JPH10253965A - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

Info

Publication number
JPH10253965A
JPH10253965A JP6055497A JP6055497A JPH10253965A JP H10253965 A JPH10253965 A JP H10253965A JP 6055497 A JP6055497 A JP 6055497A JP 6055497 A JP6055497 A JP 6055497A JP H10253965 A JPH10253965 A JP H10253965A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
film
coating film
display device
crystal display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6055497A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Matsumoto
俊寛 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP6055497A priority Critical patent/JPH10253965A/ja
Publication of JPH10253965A publication Critical patent/JPH10253965A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基板を有するSTN型液晶表示
装置の製造において、配向処理時に、配向膜となる膜の
剥離を生じさせず、適正なかつ均一な膜厚と十分な配向
性を有する配向膜を形成する。 【解決手段】 共重合型ポリイミドをγブチルラクトン
とジプロピレングリコールモノメチルエーテルと乳酸ブ
チルとを8:1:1の比率で混合した溶剤にて固形分濃度3wt
%〜8wt%となるように溶かした溶液をプラスチック基板
に印刷し、配向膜となる塗膜を形成する。次に、焼成工
程を経た上記塗膜に、液晶のプレティルト角が4.5゜〜15゜
となるようにラビング法で配向処理を行う。このとき、ラ
ビングローラの回転数を500rpm〜1000rpm、プラスチッ
ク基板に対するラビングローラの相対移動速度を30mm/
秒〜100mm/秒、ラビング布のパイルの押し込み量を0.3
mm〜0.6mmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、電子手
帳など、小型、薄型かつ軽量性が特に要求される携帯情
報端末装置あるいは卓上式電子計算機などに用いるのに
好適な、プラスチック基板にて挟持された液晶がSTN
(スーパー・ツイステッド・ネマティック)型の分子配
向を有する液晶表示装置の製造方法に関し、より詳しく
は、そのような液晶表示装置における配向膜の形成に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置を軽量薄型化し、耐
衝撃性を高めるために、液晶を挟持する基板としてこれ
までのガラス基板に代えてプラスチック基板を用いたも
のが開発されてきている。基板には液晶の配向を制御す
るための配向膜が設けられるが、プラスチック基板に形
成される配向膜の材料としては、ポリイミド重合体やポ
リイミド前駆体、ポリエーテルアミド等が知られてい
る。これらは溶剤に溶かして使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、STN(ス
ーパー・ツイステッド・ネマティック)型の液晶分子配
向を有する液晶表示装置(以下、STN型液晶表示装
置)の場合、優れた表示性能を得るには、以下のような
条件を満たす必要がある。
【0004】 プレティルト角(液晶分子の傾き角
度)が大きく、安定していること。 適量のカイラル成分を含む混合液晶において、アン
ダーツイストドメインあるいは電圧印加時にストライプ
ドメインが発生せず、液晶分子が安定して配向するこ
と。 電圧保持率が60%以上で安定していること。 高周波数駆動時の閾値電圧と低周波数駆動時の閾値
電圧との差が小さいこと。 長時間の連続駆動時において閾値電圧の低下がない
