JP3827172B2 - 環状ワークの高周波焼戻し方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状ワークの孔内に芯金を挿通して、その変形を防止しつつ誘導加熱及び冷却する環状ワークの高周波焼戻し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、環状ワークの孔内に芯金を挿通して、その変形を防止しつつ、誘導加熱した後、冷媒で冷却する環状ワークの高周波焼戻し方法では、誘導加熱前に環状ワークの孔内に、芯金をシリンダーなどで昇降させることで挿通させて環状ワークの内周面側から支持して変形を防止して誘導加熱処理し、冷媒を導入して誘導加熱した環状ワークを冷却した後、芯金を降下させて引き抜くようにしている。
【0003】
この時、焼入れ焼戻しされた環状ワークは、熱膨張により、孔径が誘導加熱前に比べ、小さくなる。このため、芯金を引き抜く時に、芯金を引抜き難かったり、環状ワーク内周面に芯金引抜きによる傷が付くことがある。このため、環状ワーク内径より小さい外径をもつ芯金を放射方向に複数分割させて、環状ワークの挿通・引き抜き時には芯金の分割片間の間隙を狭くすることにより、芯金外径を小さくし、また、誘導加熱開始時から冷却終了時には芯金の分割片間の間隙を拡げることにより、芯金の外径を拡大し、環状ワークの内周面を支持固定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の環状ワークの高周波焼戻し方法では、誘導加熱及び冷却時に、芯金分割片間の間隙に対向する環状ワークの内周面と、分割片に当接する環状ワーク内周面とでは、焼戻し層深さにばらつきが発生する。すなわち、芯金分割片間の間隙に対向する環状ワークの部分においては、芯金分割片に接触する環状ワーク内周面より焼戻し層が深くなるといった問題が発生していた。
【0005】
これは、芯金分割片間に間隙がある芯金に内周面を固定支持された環状ワークの外周面を誘導加熱した場合、環状ワークに発生する誘導電流が不均一になるためである。すなわち、環状ワークの内周面に芯金が接触している部分と接触していない部分があり、接触していない部分では誘導電流量が多くなるためである。
【0006】
また、芯金分割片に接触する環状ワークの部分では、誘導加熱時に環状ワークの内部保有熱が芯金分割片に熱伝導により吸収発散されるが、芯金分割片間の間隙に対向する環状ワークの部分では、この現象が発生しないため、誘導加熱後の冷却時に焼戻し層の深さにばらつきが生じるためである。
【0007】
〔目的〕
本発明の課題は、環状ワークの高周波焼戻しにおいて、環状ワークの変形を防止しつつ、芯金の引き抜きを容易にし、更に環状ワークの全外周面において、均一な深さの焼戻し層を得る環状ワークの高周波焼戻し方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の環状ワークの高周波焼戻し方法は、環状ワークの孔内に挿通する複数分割された芯金の外周面に設けられた凹部に導電性かつ熱伝導性を持つ金属製環状部材を嵌合し、該金属製環状部材の上面に環状ワークを載置し、環状ワーク外周に設けられた誘導加熱コイルによって環状ワークを誘導加熱し、その直後に、該環状ワークを冷却することによって焼戻しを行う。
【0009】
前記芯金は、該外周面に凹部を有し、かつ放射方向に複数分割され、前記環状ワークの孔内に挿通する時は、芯金の分割片間を中心方向に移動させて芯金外径を環状ワークの孔内径より小さくし、環状ワーク孔内への芯金の挿通を容易にする。また、環状ワークの誘導加熱及び冷却時には該分割片を放射方向に移動させることにより芯金の外径を小さくし、環状ワーク孔内からの芯金の引抜きを容易にする。
【0010】
