JP2003055713A - 薄肉中空部品の高周波熱処理方法 - Google Patents

薄肉中空部品の高周波熱処理方法

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JP2003055713A
JP2003055713A JP2001243197A JP2001243197A JP2003055713A JP 2003055713 A JP2003055713 A JP 2003055713A JP 2001243197 A JP2001243197 A JP 2001243197A JP 2001243197 A JP2001243197 A JP 2001243197A JP 2003055713 A JP2003055713 A JP 2003055713A
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quenching
cooling
hollow
tempering
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Application number
JP2001243197A
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English (en)
Inventor
Seiichi Sawatsubashi
精一 沢津橋
Hideaki Katanuma
秀明 片沼
Takayuki Onozawa
隆幸 小野澤
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DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼入冷却液及び焼戻冷却液を使用して熱処理
することによる不具合を解消し得て、良好な熱処理品質
を得ることができるような薄肉中空部品の高周波熱処理
方法を提供する。 【解決手段】 薄肉中空部品1の薄肉部4aを高周波誘
導加熱コイル21にて所要の焼入温度に高周波誘導加熱
した後に、前記薄肉部4aにエアー又はガスを噴射して
前記薄肉部4aを冷却することにより、前記薄肉部4a
の表面を焼入処理する焼入工程と、焼入工程の後に前記
薄肉部4aを前記高周波誘導加熱コイル21にて所要の
焼戻温度に高周波誘導加熱し、次いで前記薄肉部4aに
エアー又はガスを噴射して前記薄肉部4aを冷却するこ
とにより、前記薄肉部4aを焼戻処理する焼戻工程とを
順次に施行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空部を有する薄
肉中空部品の薄肉部を熱処理(焼入処理及び焼戻処理)
するための高周波熱処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車部品に関しては、製造コス
トの低減を図るために材料としてダクタイル鋳鉄を用い
ることが増える傾向にある。一方、嵌合部品(相手部
品)との耐摩耗性の向上を目的として部品の一部分の嵌
合部のみを焼入(いわゆる部分焼入)する手段として、
高周波誘導加熱コイルを用いた高周波焼入が採用される
場合が多いのが実状である。
【0003】ところで、ダクタイル鋳鉄における母材組
織のパーライト化率が小さい鋳鉄(材料)に高周波焼入
を施す場合には、焼入温度を高温の1000℃〜105
0℃に設定して焼入処理を行なっている。このように焼
入温度を高温に設定する理由は、パーライト量の少ない
母材をオーステナイト化するためには、焼入温度を高く
することによって、パーライトの均一な拡散を行なう必
要があるからである。しかし、融点の低い鋳鉄に関して
は、焼入温度を高くすると、表面の酸化や脱炭が進行し
たり、溶解が生じるという不具合があるので、被処理物
である球状黒鉛鋳鉄や母材組織のパーライト化率の小さ
い鋳鉄に高周波焼入を施す場合には、母材組織のパーラ
イト化率を向上させてからこの被処理物を高周波焼入す
るようにしている。
【0004】図4は、ダクタイル鋳鉄等から成る自動車
部品の一種である薄肉中空部品1(図5及び図6参照)
を高周波焼入するために従来より用いられている高周波
焼入装置2を示すものである。高周波焼入装置2により
焼入処理される薄肉中空部品1は、例えば、図5及び図
6に示すように、本体部3と、この本体部3に一体成形
された円筒部4と、この円筒部4及び本体部3に形成さ