こと。
【0005】これらの条件を満たすためには、配向膜に
不純物が付着あるいは含まれていないこと、配向膜が適
正かつ均一な膜厚を有すること、配向膜に削れ等の欠陥
がないことが必要である。しかし、プラスチック基板を
有するSTN型液晶表示装置のための配向膜材料とし
て、ポリイミド重合体、ポリイミド前駆体、ポリエーテ
ルアミドを用いた場合には、配向膜となる膜の焼成温度
をガラス基板の場合ほど高くすることができないため、
溶剤が配向膜中に残存してしまい、液晶表示装置内部の
汚染の原因となる。また、ポリイミド前駆体の場合に
は、未反応部が残り、これに液晶表示装置内部の汚染の
原因となる不純物が付着、吸着してしまう。このような
ことから、これらの材料を用いて配向膜を形成した場合
には、プレティルト角が安定せず、電圧保持率も低く、
また、高周波数駆動時の閾値電圧と低周波数駆動時の閾
値電圧との差も大きいため、同一パターン表示時の残
像、駆動周波数によるクロストーク、長時間駆動時の閾
値電圧上昇といったような問題が発生し、良好な表示性
能を得ることができない。また、これらの材料で形成し
た膜は、焼成後にも溶剤が膜中に残存しているために膜
が柔らかく、したがってこの膜ににSTN型液晶表示装
置に適した配向処理(ラビング法)を実施すると、膜が
基板から剥離し(削れ)やすく、剥離した場合には、こ
れが傷状の表示むらとなる。さらに、ポリイミドあるい
はポリイミド前駆体の場合には、塗布後の膜のレベリン
グ性が悪いために、配向膜に微小な膜厚むらが発生し、
これも表示むらとなる。
【0006】プラスチック基板を用いたSTN型液晶表
示装置のための上記以外の配向膜材料として、特開平6
−82794号公報には、特定の成分からなる共重合型
ポリイミドあるいは共重合型ポリイミド前駆体をγブチ
ルラクトンからなる溶剤で溶かして使用することが提案
されている。この公報で提案されたものは、上述した種
々の条件のうち、安定した高いプレティルト角を得る
ことを目的としたものであり、残りの条件を満たすため
の方法については何ら記載がない。しかも、この公報に
記載のように共重合型ポリイミドあるいは共重合型ポリ
イミド前駆体をγブチルラクトンで溶かした溶液は、本
発明者の行った実験によると、塗布後のレベリング性が
悪く、したがって、膜厚が不均一になるので、表示むら
が生じ、良好な表示性能が得られない。
【0007】そこで、本発明の目的は、プラスチック基
板にて挟持された液晶材料がSTN型の液晶分子配向を
有する液晶表示装置の製造方法であって、配向処理時に
配向膜となる膜の剥離を生じさせず、適正かつ均一な膜
厚を有すると共に不純物を含まない配向膜を形成するこ
とのできる製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の液晶表示装置の製造方法は、プラスチッ
ク基板にて挟持された液晶がSTN型の分子配向を有す
る液晶表示装置の製造方法であって、共重合型ポリイミ
ドあるいは共重合体型ポリイミド前駆体をγブチルラク
トンとジプロピレングリコールモノメチルエーテルと乳
酸ブチルとを実質的に8:1:1の比率で混合した溶剤
にて溶かした溶液を上記プラスチック基板に塗布して塗
膜を形成し、次に、上記塗膜に加熱処理を行って上記溶
剤を除去した後、液晶分子のプレティルト角が4.5゜
〜15゜となるように上記塗膜に配向処理を行って配向
膜を形成することを特徴としている。
【0009】本発明者が行った実験によると、共重合型
ポリイミドあるいは共重合体型ポリイミド前駆体を、γ
ブチルラクトンとジプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルと乳酸ブチルとを8:1:1の比率で混合した溶
剤にて溶かした溶液をプラスチック基板に塗布して塗膜
を形成した場合に、塗膜のレベリング性は非常に良好で
あった。そして上記3種の溶剤成分のうち、乳酸ブチル
は特に重要で、乳酸ブチルの比率を1よりも増減させる
と、形成される膜の厚さが不均一になることがわかっ
た。また、γブチルラクトン,ジプロピレングリコール
モノメチルエーテル,乳酸ブチルのうちいずれか2種の
みを用いた場合も、均一な膜厚を得ることはできなかっ
た。
【0010】この製造方法によれば、配向膜となる塗膜
が均一な厚さになるので、表示閾値電圧むらがなく、し