また、前記金属製環状部材は、環状ワークを誘導加熱コイルにより誘導加熱した場合、一体の電流路を形成する。また、該金属製環状部材の上面に環状ワークを載置して、誘導加熱した場合、環状ワークの内部保有熱を熱伝導により吸収する。したがって、該金属製環状部材の材質は、導電性で、かつ、熱伝導性が良好な銅等の材質が好ましい。該金属製環状部材の幅は、その上面に環状ワークを載置した場合において、環状ワークの所望の焼戻し層の深さが該金属製環状部材に接触しないように設定する。すなわち、環状ワークの下面全面が該金属製環状部材に接触すると、金属製環状部材に環状ワークの内部保有熱が吸収発散されるため、環状ワークの外周に所望の焼戻し層が得られないからである。
【0011】
また、前記芯金分割片の移動が可能なように、芯金の芯金分割片が中心方向に移動して芯金の外径を小さくした場合において、芯金と前記金属製環状部材の間には所定の隙間を形成する。
【0012】
また、前記誘導加熱コイルは、環状ワークの外周に配設され、環状ワークの外周を誘導加熱する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1〜図5は、本発明を適用した高周波焼戻装置の一実施の形態を示す図である。
【0015】
まず、構成を説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態の高周波焼戻装置1の要部構成を示す断面図である。この図1において、高周波焼戻装置1は、分割された芯金2と、この芯金2を図中の矢印方向に移動させる芯金移動機構3と、芯金2により固定される被焼入部材である環状ワークW(図示せず)を誘導加熱する誘導加熱コイル4と、環状ワークの図中上方への変形を押える押え機構5と、芯金2の分割片2bの拡径方向移動時に芯金2の凹部に嵌合する金属製環状部材6と、から構成されている。
【0017】
図1の芯金2は、図2に示す平面図のように放射方向に3分割して芯金分割片2bとして構成されるとともに、各芯金分割片2bは同心円上に所定間隔を隔てて配置されており、図1の芯金移動機構3により図1及び図2中に示す矢印方向に移動された場合、その外周にセットされる被焼入部材である環状ワークWの内周面を各芯金分割片2bが支持固定して、誘導加熱及び冷却時の環状ワークWの変形を防止する。また、芯金分割片2は、芯金移動機構3により芯金2の外径を小さくする方向に移動された場合には、その外周面と環状ワークWの内周面との間に充分な隙間を形成して、環状ワークWからの芯金2の引抜きを容易にしている。また、各芯金分割片2bの外周には金属製環状部材6が嵌合するように凹部2aが形成されている。
【0018】
移動棒3eは、その先端部が円錐状に形成され、図示しない駆動機構により上昇及び下降駆動され、上昇時に先端部テーパー形状によりスプリング3dの付勢力に抗した移動部材3bを図中左右方向に押し拡げて、拡径方向に移動させる。
【0019】
芯金移動機構3は、図1に示すように、ケース3aと、このケース3a内に収納される移動部材3b、この移動部材3bに芯金2を固定する固定部材3c、移動部材3bを図中の中心軸方向に付勢して縮径方向に移動させるスプリング3dと、図中の上方に上昇移動されて、その先端部の円錐形状により移動部材3bを図中の左右方向に押し拡げて拡径方向に移動させる移動棒3eと、から構成されている。
【0020】
移動部材3bは、図1の平面図に示すように、固定部材3cとともに3分割された芯金2毎に固定され、各移動部材3bの中心軸方向端部の形状は、移動棒3eの先端部の円錐形状に沿って接するようにテーパー状に形成されている。したがって、移動部材3bは、移動棒3eの上昇移動により、その先端部円錐形状によりスプリング3dの付勢力に抗して押し拡げられて拡径方向に均等に移動される。
【0021】
スプリング3dは、ケース3a内で3つの移動部材3b毎に設けられ、その一端部がケース内壁に固定され、他端部が移動部材3bに当接して移動部材3bを付勢する。スプリング3dは、移動棒3eが下降された場合は、伸張時には図中の中心軸方向に移動部材3bを付勢して縮径方向に移動させ、移動棒3eが上昇移動された場合は、移動部材3bの拡径方向への移動に伴って収縮される。
【0022】