れた中空部5とを有しており、円筒部4においては薄肉
部6によって中空部5が取り囲まれた形状となされてい
る。なお、この場合には、特定の部分(例えば、相手部
材に嵌合される部分)、すなわち本体部3に対する円筒
部4の付け根部分における薄肉部4aの外周表面αが焼
入すべき箇所であり、この外周表面αが高周波焼入装置
2によって高周波誘導加熱された後に急冷(焼入冷却)
されるようになっている。
【0005】ここで、従来の高周波焼入装置2の構成に
ついて簡単に述べると、次の通りである。まず、高周波
焼入装置2は、図4に示すように、高周波誘導加熱コイ
ル10と、この高周波誘導加熱コイル10に高周波電力
を供給する高周波電源11と、焼入対象物(ワーク)で
ある薄肉中空部品1の中空部5内に挿入配置される内周
冷却用ジャケット12と、上述の高周波誘導加熱コイル
10及び内周冷却用ジャケット12の各々に焼入冷却液
を供給する焼入冷却液供給機構13とから構成されてい
る。
【0006】高周波誘導加熱コイル10は、図4に示す
ように、リング形状の1巻き(1ターン)のコイル本体
から成るコイル頭部14と、このコイル頭部14の両端
にそれぞれ接続されたコイルリード部15a,15b
と、コイル頭部14の両端間及びコイルリード部15
a,15b間に介在された絶縁板16とから構成されて
いる。上述のコイル頭部14は、図5に示す如く中空部
17を有する断面矩形のパイプ材から構成されており、
その外周壁14aには、図4に示すように、焼入冷却液
供給機構13から焼入冷却液を中空部17内に導入する
ためのインレットパイプ18a,18bが取付けられる
と共に、コイル頭部14の内周壁14bには、図5に示
すように、複数の焼入冷却液噴射孔19aが形成されて
いる。かくして、コイルリード部15a,15bに高周
波電源11が接続されると共に、インレットパイプ18
a,18bに焼入冷却液供給機構13が連結されてい
る。従って、高周波誘導加熱コイル10は、焼入冷却用
ジャケットとして兼用されるようになっている。
【0007】また、内周冷却用ジャケット12は、図5
に示す如く、薄肉中空部品1の中空部5よりも小径の有
底円筒形状のパイプ部材から成り、その下端側の周壁箇
所には複数の焼入冷却液噴射孔19bが形成されてい
る。そして、内周冷却用ジャケット12の上端部は、上
述の焼入冷却液供給機構13に連結されている。
【0008】このような高周波焼入装置2を用いて薄肉
中空部品1の焼入処理を行なうに際しては、まず、図5
に示すように、薄肉中空部品1の円筒部4の付け根部分
の薄肉部4aを高周波誘導加熱コイル10のリング形状
のコイル頭部14の中に同軸状に挿入配置すると共に、
薄肉中空部品1の中空部5内に内周冷却用ジャケット1
2を挿入して同軸状に配置し、薄肉中空部品1をその軸
線を中心に回転駆動する。次いで、高周波電源11から
高周波誘導加熱コイル10に所要の高周波電力を供給し
て高周波誘導加熱コイル10に高周波電流を流し、これ
により前記円筒部4の付け根部分の薄肉部4aをコイル
頭部14に流れる高周波電流にてその外周表面側から高
周波誘導加熱する。そして、前記薄肉部4aが所要の焼
入温度に達した時点で高周波電源11から高周波誘導加
熱コイル10への電力の供給を遮断する。しかる後に、
焼入冷却液供給機構13からインレットパイプ18a,
18bをそれぞれ介してコイル頭部14の中空部17内
に焼入冷却液を供給してコイル頭部14の焼入冷却液噴
射孔19aから焼入冷却液を前記薄肉部4aの外周表面
αに向けて噴射すると共に、焼入冷却液供給機構13か
ら内周冷却用ジャケット12内に焼入冷却液を供給して
この内周冷却用ジャケット12の焼入冷却液噴射孔19
bから前記薄肉部4aの内周表面β(図5参照)に向け
て焼入冷却液を噴射する。なお、内周冷却用ジャケット
12を用いて前記薄肉部4aを内周面側からも冷却を行
うようにしているのは、被焼入部の冷却効率(冷却速
度)を増大させるためである。
【0009】このように従来では、高周波誘導加熱コイ
ル10にて薄肉中空部品1の円筒部4における薄肉部4
aを高周波誘導加熱した後に、高周波誘導加熱コイル1
0及び内周冷却用ジャケット12の焼入冷却液噴射孔1
9a,19bから前記薄肉部4aの外周面α及び内周面
βに焼入冷却を噴射して急冷することによって焼入処理
を行なうようにしている。このようにして得られる焼入
硬化層Sは、図6においてクロスハッチングで示すよう