かも、STN型液晶表示装置として良好な表示性能が得
られる。
【0011】請求項2の液晶表示装置の製造方法では、
上記溶液の固形分濃度を3wt%〜8wt%としてい
る。
【0012】固形分濃度を3wt%〜8wt%とするこ
とにより、300Å〜800Åの膜厚の配向膜が得られ
る。膜厚が300Åより小さいと、配向処理時に塗膜が
プラスチック基板から剥がれやすくなる。一方、膜厚が
800Åよりも大きいと、高周波数駆動時の閾値電圧と
低周波数駆動時の閾値電圧との差が大きくなり、良好な
表示性能が得られない。つまり、300Å〜800Åと
いう膜厚はこういった不都合を回避できる適正な膜厚で
ある。したがって、請求項2の液晶表示装置の製造方法
によれば、配向膜は均一な膜厚を持ち、液晶分子は高い
プレティルト角を与えられ、配向処理時の塗膜の剥離
(削れ)が防止され、かつ、高周波数駆動時の閾値電圧
と低周波数駆動時の閾値電圧との差が小さくなる。こう
して、STN型液晶表示装置としての良好な表示性能が
得られる。
【0013】請求項3の液晶表示装置の製造方法では、
上記上記塗膜の加熱処理は、70℃〜110℃の温度で
120秒〜240秒間加熱する仮乾燥工程と、140℃
〜160℃の温度で60分〜120分間加熱する焼成工
程とを含んでいる。
【0014】仮乾燥温度を上記範囲内に設定する理由
は、温度を70℃よりも低くすると、仮乾燥に時間がか
かるので乾燥むらが発生し、110℃よりも高くする
と、塗膜を急激に乾燥させることになるため、塗膜のレ
ベリング性(平坦性)に悪影響を与え、乾燥はするもの
の微小な膜厚むらが発生するからである。
【0015】一方、焼成温度を140〜160℃の温度
範囲内にする理由は次の通りである。温度を140℃よ
りも低くすると、焼成後の塗膜中に溶剤が残存するの
で、膜が柔らかくなってしまい、配向処理時に、塗膜が
剥離しやすくなる。これに加えて、配向膜完成後も、残
留溶剤が膜中あるいは膜表面に不純物として残るため、
プレティルト角が低く不安定になる、アンダーツイスト
ドメインあるいは電圧印加時にストライプドメインの発
生なしに安定に配向するカイラル成分のピッチ幅が狭く
なる、電圧保持率が60%よりも低くなり表示むらが発
生する、等々の問題が生じて、所望のSTN配向膜とし
ての性能を得ることができない。一方、160℃よりも
高いと、プラスチック基板2に十分な耐熱性がないた
め、基板の着色、割れ、熔融といった問題が生じる。1
40〜160℃の範囲内の焼成温度はこのような問題を
回避でき、良好な表示性能を有するSTN型液晶表示装
置が得られる。
【0016】請求項4の液晶表示装置の製造方法では、
上記塗膜への配向処理はラビング法を用いて行い、この
配向処理時の条件として、ラビングローラの回転数を5
00rpm〜1000rpm、上記塗膜が形成されたプ
ラスチック基板に対する上記ラビングローラの相対移動
速度を30mm/秒〜100mm/秒、ラビング布のパ
イルの押し込み量を0.3mm〜0.6mmとしてい
る。
【0017】上記ラビングローラの回転数を上記範囲内
に設定する理由は、500rpmよりも低速回転だと、
十分な配向性が得られず、配向処理に伴う表示欠陥が発
生するからであり、1000rpmよりも高速回転だ
と、上記塗膜の剥離が発生するからである。
【0018】また、上記ラビング布のパイルの押し込み
量を上記範囲内に設定する理由は、0.3mmよりも押
し込み量が小さいと、十分な配向性が得られず、配向処
理に伴う表示欠陥が発生するからであり、また、0.6
mmよりも大きいと、上記塗膜の剥離が発生するからで
ある。
【0019】さらに、上記プラススチック基板に対する
ラビングローラの相対移動速度を上記範囲内にする理由
は、100mm/秒よりも高速だと、十分な配向性が得
られず、配向処理に伴う表示欠陥が発生するからであ
り、30mm/秒よりも低速だと、上記塗膜の剥離が発
生するからである。
【0020】つまり、請求項4の製造方法によれば、配
向処理時に生じ得る配向膜の欠陥を防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。図2は、図1に示した製造フロ
ーに従って製造されたSTN型液晶表示装置の断面概略
図であり、1は偏光板、2は透明なプラスチック基板、
3は透明電極、4は配向膜、5は液晶、6はシール材、
7はスペーサである。