固定部材3cは、3分割された芯金2毎に、その芯金2と移動部材3bとの間に介在して図示しない固定ボルト等により芯金2と移動部材3bとを固定し、移動部材3bの移動に伴って芯金2を移動させる。
【0023】
移動棒3eは、その先端部が円錐状に形成され、図示しない駆動機構により上昇及び下降駆動され、上昇時に先端部テーパー形状によりスプリング3dの付勢力に抗した移動部材3bを図中左右方向に押し拡げて、拡径方向に移動させる。
【0024】
誘導加熱コイル4は、被焼入部材である環状ワーク(例えば、歯車)の外周面を誘導加熱するためのものであり、図示しない高周波電源装置から供給される所定の高周波電流により交番磁束を発生して、環状ワークWの外周面に誘導電流を発生させて誘導加熱し、その後、環状ワークWを冷却して焼戻しすることにより、環状ワークWの外周面に焼戻し層を形成させる。
【0025】
押え機構5は、図示しない駆動機構により上昇及び下降駆動され、その下降移動により芯金2に支持固定される環状ワークWの上面を全周に亘って上方から押えて、誘導加熱及び冷却時の環状ワークWの上方への変形を押える。
【0026】
金属製環状部材6は、芯金2の凹部2a芯金2の凹部2aに嵌合され、かつ、芯金分割片2bの放射方向への移動が可能なように、芯金2の外径が小さくなっている時、すなわち、芯金分割片2bが中心方向に移動し終えた後では、芯金2との間に所定の間隙を形成する。金属製環状部材6の上面には環状ワークWが載置される。この環状ワークWの誘導加熱時には、環状ワークWに誘導加熱電流が発生すると同時に、各芯金分割片2bの外周部及び各芯金2間の間隙部においても金属製環状部材6により一体の電流路が形成される。すなわち、この金属製環状部材6が補助的な電流路として作用し、環状ワークWに発生する誘導電流量を全周にわたって平均化する。
【0027】
また、環状ワークWの冷却後には、芯金分割片2b間の間隙の有無に拘らず、環状ワークWの外周面に均一な焼戻し層を形成する。従って、環状ワークWの所望の焼戻し層の幅には金属製環状部材6を接触させることは好ましくない。すなわち、金属製環状部材6に接触する環状ワークWの部分は、前述のように脱熱されるため、焼戻し層が形成されない恐れがあるためである。
【0028】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
【0029】
図1の高周波焼戻装置1による環状ワークの誘導加熱処理の際の芯金2及び芯金移動機構3の動作について図3〜図5を参照して説明する。
【0030】
まず、図3は、高周波焼戻装置1に環状ワークWが3分割された芯金2に挿通され、かつ金属製環状部材6上に載置されセットされた状態を示しており、この時、環状ワークWの焼戻し層を所望する部分Waには金属製環状部材6が接触しないようにする。また、芯金2の分割片2bは図中の矢印方向に移動しているため芯金2の外径は環状ワークWの内径より小さくなっている。
【0031】
また、この時、芯金移動機構3の移動棒3eは図中の下方に固定され、移動部材3bはスプリング3dの付勢力により図中の中心軸方向に付勢されて外径が小さい状態にされている。この芯金2の縮径状態で環状ワークWは、誘導加熱コイル4と芯金2の間の所定位置にセットされる。
【0032】
次いで、図4は、高周波焼戻装置1にセットされた環状ワークWの誘導加熱及び冷却中の状態を示している。この時、予め、芯金2の分割片2bは図中の矢印方向に移動することにより芯金2の外径が拡大され、環状ワークWの内周面を支持固定して誘導加熱及び冷却による変形を防止している。芯金2の移動は、先端がテーパ状の移動軸3eの上昇により移動部材3bが図中の矢印方向に移動し、これに伴い移動部材3b上にボルト等で固定されている固定部材3cを介して移動部材3bと移動部材3bにボルト止めされた芯金2が矢印方向に移動する。
【0033】
そして、押え機構5は、芯金2の移動とほぼ同時に、環状ワークWの上方から下降し、環状ワークWの上面を全周に亘って押圧しつつ支持固定し、環状ワークWの誘導加熱及び冷却時における上方への変形を防止する。金属製環状部材6は、芯金2の外周面に設けられた凹部2aに嵌合される。また、図2に示すように芯金分割片2b間には間隙2cが形成される。