な焼入硬化層パターンとなる。
【0010】そして、上述のような高周波焼入を行った
後に、薄肉中空部品1を電気炉に移送してこの電気炉内
で所要の焼戻温度に加熱し、しかる後に焼戻冷却液を前
記薄肉部4aに噴射して焼戻処理を行なうようにしてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如き従来の高周波熱処理方法では、次のような問題点が
ある。すなわち、高周波焼入における冷却は、既述のよ
うに高周波誘導加熱コイル10及び内側冷却用ジャケッ
ト12からの噴射冷却によりなされることが多く、この
ような噴射冷却における冷却速度は浸漬冷却における冷
却速度に比べて速いので、焼割れ及び焼むらの発生防止
対策として、水溶性の焼入剤を焼入冷却液として使用し
ているのが実状である。しかし、水溶性の焼入剤液から
成る焼入冷却液を使用することに起因して、下記のよう
な種々の不具合を生じる。
【0012】 高周波焼入装置に使用されるシリン
ダ、ベアリング、モータ、センサ等の防水を良好に行な
う必要があること。 焼入冷却液を貯蔵するタンクおいて液漏れを防止す
る対策を施す必要があること。 焼入冷却液噴射時に薄肉中空部品から跳ね返る焼入
冷却液の飛散を防ぐ対策が必要であること。 前記タンク、焼入冷却液用配管、及び周囲の各種の
機械部品に錆が生じるを防止する対策が必要であるこ
と。 薄肉中空部品に噴射された焼入冷却液を回収して貯
蔵しておくための焼入液槽を備える必要があること。
【0013】従って、高周波焼入装置の設備としては、
これらの項目を考慮したものとしなければならず、設備
が高価になっているのが実状である。さらに、特に水溶
性の焼入剤を使用する場合には、周囲の装置部品に飛び
散った焼入剤による錆の発生が大きな問題となってい
る。
【0014】ここで、焼入剤に関して述べると、以下の
通りである。まず、焼入剤は、ポリビニルアルコール
(PVA)やポリアルキレングリコール(PAG)等の
水溶性ポリマーを適当な濃度の水溶液にして各焼入部品
毎に濃度管理して使用するようにしている。高周波焼入
装置において、焼入剤(焼入冷却液)が飛散する部分に
は、水素イオンと水中に溶けている酸素とにより生じる
錆の防止対策が必要である。そこで、鉄材料から成るワ
ーク受け治具(被焼入体を保持する治具)やワーク搬送
部品(被焼入体を所定位置に搬送するための搬送部品)
等にクロム,ユニクロ,ニッケル等のメッキ処理を施し
たり、或いは、これらの部品を材料の異なるステンレス
にて構成するようにしている。また、焼入冷却液貯蔵用
タンクの内壁には、防錆のためにエポキシ系塗料で塗装
するようにしている。
【0015】しかし、焼入冷却液の使用頻度や期間によ
り異なるが、焼入冷却液については、ポリマーの熱分解
による劣化の程度、薄肉中空部品への付着による錆の発
生の程度、切削油や加熱による表面酸化スケールの混入
による腐敗に伴い焼割れ防止効果及び性能が変化すると
共に、メッキや塗料の剥離の問題が生じる。
【0016】高周波焼入する部品としては、鉄系の材料
から成るものが多く、防錆対策が必要である。鉄鋼は、
一般に、表面が水に濡れると赤錆を発生し、時間の経過
とともに成長する。その要因は、酸素及び水であり、水
の一部は、 H2O+H2O→2HOH と反応して水酸化水素を生じる。HOHは、電解質のた
め鉄との界面に生ずる電位差が異なるので、局部電池が
構成されて、水は、 H2O→H++OH- と電離する。陽極側は、 Fe→Fe+++2e- Fe++十2OH-→Fe(OH)2 と反応して青錆である水酸化第一鉄となり、さらにこの
水酸化第一鉄が水中の溶存酸素及び水と反応して 2Fe(OH)2+1/2O2+H2O→2Fe(OH)3 すなわち赤錆である水酸化第二鉄を生じるが、鉄鋼表面
にはこれら両者が種々の割合で共存している。鉄鋼が腐
食環境にあるとき、薄肉中空部品(ワーク)の形状・材
質,面粗さ,金属組織,残留応力,異種金属との接触状
態等により腐食の進行速度が異なる。特に、鋼材の溶接
部に腐食が集中する傾向がある。高周波表面焼入品は、
その表面部に残留圧縮応力を生じることにより腐食され
易くなる。
【0017】従って、従来では、薄肉中空部品を焼入処
理の後に直ちに防錆油や水溶性防錆剤等に浸漬したり、
或いは、スプレーによりこれらに表面に塗布材を塗布す
ることにより焼入処理品に錆が発生するのを防止してい
るのが実状である。