【0022】次に、図1の製造フローに沿って、上記S
TN型液晶表示装置の製造方法を説明する。
【0023】まず、ステップS1にて、透明なプラスチ
ック樹脂板からなる2枚のプラスチック基板2を用意す
る。このプラスチック基板2の材料としては、エポキシ
系またはアクリル系のプラスチック樹脂、ポリエーテル
サルフォン(PES)、ポリエーテルテレフタレート
(PET)、あるいはポリカーボネート(PC)などを
使用することができる。また、各プラスチック基板2の
両面は、ガスバリアおよびITOアンダーコート膜の働
きをするアクリル系、エポキシ系、あるいはシロキサン
系の膜でコーティングする。
【0024】続いて、ステップS2において、低温スパ
ッタリング法により、各プラスチック基板2上にITO
膜を600Å〜2500Åの膜厚で形成する。そして、
このITO膜をフォトエッチングにより所望の電極形状
にパターン化して、透明電極3を得る。
【0025】次に、上記透明電極3が形成されたプラス
チック基板2面上に、配向膜4となる塗膜4(便宜上、
配向膜に対するものと同じ参照番号で表す)をフレキソ
印刷法により形成する。フレキソ印刷法とは、フレキシ
ブルな樹脂またはゴム凸版を用い、溶剤乾燥型インキを
用いた印刷方式である。この実施の形態では、共重合型
ポリイミドあるいは共重合型ポリイミド前駆体を、γブ
チルラクトン,ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル,乳酸ブチルを8:1:1の比率で混合した溶剤に
て固形分濃度3wt%〜8wt%とした溶液をインクと
して用いる。固形分濃度を3wt%〜8wt%とするこ
とにより、後述する本焼成後の膜厚が300Å〜800
Åの配向膜4が得られる。なお、塗膜4の形成は、印刷
法以外の方法を用いてもよく、例えば、スピンコートに
よって形成してもよい。
【0026】上記共重合型ポリイミドとしては、例え
ば、日産化学製サンエバー5291が、また、共重合型
ポリイミド前駆体としては、例えば、日産化学製サンエ
バー7792あるいはサンエバー7992が使用でき
る。
【0027】ところで、上記3種の溶剤成分の8:1:
1という溶剤比率は、最も良好な印刷性が得られる比率
である。これら3種の溶剤成分のうち、乳酸ブチルは特
に重要で、乳酸ブチルの比率を1よりも増加あるいは減
少させると、印刷性が悪くなり、形成される膜の厚さが
不均一になる。この結果、表示閾値電圧むらが生じる。
また、γブチルラクトン,ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル,乳酸ブチルのうちいずれか2種のみを
用いた場合も、印刷性が悪くなる。
【0028】次に、ステップS4にて、上記塗膜4を7
0℃〜110℃の温度で、120秒〜240秒かけて仮
乾燥し、塗膜4中の溶剤を蒸発させる。仮乾燥温度を上
記範囲内に設定する理由は、温度を70℃よりも低くす
ると、仮乾燥に時間がかかり乾燥むらが発生し、110
℃よりも高くすると、塗膜4のレベリング性(平坦性)
が悪くなり、乾燥はするものの微小な膜厚むらが発生す
るからである。また、この仮乾燥工程では、プラスチッ
ク基板2を直接ホットプレートに載せた乾燥は行わな
い。これは、プラスチック基板2を直接ホットプレート
に載せると、プラスチック基板2が反り返って乾燥むら
が生じるためである。
【0029】上記仮乾燥の後、ステップS5において、
塗膜4の本焼成を、140℃〜160℃の温度で、60
〜120分行う。このときの雰囲気は、窒素あるいは空
気である。また、雰囲気は常圧のみならず、加圧あるい
は減圧処理してもかまわない。この本焼成後の配向膜4
の膜厚は、300Å〜800Åである。
【0030】ここで、本焼成時の温度を140℃〜16
0℃にしたのは、次の理由による。まず、温度が140
℃よりも低いと、塗膜4中に溶剤が残存してしまい、こ
の残存した溶剤により膜が柔らかくなってしまう。この
結果、後に続く配向処理時に、塗膜4が基板から剥離す
るという欠点がある。また、残留溶剤が完成後の配向膜
4において不純物として作用するので、プレティルト角
が低く不安定になる、アンダーツイストドメインあるい
は電圧印加時にストライプドメインの発生なしに安定に
配向するカイラルピッチ幅が狭くなる、電圧保持率が低
くなり表示むらが発生する、等々の問題が生じて、所望
