1に係る鋳鉄歯車について、静的曲げ
試験結果を示すグラフである。
【図5】本実施例1に係る鋳鉄歯車について、アイゾッ
ト衝撃試験結果を示すグラフである。
【図6】本実施例1に係る鋳鉄歯車について、曲げ疲労
試験結果を示すグラフである。
【図7】本実施例1に係り、粗材の歯形成部の金属組織
を示す写真(50倍、ノーエッチ)である。
【図8】本実施例1に係り、熱間転造終了後の歯底の金
属組織を示す写真(50倍、ノーエッチ)である。
【図9】本実施例1に係り、熱間転造終了後の歯底の金
属組織を示す写真(400倍、ナイタル腐食)である。
【図10】本実施例2に係り、熱間転造終了後の歯底の
金属組織を示す写真(200倍、ナイタル)である。
【図11】本実施例3に係り、熱間転造終了後の歯底の
金属組織を示す写真(200倍、ナイタル)である。
【図12】本実施例4の製造方法における温度履歴を示
す図である。
【図13】本実施例4に係り、加熱温度及び加熱保持時
間と、冷却後の硬さとの関係を示すグラフである。
【図14】本実施例10に係り、加熱深さHと歯丈hと
の関係を示す説明図である。
【図15】本実施例10に係り、加熱深さH/歯丈hの
値、及び歯丈の90%成形終了時の温度と傷の深さとの
関係を示す図である。
【図16】本実施例11に係り、加工度と割れの発生状
況を調べる様子を示す説明図である。
【図17】本実施例11に係り、加工度と割れの発生状
況を示す図である。
【図18】本実施例11に係り、曲げ試験結果を示すグ
ラフである。
【図19】本実施例11に係り、衝撃試験結果を示すグ
ラフである。
【図20】本実施例11に係り、曲げ疲労試験結果を示
すグラフである。
【符号の説明】
図中、1は粗材、10は歯形成部、64、65はローラ
ーダイス、64a、65aは突歯型部である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 出 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大西 昌澄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 田中 利秋 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 土屋 能成 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 団野 敦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳鉄からなり歯部となる歯形成部を備えた
    粗材と、突歯型部を備えた転造型とを用い、 少なくとも該粗材の該歯形成部が少なくともオーステナ
    イト化領域となる温度に該粗材を加熱する加熱工程と、 加熱された該粗材の冷却過程中、オーステナイト化領域
    にある熱間状態の該粗材の歯形成部に該転造型の該突歯
    型部を強圧して該歯形成部を転造することにより、該粗
    材の該歯形成部に歯部を創成する熱間転造工程とを順に
    実施することを特徴とする鋳鉄歯車の製造方法。
  2. 【請求項2】加熱工程において、上記粗材を粗材の溶融
    開始温度より10〜160℃低い温度範囲で保持するこ
    とを特徴とする請求項1記載の鋳鉄歯車の製造方法。
  3. 【請求項3】加熱工程において、上記粗材の歯形成部
    は、形成する歯部の歯丈の1.5〜1.8倍に相当する
    深さまでの範囲がオーステイナイト化領域とされるよう
    に加熱され、この状態で熱間転造が行われるとともに、
    熱間転造工程において、上記歯形成部に上記歯部の歯丈
    の90%以上を形成する温度域を750℃以上としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の鋳鉄歯車の製造方法。
  4. 【請求項4】加熱工程における加熱後の冷却過程におい
    て、1000〜600℃での冷却速度を25℃/秒以上
    とし、次いで600〜400℃での冷却速度を10℃/
    秒以上として、上記歯部の組織をマルテンサイト主体の
    組織又はマルテンサイトと微細パーライトとの混合組織
    としたことを特徴とする請求項1記載の鋳鉄歯車の製造
    方法。
  5. 【請求項5】加熱工程における加熱後の冷却過程におい
    て、1000〜600℃での冷却速度を25℃/秒以上
    とし、次いで600〜400℃での冷却速度を1℃/秒
    以上、かつ10℃/秒未満とするか、又は1000〜6
    00℃での冷却速度を1℃/秒以上、かつ25℃/秒未
    満として、上記歯部の組織を微細なパーライト主体の組
    織又はフェライトとパーライトとの混合組織としたこと
    を特徴とする請求項1記載の鋳鉄歯車の製造方法。
  6. 【請求項6】熱間転造工程後に、オーステナイト生成温
    度以下で行われる窒化処理、軟窒化処理及び浸硫窒化処
    理のうち少なくとも1つの処理を実施することを特徴と
    する請求項1記載の鋳鉄歯車の製造方法。
JP07071751A 1995-03-29 1995-03-29 鋳鉄歯車の製造方法 Expired - Lifetime JP3093123B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07071751A JP3093123B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 鋳鉄歯車の製造方法
US08/617,282 US5690756A (en) 1995-03-29 1996-03-18 Method for producing cast iron gear
DE69621866T DE69621866T2 (de) 1995-03-29 1996-03-26 Verfahren zur Herstellung eines Zahnrad aus Gusseisen
EP96104818A EP0735150B1 (en) 1995-03-29 1996-03-26 Method for producing cast iron gear
KR1019960008763A KR0183209B1 (ko) 1995-03-29 1996-03-28 주철기어의 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07071751A JP3093123B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 鋳鉄歯車の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08267167A true JPH08267167A (ja) 1996-10-15
JP3093123B2 JP3093123B2 (ja) 2000-10-03