【0018】また、従来における熱処理にあっては、従
来、上述の如く高周波誘導加熱コイルを加熱手段として
用いて高周波焼入を行なう焼入工程と、この焼入工程の
後に電気炉を加熱手段として用いて焼戻を行なう焼戻工
程との2工程を施行するようにしている。すなわち、従
来では、通常、焼入処理のために高周波誘導加熱コイル
を用いると共に、焼戻処理のために電気炉を用いるよう
にしている。しかし、熱処理工程を1工程にすることが
できれば生産性の向上を図ることが可能となる。そこ
で、同一ポジションで高周波焼入後に高周波焼戻を行な
うようにすることが考えられる。また、高周波焼戻工程
において、高周波誘導加熱を行なうことなく焼入処理時
の被焼入体(薄肉中空部品)内の残温を使用できれば高
周波誘導加熱の施行回数を少なくできて消費電力(ひい
ては電気代)を抑えることが可能となる。
【0019】ところが、この場合には、次のような問題
点がある。まず、高周波焼入において、高周波誘導加熱
後の焼入冷却は、被焼入体である薄肉中空部品に焼入冷
却液を噴射することにより行っているため、冷却終了後
の薄肉中空部品の表面は、焼入冷却液が付着した状態と
なっている。一方、高周波誘導加熱コイルを利用した高
周波焼戻においては、電気炉の場合と比べて加熱保持時
間が短いので、焼戻温度は、電気炉による加熱温度より
高くなり、220℃付近で設定される。この加熱温度で
は、被焼入体の表面状態により保持温度に差が生じる。
その結果、被加熱体に焼入冷却液が付着した部位は、焼
戻加熱温度が低くなり、これに起因して、安定した品質
を得ることができないという不具合がある。
【0020】本発明は、このような問題点を解消すべく
なされたものであって、その目的は、焼入冷却液及び焼
戻冷却液を使用して熱処理することによる不具合を解消
し得て、良好な熱処理品質を得ることができるような薄
肉中空部品の高周波熱処理方法を提供することにある。
さらに、具体的には、本発明の目的は、薄肉中空部品の
高周波焼入及び高周波焼戻を同一のポジションで1工程
で行なうことにより生産性の向上を図ることができると
共に、焼入冷却液を使用することなく良好な焼入品質を
得ることができ、しかも高周波焼入後の高周波焼戻時に
高周波誘導加熱を行なうことなく薄肉中空部品の残熱に
よる自己戻しを行なうことによりランニングコストの低
減を図ることができるような薄肉中空部品の高周波熱処
理方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、薄肉中空部品の中空部を取り囲む薄
肉部を熱処理する方法において、前記薄肉中空部品の薄
肉部を高周波誘導加熱コイルにて所要の焼入温度に高周
波誘導加熱した後に、前記薄肉部にエアー又はガスを噴
射して前記薄肉部を冷却することにより、前記薄肉部の
表面を焼入処理する焼入工程と、前記焼入工程の後に前
記薄肉部を前記高周波誘導加熱コイルにて所要の焼戻温
度に高周波誘導加熱し、次いで前記薄肉部にエアー又は
ガスを噴射して前記薄肉部を冷却することにより、前記
薄肉部を焼戻処理する焼戻工程とを順次に施行するよう
にしている。また、本発明では、薄肉中空部品の中空部
を取り囲む薄肉部を熱処理する方法において、前記薄肉
中空部品の薄肉部を高周波誘導加熱コイルにて所要の焼
入温度に高周波誘導加熱した後に、前記薄肉部にエアー
又はガスを噴射して前記薄肉部を冷却することにより、
前記薄肉部の表面を焼入処理する焼入工程と、前記焼入
工程の後に加熱状態の前記薄肉中空部品の薄肉部を放冷
し、次いで前記薄肉中空部品の薄肉部にエアー又はガス
を噴射して前記薄肉部を冷却することにより、前記薄肉
部を焼戻処理する焼戻工程と順次に施行するようにして
いる。また、本発明では、前記高周波誘導加熱コイル、
及び、前記薄肉中空部品の中空部内に挿入配置した冷却
用ジャケットから前記エアー又はガスを前記薄肉中空部
品の薄肉部に向けて噴射するようにしている。また、本
発明では、焼入処理すべき前記薄肉中空部品の薄肉部の
肉厚を1〜7mmに選定するようにしている。
【0022】上述のような構成を採用しているのは、次
のような理由からである。まず、中実部品(中空部のな
い無垢の部品)に関しては、高周波誘導加熟後における
焼入冷却手段を焼入冷液の噴射からエアー又はガスの噴
射に変更しただけでは、後者の方が冷却速度が遅いた
め、エアー又はガスの噴射により焼入冷却を行なって
も、焼入冷却液の噴射により得られる焼入硬化層パター