のSTN配向膜としての性能を得ることができない。一
方、160℃よりも高いと、プラスチック基板2に耐熱
性がないため、基板が着色される、割れる、溶けるとい
った問題が生じる。こういった問題を回避するために、
本焼成は140〜160℃の範囲内の温度で行うのであ
る。
【0031】次に、ステップS6において、焼成後の塗
膜4に、上記2枚のプラスチック基板2を貼り合わせた
ときのツイスト角度が210°〜270゜となるよう
に、かつ、塗膜4の剥離(削れ)がないように、ラビン
グ法を用いて配向処理する。この配向処理において使用
するラビング布は、レーヨンあるいは綿で織られたベル
ベット織り布あるいはモケット織り布(例えば、吉川化
工製ラビリング布:YA19R(レーヨン),YA25
C(綿))である。また、ここでのラビング法による配
向処理条件は、ラビング布を巻いたローラ(ラビングロ
ーラ)の回転数:500rpm〜1000rpm、パイ
ルの押し込み量:0.3mm〜0.6mm、プラスチッ
ク基板2またはラビングローラの移動速度:30mm/
秒〜100mm/秒である。
【0032】ここで、ラビングローラの回転数を上記範
囲内に設定する理由は、500rpmよりも低速回転だ
と、十分な配向性が得られず、配向処理に伴う表示欠陥
が発生するからであり、1000rpmよりも高速回転
だと、塗膜4の剥離が発生するからである。
【0033】また、パイルの押し込み量を上記範囲内に
設定する理由は、0.3mmよりも押し込み量が小さい
と、十分な配向性が得られず、配向処理に伴う表示欠陥
が発生するからであり、また、0.6mmよりも大きい
と、塗膜4の剥離が発生するからである。
【0034】さらに、プラスチック基板2またはラビン
グローラの移動速度(つまり、プラスチック基板に対す
るラビングローラの相対移動速度)を上記範囲内にする
理由は、30mm/秒よりも低速だと、配向膜の剥離が
発生するからであり、100mm/秒よりも高速だと、
十分な配向性が得られず、配向処理に伴う表示欠陥が発
生するからである。
【0035】上記配向処理の後、配向処理によって発生
した布くずを、純水あるいは有機溶剤(例えばイソプロ
ピルアルコール)によるシャワー及び超音波洗浄にて取
り除く。
【0036】次に、洗浄処理を受けた2枚のプラスチッ
ク基板2のうちの一方に、ステップS7において、ガラ
ス繊維、あるいは、プラスチック製あるいはガラス製の
ミクロビーズ(50〜150個/1mmφ、つまり、直
径が1mmの円当たり50〜150個)からなるギャッ
プ保持材を散布し、スペーサ7とする。また、他方のプ
ラスチック基板2には、ステップS8において、数%の
ギャップ保持材を含有したエポキシ系シール材6を、液
晶の封入口を残して、ディスペンサー法あるいはスクリ
ーン印刷法にて透明電極3外に形成する。そして、シー
ル材6を形成したプラスチック基板2のみを、50〜1
20℃の温度で20〜40分間、仮乾燥する。
【0037】続いて、ステップS9において、上記2枚
のプラスチック基板2を貼り合わせ、100℃〜140
℃の温度で、2kg/cm2の圧力を加えた状態で60
〜90分間放置する。その後、貼り合わせたプラスチッ
ク基板2を100℃〜140℃の温度で60〜180分
加熱して、シール材6を硬化させる。
【0038】次に、ステップS10において、液晶を真
空注入法にて封入口より両プラスチック基板2の間のギ
ャップに注入し、室温硬化型樹脂あるいは紫外線硬化型
樹脂にて上記封入口を封止する。こうして、共重合型ポ
リイミドあるいは共重合型ポリイミド前駆体を配向膜材
料として用いたSTN型液晶表示装置が完成する。
【0039】本発明の有効性を検討するために、共重合
型ポリイミド(サンエバー5291)、共重合型ポリイ
ミド前駆体(サンエバー7992)を含めた各種材料を
プラスチック基板に焼成して配向膜として用いたSTN
型液晶表示装置を上述した方法に従って形成し、それぞ
れのSTN型液晶表示装置について、(1)配向処理
(ラビング)時の塗膜剥離の有無、(2)プレティルト
角、(3)配向の安定性、(4)各種電気光学特性、お
よび(5)1000時間の連続駆動時の閾値電圧低下の
有無を調べた。結果は図3に示す通りである。図3が明
らかに示す通り、共重合型ポリイミド、共重合型ポリイ
ミド前駆体を用いたものはいずれも、配向処理時の膜剥
離がなく、プレティルト角はそれぞれ5.27および4.