【0034】
誘導加熱コイル4は、環状ワークWの外周に所定の間隔を隔てて配置され、環状ワークWの外周面を誘導加熱し、その直後に図示しない冷却液噴射ジャケットから噴射される冷却液により環状ワークWの被加熱部を冷却して焼戻し、焼戻し層を形成する。高周波焼戻終了後は、図5に示す状態になる。すなわち、芯金2の分割片2bを再び中心方向に移動させることにより、芯金2の外径を環状ワークWの内径より小さくし、芯金2の引抜きを容易にする。
【0035】
芯金分割片2bの移動は移動軸3eを下降させるとにより、移動部材3bが固定部材3c及び芯金2を伴って図中の矢印方向に移動する。この時、移動部材3bは圧縮コイルばね3dの伸張により付勢されているため、移動軸3eの下降のみで芯金2の移動は可能となる。
【0036】
以上のように、本実施の形態の高周波焼戻装置1では、冷却処理時の環状ワークWの変形を防止する芯金2を3分割して分割片2bを構成して、この芯金分割片2b間に隙間2cを形成し、この3分割した芯金2を芯金移動機構3により外径が小さくなる方向及び外径が拡大する方向に均等に移動可能としたため、誘導加熱時及び冷却処時には、芯金2の外径を拡大する方向に移動させることにより、環状ワークWの変形を防止することができ、この誘導加熱及び冷却時の前後には、芯金2の外径を小さくする方向に移動させることにより、被加熱部材である環状ワークWのセット及び環状ワークWからの芯金2の抜き取りを容易にしている。
【0037】
このため、高周波焼戻装置1においては、環状ワークWの誘導加熱及び冷却後に環状ワークWから芯金2が抜けにくくなったり、芯金2を抜き取る時に環状ワークWの内周面に傷を付けてしまうといった事態の発生を防止することができ、環状ワークWを誘導加熱する高周波焼戻装置1の信頼性を向上させることができる。
【0038】
また、各芯金分割片2bに設けた凹部2aに嵌合する金属製環状部材6を設置し、この金属製環状部材6は、芯金2の凹部2aに嵌合され、かつ、芯金分割片2bの放射方向への移動が可能なように、芯金2の外径が小さくなっている時、すなわち、芯金分割片2bが中心方向に移動し終えた後では、芯金2との間に所定の間隙を形成する。金属製環状部材6の上面には環状ワークWが載置される。この環状ワークWの誘導加熱時には、環状ワークWに誘導加熱電流が発生すると同時に、各芯金分割片2bの外周部及び各芯金2間の間隙部においても金属製環状部材6により一体の電流路が形成される。すなわち、この金属製環状部材6が補助的な電流路として作用し、環状ワークWに発生する誘導電流量を全周にわたって平均化するとともに、環状ワークWの誘導加熱による内部保有熱を吸収発散せさることができ、環状ワークWの外周面に均一な焼戻し層を得ることができる。
【0039】
また、この誘導加熱及び冷却に際して、環状ワークWは、その内周壁側を芯金分割片2bにより支持固定されることにより、その放射方向への変形が防止されるとともに、押え機構5により上方から押えられることにより、その上方への変形が防止される。
【0040】
次いで、図5は、高周波焼戻装置1にセットされた環状ワークWの誘導加熱後の芯金2及び芯金移動機構3の状態を示しており、この時、芯金移動機構3の移動棒3eは駆動機構により図中の下方に下降移動され、移動部材3bはスプリング3dの付勢力により図中の中心軸方向に付勢されて縮径状態にされる。この芯金2の縮径状態で、芯金2と環状ワークWの間には充分な隙間が形成され、環状ワークWの取り出し、あるいは芯金2の環状ワークWからの抜き取りが容易に行われる。
【0041】
以上のように、本実施の形態の高周波焼戻装置1では、誘導加熱及び冷却時の環状ワークWの変形を防止する芯金2を3分割して分割片2bとして構成して円周上に隙間を形成して配置し、この3分割した芯金2を芯金移動機構3により縮径方向及び拡径方向に均等に移動可能としたため、誘導加熱処理及び冷却処理中には、芯金2を拡径方向に移動させることにより、環状ワークの変形を防止することができ、誘導加熱処理及び冷却処理の前後には、芯金2を縮径方向に移動させることにより、被加熱部材である環状ワークのセット及び環状ワークからの芯金の抜き取りを容易にすることができる。