ンと同じような焼入硬化層パターンを得ることができな
い。しかし、薄肉中空部品に関しては、薄肉中空部品の
中空部内に内側冷却用ジャケットを配置することが可能
であり、更に、薄肉中空部品の外周面及び内周面の両方
側からの焼入冷却を行なうことができる。しかも、薄肉
中空部品の焼入箇所は薄肉部であることから、焼入冷却
液による冷却でなくとも、エアー又はガスによる冷却で
も充分な冷却効率(冷却速度)を達成することができ
る。
【0023】そこで、本発明では、焼入冷却媒体として
焼入冷却液に代えてエアー又はガスを採用し、良好な焼
入品質を得ることとしている。また、本発明の好ましい
実施形態では、高周波誘導加熱後に薄肉中空部品の薄肉
部の外周面及び内周面の両方に焼入冷却のためにエアー
又はガスを噴射する(吹き付ける)ような手段を採用す
ることにより、高周波焼入装置の冷却液系統に係わる問
題を取り除くことを可能ならしめると共に、高周波焼入
装置の設備コストを削減し、更に、機械動作の不良を軽
減するようにしている。
【0024】また、本発明によれば、冷却媒体をエアー
とすることにより、焼入後の薄肉中空部品の表面に焼入
冷却液の付着がなくなり、焼入後の加熱部の表面温度が
安定することとなる。そして、焼入後の加熱部の表面温
度が均一となるのに伴い、高周波誘導加熱による焼戻温
度のバラツキがなくなり、焼戻後の熱処理品質が良好な
ものとなる。
【0025】また、本発明においては、焼入時のエアー
噴射冷却時間とその直後に放冷時間を設け、各時間を所
定時間とすることにより、焼入部を焼戻温度に設定する
ことが可能となる。その理由は、冷却媒体をエアーとし
たことに伴い冷却中の薄肉中空部品の加熱部表面と肉厚
内部とでは温度差が生じるので、焼入時のエアー噴射冷
却時間を調整することにより、焼入部の表面温度が内部
からの熱伝導にて上昇するためである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図1〜図3を参照して説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施形態に係る薄肉中
空部品の高周波熱処理方法を施行する高周波熱処理装置
20を示すものであって、本装置20は、被焼入体であ
る薄肉中空部品1(図5参照)の所定箇所を高周波誘導
加熱するための高周波誘導加熱コイル21を有する高周
波誘導加熱機構部22と、高周波誘導加熱コイル21及
び内周冷却用ジャケット23にそれぞれエアー(空気)
を所要の圧力をもって供給して薄肉中空部品1の加熱部
を冷却するためのエアー噴射冷却機構部24を備えてい
る。
【0028】高周波誘導加熱コイル21は、リング状の
1ターンのコイル頭部25と、このコイル頭部25の両
端に接続された一対のコイルリード部26a,26b
と、これら一対のコイルリード部26a,26b間に介
在された絶縁板27とから構成されており、一対のコイ
ルリード部26a,26bが高周波電源28に接続され
ている。また、高周波誘導加熱コイル21は、焼入冷却
時の冷却用ジャケットとしての機能をも兼ね備えたもの
であって、2本のインレットパイプ29a,29bをそ
れぞれ介してエアー(空気)をコイル頭部25の中空部
(図示省略)に導いてその内径側の複数のエアー噴射孔
30(図1参照)からエアーを噴射し、これにより薄肉
中空部品1の加熱部にエアーを噴射する(吹き付ける)
ことができる構造となっている。更に、薄肉中空部品1
の加熱部の冷却効率(冷却速度)を増大させるために、
薄肉中空部品1の中空部5(図5参照)内に挿入配置さ
れた内周冷却用ジャケット23の複数のエアー噴射孔3
1からエアーが噴射され、これにより薄肉中空部品1の
加熱部がその中空部の内周側からも噴射エアーにより冷
却されるようになっている。
【0029】図2(a)は、本発明に係わる高周波熱処
理方法の1サイクルを示している。この場合には、薄肉
中空部品1をその軸線を中心に回転駆動させた状態の下
で、高周波誘導加熱コイル21により薄肉中空部品1の
所定の薄肉部(中空部を取り囲む薄肉部分)4aを時間
1 にわたり高周波誘導加熱した後に、高周波誘導加熱
コイル21のコイル頭部25及び内周冷却ジャケット2
3のエアー噴射孔30,31からエアーを所定時間T2
にわたって噴射し、これにより前記薄肉部4aの外周表
面に焼入硬化層を形成して焼入処理を完了する。次い
で、薄肉中空部品1,高周波誘導加熱コイル21及び内
周冷却用ジャケット23を上記と同一のポジションに配