67と高く、液晶配向は安定しており、電圧保持率は7
5%以上、そして、長期間連続駆動時の電圧低下なし
と、上記項目(1)〜(5)のすべてにおいて良好な結
果が得られており、本発明のSTN型液晶表示装置が良
好な表示性能を有することがわかる。
【0040】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の液
晶表示装置の製造方法では、共重合型ポリイミドあるい
は共重合体型ポリイミド前駆体を、γブチルラクトンと
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルと乳酸ブチ
ルとを8:1:1の比率で混合した溶剤にて溶かした溶
液を用いて、配向膜となる塗膜を形成しているので、均
一な膜厚の塗膜を形成することができ、従って、均一な
膜厚の配向膜を最終的に得ることが可能となり、液晶表
示装置駆動時の閾値電圧が一定になる。これに加えて、
液晶分子のプレティルト角が4.5゜〜15゜となるよ
うな配向処理を上記塗膜に行うので、むらのない良好な
表示性能を有するSTN型液晶表示装置を実現すること
ができる。
【0041】また、請求項2の液晶表示装置の製造方法
では、上記溶液の固形分濃度を3wt%〜8wt%とし
ているので300〜800Åという適正な厚さの膜を得
ることができ、請求項1の構成から得られる効果(均一
な膜厚の配向膜、液晶分子の高プレティルト角)に加え
て、配向処理時の塗膜の剥離(削れ)を防止でき、か
つ、高周波数駆動時の閾値電圧と低周波数駆動時の閾値
電圧との差を小さくできる。したがって、STN型液晶
表示装置としての良好な表示性能を得ることができる。
【0042】また、請求項3の液晶表示装置の製造方法
では、上記塗膜を70℃〜110℃の温度で120秒〜
240秒間仮乾燥し、その後140℃〜160℃の温度
で60分〜120分間焼成するので、均一に塗布された
塗膜の膜厚およびプラスチック基板に悪影響を及ぼすこ
となく、しかも溶剤を残留させることなく焼成を行うこ
とができる。したがって、配向処理時の塗膜の剥離を防
止でき、安定した高プレティルト角、アンダーツイスト
ドメインあるいは電圧印加時にストライプドメインの発
生しない安定した液晶配向、60%以上の電圧保持率、
長時間の連続駆動においても低下しない閾値電圧が得ら
れ、高い表示性能をSTN型液晶表示装置に付与でき
る。
【0043】請求項4の液晶表示装置の製造方法では、
上記塗膜にラビング法によって配向処理を行うときの条
件として、ラビングローラの回転数を500rpm〜1
000rpm、上記共重合型ポリイミド膜が形成された
プラスチック基板に対する上記ラビングローラの相対移
動速度を30mm/秒〜100mm/秒、ラビング布の
パイルの押し込み量を0.3mm〜0.6mmとしてい
るので、請求項1〜3の効果に加えて、配向処理時に生
じ得る配向膜の欠陥を防止できる。したがってこの製造
方法は、プレティルト角が安定しており、電圧保持率が
60%以上と高くかつ安定しており、高周波数駆動時の
閾値電圧と低周波数駆動時の閾値電圧との差が小さく、
しかも長期間の連続駆動においても閾値電圧の低下がな
い、高い表示性能を有するSTN型液晶表示装置を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法の一例を示したフローチャー
トである。
【図2】図1に示した製造フローにしたがって製造され
たSTN型液晶表示装置の断面概略図である。
【図3】従来のSTN型液晶表示装置と、本発明の方法
に従い製造したSTN型液晶表示装置との性能比較結果
を示した図である。
【符号の説明】
1…偏光板、 2…プラスチック基板、 3…透明電極、 4…配向膜、 5…液晶、 6…シール材、 7…スペーサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 9/35 308 G09F 9/35 308

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基板にて挟持された液晶が
    STN型の分子配向を有する液晶表示装置の製造方法で
    あって、 共重合型ポリイミドあるいは共重合体型ポリイミド前駆
    体をγブチルラクトンとジプロピレングリコールモノメ
    チルエーテルと乳酸ブチルとを実質的に8:1:1の比
    率で混合した溶剤にて溶かした溶液を上記プラスチック
    基板に塗布して塗膜を形成し、次に、上記塗膜に加熱処
    理を行って上記溶剤を除去した後、液晶分子のプレティ
    ルト角が4.5゜〜15゜となるように上記塗膜に配向
    処理を行って配向膜を形成することを特徴とする液晶表
    示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記溶液の固形分濃度を3wt%〜8w
    t%としたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記塗膜の加熱処理は、70℃〜110
    ℃の温度で120秒〜240秒間加熱する仮乾燥工程
    と、140℃〜160℃の温度で60分〜120分間加
    熱する焼成工程とを含むことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の液晶表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記塗膜への配向処理はラビング法を用
    いて行い、この配向処理時の条件として、ラビングロー
    ラの回転数を500rpm〜1000rpm、上記塗膜
    の形成されたプラスチック基板に対する上記ラビングロ
    ーラの相対移動速度を30mm/秒〜100mm/秒、
    ラビング布のパイルの押し込み量を0.3mm〜0.6
    mmとすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    1つに記載の液晶表示装置の製造方法。