【0042】
したがって、高周波焼戻装置1において、環状ワークの誘導加熱処理及び冷却処理後に環状ワークから芯金が抜けにくくなったり、芯金を抜き取る時に環状ワークの内周面に傷を付けてしまうといった事態の発生を防止することができる。
【0043】
その結果、環状ワークWを誘導加熱する高周波焼戻装置1の信頼性を向上させることができる。
【0044】
また、本実施の形態の高周波焼戻装置1では、焼戻し前の環状ワークWを芯金2及び押え機構5により支持固定したままの状態で、誘導加熱時の周波数を適宜設定し、誘導加熱及び冷却を実行することにより環状ワークWを焼入れすることも可能である。
【0045】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記実施の形態では、芯金2を3分割で構成した場合を示したが、その分割数は限定されるものではなく、芯金移動機構3の構造がより複雑にならない程度に分割数を増やしてもよい。
【0046】
また、上記実施の形態の芯金移動機構3の構成は限定されるものではなく、上記芯金2を移動させる目的が達成可能なものであれば、種々の構成に変更可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の環状ワークの高周波焼戻し方法は、誘導加熱及び冷却後の環状ワークの抜き取りを容易にするために芯金を分割し、芯金外周面に嵌合した金属製環状部材により環状ワークに発生する誘導電流量を全周に亘って平均化することができ、環状ワークの誘導加熱による内部保有熱を金属製環状部材に吸収発散させることにより、環状ワークの外周面に均一な焼戻し層を得ることができる。
【0048】
また、本発明の環状ワークの高周波焼戻し方法は、焼戻し前の環状ワークを芯金及び押え機構により支持固定したままの状態で、誘導加熱時の周波数を適宜設定し、誘導加熱及び冷却を実行することにより環状ワークを焼入れすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した高周波焼戻装置の要部構成を示す断面図。
【図2】図1の芯金を上方から見た平面図。
【図3】図1の高周波焼戻装置への環状ワークのセット時の芯金及び芯金移動機構の状態を示す図。
【図4】図1の高周波焼戻装置において環状ワークを誘導加熱処理中の芯金及び芯金移動機構の状態を示す図。
【図5】図1の高周波焼戻装置において環状ワークを誘導加熱処理後の芯金及び芯金移動機構の状態を示す図。
【符号の説明】
1 高周波焼戻装置
2 芯金
2a 凹部
2b 芯金分割片
2c 間隙
3 芯金移動機構
3a ケース
3b 移動部材
3c 固定部材
3d スプリング
3e 移動棒
4 誘導加熱コイル
5 押え機構
6 金属製環状部材
W 環状ワーク
Claims (1)
- 環状ワークの孔内に放射方向に複数分割された芯金を挿通し、該芯金の分割片間の間隙を拡げることにより該芯金の外径を拡径し、該環状ワークの内周面を該各分割片により支持固定し、該環状ワークの外周に設けられた誘導加熱コイルにより該環状ワークの外周面を誘導加熱した後、冷媒により冷却して前記環状ワークを焼入れし、その後直ちに、焼入れ時より低い周波数で誘導加熱を行った後、冷媒により冷却して焼戻す環状ワークの高周波焼戻し方法において、
前記環状ワーク上方から降下させた支持部材により該環状ワーク上面を押圧しつつ支持固定し、前記複数分割された芯金の外周面に凹部を設け、該凹部に導電性かつ熱伝導性を持つ金属製環状部材を嵌合し、該金属製環状部材の上面に前記環状ワークを載置することを特徴とする環状ワークの高周波焼戻し方法。
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