置した状態の下で、前記薄肉部4aを高周波誘導加熱コ
イルにより所要時間T3 にわたり高周波誘導加熱した後
に、高周波誘導加熱コイル21及び内周冷却用ジャケッ
ト23のエアー噴射孔30,31からエアーを所定時間
4にわたって噴射することにより焼戻処理を完了す
る。
【0030】また、図2(b)は、上述の高周波熱処理
方法とは別の方法を用いた場合を示している。図2
(b)に示す本発明に係る高周波熱処理方法は、高周波
焼入後に高周波焼戻加熱を行わないようにしたいわゆる
高周波自己焼戻を施行する方法である。この場合には、
薄肉中空部品1をその軸線を中心に回転駆動させた状態
の下で、高周波誘導加熱コイル21により薄肉中空部品
1の所定の薄肉部(中空部を取り囲む薄肉部分)4aを
時間T5 にわたり高周波誘導加熱した後に、高周波誘導
加熱コイル21のコイル頭部25及び内周冷却ジャケッ
ト23のエアー噴射孔30,31からエアーを所定時間
6 にわたって噴射し、これにより前記薄肉部4aの外
周表面に焼入硬化層を形成して焼入処理を完了する。こ
のようにして薄肉中空部品1の薄肉部4aを焼入処理し
た後(時間所定T6 にわたるエアー噴射後)に、エアー
の噴射を所定時間T7 にわたり停止して加熱状態の薄肉
中空部品1を自然放冷させ、しかる後に高周波誘導加熱
コイル21及び内周冷却用ジャケット23のエアー噴射
孔30,31から再びエアーを所定時間T8 にわたり噴
射して焼戻処理(自己戻し処理)を完了する。
【0031】以下に、本発明に係る具体的な実施例を示
す。
【0032】 実施例1 (1) 薄肉中空部品(被焼入体) : 薄肉中空シャフト (a) 材質 : FCV410(パーライト化率40%処理品) (b) 焼入部寸法 外径 : 25mm 内径 : 18mm 幅 : 13.5mm (2) 高周波焼入条件 (a) 周波数 : 200kHz (b) 入力電力 : 115kW プレート電圧 : 11.5kV プレート電流 : 14A グリッド電流 : 4A (c) 加熱時間(T1 ) : 0.5sec (d) 冷却時間(T2 ) : 20sec (e) 薄肉中空部品の回転数 : 180rpm (f) エアーの圧力 : 8kg/cm2 (3) 高周波焼戻条件 (a) 周波数 : 200kHz (b) 入力電力 : 2.4kW プレート電圧 : 2kV プレート電流 : 1.5A グリッド電流 : 0.3A (c) 加熱時間(T3 ) : 3sec (d) 冷却時間(T4 ) : 23sec (e) 回転数 : 180rpm (f) エアーの圧力 : 8kg/cm2
【0033】上記加工条件により、本高周波熱処理装置
20を用いて、薄肉中空部品1を高周波焼入及び高周波
焼戻を施行したところ、表面硬さ及び硬化層深さの熱処
理品質は、従来の焼入冷却液で焼入を行い、その後、電
気炉で焼戻を行ったものと同程度の品質を得ることがで
きたことが確認された。
【0034】 実施例2 (1) 薄肉中空部品(被焼入体) : 薄肉中空シャフト (a) 材質 : FCV410(パーライト化率40%処理品) (b) 焼入部寸法 外径 : 25mm 内径 : 18mm 幅 : 13.5mm (2) 高周波焼入条件 (a) 周波数 : 200kHz (b) 入力電力 : 115kW プレート電圧 : 11.5kV プレート電流 : 14A グリッド電流 : 4A (c) 加熱時間(T5 ) : 0.5sec (d) 冷却時間(T6 ) : 20sec (e) 薄肉中空部品の回転数 : 180rpm (f) エアーの圧力 : 8kg/cm2 (3) 自己焼戻条件 (a) 放冷時間(T7 ) : 5sec (b) 冷却時間(T8 ) : 23sec (c) 薄肉中空部品の回転数 : 180rpm (d) エアーの圧力 : 8kg/cm2
【0035】上記加工条件により、上述の高周波誘導加
熱装置20を用いて、薄肉中空部品1(薄肉中空シャフ
ト)に高周波焼入及び高周波焼戻を連続サイクルで実施
したところ、図3に示すような高周波焼入自己戻しサイ
クルでの温度曲線特性が得られされた。この図3の温度
曲線特性からわかるように、本実施形態の高周波熱処理
方法によれば、表面硬さ及び硬化深さに関する熱処理品
質は、従来のように焼入冷却液及び焼戻冷却液を使用し
た場合の熱処理品質と殆ど同程度であることが確認され
た。
【0036】以上、本発明の一実施形態につき述べた