JP6055497A 1997-03-14 1997-03-14 液晶表示装置の製造方法 Pending JPH10253965A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6055497A JPH10253965A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 液晶表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6055497A JPH10253965A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 液晶表示装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10253965A true JPH10253965A (ja) 1998-09-25

Family

ID=13145633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6055497A Pending JPH10253965A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 液晶表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10253965A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004072719A1 (ja) * 2003-02-12 2004-08-26 Nissan Chemical Industries, Ltd. 液晶配向剤およびそれを用いた液晶配向膜
WO2013125595A1 (ja) * 2012-02-22 2013-08-29 日産化学工業株式会社 組成物、液晶配向処理剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004072719A1 (ja) * 2003-02-12 2004-08-26 Nissan Chemical Industries, Ltd. 液晶配向剤およびそれを用いた液晶配向膜
JPWO2004072719A1 (ja) * 2003-02-12 2006-06-01 日産化学工業株式会社 液晶配向剤およびそれを用いた液晶配向膜
CN100426097C (zh) * 2003-02-12 2008-10-15 日产化学工业株式会社 液晶定向剂和采用该液晶定向剂的液晶定向膜
US7537812B2 (en) 2003-02-12 2009-05-26 Nissan Chemical Industries, Ltd. Aligning agent for liquid crystal and liquid-crystal alignment film obtained with the same
KR100952867B1 (ko) * 2003-02-12 2010-04-13 닛산 가가쿠 고교 가부시키 가이샤 액정 배향제 및 이것을 사용한 액정 배향막
JP4561631B2 (ja) * 2003-02-12 2010-10-13 日産化学工業株式会社 液晶配向剤およびそれを用いた液晶配向膜
WO2013125595A1 (ja) * 2012-02-22 2013-08-29 日産化学工業株式会社 組成物、液晶配向処理剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JPWO2013125595A1 (ja) * 2012-02-22 2015-07-30 日産化学工業株式会社 組成物、液晶配向処理剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP2018083943A (ja) * 2012-02-22 2018-05-31 日産化学工業株式会社 組成物、液晶配向処理剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6011609A (en) Method of manufacturing LCD by dropping liquid crystals on a substrate and then pressing the substrates
JP2005234254A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP3267989B2 (ja) 液晶配向膜の製造方法
JPH09105937A (ja) 液晶表示素子の配向膜形成方法
US6682786B1 (en) Liquid crystal display cell having liquid crystal molecules in vertical or substantially vertical alignment
JPH10253965A (ja) 液晶表示装置の製造方法
JPH10197870A (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JPH0720472A (ja) 液晶表示装置の製造方法
US6521472B2 (en) Method of forming a capacitor container electrode and method of patterning a metal layer by selectively silicizing the electrode or metal layer and removing the silicized portion
KR100268031B1 (ko) 액정표시소자의 광배향막 형성방법
WO2015043027A1 (zh) 一种psva液晶面板制造方法和psva液晶面板
JP2002202509A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JPS62247327A (ja) 強誘電性液晶素子の製造方法
JP4972433B2 (ja) 液晶配向膜の製造方法
JP2772718B2 (ja) 液晶電気光学装置の作製方法
JP2699999B2 (ja) 液晶素子
JPS62247326A (ja) 強誘電性液晶素子の製造方法
JP3538075B2 (ja) 液晶電気光学装置の作製方法
JP3594766B2 (ja) 液晶装置及びその製造方法
KR19990075414A (ko) 액정표시장치와 그 배향처리방법
JPH03125117A (ja) 強誘電性液晶素子の製造方法
JP3497119B2 (ja) 有機薄膜とその製造方法、液晶配向膜とその製造方法、並びに液晶表示装置とその製造方法
JP2914889B2 (ja) 液晶表示素子および製造方法
JPH03208018A (ja) 液晶表示素子
JPH0713165A (ja) 液晶表示素子の製造方法