Family

ID=13469556

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07071751A Expired - Lifetime JP3093123B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 鋳鉄歯車の製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5690756A (ja)
EP (1) EP0735150B1 (ja)
JP (1) JP3093123B2 (ja)
KR (1) KR0183209B1 (ja)
DE (1) DE69621866T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092212A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Nippon Techno:Kk ねじ軸及びその製造方法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1348770A1 (en) * 2002-03-19 2003-10-01 E.C.O. Trading LLC Plant and procedure for the production of small parts in hot formed steel
US7125490B2 (en) * 2003-05-29 2006-10-24 Porex Corporation Porous filter
US20050064095A1 (en) * 2003-09-19 2005-03-24 Deere & Company, A Delaware Corporation Method for applying wear and corrosion resistant coating to cast iron
DE102010003478A1 (de) 2010-03-30 2011-10-06 Robert Bosch Gmbh Verfahren sowie Vorrichtung zur Herstellung eines Leichtbauzahnrades
KR101845409B1 (ko) 2012-05-25 2018-04-05 현대자동차주식회사 초고강도 부품의 고주파 열처리방법 및 이에 따른 초고강도 부품
CN105195653A (zh) * 2015-11-03 2015-12-30 北京科技大学 一种大模数大直径圆柱齿轮热轧成形的方法和装置
CN112935737A (zh) * 2021-03-25 2021-06-11 上齿集团有限公司 一种新型螺旋锥齿轮干切齿方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60162726A (ja) * 1984-02-02 1985-08-24 Toyota Motor Corp フライホイ−ルのリングギヤ歯部表面硬化方法
JPS62127425A (ja) * 1985-11-26 1987-06-09 Honda Motor Co Ltd 高周波焼入歯車の製造方法
JPS62282766A (ja) * 1986-02-18 1987-12-08 Hitachi Metals Ltd 複合ギヤの製造方法
JPS6426046A (en) * 1987-02-06 1989-01-27 Hitachi Metals Ltd Flywheel gear and its manufacture
US5082507A (en) * 1990-10-26 1992-01-21 Curry Gregory T Austempered ductile iron gear and method of making it
JPH0593225A (ja) * 1991-09-30 1993-04-16 Nissan Motor Co Ltd 鋳鉄歯車の製造方法
US5221513A (en) * 1992-01-31 1993-06-22 The Penn State Research Foundation Apparatus and method for net shape finishing of gears
JP3309344B2 (ja) * 1993-05-26 2002-07-29 日鍛バルブ株式会社 センタ穴付き歯車の製造方法
DE4323167C1 (de) 1993-07-10 1994-05-19 Leifeld Gmbh & Co Verfahren zum Herstellen eines Hohlkörpers aus Stahl mit einer Innen- und/oder Außenprofilierung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092212A (ja) * 2011-10-26 2013-05-16 Nippon Techno:Kk ねじ軸及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
DE69621866D1 (de) 2002-07-25
KR960034437A (ko) 1996-10-22
JP3093123B2 (ja) 2000-10-03
US5690756A (en) 1997-11-25
EP0735150B1 (en) 2002-06-19
EP0735150A2 (en) 1996-10-02
KR0183209B1 (ko) 1999-04-01
EP0735150A3 (en) 1997-05-28
DE69621866T2 (de) 2003-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5299140B2 (ja) ショットピーニング用投射材の材料、及びショットピーニング用投射材の製造方法
JP2012214900A (ja) 機械部品の製造方法
CN104981556A (zh) 软氮化高频淬火钢部件
JP5640931B2 (ja) 加工性及び焼入性に優れた中炭素冷延鋼板とその製造方法
JP6461478B2 (ja) 高周波焼入れ歯車及び歯車の高周波焼入れ方法
JP2007131907A (ja) 冷間加工性に優れる高周波焼入れ用鋼及びその製造方法
WO2019244503A1 (ja) 機械部品
CN105102659B (zh) 氮化处理用钢板及其制造方法
EP2006398A1 (en) Process for producing steel material
JP3093123B2 (ja) 鋳鉄歯車の製造方法
JPH07112231A (ja) 焼結歯車の製造方法
JP4500246B2 (ja) 機械構造部材用鋼管およびその製造方法
JP5405325B2 (ja) 差動歯車およびその製造方法
JP3550886B2 (ja) 被削性および疲労強度に優れた高周波焼入用の歯車用鋼材の製造方法
JP4061003B2 (ja) 高周波焼入れ性と冷鍛性に優れた冷間鍛造用棒線材
JPH10147814A (ja) 熱処理歪みの少ない肌焼鋼製品の製法
JP3508943B2 (ja) アルミ鍛造金型用鋼
JPH09314276A (ja) 高強度ステンレスボルトの製造方法
JP4778626B2 (ja) 熱処理歪の少ない鋼部品の製造方法
JP4502892B2 (ja) 被削性に優れたピニオン用高周波焼入れ用鋼及びその製造方法、並びに曲げ疲労特性に優れたピニオン
JPWO2020144830A1 (ja) 機械部品及び機械部品の製造方法
JPH02240249A (ja) 熱処理歪の少ない浸炭部品の製造方法
JP2005002366A (ja) 冷間加工性に優れた高硬度高周波焼入れ用鋼
JP3109146B2 (ja) 低歪高強度部材の製造方法
JPH08291362A (ja) 冷間加工性に優れた鋼材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080728

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080728

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090728

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100728

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110728

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120728

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130728

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term