が、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、
本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可
能である。例えば、焼入部の形状及び焼入幅が上記の場
合とは異なった薄型中空部品に対しても本発明を適用す
ることが可能である。すなわち、焼入部の形状及び焼入
幅の違いに対しては、高周波誘導加熱コイル及び内周冷
却用ジャケットの形状や噴射孔の角度、径、数を変える
ことにより冷却効果を調整することが可能であり、これ
により本発明の方法を適用することが可能である。ま
た、既述の実施形態では、焼入冷却の開始時間を高周波
誘導加熱の終了直後としたが、焼入性の良い材料及び形
状の部品に対しては、高周波誘導加熱終了後から所定時
間の経過後にエアー冷却を開始してもよい。さらに、外
周冷却と内周冷却の開始時間に差を付けることにより焼
入冷却開始時間を調整することが可能である。また、既
述の実施形態では、冷却媒体を空気のエアーとしたが、
それに限らず、例えば、窒素、アルゴン等の不活性ガス
やその他の種類のガスであっても良い。また、既述の実
施形態では、高周波誘導加熱コイル21のエアー噴射孔
30から薄肉中空部品1にエアーを噴射するようにした
が、必要に応じて他の部品からエアーを薄肉中空部品1
に噴射するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明は、薄肉中空部
品の薄肉部を高周波誘導加熱コイルにて所要の焼入温度
に高周波誘導加熱した後に、薄肉部にエアー又はガスを
噴射して薄肉部を冷却することにより、薄肉部の表面を
焼入処理する焼入工程と、焼入工程の後に前記薄肉部を
高周波誘導加熱コイルにて所要の焼戻温度に高周波誘導
加熱し、次いで前記薄肉部にエアー又はガスを噴射して
前記薄肉部を冷却することにより、前記薄肉部を焼戻処
理する焼戻工程とを順次に施行するようにしたものであ
るから、従来行っていたような高周波焼入工程及び電気
炉焼戻工程の2つ熱処理工程を、同一のポジションにお
いて高周波焼入工程及び高周波焼戻工程の連続した1つ
の熱処理工程にすることが可能となり、生産性の向上を
図ることができる。さらに、本発明によれば、高周波熱
処理装置における従来の冷却液系統に関する問題点を取
り除くことが可能となる。すなわち、本発明では焼入冷
却及び焼戻冷却をエアー噴射にて行なうようにしている
ので、従来生じていたような焼入冷却液及び焼戻冷却液
の付着によるセンサ及び摺動部品の動作不良を防止し得
ると共に、機械部品及び焼入部品に発生する錆を大幅に
軽減することが可能となる。しかも、冷却液噴射機構に
代えてエアー噴射機構を設けるに当たっては、高周波熱
処理装置をより安価に製作することが可能であり、従っ
て高周波熱処理装置の設備コストを削減することが可能
となる。また、本発明では、焼入冷却及び焼戻冷却をエ
アーにより行なうようにしているが、中空部を有する薄
肉中空部品にあってはその肉厚が薄いので、冷却をエア
ーによって行っても充分な焼入・焼戻冷却効果をえるこ
とができ、焼入冷却液及び焼戻冷却液を用いた場合と同
様の良好な焼入品質を得ることができる。
【0038】また、請求項2に記載の本発明は、薄肉中
空部品の薄肉部を高周波誘導加熱コイルにて所要の焼入
温度に高周波誘導加熱した後に、薄肉部にエアー又はガ
スを噴射して薄肉部を冷却することにより、薄肉部の表
面を焼入処理する焼入工程と、焼入工程の後に加熱状態
の薄肉中空部品の薄肉部を放冷し、次いで薄肉中空部品
の薄肉部にエアー又はガスを噴射して薄肉部を冷却する
ことにより、薄肉部を焼戻処理する焼戻工程とを順次に
施行するようにしたものであるから、上記と同様の作用
効果を奏することができる。さらに、本発明によれば、
高周波焼入時のエアー噴射冷却時間とその直後の放冷時
間を適宜に設定することにより、高周波焼戻時に高周波
誘導加熱をしないで焼戻(被焼入体である薄肉中空部品
の残温による自己戻し)することができ、ランニングコ
ストを低減できる。
【0039】また、請求項3に記載の本発明は、高周波
誘導加熱コイル、及び、薄肉中空部品の中空部内に挿入
配置した冷却用ジャケットからエアー又はガスを薄肉中
空部品の薄肉部に向けて噴射するようにしたものである
から、薄肉中空部品の加熱部の外周及び内周の両側から
のエアーによる噴射冷却によって加熱部の冷却速度が速
くなるので、焼入後の組織をマルテンサイトにして、焼
入後の熱処理品質を良好なものにすることができる。
【0040】また、請求項4に記載の本発明は、焼入処
理すべき薄肉中空部品の薄肉部の肉厚を1〜7mmに選
定したものであるから、エアーによる噴射冷却で充分な
冷却速度を確保することができ、ひいては良好な焼入品
質を有する薄肉中空部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る薄肉中空部品の高周
波熱処理方法を施行するために用いれられる高周波熱処
理装置を示す構成図である。
【図2】図2(a)は、高周波焼入工程及び高周波焼戻
工程の1サイクルの一例を説明するための説明図、図2
(b)は高周波焼入工程及び高周波焼戻工程の1サイク
ルの別例を説明するための説明図である。
【図3】高周波焼入自己戻しサイクルでの温度曲線特性
を示すグラフである。
【図4】従来より用いられている高周波焼入装置の斜視
図である。
【図5】図4の高周波焼入装置にて薄肉中空部品を高周
波焼入する際の高周波誘導加熱コイルと薄肉中空部品と
の配置関係を示す断面図である。
【図6】図4の高周波焼入装置にて薄肉中空部品を高周
波焼入した場合に得られる焼入硬化層パターンを示す断
面図である。
【符号の説明】
1 薄肉中空部品 4 円筒部 4a 被焼入部である薄肉部 5 中空部 21 高周波誘導加熱コイル 22 高周波誘導加熱機構部 23 内周冷却用ジャケット 24 エアー噴射冷却機構部 25 コイル頭部 30 エアー噴射孔 31 エアー噴射孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C21D 9/28 C21D 9/28 A H05B 6/10 371 H05B 6/10 371 // C21D 5/00 C21D 5/00 T (72)発明者 小野澤 隆幸 東京都千代田区丸の内3丁目3番1号 電 気興業株式会社内 Fターム(参考) 3K059 AA09 AB09 AD35 AD40 CD48 4K042 AA14 BA13 CA17 DA01 DA02 DB01 DD05 DE02 DF02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉中空部品の中空部を取り囲む薄肉部
    を熱処理する方法において、 前記薄肉中空部品の薄肉部を高周波誘導加熱コイルにて
    所要の焼入温度に高周波誘導加熱した後に、前記薄肉部
    にエアー又はガスを噴射して前記薄肉部を冷却すること
    により、前記薄肉部の表面を焼入処理する焼入工程と、 前記焼入工程の後に前記薄肉部を前記高周波誘導加熱コ
    イルにて所要の焼戻温度に高周波誘導加熱し、次いで前
    記薄肉部にエアー又はガスを噴射して前記薄肉部を冷却
    することにより、前記薄肉部を焼戻処理する焼戻工程
    と、を順次に施行することを特徴とする薄肉中空部品の
    高周波熱処理方法。
  2. 【請求項2】 薄肉中空部品の中空部を取り囲む薄肉部
    を熱処理する方法において、 前記薄肉中空部品の薄肉部を高周波誘導加熱コイルにて
    所要の焼入温度に高周波誘導加熱した後に、前記薄肉部
    にエアー又はガスを噴射して前記薄肉部を冷却すること
    により、前記薄肉部の表面を焼入処理する焼入工程と、 前記焼入工程の後に加熱状態の前記薄肉中空部品の薄肉
    部を放冷し、次いで前記薄肉中空部品の薄肉部にエアー
    又はガスを噴射して前記薄肉部を冷却することにより、
    前記薄肉部を焼戻処理する焼戻工程と、を順次に施行す
    ることを特徴とする薄肉中空部品の高周波熱処理方法。
  3. 【請求項3】 前記高周波誘導加熱コイル、及び、前記
    薄肉中空部品の中空部内に挿入配置した冷却用ジャケッ
    トから前記エアー又はガスを前記薄肉中空部品の薄肉部
    に向けて噴射するようにしたことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の薄肉中空部品の高周波熱処理方法。
  4. 【請求項4】 焼入処理すべき前記薄肉中空部品の薄肉
    部の肉厚を1〜7mmに選定したことを特徴とする請求
    項1乃至3の何れか1項に記載の薄肉中空部品の高周波
    熱処理方法。
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